JP2008120229A - ステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 一つの電動モータによりチルト機構およびテレスコピック機構の双方を個々に駆動でき、且つチルト機構とテレスコピック機構との切り替えを電磁クラッチなどの高価な部品を用いずに簡単な構成で切り替えることのできるステアリング装置を提供すること。
【解決手段】 操作つまみ72を中立位置からテレスコピック作動状態である第3傾倒位置または第4傾倒位置に配置状態変化したときに、スイッチ70の第2操作アーム71bが変位する。この変位により、操作力がケーブル80を介してクラッチレバー142に伝達される。これによりクラッチレバー142が作動してクラッチ部材140をテレスコピック伝達位置に変位させ、クラッチ部材140とテレスコスクリュー144とが接続される。
【選択図】 図4

Description

本発明は、ステアリング装置に係り、特に、電動モータにより作動してステアリングホイールの車両前後方向位置を調整するテレスコピック機構および車両上下方向位置を調整するチルト機構を備えたステアリング装置に関する。
ステアリング装置はステアリングホイールの操舵量(回動量)に基づき転舵輪を転舵操作するための装置である。ステアリング装置は、ステアリングホイールと転舵輪とをステアリングシャフト、インターミディエイトシャフト、ピニオンギヤ、ラックバーなどを介して機械的に連結し、ステアリングホイールの操舵量が上記機械的連結によって転舵輪に伝達されて転舵輪を転舵するものが一般的である。また、近年、ステアリングホイールと転舵輪とが原則的には機械的に離間していて、ステアリングホイールの操舵量をセンサなどにより電気的に検出して、この検出値に基づき転舵輪を電気モータなどによって転舵する方式、いわゆるステアバイワイヤ方式のステアリング装置も開発されている。
このようなステアリング装置には、ステアリングホイールの車両上下方向位置を調整するためのチルト機構や、ステアリングホイールの車両前後方向位置を調整するためのテレスコピック機構が設けられることもある。さらに、上記チルト機構やテレスコピック機構を電動モータなどの電動アクチュエータで作動させる電動チルト・テレスコピック機構が設けられることもある。
特許文献1には、チルト機構を作動させるチルト用モータおよびテレスコピック機構を作動させるテレスコピック用モータを設け、両モータを個々に制御することにより、チルト機構およびテレスコピック機構をそれぞれ作動させるステアリング装置が記載されている。また、特許文献2には、電動パワーステアリング装置に用いられている電動モータを利用してチルト機構およびテレスコピック機構を作動させるステアリング装置が記載されている。特許文献2に記載のステアリング装置は、電磁クラッチによって電動モータの出力先を切り替えることにより、一つの電動モータによりチルト機構とテレスコピック機構とを個別に作動させる構造を採用している。特許文献3に記載のステアリング装置にも、電磁クラッチを用いることにより一つの電動モータでチルト機構およびテレスコピック機構を個別に作動し得るステアリング装置が記載されている。
特開2005−319826号公報 特開2001−199350号公報 特開2005−247020号公報
特許文献1に記載のステアリング装置は、チルト機構およびテレスコピック機構を作動させるために別々のモータを使用しているため、コストアップを招くという問題がある。これに対し、特許文献2および3に記載のステアリング装置は一つの電動モータでチルト機構およびテレスコピック機構を個々に制御し得る構成であるので、モータの数が原因でコストアップを招くことはない。しかし、電動モータの回転トルクの出力先を電磁クラッチにより切り替えているので、高価な電磁クラッチを用いることによるコストアップを招くとともに、電磁クラッチの作動を制御するための制御回路も必要であり、構造が複雑になるという問題が発生する。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、電動チルト・テレスコピック機構を設けたステアリング装置において、一つの電動モータによりチルト機構およびテレスコピック機構の双方を個々に駆動でき、且つチルト機構とテレスコピック機構との切り替えを電磁クラッチなどの高価な部品を用いずに簡単な構成で切り替えることのできるステアリング装置を提供することを技術的課題とする。
上記課題を達成するために、本発明の特徴は、電動モータから出力される回転トルクにより作動してステアリングホイールの車両上下方向位置を調整するチルト機構と、前記電動モータから出力される回転トルクにより作動して前記ステアリングホイールの車両前後方向位置を調整するテレスコピック機構と、前記電動モータから出力される回転トルクを前記チルト機構に伝達可能な位置であるチルト伝達位置と前記テレスコピック機構に伝達可能な位置であるテレスコピック伝達位置とに変位可能なクラッチ部材と、を備えるステアリング装置において、操作者により操作され、中立状態、チルト作動状態およびテレスコピック作動状態のいずれの配置状態をも採り得る操作つまみと、前記操作つまみの配置状態が前記中立状態から前記チルト作動状態に配置状態変化したとき、および、前記中立状態から前記テレスコピック作動状態に配置状態変化したときに前記電動モータを非通電状態から通電状態に切り替える第1操作指とを備えるスイッチと、前記操作つまみの配置状態を前記中立状態から前記チルト作動状態へと配置状態変化させるときに操作者が加える操作力または前記操作つまみの配置状態を前記中立状態から前記テレスコピック作動状態へと配置状態変化させるときに操作者が加える操作力の少なくとも一方の操作力を前記クラッチ部材に伝達して前記クラッチ部材を前記チルト伝達位置または前記テレスコピック伝達位置に変位させる操作力伝達手段と、を備えるステアリング装置とすることにある。
上記発明によれば、操作者の操作によって、操作つまみが中立状態からチルト作動状態へ、あるいは中立状態からテレスコピック作動状態に配置状態変化したときに、第1操作指が電動モータを非通電状態から通電状態に切り替える。また、上記の配置状態変化のすくなくとも一方の配置状態変化時に、操作者が操作つまみに加える操作力が操作力伝達手段によってクラッチ部材に伝達され、クラッチ部材はチルト伝達位置あるいはテレスコピック伝達位置に変位する。このため通電された電動モータが駆動して回転トルクを発生するとともに、この回転トルクがクラッチ部材を介してチルト機構またはテレスコピック機構に伝達され、チルト作動またはテレスコピック作動が行われる。このように、本発明は、操作者がスイッチ操作を行うときに加える操作力を利用してクラッチ部材を変位させるものであるので、クラッチ部材の作動に電磁クラッチなどの高価な部品を使用せず、安価な構成でチルト機構への駆動力伝達とテレスコピック機構への駆動力伝達を切り替えることができる。
上記発明において、操作つまみの「配置状態」とは、操作つまみの全体あるいは一部が空間内においてどのように配置しているかを示す状態であり、「位置」および「姿勢」などを含む概念である。また、「配置状態変化」とは配置状態の変化をいい、配置状態が「位置」であれば配置状態変化は「変位」であり、配置状態が「姿勢」であれば配置状態変化は「姿勢変化」である。操作つまみの「回動」、「傾倒」も、上記「変位」に含まれるものとする。また、操作つまみが球体のようなものであって回転操作するものにおいては操作によって全体の位置と姿勢が変化しない場合もあるが、所定の定点は回転により変位するので、この場合においても本発明の配置状態変化に含められる。
また、上記発明において、操作力伝達手段は、操作つまみの配置状態を中立状態からチルト作動状態へ配置状態変化するときに操作者が加える操作力または中立状態からテレスコピック作動状態へ配置状態変化するときに操作者が加える操作力の双方の操作力を受けて変位するものであってもよいが、少なくとも一方の操作力を受けて変位するものであればよい。例えば後述する第1実施形態のように、操作つまみが中立状態であるときにクラッチ部材がチルト機構側に接続されている場合には、チルト作動時にクラッチ部材を変位させる必要がないので操作力伝達手段も変位する必要がない。この場合はテレスコピック作動時のみに操作力伝達手段が操作力を受けて変位して、クラッチ部材を変位させればよい。逆に、操作つまみが中立状態であるときにクラッチ部材がテレスコピック機構側に接続されている場合は、チルト作動時のみに操作力伝達手段が操作力を受けて変位して、クラッチ部材を変位させるようにすればよい。
また、後述する第2実施形態のように、操作つまみが中立位置であるときにクラッチ部材がチルト機構側にもテレスコピック機構側にも接続されていないような場合には、操作力伝達手段は、操作つまみが中立状態からチルト作動状態に配置状態変化するときの操作力(第1操作力)および中立状態からテレスコピック作動状態に配置状態変化するときの操作力(第2操作力)の双方を受けて変位するように構成するとよい。この場合、第1操作力を受けて変位する方向と第2操作力を受けて変位する方向とは異なっているのが好ましく、第1操作力を受けてクラッチ部材が変位する方向は第2操作力を受けてクラッチ部材が変位する方向と反対方向であるのがより好ましい。
また、上記発明において、前記スイッチは、前記操作つまみを前記中立状態から前記チルト作動状態へ配置状態変化させるときに操作者から加えられる操作力、および、前記操作つまみを前記中立状態から前記チルト作動状態へ配置状態変化させるときに操作者から加えられる操作力、の少なくとも一方の操作力により変位する変位部を有する第2操作指を備え、前記操作力伝達手段は前記第2操作指と前記クラッチ部材とを連結する連結部材であるとよい。これによれば、操作者の操作によって操作つまみが中立状態からチルト作動状態に、あるいは中立状態からテレスコピック作動状態に配置状態変化したときに、操作者の操作力を受けて第2操作指が変位する。この第2操作指の変位は連結部材を介してクラッチ部材に伝達されてクラッチ部材が変位し、所望の伝達経路を構成する。このように操作つまみの操作に連動して変位する第2操作指を設け、この第2操作指の変位を操作力伝達手段としての連結部材を介してクラッチ部材に伝達することにより、操作者の操作力をクラッチ部材に伝達する機械的伝達経路を構成することができる。
また、前記チルト作動状態は第1のチルト作動状態および第2のチルト作動状態を含み、前記テレスコピック作動状態は第1のテレスコピック作動状態および第2のテレスコピック作動状態を含み、前記第1操作指は、前記操作つまみが前記中立状態から前記第1のチルト作動状態へ配置状態変化したときまたは前記中立状態から前記第1のテレスコピック作動状態へ配置状態変化したときに、前記電動モータを非通電状態から順回転するような通電状態に切り替え、前記操作つまみが前記中立状態から前記第2のチルト作動状態へ配置状態変化したときまたは前記中立状態から前記第2のテレスコピック作動状態へ配置状態変化したときに、前記電動モータを非通電状態から逆回転するような通電状態に切り替えることようにするとよい。
これによれば、操作者がスイッチの操作つまみを中立状態から第1のチルト作動状態に操作すると、電動モータが順回転するとともにこの回転トルクがチルト機構に伝達され、ステアリングホイールが例えば中立位置から車両上方向に傾動してチルト作動する。一方、操作者がスイッチの操作つまみを中立状態から第2のチルト作動状態に操作すると、電動モータが逆回転するとともにこの回転トルクがチルト機構に伝達され、ステアリングホイールが例えば中立位置から車両下方向に傾動してチルト作動する。このように操作つまみを第1のチルト作動状態と第2のチルト作動状態との2つの配置状態を採り得るように構成することにより、操作者は操作つまみの配置状態の選択によりチルト方向を選択することができる。
また、操作者がスイッチの操作つまみを中立状態から第1のテレスコピック作動状態に操作すると、電動モータが順回転するとともにこの回転トルクがテレスコピック機構に伝達され、ステアリングホイールが例えば中立位置から車両後方向に移動してテレスコピック作動する。一方、操作者がスイッチの操作つまみを中立状態から第2のテレスコピック位置に操作すると、電動モータが逆回転するとともにこの回転トルクがテレスコピック機構に伝達され、ステアリングホイールが例えば中立位置から車両前方向に移動してテレスコピック作動する。このように操作つまみを第1のテレスコピック作動状態と第2のテレスコピック作動状態との2つの配置状態を採り得るように構成することにより、操作者は操作つまみの配置状態の選択によりテレスコピック方向を選択することができる。
この場合、前記第1のチルト作動状態、前記第2のチルト作動状態、前記第1のテレスコピック作動状態、および前記第2のテレスコピック作動状態は、前記操作つまみが前記中立状態から直交する四方に変位した配置状態とするのがよい。例えば、スイッチの操作つまみがコラムカバーから垂直に車両内装空間に突き出ているときの配置状態を中立状態とし、その中立状態から所定の方向に操作つまみが変位した状態を第1チルト作動状態とし、上記中立状態に対して上記第1チルト状態と対称となるように変位した状態を第2チルト作動状態とする。さらに上記第1チルト作動状態と第2チルト作動状態に直交する一方向に操作つまみが変位した状態を第1テレスコピック作動状態とし、上記中立状態に対して上記第1テレスコピック作動状態と対称となるように変位した状態を第2テレスコピック作動状態とする。このようにしてそれぞれの状態を中立状態から変位して定めることにより、第1チルト作動状態、第2チルト作動状態、第1テレスコピック作動状態、第2テレスコピック作動状態は中立状態から直交する四方に変位した配置状態となる。このような配置状態であれば、中立状態を基準として異なった四方に操作つまみを操作することにより操作つまみの配置状態を所望の作動状態にすることができ、操作性が向上する。
また、前記操作力伝達手段による前記クラッチ部材の変位は、前記第1操作指による前記電動モータの非通電状態から通電状態への切り替え動作よりも先に行われるのがよい。このようにすることにより、電動モータに通電されて電動モータから回転トルクが発生するときには確実にクラッチ部材を介して電動モータがチルト機構またはテレスコピック機構に接続されているので、確実に電動モータの回転トルクをチルト機構またはテレスコピック機構に伝達することができる。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係り、電動チルト機構および電動テレスコピック機構を有するステアリング装置1の側面図である。図2はステアリング装置1の底面図である。
図1および図2に示すように、本実施形態のステアリング装置1は、筒状のコラムチューブ110と、このコラムチューブ110の内周側に配置されたステアリングシャフト120を備えている。図に示すようにコラムチューブ110の両端からはステアリングシャフト120の端部が突出しており、図示右方に突出したステアリングシャフト120の端部はステアリングホイール(図示省略)に同軸的に連結されている。一方、図示左方に突出したステアリングシャフト120の端部はユニバーサルジョイントなどの継手によりインターミディエイトシャフト(図示省略)に連結される。インターミディエイトシャフトはさらにピニオンギヤ(図示省略)を介して転舵輪の転舵軸であるラックバー(図示省略)に連結されている。したがって、ドライバーがステアリングホイールを回動操作するとステアリングシャフト120が回転し、この回転がインターミディエイトシャフトに伝達される。そして、ピニオンギヤによってインターミディエイトシャフトの回転駆動がラックバーの軸方向駆動に変換されて、転舵輪の転舵に供される。なお、インターミディエイトシャフトよりも車輪寄りの構成については省略する。
コラムチューブ110は、第1チューブ111、第2チューブ112および第3チューブ113の3つに分かれている筒状部材である。第1チューブ111はコラムチューブ110の図において右側に配置しており、両端が開口した筒状の部材である。第1チューブ111の左方寄りには図1において下方に延びた第1腕部111aが形成されている。第1腕部111aは、図2に示すように第1チューブ111の両側面から平行に延びた2本の腕により構成されている。また、第1腕部111aには円形孔が形成されており、この円形孔にはピン111bが外方から取り付けられている。
第2チューブ112も第1チューブ111と同様に両端が開口した筒状の部材である。第2チューブ112の右端側からは軸方向に二股状に延びた連結部112cが形成されており、また第2チューブ112の軸方向中央あたりからは第2腕部112aが図1において下方に延びて形成されている。第2腕部112aは図2に示すように第2チューブ112の両側から平行に延びた2本の腕により構成されている。二股状の連結部112cの各辺には円形孔がそれぞれ同心状に形成されており、これらの円形孔内にはピン112d,112dが回動可能且つ軸方向移動不能に外側から取り付けられている。ピン112d,112dはそれぞれ第1チューブ111の外周壁に固設されている。したがって、第1チューブ111はピン112d,112dを介して両持ち状態で第2チューブ112に取り付けられており、ピン112d,112dを回動中心として第2チューブ112に対して揺動可能とされている。また、図1に示すように第2チューブ112の第2腕部112aには長孔112eが形成されており、この長孔112eにはピン112bが外方から取り付けられている。
第3チューブ113は図1および図2においてコラムチューブ110の左方側に配置しており、両端が開口した筒状の部材である。第3チューブ113の図示右方寄りの部分には第3腕部113aが図1において下方に延びて形成されている。第3腕部113aは図2に示すように第3チューブ113の両側から平行に延びた2本の腕により構成されている。また、第3チューブ113の内径は第2チューブ112の外径よりも僅かに大きくされており、第3チューブ113の図示右方端側から第2チューブ112の図示左方側が挿入されている。図示しないが、第2チューブ112の図示左方側の外周面にはライナーが付設されており、このライナーを介して第2チューブ112は第3チューブ113にがたつきなく挿入されるとともに、ライナーが第3チューブ113の内周壁を摺接することにより第2チューブ112は第3チューブ113内で軸方向移動が可能とされている。この第3チューブ113は、サポートブラケットなどを介して車体側に固定される。
ステアリングシャフト120もコラムチューブ110と同様に3つに分かれており、第1シャフト121、第2シャフト122、第3シャフト123を備えて構成されている。第1シャフト121は主に第1チューブ111内に、第2シャフト122は主に第2チューブ112内に、第3シャフト123は主に第3チューブ113内に挿入されている。
第1シャフト121はロッド状に形成されており、第1チューブ111内に挿入されて、ベアリングなどによって軸回りに相対回転可能且つ軸方向相対移動不能に第1チューブ111に支持されている。また、第1シャフト121の図示右端の部分は第1チューブ111の図示右端開口から突出しており、この突出部分にてステアリングホイールが同軸回転するように固定される。第2シャフト122は筒状に形成されており、第2チューブ112内に挿入されて、ベアリングなどによって軸回りに相対回転可能且つ軸方向相対移動不能に第2チューブ112に支持されている。
第1シャフト121と第2シャフト122は、図示しない自在継手によって連結されている。自在継手は第1チューブ111と第2チューブ112との連結部位あたりに設けられており、自在継手を構成する一方の部分が第1シャフト121に連結され、他方の部分が第2シャフト122に連結されている。この自在継手を中心として、第1シャフト121は第2シャフト122に対して自在方向に揺動可能であり、且つ、第1シャフト121の回転駆動は自在継手を介して第2シャフト122に伝達可能とされている。したがって、第1チューブ111がピン112dを中心として第2チューブ112に対して揺動すると、それにしたがって第1シャフト121も自在継手を中心として第2シャフト122に対して揺動し、これによりチルト作動が行われる。
第3シャフト123は第3チューブ113内に配設されており、ベアリングなどによって軸回りに相対回転可能且つ軸方向相対移動不能に第3チューブ113に支持されている。第3シャフト123はロッド状に形成されており、第2シャフト122に近い側の外周には外周スプラインが軸方向に沿って形成されている。一方、筒状の第2シャフト122の第3シャフト123に近い側の内周には内周スプラインが形成されていて、第3シャフト123に形成された外周スプラインと嵌合している。このスプライン嵌合によって、第2シャフト122の回転駆動力が第3シャフト123に伝達可能とされるとともに、第2シャフト122は第3シャフト123に対して軸方向移動可能とされる。したがって、第2チューブ112が第3チューブ113に対して軸方向移動すると、それにしたがって第2シャフト122も第3シャフト123に対して軸方向移動し、これによりテレスコピック作動が行われる。
第3シャフト123の図示左端は第3チューブ113から突出しており、突出部分にセレーションが形成されていて、この部分に図示しないユニバーサルジョイントが取り付けられる。ユニバーサルジョイントは上述したインターミディエイトシャフトにも連結されており、第3シャフト123の回転駆動をインターミディエイトシャフトに伝達する。
図2によく示すように、第3チューブ113に形成される第3腕部113aを構成する2本の腕の間にはハウジング130が配置している。また、第3腕部113aにはピン113bが外側から取り付けられており、このピン113bがハウジング130の側面に差し込まれ、ハウジング130を回動可能に支持している。また、図2からわかるようにハウジング130の付近には電動モータ10が取り付けられている。この電動モータ10は図示しない電源より電力供給を受けて駆動して出力軸を回転する。出力軸は後述するウォーム軸21に同軸的に連結されている。
図3は、図1におけるハウジング130およびその周辺の詳細を示す部分断面拡大図である。図3に示すように、ハウジング130には、ウォーム減速機20と、連結ロッド25が収納されている。ウォーム減速機20はウォーム軸21、ウォームギヤ22およびウォームホイール23を備える。ウォームギヤ22は電動モータ10の出力軸に同軸的に連結したウォーム軸21の外周に同軸的に取り付けられている。ウォーム軸21は図2に示すようにハウジング130の両側面を貫通しており、その軸方向が第3チューブ113の軸方向と直交するように配置されている。また、ウォームホイール23はウォームギヤ22に噛合している。
ハウジング130の内部空間は、図3において左側から順に減速室131、支持室132、クラッチ室133といった3つの室を形成する。クラッチ室133の図示右側は開口面133aとされている。減速機20は減速室131内に配置されている。また、ウォームホイール23の内周側には連結ロッド25がウォームホイール23と同軸回転可能に連結されている。連結ロッド25は減速室131から支持室132を経てクラッチ室133にまで縦断しており、クラッチ室133の開口面133aから図示右方に突出している。また、連結ロッド25は支持室132にて第1ベアリング134および第2ベアリング135により回転可能かつ軸方向移動不能にハウジング130に支持されていて、第3チューブ113の軸方向と平行な方向に延びている。連結ロッド25の減速室131に配置した部分には第1押さえナット136および第2押さえナット137が取り付けられている。第1押さえナット136はウォームホイール23が連結ロッド25から軸方向にずれることを防止する。第2押さえナット137は連結ロッド25がハウジング130内で軸方向にずれたり、または、がたついたりすることを防止する。
図3に示すように、連結ロッド25は、ハウジング130内のクラッチ室133に配置される部分にて外周スプラインが形成された部位を持ち、この外周スプラインに嵌合するように内周スプラインが形成されたクラッチ部材140がクラッチ室133に配設されている。クラッチ部材140は、上述したように内周スプラインが形成されている円筒状の嵌合部140aと、この嵌合部140aから径方向外方に円形フランジ状に延びて形成されたクラッチ部140bを有し、スプライン嵌合によって同軸回転可能且つ軸方向相対移動可能に連結ロッド25に取り付けられている。クラッチ部140bは表面140cおよびこの表面140cと反対側の裏面を有し、表面140cには摩擦係数の大きい摩擦材が取り付けられ、一方裏面には摩擦係数の小さい摺動部材31が取り付けられている。この摺動部材31には後述するクラッチレバー142のレバー部142aが当接可能とされている。
連結ロッド25の外周スプラインが形成されている部位から前方(図3において右方)は、径が小さくされており、この径が小さくされた部分を取り巻くようにテレスコスクリュー144が同軸的に、且つ連結ロッド25と非接触状態を保って配置している。テレスコスクリュー144は筒状に形成されていて、その左方端側が図に示すようにハウジング130のクラッチ室133内にて第3ベアリング138によりハウジング130に回動可能且つ軸方向移動不能に支持されている。テレスコスクリュー144の図示左方端面はクラッチ部材140の表面140cに対面するように形成されたクラッチ係合面144aを形成している。このクラッチ係合面144aには摩擦係数の大きい摩擦材が取り付けられている。また、クラッチ部材140の表面140cとテレスコスクリュー144のクラッチ係合面144aとの間には板バネ51が設けられており、この板バネ51の弾性力によって、通常はクラッチ部材140の表面140cとクラッチ係合面144aとが離間した状態を維持している。このようにクラッチ部材140とテレスコスクリュー144とが離間した状態におけるクラッチ部材140の位置が、本発明におけるチルト伝達位置である。また、後述するようにクラッチ部材140の表面140cがテレスコスクリュー144のクラッチ係合面144aに当接してクラッチ部材140とテレスコスクリュー144が接続した状態におけるクラッチ部材140の位置が、本発明におけるテレスコピック伝達位置である。
図1および図3からわかるように、テレスコスクリュー144はハウジング130の開口面133a側から突出して、第2チューブ112および第3チューブ113の軸方向と平行な方向に延びている。テレスコスクリュー144に外周を取り巻かれている連結ロッド25もテレスコスクリュー144と同様にハウジング130の開口面133a側から突出している。図1からわかるように、連結ロッド25はテレスコスクリュー144よりも長く形成されており、先端部分はテレスコスクリュー144の先端から突出し、前方(図示右方)にさらに延びている。そして、連結ロッド25の先端部分には、チルトスクリュー146が同軸回転可能に取り付けられている。
テレスコスクリュー144のハウジング130から突出している部分の外周には雄ネジが形成されており、この雄ネジに螺合した雌ネジが形成されたテレスコナット145がテレスコスクリュー144に取り付けられている。テレスコナット145には、第2腕部112aに形成された長孔112eを介して外方から取り付けられたピン112bが両側方から差し込まれており、テレスコナット145はこのピン112bを介して第2腕部112aに両持ちの状態で支持される。なお、テレスコスクリュー144、テレスコナット145およびピン112bが、本発明のテレスコピック機構に相当する。
チルトスクリュー146にも外周に雄ネジが形成されており、この雄ネジに螺合した雌ネジが形成されたチルトナット147がチルトスクリュー146に取り付けられている。チルトナット147には、第1腕部111aに形成された円形孔を介してピン111bが両側面から差し込まれている。したがって、チルトナット147はピン111bを介して第1腕部111aに両持ちの状態で回動可能に支持される。また、本実施形態においては、テレスコスクリュー144に形成される雄ネジのリードとチルトスクリュー146に形成される雄ネジのリードは同一とされており、テレスコナット145に形成される雌ネジのリードとチルトナット147に形成される雌ネジのリードは同一とされている。なお、チルトスクリュー146、チルトナット147およびピン111bが、本発明のチルト機構に相当する。
図4は、図2におけるハウジング130付近の詳細を示す一部破断拡大図である。図2および図4に示すように、ハウジング130には、その一方側面に三角形状の第1リテーナ130aが取り付けられている。この第1リテーナ130aには、紙面に垂直方向に延びたピン139が固定されている。ピン139にはクラッチレバー142が取り付けられている。クラッチレバー142は図4に示すように長尺状に形成されたレバー部142aを有し、レバー部142aの一端には上記ピン139に取り付けられる取り付け部142bが形成され、他端には略半円形状を呈するフック部142cが形成される。また、ハウジング130の両側面には孔130b、130bが同心的に形成されており、クラッチレバー142はこの孔130b、130bを貫通していて、レバー部142aがハウジング130のクラッチ室133内を横断するように配置されている。レバー部142aは、図3に示すようにクラッチ部材140の裏面に取り付けられた摺動部材31に当接した状態でクラッチ室133内に配置される。なお、クラッチレバー142はピン139の上下方向に間隔を隔てた2箇所にて取り付けられており、図3に示すように連結ロッド25を挟んで上下に2箇所の位置で摺動部材31に当接している。また、ハウジング130に形成された孔130b、130bは、クラッチレバー142がピン139を中心に所定の微小角度まで回動可能となるような幅をもって形成されている。
ハウジング130の第1リテーナ130aが取り付けられている側面とは反対側の側面には第2リテーナ130cが取り付けられている。第2リテーナ130cには円孔が連結ロッド25の軸方向に貫通して設けられており、この円孔に剛体状のガイドチューブ161が内挿された状態で固定されている。ガイドチューブ161内には本発明の操作力伝達手段に相当するケーブル80が内挿されている。ケーブル80は、その両端がガイドチューブ161から突出しており、一端がクラッチレバー142のフック部142cに連結されており、他端がスイッチ70に接続されている。上述のようにクラッチレバー142はピン139の上下方向の2箇所の位置に設けられているが、この2箇所の位置に設けられた2つのクラッチレバー142に一本のケーブル80を連結するには、例えばケーブル80の端部を棒状部材に固定し、この棒状部材をそれぞれのクラッチレバー142のフック部142cに係合するように構成すればよい。なお、クラッチ部材140は板バネ51によりテレスコスクリュー144に形成されているクラッチ係合面144aから離間する方向に付勢されているため、この付勢力が摺動部材31を介してクラッチレバー142に作用する。さらにこの付勢力はクラッチレバー142のフック部142cに係合しているケーブル80にも作用してケーブル80が緊張状態を維持し、ケーブルの80の全体に弛みが発生しないようにされている。
スイッチ70は、ドライバーなどの操作者により操作されて、電動モータ10の通電・非通電状態を切り替えるとともに、ステアリングホイールのチルト作動またはテレスコピック作動を起動させるためのものである。図4に示すように、スイッチ70はスイッチアーム71および操作つまみ72を備える。スイッチアーム71は、第1操作アーム71aと、第2操作アーム71bと、球体71cを備える。第1操作アーム71aはロッド状に形成され、一端が操作つまみ72に連結し他端が球体71cに連結している。第2操作アーム71bもロッド状に形成され、一端にはガイドチューブ161の一端161aから突出したケーブル80の端部が接続されており、他端は球体71cに連結している。両アーム71a、71bは、それぞれの軸方向が直交するように球体71cに連結され、図4の紙面方向から見て全体として略L字形状に形成されている。
操作つまみ72は、通常は中立位置に配置しており、ドライバーの操作によって外力が付与されると中立位置から球体71cを中心として円弧軌跡を描いて傾動し、所定の傾倒位置に配置する。操作つまみ72が上記中立位置に配置されているときは、スイッチ70はOFF状態とされ、電動モータ10に電力は供給されず、電動モータ10が非通電状態とされる。上記傾倒位置に配置されているときは、スイッチ70はON状態とされ、電動モータ10に電力が供給されて、電動モータ10が通電状態とされる。
本実施形態の操作つまみ72は、中立位置から直交する四方に傾倒した4つの傾倒位置(第1傾倒位置、第2傾倒位置、第3傾倒位置、第4傾倒位置)に配置可能である。図5はスイッチの拡大図であり、図5(a)は図4に示した方向から見たスイッチの拡大図、図5(b)は図5(a)のA方向矢視図である。中立位置は、図5(a)および図5(b)の実線で示した操作つまみ72の位置である。第1傾倒位置は、図5(b)の二点鎖線Aで示した位置であり、この位置は中立位置から球体71cを中心として図5(b)において右方向(反時計回り方向)に操作つまみ72を傾倒したときの位置(図4および図5(a)から見れば、中立位置から操作つまみ72を紙面から引き上げる方向に傾倒したときの位置)である。第2傾倒位置は、図5(b)の二点鎖線Bで示した位置であり、この位置は中立位置から球体71cを中心として図5(b)において左方向(時計回り方向)に操作つまみ72を傾倒した位置(図4および図5(a)から見れば、中立位置から操作つまみ72を紙面に押し込む方向に傾倒したときの位置)である。
また、第3傾倒位置は、図5(a)の二点鎖線Cで示した位置であり、この位置は中立位置から球体71cを中心として図5(a)において右方向(反時計回り方向)に操作つまみ72を傾倒したときの位置(図5(b)から見れば、中立位置から操作つまみ72を紙面に押し込む方向の傾倒したときの位置)である。第4傾倒位置は、図5(a)の二点鎖線Dで示した位置であり、この位置は中立位置から球体71cを中心として図5(a)において左方向(時計回り方向)に操作つまみ72を傾倒したときの位置(図5(b)から見れば、中立位置から操作つまみ72を引き上げる方向に傾倒したときの位置)である。また、各傾倒位置に操作つまみ72が傾倒配置することにより電動モータ10に通電されるとともに、傾倒位置よって作動の種類(チルト作動かテレスコピック作動か)および作動の方向が決められている。本実施形態では、操作つまみ72を第1傾倒位置に配置したときにはステアリングハンドルが上方向にチルト作動し、第2傾倒位置に配置したときに下方向にチルト作動する。操作つまみ72が第1傾倒位置に傾倒した配置状態が本発明の第1チルト作動状態に相当し、第2傾倒位置に傾倒した配置状態が本発明の第2チルト作動状態に相当し、上記両傾倒位置に傾倒した配置状態が本発明のチルト作動状態に相当する。また、本実施形態では、操作つまみ72を第3傾倒位置に配置したときにステアリングハンドルが車両後方向にテレスコピック作動し、第4傾倒位置に配置したときに車両前方向にテレスコピック作動する。操作つまみ72が第3傾倒位置に傾倒した状態が本発明の第1テレスコピック作動状態に相当し、第4傾倒位置に傾倒した配置状態が本発明の第2テレスコピック作動状態に相当し、上記両傾倒位置に傾倒した配置状態が本発明のテレスコピック作動状態に相当する。
操作つまみ72が中立位置から各傾倒位置まで傾動するときに、操作つまみ72に連結している第1操作アーム71aは球体71cを中心として回動する。この場合、操作つまみ72が中立位置から第1傾倒位置または第2傾倒位置に傾倒するときに第1操作アーム71aが回動する平面は同一平面である。この平面(第1回動平面)は図5(b)における紙面を含む平面であって、第2操作アーム71bに直交し且つ球体71cを通る平面である。したがって、操作つまみ72が中立位置から第1傾倒位置または第2傾倒位置に傾倒された場合に、第1操作アーム71aは第2操作アーム71bの軸回りに回動変位する。一方、第2操作アーム71bはその軸を中心に回転するだけであり、第2操作アーム71bの端部(変位部)は操作つまみ72の上記傾倒によっては変位しない。
また、操作つまみ72が中立位置から第3傾倒位置および第4傾倒位置に傾倒するときに第1操作アーム71aが回動する平面は同一平面である。この平面(第2回動平面)は上記第1回動平面に直交する平面であり、図5(a)における紙面を含む平面、つまり第1操作アーム71aの軸線と第2操作アーム71bの軸線を含む平面である。したがって、操作つまみ72が中立位置から第3傾倒位置または第4傾倒位置に傾倒された場合に、第2操作アーム71bも第1操作アーム71aと同じように球体71cを中心に回動し、第2操作アーム71bの端部(変位部)は操作つまみ72の上記傾動によって変位する。
操作つまみ72を上記の各傾倒位置に配置可能ならしめるためのスイッチ70の支持構造としては種々の構造を採用することができるが、例えば図6に示すような支持構造を採ることができる。図6に示すように、スイッチアーム71の球体71cおよび第2操作アーム71bはコラムチューブ110(図6において図示せず)を覆うコラムカバーCCの内側に配置している。球体71cは第1球面座81により保持されている。さらに第1球面座81は第2球面座82に保持されている。また、第1操作アーム71aは球体71cから延びてコラムカバーCCに形成された孔部を突き抜けており、操作つまみ72は車両の内装空間内に配置される。
第1球面座81は球体71cの曲率に等しい曲率を持つ座面81aが形成されており、この座面81aに球体71cが当接している。また、球体71cの表面には第1操作アーム71aおよび第2操作アーム71bの軸線を含む平面である第2回動平面内に軸を持つ円弧状の突条71eが形成されており、一方、第1球面座81の座面81aには上記円弧状の突条71eを受け入れることが可能な円弧状の溝81bが形成されている。そして、突条71eが溝81b内に嵌まり込む状態で球体71cが第1球面座81に保持される。このような保持形態であるため、球体71cは突条71eが第1球面座81の溝81b内で移動することによって第2回動平面内で回転する。これにより第1操作アーム71aが第2回動平面内で球体71cを中心として回動可能とされ、それ故操作つまみ72が第3傾倒位置および第4傾倒位置に配置可能とされる。
第1球面座81を保持する第2球面座82には、第1球面座81の外周の曲率に等しい曲率を持つ座面82aが形成されている。また、第1球面座81の外周には第2回動平面に直交し且つ球体71cを通る平面である第1回動平面内に軸を持つ円弧状の突条81cが形成されており、第2球面座82の座面82aには上記突条81cを受け入れることが可能な円弧状の溝82bが形成されている。そして、第1球面座81の突条81cが第2球面座82の溝82b内に嵌まり込む状態で、第1球面座81が第2球面座82に保持される。このような保持形態であるため、第1球面座81はその突条81cが第2球面座82の溝82b内で移動することによって第1回動平面内で回転する。これにより第2アーム71bが第1回動平面内で球体71cを中心として回動可能とされ、それ故操作つまみ72が第1傾倒位置および第2傾倒位置に配置可能とされる。このように、球体71cを第1球面座81で保持するとともに第1球面座81を第2球面座82で保持し、それぞれの接触面にて回転方向を直交する2方向(第1回動平面内に沿う方向および第2回動平面内に沿う方向)に規制するガイド部材(上記例の場合は各突条および各溝)を形成することによって、第1操作アーム71aが球体71cを中心に自在方向に回動可能とされている。なお、第2球面座82はコラムチューブ110、例えば第3チューブ113に固定するとよい。
また、図6に示すようにコラムカバーCCの車両内装空間に向いた面にはスイッチカバー73が取り付けられている。このスイッチカバー73の正面図を図7に示す。図7からわかるように、スイッチカバー73には、スイッチアーム71を案内するための4本の溝(第1溝73a、第2溝73b、第3溝73c、第4溝73d)が形成されている。これらの溝は、中心から直交する四方向に向かって十字状に形成されている。そして、スイッチカバー73は、コラムカバーCCに形成された孔部を覆い、4本の溝の中心部分に中立位置に配置した第1操作アーム71aが配置され、且つ第1溝73aおよび第2溝73bが第1回動平面上に、第3溝73cおよび第4溝73dが第2回動平面上に沿って形成されるように位置および向きを決めてコラムカバーCCに取り付けられている。このような構成であるため、操作つまみ72は、第1操作アーム71aが球体71cを中心に第1回動平面内でスイッチカバー73の第1溝73aに沿って回動することにより第1傾倒位置に配置可能とされ、第2溝73bに沿って回動することにより第2傾倒位置に配置可能とされる。また、操作つまみ72は、第1操作アーム71aが球体71cを中心に第2回動平面内でスイッチカバー73の第3溝73cに沿って回動することにより第3傾倒位置に配置可能とされ、第4溝73dに沿って回動することにより第4傾倒位置に配置可能とされる。
図6に示すように、スイッチカバー73の図示下方にはスイッチ接点74が固定されている。図8はスイッチ接点74の固定構造を示した図である。図に示すように、スイッチ接点74は、4つの可動接点(第1可動接点741a、第2可動接点741b、第3可動接点741c、第4可動接点741d)と4つの固定接点(第1固定接点751a、第2固定接点751b、第3固定接点751c、第4固定接点751d)を有する。第1可動接点741aは第2可動接点741bに対面しており、第3可動接点741cは第4可動接点741dに対面しており、これらの可動接点により囲まれた断面長方形形状の空間内に第1操作アーム71aが配置するようにされている。上記断面長方形形状の空間の中央に示された実線の円は、操作つまみ72が中立位置に配置している場合における第1操作アーム71aの配置位置を示す。図からわかるように、上記実線の円から第3可動接点741cまでの距離、および第4可動接点741dまでの距離は、上記実線の円から第1可動接点741aまでの距離、および第2可動接点741bまでの距離よりも長くなるようにされている。
また、各可動接点同士の対面側とは反対の面に各固定接点が対面して配置している。第1可動接点741aには第1固定接点742aが対面し、第2可動接点741bには第2固定接点742bが対面し、第3可動接点741cには第3固定接点742cが対面し、第4可動接点741dには第4固定接点742dが対面する。これらの各接点は、各々図示しないステーなどによってコラムチューブなどに固定されているとともに、図示しないコントローラに電気的に接続されている。コントローラは各接点の通電状態を監視して、可動接点と固定接点との接触状態を判断する。そして、第1可動接点741aと第1固定接点742aとの接触、および、第3可動接点741cと第3固定接点742cとの接触を確認したときには電動モータ10が正転駆動するように電動モータ10に電力を供給する指令を出力し、第2可動接点741bと第2固定接点742bとの接触、および、第4可動接点741dと第4固定接点742dとの接触を確認したときには電動モータ10が逆転駆動するように電動モータ10に電力を供給する指令を出力する。
上記構成のステアリング装置1において、ステアリングホイールのチルト作動もテレスコピック作動も行わない場合は、スイッチ70の操作つまみ72は図4の実線で示す中立位置に配置される。この中立位置においては、各可動接点と各固定接点とは非接触状態が維持される。このためコントローラは電動モータ10へ電力を供給する指令を出力しない。よって、電動モータ10は非通電状態とされ、チルト作動もテレスコピック作動も行われない。このときクラッチ部材140はチルト伝達位置に配置されている。
(第1操作)
ステアリングホイールの車両上方向へのチルト作動を行う場合は、ドライバーは操作つまみ72を中立位置から図4において紙面から引き上げる方向(図5(b)から見れば実線位置から二点鎖線Aで示す位置まで反時計方向)に傾動操作する(第1操作)。すると、第1操作アーム71aがスイッチカバー73の第1溝73aに沿って球体71cを中心に回動し、操作つまみ72が第1傾倒位置に配置する。図5(b)に示すように操作つまみ72が中立位置(実線の位置)から第1傾倒位置(二点鎖線Aの位置)に変位しても、第2操作アーム71bは軸方向に回転(自転)するだけであるので、第2操作アーム71bの端部は変位せず、この端部に連結されているケーブル80にはドライバーの上記操作に基づく操作力は加えられない。よって、クラッチ部材140は板バネ51の付勢力によってテレスコスクリュー144のクラッチ係合面144aと離間した状態(チルト伝達位置に配置した状態)を維持する。
また、第1操作アーム71aの上記回動により第1操作アーム71aが第1可動接点741aを押圧し、この押圧によって第1可動接点741aが第1固定接点742aに接触する。第1可動接点741aと第1固定接点742aとの接触はコントローラにより認識され、コントローラからの指令により図示しない電源から電動モータ10に電力が供給されて電動モータ10が通電状態となり、電動モータ10が正転駆動する。
電動モータ10が正転駆動すると、電動モータ10の出力軸に連結したウォーム軸21が回転し、ウォーム軸21に取り付けられたウォームギヤ22も回転する。この回転はウォームギヤ22とウォームホイール23との噛み合いによりに減速されて回転トルクが増加する。このようにして減速機20で減速された回転はウォームホイール23から連結ロッド25に伝達されて連結ロッド25が回転する。この連結ロッド25の回転により、連結ロッド25の先端に同軸的に取り付けられているチルトスクリュー146も回転する。チルトスクリュー146の回転を受けて、チルトスクリュー146に取り付けられたチルトナット147がチルトスクリュー146の軸方向前方(図1における図示右方)に送り移動される。なお、連結ロッド25の回転とともに、連結ロッド25にスプライン嵌合しているクラッチ部材140も回転するが、クラッチ部材140はテレスコスクリュー144に接続されていないので、テレスコスクリュー144は回転しない。
チルトナット147はピン111bを介して第1チューブ111の第1腕部111aに連結しているので、チルトナット147の上記方向への送り移動によって第1チューブ111がピン111bを中心として図1の反時計回り方向に回動する。この回動により、図1の二点鎖線Aで示すように右方が上方に向くように第1チューブ111が第2チューブ112に対して傾動する。第1チューブ111の上記傾動に伴い、第1チューブ111内の第1シャフト121も第2シャフト122に対して同じように傾動する。これにより第1シャフト121の図示右端に取り付けられるステアリングホイールが上方向に傾動し、チルト作動が行われる。なお、このようなチルト作動に伴ってチルトスクリュー146およびテレスコスクリュー144も傾動するが、チルトナット147が第1腕部111aに対してピン111bを中心に回動可能とされ、テレスコナット145は第2腕部112aの長孔112e内で移動可能とされるため、チルトナット147の上記回動およびテレスコナット145の上記移動により両スクリュー144,146の傾動がスムーズに行われる。
このように、第1操作時においては、クラッチ部材140は、板バネ51の付勢力によって電動モータ10から出力される回転トルクをチルト機構に伝達可能なチルト伝達位置に変位している。よって、ドライバー(操作者)による操作つまみ72の操作により電動モータ10が非通電状態から通電状態となると、電動モータ10からの回転トルクがクラッチ部材140を介してチルト機構に伝わり、チルト機構が作動してチルト作動が行われる。
(第2操作)
ステアリングホイールの車両下方向へのチルト作動を行う場合は、ドライバーは操作つまみ72を中立位置から図4において紙面に押し込む方向(図5(b)から見れば実線位置から二点鎖線Bで示す位置まで時計回り方向)に傾倒操作する(第2操作)。すると、第1操作アーム71bがスイッチカバー73の第2溝73bに沿って球体71cを中心に回動し、操作つまみ72が第2傾倒位置に配置する。図5(b)に示すように操作つまみ72が中立位置(実線の位置)から第2傾倒位置(二点鎖線Dの位置)に変位しても、第2操作アーム71bは軸方向に回転するだけであるので、第2操作アーム71bの端部は変位せず、この端部に連結されているケーブル80にはドライバーの上記操作に基づく操作力は加えられない。よって、クラッチ部材140は板バネ51の付勢力によりテレスコスクリュー144のクラッチ係合面144aと離間した状態(チルト伝達位置に配置した状態)を維持する。
また、第1操作アーム71aの上記回動により第1操作アーム71aが第2可動接点741bを押圧し、この押圧によって第2可動接点741bが第2固定接点742bに接触する。上記接触はコントローラに認識され、コントローラからの指令により図示しない電源から電動モータ10に電源が供給されて電動モータ10が通電状態となり、電動モータ10が逆転駆動する。
電動モータ10から発生する回転駆動力の伝達経路は上述した第1操作の場合と同様であるのでその具体的説明を省略する。ただし、第2操作における電動モータ10の回転方向は上記第1操作における電動モータ10の回転方向とは逆方向であるので、チルトスクリュー146上のチルトナット147の送り方向も逆となる。このためチルトナット147はチルトスクリュー146上を軸方向後方(図1における図示左方)に送り移動される。したがって、チルトナット147に連結した第1チューブ111はピン111bを中心して図1において時計回り方向に回動する。この回動により、図1の二点鎖線Bで示すように右方が下方に向くように第1チューブ111が第2チューブ112に対して傾動する。この傾動に伴い、第1シャフト121も第2シャフト122に対して図示右方が下方に向くように傾動する。これにより第1シャフト121に取り付けられるステアリングホイールが下方向に傾動し、チルト作動が行われる。なお、この場合においても、クラッチ部材140はテレスコスクリュー144に接続されていないので、テレスコスクリュー144は回転しない。
このように、第2操作時においても、クラッチ部材140は板バネ51の付勢力によって電動モータ10から出力される回転トルクをチルト機構に伝達可能なチルト伝達位置に変位している。よって、ドライバー(操作者)による操作つまみ72の操作により電動モータ10が非通電状態から通電状態となると、電動モータ10からの回転トルクがクラッチ部材140を介してチルト機構に伝わり、チルト機構が作動してチルト作動が行われる。
(第3操作)
ステアリングホイールの車両後方向へのテレスコピック作動を行う場合は、ドライバーは操作つまみ72を図4において右方向(反時計回り方向)に傾倒操作する(第3操作)。すると、第1操作アーム71aがスイッチカバー73の第3溝73cに沿って球体71cを中心に回動し、操作つまみ72が第3傾倒位置に配置する。図4および図5(a)に示すように操作つまみ72が中立位置(実線の位置)から第3傾倒位置(二点鎖線Cの位置)に変位すると、第2操作アーム71bも第1操作アーム71aとともに球体71cを中心に右方向(反時計回り方向)に回動し、第2操作アーム71bの端部は第2回動平面(第1操作アーム71aと第2操作アーム71bの軸線を含む平面)上で円弧軌跡を描いて変位する。
ここで、ガイドチューブ161の端部161aは図示しない固定手段により固定されており、この端部161aからはケーブル80が突出して第2操作アーム71bの端部に弛みのないように固定されている。また、操作つまみ72が図4の実線で示す中立位置に配置されているときには、ケーブル80と第2操作アーム71bが一直線になるように軸方向が一致された状態で配置されている。このような状態から操作つまみ72が中立位置から第3傾倒位置に傾倒した場合には、第2操作アーム71bの端部はガイドチューブ161の端部161aから遠ざかるように円弧軌跡を描いて移動するため、ガイドチューブ161の端部161aから第2操作アーム71bの端部までの距離が長くなる。よって、この距離の増加分だけケーブル80が引っ張られる。つまり、ドライバー(操作者)が操作つまみ72を中立位置から第3傾倒位置へ傾倒操作するときの操作力によって第2操作アーム71bがガイドチューブ161の端部161aから遠ざかる方向に変位し、この変位に連動してケーブル80が引っ張られることによりケーブル80の一端に上記操作力が加えられる。
ケーブル80は、その大部分が剛体状のガイドチューブ161によって拘束されているために、一端に加えられた操作力はケーブル80の他端にも作用して、さらにケーブル80は他端に連結したクラッチレバー142のフック部142cに伝達される。これによりクラッチレバー142はピン139を中心として図4において反時計回り方向に回動する。クラッチレバー142の上記回動によって、クラッチレバー142のレバー部142aに摺動部材31を介して当接しているクラッチ部材140に押圧力が加わる。このためクラッチ部材140は板バネ51の付勢力に抗して図3において右方向に移動する。この移動によりクラッチ部材140はテレスコピック伝達位置に変位し、クラッチ部材140のクラッチ部140bの表面140cとテレスコスクリュー144のクラッチ係合面144aが当接する。この当接によりクラッチ部材140とテレスコスクリュー144とが接続される。
また、第1操作アーム71aの上記回動により第1操作アーム71aが第3可動接点741cを押圧し、この押圧によって第3可動接点741cが第3固定接点742cに接触する。上記接触はコントローラにより認識され、コントローラからの指令により図示しない電源から電動モータ10に電力が供給されて電動モータ10が通電状態となり、電動モータ10が正転駆動する。ここで、図8に示すように第1操作アーム71aの実線の円で示す配置位置から第3可動接点741cまでの距離は、上記配置位置から第1可動接点741aまでの距離および第2可動接点741bまでの距離よりも長くされており、操作つまみ72が十分に傾倒しないと第1操作アーム71aが第3可動接点741cを押圧することができないようになっている。つまり、第3操作においては、電動モータ10を起動するまでの第1操作アーム71aの回動ストロークが長く設定されている。したがって、操作つまみ72が中立位置から第3傾倒位置まで傾倒するまでの間にクラッチ部材140とテレスコスクリュー144との接続が完了され、その後、操作つまみ72が第3傾倒位置に傾倒したときに第3可動接点741cが第3固定接点742cに接触して電動モータ10への電力供給がなされる。
電動モータ10が通電状態とされて正転駆動すると、電動モータ10の回転駆動力はウォーム減速機20に伝達され、このウォーム減速機20にて回転速度の減速がなされて回転トルクが増加される。減速した回転はウォームホイール23から連結ロッド25に伝達されて連結ロッド25が回転する。また連結ロッド25にスプライン嵌合しているクラッチ部材140も連結ロッド25と共に回転する。
クラッチ部材140の回転はクラッチ部材140に接続しているテレスコスクリュー144に伝達されて、テレスコスクリュー144が回転する。テレスコスクリュー144の回転によりテレスコスクリュー144の外周に螺合したテレスコナット145がテレスコスクリュー144の軸方向前方(図1における右方)に送り移動される。テレスコナット145はピン112bを介して第2チューブ112の第2腕部112aに連結されているので、第2チューブ112もテレスコナット145の送り移動に従い第3チューブ113に対して軸方向前方に移動する。
また、連結ロッド25の先端に取り付けられたチルトスクリュー146も連結ロッド25とともに回転する。このチルトスクリュー146の回転によりチルトスクリュー146の外周に螺合したチルトナット147がチルトスクリュー146の軸方向前方(図1における右方)に送り移動される。このためチルトナット147に連結した第1チューブ111も軸方向前方に移動する。ここで、テレスコスクリュー144のリードとチルトスクリュー146のリードは同じとされているので、チルトナット147の送り移動量はテレスコナット145の送り移動量と同じとなる。このため送り移動中であっても両ナット145,147の相対位置は変わらず、第2チューブ112と第1チューブ111の相対位置も変化しない。よって、第1チューブ111は第2チューブ112とともに軸方向に同じ速度で移動するのみであり、第2チューブ112に対して傾動してチルト作動が行われることはない。このようにして第1チューブ111および第2チューブ112が第3チューブ113に対して軸方向前方に移動する。これにより第1シャフト121の右端に取り付けられるステアリングホイールが車両後方に移動してテレスコピック作動が行われる。
このように、第3操作時においては、第2操作アーム71bの端部位置が変位することにより操作つまみ72をドライバー(操作者)が操作するときの操作力がケーブル80およびクラッチレバー142を介してクラッチ部材140に伝達される。このためクラッチ部材140が上記操作力によって電動モータ10からの回転トルクをテレスコピック機構に伝達可能なテレスコピック伝達位置に変位する。そして、ドライバー(操作者)による操作つまみ72の操作により電動モータ10が非通電状態から通電状態となると、電動モータ10からの回転トルクがクラッチ部材140を介してテレスコピック機構に伝わり、テレスコピック機構が作動してテレスコピック作動が行われる。
(第4操作)
ステアリングホイールの車両前方向へのテレスコピック作動を行う場合は、ドライバーは操作つまみ72を図4において左方向(時計回り方向)に傾倒操作する(第4操作)。すると、第1操作アーム71aがスイッチカバー73の第4溝73dに沿って球体71cを中心に回動し、操作つまみ72が第4傾倒位置に配置する。図4および図5(a)に示すように操作つまみ72が中立位置(実線の位置)から第4傾倒位置(二点鎖線Dの位置)に変位すると、第2操作アーム71bも第1操作アーム71aとともに球体71cを中心に左方向(時計回り方向)に回動し、第2操作アーム71bの端部は第2回動平面上で円弧軌跡を描いて変位する。この第4操作時における第2操作アーム71bの端部の移動軌跡と上記第3操作時における第2操作アーム71bの端部の移動軌跡は、中立位置における第2操作アーム71bの軸線に対して対称であり、いずれもガイドチューブ161の端部161aから遠ざかるような円弧軌跡である。したがって、第3操作時と同じように上記操作によってケーブル80が引っ張られる。つまり、ドライバー(操作者)が操作つまみ72を中立位置から第4傾倒位置へ傾倒操作するときの操作力によって第2操作アーム71bがガイドチューブ161の端部161aから遠ざかる方向に変位し、この変位に連動してケーブル80が引っ張られることによりケーブル80の一端に上記操作力が加えられる。そして、ケーブル80の一端に加えられた操作力は他端に連結したクラッチレバー142に作用し、クラッチレバー142が作動してクラッチ部材140をテレスコピック伝達位置に変位し、クラッチ部材140とテレスコスクリュー144が接続される。クラッチレバー142の作動状況およびクラッチ部材140とテレスコスクリュー144との接続形態は、上記第3操作の場合と同様であるのでその説明は省略する。
また、第1操作アーム71bの上記回動により第1操作アーム71bが第4可動接点741dを押圧し、この押圧によって第4可動接点741dが第4固定接点742dに接触する。上記接触はコントローラにより認識され、コントローラからの指令により図示しない電源から電動モータ10に電力が供給されて電動モータ10が通電状態となり、電動モータ10が逆転駆動する。ここで、図8に示すように第1操作アーム71aの実線の円で示す配置位置から第4可動接点741dまでの距離は、上記配置位置から第1可動接点741aまでの距離および第2可動接点741bまでの距離よりも長くされており、操作つまみ72が十分に傾倒しないと第1操作アーム71aが第4可動接点741dを押圧することができないようになっている。つまり、第4操作においては、電動モータ10を起動するまでの第1操作アーム71aの回動ストロークが長く設定されている。したがって、操作つまみ72が中立位置から第4傾倒位置まで傾倒するまでの間にクラッチ部材140とテレスコスクリュー144との接続が完了され、その後、操作つまみ72が第4傾倒位置に傾倒したときに第4可動接点741dが第4固定接点742dに接触して電動モータ10への電力供給がなされる。
電動モータ10から発生する回転駆動力の伝達経路は上記第3操作時における伝達経路と同様であるのでその具体的説明を省略する。ただし、電動モータ10の回転方向は上記第3操作時の回転方向と逆方向であるので、テレスコスクリュー144上のテレスコナット145およびチルトスクリュー146上のチルトナット147の送り方向も逆となる。つまり、電動モータ10の逆回転駆動によりテレスコナット145がテレスコスクリュー144の軸方向後方(図1において左方)に、チルトナット147がチルトスクリュー146の軸方向後方に送り移動される。したがって、テレスコナット145に連結した第2チューブ112およびチルトナット147に連結した第1チューブ111はともに軸方向後方に移動される。この軸方向後方への移動に従い第1シャフト121および第2シャフト122も第3シャフト123に対して軸方向後方に移動される。これにより、第1シャフト121に取り付けられるステアリングホイールが車両前方に移動し、テレスコピック作動が行われる。なお、テレスコスクリュー144のリードとチルトスクリュー146のリードは同じとされているので、上記第3操作にて説明したように本操作においてもテレスコピック作動のみが行われ、チルト作動は行われない。
このように、第4操作時においても第3操作時と同様に、第2操作アーム71bの端部位置が変位することにより操作つまみ72をドライバー(操作者)が操作するときの操作力がケーブル80およびクラッチレバー142を介してクラッチ部材140に伝達される。このためクラッチ部材140は電動モータ10からの回転トルクをテレスコピック機構に伝達可能なテレスコピック伝達位置に変位する。そして、ドライバー(操作者)による操作つまみ72の操作により電動モータ10が非通電状態から通電状態となると、電動モータ10からの回転トルクがクラッチ部材140を介してテレスコピック機構に伝わり、テレスコピック機構が作動してテレスコピック作動が行われる。
以上のように、本実施形態によれば、ドライバー(操作者)がスイッチ操作を行うときに加える操作力を利用してクラッチ部材140を変位させる(特に、テレスコピック作動時においてクラッチ部材140をテレスコピック伝達位置に変位させる)ものであるので、クラッチ部材140の作動に電磁クラッチなどの高価な部品を使用せず、安価な構成でチルト機構への駆動力伝達とテレスコピック機構への駆動力伝達を切り替えることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図9は、本実施形態に係るステアリング装置2の側面図、図10はステアリング装置2の底面図である。
図9および図10に示すように、本実施形態のステアリング装置2は、筒状のコラムチューブ210と、このコラムチューブ210の内周側に配置されたステアリングシャフト220とを備えている。コラムチューブ210は、第1チューブ211と第2チューブ212との2つに分けて構成されている筒状部材である。第1チューブ211は両端が開口しており、軸方向中央の底面あたりから第1腕部211aが図示下方に延びて形成されている。
第2チューブ212も両端が開口した筒形状とされている。図9に示すように第2チューブ212の内径は第1チューブ211の外形よりも僅かに大きくされており、第2チューブ212の図示右方端側から第1チューブ211の図示左方側が挿入されて、第1チューブ211が第2チューブ212に対して軸方向移動可能とされている。また、第2チューブ212の図9において左端側の上方には、取り付け用の孔212cが形成されている。第2チューブ212はこの孔212cにてピンなどにより車体側に揺動可能に固定され、この孔212cを中心とした揺動によりチルト作動が行われる。
ステアリングシャフト220もコラムチューブ210と同様に2つに分かれており、第1シャフト221および第2シャフト222を備えて構成されている。第1シャフト221は主に第1チューブ211内に、第2シャフト222は主に第2チューブ内に挿入されている。第1シャフト221は第1チューブ211にベアリングなどを介して相対回転可能且つ軸方向相対移動不能に支持されている。第2シャフト222は第2チューブ212にベアリングなどを介して相対回転可能且つ軸方向相対移動不能に支持されている。
第1シャフト221は第2シャフト222に対面している側が筒状に形成されており、この筒状に形成された部分の内周側面には内周スプラインが軸方向に形成されている。一方、第2シャフト222の第1シャフト221に対面している側の外周側面には外周スプラインが軸方向に形成されている。そして、上記内周スプラインが外周スプラインに嵌合している。よって、第1シャフト221の回転は第2シャフト222に伝達することが可能であり、且つ第1シャフト221は第2シャフト222に対して軸方向移動可能とされる。この軸方向移動によりテレスコピック作動が行われる。
図9に示すように第2チューブ212の下方にはハウジング230が固設されている。図11は、図9の方向から見たハウジング230付近の構造の詳細を示す断面図である。図11に示すように、ハウジング230は第1実施形態にて説明したハウジング130と同様に、内部に減速室231、支持室232およびクラッチ室233を形成する。ハウジング230にはウォーム減速機20と連結ロッド25が収納されている。ウォーム減速機20の構成は上記第1実施形態で説明したものと同様であるので、同一部品について同一符号で示し、その具体的説明を省略する。連結ロッド25はウォームホイール23に同軸的に取り付けられている。連結ロッド25の支持構造および形状は、上記第1実施形態における連結ロッド25の支持構造および形状と同様であるので、その具体的説明を省略する。
図11に示すように、連結ロッド25は、ハウジング230のクラッチ室233に配置される部分にて外周スプラインが形成された部位を持ち、この外周スプラインに嵌合するように内周スプラインが形成されたクラッチ部材240がクラッチ室233に配設されている。クラッチ部材240は上述したように内周スプラインが形成されている円筒状の嵌合部240aと、この嵌合部240aから径方向外方に円形フランジ状に延びて形成されたクラッチ部240bを有し、スプライン嵌合により同軸回転可能且つ軸方向相対移動可能に連結ロッド25に取り付けられている。クラッチ部240bは表面240cおよびこの表面240cと反対側の裏面240dを有し、両面ともに摩擦係数の大きい摩擦材が取り付けられている。
また、図9からわかるように、ハウジング230からは、チルトスクリュー246が第2チューブ212の軸方向に延びている。チルトスクリュー246は、図11に示すようにその基端部分が拡径しており、この拡径した基端部分がハウジング230のクラッチ室233に進入している。そして、クラッチ室233の内壁部分に第3ベアリング138aにより回転可能且つ軸方向移動不能に支持されている。チルトスクリュー246は中空の筒状部材として形成されていて、内部にはテレスコスクリュー244が配置されている。また、チルトスクリュー246の基端部分の最も端部(図11において左端)にはリング形状の円板部材248が固定されている。この円板部材248はその内周にクラッチ部材240の嵌合部240aを挿通しているとともに一端面(図示右側端面)にクラッチ部材240のクラッチ部240bの裏面240dが対面するように配置しており、上記一端面には摩擦係数の大きい摩擦材が取り付けられている。また、この円板部材248とクラッチ部材240との間には板バネ52が設けられている。板バネ52は内部に円孔が形成された傘形状とされており、内周縁がクラッチ部材240の嵌合部240aとクラッチ部240bとの境界部分に係合し、外周縁が円板部材248の一端面に周方向に沿って形成された段差248aに係合している。このように板バネ52が介在していることによりクラッチ部240bの裏面240dと円板部材248の一端面とが離間する方向への付勢力が両者に作用する。
図11によく示すように、テレスコスクリュー244は、チルトスクリュー246に同軸的にチルトスクリュー246の内周側に配置しており、その基端部分244aにて拡径し、この部分がチルトスクリュー246の基端部分の内壁に第4ベアリング138bにより回転可能且つ軸方向移動不能に支持されている。また、テレスコスクリュー244の基端部分244aの端面244bはクラッチ部240bの表面240cに対面している。この端面244bには摩擦係数の大きい摩擦材が取り付けられている。また、端面244bとクラッチ部240bの表面240cとの間には皿バネ53が設けられている。皿バネ53はその外周縁が端面244b面に周方向に形成された段差に係合している。この皿バネ53によりクラッチ部240bの表面240cとテレスコスクリュー244の基端部分244aの端面244bとが離間する方向への付勢力をクラッチ部材240およびテレスコスクリュー244に作用している。
板バネ52がクラッチ部材240に付与する付勢力と皿バネ53がクラッチ部材240に付与する付勢力とは同じ程度とされている。このため、クラッチ部材240に加えられる付勢力が相殺され、クラッチ部材240は表面240cに対面するテレスコスクリュー244にも、裏面240dに対面するチルトスクリュー246の円板部材248にも接触しない状態に維持される。なお、この状態からクラッチ部材240が連結ロッド25の軸方向に移動しようとすると、両バネからの付勢力のバランスがくずれて元の位置に押し戻されるので、クラッチ部材240は安定的に図11に示す位置に保持される。
図9および図10に示すように、チルトスクリュー246のハウジング230から突出している部分の外周には雄ネジが形成されており、この雄ネジに螺合した雌ネジを持つチルトナット247がチルトスクリュー246に取り付けられている。チルトナット247はその両端側で対のリンク部材251に連結している。このリンク部材251は、長尺状に形成されたロッド部251aと、このロッド部251aの一端から直角方向に延びた第1ピン部251bと、ロッド部251aの他端から直角方向であって上記第1ピン部251bと同じ向きに延びた第2ピン部251cとを有している。第1ピン部251bは車体に固定されたブラケットBRに軸受けなどを介して回転可能に取り付けられている。第2ピン部251cはチルトナット247の両側面に軸受けなどを介して回転可能に連結されている。リンク部材251は図10に示すようにコラムチューブ210を両側から挟んだ状態でチルトナット247を両側から回転可能に支持している。よって、コラムチューブ210は、チルトナット247、チルトスクリュー246、ハウジング230とともにこのリンク部材251により両持ち状態で支持されていることになる。
また、チルトナット247には対のガイドプレート252が両側面に取り付けられている。ガイドプレート252は図9に示すように内部に長孔252aが形成された細長い小判状の平板部材であり、長孔252aの長軸方向がチルトスクリュー246の軸方向に一致するように第2チューブ212に取り付けられている。そして、上述したリンク部材251の第2ピン部251cはこの長孔252aを挿通してチルトナット247に連結している。
テレスコスクリュー244は、チルトスクリュー246よりも軸方向に長く形成されており、チルトスクリュー246の内部を挿通してチルトスクリュー246の先端から突出している。この突出している部分の外周には雄ネジが形成されており、この雄ネジに螺合した雌ネジを持つテレスコナット245がテレスコスクリュー244に取り付けられている。テレスコナット245はその両側面にて第1チューブ211の第1腕部211aに固定されている。
図12は、図10におけるハウジング230およびチルトスクリュー246が配置されている付近の部分破断底面図である。図12に示すように、ハウジング230の一方側面(図示下側面)には三角形状の第1リテーナ230aが形成されている。この第1リテーナ230aは紙面に垂直な方向に所定間隔を隔てて2つ、ハウジング230の一方側面に取り付けられており、断面三角形状の平板部材である。また、2つの第1リテーナ230aには紙面に垂直な方向に孔部が同心的に形成されていて、この孔部にクラッチレバー242が挿通している。
クラッチレバー242の斜視図を図13に示す。図に示すように、クラッチレバー242は、1本の入力ロッド242aと2本の出力ロッド242bを有した二股形状に形成されており、各出力ロッド242bは直線状の連結部242cにより入力ロッド242aに連結している。入力ロッド242aおよび各出力ロッド242bは同一平面上で平行に配置しており、連結部242cの中央部から入力ロッド242aが直角方向に延設され、連結部242cの両端部から各出力ロッド242bが入力ロッド242aの延設方向とは反対方向に延設されている。入力ロッド242aの端部はリング状に形成されており、各出力ロッド242bの端部は球状に形成されている。また、2つの第1リテーナ230aに形成された孔部には連結部242cが入力ロッド242aを跨いだ状態で挿通されている。このためクラッチレバー242は連結部242cを軸として回動可能に第1リテーナ230aに支持される。
図12に示すように、ハウジング230の第1リテーナ230aが形成されている部分を挟んで、ハウジング230の一方側面(図示下方面)に第2リテーナ230bおよび第3リテーナ230cが形成されている。両リテーナ230b、230cにはチルトスクリュー246の軸方向に貫通した孔部がそれぞれ同心的に形成されている。第2リテーナ230bに形成された孔部には剛体状の第1ガイドチューブ261が挿通されてこの部分で固定されており、第3リテーナ230cに形成された孔部には剛体状の第2ガイドチューブ262が挿通されてこの部分で固定されている。
図12に示すように、クラッチレバー242の出力ロッド242bの端部は、クラッチ部材240の嵌合部240aの外周に周方向に形成された溝240e内に配置されている。図11からわかるように出力ロッド242bはクラッチ部材240の嵌合部240aを図示上下から挟みこむような状態で溝240e内に配置している。一方、クラッチレバー242の入力ロッド242aの端部には第1ケーブル80aおよび第2ケーブル80bの各一端がそれぞれ固定されている。第1ケーブル80aは第1ガイドチューブ261に挿通しており、一端が第1ガイドチューブ261の一端から突き抜けて上述のように入力ロッド242aの端部に固定され、他端が第1ガイドチューブ261の他端から突き抜けてスイッチ70に固定されている。第2ケーブル80bは第2ガイドチューブ262に挿通しており、一端が第2ガイドチューブ262の一端から突き抜けて上述のように入力ロッド242aの端部に固定され、他端が第2ガイドチューブ262の他端から突き抜けてスイッチ70に固定されている。
図12に示すようにクラッチレバー242の入力ロッド242aの端部は第2リテーナ230bと第3リテーナ230cとの間に位置している。そして、第1ケーブル80aは入力ロッド242aの端部から第2リテーナ230bに固定された第1ガイドチューブ261内に挿通している。一方、第2ケーブル80bは入力ロッド242aの端部から第3リテーナ230cに固定された第2ガイドチューブ262内に挿通している。したがって、第1ケーブル80aと第2ケーブル80bとは入力ロッド242aの端部から反対方向に延びていることになる。このため第1ケーブル80aに緊張力が付与されると、この緊張力によって出力ロッド242bが連結部242cを軸芯として図示反時計方向に回動し、第2ケーブル80bに緊張力が付与されると、この緊張力によって出力ロッド242bが連結部242cを軸芯として図示時計方向に回動する。
本実施形態のスイッチ70の斜視図を図14に示す。図に示すように、スイッチ70は、スイッチアーム71および操作つまみ72を備える。スイッチアーム71は、第1操作アーム71a、第2操作アーム71b、球体71cおよび第3操作アーム71dを有している。第1操作アーム71a、第2操作アーム71b、球体71cおよび操作つまみ72は、上記第1実施形態におけるものと同じ形状および同じ連結形態であるのでその説明を省略する。よって、本実施形態のスイッチ70は、上記第1実施形態で示したスイッチ70に第3操作アーム71dを付加した構成である。この第3操作アーム71dは球体71cから第1操作アーム71aおよび第2操作アーム71bに直交する方向に延設されている。よって、全てのアーム71a,71b,71dが球体71cから直交する方向に延設されている。なお、図12には、スイッチ70を異なった2方向から見た図が示されており、左側のスイッチ70は第1操作アーム71aと第2操作アーム71bに平行な平面(第1回動平面)から見たもの(A視)であり、右側のスイッチ70は第1操作アーム71aと第3操作アーム71dに平行な平面(第2回動平面)から見たもの(B視)である。
第2操作アーム71bには第1ケーブル80aの端部が取り付けられており、また第3操作アーム71dには第2ケーブル80bの端部が取り付けられている。また、本実施形態のスイッチ70は上記第1実施形態で説明した支持構造が採用可能であり、上記第1実施形態で説明したように操作つまみ72が中立位置(図12において実線で示された操作つまみ72の位置)から直交する四方である第1傾倒位置(図12の二点鎖線Aで示された操作つまみ72の位置)、第2傾倒位置(図12の二点鎖線Bで示された操作つまみ72の位置)、第3傾倒位置(図12の二点鎖線Cで示された操作つまみ72の位置)、第4傾倒位置(図12の二点鎖線Dで示された操作つまみ72の位置)に傾倒可能とされている。
図15は、本実施形態におけるスイッチ70の接点構造を示す図である。この接点構造は基本的には上記第1実施形態における接点構造と同一の構造であり、操作つまみ72が中立位置に配置されている場合は第1操作アーム71aがいずれの接点にも接触しておらず、このためいずれの可動接点も対応する固定接点に接触していない。操作つまみ72が第1傾倒位置に傾倒したときには第1操作アーム71aが第1可動接点741aを押圧することにより第1可動接点741aが第1固定接点742aに接触し、第2傾倒位置に傾倒したときには第1操作アーム71aが第2可動接点741bを押圧することにより第2可動接点741bが第2固定接点742bに接触する。また、操作つまみ72が第3傾倒位置に傾倒したときには第1操作アーム71aが第3可動接点741cを押圧することにより第3可動接点741cが第3固定接点742cに接触し、第4傾倒位置に傾倒したときには第1操作アーム71aが第4可動接点741dを押圧することにより第4可動接点741dが第4固定接点742dに接触する。
図15において、操作つまみ72が中立位置に配置しているときの第1操作アーム71aの位置が実線の円で示されている。この円から各可動接点までの距離は、所定の長さに設定されている。上記所定の長さは、可動接点が固定接点に接触する前に後述するクラッチ部材240の接続動作が完了するように設定される。
上記構成のステアリング装置2において、ステアリングホイールのチルト作動もテレスコピック作動も行わない場合は、スイッチ70の操作つまみ72は図12の実線で示す中立位置に配置される。この中立位置においては、各可動接点と各固定接点とは非接触状態とされる。このため電動モータ10は非通電状態とされている。このときクラッチ部材はチルトスクリュー246にもテレスコスクリュー244にも接続されていない位置(中立位置)に配置している。
(第1操作)
ステアリングホイールの車両下方向へのチルト作動を行う場合は、ドライバーは操作つまみ72を中立位置から図12の二点鎖線Aで示す位置に傾倒操作する(第1操作)。すると、第1操作アーム71aおよび第2操作アーム71bが球体71cを中心に且つ第3操作アーム71dの軸回りに回動し、操作つまみ72が中立位置から第1傾倒位置に変位する。第2操作アーム71bの上記回動によって第2操作アーム71bの端部が円弧軌跡を描いて変位する。この変位によって第1ケーブル80aが引っ張られ、第1ケーブル80aに操作力が伝達される。つまり、ドライバー(操作者)が操作つまみ72を中立位置から第1傾倒位置へ傾倒操作するときの操作力によって第2操作アーム71bが変位し、この変位に連動して第1ケーブル80aが引っ張られることにより第1ケーブル80aの一端に操作力が加えられる。なお、操作つまみ72が上記変位をするときに第3操作アーム71dは自転するだけであり、その端部位置は変化しない。
上記操作力は第1ケーブル80aからクラッチレバー242の入力ロッド242aの端部に伝達される。一方、上述したようにこの第1操作によっては第3操作アーム71dの端部は変位しないので、この端部に接続された第2ケーブル80bからは操作力は入力されない。よって、クラッチレバー242は第1ケーブル80a側から伝えられる操作力によって連結部242cを軸芯として図12において反時計回りに回動する。このため、出力ロッド242bに溝240eで係合しているクラッチ部材240が板バネ52の付勢力に抗して図11および図12において左方向に移動してチルト伝達位置に変位する。このチルト伝達位置ではクラッチ部240bの裏面240dが円板部材248に当接する。この当接によりクラッチ部材240とチルトスクリュー246とが接続される。
また、第1操作アーム71aの上記回動により第1操作アーム71aが第1可動接点741aを押圧し、この押圧によって第1可動接点741aが第1固定接点742aと接触する。このため電動モータ10が非通電状態から通電状態となって電動モータ10に電力が供給され、電動モータ10が正転駆動する。ここで、電動モータ10への電力供給は、クラッチ部材240とチルトスクリュー246との接続が完了された後になされる。
電動モータ10が通電状態とされて正転駆動すると、電動モータ10の回転駆動力はウォーム減速機20に伝達され、このウォーム減速機20にて回転速度の減速がなされて回転トルクが増加される。減速した回転はウォームホイール23から連結ロッド25に伝達されて連結ロッド25が回転する。連結ロッド25の回転は連結ロッド25にスプライン嵌合したクラッチ部材240に伝達され、さらにクラッチ部材240に接続されたチルトスクリュー246に伝達されて、チルトスクリュー246が回転する。なお、テレスコスクリュー244はクラッチ部材240に接続されていないので、回転しない。
チルトスクリュー246の回転によりチルトスクリュー246に取り付けられているチルトナット247はチルトスクリュー246の軸方向前方(図9における図示右方)に送り移動される。チルトナット247の送り移動に伴ってチルトナット247に取り付けられているリンク部材251の第2ピン部251cも移動する。リンク部材251は第1ピン部251bにて車体側に回動可能に固定されているため、第2ピン部251cの移動はリンク部材251のロッド部251aの第1ピン部251bを中心とする図示反時計回り方向への回動に変換される。
ここで、図9に示すようにリンク部材251のロッド部251aは操作つまみ72が中立位置にあるときに第2ピン部251c側が第1ピン部251b側よりもコラムチューブ110の軸方向後方(図示左方)に位置し、例えば時計の針で示せば第1ピン部251bを中心に7時の方向に向いて配置している。このような配置状態からチルトナット247の送り移動に伴ってロッド部251aが反時計回りに回動すると、第2ピン部251cは図において下方への移動成分を有して回動する。この下方への移動成分によって第2ピン部251cが挿通しているガイドプレート252も下方向へ変位しようとするが、ガイドプレート252が固定されている第2チューブ212は取り付け用の孔212cの部分でピンなどにより車体に固定されているため、上記下方向への移動成分を受けて第2チューブ212が取り付け用の孔212cを中心に時計回りに回動する。これによりコラムチューブ210の全体が取り付け用の孔212cを中心として時計回りに傾倒し、下方向へのチルト作動が行われる。
(第2操作)
ステアリングホイールの車両上方向へのチルト作動を行う場合には、ドライバーは操作つまみ72を中立位置から図12の二点鎖線Bで示す位置に傾倒操作する(第2操作)。すると、第1操作アーム71aおよび第2操作アーム71bが球体71cを中心に且つ第3操作アーム71dの軸回りに回動し、操作つまみ72が中立位置から第2傾倒位置に変位する。この場合の変位方向は上記第1操作時における操作つまみ72の変位方向と逆方向となる。第2操作アーム71bの上記回動によって第2操作アーム71bの端部が円弧軌跡を描いて変位し、第1ケーブル80aが引っ張られ、第1ケーブル80aの一端に操作力が加えられる。なお、この場合も、上記第1操作時と同じように第2操作アーム71dの端部は変位しない。
上記操作力は上記第1操作時と同じような伝達経路を辿ってクラッチ部材240に伝達される。このためクラッチ部材240が図11および図12において左方向に移動し、チルト伝達位置に変位してクラッチ部材240とチルトスクリュー246とが接続される。
また、第1操作アーム71aの上記回動により第1操作アーム71aが第2可動接点741bを押圧し、この押圧によって第2可動接点741bが第2固定接点742bと接触する。このため電動モータ10が非通電状態から通電状態となって電動モータ10に電力が供給され、電動モータ10が逆転駆動する。この場合にも、電動モータ10への電力供給は、クラッチ部材240とチルトスクリュー246との接続が完了された後になされる。
電動モータ10から発生する回転駆動力の伝達経路は上述した第1操作時における伝達経路と同様であるのでその具体的説明を省略する。ただし、第2操作時における電動モータ10の回転方向は第1操作時における電動モータ10の回転方向とは逆方向であるので、チルトスクリュー246上のチルトナット247の送り移動方向も逆となり、チルトナット247はチルトスクリュー246上を軸方向後方(図における図示左方)に送り移動される。したがって、この送り移動によりリンク部材251のロッド部251aが図9に示す位置から第1ピン部251bを中心に時計回り方向に回動する。この回動方向は図において上方向への移動成分を含んでいるので、この上方向への移動成分によって、第2チューブ212が取り付け用孔212cを中心に反時計回り方向に回動する。これによりコラムチューブ210の全体が孔212cを中心として反時計周りに傾倒し、上方向へのチルト作動が行われる。
(第3操作)
ステアリングホイールの車両後方向へのテレスコピック作動を行う場合は、ドライバーは操作つまみ72を中立位置から図12の二点鎖線Cで示す位置に傾倒操作する(第3操作)。すると、第1操作アーム71aおよび第3操作アーム71dが球体71cを中心に且つ第2操作アーム71bの軸回りに回動し、操作つまみ72が中立位置から第3傾倒位置に変位する。第3操作アーム71dの上記回動によって第3操作アーム71dの端部が円弧軌跡を描いて変位する。この変位によって第2ケーブル80bが引っ張られ、ドライバー(操作者)による操作つまみ72の操作力が第2ケーブル80bの端部に加えられる。なお、操作つまみ72の上記変位をするときに第2操作アーム71bは自転するだけであり、その端部は変位しない。
上記操作力は第2ケーブル80bからクラッチレバー242の入力ロッド242aの端部に伝達される。一方、上述したように第2操作アーム71bの端部は変位しないので、この端部に接続された第1ケーブル80aからは操作力は入力されない。よって、クラッチレバー242は第2ケーブル80a側から伝えられる操作力によって連結部242cを軸芯として図12において時計回りに回動する。このため、出力ロッド242bに溝240eで係合しているクラッチ部材240が皿バネ53の付勢力に抗して図11および図12において右方向に移動してテレスコピック伝達位置に変位する。このテレスコ伝達位置ではクラッチ部240bの表面240cがテレスコスクリュー244の端面に当接する。この当接によりクラッチ部材240とテレスコスクリュー244とが接続される。
また、第1操作アーム71aの上記回動により第1操作アーム71aが第3可動接点741cを押圧し、この押圧によって第3可動接点741cが第3固定接点742cと接触する。これにより電動モータ10が非通電状態から通電状態となり、電動モータ10に電力が供給されて電動モータ10が正転駆動する。ここで、電動モータ10への電力供給は、クラッチ部材240とテレスコスクリュー244との接続が完了された後になされる。
電動モータ10が通電状態とされて正転駆動すると、電動モータ10の回転駆動力がウォーム減速機20を介して連結ロッド25に伝達され、連結ロッド25および連結ロッド25にスプライン嵌合しているクラッチ部材240が回転する。クラッチ部材240は上述のようにテレスコスクリュー244に接続されているため、テレスコスクリュー244も回転する。なお、チルトスクリュー246はクラッチ部材240に接続していないので、チルトスクリュー246は回転しない。
テレスコスクリュー244の回転によりテレスコスクリュー244に取り付けられているテレスコナット245はテレスコスクリュー244の軸方向前方(図9における図示右方)に送り移動される。テレスコナット245は第1チューブ211に連結しているため、このテレスコナット245の送り移動に伴って第1チューブ211が第2チューブ212に対して軸方向前方に移動する。これにより車両後方向へのテレスコピック作動が行われる。
(第4操作)
ステアリングホイールの車両前方へのテレスコピック作動を行う場合には、ドライバーは操作つまみ72を中立位置から図12の二点鎖線Dで示す位置に傾倒操作する(第4操作)。すると、第1操作アーム71aおよび第3操作アーム71dが球体71cを中心に且つ第2操作アーム71bの軸回りに回動し、操作つまみ72が中立位置から第4傾倒位置に変位する。この場合の変位方向は上記第3操作時における操作つまみ72の変位方向と逆方向となる。第3操作アーム71dの上記回動によって第3操作アーム71dの端部が円弧軌跡を描いて変位する。この変位によって第2ケーブル80bが引っ張られ、ドライバー(操作者)による操作つまみ72の操作力が第2ケーブル80bの端部に加えられる。なお、この場合も、上記第3操作時と同じように第2操作アーム71bの端部は変位しない。
上記操作力は上記第3操作時と同じような伝達経路を辿ってクラッチ部材240に伝達される。このためクラッチ部材240が図11および図12において右方向に移動し、テレスコピック伝達位置に変位してクラッチ部材240とテレスコスクリュー244とが接続される。
また、第1操作アーム71aの上記回動により第1操作アーム71aが第4可動接点741dを押圧し、この押圧によって第4可動接点741dが第4固定接点742dと接触する。これにより電動モータ10が非通電状態から通電状態となり、電動モータ10に電力が供給されて電動モータ10が逆転駆動する。この場合にも、電動モータ10への電力供給は、クラッチ部材240とテレスコスクリュー244との接続が完了された後になされる。
電動モータ10から発生する回転駆動力の伝達経路は上述した第3操作時における伝達経路と同様であるのでその具体的説明を省略する。ただし、第4操作時における電動モータ10の回転方向は第3操作時における電動モータ10の回転方向とは逆方向であるので、テレスコスクリュー244上のテレスコナット245の送り移動方向も逆となり、テレスコナット245はテレスコスクリュー244上を軸方向後方(図における図示左方)に送り移動される。したがって、この送り移動により第1チューブ211が第2チューブ212に対して軸方向後方に移動する。これにより車両前方へのテレスコピック作動が行われる。
以上のように、本実施形態においても、ドライバー(操作者)がスイッチ操作を行うときに加える操作力を利用してクラッチ部材240を変位させる(特に、チルト作動時にはクラッチ部材240を中立位置からチルト伝達位置に、テレスコピック作動時にはクラッチ部材240を中立位置からテレスコピック伝達位置に変位させる)ものであるので、クラッチ部材240の作動に電磁クラッチなどの高価な部品を使用せず、安価な構成でチルト機構への駆動力伝達とテレスコピック機構への駆動力伝達を切り替えることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。この第3実施形態にて説明するステアリング装置3は、電動モータ自身をスイッチの一部として用いる例である。図16は、本実施形態におけるステアリング装置3の側面図である。図に示すように、本実施形態におけるステアリング装置3は、第2実施形態におけるステアリング装置2と同様に、コラムチューブ310が第1チューブ311と第2チューブ312との2本に分かれて構成されており、ステアリングシャフト320も第1シャフト321と第2シャフト322との2本に分かれて構成されている。これらのチューブおよびシャフトの形状および組み合わせ態様は上記第2実施形態にて説明したものと同様であるのでその具体的説明は省略する。また、第2チューブ312の図示左端側には取り付け用の孔312cが設けられており、コラムチューブ310はこの取り付け用の孔312cを中心に揺動してチルト作動可能とされる。
第2チューブ312にはハウジング330が取り付けられている。ハウジング330内には後述する2つのチルト用伝達歯車および2つのテレスコ用伝達歯車が収納されており、これらの歯車の回転軸が第2チューブ312の軸方向に対して直交するようにハウジング330内に配置している。図17は、図16の矢印A方向から見たハウジング330付近の内部構造示す部分断面図、図18は矢印B方向から見たハウジング230の内部構造を示す部分断面図である。
図17および図18に示すように、ハウジング330の内部空間には、クラッチ室331、テレスコ室332、チルト室333といった3つの部屋が形成されている。クラッチ室331には前述したチルト用伝達歯車として第1チルト用伝達歯車342aと第2チルト用伝達歯車342b、および、テレスコ用伝達歯車として第1テレスコ用伝達歯車343aと第2テレスコ用伝達歯車343bが収納されている他、本発明のクラッチ部材として機能する入力歯車341、チルト用出力歯車344、テレスコ用出力歯車345などが収納されている。第1、第2チルト用伝達歯車342a,342bおよび第1、第2テレスコ用伝達歯車343a,343bはクラッチ室331内にそれぞれ2つ配置されていて、ベアリングにより回転可能且つ軸方向移動不能にハウジングに支持されている。これらの歯車および入力歯車341の配置を示した正面図を図19に示す。図19からわかるように、これらの歯車の軸方向は平行とされており、中央に入力歯車341が配設され、2つのチルト用伝達歯車342a,342bおよび2つのテレスコ用伝達歯車343a,343bはこの入力歯車341を中心として直交する四方に配設されている。2つのチルト用伝達歯車342a,342bは入力歯車341を挟んで対向配置され、2つのテレスコ用伝達歯車343a,343bも入力歯車341を挟んで対向配置されている。また、入力歯車341は図の実線で示す位置(中立位置)から点線で示す位置(傾倒位置)まで変位可能とされており、実線で示す位置ではいずれの伝達歯車342a,342b,343a,343bにも接触しておらず、点線で示す位置ではそれぞれ傾いた側に位置する伝達歯車と噛合する。
また、図17,18に示すようにハウジング330の付近には電動モータ10が配設されている。この電動モータ10には端部に操作つまみ11が形成されている。電動モータ10の操作つまみ11が形成されている側とは反対側の端部からはハウジング330のクラッチ室331に向いた出力軸が取り付けられていて、この出力軸には途中部分で球状に膨らんだ球体部分12aを持つ伝達軸12が同軸的に取り付けられている。この伝達軸12は、ハウジング330の壁部に形成された連通路330aからクラッチ室331に進入しており、先端に入力歯車341が同軸的に接続されている。また、上記連通路330aには上記球体部分12aの表面に係合可能な球状座面が形成されており、この球状座面に球体部分12aが保持されている。このため、電動モータ10は上記球体部分12aが連通路330a中の球状座面内で回転することにより、自在方向に首振り可能とされている。
チルト用出力歯車344は入力歯車341の軸方向前方(図17,18において右方)に同軸的に配置しており、チルト用伝達歯車342a,342bに噛合している。また、テレスコ用出力歯車345は、チルト用出力歯車344の軸方向前方(図17,18において右方)に同軸的に配置しており、テレスコ用伝達歯車343a,343bに噛合している。図18からわかるように、テレスコ用伝達歯車343a,343bは軸方向に長く形成されているとともに軸方向の所定位置に径が小さくされて歯が形成されていない小径部分Sを有しており、この小径部分Sに嵌まり込むようにチルト用出力歯車344が配設されている。また、図17からわかるように、チルト用伝達歯車342a,342bも軸方向に長く形成されているが、テレスコ用伝達歯車343a,343bほど長くは形成されておらず、テレスコ用出力歯車345はテレスコ用伝達歯車343a,343bと噛み合い可能であってチルト用伝達歯車342a,342bと噛み合い不能となる軸方向位置に配置している。よって、チルト用伝達歯車342a,342bの回転はチルト用出力歯車344に伝達されるがテレスコ用出力歯車345には伝達されず、テレスコ用伝達歯車343a,343bの回転はテレスコ用出力歯車345に伝達されるがチルト用出力歯車344には伝達されない。
チルト用出力歯車344にはチルト用連結ロッド346が同軸的に連結されている。チルト用連結ロッド346は図17に示すように両端がベアリングなどによってハウジング330に回転可能且つ軸方向移動不能に支持されており、チルト用出力歯車344から軸方向に延び、テレスコ室332を経てチルト室333にまで延設されている。また、テレスコ用出力歯車345にはテレスコ用連結ロッド347が同軸的に連結されている。テレスコ用連結ロッド347はチルト用連結ロッド346の外周を覆うように筒状に形成され、チルト用連結ロッド346と同軸的に且つ非接触状態を保って配置している。このテレスコ用連結ロッド347もベアリングなどにより回転可能且つ軸方向移動不能にハウジング330の支持されている。
チルト用連結ロッド346は、クラッチ室331にてチルト用出力歯車344に連結され、テレスコ室332にてテレスコ用連結ロッド347の内周に挿通されている。また、チルト用連結ロッド346のチルト室333に配置した部分にはチルト用ウォームギヤ348が同軸的に取り付けられている。チルト用ウォームギヤ348はチルト室333内でチルト用ウォームホイール349と噛合している。チルト用ウォームホイール349には同軸的にチルトスクリュー350が取り付けられている。チルトスクリュー350はコラムチューブ310の軸方向に直角方向であって車両上方向に延びており、軸受け部分350aとスクリュー部分350bとが形成されている。軸受け部分350aにはベアリングが取り付けられており、このベアリングによってチルトスクリュー350が回転可能且つ軸方向移動不能にハウジング330に支持される。また、スクリュー部分350bには外周に雄ネジが形成されており、この雄ネジに螺合した雌ネジを持つチルトナット351がチルトスクリュー350のスクリュー部分350bに取り付けられている。チルトナット351は断面円形状とされ、両側にてピンなどによりコラムチューブ310の軸方向に直角方向であってチルト用連結ロッド346に平行な軸周りに回転可能にチルトブラケット352に支持されている。チルトブラケット352は車体ST側に固定されている。
テレスコ用連結ロッド347はその外周にテレスコ用ウォームギヤ353が取り付けられている。このテレスコ用ウォームギヤ353にはテレスコ用ウォームホイール354が噛合している。テレスコ用ウォームホイール354にはテレスコスクリュー355が同軸的に連結している。テレスコスクリュー355は図16に示すようにハウジング330から突出してコラムチューブ310の軸方向に延び、その外周には雄ネジが形成されていて、この雄ネジに螺合した雌ネジが形成されたテレスコナット356が取り付けられている。このテレスコナット356は第1チューブ311に形成された第1腕部311aを介して第1チューブ311に固設されている。
図17、18からわかるように、伝達軸12の回りには接点Aが配設されている。この接点Aの構造は、上記第2実施形態にて示した図15に示す構造と同一であるので、この図15を援用することとして具体的説明を省略する。これらの接点は、図示しないステーなどによってコラムチューブ310に固定されている。
上記構成のステアリング装置3において、ステアリングホイールのチルト作動もテレスコピック作動も行わない場合は、電動モータ10に取り付けられた操作つまみ11は図17および図18の実線で示す中立位置に配置される。この中立位置においては、入力歯車341はいずれの伝達歯車342a,342b,343a,343bにも噛合していない位置(中立位置)に配置している。また、接点Aにおけるいずれの可動接点も対応する固定接点と接触していない。したがって、電動モータ10は非通電状態であり、チルト作動およびテレスコピック作動が行われることはない。
(第1操作)
ステアリングホイールの車両上方向へのチルト作動を行う場合は、ドライバーは操作つまり11を図17において上方向に傾倒し、操作つまみ11が図17の二点鎖線Aで示す第1傾倒位置に配置するように操作する(第1操作)。すると、電動モータ10が図17において上方向に首を振り、これに伴って伝達軸12が球体部分12aを中心に図示時計回り方向に回動する。このため、伝達軸12の先端に取り付けられている入力歯車341が球体部分12aを中心に時計回り方向に傾いてチルト伝達位置に変位し、図示下側の第1チルト用伝達歯車342aに噛合する。これにより入力歯車341と第1チルト用伝達歯車342aとが接続される。
また、上記操作により伝達軸12が第1可動接点741aを押圧し、この押圧によって第1可動接点741aが第1固定接点742aと接触する。これにより電動モータ10が非通電状態から通電状態となり、電動モータ10に電力が供給されて電動モータ10が正転駆動する。ここで、電動モータ10への電力供給は、入力歯車341と第1チルト用伝達歯車342aとの接続が完了された後になされる。
電動モータ10が通電状態とされて正転駆動すると、電動モータ10の回転駆動力は伝達軸12、入力歯車341から第1チルト用伝達歯車342aに伝達され、さらに第1チルト用伝達歯車342aに噛合しているチルト用出力歯車344に伝達される。このためチルト用出力歯車344およびこれに同軸的に連結したチルト用連結ロッド346が入力歯車341と同じ方向に回転する。さらにチルト用連結ロッド346に同軸的に連結したチルト用ウォームギヤ348が回転する。そして、チルト用ウォームギヤ348とチルト用ウォームホイール349との噛み合いにより回転速度が減速されて回転トルクが増加する。チルト用ウォームホイール349の回転は同軸的に連結したチルトスクリュー350に伝達されてチルトスクリュー350が回転する。これによりチルトスクリュー350とチルトナット351との螺合状態が変化する。ここで、チルトナット351はピンを介してチルトブラケット352に固定されているので、チルトナット351は変位せずに、チルトスクリュー350が軸方向に相対移動する。この第1操作においてはチルトスクリュー350が上方向に移動する。チルトスクリュー350の上方向移動を受けて、チルトスクリュー350を軸支するハウジング330およびハウジング330に連結したコラムチューブ310の全体が、第2チューブ312に設けられた取り付け用の孔312cを中心に反時計回り方向に持ち上げられるように動作する。これにより車両上方向へのチルト作動がなされる。このときチルト作動に伴ってチルトスクリュー350も傾くが、この傾きはチルトナット351が回動することにより吸収される。
(第2操作)
ステアリングホイールの車両下方向へのチルト作動を行う場合には、ドライバーは操作つまみ11を図17において下方向に傾倒し、操作つまみ11が図17の二点鎖線Bで示す第2傾倒位置に配置するように操作する(第2操作)。すると、電動モータ10が図17において下方向に首を振り、これに伴って伝達軸12が球体部分12aを中心に図示反時計回り方向に回動する。このため、入力歯車341が球体部分12aを中心に反時計回り方向に傾いてチルト伝達位置に変位し、図示上側の第2チルト用伝達歯車342bに噛合する。これにより入力歯車341と第2チルト用伝達歯車342bとが接続される。
また、上記操作により伝達軸12が第2可動接点741bを押圧し、この押圧によって第2可動接点741bが第2固定接点742bと接触する。これにより電動モータ10が非通電状態から通電状態となり、電動モータ10に電力が供給されて電動モータ10が逆転駆動する。ここで、電動モータ10への電力供給は、伝達軸12と第2チルト用伝達歯車342bとの接続が完了された後になされる。
電動モータ10が通電状態とされて逆転駆動すると、電動モータ10の回転駆動力は伝達軸12、入力歯車341から第2チルト用伝達歯車342bに伝達され、さらに第2チルト用伝達歯車342bに噛合しているチルト用出力歯車344に伝達される。それ以降の駆動力の伝達経路は上記第1操作と同様であるのでその説明を省略するが、本操作は上記第1操作とは電動モータ10の回転方向が逆とされているのでチルトスクリュー350の回転方向も逆となり、チルトスクリュー350は図16において下方向に移動する。このためコラムチューブ310は取り付け用の孔312c中心に図16において時計回り方向に押し下げられるように動作する。これにより車両下方向へのチルト作動がなされる。
(第3操作)
ステアリングホイールの車両後方向へのテレスコピック作動を行う場合は、ドライバーは操作つまみ11を図18において上方向に傾倒し、操作つまみ11が図18の二点鎖線Cで示す第3傾倒位置に配置するように操作する(第3操作)。すると、電動モータ10が図18において上方向に首を振り、これに伴って伝達軸12が球体部分12aを中心に図示時計回り方向に回動する。このため、入力歯車341が球体部分12aを中心に図示時計回り方向に傾いてテレスコピック伝達位置に変位し、下側の第1テレスコ用伝達歯車343aに噛合する。これにより入力歯車341と第1テレスコ用伝達歯車343aとが接続される。
また、上記操作により伝達軸12が第3可動接点741cを押圧し、この押圧によって第3可動接点741cが第3固定接点742cと接触する。これにより電動モータ10が非通電状態から通電状態となり、電動モータ10に電力が供給されて電動モータ10が正転駆動する。ここで、電動モータ10への電力供給は、伝達軸12と第1テレスコ用伝達歯車343aとの接続が完了された後になされる。
電動モータ10が通電状態とされて正転駆動すると、電動モータ10の回転駆動力は伝達軸12、入力歯車341から第1テレスコ用伝達歯車343aに伝達され、さらに第1テレスコ用伝達歯車343aに噛合しているテレスコ用出力歯車345に伝達される。このため、テレスコ用出力歯車345およびこれに同軸的に連結したテレスコ用連結ロッド347が回転する。さらにテレスコ用連結ロッド347の外周に同軸的に連結したテレスコ用ウォームギヤ353が回転する。そして、テレスコ用ウォームギヤ353とテレスコ用ウォームホイール354との噛み合いにより回転速度が減速されて回転トルクが増加する。テレスコ用ウォームホイール354の回転はさらに同軸連結したテレスコスクリュー355に伝達され、テレスコスクリュー355が回転する。これによりテレスコスクリュー355に螺合しているテレスコナット356がテレスコスクリュー355の軸方向前方(図16において右方向)に送り移動される。この送り移動によりテレスコナット356に連結した第1チューブ311が軸方向前方に移動する。これにより車両後方向へのテレスコピック作動がなされる。
(第4操作)
ステアリングホイールの車両前方向へのテレスコピック作動を行う場合には、ドライバーは操作つまみ11を図18において下方向に傾倒し、操作つまみ11が図18の二点鎖線Dで示す第4傾倒位置に配置するように操作する(第4操作)。すると、電動モータ10が図において下方向に首を振り、これに伴って伝達軸12が球体部分12aを中心に図示反時計回り方向に回動する。このため、入力歯車341が球体部分12aを中心に反時計回り方向に傾いてテレスコピック伝達位置に変位し、図示上側の第2テレスコ用伝達歯車343bに噛合する。これにより入力歯車341と第2テレスコ用伝達歯車343bとが接続される。
また、上記操作により伝達軸12が第4可動接点741dを押圧し、この押圧によって第4可動接点741dが第4固定接点742dと接触する。これにより電動モータ10が非通電状態から通電状態となり、電動モータ10に電力が供給されて電動モータ10が逆転駆動する。ここで、電動モータ10への電力供給は、伝達軸12と第2テレスコ用伝達歯車343bとの接続が完了された後になされる。
電動モータ10が通電状態とされて逆転駆動すると、電動モータ10の回転駆動力は伝達軸12、入力歯車341から第2テレスコ用伝達歯車343bに伝達され、さらに第2テレスコ用伝達歯車343bに噛合しているテレスコ用出力歯車345に伝達される。それ以降の駆動力の伝達経路は上記第3操作と同様であるのでその説明を省略するが、本操作は上記第3操作とは電動モータ10の回転方向が逆とされているのでテレスコスクリュー355の回転方向も逆となり、テレスコナット356は軸方向後方に移動する。このため第1チューブ311も軸方向後方に移動する。これにより車両前方へのテレスコピック作動がなされる。
以上のように、本実施形態においても、操作者がスイッチ操作を行うときに加える操作力を利用してクラッチ部材を変位させるものであり、入力歯車341の変位によるチルト・テレスコピックの切り替え動作を行うために電磁クラッチなどの高価な部品を使用せず、安価な構成でチルト機構への駆動力伝達とテレスコピック機構への駆動力伝達を切り替えることができる。また、電動モータ10自身をスイッチとして使用するため、別途スイッチ部材を設けなくてもよく、よりコスト低減を図ることができる。
本発明の第1実施形態に係るステアリング装置の側面図である。 本発明の第1実施形態に係るステアリング装置の底面図である。 第1実施形態に係るステアリング装置のハウジングおよびその周辺の詳細を図1の方向から示した断面拡大図である。 第1実施形態に係るステアリング装置のハウジング付近の詳細を図2の方向から示した一部破断拡大図である。 第1実施形態に係るステアリング装置に用いるスイッチの拡大図であり、(a)はステアリング装置を図4に示した方向から見たスイッチの拡大図、(b)は(a)のA方向矢視図である。 スイッチの支持構造の一例を示す部分断面図である。 第1実施形態に係るステアリング装置に用いるスイッチカバーの正面図である。 第1実施形態に係るステアリング装置に用いるスイッチの接点構造を示す図である。 本発明の第2実施形態に係るステアリング装置の側面図である。 本発明の第2実施形態に係るステアリング装置の底面図である。 第2実施形態に係るステアリング装置を図9の方向から見た場合のハウジング付近の構造の詳細を示す断面図である。 図10に示すステアリング装置のハウジングおよびチルトスクリューが配置されている付近の部分破断底面図である。 第2実施形態に係るステアリング装置に用いるクラッチレバーの斜視図である。 第2実施形態に係るステアリング装置に用いるスイッチの斜視図である。 第2実施形態に係るステアリング装置に用いるスイッチの接点構造を示す図である。 本発明の第3実施形態に係るステアリング装置の側面図である。 図16の矢印A方向から見たハウジングの内部構造および電動モータを示す部分断面図である。 図16の矢印B方向から見たハウジングの内部構造および電動モータを示す部分断面図である。 第3実施形態に係るステアリング装置のハウジング内に支持される第1、第2チルト用伝達歯車、第1、第2テレスコ用伝達歯車および入力歯車の配置状態を示す正面図である。
符号の説明
1,2,3…ステアリング装置、10…電動モータ、11…操作つまみ、25…連結ロッド、70…スイッチ、71…スイッチアーム、71a…第1操作アーム(第1操作指)、71b…第2操作アーム(第2操作指)、71d…第3操作アーム(第2操作指)、72…操作つまみ、74…スイッチ接点、80…ケーブル(操作力伝達手段、連結部材)、80a…第1ケーブル(操作力伝達手段、連結部材)、80b…第2ケーブル(操作力伝達手段、連結部材)、110,210,310…コラムチューブ、111,211,311…第1チューブ、112,212,312…第2チューブ、113…第3チューブ、120,220,320…ステアリングシャフト、121,221,321…第1シャフト、122,222,322…第2シャフト、123…第3シャフト、130,230,330…ハウジング、140,240…クラッチ部材、140a,240a…嵌合部、140b,240b…クラッチ部、140c,240c…表面、240d…裏面、142,242…クラッチレバー、144,244,355…テレスコスクリュー、145,245,356…テレスコナット、146,246,350…チルトスクリュー、147,247,351…チルトナット、212c,312c…取り付け用の孔、248…円板部材、251…リンク部材、341…入力歯車(クラッチ部材)、342a…第1チルト用伝達歯車、342b…第2チルト用伝達歯車、343a…第1テレスコ用伝達歯車、343b…第2テレスコ用伝達歯車、344…チルト用出力歯車、345…テレスコ用出力歯車、346…チルト用連結ロッド、347…テレスコ用連結ロッド、348…チルト用ウォームギヤ、349…チルト用ウォームホイール、352…チルトブラケット、353…テレスコ用ウォームギヤ、354…テレスコ用ウォームホイール、741a…第1可動接点、741b…第2可動接点、741c…第3可動接点、741d…第4可動接点、742a…第1固定接点、742b…第2固定接点、742c…第3固定接点、742d…第4固定接点、

Claims (5)

  1. 電動モータから出力される回転トルクにより作動してステアリングホイールの車両上下方向位置を調整するチルト機構と、前記電動モータから出力される回転トルクにより作動して前記ステアリングホイールの車両前後方向位置を調整するテレスコピック機構と、前記電動モータから出力される回転トルクを前記チルト機構に伝達可能な位置であるチルト伝達位置と前記テレスコピック機構に伝達可能な位置であるテレスコピック伝達位置とに変位可能なクラッチ部材と、を備えるステアリング装置において、
    操作者により操作され、中立状態、チルト作動状態およびテレスコピック作動状態のいずれの配置状態をも採り得る操作つまみと、前記操作つまみの配置状態が前記中立状態から前記チルト作動状態に配置状態変化したとき、および、前記中立状態から前記テレスコピック作動状態に配置状態変化したときに前記電動モータを非通電状態から通電状態に切り替える第1操作指とを備えるスイッチと、
    前記操作つまみの配置状態を前記中立状態から前記チルト作動状態へと配置状態変化させるときに操作者が加える操作力または前記操作つまみの配置状態を前記中立状態から前記テレスコピック作動状態へと配置状態変化させるときに操作者が加える操作力の少なくとも一方の操作力を前記クラッチ部材に伝達して前記クラッチ部材を前記チルト伝達位置または前記テレスコピック伝達位置に変位させる操作力伝達手段と、
    を備えることを特徴とする、ステアリング装置。
  2. 請求項1に記載のステアリング装置において、
    前記スイッチは、前記操作つまみを前記中立状態から前記チルト作動状態へ配置状態変化させるときに操作者から加えられる操作力、および、前記操作つまみを前記中立状態から前記チルト作動状態へ配置状態変化させるときに操作者から加えられる操作力、の少なくとも一方の操作力により変位する変位部を有する第2操作指を備え、
    前記操作力伝達手段は前記第2操作指と前記クラッチ部材とを連結する連結部材であることを特徴とする、ステアリング装置。
  3. 請求項1または2に記載のステアリング装置において、
    前記チルト作動状態は第1のチルト作動状態および第2のチルト作動状態を含み、
    前記前記テレスコピック作動状態は第1のテレスコピック作動状態および第2のテレスコピック作動状態を含み、
    前記第1操作指は、前記操作つまみが前記中立状態から前記第1のチルト作動状態へ配置状態変化したときまたは前記中立状態から前記第1のテレスコピック作動状態へ配置状態変化したときに、前記電動モータを非通電状態から順回転するような通電状態に切り替え、前記操作つまみが前記中立状態から前記第2のチルト作動状態へ配置状態変化したときまたは前記中立状態から前記第2のテレスコピック作動状態へ配置状態変化したときに、前記電動モータを非通電状態から逆回転するような通電状態に切り替えることを特徴とする、ステアリング装置。
  4. 請求項3に記載のステアリング装置において、
    前記第1のチルト作動状態、前記第2のチルト作動状態、前記第1のテレスコピック作動状態、および前記第2のテレスコピック作動状態は、前記操作つまみが前記中立状態から直交する四方に変位した配置状態であることを特徴とする、ステアリング装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のステアリング装置において、
    前記操作力伝達手段による前記クラッチ部材の変位は、前記第1操作指による前記電動モータの非通電状態から通電状態への切り替え動作よりも先に行われることを特徴とする、ステアリング装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8904902B2 (en) 2010-12-06 2014-12-09 Hyundai Motor Company Unique motor type motor driven column apparatus
WO2020240763A1 (ja) * 2019-05-30 2020-12-03 株式会社ショーワ 車両用電動パワーステアリング装置
WO2022269897A1 (ja) * 2021-06-25 2022-12-29 株式会社ジェイテクト ステアリングコラム装置

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