JP7205971B2 - 鉄道車両の可倒窓ストッパ装置 - Google Patents

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Description

本開示は、鉄道車両の窓枠に対して傾動して開閉される可倒窓の動作を制限する装置に関する。
鉄道車両には、窓枠に対して傾動して開閉される可倒窓を設けたものがある。鉄道車両が可倒窓を開いた状態でトンネルに進入すると、大きな負圧の発生によって可倒窓が急に閉じてしまう場合がある。そのため、可倒窓を備えた鉄道車両では、このような現象を防ぐ対策が求められる。
一般的な可倒窓では、可倒窓を一定の角度で保持するステーが設けられ、そのステーにはトルクステーやストップステーが用いられ得る。トルクステーは、一対のアームの間で生じる摩擦力等によって可倒窓を全開状態に保持する。ストップステーは、ステーの案内溝の先端部に係止部を設け、窓枠から突出するピンが案内溝の係止部に嵌ることで、可倒窓を全開状態に保持する(例えば、特許文献1及び2参照)。
特開平11-324461号公報 特許第6037645号公報
トルクステーを採用する場合、大きな負圧の発生によって可倒窓が急に閉じる現象の対策には、保持力の高いトルクステーを用いる必要が生じる。しかし、保持力の高いトルクステーの径は大きく、全閉状態において窓枠と可倒窓との間の小さい隙間に収納できなくなり、現実的にはトルクステーでの対策は難しい。
ストップステーを採用する場合、可倒窓が閉じる力が大きくても当該力に耐え得るように係止部を形成すれば、コンパクトな構成であっても、大きな負圧によって可倒窓が急に閉じる現象を防止できる。しかし、ユーザが手動で可倒窓を閉じる場合には、ユーザがステーを直接的に傾動操作して係止を解除してから可倒窓を閉じ操作する必要があり、係止解除の操作が余分に必要なことでユーザの操作性が悪くなる。
そこで本開示では、鉄道車両のトンネル進入時の負圧発生によって可倒窓が急に閉じる現象を防止するストッパ装置をコンパクトな構成で実現しながら、ユーザが手動で可倒窓を閉じ操作する際の操作性を高めることを目的とする。
本開示の一態様に係る鉄道車両の可倒窓ストッパ装置は、鉄道車両の窓枠に対して傾動して開閉される可倒窓の動作を制限する装置であって、前記窓枠又は前記可倒窓の一方からなる一部材に固定される少なくとも1つのベース部材と、前記窓枠又は前記可倒窓の他方からなる他部材に回動自在に接続される少なくとも1つのステーと、を備え、前記ベース部材又は前記ステーの一方は、ピンを有し、前記ベース部材又は前記ステーの他方は、前記ピンが挿通される案内溝を有し、前記案内溝は、前記可倒窓が全開した状態で前記ピンが位置する全開位置部と、前記可倒窓が全閉した状態で前記ピンが位置する全閉位置部と、前記全閉位置部と前記全開位置部とを接続するピン通路部と、前記全閉位置部よりも前記全開位置部の近くに配置され、前記全開位置部に対して前記ピン通路部とは異なる角度で前記全閉位置部側から対向し、前記可倒窓の傾動に伴う前記ステーの移動の軌跡に沿って設けられた閉制限位置部と、を有し、前記案内溝の内周縁は、前記閉制限位置部を画定するように前記全開位置部に対向し、前記全開位置部から前記閉制限位置部に移動した前記ピンに干渉する閉制限部を有し、前記ピン通路部は、前記案内溝における前記閉制限位置部よりも前記全開位置部側の領域から、前記閉制限位置部とは異なる方向に延びる導入通路部と、前記導入通路部を前記全閉位置部に接続する主通路部と、を含み、前記導入通路部は、前記可倒窓が全開状態から閉じられ始めて前記ピンが前記全開位置部から移動するときに、前記ベース部材に対して前記ステーが自重によって鉛直方向下方に移動することで前記領域から前記ピンが進入する方向に形成されている。
前記構成によれば、鉄道車両がトンネルに進入して大きな負圧が発生することで可倒窓が急に閉じられようとしても、ステーの案内溝の内周縁の閉制限部にピンが干渉し、可倒窓が急に閉じることが阻止される。その際、可倒窓が素早く動いてピンが直ぐに閉制限部に到達することでステーの自重落下する時間がなくなり、ピンが導入通路部に進入することはない。他方、ユーザが手動で可倒窓を閉じる場合には、可倒窓は比較的ゆっくりと動くため、ピンが案内溝の全開位置部から離れる際にステーのベース部材側の端部が自重で降下し、ピンが閉制限部に向わずにピン通路部の導入通路部に進入する。そのため、ピンは、閉制限部に干渉することなく、ピン通路部を通って全閉位置部に到達し得る。ゆえに、ユーザが手動で可倒窓を閉じ操作する際に、ステーを直接的に傾動操作する等の特別な操作を行う必要が無い。
本開示によれば、鉄道車両のトンネル進入時の負圧発生によって可倒窓が急に閉じる現象を防止するストッパ装置をコンパクトな構成で実現できると共に、ユーザが手動で可倒窓を閉じ操作する際の操作性を高めることができる。
実施形態に係る鉄道車両の可倒窓の車内側から見た正面図である。 図1のII-II線断面図である。 図1のIII-III線断面図である。 (A)は図2に示す第1ストッパユニットの平面図、(B)は第1ストッパユニットの側面図である。 (A)は第1ストッパユニットの第1ステーの平面図、(B)は第2ストッパユニットの第2ステーの平面図である。 (A)は可倒窓が全開状態での第1ステー及びピンの位置関係を示す図面、(B)は可倒窓が急閉による閉制限状態での第1ステー及びピンの位置関係を示す図面である。 (A)は可倒窓が全開状態での第1ステー及びピンの位置関係を示す図面、(B)は可倒窓が手動閉じ動作中での第1ステー及びピンの位置関係を示す図面、(C)は可倒窓が全閉状態での第1ステー及びピンの位置関係を示す図面である。 (A)は可倒窓が全開状態での第2ステー及びピンの位置関係を示す図面、(B)は可倒窓が手動閉じ動作中での第2ステー及びピンの位置関係を示す図面、(C)は可倒窓が全閉状態での第2ステー及びピンの位置関係を示す図面である。 (A)は可倒窓が全開状態での第2ステー及びピンの位置関係を示す図面、(B)は可倒窓が緩やかに閉じ始めてから急閉したときの閉制限状態での第2ステー及びピンの位置関係を示す図面である。
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
図1は、実施形態に係る鉄道車両の可倒窓5の車内側から見た正面図である。図2は、図1のII-II線断面図である。図3は、図1のIII-III線断面図である。図1に示すように、鉄道車両の側構体の開口に窓枠1が設けられ、窓枠1には傾動して開閉される可倒窓4が取り付けられている。具体的には、矩形状の窓枠1で囲まれた窓開口を上下に仕切るように窓枠1の左右方向(車両長手方向)に延びる仕切枠2が窓枠に固定されている。窓枠1で囲まれた窓開口のうち仕切枠2の下側の窓開口部が固定窓3で閉鎖され、窓枠1で囲まれた窓開口のうち仕切枠2の下側の窓開口部が可倒窓4で開閉可能に閉鎖されている。
図1及び3に示すように、可倒窓4の下端部は、水平軸線Xを有する支軸5を介して窓枠1に回動可能に接続され、可倒窓4の上端部には、ユーザが把持して可倒窓4を開閉するためのハンドル6が取り付けられている。ユーザがハンドル6を手動操作して車内側に引くことで、可倒窓4が水平軸線X周りに車内側に傾動して開き状態となる。
図2に示すように、可倒窓4には、可倒窓4の動作を制限するストッパ装置10が設けられている。ストッパ装置10は、可倒窓4の左右方向一方側(車両長手方向一方側)に設けられた第1ストッパユニット11と、可倒窓4の左右方向他方側(車両長手方向他方側)に設けられた第2ストッパユニット12とを備える。第1ストッパユニット11及び第2ストッパユニット12の各々は、窓枠1の内側面と可倒窓4の外側面との間の隙間に配置されている。
図2及び3に示すように、第1ストッパユニット11は、窓枠1の内側面に固定される第1ベース部材21と、可倒窓4の外側面の上下方向中間部分に回転軸23を介して回動自在に支持されて第1ベース部材21に相対変位可能に係合される第1ステー22とを備える。第2ストッパユニット12も、窓枠1の内側面に固定される第2ベース部材31と、可倒窓4の外側面に回転軸33(図8(A)参照)を介して回動自在に支持されて第2ベース部材31に相対変位可能に係合される第2ステー32とを備える。第1ストッパユニット11と第2ストッパユニット12との間では、後述するように第1ステー22の溝形状と第2ステー32の溝形状とが互いに異なるが、その他の構成は同じである。
図4(A)は第1ストッパユニット11の平面図、図4(B)は第1ストッパユニット11の側面図である。図4(A)(B)に示すように、第1ベース部材21は、窓枠1の内側面1aに固定されるプレートBと、プレートBから突出する円柱状のピンPと、ピンPの先端に設けられたフランジ状のキャップCとを有する。第1ステー22は、一方向に長い板である。第1ステー22の一端部側には、ピンPが挿通される案内溝25が形成され、第1ステー22の他端部には、回転軸23が挿通される軸支孔26が形成されている。軸支孔26を挿通した回転軸23が取り付けられたプレート24が可倒窓4の外側面4aに固定されることで、第1ステー22は可倒窓4に対して回転軸23を支点として回動自在に接続される。なお、図4(A)(B)では第1ストッパユニット11について説明したが、第2ストッパユニット12についてもステーの案内溝の形状以外の構成は同じである。
図5(A)は第1ストッパユニット11の第1ステー22の平面図、図5(B)は第2ストッパユニット12の第2ステー32の平面図である。図5(A)(B)に示すように、第1ステー22及び第2ステー32の案内溝25,35は、全開位置部A1,B1、全閉位置部A2,B2、ピン通路部A3,B3及び閉制限位置部A4,B4をそれぞれ有する。全開位置部A1,B1は、可倒窓4(図3参照)が全開した状態でピンP(図4参照)が位置する部分である。案内溝25,35の内周縁は、全開状態の可倒窓4が更に開き動作しないように、全開位置部A1,B1に位置するピンPに干渉する開限度部25a,35aを有する。全閉位置部A2,B2は、可倒窓4が全閉した状態でピンPが位置する部分である。ピン通路部A3,B3は、全開位置部A1,B2と全閉位置部A2,B2とを接続する通路状の部分である。
閉制限位置部A4,B4は、全閉位置部A2,B2よりも全開位置部A1,B1の近くに配置され、全開位置部A1,B1に対してピン通路部A3,B3とは異なる角度で全閉位置部A2,B2側から対向する部分である。閉制限位置部A4,B4は、全開位置部A1,B1から見て、可倒窓4の傾動に伴う第1及び第2ステー21,31の移動の軌跡に沿った位置に配置されている。即ち、閉制限位置部A4,B4の中心と全開位置部A1,B1の中心とを結ぶ中心線M1,M2は、第1及び第2ステー21,31の移動軌跡に沿っている。本実施形態では、閉制限位置部A4,B4は、全開位置部A1,B1から見てステー他端部側(軸支孔26,36側)に配置されており、案内溝25,35における閉制限位置部A4,B4から全開位置部A1,B1までの領域R1,R2は、ステー長手方向に延びている。
案内溝25,35の内周縁は、閉制限位置部A4,B4を画定するように全開位置部A1,B1に対向し、全開位置部A1,B1から閉制限位置部A4,B4に移動したピンP(図4参照)に干渉する閉制限部25b,35bを有する。閉制限部25b,35bは、ピンPの外周面に沿った凹形状を有し、具体的には円弧形状を有する。そのため、全開位置部A1,B1から閉制限位置部A4,B4に移動したピンPが、閉制限部25b,35bにより適切に保持され、ピンPが閉制限位置部A4,B4から不意に脱落することが防がれる。
ピン通路部A3,B3は、導入通路部A3a及び主通路部A3bを含む。導入通路部A3a,B3aは、案内溝25,35における領域R1,R2に接続されている。具体的には、導入通路部A3a,B3aは、領域R1,R2における閉制限位置部A4,B4よりも全開位置部A1,B1側の部分に接続され、閉制限位置部A4,B4とは異なる方向に延びている。主通路部A3b,B3bは、導入通路部A3a,B3aを全閉位置部A2,B2に接続している。即ち、主通路部A3b,B3bは、導入通路部A3a,B3aから案内溝25,35側に向けて延びている。
導入通路部A3a,B3aは、可倒窓4が全開状態から閉じられ始めてピンP(図3参照)が全開位置部A1,B1から移動するときに、ピンPに対して第1及び第2ステー22,32の一端部が自重によって(軸支孔26,36周りに)鉛直方向下方に移動することで領域R1,R2からピンPが進入する方向に延びている。可倒窓4が全開した状態において、導入通路部A3a,B3aは、領域R1,R2から斜め上方に延びている。
本実施形態では、全開位置部A1,B1の中心と閉制限位置部A4,B4の中心とを結ぶ中心線M1,N1と、導入通路部A3a,B3aの中心線M2,N2とがなす角度は、全閉位置部A2側(ステー他端部側)に狭角である。具体的には、中心線M1,N1に直交する垂線と、導入通路部A3a,B3aの延在方向(即ち、中心線M2、N2が延びる方向)とがなす角度θ1,θ2は、10°~30°である。
第1ステー22の案内溝25における全開位置部A1から閉制限位置部A4までの長さは、第2ステー32の案内溝35における全開位置部B1から閉制限位置部B4までの長さよりも短い。即ち、ステー長手方向において、第1ステー22の案内溝25の領域R1の長さは、第2ステー32の案内溝35の領域R2の長さよりも短い。ステー長手方向において、第2ステー32の案内溝35における全開位置部B1から導入通路部B3aまでの長さL2は、第1ステー22の案内溝25における全開位置部A1から導入通路部A3aまでの長さよりも長い(本実施形態では、第1ステー22の案内溝25における全開位置部A1から導入通路部A3aまでの長さはゼロであるので、図5(A)には当該長さの符号を図示できない。)。第1ステー22の導入通路部A3aの中心線M2は、全開位置部A1の中心に向かって延びる。他方、第2ステー32の導入通路部B3aの中心線N2は、全開位置部B1の中心と閉制限位置部B4の中心とを結ぶ中心線N1の中間部分に向かって延びる。
第1ステー22の案内溝25と第2ステー32の案内溝35とを比較すると、全開位置部B1から閉制限位置部B4までの距離が全開位置部A1から閉制限位置部A4までの距離よりも長く、全開位置部B1から導入通路部B3aまでの距離が全開位置部A1からA3aまでの距離よりも長い。また、第2ステー32における中心線N1に直交する垂線と導入通路部B3aの延在方向とがなす角度θ2は、中心線M1に直交する垂線と導入通路部A3aの延在方向とがなす角度θ1よりも小さい。角度θ1と角度θ2との差は、距離L2の長さに応じて決められ、例えば1~5°である。
以下、図6乃至9を参照しながらストッパ装置10の動作について状況毎に場合分けして説明する。
[急に大きな負圧が発生して急閉]
図6(A)に示すように、可倒窓4を全開状態とした鉄道車両がトンネルに進入するとき、可倒窓4の車外側に大きな負圧が急発生し、可倒窓4を急閉させる力が作用する。図6(B)に示すように、可倒窓4が閉じ方向に素早く動くと、可倒窓4に連動する第1ステー22の動きによって、ピンPが全開位置部A1から閉制限位置部A4に移動し、案内溝25の閉制限部25bに速やかに干渉し、可倒窓が急に閉じることが阻止される。その際、可倒窓4が素早く動いてピンPが直ぐに閉制限位置部A4に到達することで、第1ステー22の一端部(ピンP側の端部)が回転軸23周りに自重落下する時間がなくなり、ピンPが導入通路部A3aに進入することはない。
導入通路部A3aは、主通路部A3bから領域R1に向かうにつれて全開位置部A1側に向かう方向に延びる。そのため、可倒窓4の開き動作時には、ユーザが可倒窓4を普通に開き操作するだけで、ピンPが導入通路部A3aを滑らかに通過して全開位置部A1に保持される一方、可倒窓4の閉じ動作時にも、ユーザが可倒窓4を普通に閉じ操作するだけで、ピンPが導入通路部A3aに滑らかに案内されて主通路部A3bに到達する。よって、ユーザが手動で可倒窓4を開閉する際の操作フィーリングが良好となる。また、第1ステー22では、全開位置部A1と閉制限位置部A4との間の距離が短いため、ストッパ機能が働くまでの可倒窓4の動作角が小さくて済み、トンネル通過時の可倒窓4のバタつきも抑制される。
[手動閉じ操作]
可倒窓4の手動での閉じ操作において、第1ステー22の動きを図7(A)~(C)に示し、第2ステー32の動きを図8(A)~(C)に示す。図7(A)(B)に示すように、ユーザが可倒窓4を緩やかに閉じ操作すると、可倒窓4に連動する第1ステー22の動きが遅いため、ピンPが全開位置部A1から離れることで、閉制限位置部A4に到達する前に、第1ステー22のピンP側の端部が自重で回転軸23周りに降下し、ピンPが閉制限位置部A4に向わずに導入通路部A3aに進入する。その際、図8(A)に示すように、第2ステー32の案内溝35の領域R2は比較的長いため、第2ステー32側では、ピンPが閉制限位置部B4にも導入通路部B3aにも到達せずに未だ領域R2に残った状態(即ち、図8(A)と図8(B)との間の状態)になる。
そのまま可倒窓4の閉じ操作を続けると、図8(B)に示すように、第2ステー32側のピンPが領域R2における導入通路部B3aに対応する位置に来たときに、第2ステー32のピンP側の端部が自重によって回転軸33周りに降下する。それによって、ピンPが閉制限位置部B4に向わずに導入通路部B3aに進入する。更に可倒窓4の閉じ操作を続けると、第1ステー22及び第2ステー32の両方において、ピンPが主通路部A3b,B3bを通過して全閉位置部A2,B2に到達する。以上のように、ユーザが手動で可倒窓4を閉じ操作する際には、第1ステー22を直接的に傾動操作する等の特別な操作を行わずとも、ピンPが閉制限部25bにより干渉することが回避され、自然に全閉状態にすることができる。
[緩やかな負圧の発生後に負圧が急増して急閉]
図9(A)に示すように、可倒窓4を全開状態とした鉄道車両がトンネルに進入するとき、可倒窓4の車外側に当初は小さい負圧が発生してから負圧が急増する現象が生じる場合もある。即ち、鉄道車両のトンネル通過時には、可倒窓4を緩やかに閉じ始めてから急閉させるような力が可倒窓4に作用する場合がある。その場合、全開状態の可倒窓4が遅い速度で閉じ始めると、第1ステー22側のピンPは導入通路部A3aに進入してしまうものの(図7(B))、第2ステー32側のピンPは、領域R2が長いために領域R2内に留まり、導入通路部B3aには到達しない。即ち、第2ステー32の案内溝35における全開位置部B1から導入通路部B3aまでの長さL2(図5(B))は、第1ステー22の案内溝25における全開位置部A1から導入通路部A3aまでの長さ(図5(A)ではゼロ)よりも長いので、ピンPが領域R2における導入通路部B3aよりも全開位置部B1側の部分に残って導入通路部B3aに進入しない。
その後に負圧が急増すると、図9(B)に示すように、第2ステー32の案内溝35において、ピンPが素早く閉制限位置部B4に到達して閉制限部35bに干渉し、可倒窓4の急閉が適切に阻止される。よって、トンネル通過時に発生する負圧が当初緩やかに増加した後に急に増加する特性を示すような場合にも、可倒窓4の急な閉じ動作が適切に防止される。
以上に説明したように、前記した構成のストッパ装置10によれば、鉄道車両のトンネル進入時の負圧発生によって可倒窓4が急に閉じる現象をコンパクトな構成で防止できると共に、ユーザが手動で可倒窓4を閉じ操作する際の操作性を高めることができる。
なお、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、その構成を変更、追加、又は削除することができる。例えば、ベース部材21,31を窓枠1に固定してステー22,32を可倒窓4に接続する構成の代わりに、ベース部材を可倒窓4に固定し、ステーを窓枠1に接続する構成としてもよい。また、ベース部材21,31にピンPを設けて案内溝25,35をステー22,32に設ける構成の代わりに、ベース部材に案内溝を設けてステーにピンを設ける構成としてもよい。
1 窓枠
4 可倒窓
10 ストッパ装置
11 第1ストッパユニット
12 第2ストッパユニット
21 第1ベース部材
22 第1ステー
23,33 回転軸
24 プレート
25,35 案内溝
25a,35a 開限度部
25b,35b 閉制限部
26,36 軸支孔
31 第2ベース部材
32 第2ステー
A1,B1 全開位置部
A2,B2 全閉位置部
A3,B3 ピン通路部
A3a,B3a 導入通路部
A3b,B3b 主通路部
A4,B4 閉制限位置部
P ピン

Claims (5)

  1. 鉄道車両の窓枠に対して傾動して開閉される可倒窓の動作を制限する装置であって、
    前記窓枠又は前記可倒窓の一方からなる一部材に固定される少なくとも1つのベース部材と、
    前記窓枠又は前記可倒窓の他方からなる他部材に回動自在に接続される少なくとも1つのステーと、を備え、
    前記ベース部材又は前記ステーの一方は、ピンを有し、
    前記ベース部材又は前記ステーの他方は、前記ピンが挿通される案内溝を有し、
    前記案内溝は、
    前記可倒窓が全開した状態で前記ピンが位置する全開位置部と、
    前記可倒窓が全閉した状態で前記ピンが位置する全閉位置部と、
    前記全閉位置部と前記全開位置部とを接続するピン通路部と、
    前記全閉位置部よりも前記全開位置部の近くに配置され、前記全開位置部に対して前記ピン通路部とは異なる角度で前記全閉位置部側から対向し、前記可倒窓の傾動に伴う前記ステーの移動の軌跡に沿って設けられた閉制限位置部と、を有し、
    前記案内溝の内周縁は、前記閉制限位置部を画定するように前記全開位置部に対向し、前記全開位置部から前記閉制限位置部に移動した前記ピンに干渉する閉制限部を有し、
    前記ピン通路部は、前記案内溝における前記閉制限位置部よりも前記全開位置部側の領域から、前記閉制限位置部とは異なる方向に延びる導入通路部と、前記導入通路部を前記全閉位置部に接続する主通路部と、を含み、
    前記導入通路部は、前記可倒窓が全開状態から閉じられ始めて前記ピンが前記全開位置部から移動するときに、前記ベース部材に対して前記ステーが自重によって鉛直方向下方に移動することで前記領域から前記ピンが進入する方向に形成されている、鉄道車両の可倒窓ストッパ装置。
  2. 前記全開位置部の中心と前記閉制限位置部の中心とを結ぶ中心線と、前記導入通路部の中心線とがなす角度は、前記全閉位置部側に狭角である、請求項1に記載の鉄道車両の可倒窓ストッパ装置。
  3. 前記全開位置部の中心と前記閉制限位置部の中心とを結ぶ中心線に直交する垂線と、前記導入通路部の延在方向とがなす角度は、10°~30°である、請求項2に記載の鉄道車両の可倒窓ストッパ装置。
  4. 前記閉制限部は、前記ピンの外周面に沿った凹形状を有する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の鉄道車両の可倒窓ストッパ装置。
  5. 前記少なくとも1つのベース部材は、前記一部材の第1側面に固定される第1ベース部材と、前記一部材の第2側面に固定される第2ベース部材と、を含み、
    前記少なくとも1つのステーは、前記他部材の第1側面に回動自在に接続される第1ステーと、前記他部材の第2側面に回動自在に接続される第2ステーと、を含み、
    前記第1ステーの前記案内溝における前記全開位置部から前記閉制限位置部までの長さは、前記第2ステーの前記案内溝における前記全開位置部から前記閉制限位置部までの長さよりも短く、
    前記第2ステーの前記案内溝における前記全開位置部から前記導入通路部までの長さは、前記第1ステーの前記案内溝における前記全開位置部から前記導入通路部までの長さよりも長い、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の鉄道車両の可倒窓ストッパ装置。
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