JP7203621B2 - 引き戸装置 - Google Patents

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本発明は、ビルや住宅等の建造物の出入り口部に建て付けられる引き戸装置の技術分野に関するものである。
一般に、ビルや住宅等の建造物の出入り口部には、戸体を開閉自在に設けて人等の通行(出入り)ができるようにした戸装置が建て付けられることがあるが、このような戸装置のなかには、例えば戸体(ドア体、扉体)の上端縁部に設けた吊りローラ(ハンガーローラ、戸車)を、出入り口部から戸袋部位にまで至る状態で上枠に相当するものとして設けたケース体に内装の吊りレール(ハンガーレール)に左右案内移動(転動)させることで出入り口部の開閉をするようにした所謂引き戸方式の戸装置(引き戸装置)が知られている。
このような引き戸装置においては、例えば前記吊りローラを、騒音防止等の配慮のため樹脂材を原材料として用いて形成することが一般的である。また例えば吊りローラの回転を円滑にするため潤滑剤(グリース)が用いられる場合があるが、これら樹脂材や潤滑剤等は何れも有機化合物であるため可燃性があり、これら可燃性のある部材、つまり可燃性部材(可燃性物質)が、火災発生の際に燃焼して火炎が発生する惧れがある。
さらには引き戸装置のなかには、戸体の開閉を、電動式の開閉装置(自動開閉装置)を備えた自動開閉方式(オートドア方式)のものがあり、また開放した戸体を自動的に閉鎖するための自閉装置を備えることで自閉方式にしたものがあるが、これら開閉装置や自閉装置等を構成するために必要な各種の部材装置には、前記樹脂材や油脂材等の可燃性部材が何らかの状態で用いられているのが一般的であり、火災発生時に、前述した場合と同様、これら可燃性部材が燃焼して火炎が発生する惧れがある。
一方で、このような引き戸装置において、戸体は、出入りをしない通常状態(平常状態、一般状態)では閉鎖(閉戸、閉扉)姿勢になっていることことが多いが、この戸体が閉鎖姿勢になった状態では、前記ケース体の戸袋側半部は、戸体がないため戸体の移動スペースが間隙部(空間部、空隙部)となって開口(開放)したままの状態になっている。
このため前記のような各種の部材装置をケース体内に配設するにあたり、その配設位置を戸袋側半部とした場合、火災時に燃焼した可燃性部材の火炎が前記ケース体の戸袋部側間隙部から直接吹き出たりすることになって延焼(類焼)を助長する等の問題がある。
そこで、前記部材装置のケース体内での配設位置を、戸体を閉鎖状態において該戸体がない戸袋部側ではなく戸体がある出入り口部側の半部にし、これによって火災時に発生した火炎が直接戸袋部側の間隙部から吹き出てしまうことがないよう配慮することになるが、このように配慮したとしても、火災発生時に、前記出入り口部側半部に配される可燃性部材が燃焼した際に発生した火炎が、ケース部内において出入り口部側から戸袋部側に至ったものが、さらに該戸袋部側の間隙部から外部に吹き出てしまう、ということが想定される。
そこで前記のような可燃性部材を有した部材装置を防火性(耐火性)があるカバー材で被覆するようにし、これによって火災発生時に可燃性部材の燃焼を回避(遅延)できるようにしたものが提唱されている(例えば特許文献1参照。)。
特開2017-8580号公報
ところで前記従来のものは有効な防火対策の一つとして効果が期待されてはいるが、例えば前述した吊りローラは、吊りレールを転動(移動)するものであるためカバー材で覆って防火対策を図るようなことはできないため、火災発生時に燃焼する惧れがあり、また可燃性部材を有するものをカバー材で覆ったとしても、完全には燃焼を抑制できないのが実情である。このため出入り口部側に配したこれら部材装置や吊りローラが燃焼したような場合に、その火炎が、隣り(近傍)の戸袋部側に至って該側の間隙部からケース体外に吹き出し、これによって延焼を助長する惧れが依然としてあり、ここに本発明の解決すべき課題がある。
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、戸体と、戸先側の出入り口部と戸尻側の戸袋部との上端部間に亘って設けられ、下端縁が間隙部を存するようにして形成されたケース体とを備え、戸体の上端縁部が前記間隙部に遊嵌する状態で戸体が左右移動することにより出入り口部の開閉をするように構成した引き戸装置において、前記出入り口部側のケース体内に、ケース体の出入り口部側内部で発生した火炎が戸袋部側に至るのを遮炎する遮炎体を設けるにあたり、戸体の上端面部には、ケース体に内装の吊りレールを転動する複数の吊りローラが設けられ、これら吊りローラのうち最も戸尻側に位置する戸尻端側吊りローラは、ケース体内の出入り口部側部位に配される可燃性部材のうち、燃焼したときの火炎が戸袋部側に至る状態で燃焼可能な最も戸袋部側に位置する可燃性部材であり、遮炎体は、前記戸尻端側吊りローラの戸尻側部位を中心として上下両側、正面側、および背面側の四方の遮炎をする板面部を備えることを特徴とする引き戸装置である。
請求項2の発明は、戸体と、戸先側の出入り口部と戸尻側の戸袋部との上端部間に亘って設けられ、下端縁が間隙部を存するようにして形成されたケース体とを備え、戸体の上端縁部が前記間隙部に遊嵌する状態で戸体が左右移動することにより出入り口部の開閉をするように構成した引き戸装置において、前記出入り口部側のケース体内に、ケース体の出入り口部側内部で発生した火炎が戸袋部側に至るのを遮炎する遮炎体を設けるにあたり、戸体の上端面部には、ケース体に内装の吊りレールを転動する複数の吊りローラが設けられ、これら吊りローラのうち最も戸尻側に位置する戸尻端側吊りローラは、ケース体内の出入り口部側部位に配される可燃性部材のうち、燃焼したときの火炎が戸袋部側に至る状態で燃焼可能な最も戸袋部側に位置する可燃性部材であり、遮炎体には、前記戸尻端側吊りローラ部位の上方を覆う上側覆い部が設けられていることを特徴とする引き戸装置である。
請求項3の発明は、遮炎体には、戸尻端側吊りローラ部位の正面側、背面側の少なくとも一方を覆う側面側覆い部が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の引き戸装置である。
請求項4の発明は、遮炎体は、戸体側に取付けられていて戸体と一体に移動することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1記載の引き戸装置である。
請求項5の発明は、炎体には、戸尻端側吊りローラの戸尻側部位を覆う戸尻側覆い部が設けられていることを特徴とする請求項記載の引き戸装置である。
請求項6の発明は、戸体と、戸先側の出入り口部と戸尻側の戸袋部との上端部間に亘って設けられ、下端縁が間隙部を存するようにして形成されたケース体とを備え、戸体の上端縁部が前記間隙部に遊嵌する状態で戸体が左右移動することにより出入り口部の開閉をするように構成した引き戸装置において、前記出入り口部側のケース体内に、ケース体の出入り口部側内部で発生した火炎が戸袋部側に至るのを遮炎する遮炎体を設けるにあたり、遮炎体は、ケース体側に取付けられた第一遮炎体と、戸体側に取付けられていて戸体と一体に移動する第二遮炎体とを備えて構成されることを特徴とする引き戸装置である。
請求項7の発明は、第一、第二遮炎体は、戸体が閉鎖姿勢の状態面一状になって遮炎をする板面部同士を備えることを特徴とする請求項記載の引き戸装置である。
請求項8の発明は、戸体の上端面部には、ケース体に内装の吊りレールを転動する複数の吊りローラが設けられ、これら吊りローラのうち最も戸尻側に位置する戸尻端側吊りローラは、ケース体内の出入り口部側部位に配される可燃性部材のうち、燃焼したときの火炎が戸袋部側に至る状態で燃焼可能な最も戸袋部側に位置する可燃性部材であり、第二遮炎体には、戸尻端側吊りローラの戸尻側部位を覆う戸尻側覆い部が設けられていることを特徴とする請求項6または7記載の引き戸装置である
請求項9の発明は、戸体と、戸先側の出入り口部と戸尻側の戸袋部との上端部間に亘って設けられ、下端縁が間隙部を存するようにして形成されたケース体とを備え、戸体の上端縁部が前記間隙部に遊嵌する状態で戸体が左右移動することにより出入り口部の開閉をするように構成した引き戸装置において、前記出入り口部側のケース体内に、ケース体の出入り口部側内部で発生した火炎が戸袋部側に至るのを遮炎する遮炎体を設けるにあたり、遮炎体は、ケース体側に取付けられていることを特徴とする引き戸装置である。
請求項10の発明は、戸体と、戸先側の出入り口部と戸尻側の戸袋部との上端部間に亘って設けられ、下端縁が間隙部を存するようにして形成されたケース体とを備え、戸体の上端縁部が前記間隙部に遊嵌する状態で戸体が左右移動することにより出入り口部の開閉をするように構成した引き戸装置において、前記出入り口部側のケース体内に、ケース体の出入り口部側内部で発生した火炎が戸袋部側に至るのを遮炎する遮炎体を設けるにあたり、ケース体には、戸体の自動開閉を行うため電動式の開閉機と、該開閉機の駆動に伴い移動する伝動体が内装され、遮炎体には、伝動体が貫通するための間隙が設けられていることを特徴とする引き戸装置である。
請求項1の発明とすることにより、ケース体の出入り口部側内で発生した火炎が戸袋部側に至ることを遮炎体によって防止できることになって、防災機能が向上するが、この場合に、遮炎体は、ケース体内の出入り口部側部位に配される可燃性部材のうち最も戸袋部側の可燃性部材である戸尻端側吊りローラの戸尻側部位を中心とした四方の遮炎を行うことになって、遮炎効果の向上が図れる
請求項の発明とすることにより、ケース体の出入り口部側内で発生した火炎が戸袋部側に至ることを遮炎体によって防止できることになって、防災機能が向上するが、この場合に、遮炎体は、ケース体内の出入り口部側部位に配される可燃性部材のうち最も戸袋部側の可燃性部材である戸尻端側吊りローラ部位の上方を上側覆い部で覆って遮炎することができて、遮炎効果の向上が図れることになる。
請求項の発明とすることにより、遮炎体は、戸尻端側吊りローラ部位の正面側、背面側の少なくとも一方を側面側覆い部で覆って遮炎することができ、さらなる遮炎効果の向上が図れることになる。
請求項の発明とすることにより、遮炎体自体が戸体と一体移動するため、移動する戸体に対応させた遮炎体とすることができると共に、遮炎体が戸体側だけの取付けで良いことになる。
請求項の発明とすることにより、戸尻端側吊りローラの戸尻側部位を覆う戸尻側覆い部を設けることができることになって、優れた遮炎効果を発揮するものとなる。
請求項の発明とすることにより、遮炎体が、ケース体側に設けられる第一遮炎体と、戸体側に設けられる第二遮炎体とにより分割されたものとして構成されるため、これら第一、第二遮炎体を、遮炎体をケース体内に組込む際にケース体内に配設される部材装置に邪魔されないよう拡開した形状にできることになって、さらなる遮炎効果の向上が図れることになる。
請求項の発明とすることにより、遮炎体が、前記第一、第二の遮炎体で形成されながら、戸体が閉鎖した状態では第一、第二遮炎体の板面部同士が面一状になる結果、遮炎性能が損なわれることを有効に回避できることになる。
請求項8の発明とすることにより、戸尻端側吊りローラの戸尻側部位を覆う戸尻側覆い部を設けることができることになって、優れた遮炎効果を発揮するものとなる。
請求項の発明とすることにより、遮炎体は、ケース体に設けられた不動のものとしても構成することができ、遮炎体を多様なものとして提供できることになる。
請求項10の発明とすることにより、戸体が電動式のものであった場合に必要となる伝動体を回避した状態の遮炎体を提供できることになって、電動式の引き戸装置においても効果的な遮炎が図れることになる。
引き戸装置の正面図である。 引き戸装置の上部分の正面図である。 引き戸装置の要部縦断側面図である。 戸尻端側吊りローラ部位の拡大正面図である。 戸先側から見た戸尻端側吊りローラ部位の拡大側面図である。 戸尻側から見た戸尻端側吊りローラ部位の拡大側面図である。 戸尻端側吊りローラ部位の拡大平面図である。 戸尻側から見た戸尻端側吊りローラ部位の更なる拡大側面図である。 (A)(B)(C)は第一遮炎体の側面図、平面図、正面図である。 (A)(B)(C)(D)(E)(F)は第二遮炎体の正面図、戸先側から見た側面図、戸尻側から見た側面図、平面図、背面図、斜視図である。 (A)は第一遮炎部の側面図、(B)(C)(D)(E)は第二遮炎部の戸先側から見た側面図、戸尻側から見た側面図、正面図、斜視図である。 第二の実施の形態を示す戸先側から見た戸尻端側吊りローラ部位の拡大側面図である。 第三の実施の形態を示す戸先側から見た戸尻端側吊りローラ部位の拡大側面図である。 第四の実施の形態を示す戸尻側から見た戸尻端側吊りローラ部位の拡大側面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図面において、1は建造物の出入り口部Dを開閉するため設けられる引き戸方式の戸体であって、該戸体1の上端縁部には、戸先側と戸尻側とにそれぞれ一対の吊りローラ3が設けられるが、該吊りローラ3が、左右に隣接する出入り口部Dおよび戸袋部Tの上枠部(上端部)に亘って設けた引き戸装置の上枠に相当するケース体(上ケース)2に内装の左右に長い吊りレール4に案内されて左右移動することで、前記戸体1による出入り口部Dの開閉がなされるようになっているが、このような引き戸装置の構成は何れも従来通りであり、以下、本発明が実施された実施の形態について具体的に詳述する。
尚、前後方向の定義づけについて、便宜上、「正面」側を後述するケース体2の「正面板2b」側、「背面」側をケース体2の「背面板2c」側として説明するが、例えば前後方向一方側、前後方向他方側として記載(表現)することができるものであって、前記記載に限定されるものではないことは言うまでもない。
前記ケース体2は、躯体側に支架されるアングル材5(該アングル材5は、本実施の形態ではケース体2の上面板2a側の前後二箇所と背面板2cの下端部の計三か所であるが、必要において適宜の構成にできることは言うまでもない。)に支持されるものであって、上面板2a、正面板2b、背面板2c、下面板2dを備えて構成されるが、正面板2bは、上面板2aに対して蝶番2eを介して開閉自在に取付けられており、そして該正面板2bを上方に開放することによりケース体2が開口することになってケース体2内のメンテナンスができるようになっている。また下面板2dは前後(正面側と背面側)に二分割されること間隙部Sが形成されているが、該間隙部Sには、戸体1の上端縁部が遊嵌状に嵌入しており、これによって戸体1は、上端縁部がケース体2に内嵌した状態での開閉移動ができるように構成されている。
尚、2fは前記正面板2bと下面板2dの正面側半部とを着脱自在に支持するためのビスである。また、戸体1の上端面部1aには、上ケース下面板2dの間隙部S側端縁に形成した起立片部2gに対して相决り状態となって防火機能を付与するための垂下片部1cが下方に延出する状態で設けられている。
また前記ケース体2内において、背面板2c側の上下アングル材5には、左右方向に適間隔を存して複数の補助枠材5aが連結されており、そしてこの補助枠材5aの正面側部位に縦板状の防火板5bが設けられ、さらに下側のアングル材5の下面に横板状の防火板5cが設けられた構成になっているが、これら防火板5b、5cと、前記上面板2a、背面板2cとでスペース部(中空部、空間部)Uが囲撓形成されている。そして該スペース部Uは、後述する開閉機6の駆動制御をするための制御部7等に対するリード線(図示せず)等の収容物を収容する(配線する)ための空間になっており、このようにすることで、火災が発生した場合にリード線等の収容物を火災からの保護が図ることができるよう配慮されている。
尚、前記縦板状の防火板5bの下端縁部には、後述する吊りレール4におけるレール部4cの下側に位置するよう折曲形成された下側の防火板5dが設けられていて、更なる防火機能の向上を図ることができるようになっている。
さらにケース体2内にはL字形をしたアルミニウム等の金属製の吊りレール4が下側に位置する状態で設けられるが、本実施の形態では、吊りレール4の縦片となる基部4aは、防火板5bを挟む状態で補助枠材5aにボルト4bを介して固定されている一方、下側の横片となっていて、前後方向に幅広状となるレール部4cは、ステンレス等の耐火性(耐熱性)がある金属で被覆されたレール面4dが前記間隙部Sの上方に位置するようにして配されている。そして戸体上端面部1aの戸尻側、戸先側である左右両側部にブラケット3aを介して設けられた前記吊りローラ3が、前記レール面4dを転動することで戸体1の左右開閉移動(作動)がなされるように構成されているが、吊りローラ3は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド等の可燃性(燃焼性)のある樹脂材(可燃性部材、燃焼性部材)を素材(原材料)として用いて形成されている。
尚、吊りレール4のレール部4cの下面部には、吊りローラ3が吊りレール4から外れるのを防止するための外れ防止材4eがさらに設けられている。
因みに、前記吊りローラ3は、前述したように戸尻側、戸先側において、左右一対のものがそれぞれブラケット3aを介して戸体上端面部1aに取付けられることになるが、戸尻側のブラケット3aに支持される左右一対の吊りローラ3のうちの戸尻側の吊りローラ3、つまり本実施の形態において4個ある吊りローラ3のうち、最も戸尻側の吊りローラ3については、以降、これを特定(限定)して説明する必要がある場合、「戸尻端側吊りローラ3b」と記載するものとする。
そして本実施の形態では、この戸尻端側吊りローラ3bが、ケース体2内の出入り口部D側半部(部位)において、燃焼したときに発生する火炎が戸袋部T側に至る可能性(惧れ)のある可燃性部材として設定されている。
またケース体2内の出入り口部D側半部には、前記開閉機6が上下方向中間側に位置し、該開閉機6の駆動制御をするための制御部7が該開閉機6の戸尻側に位置する状態でそれぞれ設けられるが、開閉機6に設けられる駆動ギア6aに一端側が巻回される無端の伝動チエン(伝動ベルト、伝動ワイヤ等の無端の伝動体であればよい。)8の他端側は、戸袋部Tの戸尻側端部に設けた従動ギア6bに巻回されているが、さらに伝動チエン8は、連結金具8aを介して戸尻側のブラケット3aに連結されている。そして開閉機6が正逆駆動することに伴い伝動チエン8が移動することに連動して吊りローラ3が吊りレール4を左右方向に転動することになり、これによって戸体1の出入り口部Dを開閉するための自動移動ができるようになっている。
さらにケース体2内の出入り口部D側半部には、前記制御部7の上側に位置する状態で自閉装置の本体9が設けられるが、該自閉装置本体9から引出された連結ワイヤ9bの先端部は可動体9aに連結されるが、該可動体9aは、可動体9aに設けた案内ローラ9eが前記縦板状の防火板5bにブラケット9cを介して設けた案内レール9dに移動案内されることで、左右方向移動自在に設けられている一方、戸体の上端面部1aには、戸尻側の吊りローラ3よりも戸尻側に位置する状態で作動金具1dが設けられている。
尚、自閉装置本体9の戸先側には電源ボックス7aが設けられている。
因みに本実施の形態の自閉装置としては、引き戸装置が自動開閉式であるため、可動体9aが常時戸尻側端縁部に位置したものとし、そして火災等の異常が発生した場合に、これを受けて可動体9aを戸体1が閉鎖する戸先側に強制移動させるように構成して、開放姿勢の戸体1を閉鎖させるようにこうしたものを採用しているが、これに限定されないものであることは言うまでもない。
そして例えば、戸体1が手動開閉方式の引き戸装置のものである場合、戸体1が閉鎖している通常状態においては、連結ワイヤ9bが自閉装置本体9に引き込まれた状態になって可動体9aが作動金具1dに対して戸尻側から当接する状態になっており、この状態から戸体1が開放作動をすると、該戸体1と一体移動する作動金具1dが可動体9aに当接する状態となって該可動体9aが連結ワイヤ9bを引き出しながら戸尻側に移動する。そして例えば開放作動している戸体1が全開位置あるいは中途開位置で停止してから所定のタイマ時間(例えば5秒間や10秒間等)経過したことを受けて自閉装置本体9による連結ワイヤ9bの巻取り作動がなされ、これによって開放している戸体1の自閉作動を行うように構成したものを採用することができる。
10は本発明が実施された遮炎体であって、該遮炎体10は、閉鎖姿勢となった戸体1の上端面部1aの上方部位において、戸尻側端縁1bよりも戸先側であって、かつ前記戸尻端側吊りローラ3b部位(位置)よりも戸尻側に位置する状態で配されていて、遮炎体10よりも戸先側に配される可燃性の戸尻端側吊りローラ3bが燃焼することにより発生する火炎が戸袋部T側に至る(流れる、吹き出る)ことを遮炎する(遮る、遮蔽する)ために設けられたもの、つまりケース体2内を、出入り口部Dと戸袋部Tとを仕切るようにして設けられたものであるが、本実施の形態では、背面側に配される不動の第一遮炎体11と、正面側に配される可動の第二遮炎体12とからなる2枚(2種類)の板状体によって戸尻端側吊りローラ3bを中心部品とし、該中心部品の戸袋部T側部位を中心部位としてケース体2のケース内面に向くよう(近接するよう)四方(上下および前後(正面側、背面側)方向)に向けて拡開した板面部を有するものとして構成されており、以下に詳述する。
前記第一遮炎体11は、平面視でL字形をしたものであって、板面が見付け方向を向く基部11aと、戸尻端側吊りローラ3bよりも戸尻側に位置する状態で前記火炎を遮炎するための板面部が前記四方を向くよう拡開した遮炎部11bとを備えて構成され、そして基部11aがボルト(緊締具)11cを介して吊りレール4の基部4aに固定されていることで、第一遮炎体11は不動のものになっている。
つまり前記遮炎部11bは、戸体1の戸尻側端縁1bと前記戸尻端側吊りローラ3bとのあいだに配設される四角板形状をしたものであって、戸尻端側吊りローラ3bの戸袋部T側部位を中心部位(基準部位)とする状態で、該戸尻端側吊りローラ3b部位からケース体2の上面板2a側、並びに背面板2c側に向くよう拡開した板面部を有するものであり、さらに具体的には、上端縁11dが伝動チエン8の上半部よりも上側にあって前記ブラケット9cの下端面に近接し(下端面の近傍に位置し)、正面側縦端縁11eが戸尻端側吊りローラ3bよりも正面側にあって伝動チエン8に近接し(伝動チエン8の近傍)、背面側縦端縁11fが吊りレール4の基部4aに近接または当接する状態で補助枠材5a(躯体側)に設けた縦板状の防火板5bに近接し(防火板5bの近傍)、下端縁11gが吊りレール4のレール部4cに近接した(レール部4cの近傍)位置にそれぞれあり、そして左右移動する吊りローラ3の邪魔にならないよう正面側縦端縁11eと下端縁11gとのあいだのコーナー部位が逆L字形に切欠かれた切欠き部を構成する切欠き上端縁11h、切欠き縦端縁11iが形成されたものになっており、これによって、第一遮炎体11よりも戸先側で発生した火炎が該第一遮炎体11部位を越えて戸袋部T側に至るように吹き出た場合に、戸尻端側吊りローラ3bの上側及び背面側の火炎は、該第一遮炎体11により遮炎されることになって戸袋部T側への吹出しを防止する構成になっている。尚、基部11aにはボルト11cを貫通するための貫通孔11jが形成されている。
一方、第二遮炎体12は、本実施の形態では戸尻側の吊りローラ3のブラケット3aにボルト(緊締具)12cを介して取付けられていて、戸体1と共に左右方向に移動する可動のものであって、該第二遮炎体12は、戸尻端側吊りローラ3bよりも戸尻側に位置する状態で前記火炎を遮炎するための板面部が前記四方を向く板面部を有した平板状の第一遮炎部12aと、逆L字形に形成された第二遮炎部12bとを溶着することで一体化したものとして構成されているが、第一遮炎部12aは、戸体1が閉鎖姿勢になった状態で、前記第一遮炎体11の遮炎部11bと面一状になるよう構成されている。
前記第一遮炎部12aは、戸尻端側吊りローラ3bの戸袋部T側部位を中心部位(基準部位)とする状態で、ケース体2の上面板2a側、正面板2b側、背面板2c側、下面板2d側に向いた板面部を有するものである。
さらに具体的には、正面板2bに近接する側に至って近接状態で対向する正面側縦端縁12dと、伝動チエン8よりも背面側に位置する状態で該伝動チエン8の上半部位置と略同高さか該上半部位置よりも高位であって前記第一遮炎体11の上端縁11dと略同高さの正面側上端縁12eと、第一遮炎体11の下端縁11gよりも低位であって戸体1の上端面部1aに近接対向する下端縁12fと、伝動チエン8に対して正面側から近接対向する背面側上半縦端縁12gと、伝動チエン8の下半部に対して下側から近接対向する中間側上端縁12hと、該中間側上端縁12hに対して段差状に高くなり、戸尻端側吊りローラ3bよりも上側に位置する状態で第一遮炎体11の切欠き上端縁11hに近接対向する背面側上端縁12uと、戸尻端側吊りローラ3bよりも背面板2c側に位置していて第一遮炎体11の切欠き部11hの縦端縁に近接対向する背面側中間縦端縁12iと、該背面側下半縦端縁12iと下端縁12fとのあいだのコーナー部においてレール部4cが内嵌するよう凹溝状に切欠かれた切欠き部12jと、該切欠き部12jの下端縁から続く状態で、前記下側の防火板5dに近接対向する背面側下縦端縁12tとを備えたものとして形成されている。
尚、本実施の形態では、背面側下半縦端縁12iの切欠き部12jより下側縁は、吊りレール4の基部4aとレール部4cとのコーナー部形状に対応すべく背面板2c側への突出量が短いものになっている。
そしてこのように構成することで、第一遮炎体11の正面側縦端縁11eと、第一遮炎部12aの背面側上半縦端縁12gと、中間側上端縁12hとにより、上側が開口した状態で伝動チエン8が貫通するための間隙Vが形成されている。
因みにこのものでは、吊りレール4のレール部4cに、前記切欠き部12jの上端縁12vと対向するよう突片部4fが上方に向けて延出されたものとなっていることで、該突片部4fは、戸尻端側吊りローラ3bが燃焼した場合に発生する火炎が背面板2c側に至るのを遮炎する機能を有しているが、該突片部4fは、第一遮炎体11の下端縁11g側に設けられたものであってもよい。
また前記逆L字形をした第二遮炎部12bは、横板状になっていて、戸尻端側吊りローラ3bに対して上側から近接対向する上片部12kと、該上片部12kの正面側端縁12lから下方に向けて折曲され、戸尻端側吊りローラ3bに対して正面側から近接対向する縦片部12mとを備えて構成されるが、上片部12kの戸先側端縁12nは、戸尻端側吊りローラ3bの戸先側端部位の上方に位置していることにより、該上片部12kは、戸尻端側吊りローラ3bの上側を覆うようになっていて、戸尻端側吊りローラ3bの上側覆い部を構成している。
一方、縦片部12mは、前記ボルト12cを介して戸尻側のブラケット3aに取付けるための貫通孔12qが形成されているが、該縦片部12mの戸先側端縁12oが戸尻端側吊りローラ3bの戸先側端部位に位置し、下端縁12pが吊りレール4におけるレール部4cのレール面4d側半部よりも下側に位置していて戸体上端面部1aに近接対向していることで、戸尻端側吊りローラ3bの正面側部位を覆うようになっていて、該戸尻端側吊りローラ3bの正面側覆い部を構成しているが、縦片部12mの下端縁12pは、さらに下方に延出していて、戸体1の上端面部1aに近接または当接していてもよい。
そして第二遮炎部12bをこの様に構成することにより、戸尻端側吊りローラ3bの上面側および正面側を覆うように構成し、これによって戸尻端側吊りローラ3bが燃焼したときの火炎の該方向からの吹出しを防止する構造になっている。
尚、第二遮炎部12bには、該第二遮炎部12bを第一遮炎部12aに溶着するための熔着片12r、12sが形成されている。そのうちの一方の熔着片12rが垂下する上片部12kの戸尻側端縁12wは、前記第一遮炎部12aの背面側上端縁12uに対して上側からオーバーラップする状態となって設けられていることで、該背面側上端縁12uと一体化した(同じ位置に位置する)状態になっているが、前記戸尻側覆い部Wは、この戸尻側端縁12w(背面側上端縁12u)から垂下する状態で設けられている。
叙述の如く構成された本実施の形態において、戸体1は、上枠となるケース体2内に設けた吊りレール4に吊りローラ3が左右移動することにより出入り口部Dの開閉をすることになるが、このものにおいて戸体1が閉鎖姿勢となっている状態で、火災時に燃焼して火炎が戸袋部T側に至る惧れがある可燃性部材は、ケース体2内の出入り口部D側半部に配される最も戸尻側の吊りローラ3、つまり戸尻端側吊りローラ3bとなるが、この戸尻端側吊りローラ3bよりも戸尻側で、かつ戸体1の戸尻側端縁1bを越えない状態(戸体1の戸尻側端縁1bよりも戸先側に位置する状態)で遮炎体10が設けられているため、前記戸尻端側吊りローラ3bが燃焼することにより火炎が発生したとして、該発生した火炎は遮炎体10により一部または全てが遮られることになって、戸袋部T側に至ることが低減または防止されることになり、この結果、戸体1が位置しておらず開口状態になったケース体2の戸袋部T側間隙部Sから火炎が噴き出てしまうようなことを効果的に(有効に)回避でき、防災機能が向上することになる。
この場合に遮炎体10は、本実施の形態では第一遮炎体11と第二遮炎体12と備えて構成されたものになっているが、これら第一、第二遮炎体11、12は、戸体1が閉鎖姿勢になっているときには、板状体になった第一遮炎体11の遮炎部11bと第二遮炎体12の第一遮炎部12aとが面一状になっていて、ケース体2のケース内面に向けて近接するよう上下方向および正面側、背面側の前後両方向に拡開する広い板状の面を形成したものになっているため、ケース体2内において、出入り口部D側半部において発生した火炎を遮炎することになって、該火炎が出入り口部D側半部から戸袋部T側半部に至ろうとするのを効果的に回避できることになる。
しかもこの場合に遮炎体10は、仮に火炎が戸袋部側に至る状態で燃焼する惧れがある可燃性部材が複数あったとして、このような可燃性部材のうち、最も戸尻側に位置する可燃性部材である戸尻端側吊りローラ3bの戸尻側に配されているため、個々の可燃性部材に対応して遮炎体を設けなくても効果的な遮炎をすることができる。
そのうえ遮炎体10は、前述したように上下方向、前後方向の四方に向けて拡開した板状体になっていて遮炎するものになっているが、その中心部位を戸尻端側吊りローラ3bとしているため、該戸尻端側吊りローラ3bから発生した火炎は勿論のこと、戸尻端側吊りローラ3bよりも戸先側に配された可燃性部材に対する遮炎効果も有効に発揮できることになる。
またこの場合に、第二遮炎体12に設けられる上片部12kは、戸尻端側吊りローラ3b部位の上方を覆う上側覆い部となっている結果、戸尻端側吊りローラ3bが燃焼したときに燃え上がろうとする火炎は、該上片部12kによって燃え上がるのが遮られることになる結果、火炎が戸袋部T側に至ろうとする火炎の勢いを低減できることになって、さらなる遮炎効果の向上が図れることになる。
しかもこのものでは、第二遮炎体12には、戸尻端側吊りローラ3bの正面側に位置する状態で縦片部12mが設けられていて、該戸尻端側吊りローラ3bの正面側覆い部としての機能を呈することになるため、火炎が正面側に吹き出ることも低減できることになって、遮炎効果の向上が図れることになる。
そのうえ第二遮炎体12は、戸体1側に設けられたものとなって戸体1と共に移動する(可動する)ため、戸尻端側吊りローラ3bの戸尻側に、背面側上端縁12u、背面側下半縦端縁12i、そして切欠き部12jの上端縁12vによって形成される板面部が戸尻端側吊りローラ3bの戸尻側覆い部Wとして設けたとしても、戸尻端側吊りローラ3bの移動に影響がなく、この結果、遮炎体10を移動する戸体1に対応させたものにでき、特に戸尻側覆い部Wによる遮炎効果も大いに期待でき、防災機能が向上する。
因みに、戸尻端側吊りローラ3bの背面側を覆いたい場合には、前記縦片部12mに準じたものを戸尻端側吊りローラ3bの背面側に配する構造にすればよく、この場合、戸尻端側吊りローラ3bの背面側を覆う覆い部としては、第一、第二遮炎体11、12の何れか一方に形成することで実施することができる。
そしてこのように遮炎体10として、ケース体2側に設けられることになって不動の第一遮炎体11と、戸体1側に設けられることになって該戸体1と共に移動する可動の第二遮炎体12とをを用いたもので構成しながら、戸体1が閉鎖姿勢になった状態では、何れも板状体からなる第一遮炎体11の遮炎部11bと、第二遮炎体12の第一遮炎部12aとが面一状になるため、遮炎体10を二分割したものとしながら、遮炎機能が損なわれない配慮がなされている。
またこのものでは、戸体1は、開閉機6の駆動によって移動する伝動チエン8が設けられ、該伝動チエン8の移動により戸体1が自動的に開閉移動する電動式のものとなりながら、遮炎体10は、前述したように第一遮炎体11と第二遮炎体12とのあいだに伝動チエン8が貫通するための間隙Vが設けられているため、戸尻端側吊りローラ3bの戸尻側部位に遮炎体10を備えたものであっても、伝動チエン8の移動に支障を来すことがない。
尚、本発明は前記実施の形態のものに限定されないことは勿論であって、例えば図12、13に第二、第三の実施の形態が実施された遮炎体10が示されているが、これらの遮炎体10は、前記第一の実施の形態のように、第一、第二遮炎体11、12と分割されたものではなく、一体化されたものであり、このようにしても本発明を実施できるが、図12の第二の実施ののものは、遮炎体10を一体物として戸体1側に設けた可動のもの、図13に示す第三の実施の形態のように遮炎体10を一体物としてケース体2側に設けた不動のものとして実施されている。
そして図12の第二の実施の形態において、遮炎体10は、前記第一の実施の形態の遮炎体10に準じたものであるが、このものは、ボルト10aを介して戸尻側のブラケット3aに固定されるが、正面側端縁10b、正面側上端縁10c、背面側上端縁10d、背面側端縁10e、戸体1の上端面部1aに当接(または近接)する状態で設けられる正面側下端縁10f、吊りレール4のレール部4cが貫通するべく設けられる切欠き部(前記第一の実施の形態の第二遮炎体12の切欠き部12jに相当する。)10g、伝動チエン8を貫通するための間隙Vを形成すべく上側が開口する切欠き部10h、戸尻端側吊りローラ3bの戸尻側部位を覆うべく設けられる戸尻側覆い部(第一の実施の形態の戸尻側覆い部に相当する。)Wが一枚板状のもので形成され、さらにこのものには、前記第一の実施の形態の上片部12k、縦片部12mにそれぞれ相当する上側覆い片部10j、正面側(側面側)覆い片部10kに加えて、戸尻端側吊りローラ3bの背面側部位を覆うための背面側覆い片部10iが設けられたものとして構成され、本実施の形態では、第一の実施の形態のものと同様、正面側覆い片部10kが前記ボルト10aを介して戸尻側のブラケット3aに固定されている。
そしてこのように、戸尻端側吊りローラ3bの上側、正面側、背面側、そして戸袋部T側が、上側覆い片部10j、正面側覆い片部10k、背面側覆い片部10i、そして戸尻側覆い部Wが設けられたものとなっているため、戸尻端側吊りローラ3bが燃焼した場合の火炎がこれら周囲に吹き出るのを効果的に遮炎できることになる。
また図13に示す第三の実施の形態において、遮炎体10は、ビス10mを介して吊りレール4の基部4aに固定されるが、このものは、前記第二の実施のものに設けられた正面側端縁10b、正面側上端縁10c、伝動チエン8を貫通すべく間隙Vを形成するための切欠き部10h、背面側上端縁10d、背面側端縁10e、戸体1の上端面部1aに当接(または近接)する状態で設けられる正面側下端縁10f、吊りレール4のレール部4cが貫通するべく設けられる切欠き部10gが設けられているが、このものは、背面側上端縁10dが正面側上端縁10cに等しくなる状態で連結ワイヤ9bよりも高くなっていて、連結ワイヤ9bが貫通するための切欠き部10lが形成されたものとなっている。
さらに本発明は、図14の第四の実施の形態に示すものとしても実施することができるが、このものは、前記第一の実施の形態と同様、遮炎体10としては、不動の第一遮炎体11と可動の第二遮炎体12とを備えて構成されたものであって、前記第一の実施の形態と相違するところは、第二遮炎体12の第一遮炎部12aに設けられる下端縁12fが、戸体1の上端面部1aに殆ど当接するか、当接する位置まで垂下されたものとなって遮炎効果の高いものとしている。そしてこのものでは、背面側下縦端縁12tからは、前記下側の防火板5dと戸体1の上端面部1aとのあいだの隙間に延出するよう入り込んで遮炎をする延出遮炎部Zが設けられた構成になっている。
そしてこの場合に、横板状の防火板5cの正面側端縁を下方に延出した構成にして戸体1の上端縁部に対して背面側で対向する呑み込み片部5eが設けられたものになっているのに対して、前記延出遮炎部Zは、この呑み込み片部5eに近接対向する位置にまで至るよう長く延出したものになっており、このようにすることで、遮炎効果がさらに向上するよう配慮している。
またさらに前記第四実施の形態では、第二遮炎部12bに、前記第二の実施の形態のものと同様、戸尻端側吊りローラ3bをあいだに挟むようにして正面板2b側の縦片部12mに対向する背面板2c側に背面側(側面側)縦片部12xが設けられたものとなっており、このようにすることで本実施の形態において、戸尻端側吊りローラ3bは、正面側、背面側、上面側、戸尻側の四方が、上片部12k、正面側の縦片部12m、背面側の縦片部12x、戸尻側覆い部Wにより覆われた(囲撓された)ものとなっていて、高い遮炎機能が備えられたものになっているが、この構成については、前記第二の実施の形態においても実施されており、このような構成を必要において他のものでも実施できることは言うまでもない。
因みに、戸尻端側吊りローラ3bを前記覆う部材としては、該戸尻端側吊りローラ3bの下側を吊りレール4で覆う構成にしているため、別途下側を覆う必要がないが、吊りローラ4の構造によっては下側を覆うための部材を設けた構成にしてもよい。
さらに前記第四の実施の形態においては、背面側縦片部12xが、前記吊りレール4の突片部4fに対して上下方向に対向する位置に設けられたものとなっているが、例えば吊りレール部4が突片部4fのないものであった場合には、該背面側縦片部12xをさらに下方に長く垂下してレール部4cの上面に近接対向するように構成してもよく、さらには背面側縦片部12xを、突片部4fに対して前後に位置ずれさせる状態で積層状にした構成にするした場合には、背面側縦片部12xと突片部4fとが互いに齟齬する構造(互いに入り込む構造、相决り構造、ラビリンス構造)になって遮炎効果の向上を期待することができる。
また本発明を実施するにあたり、ケース体2の出入り口部D側内部で発生した火炎が戸袋部T側に至るのを遮炎する遮炎体10が設けられたものであればよいのであって、戸尻端側吊りローラ3bの正面側、背面側、上面側、戸尻側、下面側の部位(方向)を必ずしも覆う必要がないことは勿論であり、またこれらを覆う構成にする場合、必要においてこれらのうちの少なくとも一つの部位(方向)を選択して覆う構成にすることができることは言うまでもない。
さらにまた、本発明が実施された遮炎体としては、100%の遮炎効果を有するものに限定されないことは勿論であって、ケース体内において出入り口部側で発生した火炎を遮ることにより該発生した火炎が戸袋部側に至るのを低減する遮炎効果を呈するものであればよい。
そしてこのような遮炎効果を発揮するため、前記各実施の形態のものを提示しているが、遮炎体の上端縁(前記各実施の形態においては、例えば引出符号10c、11d、12eの各上端縁が該当する。)を、必要においてさらに上方に延設して上側に位置する部材、例えば上面板2aに当接するまでのあいだの任意の位置まで延出したものにすることができ、また同様にして、下端縁(前記各実施の形態においては、例えば引出符号11g、12fの各下端縁が該当する。)についても、該下端縁の下側に位置する部材(例えば第一遮炎体11の下端縁11gであれば吊りレール4のレール部4c)に当接するまでのあいだの任意の位置まで延出したものにすることができ、正面側、背面側の縦端縁(前記各実施の形態においては、例えば引出符号10b、10e、11a、12dの各縦端縁が該当する。)についても、該対応する側に位置する部材(例えば正面板2bや背面板2c)に当接するまでのあいだの任意の位置まで延出したものにすることができることは言うまでもない。
この場合に、各端縁の形状は直線である必要はなく、近接又は当接する部材に対応する等して凹凸形状にしてもよい。
本発明は、ビルや住宅等の建造物の出入り口部に建て付けられる引き戸装置として利用することができる。
1 戸体
1a 上端面部
1b 戸尻側端縁
2 ケース体
3 吊りローラ
3b 戸尻端側吊りローラ
4 吊りレール
6 開閉機
8 伝動チエン
10 遮炎体
10i 背面(側面)側覆い片部
11 第一遮炎体
11b 遮炎部(板面部)
12 第二遮炎体
12a 第一遮炎部(板面部)
12b 第二遮炎部
12k 上片部(上面側覆い部)
12m 縦片部(側面側覆い部)
D 出入り口部
S ケース体の間隙部
T 戸袋部
V 伝動チエン用の間隙
W 戸尻側覆い部

Claims (10)

  1. 戸体と、戸先側の出入り口部と戸尻側の戸袋部との上端部間に亘って設けられ、下端縁が間隙部を存するようにして形成されたケース体とを備え、戸体の上端縁部が前記間隙部に遊嵌する状態で戸体が左右移動することにより出入り口部の開閉をするように構成した引き戸装置において、
    前記出入り口部側のケース体内に、ケース体の出入り口部側内部で発生した火炎が戸袋部側に至るのを遮炎する遮炎体を設けるにあたり、
    戸体の上端面部には、ケース体に内装の吊りレールを転動する複数の吊りローラが設けられ、これら吊りローラのうち最も戸尻側に位置する戸尻端側吊りローラは、ケース体内の出入り口部側部位に配される可燃性部材のうち、燃焼したときの火炎が戸袋部側に至る状態で燃焼可能な最も戸袋部側に位置する可燃性部材であり、
    遮炎体は、前記戸尻端側吊りローラの戸尻側部位を中心として上下両側、正面側、および背面側の四方の遮炎をする板面部を備えることを特徴とする引き戸装置。
  2. 戸体と、戸先側の出入り口部と戸尻側の戸袋部との上端部間に亘って設けられ、下端縁が間隙部を存するようにして形成されたケース体とを備え、戸体の上端縁部が前記間隙部に遊嵌する状態で戸体が左右移動することにより出入り口部の開閉をするように構成した引き戸装置において、
    前記出入り口部側のケース体内に、ケース体の出入り口部側内部で発生した火炎が戸袋部側に至るのを遮炎する遮炎体を設けるにあたり、
    戸体の上端面部には、ケース体に内装の吊りレールを転動する複数の吊りローラが設けられ、これら吊りローラのうち最も戸尻側に位置する戸尻端側吊りローラは、ケース体内の出入り口部側部位に配される可燃性部材のうち、燃焼したときの火炎が戸袋部側に至る状態で燃焼可能な最も戸袋部側に位置する可燃性部材であり、
    遮炎体には、前記戸尻端側吊りローラ部位の上方を覆う上側覆い部が設けられていることを特徴とする引き戸装置。
  3. 遮炎体には、戸尻端側吊りローラ部位の正面側、背面側の少なくとも一方を覆う側面側覆い部が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の引き戸装置。
  4. 遮炎体は、戸体側に取付けられていて戸体と一体に移動することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1記載の引き戸装置。
  5. 炎体には、戸尻端側吊りローラの戸尻側部位を覆う戸尻側覆い部が設けられていることを特徴とする請求項記載の引き戸装置。
  6. 戸体と、戸先側の出入り口部と戸尻側の戸袋部との上端部間に亘って設けられ、下端縁が間隙部を存するようにして形成されたケース体とを備え、戸体の上端縁部が前記間隙部に遊嵌する状態で戸体が左右移動することにより出入り口部の開閉をするように構成した引き戸装置において、
    前記出入り口部側のケース体内に、ケース体の出入り口部側内部で発生した火炎が戸袋部側に至るのを遮炎する遮炎体を設けるにあたり、
    遮炎体は、ケース体側に取付けられた第一遮炎体と、戸体側に取付けられていて戸体と一体に移動する第二遮炎体とを備えて構成されることを特徴とする引き戸装置。
  7. 第一、第二遮炎体は、戸体が閉鎖姿勢の状態面一状になって遮炎をする板面部同士を備えることを特徴とする請求項記載の引き戸装置。
  8. 戸体の上端面部には、ケース体に内装の吊りレールを転動する複数の吊りローラが設けられ、これら吊りローラのうち最も戸尻側に位置する戸尻端側吊りローラは、ケース体内の出入り口部側部位に配される可燃性部材のうち、燃焼したときの火炎が戸袋部側に至る状態で燃焼可能な最も戸袋部側に位置する可燃性部材であり、
    第二遮炎体には、戸尻端側吊りローラの戸尻側部位を覆う戸尻側覆い部が設けられていることを特徴とする請求項6または7記載の引き戸装置
  9. 戸体と、戸先側の出入り口部と戸尻側の戸袋部との上端部間に亘って設けられ、下端縁が間隙部を存するようにして形成されたケース体とを備え、戸体の上端縁部が前記間隙部に遊嵌する状態で戸体が左右移動することにより出入り口部の開閉をするように構成した引き戸装置において、
    前記出入り口部側のケース体内に、ケース体の出入り口部側内部で発生した火炎が戸袋部側に至るのを遮炎する遮炎体を設けるにあたり、
    遮炎体は、ケース体側に取付けられていることを特徴とする引き戸装置。
  10. 戸体と、戸先側の出入り口部と戸尻側の戸袋部との上端部間に亘って設けられ、下端縁が間隙部を存するようにして形成されたケース体とを備え、戸体の上端縁部が前記間隙部に遊嵌する状態で戸体が左右移動することにより出入り口部の開閉をするように構成した引き戸装置において、
    前記出入り口部側のケース体内に、ケース体の出入り口部側内部で発生した火炎が戸袋部側に至るのを遮炎する遮炎体を設けるにあたり、
    ケース体には、戸体の自動開閉を行うため電動式の開閉機と、該開閉機の駆動に伴い移動する伝動体が内装され、遮炎体には、伝動体が貫通するための間隙が設けられていることを特徴とする引き戸装置。
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