上述の態様の好ましい実施形態について説明する。
上記のサンバイザ装置において、上記動作機構部は、上記対象部材及び上記非対象部材がいずれもそれぞれの上記格納位置にあるときに上記ユーザ意向が上記入力部に入力されることに応じて、上記対象部材のみを当該対象部材の上記格納位置から上記使用位置まで動かし、上記対象部材のみが当該対象部材の上記使用位置にあるときに上記ユーザ意向が上記入力部に入力されることに応じて、上記対象部材を当該対象部材の上記使用位置から上記格納位置まで動かすように構成されているのが好ましい。
このサンバイザ装置によれば、対象部材及び非対象部材がいずれも格納位置にあるときにユーザ意向が入力部に入力されることに応じて、対象部材のみをその使用位置まで動かすことができる。また、対象部材のみが使用位置にあるときにユーザ意向が入力部に入力されることに応じて、対象部材をその格納位置まで動かすことができる。このため、対象部材及び非対象部材のそれぞれが配置されている位置と、入力部に入力されたユーザ意向との関係に適した態様で、対象部材及び非対象部材のそれぞれを動かすことができる。
上記のサンバイザ装置において、上記動作機構部は、上記サンバイザ及び上記バニティミラーのそれぞれを駆動可能な駆動部と、上記サンバイザ及び上記バニティミラーのそれぞれの位置を検知可能な検知部と、上記入力部に入力された上記ユーザ意向と上記検知部で検知された情報との両方に基づいて上記駆動部を制御する制御部と、を備えるのが好ましい。
このサンバイザ装置によれば、制御部によって制御される駆動部を利用して、サンバイザ及びバニティミラーのそれぞれを駆動することができる。このため、入力部にユーザ意向を入力する操作のみで、駆動部を利用して対象部材を動かすことができる。
上記のサンバイザ装置において、上記動作機構部は、上記駆動部としての第1モータ及び第2モータと、上記サンバイザに連結された第1ラック部材と、上記第1モータの駆動軸と上記第1ラック部材との両方に噛み合い可能な複数の係合歯を有する第1ピニオンギアと、上記バニティミラーに連結された第2ラック部材と、上記第2モータの駆動軸と上記第2ラック部材との両方に噛み合い可能な複数の係合歯を有する第2ピニオンギアと、を備え、上記第1モータの上記駆動軸に入力された回転軸力が上記第1ピニオンギアを介して上記第1ラック部材に伝達されることによって上記第1ラック部材がスライドし、上記第2モータの上記駆動軸に入力された回転軸力が上記第2ピニオンギアを介して上記第2ラック部材に伝達されることによって上記第2ラック部材がスライドするように構成されているのが好ましい。
このサンバイザ装置によれば、制御部によって第1モータが駆動されたとき、この第1モータの駆動軸に入力された回転軸力を、第1ピニオンギアを介して第1ラック部材に伝達することによって、第1ラック部材をサンバイザとともにスライドさせることができる。また、制御部によって第2モータが駆動されたとき、この第2モータの駆動軸に入力された回転軸力を、第2ピニオンギアを介して第2ラック部材に伝達することによって、第2ラック部材をバニティミラーとともにスライドさせることができる。この場合、2つのモータを用いてサンバイザ及びバニティミラーのそれぞれをスライドさせる構造を簡素化することができる。
上記のサンバイザ装置において、上記サンバイザ及び上記バニティミラーは、それぞれの上記格納位置においてフロントルーフパネルとルーフライニングとの間の天井空間部に配置された状態で互いに重なり、それぞれの上記格納位置から車両前方に向かうスライド動作によって上記ルーフライニングの引出口を通じてそれぞれの上記使用位置まで動くように構成されているのが好ましい。
このサンバイザ装置によれば、サンバイザ及びバニティミラーは、格納位置でともに天井空間部に収容されるため、使用しないときに車室内に露出して邪魔になるのを防止できる。
上記のサンバイザ装置において、上記サンバイザは、回動軸部を中心に回動可能に構成されており、
上記動作機構部は、上記サンバイザの上記スライド動作の際に上記回動軸部を中心に当該サンバイザを回動させて上記使用位置まで押し下げる押し下げローラーを有するのが好ましい。
このサンバイザ装置によれば、格納位置から車両前方に向かうサンバイザのスライド動作を押し下げローラーを介してその回動動作に変換することができる。
以下、車両に設けられるサンバイザ装置の具体的な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
なお、この実施形態の説明のための図面において、車両前方を矢印FRで示し、車両上方を矢印UPで示し、車両内方を矢印INで示している。また、特にことわらない限り、車幅方向である第1方向を矢印Xで示す方向とし、車高方向である第2方向を矢印Yで示す方向とし、車長方向である第3方向を矢印Zで示す方向とする。
(実施形態1)
図1に示されるように、実施形態1のサンバイザ装置1は、初期状態でフロントルーフパネル2とルーフライニング3との間の天井空間部4に配置されるように構成されている。このサンバイザ装置1は、車体に予め装着されてもよいし、或いは必要に応じて車体に後付けされてもよい。
なお、図1では、運転席用のサンバイザ装置1が記載されているが、このサンバイザ装置1と同構造のサンバイザ装置が、天井空間部4のうちバックミラー9を挟んで左側の領域にも助手席用として配置されるのが好ましい。
このサンバイザ装置1は、サンバイザ10と、バニティミラー20と、動作機構部を構成する第1動作機構部11及び第2動作機構部21と、を備えている。
サンバイザ10は、光が車室内へさし込んだり車外へ漏れたりするのを防ぐためにフロントガラスWの一部を遮ることができる機能を有する。本実施形態において、このサンバイザ10は、半透明な偏光素材からなる樹脂プレート部材によって構成されている。
バニティミラー20は、ユーザが車室内で自身を映し出すことができる機能を有する。本実施形態において、このバニティミラー20は、その片面が鏡面となるプレート状の部材からなり、また第1方向Xの幅寸法がサンバイザ10を下回るように構成されている。
ステアリングホイール8のスポーク部には、サンバイザ10を操作するときに使用される入力部としての第1スイッチ31と、バニティミラー20を操作するときに使用される入力部としての第2スイッチ32と、が設けられている。詳細については後述するが、ユーザがサンバイザ10を動かしたいときに第1スイッチ31が操作される一方で、ユーザがバニティミラー20を動かしたいときに第2スイッチ32が操作される。
第1スイッチ31及び第2スイッチ32はいずれも、押し込み方向に動くことによってオフ状態からオン状態に切り替わり、再び押し込み方向に動くことによってオン状態からオフ状態に切り替わる押しボタン式のスイッチとして構成されている。本構成によれば、第1スイッチ31及び第2スイッチ32のそれぞれにおいて、オン操作となる押し込み操作の後の押し込み操作がオフ操作になり、オフ操作となる押し込み操作の後の押し込み操作がオン操作になる。
なお、第1スイッチ31及び第2スイッチ32の種類は押しボタン式に限定されるものではなく、必要に応じて、その他の既知のスイッチである、トグルスイッチ、ロッカースイッチ、ロータリスイッチ、スライドスイッチ、キーロックスイッチ、タクティルスイッチなどを採用することも可能である。
第1スイッチ31には、サンバイザ10を動かすためのユーザ意向M1が入力される。即ち、この第1スイッチ31が操作されることで、この操作によって動くサンバイザ10が対象部材に定まる。ユーザによってサンバイザ10及びバニティミラー20のうちの一方であるサンバイザ10が対象部材とされ他方であるバニティミラー20が非対象部材とされたとき、ユーザがサンバイザ10を動かそうとする場合には、このユーザの意志を示すユーザ意向M1が第1スイッチ31を介して入力される。このときのユーザ意向M1は、第1スイッチ31のオン操作によって入力され、第1スイッチ31のオフ操作によってその入力が解除される。
これに対して、第2スイッチ32には、バニティミラー20を動かすためのユーザ意向M2が入力される。即ち、この第2スイッチ32が操作されることで、この操作によって動くバニティミラー20が対象部材に定まる。ユーザによってバニティミラー20が対象部材とされサンバイザ10が非対象部材とされたとき、ユーザがバニティミラー20を動かそうとする場合には、このユーザの意志を示すユーザ意向M2が第2スイッチ32を介して入力される。このときのユーザ意向M2は、第2スイッチ32のオン操作によって入力され、第2スイッチ32のオフ操作によってその入力が解除される。
なお、必要に応じて、これらの2つのスイッチ31,32のうちの少なくとも一方を、ステアリングホイール8のスポーク部以外の部位や、インストルメントパネル7や、ルーフライニング3などに設けるように変更することもできる。
図2に示されるように、サンバイザ10及びバニティミラー20が天井空間部4に配置された状態で、サンバイザ10は、バニティミラー20の動きを阻害しないように、このバニティミラー20の下方に第2方向Yの間隔を隔てて配置されている。このとき、サンバイザ10及びバニティミラー20はいずれも、第1方向Xと第3方向Zで定まる平面に沿って延在する。
サンバイザ10は、格納位置P1から車両前方に向かうスライド動作によってルーフライニング3の引出口3aを通じて後述の使用位置P2まで動くように構成されている。また、バニティミラー20も同様に、格納位置Q1から車両前方に向かうスライド動作によってルーフライニング3の引出口3aを通じて後述の使用位置Q2まで動くように構成されている。
本実施形態のサンバイザ装置1では、サンバイザ10の格納位置P1がバニティミラー20の格納位置Q1と第2方向Yについて部分的に重なるように構成されている。また、サンバイザ10の使用位置P2,P3がバニティミラー20の使用位置Q2,Q3と部分的に重なるように構成されている(図5及び図8を参照)。バニティミラー20の鏡面は、格納位置Q1において下向きに配置され、使用位置Q2,Q3において後ろ向きに配置される。
第1動作機構部11は、サンバイザ10を格納位置P1から使用位置P2,P3までの間で移動可能に支持する機能を有する。この機能を達成するために、第1動作機構部11は、第1ラック部材12と、第1ピニオンギア13と、サンバイザ10を駆動可能な駆動部としての第1モータ14と、サンバイザ10の位置を検知可能な検知部としての第1センサ15と、制御部30と、上記の第1スイッチ31と、を備えている。
第1センサ15は、第1スイッチ31及び第2スイッチ32のいずれか一方のオン操作に連動して、或いは一定時間毎に、サンバイザ10の位置を検出してその位置情報を制御部30に伝送するように構成されている。
このとき、第1センサ15は、サンバイザ10の位置を直接的或いは間接的に検知することが可能であればよい。即ち、サンバイザ10自体が第1センサ15によって検知されてもよいし、或いはサンバイザ10と一体的に動く第1ラック部材12のような別部材が第1センサ15によって検知されてもよい。
なお、必要に応じて、複数の第1センサ15を使用したり、第1モータ14の回転位置を検出可能なロータリーコンコーダ(図示省略)を利用したりして、サンバイザ10の位置を検知するようにしてもよい。
この第1動作機構部11において、制御部30は、第1スイッチ31に入力されたユーザ意向M1と第1センサ15で検知された情報との両方に基づいて第1モータ14を制御するように構成されている。このとき、制御部30は、第1センサ15で検知された情報から、サンバイザ10についての後述のフラグAを判定する。
制御部30は、特に図示しないものの、演算部及び記憶部を有する既知のCPUを用いたものである。この制御部30は、サンバイザ装置1に専用のものであってもよいし、或いは車両制御用のECUによって兼務されてもよい。
第1ラック部材12は、互いに平行配置された複数の係合歯12aを有する長尺状のベルト部材として構成されている。第1ピニオンギア13は、外周部に複数の係合歯13aを有する円形歯車であり、第1方向Xに沿って延びる回転軸部、即ち第1モータ14の駆動軸14aと直交する方向に延びる回転軸部を中心に回転可能に構成されている。
第1ピニオンギア13の複数の係合歯13aは、第1ラック部材12の複数の係合歯12aと噛み合い且つ第1モータ14の駆動軸14aの軸周に設けられた係合歯(図示省略)と噛み合うことができるように構成されている。このため、第1モータ14の駆動軸14aに入力された回転軸力は、第1ピニオンギア13を介して第1ラック部材12に伝達される。このとき、第1ピニオンギア13の回転運動は、第1ラック部材12が第3方向Zに沿ってスライドする直線運動に変換される。このような機構は、所謂「ラック・アンド・ピニオン」と称呼されるギア機構と同様のものである。
第1ラック部材12の第3方向Zの前端部には、サンバイザ10の第3方向Zの後端部が連結されている。このため、サンバイザ10は、第1ラック部材12が第3方向Zにスライドすることに伴って第1ラック部材12と一体的にスライドする。このとき、サンバイザ10は、その後端部に第1方向Xに沿って延びるように設けられた回動軸部10aを中心に回動可能に構成されている。
第1動作機構部11は、ブラケット16を介してフロントルーフパネル2に取付けられた押し下げローラー17を有する。この押し下げローラー17は、サンバイザ10が格納位置P1から前方に向けてスライド動作する際に回動軸部10aを中心に当該サンバイザ10を回動させて後述の使用位置P2まで押し下げる機能を有する。
押し下げローラー17は、この機能を達成するために、車両前方へ向けてスライド動作するサンバイザ10と干渉する干渉部材として構成されている。また、この押し下げローラー17は、サンバイザ10との間に生じる接触抵抗を減らすために、第1方向Xに沿って延びる回転軸部17aを中心に回転可能に構成されている。
第2動作機構部21は、バニティミラー20を格納位置Q1から使用位置Q2,Q3までの間で移動可能に支持する機能を有する。この機能を達成するために、第2動作機構部21は、第2ラック部材22と、第2ピニオンギア23と、バニティミラー20を駆動可能な駆動部としての第2モータ24と、バニティミラー20の位置を検知可能な検知部としての第2センサ25と、上記の制御部30と、上記の第2スイッチ32と、を備えている。この第2動作機構部21では、制御部30が第1動作機構部11の制御部30と兼務されている。
第2センサ25は、第1スイッチ31及び第2スイッチ32のいずれか一方のオン操作に連動して、或いは一定時間毎に、バニティミラー20の位置を検出してその位置情報を制御部30に伝送するように構成されている。このとき、第2センサ25は、バニティミラー20の位置を直接的或いは間接的に検知することが可能であればよい。即ち、バニティミラー20自体が第2センサ25によって検知されてもよいし、或いはバニティミラー20と一体的に動く第2ラック部材22のような別部材が第2センサ25によって検知されてもよい。
なお、必要に応じて、複数の第2センサ25を使用したり、第2モータ24の回転位置を検出可能なロータリーコンコーダ(図示省略)を利用したりして、バニティミラー20の位置を検知するようにしてもよい。
この第2動作機構部21において、制御部30は、第2スイッチ32に入力されたユーザ意向M2と第2センサ25で検知された情報との両方に基づいて第2モータ24を制御するように構成されている。このとき、制御部30は、第2センサ25で検知された情報から、バニティミラー20についての後述のフラグBを判定する。
第2ラック部材22は、上記の第1ラック部材12と同様に、互いに平行配置された複数の係合歯22aを有する長尺状のベルト部材として構成されている。第2ピニオンギア23は、上記の第1ピニオンギア13と同様に、外周部に複数の係合歯23aを有する円形歯車であり、第1方向Xに沿って延びる回転軸部、即ち第2モータ24の駆動軸24aと直交する方向に延びる回転軸部を中心に回転可能に構成されている。
第2ピニオンギア23の複数の係合歯23aは、第2ラック部材22の複数の係合歯22aと噛み合い且つ第2モータ24の駆動軸24aの軸周に設けられた係合歯(図示省略)と噛み合うことができるように構成されている。このため、第2モータ24の駆動軸24aに入力された回転軸力は、第2ピニオンギア23を介して第2ラック部材22に伝達される。このとき、第2ピニオンギア23の回転運動は、第2ラック部材22が第3方向Zに沿ってスライドする直線運動に変換される。
第2ラック部材22の第3方向Zの前端部には、バニティミラー20の第3方向Zの後端部が連結されている。このため、バニティミラー20は、第2ラック部材22が第3方向Zにスライドすることに伴って第2ラック部材22と一体的にスライドする。このとき、バニティミラー20は、その後端部に第1方向Xに沿って延びるように設けられた回動軸部20aを中心に回動可能に構成されている。
次に、図3~図8を参照しながら、サンバイザ装置1による制御について説明する。この制御は、制御部30によって実行されるものであり、以下の説明では制御主体である制御部30の記載を省略する。
図3に示されるように、ステップS101で第1スイッチ31のオン操作を検出したとき、ステップS102にすすむ。このとき、第1スイッチ31はサンバイザ10用の操作スイッチであるため、ユーザが動かしたい対象部材がサンバイザ10であり、もう一方のバニティミラー20が非対象部材になる。
ステップS102は、サンバイザ10についてのフラグAが「0」であるか否かを判定するステップである。このステップS102によれば、フラグAが「0」である場合(ステップS102の「Yes」の場合)にステップS103にすすみ、そうでない場合(ステップS102の「No」の場合)にステップS110にすすむ。
なお、本実施形態では、サンバイザ10が格納位置P1にあるときのフラグAを「0」とし、サンバイザ10が使用位置P2にあるときのフラグAを「1」としている。
ステップS103は、バニティミラー20についてのフラグBが「0」であるか否かを判定するステップである。このステップS103によれば、フラグBが「0」である場合(ステップS103の「Yes」の場合)にステップS104にすすみ、そうでない場合(ステップS103の「No」の場合)にステップS106にすすむ。
なお、本実施形態では、バニティミラー20が格納位置Q1にあるときのフラグBを「0」とし、バニティミラー20が使用位置Q2にあるときのフラグBを「1」としている。
ステップS104は、サンバイザ10が格納状態にあり且つバニティミラー20が使用状態にあるという判定結果に基づいて、サンバイザ10の使用制御を実行するステップである。このとき、ユーザはサンバイザ10を動かして使用したいという意向によって第1スイッチ31を操作している。このステップS104の使用制御によれば、サンバイザ10を格納位置P1から使用位置P2まで移動させるように第1モータ14を起動して制御する。その後、第1センサ15で検知された情報に基づいてサンバイザ10が使用位置P2に到達したとの判定結果を条件に第1モータ14を停止する。
ステップS104の実行後にステップS105にすすむ。このステップS105では、サンバイザ10が使用位置P2にあるため、このサンバイザ10についてのフラグAを「1」に設定して、そのまま処理を終了する。
ステップS104が実行されることによって、図4及び図5に示されるように、サンバイザ10が第1ラック部材12と一体となって第3方向Zの車両前方へスライドする。このとき、サンバイザ10は、押し下げローラー17に干渉することによって、回転軸部17aを中心に下向きに回動して使用位置P2に配置される。この押し下げローラー17によれば、サンバイザ10のスライド動作がサンバイザ10の回動動作に変換される。その結果、サンバイザ10は、使用位置P2においてフロントガラスWに沿って配置されるため、遮光機能を発揮する。
ユーザは、必要に応じて使用位置P2にあるサンバイザ10を把持して、回動軸部10aを中心にこのサンバイザ10を別の使用位置P3まで回動させて、或いは使用位置P2と使用位置P3との間の任意の位置に設定した状態で、使用することもできる。
上述のように、ステップS104は、対象部材であるサンバイザ10が格納位置P1にあり且つ非対象部材であるバニティミラー20が格納位置Q1にあるときにユーザ意向M1が第1スイッチ31に入力されることに応じて、サンバイザ10のみを格納位置P1から使用位置P2まで動かすステップである。
図3に戻り説明すると、ステップS106は、バニティミラー20のみが使用状態にあるという判定結果に基づいて、バニティミラー20の格納制御を実行するステップである。このとき、ユーザはサンバイザ10及びバニティミラー20の両方を動かしてサンバイザ10を使用したいという意向によって第1スイッチ31を操作している。このステップS106の格納制御によれば、バニティミラー20を格納位置Q1まで移動させるように第2モータ24を起動して制御する。その後、第2センサ25で検知された情報に基づいてバニティミラー20が格納位置Q1に到達したとの判定結果を条件に第2モータ24を停止する。
ステップS106の実行後にステップS107にすすむ。このステップS107では、バニティミラー20が格納位置Q1にあるため、このバニティミラー20についてのフラグBを「0」に設定し、その後にステップS108にすすむ。
ステップS108は、上述のステップS104と同様に、サンバイザ10の使用制御を実行するステップである。このステップS108の使用制御によれば、サンバイザ10を格納位置P1から使用位置P2まで移動させるように第1モータ14を起動して制御する。
ステップS108の実行後にステップS109にすすむ。このステップS109では、サンバイザ10が使用位置P2にあるため、ステップS105と同様に、このサンバイザ10についてのフラグAを「1」に設定して、そのまま処理を終了する。
上述のように、ステップS106及びステップS108は、対象部材であるサンバイザ10が格納位置P1にあり且つ非対象部材であるバニティミラー20が使用位置Q2にあるときにサンバイザ10を動かすためのユーザ意向M1が第1スイッチ31に入力されることに応じて、サンバイザ10を格納位置P1から使用位置P2まで動かすと共にバニティミラー20を使用位置Q2から格納位置Q1まで動かすステップである。
ステップS110は、サンバイザ10のみが使用状態にあるという判定結果に基づいて、サンバイザ10の格納制御を実行するステップである。このとき、ユーザは使用状態にあるサンバイザ10を動かして格納したいという意向によって第1スイッチ31を操作している。このステップS110の格納制御によれば、サンバイザ10を格納位置P1まで移動させるように第1モータ14を起動して制御する。その後、第1センサ15で検知された情報に基づいてサンバイザ10が格納位置P1に到達したとの判定結果を条件に第1モータ14を停止する。
ステップS110の実行後にステップS111にすすむ。このステップS111では、サンバイザ10が格納位置P1にあるため、このサンバイザ10についてのフラグAを「0」に設定して、そのまま処理を終了する。
上述のように、ステップS110は、対象部材であるサンバイザ10が格納位置P1にあり且つ非対象部材であるバニティミラー20が格納位置Q1にあるときにユーザ意向M1が第1スイッチ31に入力されることに応じて、サンバイザ10のみを使用位置P2から格納位置P1まで動かすステップである。
図6に示されるように、ステップS201で第2スイッチ32のオン操作を検出したとき、ステップS202にすすむ。このとき、第2スイッチ32はバニティミラー20用の操作スイッチであるため、ユーザが動かしたい対象部材がバニティミラー20であり、もう一方のサンバイザ10が非対象部材になる。
ステップS202は、バニティミラー20についてのフラグBが「0」であるか否かを判定するステップである。このステップS202によれば、フラグBが「0」である場合(ステップS202の「Yes」の場合)にステップS203にすすみ、そうでない場合(ステップS202の「No」の場合)にステップS210にすすむ。
ステップS203は、サンバイザ10についてのフラグAが「0」であるか否かを判定するステップである。このステップS203によれば、フラグAが「0」である場合(ステップS203の「Yes」の場合)にステップS204にすすみ、そうでない場合(ステップS203の「No」の場合)にステップS206にすすむ。
ステップS204は、バニティミラー20が格納状態にあり且つサンバイザ10が使用状態にあるという判定結果に基づいて、バニティミラー20の使用制御を実行するステップである。このステップS204の使用制御によれば、バニティミラー20を格納位置Q1から使用位置Q2まで移動させるように第2モータ24を起動して制御する。その後、第2センサ25で検知された情報に基づいてバニティミラー20が使用位置Q2に到達したとの判定結果を条件に第2モータ24を停止する。
ステップS204の実行後にステップS205にすすむ。このステップS205では、バニティミラー20が使用位置Q2にあるため、このバニティミラー20についてのフラグBを「1」に設定して、そのまま処理を終了する。
ステップS204が実行されることによって、図7及び図8に示されるように、バニティミラー20が第2ラック部材22と一体となって第3方向Zの車両前方へスライドする。その結果、バニティミラー20は、使用位置Q2において鏡面が車室内に向かうように配置されるため、ユーザを映し出すミラー機能を発揮する。
ユーザは、必要に応じて使用位置Q2にあるバニティミラー20を把持して、回動軸部20aを中心にこのバニティミラー20を別の使用位置Q3までの間で回動させて、或いは使用位置Q2と使用位置Q3との間の任意の位置に設定した状態で、使用することもできる。
上述のように、ステップS204は、対象部材であるバニティミラー20が格納位置Q1にあり且つ非対象部材であるサンバイザ10が格納位置P1にあるときにユーザ意向M2が第2スイッチ32に入力されることに応じて、バニティミラー20のみを格納位置Q1から使用位置Q2まで動かすステップである。
図6に戻り説明すると、ステップS206は、サンバイザ10のみが使用状態にあるという判定結果に基づいて、上述のステップS110と同様に、サンバイザ10の格納制御を実行するステップである。このとき、ユーザはサンバイザ10及びバニティミラー20の両方を動かしてバニティミラー20を使用したいという意向によって第1スイッチ31を操作している。このステップS206の格納制御によれば、サンバイザ10を格納位置P1(図2を参照)まで移動させるように第1モータ14を起動して制御する。その後、第1センサ15で検知された情報に基づいてサンバイザ10が格納位置P1に到達したとの判定結果を条件に第1モータ14を停止する。
ステップS206の実行後にステップS207にすすむ。このステップS207では、サンバイザ10が格納位置P1にあるため、このサンバイザ10についてのフラグAを「0」に設定し、その後にステップS208にすすむ。
ステップS208は、上述のステップS104と同様に、バニティミラー20の使用制御を実行するステップである。このステップS208の使用制御によれば、バニティミラー20を格納位置Q1から使用位置Q2まで移動させるように第2モータ24を起動して制御する。
ステップS208の実行後にステップS209にすすむ。このステップS209では、バニティミラー20が使用位置Q2にあるため、ステップS205と同様に、このバニティミラー20についてのフラグBを「1」に設定して、そのまま処理を終了する。
上述のように、ステップS206及びステップS208は、対象部材であるバニティミラー20が格納位置Q1にあり且つ非対象部材であるサンバイザ10が使用位置P2にあるときにバニティミラー20を動かすためのユーザ意向M2が第2スイッチ32に入力されることに応じて、バニティミラー20を格納位置Q1から使用位置Q2まで動かすと共にサンバイザ10を使用位置P2から格納位置P1まで動かすステップである。
ステップS210は、バニティミラー20のみが使用状態にあるという判定結果に基づいて、上述のステップS106と同様に、バニティミラー20の格納制御を実行するステップである。このとき、ユーザは使用状態にあるバニティミラー20を動かして格納したいという意向によって第2スイッチ32を操作している。このステップS210の格納制御によれば、バニティミラー20を格納位置Q1(図2を参照)まで移動させるように第2モータ24を起動して制御する。その後、第2センサ25で検知された情報に基づいてバニティミラー20が格納位置Q1に到達したとの判定結果を条件に第2モータ24を停止する。
ステップS210の実行後にステップS211にすすむ。このステップS211では、バニティミラー20が格納位置Q1にあるため、このバニティミラー20についてのフラグBを「0」に設定して、そのまま処理を終了する。
上述のように、ステップS210は、対象部材であるバニティミラー20が格納位置Q1にあり且つ非対象部材であるサンバイザ10が格納位置P1にあるときにユーザ意向M2が第2スイッチ32に入力されることに応じて、バニティミラー20のみを使用位置Q2から格納位置Q1まで動かすステップである。
上述の実施形態1によれば、以下のような作用効果が得られる。
実施形態1のサンバイザ装置1において、サンバイザ10は、第1動作機構部11によって、その格納位置P1から使用位置P2,P3までの間で移動でき、またバニティミラー20は、第2動作機構部21によって、その格納位置Q1から使用位置Q2,Q3までの間で移動できるようになっている。
そして、第1動作機構部11及び第2動作機構部21によれば、サンバイザ10及びバニティミラー20のうちの一方である対象部材がその格納位置にあり且つサンバイザ10及びバニティミラー20のうちの他方である非対象部材がその使用位置にある状態で、対象部材を動かすためのユーザ意向M1或いはM2がスイッチ31或いは32に入力されることに応じて、対象部材をその使用位置まで動かすと共に非対象部材をその格納位置まで動かすことができる。
このため、スイッチ31或いは32にユーザ意向M1或いはM2を入力する1回の操作のみで対象部材を選択的に動かすことができ、サンバイザ10及びバニティミラー20を別々に動かす操作を要しない。従って、対象部材を選択的に動かすときの操作が簡単になる。
従って、上述の実施形態1によれば、サンバイザ10及びバニティミラー20のそれぞれを動かすときの操作が簡単なサンバイザ装置1を提供することが可能になる。
上記のサンバイザ装置1によれば、サンバイザ10及びバニティミラー20のそれぞれが配置されている位置と、スイッチ31,32に入力されたユーザ意向M1,M2との関係に適した態様で、サンバイザ10及びバニティミラー20のそれぞれを動かすことができる。
上記のサンバイザ装置1によれば、制御部30によって制御されるモータ14,24を利用して、サンバイザ10及びバニティミラー20のそれぞれを駆動することができる。このため、スイッチ31,32にユーザ意向M1,M2を入力する操作のみで、2つのモータ14,24を利用して、サンバイザ10及びバニティミラー20のいずれか一方の対象部材を動かすことができる。
上記のサンバイザ装置1によれば、制御部30によって第1モータ14が駆動されたとき、この第1モータ14の駆動軸14aに入力された回転軸力を、第1ピニオンギア13を介して第1ラック部材12に伝達することによって、第1ラック部材12をサンバイザ10とともにスライドさせることができる。また、制御部30によって第2モータ24が駆動されたとき、この第2モータ24の駆動軸24aに入力された回転軸力を、第2ピニオンギア23を介して第2ラック部材22に伝達することによって、第2ラック部材22をバニティミラー20とともにスライドさせることができる。この場合、2つのモータ14,24を用いてサンバイザ10及びバニティミラー20のそれぞれをスライドさせる構造を簡素化することができる。
上記のサンバイザ装置1によれば、サンバイザ10及びバニティミラー20は、格納位置P1,Q1でともに天井空間部4に収容されるため、使用しないときに車室内に露出して邪魔になるのを防止できる。
上記のサンバイザ装置1によれば、格納位置P1から車両前方に向かうサンバイザ10のスライド動作を押し下げローラー17を介してその回動動作に変換することができる。
上記のサンバイザ装置1によれば、半透明な偏光素材からなるサンバイザ10を、第1スイッチ31にユーザ意向M1を入力する操作のみで所望の使用位置P2まで動かす一方で、第2スイッチ32にユーザ意向M2を入力する操作のみで所望の格納位置P1まで動かすことができる。
なお、上述の実施形態1では、2つのモータ14,24を使用する場合について例示したが、モータの数は2つの限定されるものではなく、必要に応じて1或いは複数のモータを使用することができる。例えば、1つのモータに複数のギア機構を組み合わせることによって、サンバイザ10及びバニティミラー20の駆動源を1つのモータで兼用することもできる。
サンバイザ10及びバニティミラー20のそれぞれを駆動するのに、モータに代えて、例えば、液圧シリンダやガス圧シリンダのような別のアクチュエータを用いることもできる。
以下、上述の実施形態1に関連する他の実施形態について図面を参照しつつ説明する。他の実施形態において、実施形態1の要素と同一の要素には同一の符号を付しており、当該同一の要素についての説明を省略する。
(実施形態2)
図9に示されるように、実施形態2のサンバイザ装置101は、ユーザ意向M1,M2が入力される入力部の構成が実施形態1のサンバイザ装置1のものと相違している。このサンバイザ装置101は、入力部としてのマイク131と、マイク131に接続された制御部130と、を備えている。
マイク131は、マイクボタン(図示省略)が選択された状態で、ユーザの音声入力が可能となるように構成されている。制御部130は、実施形態1の制御部30の機能に加えて、マイク131に入力された音声入力情報を認識可能な機能を有する。
このため、制御部130は、サンバイザ10を動かすためのユーザ意向M1がマイク131に入力されたことと、バニティミラー20を動かすためのユーザ意向M2がマイク131に入力されたことを識別できる。マイク131にユーザ意向M1が入力されることでサンバイザ10が対象部材に定まり、マイク131にユーザ意向M2が入力されることでバニティミラー20が対象部材に定まる。そして、この制御部130は、マイク131に入力された音声入力情報の認識結果に基づいてモータ14,24を制御することができる。
制御部130は、ユーザがマイク131に入力した音声入力情報の内容に間違いがないことの確認に使用されるスピーカー132に接続されているのが好ましい。このとき、制御部130は、マイク131に最初に入力された音声入力情報に対して、ユーザの同意を得るための音声出力情報をスピーカー132から出力し、その後にマイク131に次に入力された音声入力情報に基づいて、ユーザが最初の音声入力情報の内容に同意したか否かを判定することができる。
例えば、ユーザがマイク131に最初に入力した「サンバイザ」という音声入力情報に対して、スピーカー132から「サンバイザを動かして宜しいですか?」という音声出力情報が出力される。その後、マイク131に、例えば「オッケーです。」という同意の音声入力情報を検知したことを条件に、制御部130は、サンバイザ10を動かすようにモータ14,24の制御を開始する。これにより、サンバイザ装置101においてユーザの意向とは異なる動作が生じるのを防ぐことが可能になる。
なお、マイク131に入力される上記の音声入力情報や、スピーカー132から出力される上記の音声出力情報は、例示的なものであり、必要に応じて適宜に変更可能である。
その他の構成は、実施形態1と同様である。
実施形態2のサンバイザ装置101によれば、サンバイザ10を動かすためのユーザ意向M1、及びバニティミラー20を動かすためのユーザ意向M2を、マイク131を利用した簡単な操作で入力することが可能になる。
その他、実施形態1の場合と同様の作用効果を奏する。
(実施形態3)
図10に示されるように、実施形態3のサンバイザ装置201は、実施形態1のサンバイザ装置1と同様に、初期状態でフロントルーフパネル2とルーフライニング3との間の天井空間部4に配置されるように構成されている。一方で、このサンバイザ装置201は、サンバイザ10及びバニティミラー20をユーザが手動で動かすことができる手動式であり、サンバイザ10及びバニティミラー20を自動で動かすことができる実施形態1のサンバイザ装置1と相違している。
図10及び図11に示されるように、サンバイザ装置201は、サンバイザ10とバニティミラー20を連動して動かすための動作機構部を構成する第1動作機構部211及び第2動作機構部221を備えている。
図11に示されるように、第1動作機構部211は、ガイド穴213を有するガイド部材212と、ガイド部材212のガイド穴213に収容された複数のローラー214aを有するスライド部材214と、サンバイザ10の先端部に設けられた操作レバー231と、を備えている。
ガイド部材212のガイド穴213は、前縁部213aと後縁部213bとの間で第3方向Zに延在する長穴である。スライド部材214は、最前部のローラー214aがガイド穴213の前縁部213aに係止される第1前端位置と、最後部のローラー214aがガイド穴213の後縁部213bに係止される第1後端位置と、の間で第3方向Zにスライド可能に構成されている。
サンバイザ10は、スライド部材214に回動軸部10aを介して回動可能に連結されている。このため、サンバイザ10は、スライド部材214が第3方向Zにスライドするときに、このスライド部材214と一体で動くように構成されている。また、サンバイザ10は、回動軸部10aよりも操作レバー231側に別の回動軸部10bを有する。
第2動作機構部221は、第3方向Zに延在するガイド穴223を有するガイド部材222と、ガイド部材222のガイド穴223に収容された複数のローラー224aを有するスライド部材224と、を備えている。
ガイド部材222は、ガイド部材212に固定されている。ガイド部材222のガイド穴223は、前縁部223aと後縁部223bとの間で第3方向Zに延在する長穴である。スライド部材224は、最前部のローラー224aがガイド穴223の前縁部223aに係止される第2前端位置と、最後部のローラー224aがガイド穴223の後縁部223bに係止される第2後端位置と、の間で第3方向Zにスライド可能に構成されている。
バニティミラー20は、スライド部材224に回動軸部20aを介して回動可能に連結されている。このため、バニティミラー20は、スライド部材224が第3方向Zにスライドするときに、このスライド部材224と一体で動くように構成されている。
スライド部材214とスライド部材224は、プーリー217に掛け渡された連結ベルト215を介して互いに連結されている。連結ベルト215は、プーリー217に掛け渡された状態で、その一端部がスライド部材214に連結され、その他端部がスライド部材224に連結されている。プーリー217は、フロントルーフパネル2に固定されたブラケット216に回転軸部217aを中心に回転可能に支持されている。
これにより、スライド部材214が第3方向Zの一方側にスライドする動作は、連結ベルト215及びプーリー217を介して、スライド部材224が第3方向Zの他方側にスライドする動作に変換される。即ち、スライド部材214とスライド部材224は、第3方向Zについて互いに逆方向に動くようになっている。このとき、スライド部材214が第1前端位置にあるときにスライド部材224が第2後端位置に配置され、スライド部材214が第1後端位置にあるときにスライド部材224が第2前端位置に配置される。
操作レバー231は、実施形態1の2つのスイッチ31,32に相当する入力部である。ユーザが操作レバー231を把持してサンバイザ10を手動で動かすと、バニティミラー20がサンバイザ10に連動して動くようになっている。このため、操作レバー231は、サンバイザ10とバニティミラー20からユーザが選択した対象部材を動かすためのユーザ意向M1,M2が入力される入力部となる。
この場合、ユーザは、サンバイザ10を対象部材として使用したいときにはサンバイザ10が使用位置P2に動くように操作レバー231を操作することができる。また、ユーザは、バニティミラー20を対象部材として使用したいときにはバニティミラー20が使用位置Q2に動くように操作レバー231を操作することができる。
なお、この操作レバー231を、サンバイザ10の一部によって構成してもよい。また、この操作レバー231に代えて或いは加えて、操作レバー231と同様に操作レバーをバニティミラー20に設けるようにすることもできる。
その他の構成は、実施形態1と同様である。
上記のサンバイザ装置201において、ユーザは、サンバイザ10を使用したいとき、操作レバー231を把持した状態でサンバイザ10を格納位置P1から使用位置P2まで引き出す。このとき、サンバイザ10の動きに連動して、バニティミラー20が使用位置Q2から格納位置Q1まで動く(図11を参照)。従って、ユーザは、サンバイザ10を使用位置P2や、使用位置P3や、使用位置P2と使用位置P3との間の任意の位置で、使用できる。
サンバイザ10及びバニティミラー20の両方を使用しないときには、図12に示されるように、ユーザは、回動軸部10bを中心にサンバイザ10を使用位置P3から折畳位置P4まで回動させることができる。
また、ユーザは、バニティミラー20を使用したいとき、操作レバー231を把持した状態でサンバイザ10を使用位置P2から格納位置P1まで押し込む。このとき、サンバイザ10の動きに連動して、バニティミラー20が格納位置Q1から使用位置Q2まで動く(図13及び図14を参照)。従って、ユーザは、バニティミラー20を使用位置Q2や、使用位置Q3や、使用位置Q2と使用位置Q3との間の任意の位置で、使用できる。
実施形態3のサンバイザ装置201によれば、ユーザは、操作レバー231を手動操作するのみで、サンバイザ10とバニティミラー20を連動して動かして、サンバイザ10及びバニティミラー20のいずれか一方を選択的に使用できる。また、サンバイザ10とバニティミラー20を駆動するモータ等のアクチュエータや制御システムが不要であり、装置コストを低く抑えることが可能になる。
その他、実施形態1の場合と同様の作用効果を奏する。
なお、上記のサンバイザ装置201において、サンバイザ10とバニティミラー20を連動して動かす機構は、第1動作機構部211や第2動作機構部221に限定されるものではなく、必要に応じて複数のリンクを組み合わせて構成したリンク機構などを適宜に用いることもできる。
本発明は、上述の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の応用や変形が考えられる。例えば、上述の実施形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
上述の実施形態では、サンバイザ10が格納位置P1から使用位置P2まで間でスライド動作し、またバニティミラー20が格納位置Q1から使用位置Q2まで間でスライド動作する場合について例示したが、これに代えて、サンバイザ10とバニティミラー20の少なくとも一方が回動動作する構造を採用することもできる。
上述の実施形態では、サンバイザ10が格納位置P1から前方に向けてスライド動作するときにこのサンバイザ10を使用位置P2まで押し下げる押し下げローラー17を用いる場合について例示したが、他の要素を利用してサンバイザ10を使用位置P2までガイドすることができれば、この押し下げローラー17を省略することもできる。
上述の実施形態では、サンバイザ10に半透明な偏光素材からなる樹脂プレート部材を用いる場合について例示したが、これに代えて、不透光性の素材からなるプレート部材や、樹脂芯材が織布、不織布、PVCシート等の表皮で被覆された部材などを用いることもできる。
上述の実施形態では、サンバイザ10及びバニティミラー20がいずれもそれぞれの格納位置で天井空間部4に配置される場合について例示したが、これに代えて、サンバイザ10及びバニティミラー20がそれぞれの格納位置で天井空間部4以外の領域に配置されるようにしてもよい。