JP7199281B2 - スプリンクラ消火設備 - Google Patents
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Description
そして、監視状態において、例えばごくわずかな水漏れ等によって二次側配管内の圧力が調圧パイロット弁の設定圧よりも低下すると、調圧パイロット弁が僅かに開放して二次側配管へ充水し、圧力を回復するようにしている(例えば、特許文献2の背景技術参照)。
調圧パイロット弁の加圧水の流れが一定以上になるとシリンダ室の圧力が低下して本弁が開放する。本弁の流量が増加して二次側配管内の圧力が調圧パイロット弁の設定圧力に近づくと、調圧パイロット弁の開度が絞られて本弁のシリンダ室の圧力が上昇して本弁の開度が絞られ、二次側配管内の圧力が所定の圧力に制御される。これによって、スプリンクラヘッドからは所定の圧力で消火水が散水される。
しかし、調圧パイロット弁の設定圧は、上述したように、火災時におけるスプリンクラヘッドから放水する圧力制御に関係しているため、設定圧力をさらに下げると、スプリンクラヘッドを最低放水圧力(0.1MPa)以上で放水するための圧力水頭を確保できない。
そのため、監視状態での二次側配管内の圧力を上記の例えば0.4MPa程度よりも下げることができず、さらなる水損防止の要請に応えることができなかった。
また、監視状態における二次側配管内の圧力が高いと、配管の腐食が進行しやすく、また二次側配管にわずかな亀裂等があっても水漏れを発生するという問題もある。
前記二次側配管と前記調圧パイロット弁との間に設けられて、監視状態において閉止状態で前記二次側配管内の圧力を前記調圧パイロット弁の二次側圧力よりも低い圧力に維持すると共に前記閉鎖型スプリンクラヘッドが開放した際には開放状態となる縁切り機構を設けたことを特徴とするものである。
前記排圧弁が調整する所定圧は、前記調圧パイロット弁の二次側圧力よりも低圧であることを特徴とするものである。
これによって、スプリンクラヘッドの破損時の水損を効果的に防止できる。
本発明が対象としているスプリンクラ消火設備は、二次側配管に充水する湿式、湿式予作動式のものであるが、以下の説明では、湿式予作動式のものを例に挙げて説明する。
本実施の形態にかかるスプリンクラ消火設備1は、図1に示すように、閉鎖型スプリンクラヘッド3(以下、単に「スプリンクラヘッド3」という)が設けられて監視状態で充水される二次側配管7と、二次側配管7と一次側配管5との間に設けられた流水検知装置9と、流水検知装置9のシリンダ室11と二次側配管7との間に設けられて二次側圧力を調圧する調圧パイロット弁13とを備えたものであって、二次側配管7と調圧パイロット弁13との間に、監視状態において調圧パイロット弁13が二次側配管7内の圧力の影響を受けないように縁を切るための縁切り機構としての自動弁15を設けている。
本実施の形態は、湿式予作動式であり、火災感知器17の信号を受信する火災受信機19、火災受信機19の火災信号及び二次側配管7内の圧力を検知する圧力センサ21の信号を入力して自動弁15を開放する消火システム制御盤23を備えている。
以下、主な構成および該構成に付随する機器について説明する。
一次側配管5は、流水検知装置9の一次側に設けられ、図示しない給水本管に接続されている。
二次側配管7は、流水検知装置9の二次側に設けられ、火災時において消火水をスプリンクラヘッド3に給水する給水管の一部を形成する。
監視状態において、二次側配管7には常時所定圧力の消火水が充水されている。二次側配管7内に充水された消火水を所定圧に調整しているのは、二次側配管7内の圧力の低下を検知することで、スプリンクラヘッド3の開放を検知するためである。
二次側配管7内の圧力調整は、二次側配管7に接続された排水管25に設けられた排圧弁27、圧力センサ21及び自動弁15によって行われる。二次側配管7内の調圧方法については後述する。
流水検知装置9は、二次側配管7と一次側配管5との間に設けられて、スプリンクラヘッド3の開放時に一次側と二次側を連通させて消火水を二次側配管7に供給すると共に流水信号を発信する機能を有している。
このような機能を有する流水検知装置9の構造を概説すると、図1に示すように、弁箱29の内部が、弁体としての機能を有するジスク31が設置されたシリンダ室11、一次側配管5に連通する一次室33、及び二次側配管7に連通する二次室35に区画されている。ジスク31は、シリンダ室11の内壁に沿ってスライド可能に構成され、開放時にはリミットスイッチ37を作動させて流水信号を発信する。
一端側がシリンダ室11に接続されると共に他端側が一次室33に接続され、シリンダ室11と一次室33を連通させる連通管39が設けられ、連通管39には一次室33からシリンダ室11への流れのみを可能にする逆止弁41が設置されている。
調圧パイロット弁13は、流水検知装置9のシリンダ室11と二次側配管7との間に設けられて調圧パイロット弁13(流水検知装置9)の二次側の圧力(以下、単に「二次側圧力」という)を調圧する機能を有している。
調圧パイロット弁13の二次側には、二次側配管7に連通するように調圧二次側配管43が設けられており、調圧二次側配管43には、縁切り機構としての自動弁15が設けられている。
自動弁15が閉止状態では、調圧パイロット弁13の二次側と二次側配管7とは連通しておらず、調圧パイロット弁13は、二次側配管7内の圧力の影響を受けない。
なお、調圧二次側配管43には、自動弁15をバイパスするバイパス管45が設けられ、バイパス管45には手動起動弁47が設けられている。
自動弁15は、調圧二次側配管43に設けられて、上述した縁切り機構として機能する。すなわち、自動弁15は、監視状態において閉止状態で二次側配管7内の圧力を二次側圧力(調圧パイロット弁13~自動弁15までの間の圧力)よりも低い圧力に維持できるようにすると共にスプリンクラヘッド3が開放した際には開放状態となる。
本実施の形態に係るスプリンクラ消火設備1は、湿式予作動式であり、自動弁15は火災感知器17の作動に連動し、消火システム制御盤23の制御によって開放する遠隔起動弁(例えば電動弁)によって構成されている。
監視状態では、ジスク31は閉止状態となっているが、二次側配管7内の圧力は排圧弁27及び自動弁15によって常時一定の圧力に調圧されている(図1参照)。
すなわち、温度上昇等により、二次側配管7内の圧力が所定の圧力よりも上昇した場合には、排圧弁27が開放して排水管25から排水され、二次側配管7内の圧力を低下させる。
本実施の形態では、二次側配管7と調圧パイロット弁13との間には、縁切り機構としての自動弁15が設けられているので、排圧弁27の設定圧力を調圧パイロット弁13の設定圧力と切り離して、可能な限り低く設定できる。
消火システム制御盤23は、圧力センサ21の出力値を定期的にサンプリングし、圧力変化率を演算する機能を有し、緩やかな圧力低下の場合には圧力変化率が小さく、スプリンクラヘッド3の開放によるものではない圧力低下であることを検知する。
この場合、自動弁15は予め設定された極短時間、例えば0.5秒開放される。
火災が発生し、火災感知器17が作動して火災受信機19が火災信号を消火システム制御盤23に発信する。
また、スプリンクラヘッド3が開放して、二次側配管7内の圧力が急激に低下すると、これを消火システム制御盤23が圧力センサ21の信号から検知し、上記の火災信号とのAND条件により、自動弁15を開放する(図2参照)。
自動弁15が開放することで、二次側配管7と調圧二次側配管43が連通し、二次側配管7内の圧力は調圧パイロット弁13で、例えば0.4MPaに調圧されて開放したスプリンクラヘッド3から放水される。
スプリンクラヘッド3が破損すると、二次側配管7内の消火水が破損したスプリンクラヘッド3から放水されるが、上述したように、監視状態における二次側配管7内の圧力は極低圧(0.03MPa~0.05MPa)であるため、水損を極力小さく抑えることができる。
スプリンクラヘッド3が破損した場合には、火災感知器17が作動していないので、火災受信機19から火災信号は発信されず、消火システム制御盤23は自動弁15を開放しないので、調圧二次側配管43の消火水が二次側配管7に流入することはない。
これによって、スプリンクラヘッド3の破損時の水損を効果的に防止でき、また監視状態における二次側配管7からの水漏れ防止、腐食進行防止の要請に応えることができる。
実施の形態1では、排水管25に二次側配管7内の圧力を検知する圧力センサ21を設置し、消火システム制御盤23では、圧力センサ21の圧力変化率の違いにより、スプリンクラヘッド3の開放か否かを判断するようにし、スプリンクラヘッド3の開放でない緩やかな圧力低下の際には、自動弁15を極短時間開くことで二次側配管7内の圧力の回復をするようにしていた。
この場合、消火システム制御盤23は、スプリンクラヘッド3の開放以外の二次側配管7内のわずかな圧力低下を検知できず、このような場合の二次側配管7内の圧力回復を自動弁15によっては図ることができない。
なお、図3に示す例では、第2連通管53は調圧二次側配管43の一部を共用しているが、第2連通管53は調圧二次側配管43とは別に設けてもよい。
また、スプリンクラヘッド3が開放して、二次側配管7内の圧力が急激に低下すると、圧力スイッチ51が作動して、圧力スイッチ51の作動信号が消火システム制御盤23に入力され、消火システム制御盤23は、上記の火災信号とのAND条件により、自動弁15を開放する(図4参照)。
自動弁15が開放することで、二次側配管7と調圧二次側配管43が連通し、二次側配管7内の圧力は調圧パイロット弁13で、例えば0.4MPaに調圧されて開放したスプリンクラヘッド3から放水される。
この場合の縁切り機構としては、例えば調圧パイロット弁13の設定圧力よりも低圧で開放して二次側配管7内の圧力を調整し、スプリンクラヘッド3が開放して大量の消火水が通過した場合には、開放状態を維持するような調圧開放弁を設けるようにすればよい。
3 閉鎖型スプリンクラヘッド
5 一次側配管
7 二次側配管
9 流水検知装置
11 シリンダ室
13 調圧パイロット弁
15 自動弁
17 火災感知器
19 火災受信機
21 圧力センサ
23 消火システム制御盤
25 排水管
27 排圧弁
29 弁箱
31 ジスク
33 一次室
35 二次室
37 リミットスイッチ
39 連通管
41 逆止弁
43 調圧二次側配管
45 バイパス管
47 手動起動弁
49 スプリンクラ消火設備(実施の形態2)
51 圧力スイッチ
53 第2連通管
55 第2調圧パイロット弁
57 遠隔テスト弁
Claims (5)
- 閉鎖型スプリンクラヘッドが設けられて監視状態で充水される二次側配管と、該二次側配管と一次側配管との間に設けられた流水検知装置と、該流水検知装置のシリンダ室と前記二次側配管との間に設けられて二次側圧力を調圧する調圧パイロット弁とを備えたスプリンクラ消火設備において、
前記二次側配管と前記調圧パイロット弁との間に設けられて、監視状態において閉止状態で前記二次側配管内の圧力を前記調圧パイロット弁の二次側圧力よりも低い圧力に維持すると共に前記閉鎖型スプリンクラヘッドが開放した際には開放状態となる縁切り機構を設けたことを特徴とするスプリンクラ消火設備。 - 前記二次側配管内の圧力が所定圧以上になったときに前記二次側配管から排水して前記二次側配管内の圧力を所定圧未満に調整する排圧弁を備え、
前記排圧弁が調整する所定圧は、前記調圧パイロット弁の二次側圧力よりも低圧であることを特徴とする請求項1記載のスプリンクラ消火設備。 - 前記縁切り機構は、火災感知器の作動に連動して開放する自動弁であることを特徴とする請求項1又は2記載のスプリンクラ消火設備。
- 前記二次側配管内の圧力を検知する圧力センサを有し、前記自動弁は前記圧力センサの検知信号に基づいて、監視状態において前記二次側配管内の圧力が低下した際に該二次側配管内の圧力を回復するように開放する機能を有していることを特徴とする請求項3記載のスプリンクラ消火設備。
- 前記二次側配管と前記一次側配管との間に設けられて、監視状態において前記二次側配管内の圧力が低下した際に充水して前記二次側配管内の圧力を回復する第2調圧パイロット弁を設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のスプリンクラ消火設備。
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