JP7203602B2 - レンズユニットおよびカメラモジュール - Google Patents

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Description

本発明は、レンズユニットおよびカメラモジュールに関する。
近年、車両にカメラ(車載カメラという)が搭載されるようになっており、車載カメラが撮影した画像は、駐車支援機能、自動ブレーキ機能、自動運転機能等の機能に利用されている。これらの機能は車両の走行を制御する機能であり、事故等の発生を抑制する観点から、車載カメラには高い信頼性が求められている。車載カメラには、低温、高温等の過酷な環境に置かれた際における性能の劣化等を防ぐための対策が施されている。
車載カメラの高い信頼性を実現するため、車載カメラに用いられるレンズユニットに、金属製の鏡筒と、ガラス製のレンズとを用いたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。レンズユニットでは、鏡筒の内部に、複数のレンズが軸方向に沿って並べて配置されている。
特許文献1に開示されたレンズユニットでは、鏡筒の物体側の端部の外周面に雄ねじ部が形成されている。また、蓋体の筒部の内周面に雌ねじ部が形成されている。雄ねじ部と雌ねじ部とは螺合可能となっており、蓋体は鏡筒にねじ込むことにより、鏡筒の端部に取り付けられるようになっている。このように、鏡筒の端部に蓋体が取り付けられるレンズユニットをキャップタイプという。ここで、図8を用いて、キャップタイプのレンズユニットにおいて生じる問題について説明する。図8は、キャップタイプのレンズユニット200の軸方向断面図である。
レンズユニット200は、鏡筒210、蓋体220、およびレンズ230,240等を備えている。レンズユニット200の軸方向一方の端部(レンズ230側の端部)は、物体側として撮影対象を向くように配置され、レンズユニット200の軸方向他方の端部は、結像側として撮像素子(図示せず)を向くように配置されている。
鏡筒210の物体側の端部の外周面には、雄ねじ部211が形成されている。蓋体220における円筒部の内周面には、雌ねじ部221が形成されている。この雌ねじ部221と雄ねじ部211とは、螺合可能に形成されている。蓋体220は、鏡筒210の物体側の端部からねじ込むことで、鏡筒210に取り付けられるようになっている。また、蓋体220の円筒部の物体側の端部には、径方向内側に向かって突出した形状を有する保持部222が形成されており、レンズ230の物体側の面の外周部には、物体側の面に対して結像側に一段控えて形成された面である被保持部231が設けられている。蓋体220が鏡筒210に取り付けられた状態では、蓋体220の保持部222がレンズ230の被保持部231に当接するようになっている。蓋体220は、レンズ230を保持しているということもできる。
特開2016-184082号公報
上述したようなレンズユニット200において、蓋体220により保持されるレンズ230の傾き、位置ずれは、雄ねじ部211および雌ねじ部221の加工精度の影響を受けることとなる。ただし、雄ねじ部211および雌ねじ部221をそれぞれ高精度に加工し、寸法を管理することは困難である。ねじのピッチを0.5[mm]とする場合、JIS規定の公差等級によれば、公差グレードが最小で、雄ねじの外径には67[μm]の公差、雌ねじの内径には90[μm]の公差が許容されている。このため、雄ねじの外径が最小となり、かつ雌ねじの内径が最大となった場合、両者の径の差(最大)は、157[μm](67[μm]+90[μm])となる。このとき、図8に示すように、レンズユニット100の軸方向断面において、雄ねじ部211と雌ねじ部221との間には、径方向に対する隙間が片側あたり約0.079[mm](約79[μm])生じる。以下、この約0.079[mm]の隙間を隙間Gという。
蓋体220を鏡筒210に取り付けた際に、隙間Gに起因して、蓋体220の軸方向が鏡筒210の軸方向に対して斜めとなった場合、すなわち蓋体220が鏡筒210に対して斜めに取り付けられた場合、保持部222が水平方向に対して傾くことに伴いレンズ230の光軸が傾いてしまう。このようにレンズ230の光軸が傾くと、レンズユニット200の光学特性が劣化してしまう。
また、蓋体220を鏡筒210に取り付けた際に、隙間Gに起因して、径方向において蓋体220の軸の位置が鏡筒210の軸の位置に対してずれた場合、すなわち蓋体220が鏡筒210に対して偏心して取り付けられた場合、径方向に対する保持部222の位置ずれに伴いレンズ230の光軸の位置が、鏡筒210の軸の位置(レンズ240の光軸の位置)に対してずれてしまう。このようにレンズ230の光軸の位置がずれると、レンズユニット200の光学特性が劣化してしまう。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、雄ねじ部と雌ねじ部との間に形成される径方向に対する隙間に起因して生じる、蓋体の軸の傾き、蓋体の軸の位置ずれが抑制され、蓋体によって保持されるレンズの傾き、位置ずれが抑制されることで、光学特性が劣化することのないレンズユニットを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明のレンズユニットは、外周面に雄ねじ部が形成された鏡筒と、前記鏡筒の内部に、前記鏡筒の軸方向に沿って並べて配置された複数のレンズと、内周面に雌ねじ部が形成され、前記雌ねじ部と前記雄ねじ部との螺合により前記鏡筒に取り付けられるとともに、前記レンズを保持する蓋体とを備え、
前記鏡筒は、前記雄ねじ部の前記軸方向における少なくとも一方側に設けられ、前記鏡筒の内周面と同軸でかつ前記軸方向と平行に延在する形状を有する規制部を備え、前記規制部の外周面と前記蓋体の内周面とが当接または所定の隙間をもって配置されていることを特徴とする。
本発明においては、鏡筒における雄ねじ部の軸方向における少なくとも一方側に、軸方向と平行に延在する規制部が設けられ、規制部の外周面と、レンズを保持する蓋体の内周面とが当接または所定の隙間をもって配置されている。なお、当接には軽圧入が含まれる。また、所定の隙間とは、雄ねじ部と雌ねじとの間に形成される径方向に対する隙間より小さい隙間である。このため、蓋体を鏡筒にねじ込んで取り付けた際に、蓋体の鏡筒に対する姿勢は、規制部の外周面と蓋体の内周面との関係によって決まることとなる。このため、蓋体の鏡筒に対する姿勢が、雄ねじ部と雌ねじ部との間に形成される径方向に対する隙間の影響を受けず、この隙間に起因して生じる鏡筒の軸に対する蓋体の軸の傾き、鏡筒の軸の位置に対する蓋体の軸の位置のずれが抑制され、レンズの傾き、位置ずれが抑制される。これにより、レンズユニットの光学特性の劣化を抑制することができる。
本発明の上記構成において、前記規制部の外周面の外径と前記蓋体の内周面の内径との差は、前記雄ねじ部の谷径と前記雌ねじ部の内径との差より小さくなっていることが好ましい。
また、本発明の上記構成において、軸方向の断面において、前記規制部の外周面と前記蓋体の内周面との間の径方向に対する隙間は、径方向一端側に形成される隙間と径方向他端側に形成される隙間との合計が40μm以下となっていることが好ましい。
また、本発明の上記構成において、最も物体側に配置される前記レンズの光軸に対する傾きをSとし、軸方向断面における、前記規制部の外周面と前記蓋体の内周面との間の径方向に対する隙間の一方をdとし、前記規制部の外周面における前記蓋体の内周面と対向する箇所の軸方向長さをLとした場合、S=Tan-1(d/L)<0.166という関係を満たしていることが好ましい。
このような構成によれば、蓋体を鏡筒にねじ込んで取り付けた際に、蓋体の鏡筒に対する姿勢は、雄ねじ部と雌ねじ部との間に形成される径方向に対する隙間の影響を受けず、規制部の外周面と蓋体の内周面との関係によって決まることとなる。このため、雄ねじ部と雌ねじ部との間に形成される径方向に対する隙間によって生じる、レンズの傾き、位置ずれが抑制され、レンズユニットの光学特性の劣化が抑制される。また、雄ねじ部および雌ねじ部の形成に高精度の加工が要求されないため、両者の公差を緩和し、鏡筒および蓋体を生産しやすくなる、寸法管理が容易になるという効果を奏する。
前記規制部の外周面および前記蓋体の内周面が前記軸方向に沿って階段状に形成され、互いに当接する面積が小さくなっていることが好ましい。
このような構成によれば、規制部の外周面と蓋体の内周面とが当接または軽圧入の関係となった場合でも、組付け性の問題が生じるのを回避することができる。なお、組付け性の問題としては、かじり、変形等がある。
複数の前記レンズにおける前玉レンズは、光学面のいずれか一方または両方の面形状が、非球面形状となっていることが好ましい。
このような構成によれば、前玉レンズに、感度の高い非球面形状を採用した場合であっても、レンズユニットの光学特性の劣化を抑制することができる。
また、本発明のカメラモジュールは、前記構成のレンズユニットと、前記レンズユニットで結像された画像を撮像する撮像素子とを備えることを特徴とする。このような構成によれば、カメラモジュールは、上述の本発明のレンズユニットと同様の効果を奏する。
本発明によれば、雄ねじ部と雌ねじ部との間に形成される径方向に対する隙間に起因して生じる、蓋体の軸の傾き、蓋体の軸の位置ずれが抑制され、蓋体によって保持されるレンズの傾き、位置ずれが抑制されるため、光学特性が劣化することのないレンズユニットを提供することができる。
本発明の第1実施形態に係るレンズユニットを示す軸方向断面図である。 同、要部を示す図である。 同、前玉レンズの傾きの算出について説明するための図である。 同、変形例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係るレンズユニットを示す軸方向断面図の要部である。 同、変形例を示す図である。 本発明の第1実施形態または第2実施形態に係るレンズユニットに適用可能な前玉レンズの保持方法について説明するための図である。 従来の課題について説明するための参考図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図1に示すように、第1実施形態に係るレンズユニット100は、鏡筒10、レンズ2,3,4,5、光学フィルタ6、および遮光リング21等を備えている。レンズユニット100は、物体の像を結像側に形成するものであり、自動車の車載カメラ等に用いられる。車載カメラは、自動車の前方、後方、側方等を撮影するために設けられている。車載カメラには、例えば、車両のサイドミラーに搭載され、車両の後方を撮像するものがある。
鏡筒10は、円筒状の部材であり、金属で形成されている。鏡筒10は、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム合金等で形成されている。この鏡筒10の内部には、鏡筒10の軸方向に沿って、複数のレンズ2,3,4,5が並べて配置されている。レンズ2,3,4,5は、ガラス製または樹脂製のレンズである。レンズ2,3,4,5は、それぞれの光軸を一致させた状態で配置されている。鏡筒10の一方の端部(レンズ2側の端部)は、物体側として撮影対象を向くようにして配置され、鏡筒10の他方の端部(レンズ5側の端部)は、結像側として撮像素子7を向くようにして配置されている。
鏡筒10の内部には、結像側から物体側に向かって、レンズ5、環状の遮光リング21、レンズ4、レンズ3、レンズ2の順で配置されている。なお、図示は省略しているが、レンズ2と鏡筒10との間には、Oリングが配置されている。また、光学フィルタ6は、鏡筒10の結像側の端部に、接着等により固定されている。
鏡筒10の結像側の端部の内周面には、径方向内側に向かって突出した形状を有する支持部11が設けられている。この支持部11は、鏡筒10の軸方向から見て環状となっている。支持部11は、レンズ5のフランジ部の結像側の面に当接している。フランジ部とは、レンズ有効径の外周側に形成されている部位である。また、鏡筒10の外周面には、雄ねじ部12が形成されている。なお、鏡筒10が軸方向に長尺である場合、雄ねじ部12は、鏡筒10の物体側の端部の外周面に形成される。本実施形態では、鏡筒10が、大径部10aと、大径部10aより外径の小さい小径部10bとを有している場合について説明する。大径部10aは物体側に設けられ、小径部10bは結像側に設けられている。また、円筒状の鏡筒10の内周面を10Aとする。
蓋体40は、鏡筒10の物体側の端部に取り付けられる蓋状の部材である。蓋体40は、金属製であり、例えば、アルミニウム合金で形成されている。この蓋体40は、円筒状の円筒部41を有している。また、蓋体40は、円筒部41の物体側の端部から径方向内側に向かって突出した形状を有する保持部42を備えている。蓋体40を軸方向から見た場合、保持部42には円形状の開口が設けられている。また、円筒部41の内周面には、雌ねじ部43が形成されている。この雌ねじ部43と鏡筒10の雄ねじ部12とは、螺合可能に形成されている。蓋体40は、鏡筒10の物体側の端部からねじ込むことで、鏡筒10に取り付けられるようになっている。
レンズ2(前玉レンズ)は、光学面のいずれか一方または両方の面形状が、非球面形状となっている。なお、レンズ2の光学面のいずれか一方または両方の面形状を、球面形状としてもよい。レンズ2の物体側の面の外周部には、物体側の面に対して結像側に一段控えて形成された面である被保持部2aが設けられている。蓋体40が鏡筒10に取り付けられた状態では、蓋体40の保持部42とレンズ2の被保持部2aとが当接するようになっている。これは蓋体40がレンズ2を保持しているということもできる。鏡筒10の内部に配置されている複数のレンズ2,3,4,5と、遮光リング21とは、支持部11と保持部42との間に挟持された状態で保持されている。これにより、各部品の間に隙間が形成されないようになっている。
次に、図2を用いて規制部13および被規制部44について説明する。なお、図2では、断面であることを示すハッチングを省略している。図2(a)に示すように、規制部13は、雄ねじ部12の軸方向における一方側(物体側)に設けられ、鏡筒10の内周面10Aと同軸でかつ軸方向と平行に延在する形状を有している。この規制部13は、軸方向物体側から見て環状(円環状)となっている。規制部13の外周面13Aは、鏡筒10の内周面10Aと同軸でかつ軸方向と平行となっており、この外周面13Aは蓋体40の取付姿勢を規制する規制面となっている。
図2(a)に示すように、軸方向断面において、雄ねじ部12の谷底同士を結ぶ線分を線分Xとすると、径方向において、外周面13Aの位置は、線分Xの位置よりも径方向内側となっている。換言すると、規制部13(外周面13A)の外径は、雄ねじ部12の谷径より小さくなっている。
図2(b)に示すように、蓋体40の内周面には、雌ねじ部43と、この雌ねじ部43の物体側に設けられた被規制部44とが設けられている。被規制部44は、蓋体40の内周面44Aである。この内周面44Aは、軸方向と平行となっており、鏡筒10の規制部13によって蓋体40の取付姿勢が規制される際の被規制面となる。
図2(b)に示すように、軸方向断面において、雌ねじ部43の山の頂同士を結ぶ線分を線分Yとすると、径方向において、内周面44Aの位置は、線分Yの位置よりも径方向内側となっている。換言すると、内周面44Aの内径は、雌ねじ部43の内径(山径)より小さくなっている。
図2(c)に示すように、規制部13の外周面13Aと蓋体40の内周面44Aとは、所定の隙間をもって配置されている。規制部13の外周面13Aの外径と、蓋体40の内周面44Aの内径との差(所定の隙間)は、雄ねじ部12の谷部12aの外径(谷径)と雌ねじ部43の山部43aの内径(山径)との差より小さくなっている。
レンズユニット100は、雄ねじ部12の軸方向物体側に設けられ、鏡筒の内周面10Aと同軸でかつ軸方向と平行に延在する形状を有する規制部13を備え、規制部13の外周面13Aと蓋体40の内周面44Aとが所定の隙間をもって配置されている。このため、蓋体40を鏡筒10にねじ込んで取り付けた際に、蓋体40の鏡筒10に対する姿勢は、規制部13の外周面13Aと蓋体40の内周面44Aとの関係によって決まることとなる。このため、蓋体40の鏡筒10に対する姿勢が、雄ねじ部12と雌ねじ部43との間に形成される径方向に対する隙間の影響を受けず、この隙間に起因して生じる鏡筒10の軸に対する蓋体40の軸の傾き、鏡筒10の軸の位置に対する蓋体40の軸の位置のずれが抑制され、レンズ2の傾き、位置ずれが抑制される。これにより、レンズユニット100の光学特性の劣化を抑制することができる。
また、規制部13を設けることで、雄ねじ部12および雌ねじ部43についての高精度の加工が要求されず、両者は螺合可能な寸法関係で形成されていればよいこととなる。換言すると、雄ねじ部12と雌ねじ部43とは、鏡筒10と蓋体40とが締め付け可能に形成されていればよい。このため、雄ねじ部12および雌ねじ部43の公差を緩和することができ、寸法管理が容易になる、部品を生産しやすくなる等の効果を奏する。
次に図3(a)および図3(b)を用いて規制部13の外周面13Aと、蓋体40の内周面44Aとの関係の詳細について説明する。ここで、軸方向断面における、外周面13Aと内周面44Aとの間の径方向に対する隙間(片側)を、ガイド隙間d[mm]とする。また、外周面13Aのうち、内周面44Aと対向する箇所の軸方向長さをガイド長さL[mm]とする。このとき、光軸に対するレンズ2の傾きをSとすると、傾きSは以下の式(1)で表される。

S=Tan-1(d/L) (1)
レンズユニット100の光学特性の劣化を防ぐために、レンズ2の傾きSは10分以下(約0.166[deg.]以下)とすることが好ましい。ガイド長さLを2.2[mm]とする場合、ガイド隙間dは、式(1)より0.0064[mm]となる。また、レンズユニット100の光学特性の劣化を防ぐために、レンズ2の傾きSは5分以下(約0.083[deg.]以下)とすることがより好ましい。ガイド長さLを2.2[mm]とする場合、ガイド隙間dは、式(1)より0.0031[mm]となる。
このように、レンズ2の傾きSを抑えるためには、ガイド隙間dを小さくすればよい。ただし、規制部13(外周面13A)の外径寸法と被規制部44(内周面44A)の内径寸法とは、それぞれ加工精度に限界があり、所定の公差を有している。そこで、両者の公差を考慮して、ガイド隙間dを0.010[mm](10[μm])とする場合、レンズ2の傾きSを10分以下とするのに必要なガイド長さLは、式(1)より3.452[mm]となる。また、レンズ2の傾きSを5分以下とするのに必要なガイド長さLは、式(1)より6.903[mm]となる。
レンズ2の傾き、位置ずれを抑制するために、ガイド隙間dは、0.020[mm](20[μm])以下であることが好ましい。換言すると、軸方向断面において、外周面13Aと内周面44Aとの間の径方向に対する隙間は、径方向一端側に形成される隙間と径方向他端側に形成される隙間との合計が0.040[mm](40[μm])以下であることが好ましい。この場合、レンズ2の傾きSを10分以下とするのに必要なガイド長さLは、式(1)より6.903[mm]となる。また、レンズ2の傾きSを5分以下とするのに必要なガイド長さLは、式(1)より13.806[mm]となる。
次に、図4を用いて本実施形態に係るレンズユニット100の変形例について説明する。なお、図4では、断面であることを示すハッチングを省略している。図4(a)は、規制部13が、雄ねじ部12の軸方向における結像側に設けられている場合を示している。図4(b)は、規制部13が、雄ねじ部12の軸方向における物体側および結像側の両方に設けられている場合を示している。図4(c)は、規制部13における蓋体40の規制面を、外周面13Aではなく、凸部13Bの先端面とした場合を示している。この場合、凸部13Bの先端面が規制部13の外周面となる。凸部13Bは、外周面13Aから径方向外側に向かって突出した形状を有しており、軸方向に沿って複数(例えば2つ)設けられている。図4(c)に示すように、凸部13Bが軸方向に沿って2箇所に設けられている場合、ガイド長さLは、一方の凸部13Bの端部と他方の凸部13Bの端部との間の軸方向距離となる。このように凸部13Bを設けた場合、外周面13A全体の寸法を管理する場合に比べて、寸法管理が容易となるという効果を奏する。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図5は、第2実施形態に係るレンズユニット100の軸方向断面図の要部を示している。なお、図5では、断面であることを示すハッチングを省略している。以下、第1実施形態で説明した構成と同一または相当する機能を有する構成については、同一の符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
レンズ2の傾きSを10分以下とすることを望む場合でも、レンズユニット100のサイズの制約からガイド長さLを長く確保することができず、かつ寸法管理精度の限界により最低限のガイド隙間dを確保できない場合がある。そのような場合に、鏡筒10の外周面13Aと、蓋体40の内周面44Aとの関係が当接または軽圧入の関係となる場合がある。本実施形態に係るレンズユニット100は、外周面13Aと内周面44Aとが当接または軽圧入の関係となっているレンズユニット100について説明する。なお、外周面13Aと内周面44Aとが当接する場合、図3(a)で示したガイド隙間dは0となり、外周面13Aと内周面44Aとが軽圧入の関係となる場合、ガイド隙間dは0以下の値となる。これらの場合、式(1)にはd=0を代入する。以下、当接という場合、軽圧入が含まれるものとする。
レンズユニット100は、雄ねじ部12の軸方向物体側に設けられ、鏡筒の内周面10Aと同軸でかつ軸方向と平行に延在する形状を有する規制部13を備え、規制部13の外周面13Aと蓋体40の内周面44Aとが当接している場合、蓋体40を鏡筒10にねじ込んで取り付けた際に、蓋体40の鏡筒10に対する姿勢は、規制部13の外周面13Aと蓋体40の内周面44Aとの関係によって決まることとなる。このため、蓋体40の鏡筒10に対する姿勢が、雄ねじ部12と雌ねじ部43との間に形成される径方向に対する隙間の影響を受けず、この隙間に起因して生じる鏡筒10の軸に対する蓋体40の軸の傾き、鏡筒10の軸の位置に対する蓋体40の軸の位置のずれが抑制され、レンズ2の傾き、位置ずれが抑制される。これにより、レンズユニット100の光学特性の劣化を抑制することができる。
なお、鏡筒10および蓋体40は金属製であるため、両者が軽圧入の関係となった場合、かじり、変形等の組付け性の問題が生じる。そこで、そのような問題を回避するために、外周面13Aと内周面44Aとが当接する面積を減少させる場合について説明する。
図5に示すように、本実施形態では、規制部13の外周面13Aとして、第1外周面13aと第2外周面13bとが設けられている。第1外周面13aと第2外周面13bとは、結像側から物体側に向かって第1外周面13a、第2外周面13bの順に形成され、第2外周面13bは第1外周面13aより外径が小さくなっている。第1外周面13aと第2外周面13bとは、軸方向に沿って階段状に形成されているということもできる。
また、図5に示すように、本実施形態では、被規制部44の内周面44Aとして、第1内周面44aと第2内周面44bとが設けられている。第1内周面44aと第2内周面44bとは、結像側から物体側に向かって第1内周面44a、第2内周面44bの順に形成され、第2内周面44bは第1内周面44aより内径が小さくなっている。第1内周面44aと第2内周面44bとは、軸方向に沿って階段状に形成されているということもできる。
ここで、第1外周面13aと第2外周面13bとの境界を段差部31とする。また、第1内周面44aと第2内周面44bとの境界を段差部32とする。段差部31と段差部32とは軸方向において離間した位置に設けられており、段差部31の位置は、段差部32の位置よりも結像側となっている。これにより、第1外周面13aの結像側の面と第1内周面44aの物体側の面とが小面積で当接し、かつ第2外周面13bと第1内周面44aとの間には所定の間隔の隙間が設けられ、かつ第2外周面13bの物体側の面と第2内周面44bの結像側の面とが小面積で当接するようになっている。
このように外周面13Aおよび内周面44Aをそれぞれ階段状に形成し、かつ段差部31,32の位置を軸方向にずらした位置関係とすることで、外周面13Aと内周面44Aとが当接する面積を小さくすることができ、両者の関係が軽圧入の関係となった場合でも、蓋体40を鏡筒10に容易に取り付けることができる。これにより、レンズユニット100の組付け性に関する問題が生じるのを回避できる。
なお、本実施形態では、第1外周面13aと第1内周面44aとが接触し、かつ第2外周面13bと第2内周面44bとが接触している場合を示したが、必ずしも両者が接触している必要ななく、いずれか一方が接触していればよい。
次に、図6を用いて本実施形態に係るレンズユニット100の変形例について説明する。本変形例では、雄ねじ部12の軸方向におけるに結像側に、規制部13とは異なる規制部50がさらに設けられている。規制部50は、鏡筒10における大径部10aから径方向外側に向かって突出した形状を有しており、その先端は軸方向と平行な面となっている。以下、規制部50の先端の面を先端面50aとする。
本変形例では、蓋体40の内周面44Aとして、雌ねじ部43より物体側に位置する第1内周面44aおよび第2内周面44bと、雌ねじ部43より結像側に位置する第3内周面44cとが設けられている。第3内周面44cは、第1内周面44aおよび第2内周面44bより内径が大きくなっている。この第3内周面44cには、規制部50の先端面50aが接触するようになっている。
本変形例では、第2外周面13bと第2内周面44bとが接触し、かつ先端面50aと第3内周面44cとが接触するようになっている。なお、第1外周面13aと第1内周面44aとは接触していない。このような構成によっても、鏡筒10と蓋体40とが接触する面積を小さくすることができ、レンズユニット100の組付け性に関する問題が生じるのを回避できる。
次に、図7を用いて第1実施形態および第2実施形態で示したレンズユニット100におけるレンズ2の保持部42の変形例について説明する。蓋体40の保持部42における径方向内側の端部には、軸方向に対して結像側から物体側に向かうほど内径が小さくなるように形成されたテーパ面42aが設けられている。また、レンズ2の物体側の面の外周部には、軸方向に対して結像側から物体側に向かうほど外径が小さくなるように形成されたテーパ面である被保持部2bが設けられている。保持部42のテーパ面42aは、被保持部2bと当接するようになっている。このように構成することで、レンズ2の物体側の面において、飛び石によりクラックが入りやすい箇所を保護することができるという効果が得られる。
なお、第1実施形態または第2実施形態に係るレンズユニット100は、図1で示した撮像素子7、カメラケース(図示せず)、配線基板(図示せず)、信号処理回路(図示せず)、フレキシブル配線シート(図示せず)、およびコネクタ(図示せず)等とともにカメラモジュールを構成している。なお、カメラモジュールとは、少なくともレンズユニット100と撮像素子7とを備えたものをいう。撮像素子7は、カメラケースに設けられてレンズユニット100の結像側に配置され、レンズユニット100で結像される画像を撮像するようになっている。
カメラモジュールは次のように動作する。物体側から入射する光は、レンズユニット100のレンズ群を介して撮像素子7に入射する。撮像素子7は、入射した像を電気信号に変換する。信号処理回路は、撮像素子7からの電気信号に対して信号処理(A/D変換、画像補正処理等)を行う。信号処理回路から出力される電気信号は、フレキシブル配線シートおよびコネクタを介して外部の電子機器に出力される。
なお、第1実施形態および第2実施形態において、鏡筒10を金属製としたが、鏡筒10は樹脂製としてもよい。
2,3,4,5 レンズ
10 鏡筒
10A 内周面
12 雄ねじ部
13 規制部
13A 外周面
40 蓋体
43 雌ねじ部
44A 内周面
100 レンズユニット

Claims (6)

  1. 外周面に雄ねじ部が形成された鏡筒と、
    前記鏡筒の内部に、前記鏡筒の軸方向に沿って並べて配置された複数のレンズと、
    内周面に雌ねじ部が形成され、前記雌ねじ部と前記雄ねじ部との螺合により前記鏡筒に取り付けられるとともに、前記レンズを保持する蓋体とを備え、
    前記鏡筒は、前記雄ねじ部の前記軸方向における少なくとも一方側に設けられ、前記鏡筒の内周面と同軸でかつ前記軸方向と平行に延在する形状を有する規制部を備え、前記規制部の外周面と前記蓋体の内周面とが当接または所定の隙間をもって配置されており、
    最も物体側に配置される前記レンズの光軸に対する傾きをSとし、
    前記軸方向の断面における、前記規制部の外周面と前記蓋体の内周面との間の径方向に対する隙間の一方をdとし、
    前記規制部の外周面における前記蓋体の内周面と対向する箇所の軸方向長さをLとした場合、
    S=Tan -1 (d/L)<0.166
    という関係を満たしていることを特徴とするレンズユニット。
  2. 前記規制部の外周面の外径と前記蓋体の内周面の内径との差が、前記雄ねじ部の谷径と前記雌ねじ部の内径との差より小さくなっていることを特徴とする請求項1に記載のレンズユニット。
  3. 前記軸方向の断面において、前記規制部の外周面と前記蓋体の内周面との間の径方向に対する隙間は、径方向一端側に形成される隙間と径方向他端側に形成される隙間との合計が40μm以下となっていることを特徴とする請求項1に記載のレンズユニット。
  4. 前記規制部の外周面および前記蓋体の内周面が前記軸方向に沿って階段状に形成され、互いに当接する面積が小さくなっていることを特徴とする請求項1に記載のレンズユニット。
  5. 複数の前記レンズにおける前玉レンズは、光学面のいずれか一方または両方の面形状が、非球面形状となっていることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載のレンズユニット。
  6. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載のレンズユニットと、前記レンズユニットで結像された画像を撮像する撮像素子とを備えることを特徴とするカメラモジュール。
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