JP2022139615A - レンズユニット、カメラモジュール、撮像システムおよび移動体 - Google Patents

レンズユニット、カメラモジュール、撮像システムおよび移動体 Download PDF

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Abstract

【課題】熱膨張によるレンズの偏心および変形を抑制できるレンズユニット、カメラモジュール、撮像システムおよび移動体を提供する。【解決手段】鏡筒12は、光軸Oと直交する断面視において、レンズ40の直径より大径の仮想円Kから径方向内側に突出し、かつ周方向に等間隔で配置された6個の支持部41を備え、これら支持部41にレンズ40の外周面が圧接されているので、熱膨張によるレンズの偏心および変形を抑制できる。【選択図】図3

Description

本発明は、例えば自動車等の車両に搭載される車載カメラを構成し得るレンズユニット、カメラモジュール、撮像システムおよび撮像システムを搭載した移動体に関する。
監視カメラ、車載カメラ等、屋外に設置されるカメラが知られている。そのような屋外に設置されるカメラでは、複数のレンズを鏡筒内に収納固定したレンズユニットが使用されている。このようなレンズユニットでは、レンズと鏡筒の光軸および複数のレンズ間の光軸が一致するように芯合わせを行ってレンズを鏡筒内に収納固定している。
一方、この種のレンズユニットではコスト軽減の観点から樹脂製のレンズや樹脂製の鏡筒等が使用されている。
しかしながら、このような樹脂製のレンズや鏡筒は、高温時に熱膨張を起こしやすく、鏡筒内にレンズを収納固定して組み立てる際に芯合わせを行っても、鏡筒とレンズとは線膨張係数が異なるため、レンズユニットの信頼性試験等に際に、当該レンズユニットを加熱することにより、鏡筒およびレンズに熱膨張が起こると、レンズと鏡筒あるいはレンズ間の光軸がずれる、つまりレンズが偏心してしまい、光学特性が劣化するという問題があった。
このような問題を改善するために、特許文献1に記載のレンズユニットが知られている。このレンズユニットは、八角形以上、例えば十二角形の多角形状の内周面を有する樹脂製の鏡筒の前記多角形状の内周面にレンズの外周面を圧接させることによって、上述した問題を改善している。
特開2006-201378号公報
上述した従来のレンズユニットでは、レンズの外周面が鏡筒の多角形状の内周面に8箇所以上、例えば12カ所で接触するように、鏡筒内周面が正十二角形となっている。
鏡筒内径は、成形後の収縮ばらつき(樹脂の流動方向に起因)により真円にはならない。常温状態では12カ所で接触するのではなく、例えばその半分の6カ所でのみ接触し圧入状態(これでも光軸ずれを良好に抑制可能)となっている。
しかし、鏡筒およびレンズが高温時に熱膨張した際に、鏡筒とレンズの線膨張係数の違いによって、レンズの方が鏡筒より多く膨張すると、常温時には接触していない例えば残りの6カ所でも圧入状態となり、常温時以上にレンズに応力発生しレンズが永久変形して光学特性が低下してしまうという問題発生する。この光学特性の劣化は、高信頼性が求められるセンシング用途の車載カメラにおいては特に看過できない問題となってきた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、熱膨張によるレンズの偏心および変形を抑制できるレンズユニット、カメラモジュール、撮像システムおよび移動体を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明に係るレンズユニットは、光軸に沿って並べられた複数の樹脂製のレンズと、これら複数のレンズを収容保持する樹脂製の鏡筒とを備えたレンズユニットであって、
前記鏡筒は、前記光軸と直交する断面視において、前記レンズの直径より大径の仮想円から径方向内側に突出し、かつ周方向に等間隔で配置された3~6個の支持部を備え、
前記支持部に前記レンズの外周面が圧接されていることを特徴とする。
本発明においては、鏡筒が光軸と直交する断面視において、レンズの直径より大径の仮想円から径方向内側に突出し、かつ周方向に等間隔で配置された3~6個の支持部を備え、前記支持部に前記レンズの外周面が圧接されているので、熱膨張によるレンズの偏心を抑制できるとともに、熱膨張時に、レンズは、当該レンズの外周面のうち3~6箇所からしか鏡筒から力を受けないので、従来に比してレンズに応力の発生が少なくなり、その結果、熱膨張によるレンズの変形を抑制できる。
また、本発明の前記構成において、前記鏡筒は、前記光軸と直交する断面視において、前記仮想円から径方向内側に突出し、かつ、前記仮想円からの突出長さが前記支持部より短い複数の規制部を備え、
複数の前記規制部は前記仮想円の周方向にバランスよく配置されていてもよい。
ここで、前記規制部は、高温時にレンズが熱膨張した場合でも、当該レンズに圧接しないように、仮想円からの突出長さが調整される。
樹脂製の鏡筒は製造誤差等に起因して、レンズを保持する鏡筒の内径面(内周面)が断面視において完全な真円とはならず、楕円となりやすい。このため、3~6個の支持部を設けた場合、レンズと鏡筒の線膨張率の相違によって温度によっては一部の支持部がレンズの外周面に圧接せず、僅かに支持部とレンズとの間に隙間が生じ、レンズが若干光軸に垂直な方向に移動可能になる場合がある。この場合、レンズの圧接(圧入)による位置が安定せず、レンズが径方向に移動して、レンズに偏心が生じてしまう。
これに対して、上述した構成によれば、複数の規制部が仮想円の周方向にバランスよく配置されているので、レンズが径方向に移動しても、当該レンズが規制部に当接してそれ以上の移動が規制される。したがって、レンズの偏心を抑制できる。また規制部は突出長さが前記支持部より短いので、高温時においてもレンズとの圧接が抑制される。したがって、熱膨張によるレンズの変形を抑制できるという上述した効果を妨げない。
また、本発明の前記構成において、複数の前記支持部は、前記仮想円に両端点を有する同長さの第1弦によって構成されていてもよいし、前記仮想円から径方向内側に突出する第1突起部によって構成されていてもよい。
また、本発明の前記構成において、複数の前記規制部は、前記仮想円に両端点を有する同長さの第2弦によって構成されていてもよいし、前記仮想円から径方向内側に突出する第2突起部によって構成されていてもよい。
また、本発明に係るカメラモジュールは、前記レンズユニットを備えることを特徴とする。
このような構成によれば、上述のレンズユニットの作用効果をカメラモジュールで得ることができる。
また、本発明は、前述のレンズユニットを備えるカメラモジュール、該カメラモジュールを有する撮像システム、および、撮像システムを搭載して成る移動体も提供する。このようなカメラモジュール、撮像システムおよび移動体によっても前述したレンズユニットと同様の作用効果を得ることができる。なお、「移動体」とは、移動できる物体の全てを指し、例えば車両等を挙げることができる。
本発明によれば、熱膨張によるレンズの偏心および変形を抑制できる。
本発明の第1の実施形態を示すもので、レンズユニットの概略断面図である。 同、カメラモジュールの概略断面図である。 同、鏡筒を光軸と直交する平面で切断した概略断面図である。 本発明の第2の実施形態を示すもので、鏡筒を光軸と直交する平面で切断した概略断面図である。 本発明の実施形態に係るカメラモジュールを備える撮像システム(車載システム)が搭載される移動体としての車両の概略図である。 図5の撮像システムを構成する撮像装置の構成を示すブロック図である。
以下、図面を参照しながら発明の実施形態を説明するが、本実施形態は、特にセンシングシステムにおいて信頼性の高いシステムを実現でき、強靭なインフラの開発に貢献することで国連の提唱する持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)の「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献する。
なお、以下で説明される本実施形態のレンズユニットは、特に車載カメラ等のカメラモジュール用のものであり、例えば、自動車の外表面側に固定して設置され、配線は自動車内に引き込まれてディスプレイやその他の装置に接続される。また、図1~図4においてレンズについてはハッチングを省略している。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るレンズユニット11を示している。図示のように、本実施の形態のレンズユニット11は、例えば樹脂製の円筒状の鏡筒(バレル)12と、鏡筒12の段付きの内側収容空間S内に配置される複数のレンズ、例えば、物体側から、第1レンズ13、第2レンズ14、第3レンズ15、第4レンズ16、第5レンズ17および第6レンズ18から成る6つのレンズと、2つの絞り部材22a,22bとを備えている。
絞り部材22a,22bは、本実施形態では、第2レンズ14と第のレンズ15との間、および、第4レンズ16と第5レンズ17との間に介挿されており、透過光量を制限し、明るさの指標となるF値を決定する「開口絞り」またはゴーストの原因となる光線や収差の原因となる光線を遮光する「遮光絞り」である。このようなレンズユニット11を備える車載カメラは、レンズユニット11と、図示しないイメージセンサを有する基板と、当該基板を自動車等の車両に設置する図示しない設置部材とを備えるものである。
鏡筒12の内側収容空間S内に組み込まれて収容保持される複数のレンズ13,14,15,16,17,18は、それぞれの光軸を一致させた状態で積み重ねられて配置されており、1つの光軸Oに沿って各レンズ13,14,15,16,17,18が並べられた状態となって、撮像に用いられる一群のレンズ群Lを構成している。この場合、レンズ群Lを構成する最も物体側に位置される第1レンズ13は、物体側に凸面を有するとともに像側凹面を有する球面ガラスレンズであり、その他のレンズ14,15,16,17,18は樹脂レンズであるが、これに限定されない。また、これらのレンズ13,14,15,16,17,18の表面(物体側の表面および/または像側の表面)には、必要に応じて、反射防止膜、親水膜、撥水膜等が設けられる。
また、本実施形態において、像側に位置される2つの第5および第6レンズ17,18は接合レンズ(貼り合わせレンズ)30を構成している。このような接合レンズ30を構成する第5および第6レンズ17,18は、図示のように、物体側に位置される第5レンズ17の像側に面する表面の環状凸部が像側に位置される第6レンズ18の物体側に面する表面の対応する環状凹部と嵌合されることにより組み付けられて、接着剤等によって一体的に固定される。
また、本実施形態において、最も物体側に位置される第1レンズ13と鏡筒12との間にはシール部材としてのOリング26が介挿され、鏡筒12の内側のレンズ群L内に水や塵埃が侵入しないようにしている。この場合、第1レンズ13の外周側面13cに、該レンズ13の像側部分で径が小さくなった段差状の縮径部13dが設けられ、この縮径部13dにOリング26が装着されて、第1レンズ13の外周側面13cと鏡筒12の内周面との間でOリング26が径方向で圧縮されることにより、鏡筒12の物体側端部が封止された状態となっている。
また、鏡筒12は、その内側収容空間S内にレンズ群Lが組み込まれて収容保持された状態で、その物体側の端部(図1において上端部)のカシメ部23が径方向内側にカシメられることにより、レンズ群Lの最も物体側に位置される第1レンズ13をこのカシメ部23で鏡筒12の物体側端部に固定する。なお、第1レンズ13の固定は、カシメ部23に限ることなく、鏡筒12にレンズ13,14,15,16,17,18を収容した後に鏡筒12の物体側の端部に取り付けられる固定キャップによって行なわれてもよい。
また、内側収容空間Sは、第1レンズ13を収容保持する第1収容保持部S1、第2レンズ14を収容する第2収容保持部S2、第3レンズ15を収容する第3収容保持部S3、第4レンズ16を収容する第3収容保持部S3、第6レンズ18を収容する第5収容保持部S5を備え、第1収容保持部S1から第5収容保持部S5に向けて段階的に内径が小さくなっている。なお、第5レンズ17は、第4収容保持部S4と第5収容保持部S5とに跨って収容されている。そして、鏡筒12の軸方向に隣り合う収容保持部どうし間には、径方向内側に張り出す段差面が設けられている。
また、鏡筒12の像側の端部(図1において下端部)には、第6レンズ18よりも径の小さい開口部を有する内側フランジ部24が設けられている。この内側フランジ部24とカシメ部23とにより、鏡筒12内にレンズ群Lを構成する複数のレンズ13,14,15,16,17,18と絞り部材22a,22bとが光軸方向で保持固定されている。
なお、鏡筒12の外周面には、鏡筒12を車載カメラに設置する際に用いられる外側フランジ部25が鏡筒12の外周面に鍔状に設けられている。
また、本実施の形態において、レンズの数、レンズおよび鏡筒の素材等については用途等に応じて任意に設定できる。また、本実施形態において、像側に位置する2つの第5および第6レンズ17,18は貼り合わせレンズ30であるが、そうである必要はない。なお、これらのレンズ13,14,15,16,17,18の表面には、必要に応じて、反射防止膜、親水膜、撥水膜等が設けられる。
図2は、図1に示すレンズユニット11を有する本実施形態のカメラモジュール300の概略断面図である。図示のように、カメラモジュール300は、フィルタ105が装着されたレンズユニット11を含んで構成されている。
カメラモジュール300は、外装部品である上ケース(カメラケース)301と、レンズユニット11を保持するマウント(台座)302とを備えている。また、カメラモジュール300は、シール部材303およびパッケージセンサ(撮像素子)304を備えている。
上ケース301は、レンズユニット11の物体側の端部を露出させるとともに他の部分を覆う部材である。マウント302は、上ケース301の内部に配置されており、レンズユニット11の雄ねじ11aと螺合する雌ねじ302aを有する。シール部材303は、上ケース301の内面とレンズユニット11の鏡筒12の外周面との間に介挿された部材であり、上ケース301の内部の気密性を保持するための部材である。
パッケージセンサ304は、マウント302の内部に配置されており、かつ、レンズユニット11により形成される物体の像を受光する位置に配置されている。また、パッケージセンサ304は、CCDやCMOS等を備えており、レンズユニット11を通じて集光されて到達する光を電気信号に変換する。変換された電気信号は、カメラにより撮影された画像データの構成要素であるアナログデータやデジタルデータに変換される。
以上のような構成を成すレンズユニット11およびカメラモジュール300において、図3に示すように、鏡筒12は、光軸Oと直交する断面視において、レンズの直径より大径の仮想円Kから径方向内側に突出し、かつ周方向に等間隔で配置された3~6個の支持部41を備え、支持部41にレンズの外周面が圧接されている。
図3は、鏡筒12を光軸Oと直交する平面で切断した概略断面図である。ここでは、レンズ13~18のうち、第3収容保持部S3に収容される第3レンズ15を代表してレンズ40として説明する。図3において符号41は支持部を示す。当該支持部41は、レンズ40の直径より大径の仮想円Kから径方向内側に突出している。
仮想円Kは、光軸Oを中心とする円であり、レンズ40の外周円との間に所定の隙間が設けられている。したがって、レンズ40は仮想円K内に当該仮想円Kに当接することなく納まる。
また、本実施形態では、支持部41は6個あり、当該6個の支持部41は仮想円Kの周方向に等間隔で配置されている。つまり、支持部41は仮想円Kの周方向に60°間隔で配置されている。なお、支持部41は3~6個の範囲であれば、何個でもよい。
支持部41は、仮想円Kに両端点41a,41aを有する第1弦41bによって構成されている。第1弦41bの長さは全て(6個)の支持部41において同長さに設定されている。
そして、第1弦41bによって構成された支持部41にレンズ40の外周面が圧接されている。(図3は断面であるので、支持部41にレンズ40の外周線が圧接されている。)
また、鏡筒12は、光軸Oと直交する断面視において、仮想円Kから径方向内側に突出し、かつ、仮想円Kからの突出長さが支持部41より短い複数の規制部42を備え、複数の規制部42は仮想円Kの周方向にバランスよく配置されている。本実施形態では、規制部42は6個あり、当該規制部42は周方向に隣り合う支持部41,41間に配置されている。つまり、規制部42も支持部41と同様に、仮想円Kの周方向に60°の等間隔で配置され、かつ、支持部41,41間の中央部に配置されている。
ここで、複数の規制部42を仮想円Kの周方向にバランスよく配置するとは、上述したように、6個の規制部42を仮想円Kの周方向に等間隔で配置することに限らない。例えば、3個の規制部42を仮想円Kの周方向に120°の等間隔で配置してもよいし、4個の規制部42を仮想円Kの周方向に90°の等間隔で配置してもよいし、7個以上の規制部を仮想円Kの周方向に等間隔または不等間隔で配置してもよいが、規制部42は支持部41に重ならないように、周方向に隣り合う支持部41,41間に配置する。
本実施形態では、規制部42は、仮想円Kに両端点42a,42aを有する第2弦42bによって構成されている。第2弦42bの長さは全て(6個)の規制部42において同長さに設定されている。
そして、鏡筒12にレンズ40を組み込んだ状態では、第2弦42bによって構成された規制部42にレンズ40の外周面は当接しておらず(図3は断面であるので、規制部42にレンズ40の外周線が当接しておらず)、規制部42との間に所定の隙間が設けられている。また、規制部42は、高温時にレンズ40が熱膨張した場合でも、当該レンズ40に圧接しないように、かつ、レンズ40が径方向に移動しても、当該レンズ40が規制部42に当接してそれ以上の移動が規制されるように、仮想円Kからの突出長さが調整されている。
すなわち、樹脂製の鏡筒12は製造誤差等に起因して、鏡筒12の内径面(内周面)が断面視において完全な真円とはならず、楕円となりやすい。このため、一部の支持部41がレンズ40の外周面に圧接せず、僅かに支持部41とレンズ40との間に隙間が生じている場合がある。この場合、レンズ40の圧接(圧入)による位置が安定せず、レンズ30が径方向に移動して、レンズに偏心が生じてしまう。
これに対して、レンズ40が径方向に移動しても、当該レンズ40が規制部42に当接してそれ以上の移動が規制されるように、規制部42の仮想円Kからの突出長さが調整されている。
また、図3に示す断面において、周方向に隣り合う支持部41と規制部42との間には、仮想円Kの一部の円弧が配置され、この円弧が支持部41と規制部42とを繋いでいる。つまり、支持部41および規制部42はそれぞれ光軸O方向(図3において紙面と直交する方向)に延びる平坦面によって形成され、これら平坦面どうしが円弧面によって繋がれている。
以上のように、本実施形態によれば、鏡筒12が光軸と直交する断面視において、レンズ40の直径より大径の仮想円Kから径方向内側に突出し、かつ周方向に等間隔で配置された6個の支持部41を備え、支持部41にレンズ40の外周面が圧接されているので、熱膨張によるレンズ40の偏心を抑制できるとともに、熱膨張時に、レンズ40は、当該レンズ40の外周面のうち6箇所からしか鏡筒12から力を受けないので、従来に比してレンズ40の応力の発生が少なくなり、その結果、熱膨張によるレンズ40の変形を抑制できる。
また、鏡筒12は、光軸Oと直交する断面視において、仮想円Kから径方向内側に突出し、かつ、仮想円Kからの突出長さが支持部41より短い6個の規制部42を備え、6個の規制部42は仮想円の周方向にバランスよく配置されているので、レンズ40が径方向に移動しても、当該レンズ40が規制部42に当接してそれ以上の移動が規制される。したがって、レンズ40の偏心を抑制できる。
(第2の実施形態)
図4は第2の実施形態を示すもので、鏡筒12を光軸Oと直交する平面で切断した概略断面図である。本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、支持部と規制部の構成であり、その他の構成は第1の実施形態と同様である。したがって、以下では支持部と規制部の構成を説明し、その他の構成の説明は省略する。
本実施形態では、複数の支持部51は、仮想円Kから径方向内側に突出する第1突起部によって構成されている。支持部51は6個あり、当該6個の支持部51は仮想円Kの周方向に等間隔で配置されている。つまり、支持部51は仮想円Kの周方向に60°間隔で配置されている。
なお、支持部51は3~6個の範囲であれば、何個でもよい。また、本実施形態では、支持部51は断面視において矩形状の第1突起部によって構成されているが、円弧状や半長円状の第1突起部によって構成されていてもよい。つまり、支持部51は、仮想円Kから径方向内側に突出する形状であれば、どのような形状でもよい。
そして、矩形状の第1突起部によって構成された支持部51にレンズ40の外周面が圧接されている。(図4は断面であるので、支持部51にレンズ40の外周線が圧接されている。)
また、本実施形態では、複数の規制部52は、光軸と直交する断面視において、仮想円Kから径方向内側に突出する第2突起部によって構成されている。また、規制部52は仮想円Kからの突出長さが支持部51より短くなっている。また、本実施形態では、規制部52は断面視において矩形状に形成されているが、円弧状や半長円状に形成されていてもよい。つまり、規制部52は、仮想円Kから径方向内側に突出する形状であれば、どのような形状でもよい。
そして、鏡筒12にレンズ40を組み込んだ状態では、第2突起部によって構成された規制部52にレンズ40の外周面は当接しておらず(図4は断面であるので、規制部52にレンズ40の外周線が当接しておらず)、規制部52との間に所定の隙間が設けられている。また、規制部52は、高温時にレンズ40が熱膨張した場合でも、当該レンズ40に圧接しないように、かつ、レンズ40が径方向に移動しても、当該レンズ40が規制部52に当接してそれ以上の移動が規制されるように、仮想円Kからの突出長さが調整されている。
また、図4に示す断面において、周方向に隣り合う支持部51と規制部52との間には、仮想円Kの一部の円弧が配置され、この円弧が支持部51と規制部52とを繋いでいる。つまり、支持部51および規制部52はそれぞれ光軸O方向(図4において紙面と直交する方向)に延びる四角柱によって形成され、これら四角柱どうしが円弧面、つまり鏡筒12の内径面を形成する円弧面によって繋がれている。
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、鏡筒12が光軸と直交する断面視において、レンズ40の直径より大径の仮想円Kから径方向内側に突出し、かつ周方向に等間隔で配置された6個の支持部51を備え、支持部51にレンズ40の外周面が圧接されているので、熱膨張によるレンズ40の偏心を抑制できるとともに、熱膨張時に、レンズ40は、当該レンズ40の外周面のうち6箇所からしか鏡筒12から力を受けないので、従来に比して応力の発生が少なくなり、その結果、熱膨張によるレンズ40の変形を抑制できる。
また、鏡筒12は、光軸Oと直交する断面視において、仮想円Kから径方向内側に突出し、かつ、仮想円Kからの突出長さが支持部51より短い6個の規制部52を備え、6個の規制部52は仮想円の周方向にバランスよく配置されているので、レンズ40が径方向に移動しても、当該レンズ40が規制部52に当接してそれ以上の移動が規制される。したがって、レンズ40の偏心を抑制できる。
なお、上述した第1および第2の実施形態では、第3レンズ15(代表としてレンズ40として説明した。)を収容する第3収容保持部S3に、支持部41,51および規制部42,52を設けた場合を例にとって説明したが、第2レンズ14を保持する収容保持部S2、第4レンズ16を収容する収容保持部S4、第6レンズ18を収容保持する収容保持部S5に、同様にして支持部41,51および規制部42,52を設けてもよい。
また、収容保持部S2~S5のうち、適宜選択された収容保持部に支持部41,51および規制部42,52を設け、選択されない他の収容保持部には支持部41,51および規制部42,52を設けずに、従来と同様に八角形以上の多角形状の内周面を設け、当該内周面にレンズの外周面を圧接させるようにしてもよい。
要は、熱膨張に起因してレンズが変形しやすい場合に、そのレンズを収容する収容保持部に支持部41,51および規制部42,52を設け、熱膨張によってレンズが変形し難く、レンズの位置精度(径方向の位置精度)が求められる場合は、八角形以上の多角形状の内周面を設け、当該内周面にレンズの外周面を圧接させるようにしてもよい。
さらに、レンズを保持する鏡筒12の内径面(内周面)が断面視においてほぼ真円であり、レンズ40の径方向への移動がほぼないと考えられる場合、鏡筒12は支持部41,51を備えていればよく、規制部材42,52は備えていなくてもよい。
また、第1レンズ13を収容する第1収容保持部S1は、円筒面状に形成されているが、この第1収容保持部S1に支持部41,51および規制部42,52を設けてもよい。
図5には、図2に示すカメラモジュール300を含む撮像装置250を備える車載システム(撮像システム)が搭載される移動体としての車両240が概略的に示されている。図示のように、撮像装置250は車両240に搭載することができ、図5は、車両240における撮像装置250の搭載位置を例示する配置例である。車両240に搭載される撮像装置250は、車載カメラと呼ぶこともでき、車両240の種々の場所に設置することができる。例えば、第1の撮像装置250aは、車両240が走行する際の前方を監視するカメラとして、フロントバンパー又はその近傍に配置されてもよい。また、前方を監視する第2の撮像装置250bは、車両240の車室内のルームミラー(Inner Rearview Mirror)の近傍に配置されてもよい。第3の撮像装置250cは、運転者の運転状況を監視するカメラとしてダッシュボード上又はインスツルメントパネル内等に配置されてもよい。第4の撮像装置250dは、車両240の後方モニター用に車両240の後部に設置されてもよい。撮像装置250a、250bはフロントカメラと呼ぶことができる。第3の撮像装置250cは、インカメラと呼ぶことができる。第4の撮像装置250dはリアカメラと呼ぶことができる。撮像装置250は、これらに限られず、左後ろ側方を撮像する左サイドカメラおよび右後ろ側方を撮像する右サイドカメラ等、種々の位置に設置される撮像装置を含む。
撮像装置250により撮像された画像の画像信号は、車両240内の情報処理装置242および/または表示装置243等に出力され得る。これらの情報処理装置242および表示装置243は、撮像装置250と共に車載システムを構成する。車両240内の情報処理装置242は、撮像装置250により取得される画像信号を処理し、画像を認識して運転者の運転を支援する装置を含む。また、情報処理装置242は、例えば、ナビゲーション装置、衝突被害軽減ブレーキ装置、車間距離制御装置、および、車線逸脱警報装置等を含むが、これらに限定されない。表示装置243は、情報処理装置242により処理されて出力される画像を表示するが、撮像装置250から直接に画像信号を受信することもできる。また、表示装置243は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、および、無機ELディスプレイを採用し得るが、これらに限定されない。表示装置243は、リアカメラ等の運転者から視認しづらい位置の画像を撮像する撮像装置250から出力された画像信号を、運転者に対して表示することができる。
図6には、図5の車載システムを構成する撮像装置の構成が示される。図示のように、一実施の形態に係る撮像装置250は、制御部252と、記憶部254と、前述した図2に示すのカメラモジュール300とを備える。
制御部252は、カメラモジュール300を制御するとともに、カメラモジュール300の撮像素子304から出力される電気信号を処理する。この制御部252は例えばプロセッサとして構成されてもよい。また、制御部252は1つ以上のプロセッサを含んでもよい。プロセッサは、特定のプログラムを読み込ませて特定の機能を実行する汎用のプロセッサ、および、特定の処理に特化した専用のプロセッサを含んでもよい。専用のプロセッサは、特定用途向けIC(Integrated Circuit)を含んでもよい。特定用途向けICは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)とも称される。プロセッサは、プログラマブルロジックデバイスを含んでもよい。プログラマブルロジックデバイスは、PLD(Programmable Logic Device)とも称される。PLDは、FPGA(Field-Programmable Gate Array)を含んでもよい。制御部252は、1つ以上のプロセッサが協働するSoC(System-on-a-Chip)、および、SiP(System In a Package)のいずれかであってもよい。
記憶部254は、撮像装置250の動作に係る各種情報又はパラメータを記憶する。記憶部254は、例えば半導体メモリ等で構成されてもよい。記憶部254は、制御部252のワークメモリとして機能してもよい。記憶部254は、撮像画像を記憶してもよい。記憶部254は、制御部252が撮像画像に基づく検出処理を行なうための各種パラメータ等を記憶してもよい。記憶部254は制御部252に含まれてもよい。
前述したように、カメラモジュール300は、レンズユニット11を介して結像する被写体像を撮像素子304で撮像し、撮像した画像を出力する。カメラモジュール300で撮像された画像は、撮像画像とも称される。
撮像素子304は、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ又はCCD(Charge Coupled Device)等で構成されてよい。撮像素子304は、複数の画素が並ぶ撮像面を有する。各画素は、入射した光量に応じて電流又は電圧で特定される信号を出力する。各画素が出力する信号は、撮像データとも称される。
撮像データは、全ての画素についてカメラモジュール300で読み出され、撮像画像として制御部252に取り込まれてもよい。全ての画素について読み出された撮像画像は、最大撮像画像とも称される。撮像データは、一部の画素についてカメラモジュール300で読み出され、撮像画像として取り込まれてもよい。言い換えれば、撮像データは、所定の取り込み範囲の画素から読み出されてもよい。所定の取り込み範囲の画素から読み出された撮像データは、撮像画像として取り込まれてもよい。所定の取り込み範囲は、制御部252によって設定されてもよい。カメラモジュール300は、制御部252から所定の取り込み範囲を取得してもよい。撮像素子304は、レンズユニット11を介して結像する被写体像のうち所定の取り込み範囲の画像を撮像してもよい。
以上、特定の実施の形態に関連して本発明を説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、本発明において、レンズ、鏡筒などの形状等は、上述した実施形態に限定されない。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、上述した実施形態の一部または全部を組み合わせてもよく、あるいは、上述した実施形態のうちの1つから構成の一部が省かれてもよい。
11 レンズユニット
12 鏡筒
13,14,15(40),16,17,40 レンズ
41,51 支持部
41b 第1弦
42,52 規制部
42b 第2弦
240 車両(移動体)
242 情報処理装置(処理装置)
243 表示装置
250 撮像装置
252 制御部
300 カメラモジュール
O 光軸
S 収容保持部

Claims (9)

  1. 光軸に沿って並べられた複数の樹脂製のレンズと、これら複数のレンズを収容保持する樹脂製の鏡筒とを備えたレンズユニットであって、
    前記鏡筒は、前記光軸と直交する断面視において、前記レンズの直径より大径の仮想円から径方向内側に突出し、かつ周方向に等間隔で配置された3~6個の支持部を備え、
    前記支持部に前記レンズの外周面が圧接されていることを特徴とするレンズユニット。
  2. 前記鏡筒は、前記光軸と直交する断面視において、前記仮想円から径方向内側に突出し、かつ、前記仮想円からの突出長さが前記支持部より短い複数の規制部を備え、
    複数の前記規制部は前記仮想円の周方向にバランスよく配置されていることを特徴とする請求項1に記載のレンズユニット。
  3. 複数の前記支持部は、前記仮想円に両端点を有する同長さの第1弦によって構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のレンズユニット。
  4. 複数の前記支持部は、前記仮想円から径方向内側に突出する第1突起部によって構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のレンズユニット。
  5. 複数の前記規制部は、前記仮想円に両端点を有する同長さの第2弦によって構成されていることを特徴とする請求項2に記載のレンズユニット。
  6. 複数の前記規制部は、前記仮想円から径方向内側に突出する第2突起部によって構成されていることを特徴とする請求項2に記載のレンズユニット。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載のレンズユニットを備えることを特徴とするカメラモジュール。
  8. 請求項7に記載のカメラモジュールと、前記カメラモジュールを制御するとともに前記カメラモジュールの撮像素子から出力される電気信号を処理する制御部とを有する撮像装置と、
    前記撮像装置により取得される画像信号を処理する処理装置と、
    前記処理装置により処理されて出力される画像を表示する表示装置と、
    を有することを特徴とする撮像システム。
  9. 請求項8に記載の撮像システムを搭載し、前記表示装置により乗員への情報を出力することを特徴とする移動体。
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