JP2007015576A - ステアリング駆動装置 - Google Patents

ステアリング駆動装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2007015576A
JP2007015576A JP2005199797A JP2005199797A JP2007015576A JP 2007015576 A JP2007015576 A JP 2007015576A JP 2005199797 A JP2005199797 A JP 2005199797A JP 2005199797 A JP2005199797 A JP 2005199797A JP 2007015576 A JP2007015576 A JP 2007015576A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steering
output shaft
tilt
telescopic
drive mechanism
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005199797A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Oshima
淳 大島
Ryohei Yamauchi
山内  良平
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2005199797A priority Critical patent/JP2007015576A/ja
Publication of JP2007015576A publication Critical patent/JP2007015576A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Power Steering Mechanism (AREA)
  • Steering Controls (AREA)

Abstract

【課題】
コンパクトでありながら、電動によりステアリングホイールのチルト調整及びテレスコ調整及び操舵補助を行うことができるステアリング駆動装置を提供する。
【解決手段】
モータ11から、第1駆動機構であるテレスコ駆動機構7と第2駆動機構であるチルト駆動機構8とステアリングアシスト機構100のいずれかに、選択的に動力を伝達できる機構である動力伝達機構10を有するので、モータ11が単一であっても、テレスコ駆動機構7、チルト駆動機構8又はステアリングアシスト機構100に動力を振り分けて伝達でき、それによりコンパクトな構成を実現できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両に搭載されるステアリング駆動装置に関する。
不特定多数の運転者により使用される車両においては、個人の体格や運転姿勢等に対応してステアリングホイールの位置を容易に調整できることが望ましい。このような要望に答えるべく、乗用車に限らず貨物車等においても、電動チルト機構や電動テレスコピック機構を採用した電動式ステアリング駆動装置が開発され、既に実用化されている(特許文献1参照)。
特開2004−230977号公報 特開平5−147539号公報 独国特許出願公開第3737164号明細書 特開2000−238647号公報 特開平3−178864号公報
従来の電動チルト機構及び電動テレスコピック機構を備えた電動式ステアリング駆動装置は、各々モータを独立で且つステアリングホイール直近に設置している。従って、このような電動式ステアリング駆動装置を設けることで、ステアリングコラム近傍のスペースが制限されるので、衝撃吸収式ステアリング装置におけるコラプスストロークの確保、周辺部品との干渉回避、車両への取り付けの作業性の確保、更にはステアリング下部への突出が2次衝突時の運転者膝衝突を招くことの回避など、相反する種々の課題をもたらすこととなっている。一方、近年においては、電動モータの動力を用いて補助操舵を行う電動式パワーステアリング装置が開発されているが、電動式ステアリング駆動装置も含めると、ステアリング系に合計3つのモータを用いることになり、重量増、コスト増の問題も生じている。
本発明は、かかる従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、コンパクトでありながら、電動によりステアリングホイールのチルト調整及びテレスコ調整及び操舵補助を行うことができるステアリング駆動装置を提供することを目的とする。
本発明のステアリング駆動装置は、
単一のモータと、
回転力を伝達されることによって、ステアリングホイールをテレスコ方向に駆動するテレスコ駆動機構と、
回転力を伝達されることによって、ステアリングホイールをチルト方向に駆動するチルト駆動機構と、
ステアリングホイールと、車輪を操舵する操舵機構との間に設けられたステアリングアシスト機構と、
前記モータから、前記テレスコ駆動機構と、前記チルト駆動機構と、前記ステアリングアシスト機構の一つに、選択的に動力を伝達可能な動力伝達機構と、を有することを特徴とする。
本発明のステアリング駆動装置によれば、前記モータから、前記テレスコ駆動機構と、前記チルト駆動機構と、前記ステアリングアシスト機構の一つに、選択的に動力を伝達可能な動力伝達機構を有するので、前記モータが単一であっても、前記テレスコ駆動機構、前記チルト駆動機構又は前記ステアリングアシスト機構に動力を振り分けて伝達でき、それによりコンパクトな構成を実現できる。なお、本明細書中で「テレスコ方向」とは、ステアリングシャフトの軸線方向を意味し、「チルト方向」とは、ステアリングシャフトの軸線方向に上下に交差する方向を意味するものとする。
更に、前記動力伝達機構は、前記モータの回転軸に連結された(回転軸と一体である場合を含む)第1入力軸、前記ステアリングアシスト機構に連結された第1の出力軸及び第2の出力軸を含む第1差動歯車機構と、前記第2の出力軸に連結された第2入力軸、前記テレスコ駆動機構に連結された第3出力軸、及び前記チルト駆動機構に連結された第4出力軸を含む第2差動歯車機構と、前記第1出力軸を制動する第1ブレーキと、前記第3出力軸を制動する第2ブレーキと、前記第4出力軸を制動する第3ブレーキとを有し、前記第1ブレーキ、前記第2ブレーキ及び前記第3ブレーキの少なくとも一つを作動させることによって、前記モータから、前記ステアリングアシスト機構、前記テレスコ駆動機構又は前記チルト駆動機構に、選択的に動力を伝達すると、単一のモータからの動力の振り分けができるので好ましい。
更に、前記ステアリング駆動装置を搭載した少なくとも車両の走行中に、前記第2ブレーキ及び前記第3ブレーキを作動させて、前記モータの動力を前記ステアリングアシスト機構にのみ伝達するようにすると、走行中に誤ってステアリング位置調整が行われることがなく好ましい。
更に、少なくとも4方向に移動可能なジョイスティックを有し、前記4方向のいずれかに前記ジョイスティックを移動させることに応じて、前記モータの駆動と、前記第2ブレーキ及び前記第3ブレーキの動作のいずれかが行われると、単一のジョイスティックで異なる動作を行わせることができるので、スペースの有効利用を図れる。
更に、前記第3出力軸と前記テレスコ駆動機構との間、及び前記第4出力軸と前記チルト駆動機構との間は、それぞれフレキシブルワイヤを介して回転力が伝達されるようになっていると、任意の位置へと動力伝達が可能となるので好ましい。フレキシブルワイヤとは、可撓性を有しながらも回転力を伝達できる部材をいう。本発明は、例えば特許文献2〜5に開示の構成を用いることができる。ただし、動力伝達は、フレキシブルワイヤに限らず、軸と十字継ぎ手或いはカサ歯車などの組み合わせを介して行っても良い。
更に、前記動力伝達機構は、前記モータの回転軸に連結された入力軸と、第1中間軸と、第2中間軸と、前記入力軸の動力を前記第1中間軸と前記第2中間軸に伝達する第1カサ歯車と、前記ステアリングアシスト機構に連結された第1出力軸と、第2出力軸と、前記第1中間軸と前記第1出力軸とを動力伝達可能に連結又は切断する第1クラッチ手段と、前記第2中間軸と前記第2出力軸とを動力伝達可能に連結又は切断する第2クラッチ手段と、第3中間軸と、第4中間軸と、前記第2出力軸の動力を前記第3中間軸と前記第4中間軸に伝達する第2カサ歯車と、前記テレスコ駆動機構に連結された第3出力軸と、前記チルト駆動機構に連結された第4出力軸と、前記第3中間軸と前記第3出力軸とを動力伝達可能に連結又は切断する第3クラッチ手段と、前記第4中間軸と前記第4出力軸とを動力伝達可能に連結又は切断する第4クラッチ手段とを有すると、前記第1〜第4クラッチ手段の動作により、単一のモータからの動力の振り分けができるので好ましい。
更に、前記ステアリング駆動装置を搭載した少なくとも車両の走行中に、前記第1クラッチ手段及び前記第2クラッチ手段を作動させて、前記モータの動力を前記ステアリングアシスト機構にのみ伝達すると、走行中に誤ってステアリング位置調整が行われることがなく好ましい。
更に、少なくとも4方向に移動可能なジョイスティックを有し、前記4方向のいずれかに前記ジョイスティックを移動させることに応じて、前記モータの駆動と、前記第3クラッチ手段及び前記第4クラッチ手段の動作のいずれかが行われると、単一のジョイスティックで異なる動作を行わせることができるので、スペースの有効利用を図れる。
更に、前記第1出力軸と前記テレスコ駆動機構との間、及び前記第2出力軸と前記チルト駆動機構との間は、それぞれフレキシブルワイヤを介して回転力が伝達されるようになっていると、任意の位置へと動力伝達が可能となるので好ましい。
前記ステアリングホイールのテレスコ方向位置を検出するテレスコセンサと、前記ステアリングホイールのチルト方向位置を検出するチルトセンサとを有すると、フィードバック制御や、チルト・テレスコ位置記憶などを行うことができる。
前記テレスコセンサで検出された前記テレスコ方向位置と、前記チルトセンサで検出された前記チルト方向位置を記憶するメモリを有し、
イグニッションスイッチがオフ操作されたときは、前記モータから前記動力伝達機構を介して、前記テレスコ駆動機構と前記チルト駆動機構に動力を伝達することで、前記ステアリングホイールを所定の位置へと変位させると共に、
前記イグニッションスイッチがオン操作されたときは、前記ステアリングホイールが、前記所定の位置から、記憶された前記テレスコ方向位置と前記チルト方向位置へと変位するように、前記モータから前記動力伝達機構を介して、前記テレスコ駆動機構と前記チルト駆動機構に動力を伝達すると、運転者が乗降する際に、ステアリングホイールを所定の位置へと退避させることができるので便利である。
次に、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態にかかるステアリング駆動装置を含むステアリング装置を示す概略構成図であるが、図で上下がチルト方向になる。ステアリング装置1は、いわゆる首振りチルト方式を採用しており、ステアリングホイール2から延びてステアリングギア(図示を省略)に連結されたステアリングシャフト3をその軸の周りに回転可能に保持する三つのステアリングコラム、すなわち、アッパコラム4,ミドルコラム5,ロアコラム6を備えている。各コラム4,5,6の相対位置を適宜調節することによって、ステアリングシャフト3及びステアリングホイール2が所望の位置に保持される。ロアコラム6は、不図示の車体に固定され、ステアリングシャフト3は、不図示の操舵装置に連結されている。なお、本発明は、いわゆる腰振りタイプのチルト・テレスコ式ステアリング装置にも適用できる。腰振りタイプのチルト・テレスコ式ステアリング装置については、例えば独国特許出願公開第3737164号明細書、独国特許第19524195号明細書、独国特許出願公開第1025176号明細書、特表2005−501777号公報などに記載されている。
中空のアッパコラム4は、内部にステアリングシャフト3のユニバーサルジョイント(図示を省略)を収容している。アッパコラム4は、ミドルコラム5の後端に形成された二股部51にチルトヒンジピン51aを介してチルト可能に取り付けられている。すなわち、アッパコラム4をチルトヒンジピン51aを支点として適宜揺動させることにより、ステアリングホイール2のチルト位置を調節することができる。
ミドルコラム5は、ロアコラム6に内嵌・保持され、アッパコラム4を支持する二股部51と伴に軸線方向に摺動可能になっている。すなわち、車体側に固定されたロアコラム6に対してミドルコラム5を適宜進退させることにより、アッパコラム4がステアリングシャフト3と共にその軸方向に移動し、ステアリングホイール2のテレスコ位置を調節することができる。
アッパコラム4のテレスコ位置は、テレスコ駆動機構7によって調節される。このテレスコ駆動機構7は、ケース7aと、フレキシブルワイヤFW1に連結され、それから回転力を伝達されるギヤ部7bと、ギヤ部7bに噛合するギヤを外周に設けたナット7cと、ナット7cを貫通するねじ軸7dとから構成されている。ナット7cとねじ軸7dでねじ機構を構成する。
ねじ軸7dの図で右端は、ミドルコラム5に固定されたブラケット52にピン53で枢着されており、ヒンジを構成している。ケース7aの図で左端は、ロアコラム6に固定されたブラケット62にピン63で枢着されており、ヒンジを構成している。したがって、ギヤ部7bが回転すると、ナット7cが回転し、それがケース7aに対するねじ軸7dの軸線運動に変換されるので、ミドルコラム5をロアコラム6に対して軸線方向移動させることになり、ステアリングホイール2をテレスコ方向に移動することができる。
一方、アッパコラム4のチルト位置は、チルト駆動機構8によって調節される。このチルト駆動機構8は、ケース8aと、フレキシブルワイヤFW2に連結され、それから回転力を伝達されるギヤ部8bと、ギヤ部8bに噛合するギヤを外周に設けたナット8cと、ナット8cを貫通するねじ軸8dとから構成されている。ナット8cとねじ軸8dとでねじ機構を構成する。
ねじ軸8dの図で右端は、アッパコラム4に固定されたブラケット42にピン43で枢着されており、ヒンジを構成している。ケース7aの図で左端は、ミドルコラム5に固定されたブラケット54にピン55で枢着されており、ヒンジを構成している。したがって、ギヤ部8bが回転すると、ナット8cが回転し、それがケース8aに対するねじ軸8dの軸線運動に変換されるので、アッパコラム4をミドルコラム5に対して傾動(チルト)させることになり、ステアリングホイール2を上下に傾けることができる。
フレキシブルワイヤFW1,FW2は、動力伝達機構10に連結されている。動力伝達機構10は、第1差動歯車機構12と、第2差動歯車機構12’と、電磁ブレーキ機構13,14、15とから構成されている。より具体的には、モータ11の回転軸(入力軸)に形成されたカサ歯車11aが、第1差動歯車機構12のケース12aの外周に形成された大歯車12bに噛合している。ケース12a内には、その内周に植設された軸に回転自在に取り付けられた中間歯車12c、12cと、中間歯車12c、12cに噛合する第1出力歯車12dと第2出力軸12eが設けられている。第1出力歯車12dに連結された第1出力軸12gと、第2出力歯車12eに連結された第2出力軸12hは、ケース12aから対向する方向に延在している。
中央にディスク12iを形成した第1出力軸12gは、ステアリングアシスト機構100に連結されている。第1電磁ブレーキ機構13は、電力を供給されることでソレノイドが作動し、対向するパッドで第1出力軸12gと共に回転するディスク12iを挟んで摩擦力を与え、それにより第1出力軸12gを制動する機能を有する。
第2出力軸12hは、先端にカサ歯車12kを取り付けている。カサ歯車12kが、第2差動歯車機構12’のケース12a’の外周に形成された大歯車12b’に噛合している。ケース12a’内には、その内周に植設された軸に回転自在に取り付けられた中間歯車12c’、12c’と、中間歯車12c’、12c’に噛合する第3出力歯車12d’と第4出力軸12e’が設けられている。第3出力歯車12d’に連結された第1出力軸12g’と、第4出力歯車12e’に連結された第4出力軸12h’は、ケース12a’から対向する方向に延在している。
中央にディスク12i’を形成した第3出力軸12g’は、その先端にフレキシブルワイヤFW1を連結している。第2電磁ブレーキ機構14は、電力を供給されることでソレノイドが作動し、対向するパッドで第3出力軸12g’と共に回転するディスク12i’を挟んで摩擦力を与え、それにより第3出力軸12g’を制動する機能を有する。
中央にディスク12j’を形成した第4出力軸12h’は、その先端にフレキシブルワイヤFW2を連結している。第3電磁ブレーキ機構15は、電力を供給されることでソレノイドが作動し、対向するパッドで第3出力軸12h’と共に回転するディスク12j’を挟んで摩擦力を与え、それにより第4出力軸12h’を制動する機能を有する。
尚、電磁ブレーキ機構13は第1出力軸12gを制動するアシストブレーキであり、電磁ブレーキ機構14は第3出力軸12g’を制動するテレスコブレーキ(第1ブレーキ)であり、電磁ブレーキ機構15は第4出力軸12h’を制動するチルトブレーキ(第2ブレーキ)である。
運転者が操作可能な位置に、コントローラ20が配置されている。コントローラ20は、ケース21と、ケース21から一端を外方に突出させたスティック(ジョイスティック)22とを有している。より具体的には、導電体からなるスティック22は、軸線方向にのみ移動するスラスト部22aと、スラスト部22aに対して上下に揺動可能に連結されたスイング部22bとを有している。
スラスト部22aは、ケース21内で軸線方向両方向からスプリングSP、SPで付勢され、力を付与されない限りテレスコ中立状態に維持されるようになっている。かかる中立状態において、スラスト部22aの外周から延在する接片22cは、ケース21に設けられた端子21a、21bのいずれにも接触しないようになっているが、スラスト部22aが図で左方に移動したときは、接片22cが端子21aに接触し、スラスト部22aが図で右方に移動したときは、接片22cが端子21bに接触する。
一方、スイング部22bも、ケース21内で揺動方向両方向からスプリングSP、SPで付勢され、力を付与されない限りチルト中立状態に維持されるようになっている。かかる中立状態において、スイング部22bは、ケース21に設けられた端子21c、21dのいずれにも接触しないようになっているが、スイング部22bが図で上方に移動したときは端子21cに接触し、図で下方に移動したときは端子21dに接触する。図から明らかなように、スティック22は、スラスト部22aのスライド操作と、スイング部22bのチルト操作とを独立して行うことができるようになっている。
CPU30は、スティック22と、端子21a〜21dに電気的に接続され、それらが導通しているか否かを検出できるようになっており、またイグニッションスイッチIGからのオン/オフ信号と、トランスミッションからの検出信号(マニュアルトランスミッション(MT)の場合はシフトポジションがニュートラル(N)にあること、オートマチックトランスミッション(AT)の場合はシフトポジションがニュートラル(N)又はパーキング(P)であることを検出する信号)、車速信号V、後述するトルクセンサ106のトルク信号T等を受信する。更に、CPU30は、テレスコ駆動機構7に設けられたねじ軸7dの軸線方向移動量(テレスコ移動量)を検出するテレスコセンサS1と、チルト駆動機構8に設けられたねじ軸8dの軸線方向移動量(チルト移動量)を検出するチルトセンサS2からの検出信号を受信するようになっていて、そのテレスコ移動量とチルト移動量とを内蔵メモリMに記憶する。かかるCPU30は、モータ11と、電磁ブレーキ13,14、15に独立して電力を供給できるようになっている。
図2は、本実施の形態に用いるステアリングアシスト機構100を示す断面図である。図2において、本体101bと蓋部材101aとからなるハウジング101内に、ステアリングシャフト3および出力軸103が配置されている。ステアリングシャフト3は、上端(図2で右端)がステアリングホイール2(図1)に連結されている。ステアリングシャフト3は、不図示の軸受によりハウジング101に対して回転自在に支持されている。中空の出力軸103は、軸受104,114によりハウジング101に対して回転自在に支持されている。図2で右端をステアリングシャフト3に圧入し、左端を出力軸103にピン結合させることで連結したトーションバー105が、出力軸103内を延在している。
出力軸103の図2で右端近傍外周に対向する位置に、受けたトルクに比例してトーションバー105がねじれることに基づき、操舵トルクを検出する検出装置すなわちトルクセンサ106が設けられている。このトルクセンサ106は、ロータリー式非接触トルクセンサであって、トーションバー105のねじれに基づくステアリングシャフト3と出力軸103との相対角度変位を、所定の磁気回路におけるインピーダンスの変化としてコイルにより検出し、電気信号として不図示の制御回路へ出力するものである。
出力軸103の中央部において軸受104,114の間には、ウォームホイール113が配置されている。ウォームホイール113は、圧入などにより出力軸103に一体的に回転するように取り付けられた芯金113aと、その外周にインサート成形されてなる樹脂の歯部113bとからなる。ウォームホイール113の歯部113bは、モータの回転軸に形成されたウォーム12wと噛合している。
次に、本実施の形態の動作について、図面を参照して説明する。図3は、本実施の形態にかかるステアリング駆動装置の制御を示すフローチャートである。まず、CPU30は、ステップS01で、トランスミッションからの検出信号に基づいて、シフトポジションがN又はPかどうか判断する。シフトポジションがN又はPでなければ、車両が走行する可能性があるので、ステップS02において、CPU30はチルトブレーキ15及びテレスコブレーキ14を作動させて、ステアリング位置調整を禁止すると共に、アシストブレーキ13を非作動として、モータ11の動力をステアリングアシスト機構100へと伝達可能な状態とする。
更に、CPU30は、ステップS03で補助操舵制御を行う。より具体的には、車両が直進状態にあり、ステアリングホイール2から、ステアリングシャフト3に操舵力が入力されていないとすると、トルクセンサ106は出力信号Tを発生せず、従ってモータ11は補助操舵力を発生しない。
これに対し、車両がカーブを曲がろうとするときに運転者がステアリングホイール2を操作すると、その力に応じてトーションバー105がねじれ、ステアリングシャフト3と出力軸103との間で相対回動が発生する。トルクセンサ106は、この相対回動の方向および量に応じトルクて信号Tを出力する。このトルク信号Tに基づき、CPU30は駆動信号をモータ11に送信するので、モータ11は所望の補助操舵力を発生する。かかるモータ11の回転は、第1出力軸12gを介してウォームギヤ機構(12w、113)により減速されて出力軸103に伝達され、ラック軸111の移動を支援することとなる。
一方、ステップS01で、トランスミッションからの検出信号に基づいて、シフトポジションがN又はPであると判断すれば、フローはステップS101へと進み、CPU30は、スティック22からの信号を受け付けて、ステアリング位置調整を可能にする。ここで、ステアリングホイール2のスライド又はチルト位置調整を行いたい運転者は、位置調整したい方向にスティック22をスライド又はチルトさせたとする。かかる操作は、CPU30が、スティック22と、端子21a〜21dのいずれかとの間で電気的導通が生じたことにより検出できる。
より具体的に説明すると、CPU30は、図3のステップS101で、スティック22の接片22cが、端子21a又は端子21bのみと接触したことを検出したときは、テレスコ移動のみが望まれていると判断し、ステップS102で、チルトブレーキ15及びアシストブレーキ13を作動させ、テレスコブレーキ14を非作動とする。更に、ステップS103で、CPU30は、接片22cが端子21bと接触しているか否か、すなわちステアリングホイール2の上方テレスコ移動が望まれているか否かを判断し、そうでなければ(即ち接片22cが端子21aと接触している場合)、ステアリングホイール2の下方テレスコ移動が望まれていると判断し、モータ11を逆回転させる(ステップS104)。
このとき、チルトブレーキ15及びアシストブレーキ13は作動し、テレスコブレーキ14は非作動であるから、モータ11の回転力は、第1差動歯車機構12、第2差動歯車機構12’、及びフレキシブルワイヤFW1を介してテレスコ駆動機構7のみに伝達され、ミドルコラム5をテレスコ移動させることとなる。かかる動作は、ステアリングホイール2が適切な位置にきたと判断した運転者が、スティック22から手を離すまで継続して実行され、運転者がスティック22から手を離すと、スプリングSPの作用により、接片22cが端子21aと離れるので、CPU30は、モータ11の駆動を停止する(ステップS105)。
一方、ステップS103で、ステアリングホイール2の上方テレスコ移動が望まれていると判断した場合、CPU30は、モータ11を正回転させる(ステップS106)。かかる動作は、ステアリングホイール2が適切な位置にきたと判断した運転者が、スティック22から手を離すまで継続して実行され、運転者がスティック22から手を離すと、スプリングSPの作用により、接片22cが端子21bと離れるので、CPU30は、モータ11の駆動を停止する(ステップS107)。以上により、ステアリングホイール2のテレスコ位置調整は適切になされる。
これに対し、CPU30は、図3のステップS101で、スティック22のスイング部22bが、端子21c又は端子21dのみと接触したことを検出したときは、チルト移動のみが望まれていると判断し、ステップS121で、テレスコブレーキ14及びアシストブレーキ13を作動させ、チルトブレーキ15を非作動とする。更に、ステップS103で、CPU30は、スイング部22bが端子21cと接触しているか否か、すなわちステアリングホイール2の上方チルト移動が望まれているか否かを判断し、そうでなければ(即ちスイング部22bが端子21dと接触している場合)、ステアリングホイール2の下方チルト移動が望まれていると判断し、モータ11を逆回転させる(ステップS125)。
このとき、テレスコブレーキ14及びアシストブレーキ13は作動し、チルトブレーキ15は非作動であるから、モータ11の回転力は、第1差動歯車機構12、第2差動歯車機構12’、フレキシブルワイヤFW2を介してチルト駆動機構8のみに伝達され、アッパコラム4をチルト移動させることとなる。かかる動作は、ステアリングホイール2が適切な位置にきたと判断した運転者が、スティック22から手を離すまで継続して実行され、運転者がスティック22から手を離すと、スプリングSPの作用により、スイング部22bが端子21dと離れるので、CPU30は、モータ11の駆動を停止する(ステップS126)。
一方、ステップS122で、ステアリングホイール2の上方チルト移動が望まれていると判断した場合、CPU30は、モータ11を正回転させる(ステップS123)。かかる動作は、ステアリングホイール2が適切な位置にきたと判断した運転者が、スティック22から手を離すまで継続して実行され、運転者がスティック22から手を離すと、スプリングSPの作用により、スイング部22bが端子21cと離れるので、CPU30は、モータ11の駆動を停止する(ステップS124)。以上により、ステアリングホイール2のチルト位置調整は適切になされる。
本実施の形態によれば、モータ11から、第1駆動機構であるテレスコ駆動機構7と第2駆動機構であるチルト駆動機構8とステアリングアシスト機構100のいずれかに、選択的に動力を伝達できる機構である動力伝達機構10を有するので、モータ11が単一であっても、テレスコ駆動機構7、チルト駆動機構8又はステアリングアシスト機構100に動力を振り分けて伝達でき、それによりコンパクトな構成を実現できる。又、スティック22は、ステアリングホイール2の動作に類似した操作を行うことができ、操作ミスを起こしにくくユーザーフレンドリーな構成となっている。更に、テレスコ駆動機構7及びチルト駆動機構8に直接モータを搭載せず、離れた位置からフレキシブルワイヤFW1,FW2を用いて動力を伝達するので、運転者の膝周辺のスペースを広く確保できると共に、ステアリング位置調整時におけるモータの作動音も運転者に届きにくくなり、快適性が向上する。更に、少なくとも走行中にはテレスコ駆動機構7及びチルト駆動機構8に動力伝達を行わないので、運転中にスティック22に誤って触れても不用意なステアリング位置調整が回避される。
次に、本実施の形態にかかるチルト・テレスコメモリ動作について説明する。これは、イグニッションスイッチIGをオフ操作することで、ステアリングホイール2を退避させて乗降しやすいようにし、イグニッションスイッチIGをオン操作することで、ステアリングホイール2を運転に適した元の位置に復帰させる動作である。図4は、チルト・テレスコメモリ動作の制御内容を説明するためのフローチャートである。
まず、CPU30の不揮発性であるメモリMには、デフォルトとしてのチルト位置・テレスコ位置が記憶されているものとする。図4のステップS201において、CPU30は、運転者によりイグニッションスイッチIGがオン操作されるのを待ち、イグニッションスイッチIGのオン操作に応じて、メモリに記憶されているチルト位置・テレスコ位置を読み出す。続くステップS203では、CPU30は、テレスコセンサS1とチルトセンサS2からの信号を受信しつつ、モータ11と電磁ブレーキ13,14、15とを独立して駆動制御することにより、記憶されているチルト位置・テレスコ位置へとステアリングホイール2を変位させる。
ステップS204で、CPU30は、イグニッションスイッチIGがオン操作されたか否か判断し、オン操作されない限り、ステップS205でスティック22の動きを監視し続ける。ここで、運転者がスティック22を操作して、チルト位置及び/又はテレスコ位置を変更した場合、CPU30は、ステップS206で、センサS1,S2からの信号に基づいて新たなチルト位置・テレスコ位置をメモリMに記憶(更新)する。メモリMの更新は、チルト位置・テレスコ位置の変更がある度に行われ、常に最新の位置が記憶される。従って、ステップS204で、イグニッションスイッチIGがオフ操作された場合、最後に更新されたチルト位置・テレスコ位置がメモリMに記憶されることとなり、その後、チルト位置が上端部へ、且つテレスコ位置が前端部へと移動する。次にイグニッションスイッチIGがオン操作されたときは、その記憶されたチルト位置・テレスコ位置へと、ステアリングホイール2が変位することとなる。
このようなチルト位置・テレスコ位置は、単一の組み合わせでなく、複数の組み合わせでメモリ内に記憶され、ユーザーの選択により、CPU30がいずれかのチルト位置・テレスコ位置へとステアリングホイール2を変位させるようにしても良い。
図5は、第2の実施の形態にかかるステアリング駆動装置を含むステアリング装置を示す概略構成図である。本実施の形態は、図1に示す実施の形態に対して、動力伝達機構10Aのみが異なるため、共通する構成については同様の符号を付して説明を省略する。
より具体的には、動力伝達機構10Aは、モータ11の回転軸(入力軸)に形成されたカサ歯車11aと、カサ歯車11aにそれぞれ噛合する第1カサ歯車12A及び第2カサ歯車12Bと、第1カサ歯車12Aに連結された第1中間軸12Cと、第2カサ歯車12Bに連結された第2中間軸12Dと、ステアリングアシスト機構100に連結された第1出力軸12Wと、それと第1中間軸12Cとを動力伝達可能に電磁的に連結もしくは切断するアシストクラッチ(第1クラッチ手段)13Aとを有する。
更に動力伝達機構10Aは、カサ歯車12Eと、それに連結された第2出力軸12Fと、第2出力軸12Fと第2中間軸12Dとを動力伝達可能に電磁的に連結もしくは切断する中間クラッチ(第2クラッチ手段)14Aと、カサ歯車12Eにそれぞれ噛合する第3カサ歯車12G及び第4カサ歯車12Hと、第3カサ歯車12Gに連結された第3中間軸12Iと、第4カサ歯車12Hに連結された第4中間軸12Jと、フレキシブルワイヤFW1に連結された第3出力軸12Kと、それと第3中間軸12Iとを動力伝達可能に電磁的に連結もしくは切断するテレスコクラッチ(第3クラッチ手段)15Aと、フレキシブルワイヤFW2に連結された第4出力軸12Lと、それと第4中間軸12Jとを動力伝達可能に電磁的に連結もしくは切断するチルトクラッチ(第4クラッチ手段)16Aとを有している。
CPU30は、モータ11と、クラッチ13A〜16Aとを独立して駆動制御できるようになっている。なお、アシストクラッチ13Aがオンしている場合、第1出力軸12Wと第1中間軸12Cとは動力伝達可能に連結され、中間クラッチ14Aがオンしている場合、第2出力軸12Fと第2中間軸12Dとは動力伝達可能に連結され、テレスコクラッチ15Aがオンしている場合、第3出力軸12Kと第3中間軸12Iとは動力伝達可能に連結され、チルトクラッチ16Aがオンしている場合、第4出力軸12Lと第4中間軸12Jとは動力伝達可能に連結されているものとする。
次に、本実施の形態の動作について、図面を参照して説明する。図6は、本実施の形態にかかるステアリング駆動装置の制御を示すフローチャートである。まず、CPU30は、ステップS11で、トランスミッションからの検出信号に基づいてシフトポジションがN又はPかであるか否か判断する。シフトポジションがN又はPでなければ、車両が走行する可能性があるので、ステップS12において、中間クラッチ14Aをオフして、ステアリング位置調整を禁止すると共に、アシストクラッチ13Aをオンして、モータ11の動力をステアリングアシスト機構100へと伝達可能な状態とする。なお、中間クラッチ14Aがオフすると、モータ11の動力は第2出力軸12Fに伝達されないため、テレスコクラッチ15A、チルトクラッチ16Aはオン状態でもオフ状態でも良い。更に、CPU30は、ステップS13で、上述と同様な補助操舵制御を行う。
一方、ステップS11で、シフトポジションがN又はPであると判断すれば、フローはステップS301へと進み、CPU30は、スティック22からの信号を受け付けて、ステアリング位置調整を可能にする。ここで、ステアリングホイール2のスライド又はチルト位置調整を行いたい運転者は、位置調整したい方向にスティック22をスライド又はチルトさせたとする。かかる操作は、CPU30が、スティック22と、端子21a〜21dのいずれかとの間で電気的導通が生じたことにより検出できる。
より具体的に説明すると、CPU30は、図6のステップS301で、スティック22の接片22cが、端子21a又は端子21bのみと接触したことを検出したときは、テレスコ移動のみが望まれていると判断し、ステップS302で、中間クラッチ14Aとテレスコクラッチ15Aをオンし、アシストクラッチ13Aとチルトクラッチ16Aをオフする。更に、ステップS303で、CPU30は、接片22cが端子21bと接触しているか否か、すなわちステアリングホイール2の上方テレスコ移動が望まれているか否かを判断し、そうでなければ(即ち接片22cが端子21aと接触している場合)、ステアリングホイール2の下方テレスコ移動が望まれていると判断し、モータ11を逆回転させる(ステップS304)。
このとき、中間クラッチ14Aとテレスコクラッチ15Aがオンしているから、モータ11の回転力は、カサ歯車11a、カサ歯車12B、第2出力軸12F、カサ歯車12E、カサ歯車12G、第3中間軸12Iを介して第3出力軸12Kに伝達され、ここからフレキシブルワイヤFW1を介してテレスコ駆動機構7に伝達され、ミドルコラム5をテレスコ移動させることとなる。なお、カサ歯車11aに第1カサ歯車12Aが噛合しているので、第1中間軸12Cも回転するが、アシストクラッチ13Aがオフとなっているので、ステアリングアシスト機構100には動力は伝達されない。又、カサ歯車12Eには第3カサ歯車12Hが噛合しているので、第4中間軸12Jも回転するが、チルトクラッチ16Aがオフとなっているので、フレキシブルワイヤFW2に動力は伝達されない。かかる動作は、ステアリングホイール2が適切な位置にきたと判断した運転者が、スティック22から手を離すまで継続して実行され、運転者がスティック22から手を離すと、スプリングSPの作用により、接片22cが端子21aと離れるので、CPU30は、モータ11の駆動を停止する(ステップS305)。
一方、ステップS303で、ステアリングホイール2の上方テレスコ移動が望まれていると判断した場合、CPU30は、モータ11を正回転させる(ステップS306)。かかる動作は、ステアリングホイール2が適切な位置にきたと判断した運転者が、スティック22から手を離すまで継続して実行され、運転者がスティック22から手を離すと、スプリングSPの作用により、接片22cが端子21bと離れるので、CPU30は、モータ11の駆動を停止する(ステップS307)。以上により、ステアリングホイール2のテレスコ位置調整は適切になされる。
これに対し、CPU30は、図5のステップS301で、スティック22のスイング部22bが、端子21c又は端子21dのみと接触したことを検出したときは、チルト移動のみが望まれていると判断し、ステップS321で、中間クラッチ14Aとチルトクラッチ16Aをオンし、アシストクラッチ13Aとテレスコクラッチ15Aをオフとする。更に、ステップS303で、CPU30は、スイング部22bが端子21cと接触しているか否か、すなわちステアリングホイール2の上方チルト移動が望まれているか否かを判断し、そうでなければ(即ちスイング部22bが端子21dと接触している場合)、ステアリングホイール2の下方チルト移動が望まれていると判断し、モータ11を逆回転させる(ステップS325)。
このとき、中間クラッチ14Aとチルトクラッチ16Aがオンしているから、モータ11の回転力は、カサ歯車11a、カサ歯車12B、第2出力軸12F、カサ歯車12E、カサ歯車12H、第4中間軸12Jを介して第4出力軸12Lに伝達され、ここからフレキシブルワイヤFW2を介してチルト駆動機構8に伝達され、アッパコラム4をチルト移動させることとなる。なお、カサ歯車11aに第1カサ歯車12Aが噛合しているので、第1中間軸12Cも回転するが、アシストクラッチ13Aがオフとなっているので、ステアリングアシスト機構100には動力は伝達されない。又、カサ歯車12Eには第3カサ歯車12Gが噛合しているので、第3中間軸12Iも回転するが、テレスコクラッチ15Aがオフとなっているので、フレキシブルワイヤFW1に動力は伝達されない。かかる動作は、ステアリングホイール2が適切な位置にきたと判断した運転者が、スティック22から手を離すまで継続して実行され、運転者がスティック22から手を離すと、スプリングSPの作用により、スイング部22bが端子21dと離れるので、CPU30は、モータ11の駆動を停止する(ステップS326)。
一方、ステップS322で、ステアリングホイール2の上方チルト移動が望まれていると判断した場合、CPU30は、モータ11を正回転させる(ステップS323)。かかる動作は、ステアリングホイール2が適切な位置にきたと判断した運転者が、スティック22から手を離すまで継続して実行され、運転者がスティック22から手を離すと、スプリングSPの作用により、スイング部22bが端子21cと離れるので、CPU30は、モータ11の駆動を停止する(ステップS324)。以上により、ステアリングホイール2のチルト位置調整は適切になされる。
本実施の形態によれば、モータ11から、第1駆動機構であるテレスコ駆動機構7と第2駆動機構であるチルト駆動機構8とステアリングアシスト機構100のいずれかに、選択的に動力を伝達できる機構である動力伝達機構10Aを有するので、モータ11が単一であっても、テレスコ駆動機構7、チルト駆動機構8又はステアリングアシスト機構100に動力を振り分けて伝達でき、それによりコンパクトな構成を実現できる。更に、テレスコ駆動機構7及びチルト駆動機構8に直接モータを搭載せず、離れた位置からフレキシブルワイヤFW1,FW2を用いて動力を伝達するので、運転者の膝周辺のスペースを広く確保できると共に、ステアリング位置調整時におけるモータの作動音も運転者に届きにくくなり、快適性が向上する。更に、少なくとも走行中にはテレスコ駆動機構7及びチルト駆動機構8に動力伝達を行わないので、運転中にスティック22に誤って触れても不用意なステアリング位置調整が回避される。なお、本実施の形態においても、図3に示すフローチャートに従い、チルト・テレスコメモリ動作を実行できる。
第1の実施の形態にかかるステアリング駆動装置を含むステアリング装置を示す概略構成図である。 本実施の形態に用いるステアリングアシスト機構を示す図である。 第1の実施の形態にかかるステアリング駆動装置の制御を示すフローチャートである。 チルト・テレスコメモリ動作の制御内容を説明するためのフローチャートである。 第2の実施の形態にかかるステアリング駆動装置を含むステアリング装置を示す概略構成図である。 第2の実施の形態にかかるステアリング駆動装置の制御を示すフローチャートである。
符号の説明
1 ステアリング駆動装置
2 ステアリングホイール
3 ステアリングシャフト
3a ピニオン歯車
4 アッパコラム
5 ミドルコラム
6 ロアコラム
7 テレスコ駆動機構
7a ケース
7b ギヤ部
7c ナット
7d ねじ軸
8 チルト駆動機構
8a ケース
8b ギヤ部
8c ナット
8d ねじ軸
10 動力伝達機構
10A 動力伝達機構
11 モータ
11a カサ歯車
12 第1差動歯車機構
12’ 第2差動歯車機構
12A 第1カサ歯車
12B 第2カサ歯車
12C 第1中間軸
12D 第2中間軸
12E 第2カサ歯車
12F 第2出力軸
12G 第3カサ歯車
12H 第4カサ歯車
12I 第3中間軸
12J 第4中間軸
12K 第3出力軸
12L 第4出力軸
12W 第1出力軸
12a、12a’ ケース
12b、12b’ 大歯車
12c、12c’ 中間歯車
12d、12d’ 出力歯車
12e’ 出力歯車
12g’ 出力軸
12h、12h’ 出力軸
12i,12i’ ディスク
12j’ ディスク
12k’ カサ歯車
12w ウォーム
13 アシストブレーキ(第1電磁ブレーキ機構)
13A アシストクラッチ(第1クラッチ手段)
14 テレスコブレーキ(第2電磁ブレーキ機構)
14A 中間クラッチ(第2クラッチ手段)
15 チルトブレーキ(第3電磁ブレーキ機構)
15A テレスコクラッチ(第3クラッチ手段)
16A チルトクラッチ(第4クラッチ手段)
20 コントローラ
21 ケース
21a 端子
21b 端子
21c 端子
21d 端子
22 スティック
22a スラスト部
22b スイング部
22c 接片
42 ブラケット
43 ピン
51 二股部
51a チルトヒンジピン
52 ブラケット
53 ピン
54 ブラケット
55 ピン
62 ブラケット
63 ピン
100 ステアリングアシスト機構
101 ハウジング
101a 蓋部材
101b 本体
101d 段部
102 ステアリングシャフト
103 出力軸
103a ウォームホイール
103c 場合段部
103c 段部
104 軸受
105 トーションバー
106 トルクセンサ
109 カバー
111 ラック軸
111a ラック歯
112 ラックサポート装置
112a ラックガイド
112b スプリング
112c ロック部材
113 ウォームホイール
114 上方軸受
114 軸受
114a 内輪
114b 外輪
115 下方軸受
115 軸受
115a 内輪
115b 外輪
117 ナット
120 ゴム部材
FW1,FW2 フレキシブルワイヤ
IG イグニッションスイッチ
M メモリ
S1,S2 センサ
SP スプリング
T トルク信号
V 車速信号


Claims (11)

  1. 単一のモータと、
    回転力を伝達されることによって、ステアリングホイールをテレスコ方向に駆動するテレスコ駆動機構と、
    回転力を伝達されることによって、ステアリングホイールをチルト方向に駆動するチルト駆動機構と、
    ステアリングホイールと、車輪を操舵する操舵機構との間に設けられたステアリングアシスト機構と、
    前記モータから、前記テレスコ駆動機構と、前記チルト駆動機構と、前記ステアリングアシスト機構の一つに、選択的に動力を伝達可能な動力伝達機構と、を有することを特徴とするステアリング駆動装置。
  2. 前記動力伝達機構は、前記モータの回転軸に連結された第1入力軸、前記ステアリングアシスト機構に連結された第1の出力軸及び第2の出力軸を含む第1差動歯車機構と、前記第2の出力軸に連結された第2入力軸、前記テレスコ駆動機構に連結された第3出力軸、及び前記チルト駆動機構に連結された第4出力軸を含む第2差動歯車機構と、前記第1出力軸を制動する第1ブレーキと、前記第3出力軸を制動する第2ブレーキと、前記第4出力軸を制動する第3ブレーキとを有し、前記第1ブレーキ、前記第2ブレーキ及び前記第3ブレーキの少なくとも一つを作動させることによって、前記モータから、前記ステアリングアシスト機構、前記テレスコ駆動機構又は前記チルト駆動機構に、選択的に動力を伝達することを特徴とする請求項1に記載のステアリング駆動装置。
  3. 前記ステアリング駆動装置を搭載した少なくとも車両の走行中に、前記第2ブレーキ及び前記第3ブレーキを作動させて、前記モータの動力を前記ステアリングアシスト機構にのみ伝達することを特徴とする請求項2に記載のステアリング駆動装置。
  4. 少なくとも4方向に移動可能なジョイスティックを有し、前記4方向のいずれかに前記ジョイスティックを移動させることに応じて、前記モータの駆動と、前記第2ブレーキ及び前記第3ブレーキの動作のいずれかが行われることを特徴とする請求項2又は3のいずれかに記載のステアリング駆動装置。
  5. 前記第3出力軸と前記テレスコ駆動機構との間、及び前記第4出力軸と前記チルト駆動機構との間は、それぞれフレキシブルワイヤを介して回転力が伝達されるようになっていることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のステアリング位置調整機構。
  6. 前記動力伝達機構は、前記モータの回転軸に連結された入力軸と、第1中間軸と、第2中間軸と、前記入力軸の動力を前記第1中間軸と前記第2中間軸に伝達する第1カサ歯車と、前記ステアリングアシスト機構に連結された第1出力軸と、第2出力軸と、前記第1中間軸と前記第1出力軸とを動力伝達可能に連結又は切断する第1クラッチ手段と、前記第2中間軸と前記第2出力軸とを動力伝達可能に連結又は切断する第2クラッチ手段と、第3中間軸と、第4中間軸と、前記第2出力軸の動力を前記第3中間軸と前記第4中間軸に伝達する第2カサ歯車と、前記テレスコ駆動機構に連結された第3出力軸と、前記チルト駆動機構に連結された第4出力軸と、前記第3中間軸と前記第3出力軸とを動力伝達可能に連結又は切断する第3クラッチ手段と、前記第4中間軸と前記第4出力軸とを動力伝達可能に連結又は切断する第4クラッチ手段とを有することを特徴とする請求項1に記載のステアリング駆動装置。
  7. 前記ステアリング駆動装置を搭載した少なくとも車両の走行中に、前記第1クラッチ手段及び前記第2クラッチ手段を作動させて、前記モータの動力を前記ステアリングアシスト機構にのみ伝達することを特徴とする請求項6に記載のステアリング駆動装置。
  8. 少なくとも4方向に移動可能なジョイスティックを有し、前記4方向のいずれかに前記ジョイスティックを移動させることに応じて、前記モータの駆動と、前記第3クラッチ手段及び前記第4クラッチ手段の動作のいずれかが行われることを特徴とする請求項5又は6に記載のステアリング駆動装置。
  9. 前記第1出力軸と前記テレスコ駆動機構との間、及び前記第2出力軸と前記チルト駆動機構との間は、それぞれフレキシブルワイヤを介して回転力が伝達されるようになっていることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載のステアリング駆動装置。
  10. 前記ステアリングホイールのテレスコ方向位置を検出するテレスコセンサと、前記ステアリングホイールのチルト方向位置を検出するチルトセンサとを有することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のステアリング駆動装置。
  11. 前記テレスコセンサで検出された前記テレスコ方向位置と、前記チルトセンサで検出された前記チルト方向位置を記憶するメモリを有し、
    イグニッションスイッチがオフ操作されたときは、前記モータから前記動力伝達機構を介して、前記テレスコ駆動機構と前記チルト駆動機構に動力を伝達することで、前記ステアリングホイールを所定の位置へと変位させると共に、
    前記イグニッションスイッチがオン操作されたときは、前記ステアリングホイールが、前記所定の位置から、記憶された前記テレスコ方向位置と前記チルト方向位置へと変位するように、前記モータから前記動力伝達機構を介して、前記テレスコ駆動機構と前記チルト駆動機構に動力を伝達することを特徴とする請求項10に記載のステアリング駆動装置。


JP2005199797A 2005-07-08 2005-07-08 ステアリング駆動装置 Pending JP2007015576A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005199797A JP2007015576A (ja) 2005-07-08 2005-07-08 ステアリング駆動装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005199797A JP2007015576A (ja) 2005-07-08 2005-07-08 ステアリング駆動装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007015576A true JP2007015576A (ja) 2007-01-25

Family

ID=37753099

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005199797A Pending JP2007015576A (ja) 2005-07-08 2005-07-08 ステアリング駆動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007015576A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011042274A (ja) * 2009-08-21 2011-03-03 Jtekt Corp 位置調整式操舵装置
CN103129608A (zh) * 2011-11-21 2013-06-05 现代自动车株式会社 车辆的转向装置及其控制系统
KR101316171B1 (ko) * 2011-09-27 2013-10-14 현대자동차주식회사 통합형 전동조향장치
KR101326811B1 (ko) 2011-11-21 2013-11-11 현대자동차주식회사 차량 조향 시스템 및 이에 대한 전류 공급 방법
CN110775150A (zh) * 2018-07-30 2020-02-11 罗伯特·博世有限公司 用于车辆的方向盘的致动器单元
CN112896285A (zh) * 2019-12-04 2021-06-04 现代自动车株式会社 用于使方向盘收入的装置及其控制方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011042274A (ja) * 2009-08-21 2011-03-03 Jtekt Corp 位置調整式操舵装置
KR101316171B1 (ko) * 2011-09-27 2013-10-14 현대자동차주식회사 통합형 전동조향장치
CN103129608A (zh) * 2011-11-21 2013-06-05 现代自动车株式会社 车辆的转向装置及其控制系统
JP2013107622A (ja) * 2011-11-21 2013-06-06 Hyundai Motor Co Ltd 車両操向装置および車両操向制御システム
KR101326811B1 (ko) 2011-11-21 2013-11-11 현대자동차주식회사 차량 조향 시스템 및 이에 대한 전류 공급 방법
KR101382339B1 (ko) * 2011-11-21 2014-04-10 현대자동차 주식회사 차량 조향 장치 및 차량 조향 제어 시스템
US8727066B2 (en) 2011-11-21 2014-05-20 Hyundai Motor Company Steering apparatus of vehicle and system of controlling the same
US8909433B2 (en) 2011-11-21 2014-12-09 Hyundai Motor Company System of controlling steering apparatus of vehicle and method for supplying current thereof
CN103129608B (zh) * 2011-11-21 2016-11-02 现代自动车株式会社 车辆的转向装置及其控制系统
CN110775150A (zh) * 2018-07-30 2020-02-11 罗伯特·博世有限公司 用于车辆的方向盘的致动器单元
CN112896285A (zh) * 2019-12-04 2021-06-04 现代自动车株式会社 用于使方向盘收入的装置及其控制方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100604441B1 (ko) 자동변속기용 햅틱 변속 장치
EP1350706B1 (en) Steering apparatus for vehicle
JP2007261299A (ja) ステアリング装置
JP5131523B2 (ja) 車両用操舵装置
JP5131522B2 (ja) 車両用操舵装置
JP2007015576A (ja) ステアリング駆動装置
CN104943540A (zh) 车辆用换档装置
JP2006131221A (ja) 改良された運転者制御装置
JP2006264512A (ja) 操舵装置
EP1541903A1 (en) Gear shift apparatus
WO2010038637A1 (en) Steering-force transmitting apparatus for vehicle
CN110775150A (zh) 用于车辆的方向盘的致动器单元
JP2007160964A (ja) 車両の操舵装置
JP2004203088A (ja) 車両用自動変速装置
JP4624973B2 (ja) シフト装置
JP2006347371A (ja) ステアリング位置調整装置
JP4285180B2 (ja) 車両用操舵装置
JP5591647B2 (ja) シフト装置
JPH03239865A (ja) 自動変速操作装置
JP4248390B2 (ja) ステアリング操作装置
JP2007057016A (ja) 車両用自動変速機の制御装置
CN113677586B (zh) 转向装置
JP2008143441A (ja) 電動式ステアリングコラム装置
JP5435265B2 (ja) 位置調整式操舵装置
CN115111355A (zh) 用于车辆驾驶的集成控制装置