JP7200701B2 - シート - Google Patents

Description

本発明は、シートに関する。詳しくは、着座者の背部を支持する背凭れ部と、背凭れ部の上部に設けられて着座者の後頭部を支持する頭凭れ部と、を有するシートに関する。

従来、シートにおいて、ヘッドレストの左右両側部に、着座者の頭部を囲う前方側への張り出しが形成された構成が知られている（特許文献１）。上記張り出しにより、着座者の左右両側の視界が狭められて、パーソナルスペースが形成されている。

特開２０１９－１３７８号公報

上記従来技術では、シートバックのリクライニングに伴う背ずれにより、張り出しの位置が頭部からずれるおそれがある。本発明は、上記問題を解決するものとして創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、着座者の頭部を側方から覆う張出部を、着座者の着座状態に応じて適切に位置調節できるようにすることにある。

上記課題を解決するために、本発明のシートは次の手段をとる。

すなわち、本発明は、着座者の背部を支持する背凭れ部と、背凭れ部の上部に設けられて着座者の後頭部を支持する頭凭れ部と、を有するシートである。このシートは、頭凭れ部の側部から着座者の頭部を側方から覆うように前方へ張り出す張出部と、張出部の張り出し量を調節可能な張出調節機構と、頭凭れ部の背凭れ部に対する高さ位置を調節可能な高さ調節機構と、を有する。

上記構成によれば、張出調節機構によって張出部の前後方向の張り出し量を調節することができる。また、高さ調節機構により、頭凭れ部及び張出部の高さ位置を調節することができる。したがって、これらの位置調節により、着座者の頭部を側方から覆う張出部を、者の着座状態に応じて適切に位置調節することができる。

また、本発明は、更に次のように構成されていてもよい。シートが、更に、背凭れ部の背凭れ角度を調節可能な背凭れ角度調節機構を有する。

上記構成によれば、背凭れ部のリクライニングにより背ずれが生じても、高さ調節機構により、張出部を着座者の頭部に合った位置に調節することができる。

また、本発明は、更に次のように構成されていてもよい。張出部が、更に、シート幅方向の内側に向けて風を吹き出す吹出口を有する。

上記構成によれば、張出部に吹出口が設けられることで、着座者の顔に向けて風を吹き出せる構成を合理的に得ることができる。

また、本発明は、更に次のように構成されていてもよい。シートが、更に、背凭れ部を通って頭凭れ部内に通風路をラップさせる形に入り込んで風を通すダクトを有する。高さ調節機構が、頭凭れ部内に設けられる。

上記構成によれば、高さ調節機構及び同機構の動きに伴うダクトの通風路の逃がし構造が頭凭れ部内に設けられることで、背凭れ部の構造を複雑化しないで済む。

また、本発明は、更に次のように構成されていてもよい。張出部が、頭凭れ部の両側部に設けられる。

上記構成によれば、着座者の左右両側の視界を狭めて、良好なパーソナルスペースを形成することができる。

また、本発明は、更に次のように構成されていてもよい。張出調節機構が、各々の張出部を個別に動作させることのできる構造とされる。

上記構成によれば、一方の視界を狭めつつ他方の視界を広げるといったように、張出部による視界調節の利便性を高めることができる。

第１の実施形態に係るシートの概略構成を表した斜視図である。 図１を後側から見た斜視図である。 図１の平面図である。 図１の正面図である。 頭凭れ部を背凭れ部から取り外した状態を表した斜視図である。 図５を後側から見た斜視図である。 図４のVII－VII線断面図である。 背凭れ部がニュートラル位置にある時の着座状態を模式的に表した側面図である。 背凭れ部がリクライニングした時の着座状態を模式的に表した側面図である。 図９の状態から頭凭れ部の高さ位置を調節した状態を表した側面図である。

以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。

《第１の実施形態》
始めに、本発明の第１の実施形態に係るシート１の構成について、図１～図１０を用いて説明する。なお、以下の説明において、前後上下左右等の各方向を示す場合には、各図中に示されたそれぞれの方向を指すものとする。また、「シート幅方向」と示す場合には、シート１の左右方向を指すものとする。

（シート１の概略構成について）
本実施形態に係るシート１は、自動車の後部側座席として構成されている。上記シート１は、図１～図２に示すように、着座者の背凭れ部となるシートバック２と、着座部となる不図示のシートクッションと、着座者の後頭部を支持するヘッドレスト３と、を備える。ここで、上記シートバック２が本発明の「背凭れ部」に相当し、ヘッドレスト３が本発明の「頭凭れ部」に相当する。

上記シートバック２は、その左右両サイドの下端部が、それぞれ、リクライナ５を介してシートクッションの左右両サイドの後端部に連結されている。上記連結により、シートバック２は、不図示シートクッションに対する背凭れ角度を前後方向に調節することのできる構成とされる。上記各リクライナ５は、いわゆる電動或いは手動のどちらのタイプであっても良いが、本実施形態では電動タイプの構成が採用されている。

上記各リクライナ５は、使用者により不図示のシートクッションのアウタ側部等の箇所に設けられた電動スイッチが操作されることで、その操作に応じてシートバック２の背凭れ角度を後側に倒したり前側に起こしたりするようになっている。ここで、各リクライナ５が本発明の「背凭れ角度調節機構」に相当する。

ヘッドレスト３は、シートバック２の上部に上側から差し込まれて装着されている。上記ヘッドレスト３は、図３に示すように、その着座者の後頭部を支える天板メイン面が、同後頭部を両サイドから包み込むように受け止められるように凹湾曲面状に窪んだ形に形成されている。上記ヘッドレスト３の左右両サイドには、各サイドの側部から前方へ張り出して着座者の頭部を側方から覆う樹脂製のシェード４が設けられている。ここで、各シェード４が、それぞれ、本発明の「張出部」に相当する。

上記各シェード４は、それぞれ、上記ヘッドレスト３の凹湾曲面状に窪んだ天板メイン面の両サイドから前方に凹湾曲面状に立ち上がるように張り出す曲板形状に形成されている。上記各シェード４は、ヘッドレスト３内に設けられた電動式の張出調節機構１０により、個別に図１及び図３の仮想線で示す引込位置Ｐ２と実線で示す張出位置Ｐ１との間で任意の位置に動かされるよう駆動制御されるようになっている。

それにより、各シェード４は、それぞれが引込位置Ｐ２に引き込まれることで、着座者の左右両側の視界を広げた状態をとることができる。また、各シェード４は、それぞれが張出位置Ｐ１或いはその途中位置まで張り出されることで、着座者の左右両側の視界を狭めてパーソナルスペースを形成することができる。また、各シェード４は、そのどちらか一方が張り出されて他方が引き込まれることで、その形態に応じて、外窓に対する日よけを行う一方で隣り合う座席との視界を開放したりその逆の形態にしたりすることができる。

上記ヘッドレスト３には、更に、図１及び図４に示すように、そのシートバック２に対する高さ位置を任意の位置に調節することの可能な電動式の高さ調節機構２０が設けられている。上記高さ調節機構２０により、ヘッドレスト３は、図８に示すように、着座者の体格に応じて最適となる高さ位置に任意に調節することが可能とされる。また、ヘッドレスト３は、図９に示すように、シートバック２のリクライニングに伴う背ずれにより、着座者の頭部に対する位置がずれた場合にも、図１０に示すように頭部に対面する位置へと適切に調節することが可能とされる。

したがって、ヘッドレスト３を常に着座者の頭部に合わせた位置に調節することができ、同ヘッドレスト３から張り出す各シェード４も着座者の頭部に合わせた位置に張り出させることができる。

（各部の具体的な構成について）
以下、上記各部の具体的な構成について詳しく説明する。図５～図６に示すように、シートバック２は、その上面部に、ヘッドレスト３の下面部から垂下するヘッドレストステー２１の左右一対の各脚部２１Ａをそれぞれ上側から差し込んで装着することの可能なヘッドレストサポート２Ａを有する。また、上記シートバック２の内部には、ヘッドレスト３へ向けて風を送る樹脂製の固定ダクト２Ｃが固定された状態に設けられている。ここで、上記固定ダクト２Ｃが本発明の「ダクト」に相当する。

上記固定ダクト２Ｃは、図７に示すように、シートバック２内の背裏側の中央部を通って下側から上側へと延びるように設けられている。上記固定ダクト２Ｃのシートバック２の背裏側上部を通る途中経路には、ブロア２Ｄが接続されている。上記ブロア２Ｄにより、固定ダクト２Ｃ内の空気がヘッドレスト３へ向けて送風されるようになっている。上記固定ダクト２Ｃは、図５～図７に示すように、シートバック２の上面中央部からその管路の端部（突出部２Ｃ１）を上側に突出させるように設けられている。

上記シートバック２の背裏側上部には、上記固定ダクト２Ｃが設けられた中央部をシートバック２の上面部から背裏部にかけて逆Ｌ字面状に被覆する樹脂製の後部カバー２Ｂが取り付けられている。上記後部カバー２Ｂは、ブロア２Ｄや固定ダクト２Ｃのメンテナンス作業時に作業を行いやすいようシートバック２から取り外すことのできるメンテナンス用のカバーとなっている。上記後部カバー２Ｂは、そのシートバック２の上面中央部を被覆する部分が、同上面中央部から突出する固定ダクト２Ｃの突出部２Ｃ１の根元側の周囲部分を被覆するように延びる形状とされている。

上記形状により、後部カバー２Ｂは、その固定ダクト２Ｃの突出部２Ｃ１の周囲を被覆する部分が、突出部２Ｃ１の周囲を間に隙間が形成されないように見栄え良く取り囲むベゼルとして機能する構成とされる。なお、上記固定ダクト２Ｃの突出部２Ｃ１は、本実施形態ではヘッドレスト３へと風を送る管路を形成しているが、そのような機能が不要な時には、固定ダクト２Ｃの本体部分から取り外せるようになっていても良い。そして、その取り外した固定ダクト２Ｃの端末の開口部に不図示のキャップを装着することで、固定ダクト２Ｃの端末の開口部を見栄え良く被覆することができる。

ヘッドレスト３は、図１に示すように、その凹湾曲面状に延びる本体部の左右両サイドの側端部に沿って、各シェード４の出入り口となる前方に縦長状に開く開口３Ａを有する。また、上記ヘッドレスト３の内部には、上記各シェード４を個別に駆動制御する張出調節機構１０が設けられている。また、上記ヘッドレスト３の内部には、ヘッドレスト３のシートバック２に対する高さ位置の調節を行う高さ調節機構２０が設けられている。また、上記ヘッドレスト３の内部には、図５～図７に示すように、上記固定ダクト２Ｃの突出部２Ｃ１に上側から嵌め込まれて流路接続される可動ダクト３Ｃが固定された状態に設けられている。

張出調節機構１０は、図６に示すように、ヘッドレスト３の内部の左右２箇所の位置に固定された各モータ１１と、各モータ１１の出力軸１１Ａに一端が連結されて回転操作される各操作リンク１２と、ヘッドレスト３の内部の左右２箇所の位置に固定された上下一対のカーブドレール１３と、を有する。各カーブドレール１３は、それぞれ、ヘッドレスト３の湾曲形状に沿ってシート幅方向の外側に向かって前側へ湾曲した形となって延びる形状とされている。

各カーブドレール１３には、各シェード４の対応する位置に固定された各スライダ４Ｃが、各々の長手方向に沿って摺動可能な状態に嵌合されている。これにより、各カーブドレール１３は、各シェード４をそれらの湾曲形状に沿って図１に示す張出位置Ｐ１と引込位置Ｐ２との間で摺動させられる形にガイドするようになっている。上記各シェード４には、図６に示すように、それらの中間部に形成された高さ方向に延びる各長孔４Ｂ内に、上記各操作リンク１２の他端に設けられた操作ピン１２Ａが入り込んだ状態に組み付けられている。

上記構成により、各シェード４は、上記各操作リンク１２が各モータ１１の個別の駆動制御によって動かされることで、上記図１に示す張出位置Ｐ１と引込位置Ｐ２との間で個別に動かされるようになっている。また、各シェード４は、上記各操作リンク１２の動きが止められることで、それぞれの動かされた任意の位置で止められるようになっている。

高さ調節機構２０は、略Ｍ字状に曲げられた形状を持つヘッドレストステー２１と、同ヘッドレストステー２１の上部に固定された固定体２２と、同ヘッドレストステー２１の下部に高さ方向に摺動可能なように組み付けられた可動体２３と、可動体２３に固定されたモータ２４と、を有する。ヘッドレストステー２１は、その略Ｍ字の両脚部２１Ａが、シートバック２の上面部に設けられた対応する各ヘッドレストサポート２Ａ内に差し込まれることで、各ヘッドレストサポート２Ａに位置固定された状態に装着されるようになっている。

固定体２２は、上記ヘッドレストステー２１の各脚部２１Ａの上部に固定された状態に嵌合される固定ガイド２２Ａを有する。可動体２３は、上記ヘッドレストステー２１の各脚部２１Ａの下部に高さ方向に摺動可能な状態に嵌合される可動ガイド２３Ａを有する。上記可動体２３は、上記モータ２４の出力軸に連結されて駆動制御される不図示の送りねじ機構を介して固定体２２と連結されている。上記不図示の送りねじ機構は、ヘッドレスト３の高さ方向に軸を向ける構成とされ、モータ２４の駆動制御によって可動体２３を固定体２２に近づける方向に引き上げたり固定体２２から引き離す方向に押し下げたりする。

上記可動体２３には、固定体２２を貫通して高さ方向に延びる左右一対の支持棒２３Ｂが取り付けられている。そして、上記各支持棒２３Ｂの延びた先の端部間には、ヘッドレスト３が取り付けられる支持ブラケット２３Ｃが固定されている。上記構成により、可動体２３が固定体２２に対して高さ方向に位置調節される動きによって、ヘッドレスト３のシートバック２に対する高さ位置が調節される。上記高さ調節機構２０は、ヘッドレスト３の後側の中央部に設けられている。

そして、上記ヘッドレスト３の後側の中央部には、上記高さ調節機構２０を後側から被覆する樹脂製の後部カバー３Ｂが取り付けられている。上記後部カバー３Ｂは、上記高さ調節機構２０や前出の張出調節機構１０のメンテナンス作業時に作業を行いやすいようヘッドレスト３から取り外すことのできるメンテナンス用のカバーとなっている。

図５に示すように、可動ダクト３Ｃは、上記ヘッドレスト３内における高さ調節機構２０の前部に設けられている。上記可動ダクト３Ｃは、ヘッドレスト３の中央下部にその管路の下端部を開口させるように設けられている。上記可動ダクト３Ｃは、前出のヘッドレストステー２１の各脚部２１Ａがシートバック２の各ヘッドレストステー２１に差し込まれて装着されるのに伴って、前出の固定ダクト２Ｃの突出部２Ｃ１に上側から嵌め込まれて流路接続された状態に組み付けられる（図７参照）。

上記組み付けにより、可動ダクト３Ｃは、固定ダクト２Ｃの突出部２Ｃ１と高さ方向に互いの管路をラップさせた状態となる。それにより、可動ダクト３Ｃは、前出の高さ調節機構２０によってヘッドレスト３のシートバック２に対する高さ位置が調節されても、固定ダクト２Ｃとのラップ代によってその動きを逃がす形で固定ダクト２Ｃとの流路接続状態を保てるようになっている。上記可動ダクト３Ｃは、図５に示すように、ヘッドレスト３内で左右に二股状に分岐し、その分岐した各管路を左右の各シェード４内にラップさせた状態に入り込ませた状態とされている。

それにより、可動ダクト３Ｃは、前出の張出調節機構１０によって各シェード４がヘッドレスト３に対して動かされても、各シェード４との管路のラップ代によってその動きを逃がす形で各シェード４との流路接続状態を保てるようになっている。上記各シェード４は、上記可動ダクト３Ｃから送られてきた風を、図１に示すように、それらの前側に張り出した先の縁部に形成された各吹出口４Ａから、着座者の頭部の前側領域に向かってシート幅方向の内側に吹き出すようになっている。

具体的には、各吹出口４Ａは、各シェード４の前側に張り出した先の縁部の内側面に沿って縦長なスリット形状に開口して形成されている。上記各シェード４は、各吹出口４Ａから吹き出される風が、その張り出し量にかかわらず常に着座者の頭部の前側の定点位置に向けて吹き出されるよう、前出の張出調節機構１０により動かされる移動軌跡が円弧状を描く形に動かされるようになっている。

それにより、各シェード４の張り出し量にかかわらず、常に、各吹出口４Ａから吹き出される風を、着座者の頭部の前側の定点位置に吹き出せるようになっている。したがって、左右のシェード４から吹き出された風を、着座者の頭部の前側の定点位置で衝突させて、その衝突により拡散した軟らかい風を着座者の頭部に優しく当てることができる。

（まとめ）
以上をまとめると、本実施形態のシート１は次のような構成とされている。すなわち、着座者の背部を支持する背凭れ部（２）と、背凭れ部（２）の上部に設けられて着座者の後頭部を支持する頭凭れ部（３）と、を有するシート（１）である。このシート（１）は、頭凭れ部（３）の側部から着座者の頭部を側方から覆うように前方へ張り出す張出部（４）と、張出部（４）の張り出し量を調節可能な張出調節機構（１０）と、頭凭れ部（３）の背凭れ部（２）に対する高さ位置を調節可能な高さ調節機構（２０）と、を有する。

上記構成によれば、張出調節機構（１０）によって張出部（４）の前後方向の張り出し量を調節することができる。また、高さ調節機構（２０）により、頭凭れ部（３）及び張出部（４）の高さ位置を調節することができる。したがって、これらの位置調節により、着座者の頭部を側方から覆う張出部（４）を、着座者の着座状態に応じて適切に位置調節することができる。

また、シート（１）が、更に、背凭れ部（２）の背凭れ角度を調節可能な背凭れ角度調節機構（５）を有する。上記構成によれば、背凭れ部（２）のリクライニングにより背ずれが生じても、高さ調節機構（２０）により、張出部（４）を着座者の頭部に合った位置に調節することができる。

また、張出部（４）が、更に、シート幅方向の内側に向けて風を吹き出す吹出口（４Ａ）を有する。上記構成によれば、張出部（４）に吹出口（４Ａ）が設けられることで、着座者の顔に向けて風を吹き出せる構成を合理的に得ることができる。

また、シート（１）が、更に、背凭れ部（２）を通って頭凭れ部（３）内に通風路をラップさせる形に入り込んで風を通すダクト（２Ｃ）を有する。高さ調節機構（２０）が、頭凭れ部（３）内に設けられる。上記構成によれば、高さ調節機構（２０）及び同機構の動きに伴うダクト（２Ｃ）の通風路の逃がし構造が頭凭れ部（３）内に設けられることで、背凭れ部（２）の構造を複雑化しないで済む。

また、張出部（４）が、頭凭れ部（３）の両側部に設けられる。上記構成によれば、着座者の左右両側の視界を狭めて、良好なパーソナルスペースを形成することができる。

また、張出調節機構（１０）が、各々の張出部（４）を個別に動作させることのできる構造とされる。上記構成によれば、一方の視界を狭めつつ他方の視界を広げるといったように、張出部（４）による視界調節の利便性を高めることができる。

《その他の実施形態について》
以上、本発明の実施形態を１つの実施形態を用いて説明したが、本発明は上記実施形態のほか、各種の形態で実施することができるものである。

１．本発明のシートは、自動車用のシートの他、鉄道等の自動車以外の車両に適用されるシートや、航空機、船舶等の様々な乗物用に供されるシートにも広く適用することができるものである。また、シートは、乗物の他、スポーツ施設や、劇場、コンサート会場、イベント会場等の各施設に設置される観覧席や、マッサージシート等の様々なシートにも広く適用することができるものである。

２．背凭れ部と頭凭れ部との分割ラインは、頭凭れ部が着座者の後頭部と背中上部とを支持する広い形状となるように、すなわち背凭れ部と頭凭れ部との両方によって着座者の背中を支持する形態となるように分割するものであっても良い。

３．張出部は、頭凭れ部の側部から前方へ凹湾曲面状に張り出す形から成るものの他、前方へ真っ直ぐ板状或いはその他の形状で張り出すものであっても良い。また、張出部は、頭凭れ部の一方側の側部にのみ設けられるものであっても良い。また、張出部は、頭凭れ部の両側部に設けられる場合に、その両方が同期的にのみ動かされるようになっているものであっても良い。張出部は、吹出口を持たない構成であっても良い。

４．張出調節機構及び高さ調節機構は、それぞれ、電動タイプの他、手動タイプの構成であっても良い。高さ調節機構は、背凭れ部に設けられて頭凭れ部の高さ位置を調節するように作動するものであっても良い。

５．ダクトは、いわゆるテレスコピック構造によって高さ調節機構の動きを流路接続状態で逃がすものの他、蛇腹構造等の他の伸縮構造によって高さ調節機構の動きを流路接続状態で逃がす者であっても良い。

１ シート
２ シートバック（背凭れ部）
２Ａ ヘッドレストサポート
２Ｂ 後部カバー
２Ｃ 固定ダクト（ダクト）
２Ｃ１ 突出部
２Ｄ ブロア
３ ヘッドレスト（頭凭れ部）
３Ａ 開口
３Ｂ 後部カバー
３Ｃ 可動ダクト
４ シェード（張出部）
４Ａ 吹出口
４Ｂ 長孔
４Ｃ スライダ
５ リクライナ（背凭れ角度調節機構）
１０ 張出調節機構
１１ モータ
１１Ａ 出力軸
１２ 操作リンク
１２Ａ 操作ピン
１３ カーブドレール
２０ 高さ調節機構
２１ ヘッドレストステー
２１Ａ 脚部
２２ 固定体
２２Ａ 固定ガイド
２３ 可動体
２３Ａ 可動ガイド
２３Ｂ 支持棒
２３Ｃ 支持ブラケット
２４ モータ
Ｐ１ 張出位置
Ｐ２ 引込位置

Claims (3)

1. 着座者の背部を支持する背凭れ部と、該背凭れ部の上部に設けられて着座者の後頭部を支持する頭凭れ部と、を有するシートであって、
   前記頭凭れ部の側部から着座者の頭部を側方から覆うように前方へ張り出す張出部と、
   該張出部の張り出し量を調節可能な張出調節機構と、
   前記頭凭れ部の前記背凭れ部に対する高さ位置を調節可能な高さ調節機構と、
   前記背凭れ部を通って前記頭凭れ部内に通風路をラップさせる形に入り込んで風を通すダクトと、を有し、
   前記張出部が、シート幅方向の内側に向けて風を吹き出す吹出口を有し、
   前記高さ調節機構が、前記頭凭れ部内に設けられるシート。
2. 請求項１に記載のシートであって、
   前記張出部が、前記頭凭れ部の両側部に設けられるシート。
3. 請求項２に記載のシートであって、
   前記張出調節機構が、各々の前記張出部を個別に動作させることのできる構造とされるシート。
   

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