JP2005247020A - ステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 単一のモータを用いた簡素な構成により、テレスコ動作とチルト動作とを各別に、又は同時に行わせることを可能とし、またチルト支点の位置の如何に拘らずチルト動作を行わせることができるステアリング装置を提供する。
【解決手段】 テレスコ動作及びチルト動作用のモータ6を、ステアリングコラム1と略直交するモータ軸を有して取付け、このモータ軸の回転を、ステアリングコラム1と略平行をなすテレスコ軸8と、このテレスコ軸8及びモータ軸と略直交するチルト軸7とに各別のクラッチ(テレスコクラッチ81、チルトクラッチ71)を介して伝え.テレスコ軸8の回転によりテレスコ動作を行わせ、チルト軸7の回転によりチルト動作を行わせる。
【選択図】 図2
【解決手段】 テレスコ動作及びチルト動作用のモータ6を、ステアリングコラム1と略直交するモータ軸を有して取付け、このモータ軸の回転を、ステアリングコラム1と略平行をなすテレスコ軸8と、このテレスコ軸8及びモータ軸と略直交するチルト軸7とに各別のクラッチ(テレスコクラッチ81、チルトクラッチ71)を介して伝え.テレスコ軸8の回転によりテレスコ動作を行わせ、チルト軸7の回転によりチルト動作を行わせる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、車両に装備されるステアリング装置に関し、特に、車室内に上下に傾斜支持されたステアリングコラムの上端に取付けた操舵部材の位置を運転者の運転姿勢に合わせて変更すべく、前記ステアリングコラムを伸縮させるテレスコ調節と前記ステアリングコラムを傾動させるチルト調節とが可能に構成されたステアリング装置に関する。
車両の操舵は、運転者によりなされる操舵部材の操作、一般的には、ステアリングホイールの回転操作を、操舵用の車輪の舵取りのために車室の外部に配された舵取機構に伝えて行われる。このような操舵を行わせるためのステアリング装置は、車室の内部に上下に傾斜支持されたステアリングコラムの内部にステアリング軸を支持し、ステアリングコラムの上部に突出するステアリング軸の上端部に、運転者に対面するようにステアリングホイールを取付け、またステアリングコラムの下部に突出するステアリング軸の下端部を舵取機構に連結して構成されている。
このようなステアリング装置においては、操舵部材としてのステアリングホイールの位置を運転者の運転姿勢に合わせて変更すべく、ステアリングコラムを軸長方向に伸縮させるテレスコ調節と、ステアリングコラムの傾斜角度を変更するチルト調節とを可能としたものがあり、更に近年においては、テレスコ及びチルト調節のための動作を電動モータの回転力を利用して行わせるようにしたステアリング装置が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
実開平4−119777号公報
特開2001−199350号公報
特許文献1に開示されたステアリング装置は、テレスコ動作用及びチルト動作用の2つのモータをステアリングコラムの中途に備え、これらのモータの回転をねじ機構により運動変換し、ステアリングコラムの軸長方向に延設された各別のねじ軸の進退動作に変換して、テレスコ用のねじ軸によりステアリングコラムの中途に設けた伸縮部を押し引きしてテレスコ動作を行わせ、同様に、チルト用のねじ軸によりステアリングコラムの中途に設けた屈曲部を押し引きしてチルト動作を行わせる構成となっている。
しかしながらこの構成においては、ステアリングコラムの中途に2つのモータの配設位置を確保することが難しい上、これらのモータの存在がステアリングコラムの重量増及びコスト増を招来するという問題がある。
特許文献2に開示されたステアリング装置は、テレスコ動作及びチルト動作のために兼用される1つのモータをステアリングコラムの中途に備え、このモータの回転を、ステアリングコラムの軸長方向に延設され、夫々が同軸に配されたテレスコ及びチルト動作用の2つの回転軸にクラッチを介して選択的に伝え、夫々の回転軸の回転をねじ機構により運動変換してテレスコ又はチルト動作を行わせる構成となっている。
この構成においては、ステアリングコラムの中途へのモータの配設が容易となり、重量軽減を図ることが可能となるが、同軸上にて2位置に切換え可能なクラッチの構成が複雑となる上、テレスコ動作とチルト動作とを同時に行わせることができず、所望の位置にステアリングホイールを位置決めするまでの間に、テレスコ動作及びチルト動作のための操作の繰返しが必要となる虞れがあり、使い勝手が悪いという問題がある。
更に、特許文献1、2に開示された構成は、共に、チルト動作のための揺動支点(チルト支点)となすべく、前述の如く、ステアリングコラムの中途に屈曲部を設けたステアリング装置、所謂、部分揺動型のステアリング装置に限って適用可能であり、ステアリングコラムの下端の支持部をチルト支点としてチルト動作を行わせ、ステアリングコラム中途の屈曲部を不要として構成の簡素化を図ったステアリング装置、所謂、全体揺動型のステアリング装置への適用が難しいという問題がある。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、単一のモータを用いた簡素な構成により、テレスコ動作及びチルト動作を各別に、又は同時に行わせることが可能であり、また部分揺動型及び全体揺動型の如何に拘らず適用可能なテレスコ及びチルト調節機構を備えるステアリング装置を提供することを目的とする。
本発明の第1発明に係るステアリング装置は、車室の内部に上下に傾斜支持されたステアリングコラムを軸長方向に伸縮させ、前記ステアリングコラムの上部に突出するステアリング軸の端部に取り付けられた操舵部材の位置を調節するテレスコ動作と、前記ステアリングコラムを軸心を含む面内にて傾動させ、前記操舵部材の位置を調節するチルト動作とを、前記ステアリングコラムに固定された単一のモータからの伝動により行わせる構成としてあるステアリング装置において、前記ステアリングコラムと略直交し、前記モータからの伝動により回転するモータ軸と、前記ステアリングコラムと略平行をなし、前記モータ軸からの伝動により回転するテレスコ軸と、該テレスコ軸及び前記モータ軸と略直交し、該モータ軸からの伝動により回転するチルト軸と、該チルト軸及び前記テレスコ軸の回転を、前記チルト動作及びテレスコ動作に夫々変換する運動変換手段と、前記モータ軸と前記テレスコ軸及びチルト軸とを各別に係断するクラッチとを備えることを特徴とする。
本発明においては、テレスコ及びチルト動作のためのモータをステアリングコラムの中途に、モータ軸をステアリングコラムと略直交させて取付け、該モータ軸を、ステアリングコラムと略平行をなすテレスコ軸と、このテレスコ軸及びモータ軸と略直交するチルト軸とに伝動構成し、各別のクラッチの係合によりテレスコ軸とチルト軸とを単独に、又は同時に回転させて、これらの回転を運動変換してステアリングコラムに伝えテレスコ動作又は/及びチルト動作を行わせる。
また本発明の第2発明に係るステアリング装置は、車室の内部に上下に傾斜支持されたステアリングコラムを軸長方向に伸縮させ、前記ステアリングコラムの上部に突出するステアリング軸の端部に取り付けられた操舵部材の位置を調節するテレスコ動作と、前記ステアリングコラムを軸心を含む面内にて傾動させ、前記操舵部材の位置を調節するチルト動作とを、前記ステアリングコラムに固定された単一のモータからの伝動により行わせる構成としてあるステアリング装置において、前記ステアリングコラムと略平行をなし、前記モータからの伝動により回転するモータ軸と、該モータ軸と同軸をなし、該モータ軸からの伝動により回転するテレスコ軸と、該テレスコ軸及び前記モータ軸と略直交し、該モータ軸からの伝動により回転するチルト軸と、該チルト軸及び前記テレスコ軸の回転を、前記チルト動作及びテレスコ動作に夫々変換する運動変換手段と、前記モータ軸と前記テレスコ軸及びチルト軸とを各別に係断するクラッチとを備えることを特徴とする。
本発明においては、テレスコ及びチルト動作のためのモータをステアリングコラムの中途に、モータ軸がステアリングコラムと平行をなすように取付け、該モータ軸を、これと同軸をなすテレスコ軸と、該テレスコ軸及びモータ軸と略直交するチルト軸とに伝動構成し、各別のクラッチの係合によりテレスコ軸とチルト軸とを単独に、又は同時に回転させて、これらの回転を運動変換してステアリングコラムに伝えテレスコ動作又は/及びチルト動作を行わせる。
更に本発明の第3発明に係るステアリング装置は、第1又は第2発明におけるクラッチが、乾式単板電磁クラッチであることを特徴とする。
この発明においては、テレスコ軸及びチルト軸とモータ軸とを係断するクラッチとして乾式単板電磁クラッチを用い、小型軽量化を図り、メインテナンスを不要とする。
本発明に係るステアリング装置においては、互いに略直交するテレスコ軸及びチルト軸を各別のクラッチの係断によりモータ軸と係断する構成としたから、単一のモータを用いた簡素な構成により、テレスコ動作及びチルト動作を各別に、又は同時に行わせることができ、操舵部材の位置調整を速やかに行わせることができ使い勝手が向上すると共に、チルト支点の位置の如何に拘らず実現可能であり、ステアリングコラム全体を揺動させる全体揺動型への適用が可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係るステアリング装置の全体構成を示す模式図である。なお以下の説明においては、ステアリング装置を操作する運転者を基準として、前後、上下及び左右を方向を示す用語として使用する。
図中1は、ステアリングコラム1であり、該ステアリングコラム1は、筒形をなすコラムコラムハウジング11と、該コラムハウジング11の内部に回転自在に支持されたステアリング軸10とを備え、車体に固定されたアッパブラケット2及びロアブラケット3によりコラムハウジング11の中途部及び一側端部を夫々支えて、ロアブラケット3による支持側を前下方に向けた傾斜姿勢にて車室の内部に取付けられている。
コラムハウジング11の上部に突出するステアリング軸10の上端部には、操舵部材としてのステアリングホイール12が、車室内部の運転者の前方に対面し、把持操作が可能なように嵌着固定されている。またコラムハウジング11の下部に突出するステアリング軸10の下端部は、車室の前方外部に配された舵取機構4の入力軸40に、軸心を交叉及び偏心させて対向させてあり、これらは、両端に自在継手50,50を備える中間軸5を介して回転伝達可能に連結されている。
以上の構成により操舵のために運転者がステアリングホイール12に加えられる操舵トルクは、ステアリング軸10及び中間軸5を介して舵取機構4の入力軸40に伝達され、該舵取機構4の動作により操舵が実行される。
なお図1に示すステアリング装置は、コラムハウジング11の下端部近傍に操舵補助用のモータ13を備え、また該モータ13よりも上位置のコラムハウジング11の内部にトルクセンサ14を備えており、ステアリングホイール12に加えられる操舵トルクをトルクセンサ14により検出し、この検出トルクに基づいて駆動されるモータ13の回転力をコラムハウジング11内部のステアリング軸10に伝え、前述の如く行われる操舵を補助する電動パワーステアリング装置として構成されているが、以下に示す本発明の特徴的な構成は、運転者によりステアリングホイール12に加えられる操舵トルクのみによって操舵を行わせるマニュアル式のステアリング装置にも適用可能であり、また舵取機構4に付設された油圧シリンダの発生力により操舵を補助する油圧パワーステアリング装置にも適用可能である。
以上の如く構成されたステアリング装置は、運転者により操作されるステアリングホイール12の位置を、運転姿勢に合わせて上下及び前後に変更すべく、ステアリングコラム1を軸長方向に伸縮させるテレスコ調節と、ステアリングコラム1の傾斜角度を変更するチルト調節とが可能としてあり、これらの調節動作をコラムハウジング11の中途に固定された単一のモータ6からの伝動により行わせるための以下に示す構成を有している。
ステアリングコラム1のコラムハウジング11は、図1に示す如く、適長に亘って内外に嵌め合わされた内筒 11a及び外筒 11bの嵌合部を備え、またコラムハウジング11の内部に支持されたステアリング軸10も同様の嵌合部を備えており、モータ6からの伝動による以下に示すテレスコ動作は、前記嵌合部の嵌め合い長さの増減により許容されるようになしてある。
一方ロアブラケット3によるコラムハウジング11の下端部の支持は、図1に示す如く、ステアリングコラムの軸長方向と直交し、左右方向に延びる支持ピン30を介してなされており、モータ6からの伝動による以下に示すチルト動作は、支持ピン30を枢軸としてステアリングコラム1全体を上下方向に揺動せしめて行われる。
テレスコ動作及びチルト動作の駆動源となるモータ6は、コラムハウジング11のアッパブラケット2による支持部近傍に取付けてある。図2は、アッパブラケット2による支持部近傍の拡大図であり、図3は、図2の III−III 線による矢視図である。
図2に示す如くアッパブラケット2は、車体に固定された固定板20と、該固定板20から下方に垂下された支持板21とを備えており、支持板21には、下部が開放されて上下に延びる支持孔22が設けてある。コラムハウジング11は、この支持孔22内に挿通され、左右方向には移動不可であり、上下及び前後方向の移動可能に支持されている。図2中には、支持孔22の上縁が破線により示してあり、コラムハウジング11の上下動は、この上縁との当接を上限として生じるようにしてある。
コラムハウジング11の上半部を構成する外筒 11bの下部右側には、モータブラケット60が突設されている。テレスコ動作及びチルト動作用のモータ6は、このモータブラケット60に固定されており、外筒 11bの下位置を横切って左右方向に延び、外筒 11bの左側に突出するモータ6のモータ軸62の先端には、適長のウォーム61が一体形成されている。
また外筒 11bの下部左側には、下方に向けてチルトブラケット70が突設されており、このチルトブラケット70には、アッパブラケット2の支持板21の前面に沿って上方に延びるチルト軸7が支持されている。チルト軸7の下端部には、チルトブラケット70への支持台を兼ねるチルトクラッチ71が連設されており、該チルトクラッチ71の上部には、前記ウォーム61の中途部に後側から噛合するウォームホイール72が、チルト軸7と同軸をなして付設されている。なお図2及び図3においては、図面の煩雑化を防ぐべく、チルト軸7がチルトブラケット70により片持ち支持された軸であるかの如くに図示されているが、該チルト軸7は、外筒 11bの対応する部分に一体に突設されたブラケットにより上端部近傍を支持し、上下二か所にて両持ち支持された軸とするのが望ましい。
チルトクラッチ71は、外部からの動作信号の入力に応じて係合動作をなす電磁クラッチであり、係合時にウォームホイール72とチルト軸7とを一体に連結するように構成されている。なおチルトクラッチ71としては、小型軽量であり、メインテナンスが不要な乾式単板電磁クラッチを用いるのが望ましい。
チルト軸7の上部には、運動変換手段を構成するねじ部75が適長に亘って設けてあり、このねじ部75は、アッパブラケット2の支持板21の前面に取付けられ、運動変換手段を構成する円筒形の受け筒73に螺合させてある。受け筒73は、支持板21の前面に固設された一対のブラケット74,74により、左右方向の軸回りに回転自在であり、また前後方向の長孔に沿って移動自在に支持されており、チルト軸7は、受け筒73の軸長方向の略中央に径方向に貫通形成されたねじ孔に螺合させてある。
一方コラムハウジング11の下半部を構成する内筒 11aの中途部には、左下方に突出するテレスコブラケット80が設けてあり、このテレスコブラケット80と、アッパブラケット2の支持板21との間にテレスコ軸8が架設されている。テレスコ軸8は、一端部から適長に亘って形成され、運動変換手段を構成するねじ部84を備えるねじ軸であり、このテレスコ軸8の架設は、テレスコブラケット80の該当位置に固設され、運動変換手段を構成するナット部材83にねじ部を螺合させ、コラムハウジング11の左側に沿って後上方に延設された他端部を、アッパブラケット2の支持板21の対応位置に固設された軸受ボックス23により回転自在に支持してなされている。
このように架設されたテレスコ軸8の中途部には、テレスコクラッチ81が介装されており、該テレスコクラッチ81の一側には、前記ウォーム61の先端近傍に上側から噛合するウォームホイール82が、テレスコ軸8と同軸をなして付設されている。テレスコクラッチ81は、チルトクラッチ71と同様に、外部からの動作信号の入力に応じて係合動作をなす電磁クラッチであり、係合時にウォームホイール82とテレスコ軸8とを一体に連結するように構成されている。なおテレスコクラッチ81としても、小型軽量であり、メインテナンスが不要な乾式単板電磁クラッチを用いるのが望ましい。
以上の構成によりモータ6が回転駆動された場合、モータ軸62に一体形成されたウォーム61が回転し、この回転は、該ウォーム61に上側及び後側から噛合するウォームホイール82,72に伝達される。ウォームホイール82,72の回転は、夫々が付設されたチルトクラッチ71又はテレスコクラッチ81の係合を条件としてチルト軸7又はテレスコ軸8に伝えられ、これらが夫々の軸回りに回転し、チルト軸7の回転に応じてチルト動作が、またテレスコ軸8の回転に応じてテレスコ動作が、夫々以下に示す如く行われる。
前述の如くチルト動作は、チルトクラッチ71の係合時にモータ6からの伝動に応じてチルト軸7が回転することにより生じる。チルト軸7は、チルトブラケット70を介してコラムハウジング11に支持され、またアッパブラケット2に取付けられた受け筒73に螺合させてあるから、チルト軸7が回転せしめられた場合、これに螺合する受け筒73を介してアッパブラケット2に押し引き力が加えられる。
アッパブラケット2は車体に固定されているため、チルト軸7を支持するコラムハウジング11が、前記押し引き力の反力の作用により、図2中に矢符により示す如く、チルト軸7の軸長方向、即ち、上下方向に押し引きされる。ここでコラムハウジング11は、下端の支持ピン30を枢軸として上下方向に揺動可能であり、チルト軸7が回転せしめられた場合、コラムハウジング11、即ち、ステアリングコラム1は、支持ピン30をチルト支点とし、チルト軸7に設けたねじ部の長さ範囲内にて揺動して傾斜角度を変える。このようにして、ステアリングコラム1の上部に突出するステアリング軸10の後端に取り付けられたステアリングホイール12を上下方向に位置調整するためのチルト動作が行われる。
以上のチルト動作は、ステアリングコラム1の揺動を伴うから、該ステアリングコラム1に支持されたチルト軸7の角度は、車体に固定されたアッパブラケット2に対して相対的に変化する。このときチルト軸7が螺合させてある受け筒73は、左右方向の軸回りに回転して前記相対角度の変化を許容する作用をなす。
またテレスコ動作は、テレスコクラッチ81の係合時にモータ6からの伝動に応じてテレスコ軸8が回転することにより生じる。テレスコ軸8は、アッパブラケット2とコラムハウジング11の内筒 11aに突設されたテレスコブラケット80との間に架設され、テレスコブラケット80に固設されたナット部材83に螺合させてあるから、テレスコ軸8が回転せしめられた場合、コラムハウジング11の外筒 11bが、テレスコ軸8の軸長方向、即ち、コラムハウジング11の軸長方向に, 図2中に白抜矢符にて示す如く押し引きされる。
コラムハウジング11は、前述の如く、内筒 11a及び外筒 11bの嵌め合い長さの増減により軸長方向への伸縮が可能であり、コラムハウジング11内部のステアリング軸10も同様に伸縮可能であるから、テレスコ軸8が回転せしめられた場合、ステアリングコラム1は、車体に固定されたアッパブラケット2を支えとして伸縮し、ステアリング軸10の後端に取り付けられたステアリングホイール12を前後方向に位置調整するためのテレスコ動作が行われる。
このように本発明に係るステアリング装置においては、単一のモータ6からの伝動により、テレスコ動作及びチルト動作が行われる。これらの動作は、各別のクラッチ手段(テレスコクラッチ81及びチルトクラッチ71)の係合によりなされるから、夫々のクラッチ手段を単独に係合せしめてテレスコとチルト動作とを独立して行わせることができる上、両クラッチ手段の同時係合により、テレスコ動作とチルト動作とを同時に行わせることも可能であり、所望の位置へのステアリングホイール12の位置調整を、速やかに、しかも確実に行わせることができる。
また前述の如く行われるチルト動作は、支持ブラケットとしてのアッパブラケット2を支えとしてステアリングコラム1を上下動させる動作であり、実施の形態に示す如く、下端のチルト支点を枢軸としてステアリングコラム1全体が揺動する全体揺動型への適用が可能である。ステアリングコラム1の中途にチルト支点を備える部分揺動型への適用も可能であることは言うまでもない。
図4及び図5は、本発明に係るステアリング装置の他の実施の形態を示す図であり、図4は、アッパブラケット2による支持部近傍の拡大図であり、図5は、図4のV−V線による矢視図である。
この実施の形態において、アッパブラケット2の構成、及びチルト軸7、チルトクラッチ71等のチルト動作のための動作変換機構の構成は、図2及び図3に示す実施の形態と同様であり、対応する構成部材に図2及び図3と同一の参照符号を付して説明を省略する。
テレスコ動作及びチルト動作用のモータ6は、コラムハウジング11の下半部を構成する内筒 11aの中途部に左下方に突設されたモータブラケット60に固定してある。該モータ6のモータ軸62は、コラムハウジング11の左側に沿って後方に延設されている。
コラムハウジング11の上半部を構成する外筒 11bの中途部には、モータブラケット60と対応するように左下方にテレスコブラケット80が突設されている。チルト軸8は、運動変換手段としてのねじ部85を外面に有する中空軸であり、テレスコブラケット80に固設された運動変換手段としてのナット部材83に螺合させてある。モータ6のモータ軸62は、チルト軸8の内部に同軸的に挿通され、該チルト軸8の上端部に付設されたテレスコクラッチ81により連結されている。テレスコクラッチ81は、外部からの動作信号の入力に応じて係合動作をなす電磁クラッチであり、係合時にモータ軸62とチルト軸8とを一体に連結するように構成されている。
なお、モータ6のモータ軸の中途には適長のウォーム61が一体形成されており、このウォーム61が、チルト軸7の下端に設けたウォームホイール72に噛合させてあり、モータ6の回転は、ウォームホイール72に付設されたチルトクラッチ71の係合によりチルト軸7に伝達されるようになしてある。この構成は、図2及び図3に示す実施の形態と同様であり、この伝動によるチルト動作も全く同様に行われる。また図4及び図5においては、図面の煩雑化を防ぐべく、チルト軸7がチルトブラケット70により片持ち支持された軸であるかの如くに図示されているが、該チルト軸7も、図2及び図3に示す実施の形態と同様に、外筒 11bの対応する部分に一体に突設されたブラケットにより上端部近傍を支持し、上下二か所にて両持ち支持された軸とするのが望ましい。
一方、テレスコクラッチ81が係合された場合、モータ6のモータ軸62の回転は、これと同軸をなすテレスコ軸8に伝えられ、該テレスコ軸8が回転する。テレスコ軸8は、コラムハウジング11の外筒 11aに突設されたテレスコブラケット80に固設されたナット部材83に螺合しており、テレスコブラケット80は、モータ6のモータ軸62を介してコラムハウジング11の内筒 11aに突設されたモータハウジング60と連絡されている。
従って、テレスコ軸8が回転せしめられた場合、テレスコブラケット80が突設されたコラムハウジング11の外筒 11bが、テレスコ軸8に螺合するナット部材83を介して、図4中に白抜矢符にて示す如く軸長方向に押し引きされ、コラムハウジング11の内筒 11aに突設されたモータハウジング60に接離せしめられ、コラムハウジング11は、内筒 11a及び外筒 11bの嵌め合い長さの増減を伴って、内部に支持されたステアリング軸10と共に伸縮し、ステアリングホイール12を前後方向に位置調整するためのテレスコ動作が行われる。
この実施の形態においても、単一のモータ6からの伝動により、テレスコ動作及びチルト動作を行わせることができ、これらの動作は、各別のクラッチ手段(テレスコクラッチ81及びチルトクラッチ71)の係合によりなされるから、テレスコ動作とチルト動作とを独立して行わせることもでき、また同時に行わせることも可能であり、所望の位置へのステアリングホイール12の位置調整を、速やかに、しかも確実に行わせることができる。
またチルト動作は、図2及び図3に示す実施の形態と全く同様に、チルト支点の位置の如何に拘らず実現可能であり、全体揺動型及び部分揺動型の双方への適用が可能である。
1 ステアリングコラム
6 モータ
7 チルト軸
8 テレスコ軸
12 ステアリングホイール(操舵部材)
62 モータ軸
71 チルトクラッチ(クラッチ)
73 受け筒(運動変換手段)
75 ねじ部(運動変換手段)
81 テレスコクラッチ(クラッチ)
83 ナット部材(運動変換手段)
84 ねじ部(運動変換手段)
85 ねじ部(運動変換手段)
6 モータ
7 チルト軸
8 テレスコ軸
12 ステアリングホイール(操舵部材)
62 モータ軸
71 チルトクラッチ(クラッチ)
73 受け筒(運動変換手段)
75 ねじ部(運動変換手段)
81 テレスコクラッチ(クラッチ)
83 ナット部材(運動変換手段)
84 ねじ部(運動変換手段)
85 ねじ部(運動変換手段)
Claims (3)
- 車室の内部に上下に傾斜支持されたステアリングコラムを軸長方向に伸縮させ、前記ステアリングコラムの上部に突出するステアリング軸の端部に取り付けられた操舵部材の位置を調節するテレスコ動作と、前記ステアリングコラムを軸心を含む面内にて傾動させ、前記操舵部材の位置を調節するチルト動作とを、前記ステアリングコラムに固定された単一のモータからの伝動により行わせる構成としてあるステアリング装置において、
前記ステアリングコラムと略直交し、前記モータからの伝動により回転するモータ軸と、
前記ステアリングコラムと略平行をなし、前記モータ軸からの伝動により回転するテレスコ軸と、
該テレスコ軸及び前記モータ軸と略直交し、該モータ軸からの伝動により回転するチルト軸と、
該チルト軸及び前記テレスコ軸の回転を、前記チルト動作及びテレスコ動作に夫々変換する運動変換手段と、
前記モータ軸と前記テレスコ軸及びチルト軸とを各別に係断するクラッチと
を備えることを特徴とするステアリング装置。 - 車室の内部に上下に傾斜支持されたステアリングコラムを軸長方向に伸縮させ、前記ステアリングコラムの上部に突出するステアリング軸の端部に取り付けられた操舵部材の位置を調節するテレスコ動作と、前記ステアリングコラムを軸心を含む面内にて傾動させ、前記操舵部材の位置を調節するチルト動作とを、前記ステアリングコラムに固定された単一のモータからの伝動により行わせる構成としてあるステアリング装置において、
前記ステアリングコラムと略平行をなし、前記モータからの伝動により回転するモータ軸と、
該モータ軸と同軸をなし、該モータ軸からの伝動により回転するテレスコ軸と、
該テレスコ軸及び前記モータ軸と略直交し、該モータ軸からの伝動により回転するチルト軸と、
該チルト軸及び前記テレスコ軸の回転を、前記チルト動作及びテレスコ動作に夫々変換する運動変換手段と、
前記モータ軸と前記テレスコ軸及びチルト軸とを各別に係断するクラッチと
を備えることを特徴とするステアリング装置。 - 前記クラッチは、乾式単板電磁クラッチである請求項1又は請求項2記載のステアリング装置。
Priority Applications (1)
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