JP7202943B2 - オレフィン系重合体混合物の製造方法 - Google Patents

オレフィン系重合体混合物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明はオレフィン系重合体混合物の製造方法に関する。
オレフィン系熱可塑性重合体組成物を製造する際、原料である熱可塑性重合体のペレットと、安定剤などの粉状添加剤との混合物を得るにあたっては、種々の方法が行われているが、予め高せん断下で混合してから、混合物を溶融混練装置に供給することにより溶融混練し、組成物を製造する方法もそのうちの一つである。これら混合機には、混合槽と混合用撹拌羽根とを有するものが一般的であり、ヘンシェルミキサー、FMミキサTMなどと呼ばれることがある。
しかしながら、結晶性ポリオレフィンとエチレン系共重合体とを含む原料と、安定剤などとを予め混合してから組成物を製造しようとするにあたり、粉状の安定剤が槽内で押し固められるなどして、混合機の混合槽に残留してしまい排出されないために、組成物中に存在するべき量の安定剤が定量的に含まれない場合がある。
このような場合には、添加剤、例えば安定剤の添加効果が減少してしまい、期待される性能を有する組成物が得られないことにもつながりかねない。
本発明の課題は、混合槽と混合用撹拌羽根とを有する混合機で、特定の組成の結晶性ポリオレフィンとエチレン系共重合体とを、粉状又は粒状の添加剤と混合するにあたり、粉状又は粒状の添加剤が混合槽に残留することが少ない、混合物の製造方法を提供し、更にその混合物を用いたオレフィン系熱可塑性エラストマーの製造方法を提供することにある。
本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)(A)エチレン由来の構成単位と炭素数3~20のα-オレフィン由来の構成単位とを含む共重合体のペレット65~45質量部、
(B)DSCで測定した融点が135~170℃である結晶性α-オレフィン系重合体のペレット35~55質量部(但し、成分(A)及び(B)の合計を100質量部とする)、及び
(C)DSCで測定した融点が30~150℃である成分を少なくとも含む粉状又は粒状の添加剤、成分(A)及び(B)の合計100質量部に対し、0.001~3質量部を、
混合槽と混合用撹拌羽根とを有する混合機で、撹拌羽根の周速度1~50m/s、混合槽の深さと撹拌羽根の周速度の積15~100m/sの条件下で混合することを含む、オレフィン系重合体混合物の製造方法。
(2)成分(C)が、成分(A)及び(B)の合計100質量部に対し、界面活性剤0.001~0.5質量部、酸化防止剤0.001~1質量部及び紫外線吸収剤0.001~1質量部を含む前記(1)に記載の製造方法。
(3)成分(B)の角板についてのショアA硬度(測定条件15秒後)が90以上である前記(1)又は(2)に記載の製造方法。
(4)成分(A)のDSCで測定した融点が170℃以下であるか、又は観測されない前記(1)~(3)のいずれかに記載の製造方法。
(5)成分(A)の角板についてのショアA硬度(測定条件15秒後)が90未満である前記(1)~(4)のいずれかに記載の製造方法。
(6)混合槽の温度が0~80℃である前記(1)~(5)のいずれかに記載の製造方法。
(7)前記(1)~(6)のいずれかに記載の製造方法で得られた混合物を溶融混練することを含む、オレフィン系重合体組成物の製造方法。
本発明によれば、混合槽と混合用撹拌羽根とを有する混合機で、特定の組成の結晶性ポリオレフィンとエチレン系共重合体とを、粉状又は粒状の添加剤と混合するにあたり、粉状又は粒状の添加剤が混合槽に残留することが少ない、混合物の製造方法を提供することができる。
<成分(A):エチレン由来の構成単位と炭素数3~20のα-オレフィン由来の構成単位とを含む共重合体のペレット>
本発明において成分(A)として用いるエチレン由来の構成単位と炭素数3~20のα-オレフィン由来の構成単位とを含む共重合体(以下「エチレン系共重合体(A)」という。)は、エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンとを主成分とする共重合体であり、好ましくは、エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンからなる無定形ランダムな共重合体、エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンと非共役ポリエンとからなる無定形ランダムな共重合体が挙げられる。
前記α-オレフィンとしては、具体的には、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、2-メチル-1-プロペン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、5-メチル-1-ヘキセン等が挙げられる。中でも、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテンが好ましい。とりわけ1-ブテンが好ましい。これらのα-オレフィンは、単独で、又は2種以上混合して用いられる。
エチレン系共重合体(A)におけるエチレンと炭素数3~20のα-オレフィンとのモル比は、通常55/45~85/15であり、好ましくは60/40~83/17である。
前記非共役ポリエンとしては、具体的には、ジシクロペンタジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネン(例えば、5-メチレン-2-ノルボルネン)、エチリデンノルボルネン(例えば、5-エチリデン-2-ノルボルネン)、メチルテトラヒドロインデン、5-ビニル-2-ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2-ノルボルネン、6-クロロメチル-5-イソプロペニル-2-ノルボルネン、ノルボルナジエン等の環状ジエン;1,4-ヘキサジエン、3-メチル-1,4-ヘキサジエン、4-メチル-1,4-ヘキサジエン、5-メチル-1,4-ヘキサジエン、4,5-ジメチル-1,4-ヘキサジエン、6-メチル-1,6-オクタジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン、6-エチル-1,6-オクタジエン、6-プロピル-1,6-オクタジエン、6-ブチル-1,6-オクタジエン、6-メチル-1,6-ノナジエン、7-メチル-1,6-ノナジエン、6-エチル-1,6-ノナジエン、7-エチル-1,6-ノナジエン、6-メチル-1,6-デカジエン、7-メチル-1,6-デカジエン、6-メチル-1,6-ウンデカジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン等の鎖状ジエン;2,3-ジイソプロピリデン-5-ノルボルネン、2-エチリデン-3-イソプロピリデン-5-ノルボルネン等のトリエン等が挙げられる。非共役ポリエンが存在する場合、エチレン系共重合体(A)のヨウ素価は、通常0.1~20、好ましくは1~20である。
エチレン系共重合体(A)としては、エチレン・1-ブテン共重合体が好ましい。
エチレン系共重合体(A)の密度は、通常850~870kg/m、好ましくは855~870kg/mである。
エチレン系共重合体(A)は、MFR(ISO1133、190℃、2.16kg荷重)が、通常0.1~50g/10分であり、好ましくは0.1~10g/10分である。
エチレン系共重合体(A)は、MFR(ISO1133、230℃、2.16kg荷重)が、通常0.2~100g/10分であり、好ましくは0.2~20g/10分である。
エチレン系共重合体(A)のムーニー粘度[ML1+4(125℃)]は、通常35~300、好ましくは40~160である。
エチレン系共重合体(A)は、示差走査熱量分析(DSC)で得られる融点(Tm)が、170℃以下(好ましくは100℃以下、更に好ましくは90℃以下)であるか、あるいは観測されないことが好ましい。ここで、「融点が観測されない」とは融解熱量(ΔH)が1J/g未満であることを意味する。
エチレン系共重合体(A)は、混合槽へ固着した添加剤(C)の剥離性の観点から、角板についてのショアA硬度(測定条件15秒後)が90未満であることが好ましく、15以上90未満であることが更に好ましい。
本発明に用いるエチレン系共重合体(A)は、その製造の際に軟化剤、好ましくは鉱物油系軟化剤を配合した、いわゆる油展ゴムであってもよい。鉱物油系軟化剤としては、従来公知の鉱物油系軟化剤、例えばパラフィン系プロセスオイルなどが挙げられる。
エチレン系共重合体(A)の配合量は、エチレン系共重合体(A)及び結晶性α-オレフィン系重合体(B)の合計100質量部に対して、45~65質量部、好ましくは45~60質量部である。前記エチレン系共重合体(A)の配合量が45質量部未満であると、剛性が上昇し低温での衝撃性が著しく悪化する懸念があり、65質量部を超えると、流動性や結晶性が不足し射出成形には適さない可能性がある。
本発明においては、混合槽での流動性の観点から、エチレン系共重合体(A)として、「ペレット状」のものを用いる。ペレットの形状は、特に制限はなく、例えば粒状、柱状、板状、球状が挙げられる。
エチレン系共重合体(A)のペレットの大きさを表す指標として、粒状のペレットの場合、平均粒径が挙げられる。エチレン系共重合体(A)のペレットの平均粒径は、通常1~20mm、好ましくは1~15mm、更に好ましくは1~10mmである。また、柱状のペレットの場合、長さは通常1~10mm、幅(直径)は通常0.5~5mmである。
<成分(B):結晶性α-オレフィン系重合体のペレット>
本発明において成分(B)として用いる結晶性α-オレフィン系重合体(以下「結晶性α-オレフィン系重合体(B)」という。)は、α-オレフィンから得られる結晶性の重合体であれば特に制限されないが、1種以上のモノオレフィンを、高圧法又は低圧法の何れかにより重合して得られる結晶性の高分子量固体生成物からなる重合体であることが好ましい。このような重合体としては、アイソタクチックモノオレフィン重合体、シンジオタクチックモノオレフィン重合体等が挙げられる。
結晶性α-オレフィン系重合体(B)は、従来公知の方法で合成して得てもよく、市販品を用いてもよい。
結晶性α-オレフィン系重合体(B)は、1種単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
結晶性α-オレフィン系重合体(B)の原料となるモノオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、2-メチル-1-プロペン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、5-メチル-1-ヘキセン等が挙げられる。これらのオレフィンは、1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
結晶性α-オレフィン系重合体(B)の中でも、耐熱性、耐油性の点からは、プロピレンを主とするモノオレフィンから得られるプロピレン単独重合体又はプロピレン共重合体であるプロピレン系(共)重合体が好ましい。なお、プロピレン共重合体の場合、プロピレン由来の構成単位の含有量は好ましくは40モル%以上、より好ましくは50モル%以上であり、プロピレン以外の単量体由来の構成単位となるモノオレフィンとしては、好ましくはプロピレン以外の前記モノオレフィン、より好ましくはエチレン、ブテンである。
重合様式はランダム型でもブロック型でも、結晶性の樹脂状物が得られればどのような重合様式を採用しても差支えない。
結晶性α-オレフィン系重合体(B)は、射出成形性及び低温での衝撃性の観点から、MFR(ISO1133、230℃、2.16kg荷重)が、通常20~200g/10分であり、好ましくは40~70g/10分である。
結晶性α-オレフィン系重合体(B)は、示差走査熱量分析(DSC)で得られる融点(Tm)が、135~170℃であり、好ましくは155~165℃である。前記融点(Tm)が135℃未満であると、低温での衝撃性が良化する一方で、剛性が低下し、170℃を超えると、剛性が上昇する一方で、低温での衝撃性が悪化する可能性がある。
結晶性α-オレフィン系重合体(B)は、混合槽へ固着した添加剤(C)の剥離性の観点から、角板についてのショアA硬度(測定条件15秒後)が90以上であることが好ましく、90~99であることが更に好ましい。
結晶性α-オレフィン系重合体(B)の密度は、通常890~910kg/m、好ましくは900~910kg/mである。
結晶性α-オレフィン系重合体(B)は、オレフィン系重合体組成物の流動性及び耐熱性を向上させる役割を果たす。
結晶性α-オレフィン系重合体(B)の配合量は、エチレン系共重合体(A)及び結晶性α-オレフィン系重合体(B)の合計100質量部に対して、35~55質量部、好ましくは40~55質量部である。前記結晶性α-オレフィン系重合体(B)の配合量が35質量部未満であると、流動性が不足し射出成形には適さない可能性があり、55質量部を超えると、剛性が上昇し低温での衝撃性が著しく悪化する懸念がある。
本発明においては、混合槽での流動性の観点から、結晶性α-オレフィン系重合体(B)として、「ペレット状」のものを用いる。ペレットの形状は、特に制限はなく、例えば粒状、柱状、板状、球状が挙げられる。
結晶性α-オレフィン系重合体(B)のペレットの大きさを表す指標として、粒状のペレットの場合、平均粒径が挙げられる。結晶性α-オレフィン系重合体(B)のペレットの平均粒径は、通常1~30mm、好ましくは1~25mm、更に好ましくは1~20mmである。また、柱状のペレットの場合、長さは通常1~30mm、幅(直径)は通常0.5~5mmである。
<成分(C):粉状又は粒状の添加剤>
本発明において成分(C)として用いる粉状又は粒状の添加剤(以下「添加剤(C)」という。)は、重合体組成物に用いられる粉状又は粒状の添加剤であれば、特に制限はなく、例えば界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐熱安定剤、耐光安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、充填剤、受酸剤、結晶核剤、分散剤;ワックスなどの滑剤等、オレフィン系重合体組成物の分野で用いられている公知の粉状又は粒状の添加剤が挙げられる。
本発明は、添加剤の混合槽中の残留を抑制することを目的とするため、添加剤(C)はDSCで測定した融点が30~150℃(好ましくは30~100℃)である成分を少なくとも含むことが必要である。このような融点を有する成分は、1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
DSCで測定した融点が30~150℃である成分は、本発明を適用しない場合に、混合槽中の残留が認められる配合量であれば特に制限はなく、添加剤(C)中に、通常合計で20~100質量%、好ましくは40~100質量%含まれる。また融点が30~100℃の範囲にある成分は、添加剤(C)中に通常合計で10~100質量%、好ましくは30~100質量%である。
成分(C)として配合されるDSCで測定した融点が30~150℃である成分としては、例えば界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐熱安定剤、耐光安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤が挙げられる。
本発明においては、混合時の均一性の観点から、添加剤(C)としては、「粉状又は粒状」の添加剤を用いる。
添加剤(C)の大きさを表す指標として、平均粒径が挙げられる。添加剤(C)を構成する各成分の平均粒径は、それぞれ通常10μm~10mm、好ましくは10μm~5mm、更に好ましくは10μm~1mmである。
添加剤(C)の配合量は、添加剤の効果の観点から、エチレン系共重合体(A)及び結晶性α-オレフィン系重合体(B)の合計100質量部に対して、0.001~3質量部、好ましくは0.01~3質量部である。添加剤(C)の配合量が0.001質量部未満であると、添加剤の効果が十分に得られず、3質量部を超えると、表面に添加剤がブリードして成形不具合を生じる。
添加剤(C)は、添加剤の効果の観点から、エチレン系共重合体(A)及び結晶性α-オレフィン系重合体(B)の合計100質量部に対して、界面活性剤0.001~0.5質量部、酸化防止剤0.001~1質量部及び紫外線吸収剤0.001~1質量部を含むことが好ましい。
<重合体混合物の製造>
本発明においては、エチレン系共重合体(A)、結晶性α-オレフィン系重合体(B)及び添加剤(C)を混合槽と混合用撹拌羽根とを有する混合機で、撹拌羽根の周速度1~50m/s、混合槽の深さと撹拌羽根の周速度の積15~100m/sの条件下で混合してオレフィン系重合体混合物を製造する。
本発明に用いる混合槽と混合用撹拌羽根とを有する混合機としては、ヘンシェルミキサー(例えば、日本コークス工業(株)製、FMミキサTM)、スーパーミキサー等が挙げられ、一般に混合用に設計されたものであれば制限なく用いられる。ヘンシェルミキサーは例えば特開平2-149473、特開2001-315127、WO2014/185243などでも公知である。撹拌羽根の回転数は通常50~3000rpmの範囲であり、周速度が1~50m/sとなるように適宜調節することができる。
ヘンシェルミキサーの例としては、特に制限されるものではないが、例えば上述の特開2001-315127の図8のような構造が一例として挙げられる。撹拌羽根は一段設けられているだけでもよく、また上羽根と下羽根の2段構成、あるいは上羽根、中間羽根、下羽根の三段構成などのように複数段設けられていてもよく、特に制限はない。
また、撹拌羽根の形状に制限はないが、特開2001-315127の図9に記載された、羽根の形状は限定されないが、(A)のような三枚の羽根を有するもの、羽根の形状は限定されないが、前記特許文献の図9の(B)や(C)のように二枚の羽根を有するもの(以下、「2枚羽根」ということがある)、前記特許文献の図9の(D)のようにリング状本体の外縁の直形方向に2個の撹拌翼を設けた羽根など、種々挙げられ、特に制限はなく、例えば2枚羽根で2段構成以上であるものも例示できる。
撹拌羽根の周速度は、均一に混合させる観点から、1~50m/sであり、好ましくは15~40m/s、更に好ましくは20~30m/sである。撹拌羽根の周速度が1m/s未満であると、撹拌能力が十分でなく均一な混合物が得られない場合があり、50m/sを超えると、発熱により混合物が一部軟化し過負荷運転となってモータ-が停止する場合がある。
混合槽の深さと撹拌羽根の周速度の積は、均一に混合させる観点から、15~100m/sであり、好ましくは20~80m/s、更に好ましくは20~50m/sである。混合槽の深さと撹拌羽根の周速度の積が15m/s未満であると、撹拌能力が十分でなく均一な混合物を得られない場合があり、100m/sを超えると、発熱により混合物が一部軟化し過負荷運転となってモータ-が停止する場合がある。
なお、周速度は(撹拌羽根の直径(m)×回転数(rpm)×π/60(s))のようにして計算する。すなわち、(撹拌羽の先端間の距離×回転数×π/60秒)を意味する。撹拌羽根を二段、三段と複数設けるような場合は、撹拌羽根のうちもっとも直径が大きいものの直径を、前記撹拌羽根の直径として採用する。
混合槽の深さは一般的には、混合槽の上部から底までの距離を採用する。例えば前記特開2001-315127の図8であれば、ふたの内壁と底部の内壁との距離を測定すればよい。ふたが中央に向かって盛り上がっていたり、ふたが上部の奥まったところに存在し、混合槽が円筒形ではない場合は、その蓋の内壁から、底部の内壁の距離を測定する。底部が平面でない場合は撹拌羽根の撹拌軸と並行な方向であってかつ最も距離が長くなるように底部の点を取って測定する。
混合槽の温度は、特に制限はないが、通常0~80℃である。混合槽の加熱装置がある場合、使用してもよいが、使用しないことが好ましい。混合時の状態としては、混合槽の温度は0~60℃が好ましい。
本発明の製造方法により得られた混合物を、必要であれば他の添加物、例えば、架橋剤、架橋助剤等とともに、溶融混練機、例えば一軸又は多軸混練押出機、混練ロール、バッチ混練機、ニーダー、バンバリーミキサー等で溶融混練することにより重合体組成物を調製することができる。各成分の溶融混練温度(例えば、押出機ならシリンダー温度)は、160~260℃が好ましく、180~230℃が更に好ましい。
前記のようにして得られた重合体組成物は、射出成形、押出成形、インフレーション成形、ブロー成形、押出ブロー成形、射出ブロー成形、プレス成形、真空成形、カレンダー成形、発泡成形などの公知の成形方法により、各種成形体に成形することができる。
前記の成形方法のうち、射出成形が特に好ましく、その場合、流動性、金型転写性及び樹脂成分の酸化劣化の点から、成形温度は170~260℃が好ましく、180~250℃が更に好ましい。
次に本発明について実施例を示して更に詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
下記実施例及び比較例における物性の測定法は次の通りである。
[メルトフローレート(MFR)]
ISO1133に準拠し、230℃又は190℃、2.16kg荷重で測定した。
[融点(Tm)]
示差走査熱量分析(DSC)により測定する。この測定は、次のようにして行われる。試料5mg程度を専用アルミパンに詰め、(株)パーキンエルマー社製Diamond DSCを用い、30℃から230℃までを500℃/分で昇温し、230℃で10分間保持したのち、230℃から30℃までを10℃/分で降温し、30℃で更に1分間保持し、次いで10℃/分で昇温する際の吸熱曲線より融点を求める。なお、DSC測定時に、複数のピークが検出される場合は、最も高温側で検出されるピーク温度を融点(Tm)と定義する。
[密度]
密度は、ISO1183(水中置換法)に従って、水中と空気中で測定された各試料の重量から算出した。
[角板についてのショアA硬度(測定条件15秒後)]
硬度は、射出成形で成形した3mmの角板を用いて、ISO7619(ショアA)に従って、A型測定器を用い、押針接触し15秒後に目盛りを読み取った。
[実施例1~2及び比較例1~2]
[使用材料]
(1)エチレン系共重合体(A)
エチレン系共重合体(A)として、下記の物性を有する市販のペレット状エチレン・1-ブテン共重合体(EBR-1)(粒状、平均粒径10mm)を用いた。
エチレン由来の構成単位/(エチレン由来の構成単位+1-ブテン由来の構成単位)=80モル%
MFR(ISO1133、230℃、2.16kg荷重):0.9g/10分
MFR(ISO1133、190℃、2.16kg荷重):0.5g/10分
融点(Tm):観測されない(測定温度:30~230℃)
角板についてのショアA硬度:58
密度:861kg/m
(2)結晶性α-オレフィン系重合体(B)
結晶性α-オレフィン系重合体(B)として、下記の物性を有する市販のペレット状プロピレン・エチレンブロック共重合体(PP-1)(粒状、平均粒径10mm)を用いた。
プロピレン含量95モル%
MFR(ISO1133、230℃、2.16kg荷重):50g/10分
融点(Tm):164℃
角板についてのショアA硬度:97
密度:900kg/m
引張弾性率(ISO527)1450MPa
シャルピー衝撃強さ(ISO179、23℃)10kJ/m
荷重たわみ温度(ISO75、1.8MPa)55℃
(3)粉状又は粒状の添加剤(C)
粉状又は粒状の添加剤(C)として、下記の成分を組み合わせて用いた。
界面活性剤-1:エルカ酸アミド(日油株式会社製)(平均粒径300μm;融点(Tm):79~84℃)
酸化防止剤-1:トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)フォスファイト(BASFジャパン株式会社製)(平均粒径300μm;融点(Tm):183~186℃)
紫外線吸収剤-1:Bumetrizole(BASFジャパン株式会社製)(平均粒径2mm;融点(Tm):137~140℃)
(実施例1)
混合槽と混合用撹拌羽根とを有する混合機として、三井鉱山(株)製75Lヘンシェルミキサーを用いて、これに対してペレット状エチレン・1-ブテン共重合体(EBR-1)12kg及びペレット状プロピレン・エチレンブロック共重合体(PP-1)8kg、最後に安定剤60g(界面活性剤-1/酸化防止剤-1/紫外線吸収剤-1=20g/20g/20g)を添加して20秒撹拌を行い排出した。排出後のペレットを回収し、再度ヘンシェルミキサーに投入後、等量の安定剤を追加し20秒撹拌し排出した。同作業を2回行い、計3回撹拌後のヘンシェルミキサー内での安定剤の残存状態、残存量について確認を行った。
なお、実験は表1に示す条件Iと条件IIとで2回行った。
Figure 0007202943000001
ペレット状エチレン・1-ブテン共重合体(EBR-1)及びペレット状プロピレン・エチレンブロック共重合体(PP-1)の合計を100質量部としたときの各成分の配合量、及び結果(添加剤の残存率)を表2に示す。
なお、添加剤の残存率は以下の式にしたがって求めることができる。
残存率(%)=[残存量(質量部)/成分(C)(質量部)]×100
(実施例2及び比較例1~2)
成分(A)及び成分(B)の配合量を表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様にした。結果を表2に示す。
Figure 0007202943000002
表2から、成分(B)の配合比率が40%以上では深さ×周速が大、すなわち20m/s以上で安定剤の残存率が低下したことがわかる。

Claims (7)

  1. (A)エチレン由来の構成単位と炭素数3~20のα-オレフィン由来の構成単位とを含む共重合体のペレット65~45質量部、
    (B)DSCで測定した融点が135~170℃である結晶性α-オレフィン系重合体のペレット35~55質量部(但し、成分(A)及び(B)の合計を100質量部とする)、及び
    (C)DSCで測定した融点が30~150℃である成分を少なくとも含む粉状又は粒状の添加剤、成分(A)及び(B)の合計100質量部に対し、0.001~3質量部を、
    混合槽と混合用撹拌羽根とを有する混合機で、撹拌羽根の周速度15~40m/s、混合槽の深さと撹拌羽根の周速度の積20~80/sの条件下で混合することを含む、オレフィン系重合体混合物の製造方法。
  2. 成分(C)が、成分(A)及び(B)の合計100質量部に対し、界面活性剤0.001~0.5質量部、酸化防止剤0.001~1質量部及び紫外線吸収剤0.001~1質量部を含む請求項1記載の製造方法。
  3. 成分(B)の角板についてのショアA硬度(測定条件15秒後)が90以上である請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 成分(A)のDSCで測定した融点が170℃以下であるか、又は観測されない請求項1~3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 成分(A)の角板についてのショアA硬度(測定条件15秒後)が90未満である請求項1~4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 混合槽の温度が0~80℃である請求項1~5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載の製造方法で得られた混合物を溶融混練することを含む、オレフィン系重合体組成物の製造方法。
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