JP7202119B2 - ラミネート積層体、および、そのラミネート積層体によって形成される包装袋 - Google Patents
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(特許文献1)。
本発明に係る包装袋形成用のラミネート積層体(以下、単に、ラミネート積層体という)は、少なくとも基材層、接着層、シーラント層を順に積層してなるものであり、その他に、印刷層、バリア層(酸素バリア層、水蒸気バリア層等)、接着層、アンカーコート層等を積層することができる。以下に、各層の性状について説明する。
基材層は、単層でも積層体でも良く、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルム、ポリアミド(PA)樹脂フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂フィルム、ポリアクリロニトリル(PAN)樹脂フィルム、ポリカーボネート(PC)樹脂フィルム、ポリイミド(PI)樹脂フィルム等を使用することができる。それらの中でもポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルム、ポリアミド(PA)樹脂フィルムを用いることが好ましい。また、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルムは、植物由来のアルコール成分を含むPET樹脂を用いたものとすると、環境配慮の観点から好ましい。また、ラミネート積層体には、蒸着層、金属箔、印刷層、機能層、表面コート層を含めることができる。基材フィルムの厚さは、特に限定されないが、10~200μmとするのが好ましい。
接着層は、ポリエチレン樹脂によるサンドポリラミネート法や、接着剤を用いたドライラミネート法により形成可能である。また、それらの方法を併用しても良い。接着剤としては、二液硬化型ウレタン系接着剤、ポリエステルウレタン系接着剤、ポリエーテルウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、エポキシ系接着剤等を使用することができる。接着性の観点からは、二液硬化型ウレタン系接着剤、ポリエステルウレタン系接着剤、ポリエーテルウレタン系接着剤のいずれかを用いることが好ましく、特に、二液硬化型ウレタン系接着剤が好ましい。また、二液硬化型ウレタン系接着剤としては、植物性由来の成分を含むものを用いるのが好ましい。
印刷層は、インキ材を基材層の裏面に印刷塗布して形成される。これにより、包装袋の外観側から印刷層を視認可能となる。かかる印刷層は、通常のインキビヒクルの1種ないし2種以上を主成分とし、それに、必要ならば、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤等の添加剤の1種ないし2種以上を任意に添加し、さらに、染料・顔料等の着色剤を添加し、溶媒、希釈剤等で十分に混練してインキ組成物を調製し、当該インキ組成物によって形成することができる。また、当該インキ組成物を使用し、たとえば、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、スクリーン印刷、転写印刷、フレキソ印刷等の印刷方式を使用し、文字、図形、記号、模様等からなる所望の印刷模様を形成することができる。
バリア層は、封入される内容物を水分や酸素に接触しないようにするために、包装袋に高い水蒸気バリア性、ガスバリア性を付与するものである。当該バリア層としては、金属箔や、樹脂フィルムに金属または金属酸化物を蒸着した蒸着フィルムを使用することができる。金属箔としては、アルミニウム箔等を挙げることができ、その厚みを5~20μmとすることができる。蒸着フィルムとしては、アルミニウム蒸着層またはシリカ蒸着層を有する2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(VMPET)、アルミニウム蒸着層またはシリカ蒸着層を有する2軸延伸ポリプロピレン(VMOPP)等を用いることができる。
アンカーコート層は、接着層の接着性を向上させるための薄膜層である。たとえば、不飽和カルボン酸またはその無水物を含むポリオレフィン共重合樹脂を分散した水性分散液を、塗布、加熱乾燥して薄膜層として形成することができる。特に、ポリエチレン樹脂によるサンドポリラミネート法でバリア層と基材層積層をする際には、バリア層に予めアンカーコート層を積層したものを用いると好ましい。
シーラント層は、ポリオレフィン系樹脂からなるシーラントフィルムである。シーラント層となるポリオレフィン系樹脂層は、上記したアンカーコート層面に、ポリオレフィン系樹脂を押し出しコートする方法、または、ポリオレフィン系樹脂フィルムを同様なポリオレフィン系樹脂を用いて押し出しラミネート(サンドイッチラミネート)する方法等で形成することができる。また、近年、環境対応への要望が高まっており、バイオマス由来の樹脂成分を含んだシーラント層を使うことも好ましい。なお、ここでいうバイオマス由来のポリオレフィン系樹脂とは、バイオマス由来のエタノールを原料として製造されるポリオレフィン系樹脂のことであり、特に、トウモロコシ、サトウキビ、ビート、マニオク等の植物原料から得られるバイオマス由来の発酵エタノールを原料としたものを好適に用いることができる。
本発明のラミネート積層体によって形成される包装袋は、二方袋、三方袋、パウチ、ガゼット袋等の各種の形状のものとすることができ、特に限定されないが、スタンディングパウチであると、多くの内容物を充填することができる上、生産性が良好なものとなるので好ましい。本発明のラミネート積層体によって形成される包装袋の一実施形態を、図1~図4に示す。
図1に示すように、包装袋205の上側の隅部すなわち側端シール部205bと上辺214bとの間には、注出口214の流路となる未シール部215Aが、包装袋205の斜め上方を向くように設けられている。当該注出口214は、開封後の流路215の両側を構成する流路形成シール部215a,215bと、開封前の流路215を封止する流路封止シール部215cと、開封中につまみとなるプルタブ216とが、一方の側端シール部205bの上部から連続して胴部フィルム(ラミネート積層体)202,202同士をヒートシールすることにより形成されている。
図3に示すように、包装袋310の上側の隅部には、包装袋の斜め上方を向いた流路313を有する注出口312が設けられている。図4は、注出口312の設置部分の鉛直断面を拡大して示したものであり、一方の側縁シール部311aの上部から連続して胴部フィルム(ラミネート積層体)311,311同士を部分的にヒートシールすることにより流路形成シール部313a,313bが形成されている。それらの流路形成シール部313a,313bは、注出口312の先端部を除去して流路313を開口したときに、それぞれ流路313の両側部を区画するようになっている。すなわち、一方の流路形成シール部313aと他方の流路形成シール部313bとの間の未シール部が、注出口312の流路313となっている。
図5には、詰め替え容器の一例としてのスタンディングパウチ401を示している。このスタンディングパウチ401は、対向する一対の平面部(表裏の胴部フィルム)402,402と、詰め替え容器の底部を閉じている底面部403と、注出用スパウト410とを有している。
図5は、本発明のラミネート積層体によって形成される包装袋の他の実施形態を示したものである。この実施形態4の包装袋510も、実施形態2の包装袋310と同様に、フィルム311の一部を注出口312の流路313に沿って外方に突出させてなる溝状のリブ514が設けられており、当該リブ514の両側に、フィルム311を構成する樹脂の一部を結晶化させた(加熱冷却処理によって硬化させた)硬化部515a,515bが設けられている。
実施例・比較例で得られたラミネート積層体におけるシーラント層とそれ以外の層(基材層、蒸着PET層、アルミバリア層等)との界面における剥離強度(所謂、180°剥離強度)を、24℃×65%RHの雰囲気下で、テンシロン引っ張り試験機を用いて、引っ張り速度=300mm/min.の条件で測定した。そして、下記の3段階で層間接着性を評価した。
◎:層間剥離が起こらず、ラミネート層のいずれかの層の凝集破壊が起こった。
○:ごく一部に層間剥離が起こったが、層間剥離自体がほとんど見られなかった。
△:層間剥離がところどころで見られた。
実施例・比較例で製造されたパウチの中に内容物としてシャンプーを入れ、その内容物をパウチからボトル容器に注ぎ込む際のパウチからの出しやすさを下記の3段階で官能評価した(3個のパウチで繰り返して平均的に評価した。
◎:非常に注ぎやすかった。
○:特に問題なく、注ぐことができた。
△:注ぐことができるが、口部分に違和感を感じた。
実施例・比較例で製造された包装袋に水(約300cc)を入れ、しかる後に、包装袋の上部の開口部をヒートシールすることによって密封した。そして、その水を封入した包装袋を、底を床面に対向させた状態で200cmの高さからコンクリート製の床面に自由落下させ、落下後の包装袋に破れが生じているかを否かを目視によって評価した。実施例・比較例とも同一形状の包装袋を1,000個形成し、それらの各包装袋について破袋の有無を評価した。
◎:1,000個中、破袋した袋が0~1袋であった。
○:1,000個中、破袋した袋が2~10袋であった。
×:1,000個中、破袋した袋が11袋以上であった。
実施例・比較例で製造された図1、図3のスタンディングパウチの上端際の隅部(内容物の抽出部分)を開封案内線(開封案内線208あるいは開封案内線308)に沿って作業者の手で裁断したときの裁断のし易さを、下記の3段階で官能評価した。
◎:大きな力を加えなくても非常に容易に裁断することができる
○:大きな力を加えなくても裁断することができる
△:かなり大きな力を加えないと裁断することができない
×:手の力では裁断することができない
実施例・比較例における図1のスタンディングパウチの製造過程で得られるラミネート積層体の内面(シーラント層面)に補助部材250をヒートシール(ポイントシール)した半製品を用いて、ラミネート積層体におけるシーラント層と補助部材250との界面における剥離強度(ポイント部分剥離強度)を、24℃×65%RHの雰囲気下において、手でポイントシールを剥がした。そして、その剥がれ状況に応じて下記の3段階で官能評価した(3回繰り返して平均的に評価した)。
○:ポイント接着部分の強度は十分に強く、剥がれにくかった。剥がした後の補助部材のポイントシール部にはポイントシールの跡がくっきりと付いていた。
△:ポイント接着部分がやや剥がれにくかった。剥がした後の補助部材のポイントシール部にはポイントシールの跡がうっすらと付いていた。
×: ポイント接着部分が剥がれやすかった。剥がした後の補助部材のポイントシール部にはポイントシールの跡はついていなかった。
実施例・比較例で製造された図3のスタンディングパウチの上端際の隅部(内容物の抽出部分)における硬化部315a,315b(溝状のリブの形状を保持する部分)の硬度を、作業者の触感によって下記の3段階で官能評価した(3回繰り返して平均的に評価した)。
○:硬化部が十分な硬さを有している
△:硬化部がある程度の硬さを有している
×:硬化部が必要な硬さを有していない
・ナイロン基材層:厚さ15μmの二軸延伸ナイロンフィルム
・PET基材層:厚さ12μmの延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム
・蒸着PET層:片面にアルミニウム蒸着された厚さ12μmのVMPET(金属蒸着フィルムであり、ポリエチレンテレフタレートフィルムにアルミニウムを蒸着したもの)
・印刷層:ポリオレフィン系樹脂からなるインク塗布層(塗布量(固形分):1.0g/m2)
・接着層:2液混合型ウレタン系接着剤からなる塗布層(塗布量:1.0g/m2)
・アルミバリア層:9μmのアルミ箔
シーラントフィルム1は、基材側シーラント層、中間シーラント層、内側シーラント層との3つの層を共押出しによって積層してなる積層シーラントフィルムである。なお、この積層シーラントフィルム全体のバイオマス度は75%であった。
・基材側シーラント層:石油由来LLDPE100質量部の層(厚さ20μm)
・中間シーラント層:植物由来のポリオレフィン系樹脂(植物由来LLDPE(ブラスケム社製C4-SLL118、密度0.916kg/m3,MFR=1.0g/10分)98質量部に対して石油由来LLDPEが2質量部の割合で混合されてなる層(厚さ50μm)
・内側シーラント層:植物由来のポリオレフィン系樹脂(植物由来LLDPE(ブラスケム社製C4-SLL118、密度0.916kg/m3,MFR=1.0g/10分)98質量部に対して石油由来LLDPEが2質量部の割合で混合されてなる層(厚さ30μm)
シーラントフィルム2は、基材側シーラント層、中間シーラント層、内側シーラント層との3つの層を共押出しによって積層してなる積層シーラントフィルムである。なお、この積層シーラントフィルム全体のバイオマス度は25%であった。
・基材側シーラント層:石油由来LLDPEのみからなる層(厚さ35μm)
・中間シーラント層:植物由来のポリオレフィン系樹脂(植物由来LLDPE(ブラスケム社製C4-SLL118、密度0.916kg/m3,MFR=1.0g/10分)のみからなる層(厚さ30μm)
・内側シーラント層:石油由来LLDPEのみからなる層(厚さ35μm)
シーラントフィルム3は、基材側シーラント層、中間シーラント層、内側シーラント層との3つの層を共押出しによって積層してなる積層シーラントフィルムである。なお、この積層シーラントフィルム全体のバイオマス度は67%であった。
・基材側シーラント層:石油由来LLDPEのみからなる層(厚さ30μm)
・中間シーラント層:植物由来のポリオレフィン系樹脂(植物由来LLDPE(ブラスケム社製C4-SLL118、密度0.916kg/m3,MFR=1.0g/10分)のみからなる層(厚さ50μm)
・内側シーラント層:植物由来のポリオレフィン系樹脂(植物由来LLDPE(ブラスケム社製C4-SLL118、密度0.916kg/m3,MFR=1.0g/10分)97質量部に対して石油由来LLDPEが3質量部の割合で混合されてなる層(厚さ20μm)
シーラントフィルム4は、単層のシーラントフィルムである。なお、このシーラントフィルム全体のバイオマス度は100%であった。
・単層のシーラントフィルム:植物由来のポリオレフィン系樹脂(植物由来LLDPE(ブラスケム社製C4-SLL118、密度0.916kg/m3,MFR=1.0g/10分)100質量部のみからなる単層のシーラントフィルム(厚さ110μm)
シーラントフィルム5は、単層のシーラントフィルムである。なお、このシーラントフィルム全体のバイオマス度は50%であった。
・単層のシーラントフィルム:植物由来のポリオレフィン系樹脂(植物由来LLDPE(ブラスケム社製C4-SLL118、密度0.916kg/m3,MFR=1.0g/10分)50質量部に対して石油由来LLDPEが50質量部の割合で混合されてなる単層のシーラントフィルム(厚さ110μm)
<溶剤系の2液混合型ウレタン系接着剤の調製方法>
ポリオキシテトラメチレングリコール(三洋化成工業社製 PTMG-2000(数平均分子量:2,000)) 246重量部、ポリブタジエンポリオール(数平均分子量:1,350) 188重量部、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI) 117重量部、酢酸エチル 240重量部、および、ジブチル錫ジラウレート 0.06重量部を、撹拌機、温度計および窒素導入管を備えた反応容器に仕込み、窒素気流下95℃で5時間反応させた。しかる後、紫外線吸収剤(チバガイギー社製 チヌビンP) 9重量部を仕込み、80℃で1時間に亘って混合溶解させることによって、末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(固形分:70%、NCO含量:2.2%)からなる主剤Aを得た。
イソフタル酸 286.70重量部、ネオペンチルグリコール 193.14重量部、1,3-ブタンジオール 356.98重量部を、それぞれ反応容器に仕込んで、窒素気流下において180~220℃でエステル化反応させた。さらに、所定量の水を留出し、しかる後、セバシン酸 174.51重量部、アジピン酸 126.10重量部、チタンテトラブトキシド 0.04重量部を加え、180~220℃でエステル化反応させることによって、所定の分子量(数平均分子量:500)を有するポリエステルポリオールCを得た。そして、そのポリエステルポリオールC 1,000重量部に、1,3-ブタンジオール 50重量部を均一混合し、さらに、無水トリメリット酸 31.5重量部を加えて110℃で酸変性することによってポリエステルポリオールDを得た。
印刷を施したナイロン基材層と蒸着PET層とシーラントフィルム1とを2液混合型ウレタン系接着剤(溶剤系接着剤)を用いて積層(ラミネート)することによって、下記の層構成を有するラミネート積層体を製造した。
・ナイロン基材層/印刷層/接着層/蒸着PET層/接着層/シーラントフィルム1
シーラントフィルムをシーラントフィルム2に変更した以外は実施例1と同様にしてラミネート積層体を製造した。そして、そのラミネート積層体を用いて、図1に示す形状のスタンディングパウチを作成し、そのスタンディングパウチの特性を上記した評価方法によって評価したところ、各層の層間接着性がきわめて良好であり、破袋が特に少なく、手切れ性が良かった。また、落下試験においては、1,000袋中、破袋した袋は1袋であった。また、いずれの袋もポイントシール209部分の接着性が良好であった。それらのスタンディングパウチの特性の評価結果を、スタンディングパウチの性状とともに表1に示す。
シーラントフィルム1と隣接する層(蒸着PET層)とを積層(接着)する際の接着剤を2液混合型ウレタン系接着剤(無溶剤系接着剤)に変更した以外は実施例2と同様にしてラミネート積層体を製造した(したがって、層構成は実施例2のラミネート積層体と同じ)。そして、そのラミネート積層体を用いて、図3に示す形状のスタンディングパウチを作成した。そして、そのスタンディングパウチの特性を上記した評価方法によって評価したところ、各層の層間接着性が良好であり、破袋が少なく、手切れ性が良かった。また、落下試験においては、1,000袋中、破袋した袋は1袋であった。また、いずれの袋も硬化部315a,315bの硬化が良好であった。さらに、いずれの袋も内容物の注出容易性が良好であった。それらのスタンディングパウチの特性の評価結果を、スタンディングパウチの性状とともに表1に示す。
実施例2と同様にして得られたラミネート積層体を用いて、図3に示す形状のスタンディングパウチを作成した。そして、そのスタンディングパウチの特性を上記した評価方法によって評価したところ、各層の層間接着性が良好であり、破袋が少なく、手切れ性が良かった。また、落下試験においては、1,000袋中、破袋した袋は4袋であった。また、いずれの袋も硬化部315a,315bの硬化が良好であった。さらに、いずれの袋も内容物の注出容易性が良好であった。それらのスタンディングパウチの特性の評価結果を、スタンディングパウチの性状とともに表1に示す。
実施例2-1と同様にして得られたラミネート積層体を用いて、図6に示す形状のスタンディングパウチを作成した。そして、そのスタンディングパウチの特性を上記した評価方法によって評価したところ、各層の層間接着性が良好であり、破袋が少なく、手切れ性が良かった。また、落下試験においては、1,000袋中、破袋した袋は1袋であった。また、いずれの袋も硬化部515a,515bの硬化がきわめて良好であった(硬化部515a,515bが十分な硬さを備えており、かつ、その周囲がしなやかであった)。さらに、いずれの袋も内容物の注出容易性がきわめて良好であった。それらのスタンディングパウチの特性の評価結果を、スタンディングパウチの性状とともに表1に示す。
実施例2と同様にして得られたラミネート積層体を用いて、図6に示す形状のスタンディングパウチを作成した。そして、そのスタンディングパウチの特性を上記した評価方法によって評価したところ、各層の層間接着性が良好であり、破袋が少なく、手切れ性が良かった。また、落下試験においては、1,000袋中、破袋した袋は3袋であった。また、いずれの袋も硬化部515a,515bの硬化が良好であった。さらに、いずれの袋も内容物の注出容易性がきわめて良好であった。それらのスタンディングパウチの特性の評価結果を、スタンディングパウチの性状とともに表1に示す。
シーラントフィルムをシーラントフィルム3に変更した以外は実施例1と同様にしてラミネート積層体を製造した。そして、そのラミネート積層体を用いて、図1に示す形状のスタンディングパウチを作成し、そのスタンディングパウチの特性を上記した評価方法によって評価したところ、各層の層間接着性が良好であり、破袋が少なく、手切れ性が良かった。また、落下試験においては、1,000袋中、破袋した袋は2袋であった。また、いずれの袋もポイントシール209部分の接着性が良好であった。それらのスタンディングパウチの特性の評価結果を、スタンディングパウチの性状とともに表1に示す。
実施例1と同様にして製造されたラミネート積層体を用いて図3に示す形状のスタンディングパウチを作成した。そして、そのスタンディングパウチの特性を上記した評価方法によって評価したところ、各層の層間接着性が良好であり、破袋が少なく、手切れ性が良かった。また、落下試験においては、1,000袋中、破袋した袋は9袋であった。また、いずれの袋も硬化部315a,315bの硬化が良好であった。それらのスタンディングパウチの特性の評価結果を、スタンディングパウチの性状とともに表1に示す。
実施例2と同様にして製造されたラミネート積層体を用いて図3に示す形状のスタンディングパウチを作成した。そして、そのスタンディングパウチの特性を上記した評価方法によって評価したところ、各層の層間接着性がきわめて良好であり、破袋が特に少なく、手切れ性が良かった。また、落下試験においては、1,000袋中、破袋した袋は2袋であった。また、いずれの袋も硬化部315a,315bの硬化が良好であった。それらのスタンディングパウチの特性の評価結果を、スタンディングパウチの性状とともに表1に示す。
実施例3と同様にして製造されたラミネート積層体を用いて図3に示す形状のスタンディングパウチを作成した。そして、そのスタンディングパウチの特性を上記した評価方法によって評価したところ、各層の層間接着性が良好であり、破袋が少なく、手切れ性が良かった。また、落下試験においては、1,000袋中、破袋した袋は3袋であった。また、いずれの袋も硬化部315a,315bの硬化が良好であった。それらのスタンディングパウチの特性の評価結果を、スタンディングパウチの性状とともに表1に示す。
実施例1と同様にして製造されたラミネート積層体を用いて、所定の大きさ(縦×横=150mm×100mm)を有する図5に示す形状のスタンディングパウチ(スパウト固着型)を作成した。このとき、抽出用スパウト410として、ポリエチレン樹脂からなるスパウトを用いた。そのスタンディングパウチの特性を上記した評価方法によって評価したところ、各層の層間接着性が良好であり、破袋が少なかった。また、落下試験においては、1,000袋中、破袋した袋は6袋であった。また、いずれの袋も抽出用スパウト410の接着性が良好であった。それらのスタンディングパウチの特性の評価結果を、スタンディングパウチの性状とともに表1に示す。
実施例2と同様にして製造されたラミネート積層体を用いて、図5に示す形状のスタンディングパウチ(スパウト固着型)を作成し、そのスタンディングパウチの特性を上記した評価方法によって評価したところ、各層の層間接着性がきわめて良好であり、破袋が特に少なかった。また、落下試験においては、1,000袋中、破袋した袋は2袋であった。また、いずれの袋も抽出用スパウト410の接着性が良好であった。それらのスタンディングパウチの特性の評価結果を、スタンディングパウチの性状とともに表1に示す。
実施例3と同様にして製造されたラミネート積層体を用いて、図5に示す形状のスタンディングパウチ(スパウト固着型)を作成し、そのスタンディングパウチの特性を上記した評価方法によって評価したところ、各層の層間接着性がきわめて良好であり、破袋が特に少なかった。また、落下試験においては、1,000袋中、破袋した袋は5袋であった。また、いずれの袋も抽出用スパウト410の接着性が良好であった。それらのスタンディングパウチの特性の評価結果を、スタンディングパウチの性状とともに表1に示す。
印刷を施したナイロン基材層とシーラントフィルム2とを2液混合型ウレタン系接着剤を用いて積層(ラミネート)することによって、下記の層構成(実施例1のラミネート積層体から蒸着PET層を除いた層構成)を有するラミネート積層体を製造した。
・ナイロン基材層/印刷層/接着層/シーラントフィルム2
印刷を施したPET基材層とアルミバリア層とシーラントフィルム1とを積層(ラミネート)することによって、下記の層構成を有するラミネート積層体を製造した。なお、PET基材層とアルミバリア層との貼り合わせには、上記した2液混合型ウレタン系接着剤を用い、アルミバリア層とシーラントフィルム1との貼り合わせには、熱溶融させたポリオレフィンを用いた。
・PET基材層/印刷層/接着層/アルミバリア層/接着層(熱溶融ポリオレフィン)/シーラントフィルム1
シーラントフィルムをシーラントフィルム2に変更した以外は実施例11と同様にしてラミネート積層体を製造した。そして、そのラミネート積層体を用いて、実施例11と同一の形状の三方袋を作成し、その三方袋の特性を上記した評価方法によって評価したところ、各層の層間接着性が良好であった。また、量産性も良好であった。それらの三方袋の特性の評価結果を、三方袋の性状とともに表1に示す。
シーラントフィルムをシーラントフィルム3に変更した以外は実施例11と同様にしてラミネート積層体を製造した。そして、そのラミネート積層体を用いて、実施例11と同一の形状の三方袋を作成し、その三方袋の特性を上記した評価方法によって評価したところ、各層の層間接着性が良好であった。また、量産性も良好であった。それらの三方袋の特性の評価結果を、三方袋の性状とともに表1に示す。
印刷を施したPET基材層とナイロン基材層とシーラントフィルム2とを2液混合型ウレタン系接着剤を用いて積層(ラミネート)することによって、下記の層構成を有するラミネート積層体を製造した。
・PET基材層/印刷層/接着層/ナイロン基材層/接着層/シーラントフィルム2
印刷を施したナイロン基材層ともう1枚のナイロン基材層とアルミバリア層とシーラントフィルム2とを2液混合型ウレタン系接着剤を用いて積層(ラミネート)することによって、下記の層構成を有するラミネート積層体を製造した。
・ナイロン基材層/印刷層/接着層/ナイロン基材層/接着層/アルミバリア層/接着層/シーラントフィルム2
シーラントフィルムをシーラントフィルム4に変更した以外は実施例1と同様にしてラミネート積層体を製造した。そして、そのラミネート積層体を用いて、図1に示す形状のスタンディングパウチを作成し、そのスタンディングパウチの特性を上記した評価方法によって評価したところ、落下試験において、1,000袋中、破袋した袋は破袋が20袋であり量産適性が不良であった。また、ポイントシール209部分の接着性が悪かった。それらのスタンディングパウチの特性の評価結果を、スタンディングパウチの性状とともに表2に示す。
シーラントフィルムをシーラントフィルム5に変更した以外は実施例1と同様にしてラミネート積層体を製造した。そして、そのラミネート積層体を用いて、図1に示す形状のスタンディングパウチを作成し、そのスタンディングパウチの特性を上記した評価方法によって評価したところ、落下試験において、1,000袋中、破袋した袋は破袋が17袋であり量産適性が不良であった。また、ポイントシール209部分の接着性が悪かった。それらのスタンディングパウチの特性の評価結果を、スタンディングパウチの性状とともに表2に示す。
シーラントフィルム5と隣接する層(蒸着PET層)とを積層(接着)する際の接着剤を2液混合型ウレタン系接着剤(無溶剤系接着剤)に変更した以外は比較例2と同様にしてラミネート積層体を製造した(したがって、層構成は比較例2のラミネート積層体と同じ)。そして、そのラミネート積層体を用いて、図3に示す形状のスタンディングパウチを作成した。そして、そのスタンディングパウチの特性を上記した評価方法によって評価したところ、落下試験において、1,000袋中、破袋した袋は破袋が14袋であり量産適性が不良であった。また、硬化部515a,515bの硬化が悪かった。さらに、いずれの袋も内容物の注出容易性が不好であった。それらのスタンディングパウチの特性の評価結果を、スタンディングパウチの性状とともに表2に示す。
比較例2-1と同様にして得られたラミネート積層体を用いて、図6に示す形状のスタンディングパウチを作成した。そして、そのスタンディングパウチの特性を上記した評価方法によって評価したところ、落下試験において、1,000袋中、破袋した袋は破袋が15袋であり量産適性が不良であった。また、硬化部515a,515bの硬化が悪かった。さらに、いずれの袋も内容物の注出容易性が不好であった。それらのスタンディングパウチの特性の評価結果を、スタンディングパウチの性状とともに表2に示す。
シーラントフィルムをシーラントフィルム4に変更した以外は実施例1と同様にしてラミネート積層体を製造した。そして、そのラミネート積層体を用いて、図3に示す形状のスタンディングパウチを作成し、そのスタンディングパウチの特性を上記した評価方法によって評価したところ、落下試験において、1,000袋中、破袋した袋は19袋であり量産適性が不良であった。また、硬化部315a,315bの硬化が悪かった。それらのスタンディングパウチの特性の評価結果を、スタンディングパウチの性状とともに表2に示す。
シーラントフィルムをシーラントフィルム5に変更した以外は実施例1と同様にしてラミネート積層体を製造した。そして、そのラミネート積層体を用いて、図3に示す形状のスタンディングパウチを作成し、そのスタンディングパウチの特性を上記した評価方法によって評価したところ、落下試験において、1,000袋中、破袋した袋は18袋であり量産適性が不良であった。また、硬化部315a,315bの硬化が悪かった。それらのスタンディングパウチの特性の評価結果を、スタンディングパウチの性状とともに表2に示す。
シーラントフィルムをシーラントフィルム5に変更した以外は実施例1と同様にしてラミネート積層体を製造した。そして、そのラミネート積層体を用いて、図5に示す形状のスタンディングパウチ(スパウト固着型)を作成し、そのスタンディングパウチの特性を上記した評価方法によって評価したところ、落下試験において、1,000袋中、破袋した袋は18袋であり量産適性が不良であった。それらのスタンディングパウチの特性の評価結果を、スタンディングパウチの性状とともに表2に示す。
シーラントフィルムをシーラントフィルム4に変更した以外は実施例11と同様にしてラミネート積層体を製造し、三方袋を作成した。そして、その三方袋の特性を上記した評価方法によって評価したところ、各層の層間接着性が不十分であった。その三方袋の特性の評価結果を、三方袋の性状とともに表2に示す。
シーラントフィルムをシーラントフィルム5に変更した以外は実施例11と同様にしてラミネート積層体を製造し、三方袋を作成した。そして、その三方袋の特性を上記した評価方法によって評価したところ、各層の層間接着性が不十分であった。その三方袋の特性の評価結果を、三方袋の性状とともに表2に示す。
本発明に係るラミネート積層体の構成は、上記した各実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、基材層、接着層、シーラント層、印刷層、バリア層(酸素バリア層、水蒸気バリア層等)、接着層、アンカーコート層等の構成材料、厚み、積層態様等の構成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更できる。また、当該ラミネート積層体を用いて形成される包装袋の構成も、上記した各実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、大きさ、形状、構造等の構成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更できる。
310・・包装袋
401・・包装袋
250・・補助部材
313・・流路(注出用流路)
314・・リブ
315a,315b・・硬化部
510・・包装袋
514・・リブ
515a,515b・・硬化部
Claims (7)
- 少なくとも基材層、接着層、シーラント層を順に積層してなる包装袋形成用のラミネート積層体であって、
前記基材層が、少なくとも、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリエチレンナフタレート樹脂フィルム、ポリアクリロニトリル樹脂フィルム、ポリカーボネート樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルムのいずれかを含み、
前記シーラント層が、内側シーラント層と、バイオマス由来のポリオレフィンを95%以上含む中間シーラント層と、石油由来のポリオレフィンを95%以上含む基材側シーラント層とを積層したものであり、かつ、
そのシーラント層の基材側シーラント層が、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを混合してなる無溶剤系の2液混合型ウレタン系の接着剤によって、他の層に接着されたものであり、なおかつ、
前記無溶剤系の2液混合型ウレタン系の接着剤のポリオール成分が、ポリエステルポリオールであるとともに、
前記無溶剤系の2液混合型ウレタン系の接着剤のポリイソシアネート成分が、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーとヘキサメチレンジイソシアネートのアロファネート/トリマー(アロファネート基を含有する三量体)とを混合してなるものであることを特徴とする包装袋形成用のラミネート積層体。 - 前記基材層、前記接着層および前記シーラント層以外に、印刷層、バリア層、接着層、アンカーコート層、表面コート層のいずれかの層を含むことを特徴とする請求項1に記載の包装袋形成用のラミネート積層体。
- 前記内側シーラント層が、石油由来のポリオレフィンを95%以上含む構成、あるいは、バイオマス由来のポリオレフィンを95%以上含む構成のいずれかであることを特徴とする請求項1、または2に記載の包装袋形成用のラミネート積層体。
- 請求項1~3のいずれかに記載の包装体形成用のラミネート積層体からなることを特徴とするスタンディングパウチ。
- 収納された内容物を注出する際の流路となる補助部材を有することを特徴とする請求項4に記載のスタンディングパウチ。
- シーラント層が内側になるように重ね合わせた2枚のラミネート積層体を、離れた2箇所でヒートシールすることによって形成された注出用流路と、
その抽出用流路に沿ってラミネート積層体を外向きに突出するように折り曲げ形成してなる溝状のリブと、
前記リブの少なくとも片側においてラミネート積層体を硬化させてなる硬化部と
を有することを特徴とする請求項4に記載のスタンディングパウチ。 - 請求項1~3のいずれかに記載の包装袋形成用のラミネート積層体からなる包装袋であって、
包装袋が平袋、背貼り袋、ガセット袋、チューブのいずれかであることを特徴とする包装袋。
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