JP2007076577A - ステアリング操作入力装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ステアバイワイヤ型のステアリングシステムを構成するステアリング操作入力装置の実用性を向上させる。
【解決手段】 車体に固定されるサポート10と、そのサポートに回動可能に支持された第1アーム12と、その第1アームに回動可能に支持された第2アーム14とからなるアーム構造を採用し、第2アームにハンドル16を回転可能に保持させる。第1アームが支持される部分18および第2アームが支持される部分20に、ハーモニックギヤ機構(差動機構)84,138を組み込み、それら2つのハーモニックギヤ機構の各々の3要素のうちの1要素(ウェーブジェネレータ)どうしを、チェーン等によって構成される回転伝達機構188によって連結する。2つのアームの回動が同期した動作の下、車室内の広い範囲においてハンドルの位置を変更することが可能となる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、車両の操舵のために運転者が行うステアリング操作が入力されるステアリング操作入力装置に関する。
現状の車両用ステアリングシステムは、大まかに言えば、ステアリング操作が入力されるステアリング操作入力装置(以下、単に「操作入力装置」という場合がある)と、その入力装置に連結されてステアリングホイール等のステアリング操作部材(以下、単に「操作部材」という場合がある)の操作力によって車輪を転舵させる車輪転舵装置とから構成されている。その操作入力装置は、ステアリングコラムを主体として構成され、そのステアリングコラムは、車体の一部に固定的に保持されたチューブと、そのチューブ内に回転可能に保持されたステアリングシャフトから構成され、そのステアリングシャフトの一端部に操作部材が取り付けられ、他端部が転舵装置に連結されるような構造とされている。従来のステアリングシステムでは、運転者によってステアリング操作部材に加えられた操作力に依拠して車輪が転舵されことから、従来の操作入力装置は、上記ステアリングコラムを主体として構成することが当然のこととされていた。
上記従来のステアリングシステムに代わるものとして、近年では、運転者の操作力によらず、転舵装置が備える駆動源を操作部材の操作に応じて電気的に制御することで、運転者の操作に応じた車輪の転舵を実現するシステム、つまり、ステアバイワイヤ型のステアリングシステムが検討されている。このシステムでは、操作入力装置が操作部材に加えられた操作力を転舵装置に伝達する必要がなく、言い換えれば、操作部材と転舵装置とを機械的に連結するという構造上の制約がないため、下記特許文献に記載されているようなバリエーションに富んだ種々の操作入力装置が採用可能とされている。
特開2005−153592号公報 特開2003−11827号公報 特開2003−127878号公報 特開2004−128141号公報
ステアバイワイヤ型のステアリングシステムは、未だ開発途上にあり、今後、種々のシステムが開発されことが予想され、それに伴って、種々のステアリング操作入力装置が開発されることが予想される。また、ステアバイワイヤ型のシステムの場合には特にそうであるが、ステアバイワイヤ型のシステムであるか否かに拘わらず、操作入力装置には、実用性の観点からの改善の余地が多分に残されるものとなっている。本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、実用性の高いステアリング操作入力装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明のステアリング操作入力装置は、車体に固定されるサポートと、そのサポートに回動可能に支持された第1アームと、その第1アームに回動可能に支持された第2アームと、第2アームに操作可能に保持されたステアリング操作部材とを備える操作入力装置であって、第1アームがサポートに支持される部分と、第2アームが第1アームに支持される部分との各々に、差動機構が配設され、それら2つの差動機構の各々の3要素のうちの1要素どうしを回転伝達可能に連結する回転伝達機構が設けられたことを特徴とする。
本発明のステアリング操作入力装置は、いわゆる2つの関節を有するアーム構造を採用するため、操作部材の位置を、例えば、車室内の広い範囲において変更することができる。また、上記2つの差動機構と回転伝達機構によって、2つのアームの回動が、同期、言い換えれば、連繋されているため、操作部材の位置を一定の軌跡に沿って移動させることが可能となる。このような利点から、本発明のステアリング操作入力装置は、実用性の高い装置となる。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、それらの発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から何某かの構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、以下の各項において、(1)項が請求項1に相当し、(2)項と(3)項とを合わせたものが請求項2に、(4)項が請求項3に、(5)項が請求項4に、(10)項と(11)項とを合わせたものが請求項5に、(13)項と(14)項とを合わせたものが請求項6に、(15)項と(16)項とを合わせたものが請求項7に、(17)項が請求項8に、(20)項が請求項9に、(21)項が請求項10に、(22)項と(23)項とを合わせたものが請求項11に、それぞれ相当する。
(1)車体の一部に固定されるサポートと、
一端部が前記サポートに回動可能に支持された第1アームと、
一端部が前記第1アームの他端部に回動可能に支持された第2アームと、
その第2アームの他端部に操作可能に保持されたステアリング操作部材と、
前記サポートと前記第1アームの一端部とにそれぞれ固定的に設けられてそのサポートに対するその第1アームの回動に伴って相対回転する第1要素および第2要素と、それら第1要素および第2要素と係合する第3要素とを有し、その第3要素の回転量に応じた相対回転量のそれら第1要素と第2要素との相対回転を実現させる第1差動機構と、
前記第1アームの他端部と前記第2アームの一端部とにそれぞれ固定的に設けられてその第1アームの他端部に対するその第2アームの回動に伴って相対回転する第1要素および第2要素と、それら第1要素および第2要素と係合する第3要素とを有し、その第3要素の回転量に応じた相対回転量のそれら第1要素と第2要素との相対回転を実現させる第2差動機構を備え、
前記第1差動機構の第3要素と前記第2差動機構の第3要素との一方の回転をそれらの他方に伝達する回転伝達機構と
を備えたステアリング操作入力装置。
本項に記載の態様のステアリング操作入力装置は、簡単にいえば、ステアリング操作部材の車体へ支持構造に、2つの関節部を有するアーム構造を採用し、その2つの関節部の各々に差動機構を配設するとともに、それら2つの差動機構の各々を構成する3つの要素のうちの1つの要素どうしを回転伝達機構を介して互いに連繋させた態様である。本項の態様は、2つのアームが回動するアーム構造であることから、従来のステアリングコラムを採用する操作入力装置に比較して、操作部材の位置を広い範囲において変更することが可能となる。また、2つの関節部の各々に配設された差動機構と、それらを連繋させる回転伝達機構とを採用することにより、本項の態様は、2つのアームが連動して回転し、一定の軌跡に沿って操作部材の位置を変更することが可能となる。つまり、本項の態様の操作入力装置では、当該装置の車体への配設箇所の自由度が高く、また、操作部材の位置変更操作についての容易性,簡便性,信頼性等が担保されることとなり、本項の態様の操作入力装置は、実用性の高い装置となる。
本項の態様における「サポート」は、当該操作入力装置を、インパネリインフォースメント等の車体の一部への取付部として機能するととに、第1アームを支持する支持部材として機能するものである。サポートは、その構造,形状等が限定されるものではない。また、「第1アーム」,「第2アーム」についても、その構造,形状等が限定されるものではない。第1アームがサポートに支持される当該操作入力装置の関節部として機能する部分(以下、「第1支持部」という場合がある)、および、第2アームが第1アームの他端部に支持される当該操作入力装置の関節部として機能する部分(以下、「第2支持部」という場合がある)における支持構造も特に限定されるものではない。例えば、ラジアル力およびスラスト力を受けるためのベアリングを介して、第1アームをサポートに、第2アームを第1アームの他端部に軸支するような構造とすることが可能である。操作部材の位置が小さな外力によって変位しないという観点からすれば、ベアリングに比較的大きな予圧が付与された支持構造とし、ベアリングにおいて発生する摩擦力を積極的に利用することも可能である。
本項の態様における「第1差動機構」,「第2差動機構」には、1つの要素(例えば「回転軸」等)の回転が、他の2つの要素の回転に分配されるような機構、つまり、2つの要素が回転駆動させられた場合に、その2つの要素の作用を同時に受けて他の1つの要素が回転させられるような機構を広く採用することができ、さらに言い換えれば、1つの要素の回転量によって、他の2つの相対回転量が決定されるような種々な機構を採用することができる。具体的に言えば、後に説明するハーモニックギヤ機構(「ハーモニックドライブ機構(登録商標)」,「ストレインウェーブギヤリング機構」等と呼ばれることもある)を始めとして、傘状歯車を噛合させてなる機構,遊星歯車機構,サイクロイド減速機構といった種々の機構を採用することが可能である。第1アーム,第2アームの回動(以下、単に「アームの回動」という場合がある)を何らかの駆動源の駆動力によって第3要素を回転させて行う場合には、駆動源を小さくする等の観点から、第3要素の回転量に対する第1要素と第2要素との相対回転量の比(以下、「回転比」という場合ある。減速比と観念することも可能である。)が比較的小さな機構であることが望ましい。また、第3要素の回転禁止してアームの回動を禁止するような場合においても、当該差動機構の逆効率を利用して比較的小さな力で第3要素の回転を禁止できるという観点からすれば、回転比が比較的小さな機構であることが望ましい。また、本項の態様における「回転伝達機構」は、その具体的な構成が特に限定されるものではなく、例えば、後に説明するベルト,チェーン,ワイヤケーブル等の巻掛伝達部材を採用する機構,ギヤ機構,ねじ機構等、あるいは、それらの機構を組み合わせた機構等、種々の機構を広く採用することが可能である。
(2)前記第1アームの前記サポートに対する回動の軸線と前記第2アームの前記第1アームの他端部に対する回動の軸線とが互いに平行となる状態で、前記第1アームが前記サポートに、前記第2アームが前記第1アームの他端部に、それぞれ支持された(1)項に記載のステアリング操作入力装置。
(3)前記第1アームの前記サポートに対する回動の軸線および前記第2アームの前記第1アームの他端部に対する回動の軸線が概ね鉛直となる状態で、前記サポートが車体の一部に固定される(2)項に記載のステアリング操作入力装置。
上記2つの態様は、第1アームのサポートに対する回動の軸線(以下、「第1回動軸線」という場合がある)、および、第2アームの第1アームの他端部に対する回動の軸線(以下、「第2回動軸線」という場合がある)に関する限定を加えた態様である。前者の態様によれば、操作部材の位置を、アームの回動によって、一平面に沿って変更させることが可能となる。また、後者の態様によれば、概して水平な平面に沿って変更させることが可能となる。一般の車両では、運転者の体格,シートの前後位置の変更等に応じて、車両の前後方向において操作部材の位置が変更可能であることが望まれる。また、後に説明するように、運転席と助手席との間でを変更することも検討されており、そのような場合には左右方向に操作部材の位置を変更可能であることが望まれる。また、運転者の車両への乗り降りの際あるいは車両衝突の際等において操作部材を退避させる場合にも、車両の前後方向に操作部材の位置を変更できることが望ましい。つまり、多くの場合、水平な平面に沿った操作部材の位置変更が要求されるのである。後者の態様によれば、そのような要求を満たすことが可能であり、実情に即したステアリングシステムを構築することが可能となる。
(4)前記第1アームと前記第2アームとの各々が1つの直線に対して平行となる状態においてそれら第1アームと第2アームとが概ね車両の前後方向に延びる姿勢となるように、前記サポートが車体の一部に固定される(3)項に記載のステアリング操作入力装置。
本項に記載の態様は、左右に並ぶ2つの座席間で、運転席と助手席とを相互に変更するように構成された車両において、特に有効な態様となる。詳しく言えば、本項の態様の操作入力装置を、第1アームの回動と第2アームの回動とが互いに逆方向となるように構成し、その操作入力装置のサポートを2つの座席の間に位置するように車体の一部に固定すれば、いずれの座席を運転席とする場合でも、運転席とされた座席と操作部材との相対位置関係が概して一定となるようなステアリングシステムが実現する。
(5)前記第1差動機構,前記第2差動機構および前記回転伝達機構が、前記第1アームの前記サポートに対する回動と前記第2アームの前記第1アームの他端部に対する回動とが互いに逆方向となり、かつ、それら回動の回動量が互いに等しくなるように構成された(2)項ないし(4)項のいずれかに記載のステアリング操作入力装置。
本項の態様によれば、2つのアームの連繋した回動による当該操作入力装置の動作は、あたかも1つのアームが延ばされた状態から折りたたまれた状態へ、あるいは逆に、折りたたまれた状態から延ばされた状態に移行するような動作となり、また、その動作おいていずれの位置に操作部材が位置する場合であっても、操作部材は、一定の方向を向くことになる。つまり、本項の態様(以下、「折りたたみ動作可能態様」という場合がある)の操作入力装置が車両に配設された場合、操作部材は、その車両に対して固定的に設定された方位座標空間において、一定の姿勢のままでそれの位置が変更されることとなる。したがって、先に説明したような運転者の体格,シートの前後位置の変更、運転席の変更、車両衝突の際の操作部材の退避等において、操作部材の位置を変更する場合に、本項の態様の操作入力装置は、特に有効的に機能する。なお、操作部材にエアバッグ等の乗員保護手段が設けられる場合、本項の態様によれば、車両衝突の際の運転者の二次衝突によって操作部材が変位させられても操作部材の向きが変わらないため、その乗員保護手段を有効的に機能させることが可能となる。
(6)前記第1差動機構および前記第2差動機構が、それらの各々の第1要素と第2要素との相対回転量の第3要素の回転量に対する比である第1回転比と第2回転比とが互いに等しくなるように構成され、前記回転伝達機構が、前記第1差動機構の第3要素と前記第2差動機構の第3要素とが互いに同じ回転量となるように、かつ、それらの前記第1要素と第2要素との相対回転が前記第1差動機構と前記第2差動機構とにおいて逆方向となるように回転伝達を行う構成とされた(2)項ないし(5)項に記載のステアリング操作入力装置。
本項に記載の態様は、上記折りたたみ動作可能態様を、さらに具体的に限定した態様と考えることができる。本項の態様によれば、容易に、折りたたみ動作可能態様の操作入力装置を実現することが可能である。
(7)前記回転伝達機構が、それぞれが前記第1差動機構の第3要素と前記第2差動機構の第3要素との各々の回転に伴って回転する1対の回転体を有し、その1対の回転体が可撓性を有する巻掛伝達部材を介して連結された構造をなす(1)項ないし(6)項のいずれかに記載のステアリング操作入力装置。
本項に記載の態様は、回転伝達機構の構造を限定した態様である。本項の回転伝達機構における「巻掛伝達部材」は、チェーン,ベルト,ワイヤケーブル等であり、そのような伝達部材を採用すれば、回転伝達機構が配設されるアーム、特に第1アームの軽量化が可能となる。アーム構造を採用する操作入力装置は、車体に片支持されることから、アームを軽量化できれば装置自体の剛性を比較的低く設定することができ、そのことは、装置自体の軽量化,低コスト化に寄与することなる。また、「回転体」は、用いられる巻掛伝達部材に応じ、例えば、スプロケット,プーリ,ドラム等とすることができる。回転体は、第3要素と別体をなし何らかの運動変換機構を介して第3要素と回転するようなものであってもよく、第3要素に固定的に付設されあるいは第3要素の一部をなすようなものであってもよい。なお、巻掛伝達部材は、2つの回転体の両者に巻き掛けられるものに限定されない。例えば、回転伝達機構は、上記1対の回転体の間に別の回転体を配設し、1対の回転の一方と別の回転体とに巻き掛けられる1つの巻掛伝達部材と、1対の回転体の他方とその別の回転体とに巻き掛けられるもう1つの巻掛伝達部材とによって構成されるものであってもよい。つまり、複数段的に複数の巻掛伝達部材によって回転が伝達されるような構造とされてもよいのである。また、回転伝達機構は、巻掛伝達部材による回転伝達と他の原理による回転伝達とを組み合わせたような回転伝達機構とされてもよい。
(8)前記第1差動機構が、それの第1要素,第2要素,第3要素の各々の回転軸線が互いに同軸的となる構造を有し、さらに、それらの回転軸線が、前記第1アームの前記サポートに対する回動の軸線と同軸的となるように配置された(1)項ないし(7)項のいずれかに記載のステアリング操作入力装置。
(9)前記第2差動機構が、それの第1要素,第2要素,第3要素の各々の回転軸線が互いに同軸的となる構造を有し、さらに、それらの回転軸線が前記第2アームの前記第1アームの他端部に対する回動の軸線と同軸的となるように配置された(1)項ないし(8)項のいずれかに記載のステアリング操作入力装置。
上記2つの態様は、第1要素,第2要素,第3要素が同軸的とされることで、それらの単一の軸線が差動機構の軸線(以下、「機構軸線」という場合がある)として規定され、その機構軸線と回動軸線とが一致させられた態様である。前者の態様によれば、第1支持部が、後者の態様によれば、第2支持部が、それぞれコンパクトに構成されることとなり、両者の態様を合わせた態様とすれば、両支持部がコンパクトに構成されることとなる。なお、先に掲げたハーモニックギヤ機構,遊星歯車機構等は、容易に、3つの要素を同軸的的に配置することが可能である。
(10)前記第1差動機構が、ハーモニックギヤ機構である(1)項ないし(9)項のいずれかに記載のステアリング操作入力装置。
(11)前記第2差動機構が、ハーモニックギヤ機構である(1)項ないし(10)項のいずれかに記載のステアリング操作入力装置。
上記2つの項に記載の態様は、それぞれ第1差動機構,第2差動機構にハーモニックギヤ機構を採用した態様である。ハーモニックギヤ機構は、先に説明したように、比較的回転比の小さい差動機構であるため、上記2つの態様によれば、そのことによる前述のメリットを享受できることになる。
(12)前記ハーモニックギヤ機構が、(a)前記第1要素と前記第2要素との一方として機能し、内周部に歯が形成されたリングギヤと、(b)それら第1要素と第2要素との他方として機能し、外周部にそのリングギヤと異なる歯数の歯を有してそれと噛合する概してカップ形状をなすフレキシブルギヤと、(c)前記第3要素として機能し、そのフレキシブルギヤに嵌められた楕円カムを有して回転するウェーブジェネレータとを含んで構成された(10)項または(11)項に記載のステアリング操作入力装置。
本項に記載の態様は、差動機構にいわゆるカップ型ハーモニックギヤ機構を採用した態様である。本機構は、リングギヤが1つしか必要とせず、後に説明する2リングギヤ型のハーモニックギヤ機構と比較して、構成部品数が少なく、差動機構を比較的単純に構成することが可能である。なお、リングギヤは、サーキュラスプラインと、フレキシブルギヤは、フレクスプラインと、ウェーブジェネレータは、波動発生器と呼ぶことも可能である。
本項に記載の態様ではないが、差動機構として、いわゆる2リングギヤ型のハーモニックギヤ機構を採用することも可能である。その場合、そのハーモニックギヤ機構は、(a)前記第1要素として機能し、内周部に歯が形成された第1リングギヤと、(b)前記第2要素として機能し、内周部に前記第1リングギヤとは異なる歯数の歯が形成された第2リングギヤと、(c)第3要素として機能し、外周部に前記第1リングギヤと前記第2リングギヤとの一方と同数の歯が形成された薄肉短円筒状のフレキシブルギヤが外嵌された楕円カムを有して回転するウェーブジェネレータをと含んで構成することが可能である。
(13)当該ステアリング操作入力装置が、動力源を有してその動力源が発生させる力によって前記ステアリング操作部材の操作に対する操作反力を付与する操作反力付与装置を備えた(1)項ないし(12)項のいずれかに記載のステアリング操作入力装置。
ステアバイワイヤ型のステアリングシステムでは、操作部材と転舵装置とが機械的に連結されていないため、ステアリング操作に対する反力である操作反力が得られない。そのため、運転者の操作フィーリングを適切なものとするため、何らかの操作反力を付与することが望ましい。本項の態様は、例えば、電動モータ等の動力源による操作反力を付与可能に構成された態様であり、本項の態様は、ステアバイワイヤ型のステアリングシステムに採用される操作入力装置として好適である。
(14)前記動力源が、車体の一部に対して固定的に設けられるとともに、回転力を出力する回転力出力部を有し、
当該ステアリング操作入力装置が、
前記第2アームの他端部に設けられ、前記ステアリング操作部材と連結されてそれの操作に伴って回転するとともにその操作の抵抗となる回転力が入力される回転力入力部を備え、
前記操作反力付与装置が、当該ステアリング操作入力装置の一部分であって前記第1アームの前記サポートへの支持構造を有する第1支持部において回転可能に支持された第1回転体と、当該ステアリング操作入力装置の一部分であって前記第2アームの前記第1アームの他端部への支持構造を有する第2支持部において回転可能に支持された第2回転体とを有し、前記動力源の回転力出力部と前記第1回転体とが連結され、前記第1回転体と前記第2回転体とが可撓性を有する第1巻掛伝達部材を介して連結され、かつ、前記第2回転体と前記回転力入力部とが可撓性を有する第2巻掛伝達部材を介して連結された構造をなす(13)項に記載のステアリング操作入力装置。
本項に記載の態様は、動力源を車体側に配置し、先に回転伝達機構について説明したのと同様に、巻掛伝達部材を利用して操作反力付与装置を構成した態様である。巻掛伝達部材を利用することにより、回転伝達機構の場合と同様に、装置自体の軽量化,低コスト化が実現し、さらに、比較的重量のある動力源をアームに配設していないことにより、さらなる軽量化,低コスト化が実現する。
本項の態様において、「動力源」には、例えば、電動モータ等を採用することができ、その動力源が発生する力を、操作部材の操作量,操作速度,車速,コーナリングフォース等に基づいて制御することによって、適切な操作フィーリングを運転者に与えることのできる操作反力を操作部材に付与することが可能である。動力源は、車体の一部に直接取り付けられてもよく、サポートに取り付けられてもよい。動力源の「回転力出力部」は、例えば動力源が電動モータである場合には、それの出力軸あるいはその出力軸と一体的若しくは別体的に設けられて出力軸の回転に応じて回転する回転体であればよい。「回転入力部」は、同様に、操作部材と一体的若しくは別体的に設けられて操作部材の操作に応じて回転する回転体であればよく、第2巻掛伝達部材が巻き掛けられるように構成されていてもよい。「第1回転体」,「第2回転体」,「第1巻掛伝達部材」,「第2巻掛伝達部材」は、先の回転伝達機構において採用可能な回転体,巻掛伝達部材を採用することができ、操作反力付与装置の第1回転体と第2回転体との連結機構、第2回転体と回転入力部との連結機構に、それら回転体,巻掛伝達部材を採用して、それらの機構を、回転伝達機構と同様に構成することが可能である。なお、駆動源の回転出力部と第1回転体との連結機構は、それらを直結するものであってもよく、巻掛伝達部材を採用した機構を始め何らかの動力伝達機構を介して連結するものであってもよい。
(15)前記第1回転体が、それの回転軸線と前記第1アームの前記サポートに対する回動の軸線とが同軸的となるように支持され、前記第2回転体が、それの回転軸線と前記第2アームの前記第1アームの他端部に対する回動の軸線とが同軸的となるように支持された(14)項に記載のステアリング操作入力装置。
本項に記載の態様は、第1回転体の回動軸線と第2回転体の回転軸線とが、それぞれ、、第1回動軸線,第2回動軸線と一致させられた態様であり、本項の態様によれば、先に説明した差動機構を回動軸線と一致させた態様と同様に、支持部のコンパクト化を図ることが可能である。
(16)前記第1差動機構および前記第2差動機構が、それぞれ、(a)前記第1要素と前記第2要素との一方として機能し、内周部に歯が形成されたリングギヤと、(b)それら第1要素と第2要素との他方として機能し、外周部にそのリングギヤと異なる歯数の歯を有してそれと噛合する概してカップ型のフレキシブルギヤと、(c)前記第3要素として機能し、そのフレキシブルギヤに嵌められた楕円カムを有して回転するウェーブジェネレータとを含んで構成されたハーモニックギヤ機構であり、
前記第1差動機構が、それの軸線と前記第1アームの前記サポートに対する回動の軸線とが同軸的となるように配設され、前記第2差動機構が、それの軸線と前記第2アームの前記第1アームの他端部に対する回動の軸線とが同軸的となるように配設されるとともに、
前記第1回転体が前記第1差動機構を構成する前記フレキシブルギヤおよび前記ウェーブジェネレータを貫通して配設され、かつ、それらを挟んだ一方の部分において前記動力源の前記回転力出力部と連結されるとともに、他方の部分において前記第1巻掛伝達部材を介して前記第2回転体と連結され、
前記第2回転体が前記第2差動機構を構成する前記フレキシブルギヤおよび前記ウェーブジェネレータを貫通して配設され、かつ、それらを挟んだ一方の部分において前記第1巻掛伝達部材を介して前記第1回転体と連結されるとともに、他方の部分において前記第2巻掛伝達部材を介して前記回転力入力部と連結された(15)項に記載のステアリング操作入力装置。
本項に記載の態様は、簡単に言えば、両差動機構にカップ型のハーモニックギヤ機構を採用するとともにそれらの機構の機構軸線を、それぞれ回動軸線と一致せた上で、操作反力付与装置の第1回転体の回動軸線,第2回転体の回転軸線を、それぞれ、回動軸線と一致させた態様である。本項に記載の態様では、支持部のさらなるコンパクト化を図ることが可能となり、支持部の構造をすっきりとさせることができる。
(17)当該ステアリング操作入力装置が、前記第1差動機構の第3要素と前記第2差動機構の第3要素との少なくとも一方と係合してその少なくとも一方の回転を禁止する第3要素回転禁止装置を備えた(1)項ないし(16)項のいずれかに記載のステアリング操作入力装置。
本項の態様では、上記第3要素回転禁止装置(以下、単に「回転禁止装置」という場合がある)によって、少なくともいずれかの差動機構の第3要素の回転が禁止されるため、アームの回動が禁止される。したがって、本項の態様によれば、操作部材の位置を設定されたあるいは任意の位置において固定することが可能となる。
本項の態様における「第3要素回転禁止装置」は、その構成が特に限定されるものではない。例えば、第3要素と接触可能に設けられた摩擦部材と、その摩擦部材を第3要素に押し付けるアクチュエータとを含んで構成されるような装置、つまり、いわゆるブレーキ的な装置とすることができる。また、第3要素に設けられた被係止部と係合可能な係止部材と、その係止部材をそれが機能する位置まで移動させるアクチュエータとを含んで構成されるような装置、つまり、いわゆるストッパ的な装置とすることができる。なお、回転禁止装置は、第3要素と直接的に係合するような構成に限定されず、間接的に係合するような構成のものであってもよい。例えば、第3要素と何らかの回転伝達機構を介して連結された回転体(その第3要素とは別の第3要素を除く)を備え、その回転体と係合してその回転体の回転を禁止することによって、間接的に第3要素の回転を禁止するものであってもよいのである。また、回転禁止装置は、駆動源を有してその駆動源によって作動するように構成されるものであってもよく、人力によって、つまり、いわゆる手動操作によって作動するように構成されるものであってもよい。
(18)前記第3要素回転禁止装置が、前記第1差動機構の第3要素と前記第2差動機構の第3要素との一方と係合してその一方の回転を禁止するものである(17)項に記載のステアリング操作入力装置。
(19)前記第3要素回転禁止装置が、前記第1差動機構の第3要素と係合してそれの回転を禁止するものである(18)項に記載のステアリング操作入力装置。
上記2つの態様は、回転禁止装置に関する限定を加えた態様である。前者の態様によれば、一方の第3要素のみに係合してその第3要素の回転を禁止することから、回転禁止装置の構成の簡素化が図れる。また、後者の態様によれば、回転禁止装置をアームに設けないように構成できることから、そのような構成とすれば、アームの軽量化等が図れることとなる。
(20)当該ステアリング操作入力装置が、
前記第3要素回転禁止装置によって前記第1差動機構の第3要素と第2差動機構の第3要素との少なくとも一方の回転が禁止されている状態において、
前記第2アームにそれを回動させる外力であって設定された大きさを超える力が作用した場合に、前記第1差動機構の第3要素と前記第2差動機構の第3要素とのうちの回転が禁止されているものの回転を、その回転に対する抵抗力を付与しつつ許容する第3要素回転許容機構を備えた(17)項ないし(19)項のいずれかに記載のステアリング操作入力装置。
本項に記載の態様によれば、車両衝突に起因する運転者の操作部材への二次衝突に対して効果的に対応できることとなる。一般的に、二次衝突の衝撃を吸収するための衝撃吸収装置は、二次衝突による操作部材の移動に対する抵抗、つまり、衝撃吸収荷重(以下、「EA荷重」という場合がある)を発生させ、そのEA荷重を発生させた状態で操作部材の移動を許容するように構成される。本項の態様では、上記「抵抗力」をEA荷重として機能させることで、効果的に二次衝突の衝撃を吸収することが可能である。
上記抵抗力を発生させる作用については特に限定されないが、本項の態様における第3要素回転許容機構(以下、単に「回転許容機構」という場合がある)では、例えば、摩擦力の作用によって上記抵抗力を発生するように構成することが可能である。具体的に言えば、例えば、第3要素を2つの部材を含んで構成し、それら2つの部材の間に直接的にあるいは2つの部材間に介装された摩擦力発生部材に依拠して間接的に作用する摩擦力によって2つの部材の相対回転を禁止する構造とし、その摩擦力を超える力が作用した場合にそれら2つの部材の相対回転が許容されるとともに、その摩擦力がその2つの部材の相対回転に対する抵抗力として作用することによって、上記第3要素の回転に対する抵抗力が発生するように構成することが可能である。なお、前述の回転禁止装置が、第3要素と接触可能に設けられた摩擦部材と、その摩擦部材を第3要素に押し付けるアクチュエータとを含んで構成されるような装置とされる場合、その摩擦力を調整することによって、その回転禁止装置を回転許容機構として機能させることも可能である。
(21)当該ステアリング操作入力装置が、駆動源を有して前記第1差動機構の第3要素と前記第2差動機構の第3要素との一方を回転駆動する回転駆動装置を備えた(1)項ないし(20)項のいずれかに記載のステアリング操作入力装置。
本項に記載の態様によれば、人力によらず、つまり、手動ではなく、アームの回動を実行させることが可能となる。なお、本項における「回転駆動装置」は、駆動源を制御することで、操作部材の位置が、設定されたあるいは任意の位置となるまでのアームの回動が行われるように構成することができる。「駆動源」は特に限定されるものではなく、例えば、電動モータ等を採用することが可能である。
本項の態様における回転駆動装置が、駆動源の発生する力によってアームの回動を阻止するように構成される場合には、その回転駆動装置は、前述の回転禁止装置を兼ねるものとなる。具体的には、駆動源が電動モータとされ、その電動モータに保持トルクを発生させるような制御を行うように構成する場合、電動モータがブレーキ付モータとされ、そのブレーキを作動させるように構成する場合等に、回転駆動装置が回転禁止装置を兼ねることとなる。
(22)前記回転駆動装置が、前記第1差動機構の第3要素を駆動するものである(21)項に記載のステアリング操作入力装置。
(23)前記回転駆動装置の前記駆動源が、車体の一部に対して固定的に設けられる(22)項に記載のステアリング操作入力装置。
上記2つの態様は、回転駆動装置の構成、詳しく言えば、回転駆動装置の配設箇所等に関連する限定を加えた態様である。回転駆動装置の駆動源は比較的重量が大きいため、前者の態様によれば、当該ステアリング操作入力装置のサポートに近い部分に駆動源を配設することができることから、アーム構造の必要剛性を比較的低く設定でき、当該操作入力装置の軽量化,低コスト化等を図ることができる。後者の態様によれば、アームの部分に駆動源が配設されないため、さらなる軽量化,低コスト化等を図ることが可能である。なお、後者の態様では、駆動源が車体の一部に直接的に取り付けられてもよく、サポートに取り付けられてもよい。
(24)前記駆動源が回転動作する回転出力部を有し、
前記回転駆動装置が、自身が回転駆動する前記第1差動機構の第3要素と第2差動機構の第3要素との一方と前記駆動源の前記回転出力部との各々の回転に伴って回転する1対の回転体と、可撓性を有する巻掛伝達部材を介して連結された構造をなす(21)項ないし(23)項のいずれかに記載のステアリング操作入力装置。
回転駆動装置は、第3要素に直結されてその第3要素を回転駆動するように構成することもできるが、本項に記載の態様のように、巻掛伝達部材を利用して第3要素を回転駆動するように構成することが可能である。本項の態様によれば、駆動源の配設箇所等に対する自由度を高めることができる。なお、本項の態様ではないが、回転駆動装置は、ギヤ機構等、巻掛伝達部材を利用しない何らかの機構を介して第3要素を回転駆動するように構成することも可能である。
本項の態様における「回転出力部」は、前述の操作反力付与装置における動力源の回転力出力部と同様。例えば駆動源が電動モータである場合には、それの出力軸あるいはその出力軸と一体的若しくは別体的に設けられて出力軸の回転に応じて回転する回転体であればよい。また、本項に記載の「回転体」,「巻掛伝達部材」は、先の回転伝達機構において採用可能な回転体,巻掛伝達部材を採用し、回転伝達機構と同様に構成することが可能である。
以下、請求可能発明の実施例およびその変形例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、請求可能発明は、下記実施例の他、前記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。
請求可能発明のステアリング操作入力装置は、ステアバイワイヤ型のステアリングシステムの一部をなす操作入力装置であり、図1に示すように、車体の一部であるインパネリインフォースメント(図視を省略)に固定されるサポート10と、一端部がサポート10に回動可能に支持された第1アーム12と、一端部が第1アーム12の他端部に回動可能に支持された第2アーム14と、第2アーム14の他端部に操作可能に保持されたステアリング操作部材としてのハンドル16とを含んで構成されている。図から解るように、この操作入力装置は、ハンドル16の支持構造として、2つの関節を有するアーム構造が採用されており、それぞれ関節として機能する部分として、第1アームがサポートに支持される部分である第1支持部18と、第2アームが第1アームに支持される部分である第2支持部20とを有している。
本操作入力装置の構造が容易に理解できるように、本操作入力装置を模式的に示す図2〜図7を掲げる。図2は、正面断面図、詳しくは、切断された端面の形状を示す図であり、図3は平面図である。図4,図5,図6は、それぞれ、第1支持部18,第2支持部20,ハンドル16およびそれに近い部分を示す拡大図であり、図7は、ハンドル16および第2アーム14のハンドル16を支持する部分をサポート10側から見た図(図6におけるA−A断面図)である。以下、それらの図を参照しつつ、本ステアリング操作装置の構成を詳しく説明する。なお、図2,図3は、第1アーム12と第2アーム14とが1つの直線に対して平行となる状態、つまり、真直ぐに延びた状態(以下、「延直状態」という場合がある)を描いた図であり、本操作入力装置は、その状態において、サポート10側(基端側)が車両前方側に、ハンドル16側(先端側)が車両後方側に位置して、第1アーム12,第2アーム14が車両前後方向に延びるように配設される。また、図2に示すように、サポート10に対して第1アーム12が上方に位置するように、第1アーム12に対して第2アーム14が上方に位置するように配設される。そのことに鑑み、以下の説明において、図2における左方を車両前方あるいは単に前方と,右方を車両後方あるいは単に後方と呼び、また、図2における上方を上方、下方を下方と、図3における上方を車両右方あるいは単に右方と、下方を車両左方あるいは単に左方と呼ぶ場合がある。
サポート10は、概して円筒状をなす部品であり、第1アーム12は、概して角パイプ形状をなすアーム本体30を主体とし、アーム本体30の一端側(基端側)に、概ね円筒状の被支持筒32が、他端側(先端側)に概ね円筒状の支持筒34が、それぞれ固定された構造とされている。第1支持部18においては、第1アームの被支持筒32が、サポート10に、それらの軸線を一致させた状態で、それらが軸線方向つまり上下に並ぶようにして、支持される。詳しく説明すれば、その支持は、締結ボルト36と、締結ボルト36が貫通する孔が穿設された上蓋部材38,締結ボルト36に形成された雄ねじと螺合する雌ねじが形成された下蓋部材40とが用いられて行われ、サポート10と被支持筒32との間と被支持筒32と上蓋部材38との間とに、それぞれ、円錐ころ軸受42,44を介在させた状態において、被支持筒32およびサポート10が、それらが上蓋部材38と下蓋部材40とによって挟まれるようにして締結される。このような支持構造により、上記サポート10および被支持筒32の軸線を回動軸線(第1回動軸線CL1)として、第1アーム12が、サポート10に対してその回動軸線まわりに回動可能とされているのである。なお、被支持筒32の下端部には、後に説明するリングギア46を被支持筒32との間で挟み付けて固定する固定リング48が一体的に付設されており、厳密には,円錐ころ軸受44は、固定リング48とサポート10との間に介装されている。
また、第1支持部18には、2つのスプロケットAssy50,52が設けられている。一方のスプロケットAssy50は、筒状の軸である軸筒54と、軸筒54の両端部の各々に位置する2つのスプロケット56,58とが一体的に組み合わされた構造をなし、同様に、他方のスプロケットAssy52は、筒状の軸である軸筒60と,軸筒60の両端部の各々に位置する2つのスプロケット62,64とが一体的に組み合わされた構造をなしている(図では、それらの構成要素が明確に区分されていない)。スプロケットAssy50の軸筒54の外径は、スプロケットAssy52の軸筒60の内径より小さくされており、スプロケットAssy50は、スプロケットAssy52に挿入されている。また、スプロケットAssy50は、スプロケットAssy52より長くされており、スプロケットAssy52のスプロケット62,64は、軸線方向において、スプロケットAssy50のスプロケット56,58の間に位置させられている。スプロケットAssy50の軸筒54の内径は、締結ボルト36の軸部の外径より大きくされており、スプロケットAssy50は、締結ボルト36を貫通させた状態で、両端部の各々において、アンギュラ玉軸受66,68を介して上蓋部材38,サポート10に支持されている。また、スプロケットAssy52は、両端部の各々において、アンギュラ玉軸受70,72を介してスプロケットAssy50に支持されている。このような構造から、スプロケットAssy50,52は、サポート10,第1アーム12の被支持筒32に対して、それぞれ独立して回転可能とされている。ちなみに、それらスプロケットAssy50,52の回転軸線は、上記回動軸線と一致させられている。なお、スプロケットAssy52においては、下端部に位置するスプロケット64は、トレランスリング74を介して軸筒60と摩擦係合させられている。
スプロケットAssy52の軸筒60には、2つのスプロケット62,64の間に、楕円カム76が固定されて設けられており、その楕円カム76には、可撓性のあるインナレース,アウターレースを含んで構成されたベアリング78が外嵌されている。また、サポート10の上端部には、可撓性を有する外周部に歯が形成されたカップ型のフレキシブルギヤ80が固定的に付設されており、ベアリング78は、そのフレキシブルギヤ80に嵌め込まれる状態とされている。一方、第1アーム12の被支持筒32には、先に説明したように、内周部に歯が形成されたリングギヤ46が、固定リング48によって固定されており、このリングギヤ46は、フレキシブルギヤ80の外歯と噛合させられている。詳しく言えば、リングギヤ46の歯数は202とされ、フレキシブルギヤ80の歯数は200とされており、フレキシブルギヤ80は楕円カム76によって楕円形に変形させられることで、その楕円の長軸上に位置する2箇所においてのみリングギヤ46と噛合している。このような構造から、スプロケットAssy52の軸筒60,楕円カム76,ベアリング78を含んでウェーブジェネレータ82が構成され、第1支持部18は、フレキシブルギヤ80を第1要素とし、それと相対回転可能とされたリングギヤ46を第2要素とし、ウェーブジェネレータ82を第3要素とするハーモニックギヤ機構84(第1差動機構)を有するものとされている。なお、それらフレキシブルギヤ80,リングギヤ46,ウェーブジェネレータ82は、同軸的に配設されており、このハーモニックギヤ機構84は、第1要素,第2要素,第3要素が互いに同軸的となる構造を有しており、それらの軸線、つまり、機構軸線が、回動軸線と一致するように構成されている。
上記ハーモニックギヤ機構84により、スプロケットAssy52が回転すれば、その回転量に応じて第1アーム12の被支持筒32がサポート10に対して上記回動軸線まわりに回転し、第1アーム12は、サポート10に対して回動することとなる。なお、スプロケットAssy52の回転量に対する第1アーム12の被支持筒32とサポート10との相対回転量の比、つまり、回転比(第1回転比)は、上記リングギヤ46とフレキシブルギヤ80とのギヤ比に依存し、このハーモニックギヤ機構84では、概して1/100とされている。
第2アーム14は、概して角パイプ形状をなすアーム本体90を主体とし、アーム本体90の一端側(基端側)に、概ね円筒状の被支持筒92が、他端側(先端側)に端部閉塞板94が、それぞれ固定された構造とされている。第2支持部20においては、第2アーム14の被支持筒92が、第1アーム12の支持筒34に、それらの軸線を一致させた状態で、それらが軸線方向つまり上下に並ぶようにして、支持される。詳しく説明すれば、その支持は、締結ボルト96と、締結ボルト96が貫通する孔が穿設された上蓋部材98,締結ボルト96に形成された雄ねじと螺合する雌ねじが形成された下蓋部材100とが用いられて行われ、第1アーム12の支持筒34と第2アーム14の被支持筒92の間とその被支持筒92と上蓋部材98との間とに、それぞれ、円錐ころ軸受102,104を介在させた状態において、第2アーム14の被支持筒92および第1アーム12の支持筒34が、それらが上蓋部材98と下蓋部材100とによって挟まれるようにして締結される。このような支持構造により、上記第1アーム12の支持筒34および第2アーム14の被支持筒92の軸線を回動軸線(第2回動軸線CL2)として、第2アーム14が、第1アーム12の支持筒34に対してその回動軸線まわりに回動可能とされているのである。
また、第2支持部20には、スプロケット・プーリAssy106およびスプロケットAssy108が設けられている。スプロケット・プーリAssy106は、筒状の軸である軸筒110と、軸筒110の両端部の各々に位置するプーリ112,スプロケット114とが一体的に組み合わされた構造をなし、同様に、スプロケットAssy108は、筒状の軸である軸筒116と,軸筒116の下端部に位置するスプロケット118とが一体的に組み合わされた構造をなしている(図では、それらの構成要素が明確に区分されていない)。スプロケット・プーリAssy106の軸筒110の外径は、スプロケットAssy108の軸筒116の内径より小さくされており、スプロケット・プーリAssy106は、スプロケットAssy108に挿入されている。また、スプロケット・プーリAssy106は、スプロケットAssy108より長くされており、スプロケットAssy108のスプロケット118は、軸線方向において、スプロケット・プーリAssy106のプーリ112とスプロケット114との間に位置させられている。スプロケット・プーリAssy106の軸筒110の内径は、締結ボルト96の軸部の外径より大きくされており、スプロケット・プーリAssy106は、締結ボルト96を貫通させた状態で、両端部の各々において、アンギュラ玉軸受120,122を介して上蓋部材98,下蓋部材100に支持されている。また、スプロケットAssy108は、両端部の各々において、アンギュラ玉軸受124,126を介してスプロケット・プーリAssy106に支持されている。このような構造から、スプロケット・プーリAssy106,スプロケットAssy108は、第1アーム12の支持筒34,第2アーム14の被支持筒92に対して、それぞれ独立して回転可能とされている。ちなみに、それらスプロケット・プーリAssy106,スプロケットAssy108の回転軸線は、上記回動軸線と一致させられている。
スプロケットAssy108の軸筒116には、楕円カム128が固定されて設けられており、その楕円カム128には、可撓性のあるインナレース,アウターレースを含んで構成されたベアリング130が外嵌されている。また、第2アーム14の被支持筒92の下端部には、可撓性を有する外周部に歯が形成されたカップ型のフレキシブルギヤ132が固定的に付設されており、ベアリング130は、そのフレキシブルギヤ132に嵌め込まれる状態とされている。一方、第1アーム12の支持筒34の上端部には、内周部に歯が形成されたリングギヤ134が固定されており、このリングギヤ134は、フレキシブルギヤ132の外歯と噛合させられている。詳しく言えば、第1支持部18に配設されているものと同様に、リングギヤ134の歯数は202とされ、フレキシブルギヤ132の歯数は200とされており、フレキシブルギヤ132は楕円カム128によって楕円形に変形させられることで、その楕円の長軸上に位置する2箇所においてのみリングギヤ134と噛合している。このような構造から、スプロケットAssy108の軸筒116,楕円カム128,ベアリング130を含んでウェーブジェネレータ136が構成され、第2支持部20は、リングギヤ134を第1要素とし、それと相対回転可能とされたフレキシブルギヤ132を第2要素とし、ウェーブジェネレータ136を第3要素とするハーモニックギヤ機構138(第2差動機構)を有するものとされている。なお、それらリングギヤ134,フレキシブルギヤ132,ウェーブジェネレータ136は、同軸的に配設されており、このハーモニックギヤ機構138は、第1要素,第2要素,第3要素が互いに同軸的となる構造を有しており、それらの軸線、つまり、機構軸線が、回動軸線と一致するように構成されている。
上記ハーモニックギヤ機構138により、スプロケットAssy108が回転すれば、その回転量に応じて第2アーム14の被支持筒92と第1アーム12の支持筒34とが回動軸線まわりに相対回転し、第2アーム14は、第1アーム12の支持筒34に対して回動することとなる。なお、スプロケットAssy108の回転量に対する第2アーム14の被支持筒92と第1アーム12の支持筒34との相対回転量の比、つまり、回転比(第2回転比)は、上記リングギヤ134とフレキシブルギヤ132とのギヤ比に依存し、このハーモニックギヤ機構138では、第1支持部18のハーモニックギヤ機構84と同様に、概して1/100とされている。ちなみに、本ハーモニックギヤ機構138では、リングギヤ134とフレキシブルギヤ132との位置関係が、第1支持部18のハーモニックギヤ機構84のそれらの位置関係に対して逆転している。したがって、スプロケットAssy108が、第1支持部18のスプロケットAssy52と同じ方向に回転した場合であっても、第2アーム14の第1アーム12の支持筒34に対する回動方向は、第1アーム12のサポート10に対する回動方向と逆の方向となる。つまり、第1アーム12と第2アーム14とは、互いに逆方向に回動することになるのである。
ハンドル16は、運転者がステアリング操作において把持する1対のグリップ150と、それら1対のグリップ150の各々を両端部の各々に支持するグリップ支持バー152と、グリップ支持バー152の中間部に固定されて設けられたハンドル軸154とを含んで構成されている。このハンドル軸154は、第2アーム14の端部閉塞板94を貫通し、その端部閉塞板94に付設されたベアリング支持部材156に支持されたベアリング158にによって、その端部閉塞板94に回転可能に保持されている。ハンドル軸94は、端部閉塞板94から、グリップ150とは反対側に延び出しており、その延び出した部分には、後に説明する非円形プーリ160が、ハンドル軸94と相対回転不能な状態で固定されている。ハンドル16は、ハンドル軸94の軸線まわりに回転操作され、その操作に伴って、非円形プーリ160がその軸線まわりに回転する。なお、図示は省略するが、ハンドル軸154を支持する箇所には、そのハンドル軸154の回転角度を検出するセンサが設けられており、本操作入力装置を含んで構成されるステアリングシステムでは、そのセンサの検出値に基づいてハンドル16の操作量が取得され、その操作量に応じた適正な転舵が実現されるように、転舵装置の駆動源の制御が実行される。
第1アーム12には、アーム本体30の内部に、スプロケットAssy170が設けられている。スプロケットAssy170は、スプロケット軸172と、それぞれがそのスプロケット軸172の両端部の各々に固定された1対のスプロケット174,176とから構成され、スプロケット軸172の中間部において、アーム本体30に固定された支持部材178に、ベアリング180を介して、回転可能に保持されている。1対のスプロケット174,176は、一体的に回転するようにされている。
図8に示すように、第1支持部18に設けられたスプロケットAssy52のそれの上端側のスプロケット62と、アーム本体30内に設けられたスプロケットAssy170の下端側のスプロケット176とには、第1アーム12の被支持筒32に設けられた開口182を通って、巻掛伝達部材であるチェーン184が巻き掛けられている。また、そのスプロケットAssy170の上端側のスプロケット174と、第2支持部20に設けられたスプロケットAssy108が有するスプロケット118とには、第1アーム12の支持筒34に設けられた開口185を通って、別の巻掛伝達部材であるチェーン186が巻き掛けられている。このような構造から、スプロケットAssy52とスプロケットAssy108とは、それらの一方の回転が他方に伝達される構造とされている。つまり、本操作入力装置は、スプロケットAssy52とスプロケットAssy108とを1対の回転体として、それらが巻掛伝達部材を用いて連結された構造の回転伝達機構188を有するものとされているのである。なお、それらすべてのスプロケット62,176,174,118は、互いに同じ歯数を有するものとされており、スプロケットAssy52,スプロケットAssy108は、互いに、同じ方向に同じ回転量だけ回転するようにされている。
上記回転伝達機構188の作用により、本操作入力装置は、図9に示すように動作する。詳しく言えば、先に説明したように、第1支持部18のハーモニックギヤ機構84と、第2支持部20のハーモニックギヤ機構138は、回転比が実質同じ比となるようにされ、また、ウェーブジェネレータ82,136が同じ方向に回転した場合に、第1アーム18の被支持筒32とサポート10との相対回転方向と、第2アーム14の被支持筒92と第1アーム12の支持筒34との相対回転方向とが、逆になるようにされており、一方で、回転伝達機構188によって、ウェーブジェネレータ82,136と一体的に回転するスプロケットAssy52,スプロケットAssy108は、互いに、同じ方向に同じ回転量だけ回転するようにされている。そのため、第1アーム18と第2アーム20とは、互いに逆方向に同じ角度だけ回転するうようにされているのである。したがって、サポート10を車体の一部に固定した場合、第1アーム12がいかなる方位に向いているときであっても、第2アーム14の軸線L1の延びる方向が常に一定の方向となり、ハンドル16の操作面(ハンドル軸154に直角な面と考えることができる)は、常に一定の方向を向くこととなるのである。
一方、第1支持部18に設けられているスプロケットAssy152は、電動モータである駆動モータ190によって回転駆動される。スプロケットAssy52が下端部に有するスプロケット64と、駆動モータ190の出力軸に固定されたスプロケット192とには、サポート10に設けられた開口194を通って、チェーン196が巻き掛けられている。つまり、本操作入力装置は、スプロケットAssy52を回転体とし、スプロケット192を回転出力部として、それらの間を巻掛伝達部材によって連結する構造の回転駆動装置198を有しているのである。上述した本操作入力装置の動作は、この回転駆動装置198の力によって行われる。なお、駆動モータ190は、自身を回転量を検出するためのセンサを備えており、本操作入力装置では、その回転量に基づいて駆動モータ190が制御され、ハンドル16が任意の位置まで移動するようにされている。ちなみに、駆動モータ190は、サポート10とは別体とされており、車体の一部に固定されて配設されている。
また、駆動モータ190には、ブレーキ200が付設されている。このブレーキ200が作動させられることによって、駆動モータ190の回転は禁止され、第1支持部18が有するスプロケットAssy52の回転、すなわち、ウェーブジェネレータ82の回転が禁止される。その結果として、第1アーム12,第2アーム14の回動が禁止されるのである。つまり、本操作入力装置においては、駆動モータ190,ブレーキ200,チェーン196等、つまり、上記回転駆動装置198は、ハーモニックギヤ機構84の第3要素の回転を禁止する第3要素回転禁止装置として機能するものとされており、それの作用によって、ハンドル16の位置が固定されることになる。
なお、本操作入力装置では、第1支持部18,第2支持部20の各々においてハーモニックギヤ機構84,138を採用しており、その機構84,138の有する小さな回転比に起因して、ウェーブジェネレータ82,136の回転を小さな力で阻止するだけで、第1アーム12,第2アーム14の回動を阻止することができる。つまり、比較的大きな外力がハンドル16に作用した場合であっても、ハンドル16の位置変動を小さな力で効率的に阻止することができるのである。このことは、ブレーキ200の小型化等に寄与するものとなっている。ところが、フレキシブルギヤ80,132の可撓性等に起因して、通常のステアリング操作において比較的小さな力がハンドル16に作用したような場合に、、第1アーム12,第2アーム14が若干であるが回動して、ハンドル16の位置が微妙にブレるという現象が生じる。そのことは、運転者のステアリング操作に違和感を与えるものとなる。ちなみに、ハーモニックギヤ機構84,138が有する位置保持特性、具体的に言えば、ハンドル16に対して第2アーム14の回動軌跡の接線方向に外力が加わった場合におけるその外力の大きさと第2アーム14の回動角との関係は、模式的には、図10(a)のグラフで示すような関係となっている。
上記の現象に鑑み、本操作入力装置では、ハンドル16の位置ブレを抑制するための工夫がなされている。具体的に言えば、第1支持部18,第2支持部20の各々において、締結ボルト36,96による締結力をかなり大きくしている。詳しく言えば、第1支持部18では、上蓋部材38と下蓋部材40とによる挟持力を高めることによって、円錐ころ軸受42,44に対して軸方向に大きな予圧(予荷重)をかけ、また、第2支持部では、上蓋部材98,下蓋部材100とによる挟持力を高めることによって、円錐ころ軸受102,104に対して軸方向に大きな予圧をかけ、それら円錐ころ軸受42,44,102,104においてある程度の摩擦力が発生するようにされているのである。この摩擦力に依拠して、ハンドル16にある程度の大きさの外力が加わった場合でも、第1アーム12,第2アーム14の回動が防止されるのである。ちなみに、予圧に依拠する摩擦力による位置保持特性は、模式的には、図10(b)のグラフで示す特性となる。このグラフから解るように、上記予圧に依拠する摩擦力を利用すれば、ある程度の大きさの外力までは、摩擦力によって、第1アーム12,第2アーム14の回動が効果的に防止されることになる。
上記2つの位置保持特性を総合したものが、本操作入力装置が有する位置保持特性であり、その特性は、図10(c)に示すようなものとなる。ハーモニックギヤ機構84,138による位置保持特性、予圧による摩擦力に依拠する位置保持特性の両方の長所が享受されたことで、本操作入力装置では、通常のステアリング操作においてはハンドル16の位置ブレが効果的に抑制され、通常のステアリング操作の場合よりも大きな外力が作用した場合にも、ハンドル16の位置を適切に保持できることとなる。
本操作入力装置には、ハンドル16の操作に対する抵抗力、つまり、ステアリング操作に対する反力を付与するための操作反力付与装置を備えている。車体の一部には、駆動モータ190とは別の電動モータである反力モータ210が固定されて設けられており、その反力モータ210を動力源として、それの力によって操作反力が発生させられる。この反力モータ210の出力軸には、回転力出力部として機能するスプロケット212が固定されており、そのスプロケット212と、第1回転体として第1支持部18に設けられたスプロケットAssy50が有する下端部側のスプロケット58とには、サポート10の開口194を通って、巻掛伝達部材であるチェーン214が巻き掛けられている。また、図11に示すように、スプロケットAssy50の上端部側のスプロケット56と、第2回転体として第2支持部20に設けられたスプロケット・プーリAssy106が下端部側において有するスプロケット114とには、第1アーム12の支持筒34に設けられた開口185を通って、巻掛伝達部材(第1巻掛伝達部材)であるチェーン216が巻き掛けられている。さらに、スプロケット・プーリAssy106が上端部側において有するプーリ112には、巻掛伝達部材(第2巻掛伝達部材)であるワイヤケーブル218が巻き掛けらている。そのワイヤケーブル218は、平行に並ぶ2つの直線部が、第2アーム14の被支持筒92に設けられた開口220を通って、第2支持部20から端部閉塞板94に向かって延び出し、それぞれが、2つの曲折ローラ222の各々によって曲げられ、左右方向に交差しつつ、アーム本体90に設けられた開口224を通って下方に臨み出て、ハンドル軸154に固定された前述の非円形プーリ160に巻き掛けられている。
ハンドル16を操作した場合には、例えば、右旋回操作した場合には、非円形プーリ160は回転させられ、図12(a)に示す状態から図12(b)に示す状態に移行する。その場合、非円形プーリ160に巻き掛けられているワイヤケーブル218は、非円形プーリ160から離れて折曲ローラ222に向かう2つの部分のうちの一方の部分が、非円形プーリ160に向かって巻き取られ、他方の部分が、非円形プーリ160から巻き解かれるように、周回する。操作反力付与装置は、上記のような構造をなしているため、ワイヤケーブル218の上記周回動作は、反力モータ210に設けられたスプロケット212の回転として伝達される。反力モータ210が回転力を発揮して、このスプロケット212の回転に対する抵抗力を付与することによって、その抵抗力はワイヤケーブル218の周回動作に対する抵抗力として伝達され、その結果として、ハンドル16の操作に対する抵抗力、つまり、操作反力が付与されるのである。本操作入力装置を含んで構成されるステアリングシステムでは、反力モータ210の回転力は、ハンドル軸154の回転角,車速等に基づいて制御され、車輪転舵角,車両の走行状態等に応じた適切な操作反力が付与されるようにされている。
なお、この操作反力付与装置に関しても、特別な工夫がなされている。一般に、ワイヤケーブル218をプーリに巻き掛けてハンドル16に回転力を伝達する場合、図13に示すように、円形プーリ230を用い、ワイヤケーブル218を交差させずに巻き掛ける。。この場合、ハンドル軸154の下方にも、円形プーリ230の部分が大きく存在し、円形プーリ230は、端部閉塞板94の下方へ大きく突出することになる。本操作入力装置は、ステアバイワイヤ型のシステムを構成するものであることから、ハンドル16の操作角は、左右の旋回操作の各々に対して約30゜程度とされており、そのことに鑑みて、図12(a)に示すように、ワイヤケーブル218を交差させている。このようにワイヤケーブル218を交差させれば、ワイヤケーブル218のプーリへ巻き取られ,プーリから巻き解かれる点Qは、図13に示す場合に比較して、上方に位置させることが可能となり、さらに、左右30゜ずつの回転に対して、点Qの位置が変化しない範囲、つまり、プーリに巻かれているワイヤケーブル218の長さが変化しない範囲において、プーリの下方に存在する部分は不要であると考えることができる。この考えの下、本操作反力付与装置においては、円形プーリ230の下方に存在する部分を大きく削ぎ落とした形状をなす非円形プーリ160を採用しているのである。この非円形プーリ160の採用によって、第2アーム14のハンドル16を支持する部分のコンパクト化を実現しているのである。
さらに、ワイヤケーブル218のアーム本体90の内部に位置する2つの直線部には、ハンドル16の回転位置を中立回転位置(車両直進状態の回転操作位置)に維持させるための中立位置維持機構が設けられている。具体的に言えば、アーム本体90の内部には、バックアップ部材240と、そのバックアップ部材240に一端部が支持された1対の圧縮コイルスプリング242が配設されており、ワイヤケーブル218の2つの直線部の各々は、コイルスプリング242およびバックアップ部材240に穿設された孔を貫通するように配置され、さらに、ワイヤケーブル218の2つの直線部の各々には、コイルスプリング242に圧縮反力を発揮させるように係合する係合片244が固着されている。つまり、ワイヤケーブル218の2つの直線部の各々は、コイルスプリング242によって、第2支持部20側に向かう力を受けた状態で弾性支持されており、それぞれの直線部が受けている力は、ハンドル16が中立回転位置に位置する場合に等しくなるようにされている。このような構造により、ハンドル16が中立回転位置から回転した場合には、2つの直線部の受けている力のバランスが崩れることになり、ハンドル16は、上記力の不均衡をなくす方向、つまり、中立回転位置に向かう方向に回転させられることになる。本中立位置維持機構では、このような作用によって、ハンドル16の回転位置は、中立回転位置に維持させられる。この機能により、例えば、運転者がハンドル16を中立回転位置から回転操作し、その状態でハンドル16から手を離したような場合であっても、ハンドル16は中立回転位置に復帰させられることになる。
本操作入力装置は、以上のような構成を有する装置であり、先に説明したように、延直状態において、サポート10が車両前方側に、ハンドル16が車両後方側に位置し、第1アーム12,第2アーム14が車両前後方向に延びるような姿勢で、車両に配設される。左右に並ぶ2つの座席を有し、それらの1つが、運転席、他の1つが助手席とされるような車の場合、サポート10は、車幅方向において2つの座席の中央の位置に固定される。そして右側が運転席とされる場合においては、図14に示すように、第1アーム12が右方に向かって設定角度だけ傾く状態とされる。運転者の体格、座席250の前後位置等に応じてハンドル16の位置を調整する場合には、インパネに設けられている調整スイッチを操作することによって、第1アーム12,第2アーム14を回転させて、ハンドル16を運転者の所望する量だけ前後方向に移動させることができる。また、運転者が車両から下りる場合には、例えば、イグニッションキーが抜かれたことをトリガとして、図におけるP1の状態となるように第1アーム12,第2アーム14が回動させられ、ハンドル16が車両前方に大きく退避させられる。逆に、運転車が車両に乗り込んだ場合には、例えば、イグニッションキーが挿し込まれたことをトリガとして、ハンドル16が、退避させられる前の位置にまで復帰させられる。助手席で車両の運転操作をする場合、つまり、助手席を運転席とする場合には、所定の変更スイッチを操作することにより、第1アーム12が左方に向かって設定角度だけ傾く状態となるように、第1アーム12,第2アーム14が回動させられる。
なお、本操作入力装置では、駆動モータ190の駆動力によって第1アーム12,第2アーム14が回動させられるが、手動でハンドル位置を変更するような構成とすることもできる。例えば、駆動モータ190に付設されたブレーキ200に代え、第2支持部20において前述の第3要素回転禁止機構を設け、その機構による回転の禁止および禁止の解除を行う操作部材を第2アーム14に設け、その操作部材を操作して回転の禁止を解除する状態とした上で、手動で、つまり人力で、第1アーム12,第2アーム14を回動させてハンドル16の位置を変更するような構造とすることも可能である。
本操作入力装置では、先に説明したように、駆動モータのブレーキ200によって第1アーム12,第2アーム14の回動が禁止される構造となっているため、通常は、ハンドル16は前方に移動しないようになっている。ところが、走行中において車両が衝突した場合、その衝突に起因して、運転者が車両前方に移動し、ハンドル16に二次衝突することが考えられる。このことに考慮して、本操作入力装置では、ハンドル16に加わる衝撃が設定された大きさを超えた場合には、第1支持部18に設けられたトレランスリング74の作用により、第1アーム12,第2アーム14の回動が許容されるようになっている。図4に示すように、トレランスリング74は、スプロケットAssy52の軸筒60とスプロケット64との間に介在させられており、摩擦力によってそれら軸筒60とスプロケット64との相対回転を禁止している。設定された大きさを超える衝撃がハンドル16に加わった場合は、その衝撃に起因して第1アーム12,第2アーム14を回動させようとする大きな外力が作用する。その外力は、軸筒60とスプロケット64とを回転させようとする力となり、その力がトレランスリング74による摩擦力に打ち勝ち、軸筒60とスプロケット64とが相対回転し、第1アーム12,第2アーム14が回動して、ハンドル16が車両前方側に移動するのである。つまり、本操作入力装置では、トレランスリング74を介在させてスプロケット64を軸筒60に支持させる構造によって、第3要素回転許容機構が構成されているのである。ちなみに、その状態での第1アーム12,第2アーム14の回動は、トレランスリング74の摩擦力に起因する抵抗力を受けた状態での回動であり、その抵抗力は衝撃吸収荷重として働くため、二次衝突の衝撃によるハンドル16の前方への移動の際には、その荷重を利用した効果的な衝撃吸収が行われる。つまり、本操作入力装置は、衝撃吸収機構をも備えるものとされているのである。
なお、トレランスリング74を採用する構成に代え、第1支持部18と第2支持部20との少なくとも一方において、フレキシブルギヤ80,132とリングギヤ46,134との間でラチェッティング(いわゆる歯跳びである)を生じるような構造とすることで第3要素回転許容機構を構成し、第1アーム12,第2アーム14の回動を許容し、その回動に対する抵抗力を発生させることも可能である。
以上、請求可能発明の一実施例となるステアリング操作入力装置について説明したが、請求可能発明に係る操作入力装置は、上記操作入力装置に限定されるのもではない。例えば、図15に変形例として示す操作入力装置のように、ハンドル260を、それの軸線が第2アーム262の軸線に対して直交するような姿勢で第2アーム262に取り付け、延直状態においてサポート264が車体の一部に固定された場合に、第1アーム266,第2アーム262の軸線が車幅方向に延びるような状態となるような態様とすることも可能である。この態様の装置においても、ハンドル260の位置調整,ハンドル260の退避等の動作を、先の操作入力装置と同様に行わせることが可能である。なお、先の実施例および上記変形例の操作入力装置は、いずれも、ハンドル16,260の位置が水平面内において変更可能に配設されているが、水平面と交差する平面内においてハンドルの位置を変更可能とすることもできる。例えば、第1アームおよび第2アームが水平面と平行な軸線まわりに回動可能なようにサポートが固定されることで、ハンドルの位置を上下方向に変更可能な操作入力装置が実現する。
請求可能発明のステアリング操作入力装置の全体斜視図である。 図1のステアリング操作入力装置を模式的に示す正面断面図である。 図1のステアリング操作入力装置を模式的に示す平面図である。 図2における第1支持部を拡大して示す図である。 図2における第2支持部を拡大して示す図である。 図2におけるステアリング操作部材およびそれに近い部分を示す図である。 図6におけるA−A視を示す図である。 回転伝達機構を構成するチェーンの配設状態を示す模式図である。 ステアリング操作入力装置の第1アームおよび第2アームの動作示す図である。 第1支持部,第2支持部における第1アーム,第2アームの回動位置の保持特性を模式的に示すグラフである。 図1のステアリング操作入力装置が備える操作反力付与装置を構成するチェーンおよびワイヤケーブルの配置状態を示す模式図である。 操作反力付与装置を構成する非円形プーリおよびワイヤケーブルの動作を示す図である。 従来の考え方に沿ったプーリおよびワイヤケーブルの構成を示す図である。 図1のステアリング操作入力装置が車両に配設された状態を模式的に示す図である。 図1のステアリング操作入力装置の変形例を概念的に示す図である。
符号の説明
10:サポート 12:第1アーム 14:第2アーム 16:ハンドル(ステアリング操作部材) 18:第1支持部 20:第2支持部 46:リングギヤ(第2要素) 50:スプロケットAssy(第1回転体) 52:スプロケットAssy(回転体) 74:トレランスリング(第3要素回転許容機構) 80:フレキシブルギヤ(第1要素) 82:ウェーブジェネレータ(第3要素) 84:ハーモニックギヤ機構(第1差動機構) 106:スプロケット・プーリAssy(第2回転体) 108:スプロケットAssy(回転体) 132:フレキシブルギヤ(第2要素) 134:リングギヤ(第1要素) 136:ウェーブジェネレータ(第3要素) 138:ハーモニックギヤ機構(第2差動機構) 160:非円形プーリ(回転力入力部) 170:スプロケットAssy 184:チェーン(巻掛伝達部材) 186:チェーン(巻掛伝達部材) 188:回転伝達機構 190:駆動モータ(駆動源) 192:スプロケット(回転出力部) 196:チェーン(巻掛伝達部材) 198:回転駆動装置 200:ブレーキ(第3要素回転禁止装置) 210:反力モータ(動力源) 212:スプロケット(回転力出力部) 216:チェーン(第1巻掛伝達部材) 218:ワイヤケーブル(第2巻掛伝達部材)

Claims (11)

  1. 車体の一部に固定されるサポートと、
    一端部が前記サポートに回動可能に支持された第1アームと、
    一端部が前記第1アームの他端部に回動可能に支持された第2アームと、
    その第2アームの他端部に操作可能に保持されたステアリング操作部材と、
    前記サポートと前記第1アームの一端部とにそれぞれ固定的に設けられてそのサポートに対するその第1アームの回動に伴って相対回転する第1要素および第2要素と、それら第1要素および第2要素と係合する第3要素とを有し、その第3要素の回転量に応じた相対回転量のそれら第1要素と第2要素との相対回転を実現させる第1差動機構と、
    前記第1アームの他端部と前記第2アームの一端部とにそれぞれ固定的に設けられてその第1アームの他端部に対するその第2アームの回動に伴って相対回転する第1要素および第2要素と、それら第1要素および第2要素と係合する第3要素とを有し、その第3要素の回転量に応じた相対回転量のそれら第1要素と第2要素との相対回転を実現させる第2差動機構を備え、
    前記第1差動機構の第3要素と前記第2差動機構の第3要素との一方の回転をそれらの他方に伝達する回転伝達機構と
    を備えたステアリング操作入力装置。
  2. 前記第1アームの前記サポートに対する回動の軸線と前記第2アームの前記第1アームの他端部に対する回動の軸線とが互いに平行となる状態で、前記第1アームが前記サポートに、前記第2アームが前記第1アームの他端部に、それぞれ支持され、かつ、前記第1アームの前記サポートに対する回動の軸線および前記第2アームの前記第1アームの他端部に対する回動の軸線が概ね鉛直となる状態で、前記サポートが車体の一部に固定される請求項1に記載のステアリング操作入力装置。
  3. 前記第1アームと前記第2アームとが1つの直線に対して平行となる状態においてそれら第1アームと第2アームとが概ね車両の前後方向に延びる姿勢となるように、前記サポートが車体の一部に固定される請求項2に記載のステアリング操作入力装置。
  4. 前記第1差動機構,前記第2差動機構および前記回転伝達機構が、前記第1アームの前記サポートに対する回動と前記第2アームの前記第1アームの他端部に対する回動とが互いに逆方向となり、かつ、それら回動の回動量が互いに等しくなるように構成された請求項2ないし請求項3のいずれかに記載のステアリング操作入力装置。
  5. 前記第1差動機構および前記第2差動機構の各々が、ハーモニックギヤ機構である請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のステアリング操作入力装置。
  6. 当該ステアリング操作入力装置が、動力源を有してその動力源が発生させる力によって前記ステアリング操作部材の操作に対する操作反力を付与する操作反力付与装置を備え、 前記動力源が、車体の一部に対して固定的に設けられるとともに、回転力を出力する回転力出力部を有し、
    当該ステアリング操作入力装置が、
    前記第2アームの他端部に設けられ、前記ステアリング操作部材と連結されてそれの操作に伴って回転するとともにその操作の抵抗となる回転力が入力される回転力入力部を備え、
    前記操作反力付与装置が、さらに、当該ステアリング操作入力装置の一部分であって前記第1アームの前記サポートへの支持構造を有する第1支持部において回転可能に支持された第1回転体と、当該ステアリング操作入力装置の一部分であって前記第2アームの前記第1アームの他端部への支持構造を有する第2支持部において回転可能に支持された第2回転体とを有し、前記動力源の回転力出力部と前記第1回転体とが連結され、前記第1回転体と前記第2回転体とが可撓性を有する第1巻掛伝達部材を介して連結され、かつ、前記第2回転体と前記回転力入力部とが可撓性を有する第2巻掛伝達部材を介して連結された構造をなす請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のステアリング操作入力装置。
  7. 前記第1回転体が、それの回転軸線と前記第1アームの前記サポートに対する回動の軸線とが同軸的となるように支持され、前記第2回転体が、それの回転軸線と前記第2アームの前記第1アームの他端部に対する回動の軸線とが同軸的となるように支持され、
    前記第1差動機構および前記第2差動機構が、それぞれ、(a)前記第1要素と前記第2要素との一方として機能し、内周部に歯が形成されたリングギヤと、(b)それら第1要素と第2要素との他方として機能し、外周部にそのリングギヤと異なる歯数の歯を有してそれと噛合する概してカップ型のフレキシブルギヤと、(c)前記第3要素として機能し、そのフレキシブルギヤに嵌められた楕円カムを有して回転するウェーブジェネレータとを含んで構成されたハーモニックギヤ機構であり、
    さらに、前記第1差動機構が、それの軸線と前記第1アームの前記サポートに対する回動の軸線とが同軸的となるように配設され、前記第2差動機構が、それの軸線と前記第2アームの前記第1アームの他端部に対する回動の軸線とが同軸的となるように配設されるとともに、
    前記第1回転体が前記第1差動機構を構成する前記フレキシブルギヤおよび前記ウェーブジェネレータを貫通して配設され、かつ、それらを挟んだ一方の部分において前記動力源の前記回転力出力部と連結されるとともに、他方の部分において前記第1巻掛伝達部材を介して前記第2回転体と連結され、
    前記第2回転体が前記第2差動機構を構成する前記フレキシブルギヤおよび前記ウェーブジェネレータを貫通して配設され、かつ、それらを挟んだ一方の部分において前記第1巻掛伝達部材を介して前記第1回転体と連結されるとともに、他方の部分において前記第2巻掛伝達部材を介して前記回転力入力部と連結された請求項6に記載のステアリング操作入力装置。
  8. 当該ステアリング操作入力装置が、前記第1差動機構の第3要素と前記第2差動機構の第3要素との少なくとも一方と係合してその少なくとも一方の回転を禁止する第3要素回転禁止装置を備えた請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のステアリング操作入力装置。
  9. 当該ステアリング操作入力装置が、
    前記第3要素回転禁止装置によって前記第1差動機構の第3要素と第2差動機構の第3要素との少なくとも一方の回転が禁止されている状態において、
    前記第2アームにそれを回動させる外力であって設定された大きさを超える力が作用した場合に、前記第1差動機構の第3要素と前記第2差動機構の第3要素とのうちの回転が禁止されているものの回転を、その回転に対する抵抗力を付与しつつ許容する第3要素回転許容機構を備えた請求項8に記載のステアリング操作入力装置。
  10. 当該ステアリング操作入力装置が、駆動源を有して前記第1差動機構の第3要素と前記第2差動機構の第3要素との一方を回転駆動する回転駆動装置を備えた請求項1ないし請求項9のいずれかに記載のステアリング操作入力装置。
  11. 前記回転駆動装置が前記第1差動機構の第3要素を駆動するものであり、前記回転駆動装置の前記駆動源が車体の一部に対して固定的に設けられる請求項10に記載のステアリング操作入力装置。
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