JP2021195438A - ゴム組成物 - Google Patents

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純平 栗林
Jumpei Kuribayashi
貞之 中野
Sadayuki Nakano
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Abstract

【課題】未加硫のゴム組成物の取り扱い性を維持しつつ、流動性がより改善されたゴム組成物を提供すること。【解決手段】エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体ゴム、及び結晶性ポリオレフィンを含むゴム組成物が開示される。エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体ゴムが、0.8〜2.0dL/gの極限粘度[η]を有する。結晶性ポリオレフィンが、0.2〜0.7dL/gの極限粘度[η]、及び40〜110℃の融点を有する。極限粘度[η]は、135℃のテトラリン中で測定される値である。融点は、示差走査熱量測定によって測定される、融解にともなう吸熱ピークのピークトップの温度である。【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物に関する。
エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体ゴムを含むゴム組成物が、スポンジ等の各種のゴム製品を製造するために用いられている(例えば特許文献1)。
特開平10−195227号公報
未加硫のゴム組成物は、各種ゴム製品の高精度且つ効率的な生産の観点から、成形温度において高い流動性を有することが望ましい。しかし、高い流動性を有するゴム組成物は、過度なタック性などのために、その取扱い性が低下し易い傾向がある。
そこで、本発明の一側面は、良好な取り扱い性を維持しつつ、流動性がより改善されたゴム組成物を提供する。
本発明の一側面は、エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体ゴム、及び結晶性ポリオレフィンを含むゴム組成物を提供する。前記エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体ゴムは、0.8〜2.0dl/gの極限粘度[η]を有する。前記結晶性ポリオレフィンは、0.2〜0.7dL/gの極限粘度[η]、及び40〜110℃の融点を有する。前記極限粘度[η]は、135℃のテトラリン中で測定される値である。前記融点は、示差走査熱量測定によって測定される、融解にともなう吸熱ピークのピークトップの温度である。
本発明の一側面に係るゴム組成物は、未加硫のときに良好な取り扱い性及び高い流動性を有することができる。
以下、本発明のいくつかの実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
一実施形態に係るゴム組成物は、エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体ゴム、及び結晶性ポリオレフィンを含む。エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体ゴムは、0.8〜2.0dL/gの極限粘度[η]を有し、結晶性ポリオレフィンは、0.2〜0.7dL/gの極限粘度[η]、及び40〜110℃の融点を有する。本発明者らの知見によれば、エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体ゴムと、極限粘度[η]が比較的小さい、すなわち分子量が比較的小さく、且つ、ある程度低い融点を有する結晶性ポリオレフィンとを組み合わせたことにより、ゴム組成物の良好な取り扱い性を維持しつつ、ゴム組成物の成形温度の流動性がより改善される。
ここで、極限粘度[η]は、「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年共立出版株式会社刊)第491頁に記載の方法に従って、135℃のテトラリン中で測定される値である。より具体的には、ウベローデ型粘度計を用いて、濃度0.1g/dL、0.2g/dL又は0.5g/dLで試料(エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体ゴム、又は結晶性ポリオレフィン)を含む3つのテトラリン溶液の135℃における還元粘度を測定することと、還元粘度と濃度との関係を表す近似直線を濃度ゼロまで外挿したときの還元粘度の値を極限粘度とすることとを含む方法により、極限粘度を求めることができる。ゴム組成物が2種以上のエチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体ゴム、又は2種以上の結晶性ポリオレフィンを含む場合、それら2種以上を組み合わせた全体の試料を用いて測定される極限粘度が0.8〜2.0dL/gであってよい。
エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体ゴムの極限粘度[η]は、ゴム組成物の取り扱い性及び流動性のより一層の改善の観点から、0.9dL/g以上、又は1.0dL/g以上であってもよく、1.9dL/g以下、1.8dL/g以下、1.7dL/g以下、1.6dL/g以下、1.5dL/g以下又は1.4dL/g以下であってもよい。
結晶性ポリオレフィンの極限粘度[η]は、0.3dL/g以上、又は0.4dL/g以上であってもよく、0.6dL/g以下、又は0.5dL/g以下であってもよい。
結晶性ポリオレフィンの融点Tmは、示差走査熱量測定(DSC)によって求められる、融解にともなう吸熱ピークのピークトップの温度である。より具体的には、測定範囲が−80℃〜150℃、昇温速度及び降温速度が5℃/分の条件で昇温及びそれに続く降温を2回繰り返す示差走査熱量測定によってDSCサーモグラムを得ることと、DSCサーモグラムにおいて2サイクル目の昇温過程で観測される結晶の融解に基づく吸熱ピークのピークトップの温度を融点Tmとすることとを含む方法によって、融点が求められる。なお、結晶の融解にともなう吸熱量1J/g以上の吸熱ピークが観測される場合、ポリオレフィンが結晶性であるとみなすことができる。ゴム組成物が2種以上の結晶性ポリオレフィンを含む場合、それら2種以上を組み合わせた全体の試料を用いて測定される融点が40〜100℃であってよい。
結晶性ポリオレフィンの融点Tmは、ゴム組成物の取り扱い性及び流動性のより一層の改善の観点から、50℃以上、又は60℃以上であってもよく、100℃未満、98℃以下、又は90℃以下であってもよい。
ゴム組成物における結晶性ポリオレフィンの含有量は、ゴム組成物の取り扱い性及び流動性のより一層の改善の観点から、エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体ゴム、及び結晶性ポリオレフィンの合計量100質量部に対して5質量部以上、10質量部以上、15質量部以上、又は20質量部以上であってもよく、40質量部以下、又は35質量部以下であってもよい。
一実施形態に係るゴム組成物は、エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体ゴム、及び結晶性ポリオレフィンに加えて、その他の重合体を更に含んでいてもよい。ゴム組成物に含まれる重合体全体のうち、エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体ゴム及び結晶性ポリオレフィンの合計の割合が、80〜100質量%、90〜100質量%、又は95〜100質量%であってもよい。その他の重合体は、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、及びブチルゴムから選ばれるゴムであってもよい。
エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体ゴムは、エチレン単位、炭素数3以上のα−オレフィン単位及び非共役ポリエン単位を主な単量体単位として含むゴム成分である。α−オレフィン単位の炭素数は3以上20以下であってもよい。エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体における、エチレン単位とα−オレフィン単位の合計の含有量は、エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体の全体質量に対して、60質量%以上、又は80質量%以上であってもよい。本明細書において、「エチレン単位」、「α−オレフィン単位」、「非共役ポリエン単位」のような「モノマー名+単位」という用語は、各モノマーに由来するモノマー単位を意味する。これは他のモノマー単位についても同様である。
エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体ゴムを構成する炭素数3〜20のα−オレフィンの例として、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等の直鎖状オレフィン;3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン等の分岐オレフィン;ビニルシクロヘキサン;及びこれらから選ばれる2以上の化合物の組合せが挙げられる。入手の容易性の観点から、α−オレフィンはプロピレン又は1−ブテンであってもよく、プロピレンであってもよい。
エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体ゴムを構成する非共役ポリエンは、炭素数3〜20の非共役ポリエンであってもよい。炭素数3〜20の非共役ポリエンの例として、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン等の鎖状非共役ジエン;シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラインデン、5−ビニルノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(5−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(7−オクテニル)−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン、5,9,13−トリメチル−1,4,8,12−テトラデカジエン、4−エチリデン−12−メチル−1,11−ペンタデカジエン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン等の環状非共役ジエン;2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン、1,3,7−オクタトリエン、6,10−ジメチル−1,5,9−ウンデカトリエン、5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエン、13−エチル−9−メチル−1,9,12−ペンタデカトリエン、5,9,8,14,16−トリメチル−1,7,14−ヘキサデカトリエン、1,4,9−デカトリエン等のトリエン;及びこれらから選ばれる2以上の化合物の組合せが挙げられる。非共役ポリエンは、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン又はこれらの組合せであってもよい。
エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体ゴムにおけるエチレン単位/α−オレフィン単位の質量比は、特に制限されることはないが、両者の合計を100として、90/10〜30/70、85/15〜40/60、又は80/20〜45/55であってもよい。
エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体ゴムにおける非共役ポリエン単位の含有量は、ヨウ素価換算(単位:g/100gエチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体)で、1以上30以下、2以上25以下、又は4以上20以下であってもよい。非共役ポリエン単位の含有量がヨウ素価換算で30以下であると、ゴム組成物の成形体の耐候性が向上し易い。
エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体ゴムにおける、エチレン単位、α−オレフィン単位及び非共役ポリエン単位の合計の含有量は、エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体ゴムの全体質量に対して、60質量%以上100質量%以下、80質量%以上100質量%以下、又は90質量%以上100質量%以下であってもよい。
エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体ゴムの例として、エチレン/プロピレン/5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン/プロピレン/ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン/プロピレン/1,4−ヘキサジエン共重合体、エチレン/プロピレン/1,6−オクタジエン共重合体、エチレン/プロピレン/2−メチル−1,5−ヘキサジエン共重合体、エチレン/プロピレン/6−メチル−1,5−ヘプタジエン共重合体、エチレン/プロピレン/7−メチル−1,6−オクタジエン共重合体、エチレン/プロピレン/シクロヘキサジエン共重合体、エチレン/プロピレン/メチルテトラインデン共重合体、エチレン/プロピレン/5−ビニルノルボルネン共重合体、エチレン/プロピレン/5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン共重合体、エチレン/プロピレン/5−(3−ブテニル)−2−ノルボルネン共重合体、エチレン/プロピレン/5−(4−ペンテニル)−2−ノルボルネン共重合体、エチレン/プロピレン/5−(5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン共重合体、エチレン/プロピレン/5−(5−ヘプテニル)−2−ノルボルネン共重合体、エチレン/プロピレン/5−(7−オクテニル)−2−ノルボルネン共重合体、エチレン/プロピレン/5−メチレン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン/プロピレン/4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン共重合体、エチレン/プロピレン/5,9,13−トリメチル−1,4,8,12−テトラデカジエン共重合体、エチレン/プロピレン/4−エチリデン−12−メチル−1,11−ペンタデカジエン共重合体、エチレン/プロピレン/6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン共重合体、エチレン/プロピレン/2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン共重合体、エチレン/プロピレン/2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン共重合体、エチレン/プロピレン/2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン共重合体、エチレン/プロピレン/1,3,7−オクタトリエン共重合体、エチレン/プロピレン/6,10−ジメチル−1,5,9−ウンデカトリエン共重合体、エチレン/プロピレン/5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエン共重合体、エチレン/プロピレン/13−エチル−9−メチル−1,9,12−ペンタデカトリエン共重合体、エチレン/プロピレン/5,9,8,14,16−トリメチル−1,7,14−ヘキサデカトリエン共重合体、エチレン−プロピレン/1,4,9−デカトリエン共重合体、及びこれらから選ばれる2種以上の共重合体の組合せが挙げられる。エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体ゴムは、エチレン/プロピレン/5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、又はエチレン/プロピレン/ジシクロペンタジエン共重合体であってもよく、エチレン/プロピレン/5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体であってもよい。
結晶性ポリオレフィンは、1種以上のオレフィン単位から構成される重合体である。結晶性ポリオレフィンは、例えば、エチレン/α−オレフィン共重合体、又はポリプロピレン系樹脂のうち少なくとも一方を含んでいてもよい。
エチレン/α−オレフィン共重合体は、1種以上のα−オレフィン単位を含む。エチレン/α−オレフィン共重合体を構成するα−オレフィンは、エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体ゴムを構成するα−オレフィンと同様のものから選択することができる。エチレン/α−オレフィン共重合体は、特に、炭素数8以上のα−オレフィン単位を含んでいてもよい。このα−オレフィン単位の炭素数が8〜20であってもよい。エチレン/α−オレフィン共重合体を構成する、炭素数8以上のα−オレフィンは、例えば、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、又はこれらから選ばれる2以上の化合物の組合せであってもよい。
エチレン/α−オレフィン共重合体におけるエチレン単位の割合が、エチレン単位及びα−オレフィン単位の合計量を基準として81モル%以上であってもよい。これにより、ゴム組成物の取り扱い性(タック性)の点でより優れた効果が得られる傾向がある。特に、炭素数8以上のα−オレフィン単位を含むエチレン/α−オレフィン共重合体におけるエチレン単位の割合が81モル%以上であってもよい。同様の観点から、エチレン単位の割合が、82モル%以上、83モル%以上、84モル%以上、又は85モル%以上であってもよく、95モル%以下であってもよい。
ポリプロピレン系樹脂は、主としてプロピレン単位から構成される重合体である。ポリプロピレン系樹脂は、プロピレンの単独重合体、又は、エチレン単位等のその他のオレフィン単位を更に含む共重合体であってもよい。ポリプロピレン系樹脂におけるプロピレン単位の割合は、通常、ポリプロピレン系樹脂を構成するモノマー単位の全量を基準として80モル%以上である。本明細書において、プロピレン単位及びエチレン単位を含む共重合体であって、プロピレン単位の割合が共重合体を構成するモノマー単位の全量を基準として80モル%以上であるものは、ポリプロプレン系樹脂に分類される。
結晶性ポリオレフィンのデュロA硬度は、60以上であってもよく、95以下であってもよい。これにより、ゴム組成物の取り扱い性(タック性)の点でより優れた効果が得られる傾向がある。
エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体ゴム、及び結晶性ポリオレフィンは、当業者に知られる通常の方法によって製造することができる。各種の極限粘度[η]及び融点を有するエチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体ゴム、及び結晶性ポリオレフィンの市販品を選択して用いることもできる。必要により、2種以上のエチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体ゴム、又は2種以上の結晶性ポリオレフィンを組み合わせて、所望の極限粘度[η]及び/又は融点を有するエチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体ゴム、及び結晶性ポリオレフィンを得ることもできる。
ゴム組成物のムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、流動性等の観点から、3〜50、3〜30、3〜20、又は3〜15であってもよい。
ゴム組成物は、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体ゴム、及び結晶性ポリオレフィンに加えて、その他の成分を更に含有することができる。その他の成分の例としては、軟化剤、補強剤、架橋助剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤、加工助剤、及び酸化防止剤が挙げられる。
軟化剤は、例えば、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン、コールタールピッチ、ヒマシ油、アマニ油、サブ、密ロウ、リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、及びアタクチックポリプロピレンから選ばれる少なくとも1種を含むことができる。軟化剤が、プロセスオイルであってもよい。プロセスオイルは、エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体ゴムを製造する工程において、伸展油として添加されてもよい。
プロセスオイルの例としては、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル及びアロマティック系オイルが挙げられる。プロセスオイルの含有量は、エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体ゴム及び結晶性ポリオレフィンの合計量100質量部に対して0質量部以上、10質量部以上、又は20質量部以上であってもよく、150質量部以下、140質量部以下、130質量部以下、120質量部以下、110質量部以下、又は100質量部以下であってもよい。プロセスオイルの含有量が小さいと、加硫ゴムの良好な機械物性が維持され易い。本実施形態に係るゴム組成物は、プロセスオイルの含有量が小さくても、高い流動性を有することができる。
補強剤としては、例えば、SRF、GPF、FEF、MAF、ISAF、SAF、FT、MT等のカーボンブラック、乾式法シリカ、湿式法シリカ、合成ケイ酸塩系シリカ、コロイダルシリカ、炭酸カルシウム、マイカ、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、リグニン、水酸化アルミニウム、及び水酸化マグネシウムが挙げられる。補強剤は単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。ゴム組成物における補強剤の含有量は、エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体ゴム及び結晶性ポリオレフィンの合計量100質量部に対して、200質量部以下、150質量部以下、又は100質量部以下であってもよい。
架橋助剤は、分子内に2個以上の二重結合を有する化合物を含んでいてもよい。架橋助剤として、例えば、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、トルイレンビスマレイミド、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、p−キノンジオキシム、ニトロベンゼン、ジフェニルグアニジン、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、及びアリルメタクリレートが挙げられる。架橋助剤は単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。ゴム組成物における架橋助剤の含有量は、エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体ゴム及び結晶性ポリオレフィンの合計量100質量部に対して、0.05質量部以上20質量部以下、又は0.1質量部以上8質量部以下であってもよい。
加硫剤としては、例えば、硫黄、硫黄系化合物、及び有機過酸化物が挙げられる。加硫剤は、有機過酸化物を含んでいてもよい。加硫剤は単独で又は組み合わせて用いてもよい。硫黄は、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、又は不溶性硫黄であってもよい。ゴム組成物中の硫黄及び硫黄系化合物の含有量は、エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体ゴム及び結晶性ポリオレフィンの合計量100質量部に対して、0.01〜10質量部、又は0.1〜5質量部であってもよい。
有機過酸化物としては、例えば、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、及びt−ブチルヒドロパーオキサイドが挙られる。有機過酸化物は、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキシド、及びジ−t−ブチルパーオキサイド−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンから選ばれる少なくとも1種の化合物であってもよく、ジクミルパーオキサイドであってもよい。有機過酸化物の含有量は、エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体ゴム及び結晶性ポリオレフィンの合計量100質量部に対して、0.1〜15質量部、又は1〜8質量部であってもよい。
加硫促進剤としては、例えば、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、N,N’−ジメチル−N,N’−ジフェニルチウラムジスルフィド、N,N’−ジオクタデシル−N,N’−ジイソプロピルチウラムジスルフィド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾール−スルフエンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾール−スルフエンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフエンアミド、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,4−ジニトロフエニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフイド、ジフェニルグアニジン、トリフエニルグアニジン、ジオルソトリルグアニジン、オルソトリル−バイ−グアナイド、ジフェニルグアニジン−フタレート、n−ブチルアルデヒドアニリン、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒドアンモニア、2−メルカプトイミダゾリン、チオカルバニリド、ジエチルチオユリア、ジブチルチオユリア、トリメチルチオユリア、ジオルソトリルチオユリア、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルチオカルバミン酸亜鉛、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフエニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフエニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジエチルジチオカルバミン酸テルル、ジブチルキサントゲン酸亜鉛、及びエチレンチオウレアが挙げられる。加硫促進剤は単独で又は組み合わせて用いてもよい。ゴム組成物における加硫促進剤の含有量は、エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体ゴム及び結晶性ポリオレフィンの合計量100質量部に対して、0.05質量部以上20質量部以下、又は0.1質量部以上8質量部以下であってもよい。
加硫助剤としては、例えば、トリアリルイソシアヌレート、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、メタクリル酸、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、メタアクリロキシエチルホスフェート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、N−メチロールメタクリルアミド、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、メタクリル酸アルミニウム、メタクリル酸亜鉛、メタクリル酸カルシウム、メタクリル酸マグネシウム、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、酸化亜鉛、及び酸化マグネシウムが挙げられる。加硫助剤は単独で又は組み合わせて用いてもよい。ゴム組成物における加硫助剤の含有量は、エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体ゴム及び結晶性ポリオレフィンの合計量100質量部に対して、0.05質量部以上15質量部以下、又は0.1質量部以上8質量部以下であってもよい。
加工助剤としては、例えば、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の脂肪酸;ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩;脂肪酸エステル;及びエチレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコールが挙げられる。加工助剤は単独で又は組み合わせて用いてもよい。ゴム組成物における加工助剤の含有量は、エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体ゴム及び結晶性ポリオレフィンの合計量100質量部に対して、0.2質量部以上10質量部以下、又は0.3質量部以上8質量部以下であってもよい。
シランカップリング剤としては、例えば、シラン系シランカップリング剤、ビニル系シランカップリング剤、メタクリル系シランカップリング剤、エポキシ系シランカップリング剤、メルカプト系シランカップリング剤、サルファー系シランカップリング剤、アミノ系シランカップリング剤、ウレイド系シランカップリング剤、及びイソシアネート系シランカップリング剤が挙げられる。これらは単独で又は組み合わせて用いてもよい。ゴム組成物におけるシランカップリング剤の含有量は、エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体ゴム及び結晶性ポリオレフィンの合計量100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下、又は0.5質量部以上8質量部以下であってもよい。
ゴム組成物は、例えば、エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体ゴムと、結晶性ポリオレフィンと、必要に応じて他の成分とを含む混合物を混練することにより、得ることができる。混練は、ミキサー、ニーダー、二軸押出機等の密閉式混練機を用いて行うことができる。混練は、各成分が均一に混合されるまで行うことができる。混練時間は1分以上60分以下であってもよい。混練温度は40℃以上200℃以下であってもよい。
本実施形態に係るゴム組成物を加硫する工程等を経て、防振特性、耐寒性等の点で優れたゴム成形品を得ることができる。ゴム成形品は、例えば、自動車、鉄道車両、建設車両、産業機械、建築材等の各種分野に用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
1.重合体の評価方法
1−1.極限粘度[η]
各重合体の極限粘度[η]を、「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年共立出版株式会社刊)第491頁に記載の方法に従い測定した。まずウベローデ型粘度計を用いて、濃度0.1g/dL、0.2g/dL又は0.5g/dLで重合体を含む3つのテトラリン溶液の135℃における還元粘度を測定した。還元粘度と濃度との関係を表す近似直線を濃度ゼロまで外挿したときの還元粘度の値を、極限粘度とした。
1−2.エチレン単位の含有量(C2’)、プロピレン単位の含有量(C3’)、1−オクテン単位の含有量(C8’)
重合体300mg、及びジブチルヒドロキシトルエン1.5mgを、1,2−ジクロロベンゼン/1,2−ジクロロベンゼン−d4の混合溶媒(85/15)3mlに加え、窒素雰囲気下、135℃の加熱により試料溶液を得た。得られた試料溶液の13C NMRを核磁気共鳴装置 AVANCE600(1H:600.13MHz)を用いて測定した。NMRの測定条件は以下の通りである。
・測定パルスプロプラム:プロトンデカップリング法
・パルス幅:45度
・パルス繰り返し時間:4秒
・測定温度:135℃
・積算回数:256回
・化学シフト値基準:テトラメチルシラン
エチレン/1−オクテン共重合体中のエチレン単位の含有量α'(mol%)を、エチレン単位又は1−オクテン単位から選ばれる3個のモノマー単位が連続して結合している連鎖部分に帰属するシグナルの積分値を下記式に代入することによって算出した。Eはエチレン単位を示し、Oは1−オクテン単位を示す。例えば、I(EEE)は、エチレン単位が3個連続した連鎖部分に帰属するシグナルの積分値を示し、I(OOO)は1−オクテン単位が3個連続した連鎖部分に帰属するシグナルの積分値を示す。I(1)〜I(6)は、それぞれ、NMR測定において観測されたシグナル(1)〜(6)の積分値を示す。シグナル(1)〜(6)の帰属を、文献値(J. C. Randall, A review of high resolution liquid 13carbon nuclear magneticresonance characterizations of ethylene-based polymers, Rev. Macromol. Chem.Phys. C 29(2&3), 201-317 (1989))に基づいて表1に示されるように決定した。
α’= {I(OEO) + I(OEE) + I(EEO) + I(EEE)}×100/S
S = I(EOE) + I(EOO) + I(OOE) + I(OOO) + I(OEO) + I(OEE) + I(EEO) + I(EEE)
I(EOE) = I(2)
I(EOE) + I(OOE) = I(3)
I(OOO) = I(1) - I(3)/2
I(OEO) = I(8)
I(OEE) + I(EEO) = I(7) - I(5)
I(EEE) = I(6)/2 - I(5)/4 - I(7)/4
Figure 2021195438
エチレン/プロピレン共重合体中のエチレン単位の含有量α'(mol%)を、エチレン単位又はプロピレン単位から選ばれる3個のモノマー単位が連続して結合している連鎖部分に帰属するシグナルの積分値を次式に代入することによって算出した。Eはエチレン単位を示し、Pはプロピレン単位を示す。例えば、I(EEE)は、エチレン単位が3個連続した連鎖部分に帰属するシグナルの積分値を示し、I(PPP)はプロピレン単位が3個連続した連鎖部分に帰属するシグナルの積分値を示す。I(1)〜I(9)は、それぞれ、NMR測定において観測されたシグナル(1)〜(9)の積分値を示す。シグナル(1)〜(6)の帰属を、文献値(J. C. Randall, A review of high resolution liquid 13carbon nuclear magneticresonance characterizations of ethylene-based polymers, Rev. Macromol. Chem.Phys. C 29(2&3), 201-317 (1989))に基づいて表2に示されるように決定した。
α'= Et/S ×100
Et = I(PEP) + I(EEP) + I(EEE)
S = I(EPE) + I(PPE) + I(EEE) + I(PPP) + I(EEP) + I(PEP)
I(EPE) = I(3)
I(PPP) = I(1)
I(PPE) = I(2)
I(EEP) = I(6)/2 + I(7)/2
I(EEE) = I(8)/2 + I(9)/4
I(PEP) = I(4)/2 + I(5)/4
Figure 2021195438
1−3.融点(Tm)
各結晶性ポリオレフィンの示差走査熱量測定(DSC)を、示差走査熱量計を用いて行った。測定範囲が−80℃〜150℃、昇温速度及び降温速度が5℃/分の条件で昇温及び降温を2回繰り返して、DSCサーモグラムを得た。2サイクル目の昇温過程で観測された結晶の融解に基づく吸熱ピークのピークトップの温度を融点(Tm)とした。吸熱ピークの吸熱量ΔHも記録した。
2.原料ポリマー
下記表3及び表4に示すエチレン/プロピレン/5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体(EPDM)、及び結晶性ポリオレフィン(PO)を準備した。PO−1、PO−2及びPO−5はエチレン/1−オクテン共重合体ゴム(EOR)、PO−3はエチレン単位を含むポリプロピレン系樹脂(PER)、PO−4はポリプロピレン(PP)、PO−6及びPO−7はエチレン/プロピレン共重合体ゴム(EPR)、PO−8は低密度ポリエチレン(LDPE)である。PO−1、PO−2、PO−3、PO−4、PO−5及びPO−8のデュロA硬度(Hs(duroA))も表4に示される。
Figure 2021195438
Figure 2021195438
3.ゴム組成物の製造
第一混練
表5、表7又は表8に示す配合比(質量部)のEPDM及びPOと、5質量部の活性亜鉛華と、2質量部のステアリン酸と、90質量部のカーボンブラック(旭カーボン社製、商品名:旭60UG)と、60質量部のパラフィンオイル(出光興産製、商品名:ダイアナプロセスPW90)を含む混合物を、容量1700mlのチャンバーを有する接線式のバンバリーミキサーを用いて混練した。表6に示す配合比(質量部)のEPDM及びPOと、5質量部の活性亜鉛華と、2質量部のステアリン酸と、90質量部のカーボンブラック(旭カーボン社製、商品名:旭50G)と、60質量部のパラフィンオイル(出光興産製、商品名:ダイアナプロセスPW90)を含む混合物を、容量1700mlのチャンバーを有する接線式のバンバリーミキサーを用いて混練した。混練の条件は、攪拌羽根の回転数60rpm、初期温度120℃で、混練時間は5〜5.5分であった。混練によって形成された混練物をバンバリーミキサーから取り出した。
混練物のタック性
バンバリーミキサーから取り出した混練物約25gを、2枚のポリエステルシートの間に挟み、鉄板、アルミ板、ポリエステルシート、混練物、ポリエステルシート、1mm厚の金枠、アルミ板、及び鉄板を、混練物が金枠の内側に位置するように重ねた。全体を下記条件の熱プレスにより加熱及び加圧して、厚さ1mmの混練物のシートを形成した。
温度:70℃
余熱3分、加圧7分、冷却3分
圧力:1MPa
得られたシートから、長さ150mm、幅6.5mm、又は長さ150mm、幅20mmのサイズを有する2種類の試験片を切り出した。長さ150mm、幅20mmの試験片をタックテスター(東洋精機製ピクマタックテスタP−1)のステージに両面粘着テープ(株式会社ニトムズ製、超強力両面テープ、ゴム用No.5321)を用いて固定した。長さ150mm、幅6.5mmの試験片を同じ両面粘着テープでタックテスターのプローブに固定した。2枚の試験片の間のタック性(圧着後の剥離強度)を下記条件で測定した。5回の測定によって得られた測定値の平均値を記録した。比較例3の混錬物は、タック性が強過ぎたために、ポリエステルシートから試料を剥離することが出来ず、剥離強度を適切に測定することができなかった。また、比較例5、6の混錬物は、同様の理由から、測定中に両面粘着テープの剥離、又は剥離前の試験片の破損が生じ、剥離強度を適切に測定することが出来なかった。
・温度:23℃
・荷重:500gf
・圧着時間:2.5秒
・引張速度:15mm/分
第二混練
第一混練で得られた混練物と、イオウ及び加硫促進剤とを含む混合物を、フロントロール及びバックロールを備えるオープンロール型の混練機を用いて混練し、混練物をバックロールに巻き付かせることによってシート化した。フロントロール及びバックロールの直径は8インチであった。フロントロールは回転速度15rpmで回転させた。バックロールは、40℃に温調しながら回転速度18rpmで回転させた。両ロール間のギャップは4mmであった。以下に、硫黄及び加硫促進剤の配合比を、第一混練で得られた混練物に含まれるEPDM及びPOの合計量100質量部に対する比率(質量部)で示す。
硫黄:1質量部
加硫促進剤:ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛(ラインケミー社製、商品名:レノグランZDBC−80)0.63質量部、テトラメチルチウラムジスルフィド(ラインケミー社製、商品名:レノグランTMTD−80)0.63質量部、及びN−シクロヘキシルベンゾチアゾールスルフェンアミド(ラインケミー社製、商品名:レノグランCBS−80 2.5質量部
4.ゴム組成物の評価
ムーニー粘度
JIS K6300に準拠した方法により、ムーニー粘度計((株)島津製作所製SMV−300)を用いて、100℃の条件下でゴム組成物のムーニー粘度を測定した。
スパイラルフロー試験
厚さ5mm、幅4mm、長さ1500mmのスパイラル状の流路を有する流動長測定金型の中心部に、直径4mm、長さ30mmの流路を通じて、170℃に加熱された混練物42gを15分かけて注入した。注入圧力は5MPaとした。スパイラル状の流路における混練物の流動長(cm)を測定した。流動長が長いことは、混練物又はゴム組成物が高い流動性を有することを意味する。
5.成形及び加硫
第二混練によって得られたシート状のゴム組成物を、170℃で15分間の熱プレスによって成形及び加硫して、厚さ2mmの加硫されたゴムシートを作製した。
6.加硫ゴム(ゴムシート)の評価
加硫ゴムの特性を、引張試験、圧縮永久歪み、及び低温弾性回復(TR)試験によって評価した。表中に、歪み100%、200%又は300%における弾性率、引張強度、破断歪み、硬さ、圧縮永久歪み率、TR試験における収縮率10%(TR10)が示される。
Figure 2021195438
Figure 2021195438
Figure 2021195438
Figure 2021195438
表5〜8に評価結果を示す。これら結果から、0.8〜2.0dL/gの極限粘度[η]を有するエチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体ゴムと、0.2〜0.7dL/gの極限粘度[η]、及び40〜110℃の融点を有する結晶性ポリオレフィンとを含む各実施例のゴム組成物は、良好な取り扱い性を維持しつつ、優れた流動性を有することが確認された。各実施例のゴム組成物から得られる加硫ゴムは、良好な機械物性を維持することも確認された。

Claims (6)

  1. エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体ゴム、及び
    結晶性ポリオレフィン
    を含み、
    前記エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体ゴムが、0.8〜2.0dL/gの極限粘度[η]を有し、
    前記結晶性ポリオレフィンが、0.2〜0.7dL/gの極限粘度[η]、及び40〜110℃の融点を有し、
    前記極限粘度[η]が、135℃のテトラリン中で測定される値であり、
    前記融点が、示差走査熱量測定によって測定される、融解にともなう吸熱ピークのピークトップの温度である、
    ゴム組成物。
  2. 前記結晶性ポリオレフィンの含有量が、前記エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体ゴム及び前記結晶性ポリオレフィンの合計量100質量部に対して5〜40質量部である、請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記結晶性ポリオレフィンが、エチレン/α−オレフィン共重合体、又はポリプロピレン系樹脂のうち少なくとも一方を含む、請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. 前記エチレン/α−オレフィン共重合体が、炭素数8以上のα−オレフィン単位を含む、請求項3に記載のゴム組成物。
  5. 前記エチレン/α−オレフィン共重合体におけるエチレン単位の割合が、エチレン単位及びα−オレフィン単位の合計量を基準として81モル%以上である、請求項3又は4に記載のゴム組成物。
  6. 当該ゴム組成物のムーニー粘度(ML1+4,100℃)が3〜50である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のゴム組成物。
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