JP5691194B2 - ステアリング装置 - Google Patents
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Description
コラムチューブ101及び可動ブラケット102の左右両側には、車両側に固定された一対の固定ブラケット104が配置されている。この一対の固定ブラケット104には、回転軸103の端部が挿入されるスリット104bが形成されており、固定ブラケット104は、回転軸103の両端を保持することでコラムチューブ101及び可動ブラケット102を保持している。
回転規制機構109が、回転軸103の回転の規制を解除、すなわち回転を許容する場合、電動モータの駆動力は、ウォームシャフト105からウォームホイール106に伝わり、回転軸103を回転させる。回転軸103と一体に回転する小ギヤ108は、その回転力によって、ラック歯107を介して可動ブラケット102を上下方向に移動させ、チルト動作を実現する。
図6は、上記ステアリング装置において複数の歯車によって構成した場合の回転規制機構109、及びその動作を示す図であり、(a)は回転の規制を解除している場合、(b)は回転を規制している場合を示している。図6では、コラムチューブ101の軸方向から正面視したときの回転規制機構109の断面、及び側面視したときの回転規制機構109の内部構成を示している。
第二歯車111は、回転しないように切替スイッチ112に固定されている。このため、第二歯車111が第一歯車110と噛み合うことにより、当該第一歯車110及び回転軸103の回転が規制される。
図6(a)では、第一歯車110と第二歯車111とは互いに噛み合っていないので、第一歯車110及び回転軸103は、その回転が許容された状態である。
すると、例えば、図中矢印に示すように回転軸103及び第一歯車110が側面視したときにおいて右回りに駆動される場合、第一歯車110の回転を規制すると、図6(b)に示すように、第二歯車111は回転しないように固定されているので、第二歯車111には上方向への力F11が作用し、スライダ103aに下方向への力F12が作用する。
従って、正面視すると、第一歯車110を保持しているブラケット104を基端として、切替スイッチ112を上方向へ移動させるようにモーメントM1が発生する。
この点、上記ステアリング装置では、前記固定ブラケットに、前記ステアリングコラムがテレスコピック動作を行うための前記可動ブラケットの軸方向への相対移動を許容するスリットが形成され、前記スリットの内側面が前記保持面を構成しているので、前記規制手段は、前記保持面に摺接するとともに当該保持面に摺接する摺接面が凸曲面に形成されているケーシングを備えていることが好ましい。
この場合、規制手段は、凸曲面に形成されたケーシングの摺接面で保持面と接触するので、回転軸の一端側を保持しつつ、保持面に対する接触面積を小さくすることができる。このため、可動ブラケットの軸方向への移動に伴って規制手段がスリット内を移動する場合にも、スムーズに移動させることができる。
この場合、ケーシングを第一の歯車に対して相対移動させるといった簡易な操作で確実に第一の歯車の回転を規制し、チルト動作及びテレスコピック動作の切替を行うことができる。
ステアリング装置Sは、車室の内部において略上下に傾斜支持された筒型形状のステアリングコラム1と、このステアリングコラム1の内部に回転自在に支持されたステアリング軸2とを備えている。ステアリング軸2はステアリングコラム1を軸方向に貫通しており、当該ステアリング軸2の軸方向一端には操舵部材であるステアリングホイール3が固定されている。また、ステアリング軸2の他端部は、車室の前方外部に配設された操舵機構4の入力軸4aに、両端に自在継ぎ手5を備えた中間軸6を介して回転伝達可能に連結されている。
固定軸21の左右両端部は、一対の固定ブラケット9それぞれに形成されたほぼ上下方向に沿うスリット9aに挿通されて保持されている。
従って、アウタチューブ11及び可動ブラケット20は、固定ブラケット9に対して軸方向及び上下方向に相対移動可能に車両側に保持される。
また、上記回転軸22の一端側には、後述する回転規制機構40が設けられており、他端側には、モータMによって回転駆動されるウォームシャフト23のギヤ面23aと噛合するウォームホイール24が一体回転可能に設けられている。
モータMは、その出力軸の先端に小径ギヤ25が取り付けられている。
ウォームシャフト23は、自己の軸心回りに回転可能に設けられており、その一端面には上記小径ギヤ25に噛合する大径ギヤ23bが設けられている。小径ギヤ25と大径ギヤ23bとが噛合することで、ウォームシャフト23には、減速されたモータMの回転力が伝達される。
回転規制機構40が回転軸22の回転の規制を解除(回転を許容)する場合、ステアリング装置Sは以下のような動作を行う。すなわち、モータMの駆動力は、ウォームシャフト23からウォームホイール24に伝わる。このとき、回転軸22及びウォームホイール24は、回転が許容されているので、ウォームシャフト23から伝達されるモータMの駆動力によって回転する。さらに、回転軸22と一体に回転する小ギヤ26は、その回転力によって、当該小ギヤ26と噛合するギヤ部27を介して可動ブラケット20及びアウタチューブ11(ステアリングコラム1)を上下方向に移動させ、チルト動作を実現する。
これによって、ウォームホイール24及び回転軸22を、固定ブラケット9に設けられたスリット9b,9cに沿って移動させることで可動ブラケット20を軸方向に移動させることができ、テレスコピック動作を実現する。
また、上記ウォームシャフト23、ウォームホイール24、小ギヤ26、及びラックギヤ部27は、回転軸22の回転の規制又は規制の解除に応じて、ステアリングコラム1がチルト動作又はテレスコピック動作を行うように、可動ブラケット20を固定ブラケット9に対して相対移動させる動作手段を構成している。
図4は、回転規制機構40の内部構成、及びその動作を示す図であり、(a)は回転の規制を解除している状態、(b)は回転を規制しているときの状態を示している。また、図4では、アウタチューブ11の軸方向から正面視したときの回転規制機構40の断面、及び側面視したときの回転規制機構40の内部構成を示している。
なお、摺接面43a1と内側面9b1との間には、回転規制機構40が移動可能とするために僅かな隙間が設けられている。
また、切替スイッチ43の摺接面43a1を上下両側の内側面9b1それぞれに2カ所ずつ接触するように構成することで、モータMに駆動される第一歯車41と第二歯車42とが噛合することで生じる回転規制機構40全体をスリット9b内で回転させようとするモーメントを、内側面9b1によって確実に受け止めることができる。
切替スイッチ43は、第一歯車41及び回転軸22に対して相対移動可能に設けられており、図4(b)に示すように、第二歯車42は、第一歯車41と噛合することで当該第一歯車41の回転を規制する規制位置と、第一歯車41との噛合が解除され当該第一歯車41の回転の規制を解除する解除位置とを移動可能とされている。
なお、第二歯車42は、切替スイッチ43内に一対設けられているが、他の第二歯車42についても、同様であり、切替スイッチ43を移動させることで、他の第二歯車42を、当該他の第二歯車42と第一歯車41とが噛合する規制位置に移動させることができる。
一方、本実施形態のように、第一歯車41と第二歯車42とを直線L2上で噛合させることにより、第一歯車41の回転により歯車同士が反発し合うことなく回転規制機構(切替スイッチ)40を容易に移動させることができ、第一歯車41の回転の規制、規制解除を容易に行うことができる。
また、第二歯車42も、第一歯車41と同様、左右方向において内側面9b1とほぼ一致する位置に配置されている。
従って、回転規制機構40は、左右方向において内側面9b1と一致する位置で回転軸22の回転を規制する。
つまり、図4(b)において、例えば、図中矢印に示すように回転軸22及び第一歯車41が側面視したときにおいて右回りに駆動される場合、第一歯車41の回転を規制すると、第二歯車42には上方向への力F1が生じ、切替スイッチ43には下方向への力F2が生じる。
本実施形態では、上方向の力F1と、下方向への力F2とが正面視したときに上下一直線になるように、第一歯車41及び第二歯車42(回転規制機構40)を配置することにより、上記従来例に見られるような、回転規制機構40全体を回転軸22と直交する平面に対して傾けようとするモーメントが生じるのを抑制できる。これにより、回転規制機構40において、上記モーメントに起因する回転規制機構40の正常な動作を妨げるような力が生じるのを抑制でき、回転軸22の回転の規制をスムーズに解除することができる。この結果、チルト動作及びテレスコピック動作の切替をスムーズに行うことができる。
また、第二歯車42は、半円状のものでもよく、これにより、回転規制機構40の小型化が可能である。
20:可動ブラケット 22:回転軸 23:ウォームシャフト(動作手段)
24:ウォームホイール(動作手段) 26:小ギヤ(動作手段)
27:ラックギヤ部(動作手段) 40:回転規制機構(規制手段)
41:第一歯車 42:第二歯車 43:切替スイッチ(ケーシング)
43a1:摺接面 M:モータ S:ステアリング装置
Claims (3)
- ステアリングコラムを上下方向に移動させるチルト動作及び前記ステアリングコラムを軸方向に伸縮させるテレスコピック動作をモータにより行うステアリング装置であって、
前記ステアリングコラムに固定された可動ブラケットと、
前記可動ブラケットに左右方向に架設され、前記モータの駆動力が伝達される回転軸と、
車両側に固定され、前記回転軸の左右両端部を保持することで前記可動ブラケットを保持する固定ブラケットと、
前記回転軸の一端側に設けられ当該回転軸の回転の規制又は規制の解除を選択的に行う規制手段と、
前記回転軸の回転の規制に応じて、前記ステアリングコラムがテレスコピック動作を行い、前記回転軸の回転の規制の解除に応じて、前記ステアリングコラムがチルト動作を行うように、前記可動ブラケットを前記固定ブラケットに対して相対移動させる動作手段と、を備え、
前記回転軸の一端側において前記固定ブラケットには、前記ステアリングコラムがテレスコピック動作を行うための前記可動ブラケットの軸方向への相対移動を許容するスリットが形成され、
前記スリットの内側面には、当該回転軸を前記規制手段ごと保持するための保持面が設けられ、
前記規制手段は、前記左右方向において前記保持面と一致する位置で前記回転軸の回転を規制することを特徴とするステアリング装置。 - 前記規制手段は、前記保持面に摺接するとともに当該保持面に摺接する摺接面が曲面に形成されているケーシングを備えている請求項1に記載のステアリング装置。
- 前記規制手段は、前記回転軸に一体回転可能に設けられた第一の歯車と、
前記ケーシングに設けられ、前記第一の歯車と噛み合うことで当該第一の歯車の回転を制限する第二の歯車とをさらに備え、
前記第二の歯車は、前記ケーシングを前記第一の歯車に対して相対移動させることで、当該第一の歯車と噛合し当該第一の歯車の回転を規制する規制位置と前記第一の歯車との噛合が解除され前記第一の歯車の回転の規制を解除する解除位置とを移動可能とされている請求項2に記載のステアリング装置。
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