JP4026799B2 - 消防用設備の開閉弁装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、プラント防災設備等の消防用設備の開閉弁装置に関するもので、特に、長管路や大口径の水幕設備や放水砲等に設備される開閉弁装置である。
【0002】
【従来の技術】
従来のプラント防災設備の開閉弁装置は、一次側配管と二次側配管とを接続する弁本体と、この弁本体の連通口を開閉する弁主体と、この弁主体の下方であって二次流路を介して対向するピストン室と、このピストン室内に配設され、前記弁主体より受圧面積の大きい制御ピストンと、この制御ピストンと前記弁主体とを連結するステムと、前記制御ピストンの下方に位置し加圧されることによって弁主体を開弁方向に動かすピストン室の加圧室と、この加圧室と前記一次側配管とを連通せしめる起動弁付導圧管と、から構成されている。
【0003】
そして、火災発生時において、起動弁を開いて一次側配管内の消火水を加圧室に供給すると、制御ピストンが加圧室内の水圧により上方すなわち弁主体の方向に移動するので、ステムおよび弁主体も上方に移動し、弁主体が開弁する。弁主体の連通口が開くので、一次側配管の消火水が二次側配管へと流れ込み、管路を経て放水砲から放出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術では、起動弁を開いて加圧室に消火水を供給すると、弁主体が急激に弁座から離れて一気に全開にまで至ってしまうので、一次側配管内の高圧消火水が、充水されていない二次側配管内を高速で圧送されることになる。そして消火水は管路を経て、放水砲から放射される時ノズル口でその流れが急激に絞られると、高圧消火水は流速も急に落とされるので、極めて大きな衝撃がノズルや配管設備にかかる、いわゆるウォーターハンマ現象が発生する。この発明は、上記事情に鑑み、過剰なウォーターハンマ現象の発生を防止する消防用設備の開閉弁装置を得ることを目的とする。
【0005】
また、ウォーターハンマ現象は二次側管路の設備条件によりその発生は様々だが、一般に開弁時の流量を緩やかに立ち上げればウォーターハンマは避けられる。しかし火災時の初期消火は重要で、放水を出来るだけ早急にしたいという要求もある。この両方の条件を折衷させたウォーターハンマ防止用の開閉弁装置の構造というものは、管路全体の形状設備条件やポンプ設備容量によって異なり、一律の固定構造では対応できない。この発明の第二の目的は、現場などでも調整可能なウォーターハンマ対応構造を備え、ウォーターハンマ防止および初期消火に最適な条件が得られる消防用設備の開閉弁装置を得ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、一次側配管と二次側配管とを接続する弁本体と、この弁本体の連通口を開閉する弁主体と、この弁主体と流路を介して対向するピストン室と、このピストン室内に配設され、前記弁主体より受圧面積の大きい制御ピストンと、この制御ピストンと前記弁主体とを連結するステムと、該ステムの端部に取り付けられ、テーパ部を有するインジケータと、ロッド頭部を備える水撃防止用パイロット弁と、前記制御ピストンに隣接し加圧されることによって前記ステムを介して前記弁主体を開弁方向に動かす前記ピストン室の加圧室と、この加圧室と前記一次側配管とを連通せしめる導圧管と、前記二次側配管の充水を検知する充水検知手段と、を有する開閉弁装置において、前記導圧管は前記水撃防止用パイロット弁に連通して、前記一次側配管の消火水は二次側配管に流れ込むときに、前記インジケータのテーパ部と水撃防止用パイロット弁のロッド頭部とが当接する位置に依存した形で、前記水撃防止用パイロット弁は開弁または閉弁し前記弁主体を所定開度に維持して、前記検知手段の充水検知により充水感応用パイロット弁が閉弁することによって、前記加圧室への給水を制御し前記弁主体の全開方向へ移動することにより、前記目的を達成しようとするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
この発明の参考例1を図1と図2により説明する。開閉弁本体1は一次側配管20と二次側配管30との間に接続され、この開閉弁本体1のケーシング40は、この一次側配管20が連通する一次流路2と、二次側配管30が連通する二次流路3と、この二次流路3に隣接する、例えば下方に位置するピストン室10とで構成されている。
【0008】
開閉弁本体1には一次流路2と二次流路3を連通せしめる連通口4が形成されている。この連通口4の上縁部には弁主体5が着座する弁座6が形成されている。この弁主体5の上面には、一次流路2を介して対向するケーシング40の天蓋44との間に装着されたスプリングSが圧接されており、下面には開弁時流量を緩やかに上げるためテーパ状のスカート7を備えている。
【0009】
弁主体5と二次流路3を介して対向するピストン室10には、弁主体5とステム12を介して連結していると共に、弁主体5よりも大きな受圧面積を持つ制御ピストン11が嵌着されている。ピストン室10はこの制御ピストン11により下方を加圧室13、上方を減圧室14に仕切られ、これら両室13、14は制御ピストン11に形成された小径の脱気孔15により連通されている。ケーシング40の一部である減圧室14の壁部には脱気孔15より大きな流過面積を持つ排水弁17付きの排水管16が接続されている。なお、この排水弁17は常時開である。
【0010】
加圧室13の底部はケーシング40の底部開口部を塞ぐピストン室蓋体41で形成されている。この蓋体41の中央下面には、制御ピストン11より下方に突出したステム12の下端を受け入れ、かつ開度調整用ポジショナ50の胴部51を嵌着する有底筒状の突出部42が形成されている。
【0011】
この開度調整用ポジショナ50は、有底円筒状の胴部51と、この胴部51の下部から胴部51と同軸で突出し蓋体41の突出部42の底部に形成した雌ネジ孔42bに螺入した長ネジ部55とで構成されている。この長ネジ部55の下端にスパナ掛け用の把持部56が形成され、長ネジ部55にはロックナット43が蓋体41の突出部42の外側に螺装されている。
【0012】
開度調整用ポジショナ50の胴部51の中間位置には胴部51の径より僅かに小さい小径部54が形成され、突出部42に嵌着した時にこの小径部54の周囲に空間部53が形成される。一方胴部51の内部にはシリンダ室52が形成され、このシリンダ室52と空間部54を連通するシリンダ孔54aが小径部54に形成されている。
【0013】
シリンダ室52の上端開口部にはステム12の下端部12aが挿通可能で、弁主体5が開弁することに伴ってOリングが装着可能に加工形成された下端部12aが通過する時シリンダ室52と加圧室13が連通しないように、シリンダ室52よりも小径のシリンダ開口部52aを形成している。下端部12aの上方には、シリンダ開口部52aよりも小径で十分な長さのステム首部12bを加工形成している。これによって、開度調整用ポジショナ50と突出部42とが半開維持手段を構成する。
【0014】
突出部42の側部には空間部53に連通する一次圧孔h1が形成され、蓋体41には加圧室13に連通する加圧室孔h2が形成されている。 なお、ステム12の上端12cは、弁主体5の上面から突出し天蓋44をパッキンを介して貫通しインジケータとして弁の開度を示すようになっている。
【0015】
さて、一次圧孔h1は一次側配管20とは遠隔起動用電磁弁25の付いた導圧管26を介して接続されている。導圧管26には一次圧孔h1に向かって一次側配管20から順に、メンテナンス弁28、ストレーナ29、遠隔起動用電磁弁25、この電磁弁25に並列配置の現場手動起動弁32、二次圧設定用パイロット弁34、オリフィス31が接続されている。また、このオリフィス31と一次圧孔h1の間で分岐した導圧分管26aが、再開弁手段としての充水感応用パイロット弁33を介して加圧室孔h2に接続されている。
【0016】
なお、遠隔起動用電磁弁25および現場手動起動弁32、そして充水感応用パイロット弁33は常時閉である。また、メンテナンス弁28、二次圧設定用パイロット弁34は常時開である。 二次配管30と充水感応用パイロット弁33の感圧部とは感圧管23を介して接続されている。この充水感応用パイロット弁33と感圧管23とは充水検知手段を構成する。また、二次配管30と二次圧設定用パイロット弁34の感圧部とは、感圧管23およびこの感圧管23から分岐した感圧分岐管23aを介して接続されている。
【0017】
二次圧設定用パイロット弁34は、常時開弁状態で、パイロット弁34の感圧部に送られる圧力が設定値になると閉じられる弁であり、また充水感応用パイロット弁33は、常時閉弁状態で、感圧部に送られる圧力が設定値になると開かれる弁である。これらのパイロット弁は一般のものであるが、二次圧設定用パイロット弁34や充水感応用パイロット弁33の構造は、たとえば特願平9−335846号に記載の全開補助パイロット弁30と調圧パイロット弁25の構造をそれぞれ用いることができる。以下の実施形態に用いられるパイロット弁についても同様である。
【0018】
次に、本参考例1の作動について説明するが、まず開閉弁装置を開く場合について詳説する。 図示しない火災感知器からの火災信号を受けて、図示しない制御装置は遠隔起動用電磁弁25に開弁信号を送出する。遠隔起動用電磁弁25が開かれると、一次側配管20の消火水は、導圧管26を通って遠隔起動用電磁弁25、二次圧設定用パイロット弁34、オリフィス31を通り突出部42の一次圧孔h1から入って、空間部53、シリンダ孔54a、シリンダ室52、シリンダ開口部52aと順次通過して加圧室13に加圧給水される。なお、図1および図2は、起動弁25が開かれた直後の状態を示している。
【0019】
当初は弁主体5は閉止状態なので、ステム12の下端部12aは開度調整用ポジショナ50のシリンダ室52の中に入っていて、シリンダ開口部52aの所にはステム首部12bが位置しており、このためシリンダ室52と加圧室13は連通状態になっている。
【0020】
加圧室13に加圧給水された消火水は加圧室13内の空気を脱気孔15から減圧室14に排出させ、加圧室13内が充水した後は消火水が脱気孔15から減圧室14に流れ込み、減圧室14が充水した後は消火水は排水管16から排水される。この際、加圧室13が充水した時点で、弁主体5の受圧面積よりも大きな受圧面積を持つ制御ピストン11は消火水の一次圧を下面に受け、弁主体5にかかる消火水の一次圧とスプリングSの圧接力や摩擦力や弁主体5等の自重に抗して、制御ピストン11を押し上げる。これによって、ステム12を介して弁主体5は上に押し上げられる。
【0021】
弁主体5が開き始めると一次流路2内の消火水は二次流路3を介して二次側配管30に流れ込む。消火水が更に加圧室13に給水され、制御ピストン11が上昇するのに伴い、ステム12の下端部12aが上昇しシリンダ開口部52aに位置すると、下端部12aの弁体としての機能によりシリンダ開口部52aを封止し、シリンダ室52と加圧室13は流路が絶たれる。
【0022】
すると、消火水は加圧室13には給水されなくなり加圧室13の圧力は脱気孔15および排水管16から逃げるので、弁主体5にかかる一次圧とスプリングS等の下向きの力により弁主体5は閉止方向へ動くようになる。すると、下端部12aがシリンダ開口部52aから離れて、シリンダ室52から加圧室13への消火水の給水が開始され、再び上昇し始めて弁主体5は開弁方向に動く。
【0023】
このようなことが繰り返されるため、弁主体5は開度調整用ポジショナ50によって調整されたシリンダ開口部52aの高さ位置で、半開状態のまま開弁動作が一旦停止する。なお、半開状態とは、弁主体5が全開に至らない状態で過剰なウォータハンマが発生せず、かつある程度二次側配管30への流量も確保できる開度に弁主体5が開いている状態をさす。この開度は、ポンプ設備容量や二次側配管条件などその現場設備条件によって様々であり、それに対し開度調整用ポジショナ50によってそれぞれ最適な開度に調整できる。
【0024】
このように半開維持状態で二次側配管30に充水されていくと、次第に二次側の圧力が増して行き、この二次圧が予め設定しておいた充水感応用パイロット弁33の設定値、例えば2キログラム毎平方センチメートル(以降kg/cm2と表示)を越えると充水したものとみなす。そしてこの時、二次側配管の圧力は感圧管23を介して伝わり、パイロット弁33が開弁し、導圧分岐管26aを介して加圧室孔h2を通り加圧室13に給水される。すると、再び弁主体5は開弁方向(上方)に動き始める。
【0025】
弁主体5の開度が大きくなり二次圧が高くなって、二次圧が二次圧設定用パイロット弁34の設定圧力、例えば5kg/cm2を越えると、この圧力が感圧管23および感圧分岐管23aを介して二次圧設定用パイロット弁34の感応部に伝わるので、このパイロット弁34が絞られて加圧室13への給水が少なくなる。その給水流量が、脱気孔15からの排水流量よりも少なくなってくると、制御ピストン11および弁主体5は全開方向への上昇を止めて下降に転じる。このようになると、開閉弁本体1の流量が減じて来るので、二次圧が下がりだす。
【0026】
また、逆に二次圧が設定圧力5kg/cm2より低くなれば、この圧力が感圧管23等を介して伝わり、パイロット弁34が開き出し、加圧室13への給水流量が脱気孔15からの排水流量よりも多くなってきて、制御ピストン11および弁主体5は閉弁方向への下降を止めて上昇を始め、開閉弁本体1の流量が増加してきて、二次圧が上がりだす。結局、二次圧は設定圧力の前後を維持する。このようにして、二次圧設定用パイロット弁34により二次側の圧力が調整される。
【0027】
ところで、上記のような開閉弁装置の消防用設備をもつプラント防災設備においてその管路条件やポンプ設備容量などに応じて半開維持状態つまり一時停止状態の開度を現場などで変えたい場合がある。
【0028】
その場合は、開度調整用ポジショナ50のロックナット43を緩めて把持部56をスパナ等で回しシリンダ開口部52aの高さ位置を調整する。すなわち、一時停止開度を大き目にとりたい場合は把持部56を右に回して、開度調整用ポジショナ50を雌ネジ孔42bにねじ込むようにして上昇させ高く設定し、逆に開度を小さ目にとりたい場合は把持部56を左に回して、開度調整用ポジショナ50を下降させ低く設定し、決定した所でロックナット43を締める。なお、把持部56と長ネジ部55と雌ネジ孔42bとで維持開度設定手段を構成している。
【0029】
次に、開閉弁を閉じる場合について説明する。図示しない制御装置が操作されて、この制御装置は遠隔起動用電磁弁25に閉弁信号を送出する。遠隔起動用電磁弁25が閉じられると、一次側配管20の消火水は、シリンダ室52及び加圧室13への給水を停止する。すると、加圧室の圧力は排水外圧すなわち大気圧とほぼ等しくなるので、弁主体5の一次側圧力と二次側圧力との差圧力およびスプリングSの圧接力で弁主体5が押し下げられる。加圧室13内の消火水は脱気孔15を通って減圧室14に移動し、弁主体5は弁座6に着座し全閉される。
【0030】
また、弁主体5の閉弁により二次側配管30の二次圧が減圧するので、この二次圧が充水感応用パイロット弁33の設定値より低くなると充水感応用パイロット弁33が閉じられて、この充水感応用パイロット弁33も元の状態に戻る。
【0031】
上記のように、弁本体5を開度調整用ポジショナ21で適切な半開維持状態に設定でき、二次圧が所定圧以上になると、弁本体が全開となるので、ウオーターハンマ現象は防止でき、二次側への充水も遅れることも少なく達成できる。
【0032】
次にこの発明の参考例2を図3と図4により説明するが、参考例1と同一図面符号はその名称も機能も同一である。
【0033】
開閉弁本体100において参考例1の開閉弁本体1と異なるのは、参考例1が、開閉弁本体1のステム12の下端が制御ピストン11から下方に突出してかつ加工形成されており、また、ピストン室蓋体41に突出部42が形成されているのに対し、参考例2が、ステム112の下端が制御ピストン11から下方に大きく突出せず、かつ参考例1のステム首部12bなどのようには加工形成されてはいないことと、ピストン室蓋体141には突出部が形成されていないこと、すなわち開度調整用ポジショナ50が内臓されていない事である。
【0034】
参考例2では、半開維持手段としての開度調整用ポジショナ装置160が別体となっており、この開度調整用ポジショナ装置160の筐体140は、開閉弁本体100の天蓋44に取り付けられた支持体STに、筐体140に設けられた支持部141が固定されている。筐体140は有底円筒状で下底144に開けられたステム孔144aに、天蓋44から貫通突出するステム112がパッキン等の水密構造を介して貫入している。
【0035】
筐体140の中に円筒状に形成された円筒室145には開度調整用ポジショナ150の有底筒状の胴部151が嵌着されており、この胴部151の内部に形成されたシリンダ室152の下端のシリンダ開口部152aがステム112の上端112bを嵌挿できるように設けられている。開度調整用ポジショナ150の上底には上端に把持部156を形成した長ネジ部155を突設しており、この長ネジ部155は筐体140の上底143に形成した雌ネジ孔143aに螺入している。
【0036】
なお、上記のステム112、シリンダ室152、胴部151、円筒室145、長ネジ部155、雌ネジ孔143aは、図4に示すように全て同軸に位置している。また筐体140の外部の長ネジ部155にはロックナット146が螺装されている。
【0037】
胴部151の中央部にはその上下端の外径よりも若干小さく形成された小径部154があり、円筒室145に嵌着している時はこの円筒室145の壁面との間に胴部151の中央側面全周に空間部153を形成する。小径部154にはこの空間部153とシリンダ室152とを連通するシリンダ孔154aが設けられ、筐体140の側部142には空間部153と連通する連通孔h3が設けられている。また筐体140の下部壁面にはステム112の臨む円筒室145、すなわちステム室145aに連通する加圧孔h4が設けられている。
【0038】
さて、連通孔h3は第一の導圧管120を介して一次側配管20に接続されている。第一の導圧管120には連通孔h3に向かって一次側配管20から順に、起動弁130、オリフィス131が接続されている。加圧孔h4は第二の導圧管121を介して開閉弁本体100の加圧室13に接続されている。
【0039】
また、第二の導圧管121は途中で導圧分管122に分岐し、導圧分管122は再開弁手段としての充水感応用パイロット弁132を介して第一の導圧管120に接続されている。この充水感応用パイロット弁132の感圧部には感圧管123を介して二次側配管30が接続されている。なお、この充水感応用パイロット弁132は常時閉で、感圧部が設定された圧力を越えた時に開弁する。また、充水感応用パイロット弁132と感圧管123とは充水検知手段を構成する。
【0040】
一時停止の開度を変えたい場合は、開度調整用ポジショナ150のロックナット146を緩めて把持部156をスパナ等で回しシリンダ開口部152aの高さ位置を調整する。調整後ロックナット146を締めて固定する。なお把持部156と長ネジ部155と雌ネジ孔143aとで維持開度設定手段を構成している。また、支持体STとの取付高さを変えることでも維持開度を設定することができる。
【0041】
次に上記参考例2の作動を説明する。図3および図4は、起動弁130が開かれた直後の状態を示している。 図示しない火災感知器からの火災信号を受けた図示しない制御装置により開弁信号が送られ常時は閉の起動弁130が開かれると、一次側配管20の消火水は第一の導圧管120を通り起動弁130、オリフィス131、連通孔h3、空間部153、シリンダ孔154a、シリンダ室152、ステム室145a、加圧孔h4、第二の導圧管121と、順次通過して加圧室13に給水される。
【0042】
加圧室13に給水されると制御ピストン11が押し上げられ、制御ピストン11に接続されているステム112を介して連結された弁主体5が開き始めると一次側配管20内の消火水は連通口4を介して二次側配管30に流れ込む。
【0043】
消火水が更に加圧室13に給水され制御ピストン11が上昇するのに伴い、ステム上端112bが上昇しシリンダ開口部152aに位置すると、ステム上端112bがシリンダ開口部152aを封止し、ステム室145aに消火水がいかなくなり、加圧室13への流路が絶たれる。これによって、加圧室13の圧力がなくなるので弁主体5は閉止方向へ動き始める。すると、ステム上端112bがシリンダ開口部152aから離れて、シリンダ室152から加圧室13への給水が開始され、再び弁主体5は上昇し始めて開弁方向に動く。
【0044】
このようなことが繰り返されるため、弁主体5は開度調整用ポジショナ150のシリンダ開口部152aの高さ位置とステム上端112bとの関係によって、半開状態で開弁動作が一旦停止する。
【0045】
半開維持状態で二次側配管30に給水されると、次第に二次側配管30の水圧、すなわち二次圧が増して行き、この二次圧が予め設定しておいた充水感応用パイロット弁132の設定値、例えば2kg/cm2を越えると、二次圧が感圧管123を介してパイロット弁132に伝わるのでこのパイロット弁132が開弁する。すると一次側の消火水は第一の導圧管120を通り起動弁130、オリフィス131、導圧分管122、充水感応用パイロット弁132、第二の導圧管121を介して加圧室13に給水される。
【0046】
開弁動作がいったん停止していた弁主体5は更に開弁方向(上方)に動き始める。弁主体5の開弁により二次圧が設定圧2kg/cm2より下がる事はないので、充水感応用パイロット弁132は閉止されず給水を続けるため、開弁動作は全開までに至る。
【0047】
ところで、半開維持状態つまり一時停止の開度を変えたい場合は、開度調整用ポジショナ150のロックナット146を緩めて把持部156をスパナ等で回しシリンダ開口部152aの高さ位置を調整する。決定した所でロックナット146を締める。
【0048】
なおこの開度調整用ポジショナ150ではねじで高さ位置を変えるようにしているが、それに限らずいかなる機構を使ってもよい。また、ポジショナ150の高さを変えずに、支持体STとの高さ位置をスライド固定可能な構造にして、アジャストするようにしてもよい。
【0049】
その後、図示しない制御装置が操作されて閉弁信号が送られ起動弁130が閉じられると、一次側配管20からの導圧管120,121、導圧分管122、充圧感応用パイロット弁132を介した加圧室13への給水が停止され、加圧室13の圧力はなくなるので、一次圧などが弁主体5を閉弁方向に押して弁主体5は閉弁に至る。
【0050】
一方、弁主体5とともにステム112が下がり、ステム上端112bがシリンダ開口部152aから離れて、二つの導圧管120、121がシリンダ室152を介して連通状態になって、開度調整用ポジショナ装置160が復旧する。また、弁主体5の閉弁により二次側配管30の二次圧が減圧するので、この二次圧が充水感応用パイロット弁132の設定値より低くなると充水感応用パイロット弁132が閉じられて、この充水感応用パイロット弁132も元の状態に戻る。
【0051】
この参考例2は上記のように構成したので、開閉弁本体100が特製品である必要がなく、一般の弁を用いる事ができる。すなわち、弁の天蓋や隣接する壁などに支持体を介して開度調整用ポジショナ装置160を固定し、天蓋から突出するステム上端をそのまま、または径が合うようにアダプタを作りステム上端に挿入固定すればよい。このように、既存の開閉弁を取り替えることも、加工することもなくそのまま利用できる。
【0052】
また、参考例1のように維持開度設定手段を開閉弁下端にではなく開閉弁の上端に設けたので開度設定操作がかなり容易である。また、重量物の開閉弁を組み付ける際に下端を損傷しないように気遣う必要もなく、本体の高さも不要に高く配置することもないので組み付けが楽である。
【0053】
上記のように、弁本体5を開度調整用ポジショナ150で適切な半開維持状態に設定でき、二次圧が所定圧以上になると、弁本体が全開となるので、ウオーターハンマ現象は防止でき、二次側への充水も遅れることも少なく達成できる。
【0054】
次にこの発明の実施形態1を図5と図6により説明するが、参考例1および参考例2と同一図面符号はその名称も機能も同一である。 実施形態1では、ステム12の下端部12aや上端112bを弁体として扱うのではなく、ステム112に取り付けたインジケータ250の動きを捉えたロッド248を介して加圧室13への流れを制御したものである。
【0055】
開閉弁本体100の天蓋44から上方へ貫通突出するステム112には、上方に小径となるテーパ部251とこのテーパ部251の下に接続する円筒部252と任意の高さ位置でステム112に固定する止めネジ253等の固定手段とで構成するインジケータ250が取り付けられている。
【0056】
弁本体100のステム112に固定した弁主体5の全閉位置でインジケータ250のテーパ部251に近接し、弁主体5の半開停止開度位置でテーパ部251に当接するロッド頭部249を備えたロッド248が、水撃防止用パイロット弁240の、パッキンを介したロッド孔241cに摺動可能に装着されている。
【0057】
パイロット弁240は、ロッド248が臨むロッド室247と、パイロット弁体244およびスプリングS0を備えた弁室242とから構成され、これらのロッド室247と弁室242は連通口246により連通している。なお、パイロット弁240の本体241は天蓋44に支持体STを介して固定されている。
【0058】
弁室242では、パイロット弁体244が、スプリングS0により閉弁方向に連通口246の周囲に形成した弁座245に圧接されている。ロッド室247では、ロッド頭部249に対する他端であるロッド248の先端が、連通口246に臨み、かつ連通口246を常時閉状態を保つパイロット弁体244に近接または当接している。
【0059】
弁室242は一次圧孔h5により逃がし配管222に連通しており、ロッド室247は逃がし孔h6により第二逃がし配管223に連通している。この第二逃がし配管223には、二次側配管30に感圧管224を介して感圧部に連通する、再開弁手段としての充水感応用パイロット弁232が接続され、充水感応用パイロット弁232を介して大気開放されている。
【0060】
一次圧孔h5は逃がし配管222とこの逃がし配管222の分岐元である導圧管220とを介して一次側配管20に接続されている。この導圧管220は一次側配管から順に起動弁230、オリフィス231が接続されており、逃がし配管222が分岐する一方で、導圧管221が加圧室13に接続されている。
【0061】
なお、上記充水感応用パイロット弁232は、第二逃がし配管223ではなく、図5の点線で示すように逃がし配管222の方に接続してもよい。充水感応用パイロット弁232は常時開弁状態で、感圧部に設定圧以上の圧力が入ると閉弁する。水撃防止用パイロット弁240は常時閉弁状態であり、ロッド248がパイロット弁体244を弁室242側に押圧移動することにより開弁する。
【0062】
なお、インジケータ250と、ロッド248を含めた水撃防止用パイロット弁240とは、半開維持手段を構成する。また、止めネジ253により任意に高さを設定できるインジケータ250は維持開度設定手段として働く。
【0063】
次に上記実施形態1の作動を説明する。図5および図6は、起動弁230が開かれた直後の状態を示している。 図示しない火災感知器からの火災信号を受けた図示しない制御装置により開弁信号が送られ常時閉の起動弁230が開かれると、一次側配管20の消火水は導圧管220を通りオリフィス231を通過して加圧室13に給水される。
【0064】
すると前述の第2の参考例と同様な動作をして、弁主体5が開き始めると一次側配管20の消火水は二次側配管30に流れ込む。この時、弁主体5に連結されたステム112に固定されたインジケータ250も上昇するが、テーパ部251に近接しているロッド頭部249には、まだ接しない。
【0065】
弁主体5が更に上昇すると、インジケータ250が上昇し、テーパ部251にロッド頭部249が当接して、その後テーパ部251によりロッド頭部249を介してロッド248をロッド孔241c内に押し入れていく。すると、ロッド248の先端に当接しているパイロット弁体244は、ロッド248によりスプリングS0の圧接力と、一次側の圧力がパイロット弁体244を押す力とに抗して押されることにより移動して開弁する。
【0066】
これによって、弁室242とロッド室247とが連通口246を介して連通し、逃がし配管222から供給されていた導圧管220の一次圧は、一次圧孔h5、弁室242、連通口246、ロッド室247、逃がし孔h6、第二逃がし配管223を介し充水感応用パイロット弁232に至り、二次圧が設定圧以下なので開弁している充水感応用パイロット弁232を介して大気に逃がされる。
【0067】
よって、逃がし配管222の減圧によって逃がし配管222から分岐した導圧管221を介して加圧室13が減圧され、弁主体5は閉弁方向に動き始めるので、ステム112およびインジケータ250のテーパ部251が下降し始め、ロッドはスプリングS0等に押されて、ロッド頭部249はテーパ部251の斜面を摺動しながら押し戻される。すると、充水感応用パイロット弁232の弁体244が閉弁し始め、導圧管220からの一次圧は連通口246から逃がされなくなるので、加圧室13の圧力が導圧管220、221から一次圧を供給されて上昇し、弁主体5が開弁方向へと動き始める。
【0068】
以上のことが繰り返されるため、弁主体5はインジケータ250とロッド頭部249とが当接する位置に依存した形で、半開状態で開弁動作が一旦停止する。
【0069】
半開維持状態で二次側配管30に給水されると、次第に二次側配管30の水圧、すなわち二次圧が増して行き、この二次圧が予め設定しておいた充水感応用パイロット弁232の設定値、例えば2kg/cm2を越えると、二次圧が感圧管224を介して充水感応用パイロット弁232に伝わるのでこのパイロット弁232が閉弁する。なおこの充水感応用パイロット弁232と感圧管224とは充水検知手段を構成する。
【0070】
充水感応用パイロット弁232が閉弁することによって、導圧管220で加圧室13に供給されていた圧力は、逃がし配管222等を通して逃がされる事がなくなるので、一次側の圧力消火水は導圧管220を通り起動弁230、オリフィス231、導圧管221を通って加圧室13に給水される。
【0071】
すると、再び弁主体5は開弁方向(上方)に動き始める。弁主体5の開弁により二次圧が設定圧2kg/cm2より下がる事はないので、充水感応用パイロット弁132は閉止されず給水を続けるため、開弁動作は全開までに至る。
【0072】
消火が終了し、図示しない制御装置が操作されて閉弁信号が送られ起動弁230が閉じられると、一次側配管20からの加圧室13への給水が停止され、加圧室13の圧力はなくなり、一次圧などが弁主体5を閉弁方向に押すので弁主体5は閉弁に至る。
【0073】
一方、インジケータ250がステム112と共に下がり、ロッド248のインジケータ250による押し込みが解除され、ロッド248がスプリングS0により押し戻され、パイロット弁体244は閉弁する。また、弁主体5の閉弁により二次側配管30の二次圧が減圧し、この二次圧が充水感応用パイロット弁232の設定値より低くなって充水感応用パイロット弁232が開かれ元の状態に戻る。このようにして水撃防止用パイロット弁240は復旧される。
【0074】
この実施形態1は上記のように構成したので、開閉弁本体100が特製品である必要がなく、一般の弁を用いる事ができる。すなわち、弁の天蓋や隣接する構造体などに支持体を介して水撃防止用パイロット弁240を固定し、天蓋から突出するステムにインジケータ250を取り付けるとよい。このように、既存の開閉弁を取り替えることも、加工することもなくそのまま利用できる。
【0075】
なお、維持開度設定手段の他の例として、ステムにはインジケータではなく、傾斜を有する板をロッド頭部に対し適切に取りつけるようにしてもよい。また、ステムとロッドをリンクで連結してステムの上昇によってロッドが押し込まれるように構成してもよい。このときステム側のリンクの取り付け高さを調整できるようにしたり、リンクを伸縮設定可能にしたり、支持体STの位置を上下水平に位置設定可能にしてもよい。
【0076】
また、ステムがある位置まで上昇したときスイッチが押され、このスイッチが押されている間パイロット弁体244が開弁しスイッチが押されなくなったときパイロット弁体244が閉弁するような電磁弁構造を有する水撃防止用パイロット弁240としてもよい。このときスイッチの高さ位置を調整するようにすればよい。
【0077】
上記のように、弁本体5を、ステム112に取り付けたインジケータ250と水撃防止用パイロット弁240の取付け高さとで、適切な半開維持状態に設定でき、二次圧が所定圧以上になると、弁本体5が全開となるので、ウオーターハンマ現象は防止でき、二次側への充水も遅れることも少なく達成できる。
【0078】
次にこの発明の参考例3を図7と図8により説明するが、参考例1、2また実施形態1と同一図面符号はその名称も機能も同一である。
【0079】
参考例3は、実施形態1のようにインジケータ250の動きを捉えたロッド248を介して加圧室13への流れを制御したものであるが、加圧室13への供給圧力の圧抜き管路の開放制御をするのではなく、供給管路を閉止制御するものである。また、再開弁機構は、二次圧制御パイロット弁で圧抜き管路を遮断するのではなく、二次圧制御パイロット弁で供給管路を開放制御するものである。
【0080】
開閉弁本体100のステム112に固定した弁主体5の全閉位置でインジケータ250のテーパ部251に近接し、弁主体5の半開停止開度位置でテーパ部251に当接するロッド頭部361を備えた閉弁ロッド360が、パッキンを介して水撃防止用パイロット弁340のロッド孔341aに摺動可能に装着されている。なおこのロッド頭部361は水平な軸を介して閉弁ロッド360に容易に回転するローラーとして形成されている。
【0081】
この水撃防止用パイロット弁340の本体341は、設けられた支持部348が天蓋44に支持体STを介して固定されている。水撃防止用パイロット弁340は、弁室343と一次圧室342と排水室347と開弁ロッド加圧室346とが順に連なるように構成されている。
【0082】
弁室343の外壁には加圧室13と第二の導圧管321を介して接続される弁室孔h8が形成され、一次圧室342の外壁には一次側配管20に第一の導圧管320を介して連通するよう接続される連通孔h7が形成され、排水室347の外壁には大気に開口する逃がし孔341bが形成され、開弁ロッド加圧室346の外壁には二次側配管30と常時閉の充水感応用パイロット弁332を設けた感圧管322を介して連通するよう接続される感圧孔h9が形成されている。なお、第一の導圧管320には常時閉の起動弁330とオリフィス331とが接続されている。
【0083】
一次圧室342と弁室343とを仕切る隔壁345には両室342、343を連通させる連通口345aが設けられており、この連通口345aの周囲の弁室側に形成された円筒部345bの端縁が、水撃防止用パイロット弁340の弁体353を着座させる弁座345cとして形成されている。
【0084】
弁室343には、弁体353と、一端がこの弁体353の着座面側に装着圧接し他端が円筒部345bを遊嵌するとともに隔壁345に圧接するスプリングS2と、一端が弁体353の着座面の反対面に嵌着圧接し、他端が弁室343に臨む閉弁ロッド360の先端に設けられた座板362に圧接するスプリングS3と、が備えられている。通常時、すなわち開閉弁本体100が閉じている時は、弁体353はスプリングS2、S3に支持されて着座しておらず、常時は開の状態を保っている。
【0085】
一次圧室342には、排水室347との間に仕切られた隔壁344に形成された貫通孔344aにパッキンを介して貫通し先端が連通口345aに及ぶ開弁ロッド351が臨んでいる。この開弁ロッド351は、後端に、排水室347と開弁ロッド加圧室346とを仕切る開弁ピストン352が連結している。この開弁ピストン352には排水室347と開弁ロッド加圧室346とを連通し逃がし孔341bよりも小さな孔352aが形成されている。
【0086】
排水室347には、開弁ロッド加圧室346が無圧の時つまり通常時に、開弁ロッド351の先端が弁座345cよりも弁体353側に突出しないよう付勢または当接するスプリングS1を、隔壁344と開弁ピストン352の間に装着している。
【0087】
なお、感圧管322と充水感応用パイロット弁332とは充水検知手段を構成する。インジケータ250と、ロッド360を含めた水撃防止用パイロット弁340とは、半開維持手段を構成する。また、充水感応用パイロット弁332は再開弁手段として働く。また、止めネジ253により任意に高さを設定できるインジケータ250は維持開度設定手段として働く。
【0088】
次に上記参考例3の作動を説明する。図7および図8は、起動弁330が開かれた直後の状態を示している。 図示しない火災感知器からの火災信号を受けた図示しない制御装置により開弁信号が送られ常時は閉の起動弁330が開かれると、一次側配管20の消火水は第一の導圧管320を通り起動弁330、オリフィス331、連通孔h7、一次圧室342、連通口345a、弁室343、弁室孔h8、第二の導圧管321、を順に通り、加圧室13に給水される。
【0089】
すると上記参考例2と同様な動作をして、弁主体5が開き始めると一次側配管20の消火水は二次側配管30に流れ込む。この時、弁主体5に連結されたステム112に固定されたインジケータ250も上昇するが、テーパ部251に近接しているロッド頭部361には、まだ接しない。
【0090】
消火水が更に加圧室13に給水され、制御ピストン11が更に上昇すると、インジケータ250が上昇し、テーパ部251にロッド頭部361が当接して、その後テーパ部251によりロッド頭部361を介して停止ロッド360をロッド孔341aに押し入れていく。すると、停止ロッド360の先端に設けられた座板362を押圧してスプリングS3、S2を圧縮させる。インジケータ250が上昇してロッド頭部361が円筒部252に至る前に、弁体353が弁座345cに着座し、導圧管320,321の加圧室13への給水は断たれる。
【0091】
すると、インジケータ250が下降して、停止ロッド360がスプリングS3、S2の圧接力により押し戻され、弁体353が開弁し、導圧管320,321より加圧室13へ給水され、再びインジケータ250が上昇する。
【0092】
このようなことが繰り返されるため、弁主体5はロッド頭部361が押圧されて弁体353が閉弁するインジケータ250の位置に調整することで、半開状態で開弁動作が一旦停止する。
【0093】
半開維持状態で更に二次側配管30に給水されると、次第に二次側配管30の圧力、すなわち二次圧が増して行き、この二次圧が予め設定しておいた充水感応用パイロット弁332の設定値、例えば2kg/cm2を越えると、二次圧が感圧管322を介して充水感応用パイロット弁332に伝わるのでこのパイロット弁332が開弁する。
【0094】
すると、感圧管322を通って二次側の消火水が開弁ロッド加圧室346に充水し、開弁ピストン352をスプリングS1や摩擦力に抗して押圧し弁体353側に移動させる。これに伴い開弁ロッド351の先端が着座している弁体353の中央部を突き押し、更にスプリングS3の圧接力にも抗して弁体353を強制的に押し開き開弁に至らせる。なお、感圧管322からの給水流量は、孔352aを通り排水室347から逃がし孔341bへ排水される流量よりも大きい。
【0095】
弁体353が開弁すると、一次側の圧力消火水は導圧管320、321を通り加圧室13に給水され、再び弁主体5は開弁方向(上方)に動き始める。弁主体5の開弁により二次圧が設定圧2kg/cm2より下がる事はないので、充水感応用パイロット弁332は閉止されず給水を続けるため、弁主体5の開弁動作は全開までに至る。
【0096】
その後、図示しない制御装置が操作されて閉弁信号が送られ起動弁330が閉じられると、一次側配管20からの導圧管320、321、水撃防止用パイロット弁340を介する加圧室13への給水が停止され、加圧室13の圧力はなくなるので、一次圧などが弁主体5を閉弁方向に押すため弁主体5は閉弁状態に戻る。 一方インジケータ250がステム112と共に下がるので、ロッド360のインジケータ250による押し込みが解除され、ロッド360がスプリングS2,S3により押し戻され、水撃防止用パイロット弁340の弁体353が常時開弁状態となる。また弁主体5の閉弁により二次側配管30の二次圧が減圧し、充水感応用パイロット弁332の設定値より低くなって充水感応用パイロット弁332が閉じられると、開弁ロッド加圧室346は孔352aと逃がし孔341bを通して大気圧となるので、開弁ロッド351はスプリングS1により弁体353から離れる方向に押し戻され、水撃防止用パイロット弁340は復旧する。
【0097】
この参考例は上記のように構成したので、開閉弁本体100が特製品である必要がなく、既存の開閉弁を取り替えることも、加工することもなくそのまま利用できる。
【0098】
上記のように、弁本体5を、ステム112に取り付けたインジケータ250と水撃防止用パイロット弁340の取付け高さとで、適切な半開維持状態に設定でき、二次圧が所定圧以上になると、弁本体5が全開となるので、ウオーターハンマ現象は防止でき、二次側への充水も遅れることも少なく達成できる。
【0099】
次にこの発明の参考例4を図9と図10により説明するが、参考例3と同一図面符号はその名称も機能も同一である。本参考例4は、参考例3で、外付けされた充水感応用パイロット弁の機能を水撃防止用パイロット弁に内臓させたものである。
【0100】
水撃防止用パイロット弁440は、弁室343と一次圧室342と排水室347と開弁ロッド加圧室346と二次側受圧室448と調圧室449とが順次連なるように構成されている。弁室343と一次圧室342と排水室347は参考例3と同構成で、外部とも同じ連通状態を形成している。二次側受圧室448の外壁には二次側配管30と感圧管322を介して接続される二次圧孔h10が形成されている。
【0101】
水撃防止用パイロット弁440は、参考例3で記載した構成に加えて、開弁ロッド加圧室346と二次側受圧室448とを仕切るとともに弁孔447aが形成されている隔壁447と、受圧室448と調圧室449とを仕切る弁ピストン456を後端に備え、先端を円錐に形成し弁孔447aに圧接せしめて開弁ロッド加圧室346と二次側受圧室448との連通を遮断する棒状の弁体457と、調圧室449にあって一端を弁ピストン456の後端側に圧接し他端を受け座454に装着したスプリングS4と、先端をこの受け座454の背面中心凹部に摺動圧接し筐体441のネジ孔441aに螺入した調整ボルト453とで構成されている。調整ボルト453には外側にロックナット455が螺装されている。また、調圧室449の外壁には大気に連通する気抜き孔441bが形成されている。
【0102】
なお、感圧管422と、水撃防止用パイロット弁440の二次側受圧室448と調圧室449およびこの二室448,449に含まれる構成は隔壁447を含めて、充水検知手段を構成する。インジケータ250と、ロッド360を含めた水撃防止用パイロット弁440とは、半開維持手段を構成する。また、同時に水撃防止用パイロット弁440は再開弁手段としても働く。また、任意に高さを設定できるインジケータ250は維持開度設定手段として働く。
【0103】
次に上記参考例4の作動を説明する。図9および図10は、起動弁330が開かれた直後の状態を示している。
【0104】
図示しない火災感知器からの火災信号を受けた図示しない制御装置により開弁信号が送られ常時は閉である起動弁330が開かれると、一次側配管20の消火水は第一の導圧管320を通り起動弁330、オリフィス331、連通孔h7、一次圧室342、連通口345a、弁室343、弁室孔h8、第二の導圧管321を順に通り、加圧室13に給水される。
【0105】
すると上記参考例3と同様な動作をして、弁主体5が開き始めると一次側配管20の消火水は二次側配管30に流れ込む。この時、弁主体5に連結されたステム112に固定されたインジケータ250も上昇して、テーパ部251によりロッド頭部361を介して停止ロッド360を押し入れ、座板362を押圧して、弁体353が弁座345cに着座し、導圧管321から加圧室13への給水は断たれる。
【0106】
すると、インジケータ250が下降して、停止ロッド360がスプリングS3、S2の圧接力により押し戻され、弁体353が開弁する。導圧管321より加圧室13へ再び給水され、インジケータ250が上昇する。
【0107】
このようなことが繰り返されるため、弁主体5は、ロッド頭部361が押圧されて弁体353が閉弁するインジケータ250の位置を設定することで、半開状態で開弁動作が一旦停止する。
【0108】
半開維持状態で二次側配管30に給水されると、次第に二次側配管30の圧力、すなわち二次圧が増して行き、この二次圧が感圧管422を介して二次側受圧室448に伝わり、この二次圧が予め設定しておいた調圧室449の設定値、例えば2kg/cm2を越えると、スプリングS4の圧接力と摩擦に抗して弁ピストン456を調圧室449側に動かすので、弁体457の先端が弁孔447aから退いて開弁する。なお、上記調圧室449の設定値を変えたい場合には調整ボルト453を操作する。
【0109】
弁孔447aからの給水流量が、孔352aを通り開弁ロッド加圧室346から排水される流量よりも大きくなったとき、二次側の消火水が開弁ロッド加圧室346に充水し、開弁ピストン352を移動させ開弁ロッド351の先端が弁体353を強制的に押し開き、水撃防止用パイロット弁440を開弁に至らせる。すると、再び弁主体5は開弁方向(上方)に動き始め、その開弁動作は全開までに至る。
【0110】
その後、図示しない制御装置が操作されて閉弁信号が送られ起動弁330が閉じられると、一次側配管20からの導圧管320、321、水撃防止用パイロット弁440を介する加圧室13への給水が停止され、加圧室13の圧力はなくなるので、一次圧などが弁主体5を閉弁方向に押すため弁主体5は閉弁状態に戻る。
【0111】
一方インジケータ250がステム112と共に下がるので、ロッド360のインジケータ250による押し込みが解除され、ロッド360がスプリングS2,S3により押し戻され、水撃防止用パイロット弁440の弁体353が常時開弁状態となる。また弁主体5の閉弁により、二次側配管30の二次圧が減圧し調圧室449の設定値より低くなると、二次側受圧室448が減圧するのでスプリングS4の押圧力により弁体457の先端が弁孔447aを閉止する。
【0112】
すると、開弁ロッド加圧室346内には給水がなくなるので、開弁ロッド351はスプリングS1により弁体353から離れる方向に押し戻され、水撃防止用パイロット弁440は復旧する。
【0113】
この参考例は上記のように構成したので、開閉弁本体100が特製品である必要がなく、既存の開閉弁を加工することもなくそのまま利用できる。また、インジケータ250と水撃防止用パイロット弁440とは、半開維持手段および再開弁手段として働くので、部品数が少なく組み付けが楽である。
【0114】
上記のように、弁本体5を、ステム112に取り付けたインジケータ250と水撃防止用パイロット弁440の取付け高さとで、適切な半開維持状態に設定でき、二次圧が所定圧以上になると、弁本体5が全開となるので、ウオーターハンマ現象は防止でき、二次側への充水も遅れることも少なく達成できる。
【0115】
次にこの発明の参考例5を図11と図6により説明するが、実施形態1と同一図面符号はその名称も機能も同一である。参考例5が実施形態1と異なる点は、導圧管と感圧管及び水撃防止用パイロット弁240に接続する管路系である。
【0116】
導圧管520は一次側配管20から加圧室13に接続されているが、導圧管520の途中には、常時閉の起動弁530、オリフィス531が接続され、オリフィス531に並列に導圧分管521を介した充水感応用パイロット弁533が接続されている。常時閉の充水感応用パイロット弁533の感圧部は感圧管525を介して二次側配管30と接続されている。
【0117】
水撃防止用パイロット弁240の一次圧孔h5には配管523により加圧室13に接続され、逃がし孔h6には逃がし配管524が接続され大気開放されている。感圧管525と充水感応用パイロット弁533は充水検知手段を構成する。インジケータ250と水撃防止用パイロット弁240は半開維持手段を、導圧分管521と充水感応用パイロット弁533とは再開弁手段を、インジケータ250は維持開度設定手段をそれぞれ構成する。
【0118】
次に上記参考例5の作動を説明する。図11は起動弁530が開かれた直後の状態を示している。図示しない火災感知器からの火災信号を受けた図示しない制御装置により開弁信号が送られ常時は閉の起動弁530が開かれると、一次側配管20の消火水は導圧管520およびオリフィス531を通り加圧室13に至る。
【0119】
すると実施形態1と同様な動作をして、弁主体5(図5参照)が開き始めると一次側配管20の消火水は二次側配管30に流れ込み、ステム112に固定されたインジケータ250が上昇して、ロッド248を介して水撃防止用パイロット弁240が強制開弁され一次圧孔h5と逃がし孔h6は連通する。すると、加圧室13の圧力消火水は、配管523、一次圧孔h5、水撃防止用パイロット弁240、逃がし孔h6、逃がし配管524を介して排水される。
【0120】
この排水流量と脱気孔15からの排水流量の和は導圧管520からの給水流量よりも大きく設定すると、その後の作動は順に、加圧室13減圧、制御ピストン11下降、インジケータ250下降、ロッド248押し戻される、水撃防止用パイロット弁240閉弁、加圧室13の配管523からの排水停止、導圧管からの給水による加圧室13の加圧、制御ピストン11上昇、インジケータ上昇…と繰り返され、逃がし配管524、脱気孔15からの排水流量と導圧管520からの給水流量が釣り合ったところでインジケータ250は留まり、従って、弁主体5は、半開状態で開弁動作が一旦停止する。
【0121】
そのあと半開維持状態で二次側配管30に給水されて、この二次側配管圧が設定値を越えると感圧管525を介して充水感応用パイロット弁533が開弁し、導圧管520から加圧室13への給水流量は、オリフィス531からの給水流量に加えて、オリフィス531に並列配置されている充水感応用パイロット弁533からの給水流量が加わるので、水撃防止用パイロット弁240を通した排水流量と脱気孔15からの排水流量の和よりも大きくなり、制御ピストン11は再び全開方向に動き始める。加圧室13へのこの合計供給流量が、最大合計排水流量よりも大きくとれば、その開弁動作は全開までに至る。
【0122】
この参考例は上記のように構成したので、開閉弁本体100が特製品である必要がなく、既存の開閉弁を取り替えることも、加工することもなくそのまま利用できる。
【0123】
弁主体5を閉めたい場合は図示しない制御装置を操作する。すると閉弁信号が送られ起動弁530が閉じられ、一次側配管20からの加圧室13への給水が停止され、加圧室13の圧力はなくなり、一次圧などが弁主体5を閉弁方向に押すので弁主体5は閉弁に至る。するとインジケータ250がステム112と共に下がり、ロッド248のインジケータ250による押し込みが解除され、ロッド248がスプリングS0により押し戻され、水撃防止用パイロット弁240が元の閉弁状態に戻る。
【0124】
また、弁主体5の閉弁により二次側配管30の二次圧が減圧し、この二次圧が充水感応用パイロット弁533の設定値より低くなると、充水感応用パイロット弁533が閉じられ元の状態に戻る。
【0125】
この参考例は上記のように構成したので、開閉弁本体100が特製品である必要がなく、既存の開閉弁を取り替えることも、加工することもなくそのまま利用できる。 また、上記のように、弁本体5を、ステムに取り付けたインジケータ250と水撃防止用パイロット弁240の取付け高さとで、適切な半開維持状態に設定でき、二次圧が所定圧以上になると、弁本体5が全開となるので、ウオーターハンマ現象は防止でき、二次側への充水も遅れることも少なく達成できる。
【0126】
次にこの発明の参考例6を図12により説明するが、参考例5と同一図面符号はその名称も機能も同一である。参考例6が参考例5と共通する点は、開閉弁本体100と一次側配管20と二次側配管30だけである。
【0127】
まず、導圧管540が一次側配管20から常時閉の起動弁550、オリフィス551を介して加圧室13に接続され、加圧室13には排水管542が接続されて、加圧室13の消火水が常時閉の開度維持電磁弁552を介して外部に排出できるようにしている。
【0128】
起動弁550とオリフィス551との間の導圧管540に、加圧室13と排水管542を接続する導圧分管541の途中に、充水感応用パイロット弁553が接続されている。この導圧分管541と排水管542との接続部はy字管555が用いられ、開度維持電磁弁552側の排水管542と導圧分管541との間のなす角は鋭角、たとえば20度をなしている。y字管555の排水管542の下流には開度維持電磁弁552を介して逆止弁554を取り付けている。
【0129】
開閉弁本体100の上面から突出しているステム112の上端112bの軌道内に、常時オフの跳ね返りスイッチSW1のレバー先端SL1があり、上端112bの上昇によってレバー先端SL1が回動する。SW1は、開閉弁本体100に取り付けられた高さ位置調整可能にスライド固定できる支持体SL1に搭載されている。上端112bの上昇通過によりレバー先端SL1は回動しステム112とは摺動状態でオンとなり、上端112bの下降離間によりレバー先端SL1は跳ね戻りオフとなる。このスイッチSW1の信号線L1は開度維持電磁弁552につながれている。
【0130】
支持体SL1は、開閉弁本体100等に固定する取付部と上方に延びる下部スライド部からなる下部品と、スイッチSW1を取り付ける搭載部と下方に延びる長穴付きの上部スライド部からなる上部品との二つの部品からなり、それぞれのスライドを抱き合わせ長穴に挿通したネジで互いに固定して高さ調整するようにしたものである。
【0131】
充水感応用パイロット弁553は常時閉で、その感圧部と二次側配管30とは感圧管545で接続されている。感圧管545と充水感応用パイロット弁553とは充水検知手段を、SW1と信号線L1と開度維持電磁弁552とは半開維持手段を、導圧分管541と充水感応用パイロット弁553とy字管555とは再開弁手段を、支持体ST1は維持開度設定手段を、それぞれ構成している。
【0132】
次に上記参考例6の作動を説明する。図12は起動弁550が開かれた直後の状態を示している。図示しない火災感知器からの火災信号を受けた図示しない制御装置により開弁信号が送られ常時は閉の起動弁550が開かれると、一次側配管20の消火水は導圧管540、起動弁550、およびオリフィス551を通り加圧室13に給水される。
【0133】
すると参考例5と同様な動作をして、弁主体5が開き始めると一次側配管20の消火水は二次側配管30に流れ込み、ステム112が上昇してステム上端112bがスイッチSW1のレバー先端SL1をオン側に倒す。すると、開度維持電磁弁552が開かれ加圧室13の消火水が排水管542を通して排水されるが、給水流量よりも大きな流量で排水されるので、ステム112は下降し始めてステム上端112bがスイッチSW1のレバー先端SL1から離れてオフとなり開度維持電磁弁552が閉となる。すると、また給水流量の方が大きいので、ステム112は上昇し出す。
【0134】
このようなことが繰り返され、レバー先端SL1の回動範囲でステム112が上下動を繰り返し、それに伴って、開閉弁本体100は、上下動しながら半開状態を維持する。
【0135】
このとき、開度維持電磁弁552を通した排水流量と脱気孔15からの排水流量の和は、導圧管540からの給水流量とは、平均的にならすと等しくなる。
【0136】
そのあと半開維持状態で二次側配管30に給水されて、この二次側配管圧が設定値を越えると感圧管525を介して充水感応用パイロット弁553を開弁させる。すると、導圧管540から加圧室13への給水流量は、オリフィス551からの給水流量に充水感応用パイロット弁533からの給水流量が加わるので、開度維持電磁弁552を通した排水流量と脱気孔15からの排水流量の和よりも大きくなり、制御ピストン11は再び全開方向に動き始める。
【0137】
ところで、充水感応用パイロット弁533を通った給水は、排水している排水管542にy字管555を介して逆流するように合流しているため、排水管542を通る排水は充水感応用パイロット弁533を通る給水力によってかなり制限されるか、全く排水しないことになるので、全開までの時間は短い。また排水管542に逆止弁554が取り付けられているので、導圧管540からの加圧室13への給水力が強くても、排水管542の出口で吸引されて加圧室13側に空気が取り込まれることはない。
【0138】
加圧室13への合計供給流量が、最大合計排水流量よりも大きくとれば、その開弁動作は全開までに至る。
【0139】
弁主体5を閉めたい場合は図示しない制御装置を操作する。すると閉弁信号が送られ起動弁550が閉じられ、一次側配管20からの加圧室13への給水が停止され、加圧室13の圧力はなくなり弁主体5は閉弁に至る。
【0140】
一方、弁主体5とともにステム112が下がり、ステム上端112bが跳ね返りスイッチSW1のレバー先端SL1から離れてオフとなり、開度維持電磁弁552を閉に戻す。
【0141】
また、弁主体5の閉弁により二次側配管30の二次圧が減圧し、この二次圧が充水感応用パイロット弁553の設定値より低くなると、充水感応用パイロット弁553が閉じられ元の状態に戻る。
【0142】
この参考例は上記のように構成したので、開閉弁本体100が特製品である必要がなく、既存の開閉弁を取り替えることも、加工することもなくそのまま利用できる。 また、上記のように、弁本体5を、ステム上端12bと跳ね返りスイッチSW1の取付け高さとで、適切な半開維持状態に設定でき、二次圧が所定圧以上になると、弁本体5が全開となるので、ウオーターハンマ現象は防止でき、二次側への充水も遅れることも少なく達成できる。
【0143】
次にこの発明の参考例7を図13と図4により説明するが、参考例2と同一図面符号はその名称も機能も同一である。参考例7が参考例2と異なる点は、導圧分管122が無いこと、加圧室112に排水管を設けたこと、この排水管に充水感応用パイロット弁及びオリフィスを配置したことである。そして更に、開度調整用ポジショナ660においてステム上端112bがシリンダ開口部152aに隙間を設けた点である。
【0144】
まず、起動弁630を設けた第一の導圧管620が一次側配管20と開度調整用ポジショナ装置660の連通孔h3とに接続され、オリフィス632を設けた第二の導圧管621が開度調整用ポジショナ装置660の加圧孔h4と加圧室13とに接続されている。加圧室13はオリフィス633と常時開の充水感応用パイロット弁631とを設けた排水管622に接続され、大気に開放されている。
【0145】
充水感応用パイロット弁631の感圧部と二次側配管30とは感圧管623で接続されている。開度調整用ポジショナ装置660の胴部の内部に形成されたシリンダ室652の下端のシリンダ開口部652aの口径がステム112の上端112bの径よりも少し大きく形成し、シリンダ開口部652aに上端112bが挿入できるように設けられている。
【0146】
感圧管623と充水感応用パイロット弁631とは充水検知手段を、開度調整用ポジショナ装置660は半開維持手段を、充水感応用パイロット弁631が再開弁手段を、それぞれ構成している。
【0147】
次に上記参考例7の作動を説明する。図13は起動弁630が開かれた直後の状態を示している。図示しない火災感知器からの火災信号を受けた図示しない制御装置により開弁信号が送られ常時は閉の起動弁630が開かれると、一次側配管20の消火水は第一の導圧管620を通り、起動弁630、連通孔h3、空間部153、シリンダ孔154a、シリンダ室652、ステム室145a、加圧孔h4、第二の導圧管621、オリフィス632と、順次通過して加圧室13に給水される。
【0148】
この第二の導圧管621からの給水流量は、脱気孔15からの排水流量と排水管622からの排水流量の合計よりも大きく設定されているので、制御ピストン11が押し上げられ、制御ピストン11とステム112を介して連結された弁主体5(図3参照)が開き始めると一次側配管20内の消火水は二次側配管30に流れ込む。
【0149】
弁主体5が更に上昇するのに伴い、ステム上端112bが上昇しシリンダ開口部152aに位置するようになると、ステム上端112bがシリンダ開口部152aに隙間を形成しつつ挿入されるようになり、加圧室13への流路が絞られる。
【0150】
この時の第二の導圧管621からの給水流量は、脱気孔15からの排水流量と排水管622からの排水流量の合計よりも小さく設定されているので、制御ピストン11が下降して弁主体5は閉止方向へ動き始める。すると、ステム上端112bがシリンダ開口部152aから離れて、シリンダ室152から加圧室13への給水流量が回復して増加する。するとまた上昇し始めて開弁方向に動く。
【0151】
このようなことが繰り返されるため、弁主体5は開度調整用ポジショナ装置660のシリンダ開口部652aの高さ位置に依存した形で、半開状態で開弁動作が一旦停止する。
【0152】
半開維持状態で二次側配管30に給水されると、次第に二次側配管30の圧力、すなわち二次圧が増して行き、この二次圧が予め設定しておいた充水感応用パイロット弁631の設定値を越えると、二次圧を感圧管123で伝えるのでこのパイロット弁631が閉弁する。すると、ステム112bのシリンダ開口部652aへの挿入で絞られた場合でも第二の導圧管621から供給される最小給水流量の方が、脱気孔15からの排水流量よりも大きく設定しておいて、再び弁主体5を開弁方向(上方)に動き始めるようにする。その後は前述と同様な作動をして全開までに至る。
【0153】
弁主体5を閉めたい場合は図示しない制御装置を操作する。すると閉弁信号が送られ起動弁630が閉じられ、一次側配管20からの加圧室13への給水が停止され、加圧室13の圧力はなくなり弁主体5は閉弁に至る。
【0154】
一方、弁主体5とともにステム112が下がり、ステム上端112bがシリンダ開口部652aから離れて、二つの導圧管620、621がシリンダ室652を介して連通状態になって、開度調整用ポジショナ装置660が復旧する。また、弁主体5の閉弁により二次側配管30の二次圧が減圧するので、この二次圧が充水感応用パイロット弁631の設定値より低くなると充水感応用パイロット弁631が開かれて、この充水感応用パイロット弁631も元の状態に戻る。
【0155】
なお、上記参考例7は隙間のある開度調整用ポジショナ装置660を用いたが、その代わりに隙間のない開度調整用ポジショナ装置160(図4参照)を用い、かつ、オリフィス632を、第二の導圧管621から外し、その代わりに起動弁630の二次側の第一の導圧管620と第二の導圧管621との間を接続する管に設ける、すなわち開度調整用ポジショナ装置160と並列に配するようにしてもよい。
【0156】
この参考例は上記のように構成したので、開閉弁本体100が特製品である必要がなく、既存の開閉弁を取り替えることも、加工することもなくそのまま利用できる。 また、上記のように、弁本体5を開度調整用ポジショナ装置160、660で適切な半開維持状態に設定でき、二次圧が所定圧以上になると、弁本体5が全開となるので、ウオーターハンマ現象は防止でき、二次側への充水も遅れることも少なく達成できる。
【0157】
次にこの発明の参考例8を図14により説明するが、参考例7と同一図面符号はその名称も機能も同一である。参考例8が参考例7と異なる点は、半開維持手段が開度調整用ポジショナ装置660ではなくてスイッチSW2と電磁弁651及びオリフィス655に代わったことと、再開弁手段が充水感応用パイロット弁631ではなくて圧力スイッチPSと電磁弁653に代わったことである。
【0158】
まず、常時閉の起動弁650と常時開の開度維持電磁弁651とを設けた導圧管640が一次側配管20と加圧室13とに接続され、オリフィス655を設けた導圧分管641が開度維持電磁弁651と並列に導圧管640に接続されている。開閉弁本体100の上面から突出しているステム112の上端112bの軌道内に常時オフの跳ね返りスイッチSW2のレバー先端SL2があり、上端112bの上昇によってレバー先端SL2が回動する。SW2は、開閉弁本体100に取り付けられた高さ位置調整可能にスライド固定できる支持体SL2に搭載されている。
【0159】
上端112bの上昇通過によりレバー先端SL2は回動しステム112とは摺動状態でオンとなり、上端112bの下降離間によりレバー先端SL2は跳ね戻りオフとなる。このスイッチSW2の信号線L2は常時開の開度維持電磁弁651につながれている。開度維持電磁弁651はスイッチSW2がオンの時は閉弁し、オフの時は開弁する。
【0160】
支持体SL2は、開閉弁本体100等に固定する取付部とネジ孔を形成した太パイプを取付部の上方に設けた下部品と、スイッチSW1を取り付ける搭載部とその下方に設けた細パイプからなる上部品との、二つの部品からなり、太パイプに細パイプを挿入しネジ孔に止めネジを螺入して、任意の高さで固定するようにしたものである。
【0161】
加圧室13はオリフィス654と常時開の再開弁電磁弁653を直列に設けた排水管642に接続されて大気に開放されている。この再開弁電磁弁653は、二次側に取り付けられた圧力スイッチPSとが信号線L3でつながれている。
【0162】
なお、この圧力スイッチPSとこの信号線L3とは充水検知手段を、SW2と信号線L2と開度維持電磁弁651とは半開維持手段を、再開弁電磁弁653は再開弁手段を、支持体ST2は維持開度設定手段をそれぞれ構成している。
【0163】
次に上記参考例8の作動を説明する。図14は起動弁650が開かれた直後の状態を示している。 図示しない火災感知器からの火災信号を受けた図示しない制御装置により開弁信号が送られ常時は閉の起動弁650が開かれると、一次側配管20の消火水は導圧管640を通り、起動弁650、開度維持電磁弁651およびオリフィス655を通過して加圧室13に入る。
【0164】
この導圧管640からの給水流量は、脱気孔15からの排水流量と排水管642からの排水流量の合計よりも大きく設定するので、制御ピストン11が押し上げられ、制御ピストン11とステム112を介して連結された弁主体5(図3参照)が開き始めると一次側配管20内の消火水は二次側配管30に流れ込む。
【0165】
すると実施形態1と同様な動作をして、弁主体5が開き始めると一次側配管20の消火水は二次側配管30に流れ込み、ステム112が上昇してステム上端112bがスイッチSW2のレバー先端SL2をオン側に倒す。すると、開度維持電磁弁651が閉じられ加圧室13への給水はオリフィス655からだけとなる。このとき加圧室13からの消火水は排水管642と脱気孔15を通して給水流量よりも大きな流量で排水されるので、ステム112は下降しだしてステム上端112bがスイッチSW2のレバー先端SL2から離れてオフとなる。すると、開度維持電磁弁651が開き、また給水流量の方が大きくなるので、ステム112は上昇し出す。
【0166】
このようなことが繰り返されレバー先端SL2の回動範囲でステム112が上下動を繰り返し、それに伴って、開閉弁本体100は、上下動しながら半開状態を維持する。
【0167】
このとき、開度維持電磁弁651とオリフィス655を合流した給水流量と、脱気孔15からと排水管642からとの合計の排水流量は、平均的にならすと等しくなる。
【0168】
そのあと半開維持状態で二次側配管30に給水されて、この二次側配管圧が圧力スイッチPSの設定値を越えると信号線L3を介して、今まで排水していた再開弁電磁弁653を閉弁させる。すると、導圧管640から加圧室13からの排水流量は脱気孔15からだけとなり、オリフィス655の給水流量と開度維持電磁弁651の給水流量により排水流量にうち勝って、制御ピストン11は再び全開方向に動き始める。
【0169】
弁主体5が更に上昇するのに伴い、ステム上端112bが上昇しスイッチSW2をオンさせるので、開度維持電磁弁651が閉じられ、加圧室13への流路はオリフィス655だけに絞られる。この時の加圧室13への給水流量は、脱気孔15からの排水流量よりも大きく設定するので、制御ピストン11は上昇を続け主体5は開弁方向へ動く。その後は前述と同様な作動をして全開までに至る。
【0170】
弁主体5を閉めたい場合は図示しない制御装置を操作する。すると閉弁信号が送られ起動弁650が閉じられ、一次側配管20からの加圧室13への給水が停止され、加圧室13の圧力はなくなり弁主体5は閉弁に至る。
【0171】
一方、弁主体5とともにステム112が下がり、ステム上端112bが跳ね返りスイッチSW2のレバー先端SL2から離れてオフとなり、開度維持電磁弁651を開に戻す。また、弁主体5の閉弁により二次側配管30の二次圧が減圧し、この二次圧が圧力スイッチPSの設定値より低くなると再開弁電磁弁653が開き元の状態に戻る。
【0172】
この参考例は上記のように構成したので、開閉弁本体100が特製品である必要がなく、既存の開閉弁を取り替えることも、加工することもなくそのまま利用できる。 また、上記のように、弁本体5を、跳ね返りスイッチSW2のステム上端112bに対する取付け高さで、適切な半開維持状態に設定でき、二次圧が所定圧以上になると、弁本体5が全開となるので、ウオーターハンマ現象は防止でき、二次側への充水も遅れることも少なく達成できる。
【0173】
ところで上記までの参考例または実施形態は全て、加圧することにより開くタイプの弁、所謂加圧開の弁であった。しかしこの発明は、減圧することにより開く減圧開のタイプの弁にも適応される。
【0174】
参考例9を図15および図4を用いて説明するが、参考例2と同一図面符号はその名称も機能も同一である。
【0175】
まず、導圧管720が一次側配管20と加圧室13とに接続され、減圧室14には、下流に向かって常時閉の起動弁730と常時閉の充水感応用パイロット弁731とが順に接続されて先端が大気に開放する排水管721が接続されている。この排水管721には起動弁730と充水感応用パイロット弁731との間から逃がし配管722が分岐しており、その配管722の他端は常時開の開度調整用ポジショナ装置160の加圧孔h4に接続されている。
【0176】
この開度調整用ポジショナ装置160の連通孔h3からはオリフィス732を設け大気に開放する第二逃がし配管723が接続されている。また常時閉の充水感応用パイロット弁731の感圧部には二次側配管30と感圧管724を介して接続されている。
【0177】
なお、感圧管724と充水感応用パイロット弁731は充水検知手段を、開度調整用ポジショナ装置160は半開維持手段を、充水感応用パイロット弁731は再開弁手段を、それぞれ構成している。参考例9の作動を図15および図3と図4を使って説明する。図15および図4は、起動弁730が開かれた直後の状態を示している。平時、待機状態において一次側配管20に常時高圧の一次圧たとえば10kg/cm2がかかっているので加圧室13および脱気孔15で連通する減圧室14までこの一次圧がかかっている状態である。この状態で火災等が発生したとき、図示しない火災感知器からの火災信号を受けた図示しない制御装置により開弁信号が送られ、常時は閉の起動弁730が開かれる。
【0178】
当初弁主体5は全閉でありステム112が最下端に位置しているので、図4に示すように連通孔h3と加圧孔h4とは連通しているため、減圧室14は大気に連通し、減圧室14の空気が急速に抜けていく。すると、一次側配管20は減圧室14等を介して大気との間で圧力勾配を生ずるので、一次側配管20の消火水は、導圧管720を通り加圧室13、脱気孔15、減圧室14、排水管721、起動弁730、逃がし配管722、加圧孔h4、ステム室145a、シリンダ室152、シリンダ孔154a、空間部153,連通孔h3、第二逃がし配管723、オリフィス732、大気、という流路を通って脱気の後、排水される。
【0179】
このとき、導圧管720の流過面積および排水管721以降の流過面積のいずれもが、脱気孔15の流過面積より十分に大きいので、加圧室13は殆ど一次圧に等しく、減圧室14は大気圧に近いかなり低い圧となる。すなわち加圧室13と減圧室14との圧力差が大きく発生し、弁主体5の上にかかる一次圧による下方への力よりも制御ピストン11の下からの力の方が大きく、その結果弁主体5を押し上げる。
【0180】
すると、ステム112の上端112bがシリンダ開口部152aに挿入されて排水路を遮断するので減圧室14は脱気孔15を通じて急激に加圧室13の圧力に近づく。すると加圧室13と減圧室14との差圧が小さくなるので上方への力が下方への力よりも小さくなり、弁主体5は下がり始める。すると上端112bがシリンダ開口部152aから抜かれるので排水路が開き、再び加圧室13と減圧室14との圧力差が大きくなる。
【0181】
このようなことを繰り返すため、弁主体5は開度調整用ポジショナ150のシリンダ開口部152aとステム112との隙間、つまり加圧室13の圧力による上への力と、減圧室14の圧力による力及び弁本体5にかかる下への力との和が均衡したところで、半開状態で開弁動作が一旦停止する。
【0182】
半開維持状態で二次側配管30に給水されると、次第に二次側配管30の圧力、すなわち二次圧が増して行き、この二次圧が予め設定しておいた充水感応用パイロット弁731の設定値を越えると、二次圧を感圧管724で伝えるのでこのパイロット弁731が開弁する。すると、脱気孔15よりも充分に大きな流過面積でパイロット弁731が開かれるので、減圧室14は十分に低圧になり、弁主体5は全開までに至る。尚、上記オリフィス732は逃がし配管722又は導圧管720に設けてもよい。
【0183】
弁主体5を閉めたい場合は、図示しない制御装置が操作されて閉弁信号が送られ起動弁730を閉じると、流路が絶たれ減圧室14の圧力は加圧室13と等しくなり、差圧が無いので開弁方向の力がなくなり、一次圧などが弁主体5を閉弁方向に押して弁主体5は閉弁に至る。
【0184】
一方、弁主体5とともにステム112が下がり、ステム上端112bがシリンダ開口部152aから離れて、二つの逃がし配管722,723がシリンダ室152を介して連通状態になって、開度調整用ポジショナ装置160が復旧する。また、弁主体5の閉弁により二次側配管30の二次圧が減圧するので、この二次圧が充水感応用パイロット弁731の設定値より低くなると充水感応用パイロット弁731が閉じられて、この充水感応用パイロット弁731も元の状態に戻る。
【0185】
上記参考例9は、半開維持手段として参考例2の開度調整用ポジショナ装置160を用いたが、その代わりに参考例3の水撃防止用パイロット弁340あるいは参考例4の水撃防止用パイロット弁440を用いてもよい。また、再開弁手段として排水管721に設けた充水感応用パイロット弁731を用いたが、その代わりに充水感応用パイロット弁および水撃防止用パイロット弁340を用いてもよい。
【0186】
すなわち、水撃防止用パイロット弁340を用いる場合においては、逃がし配管722を加圧孔h4に接続する代わりに連通孔h7に接続し、第二逃がし配管723を連通孔h3に接続する代わりに弁室孔h8に接続し、かつステム112にインジケータ250を装着する。このようにすると、ステム112の動きに連動して減圧室14からの排水を減少制御し主弁体5を半開維持状態にする半開維持手段としての水撃防止用パイロット弁340を備えることができる。
【0187】
また、一方、充水感応用パイロット弁731は図15の通りに排水管721の末尾につけるようにしてもよいが、図7のように、二次側配管30に接続された感圧管を充水感応用パイロット弁を介して感圧孔h9に接続するようにしてもよい。この場合、充水感応用パイロット弁は常時閉で、その感圧部には充水感応用パイロット弁の一次側の圧力をとるようにする。また、図15における充水感応用パイロット弁731と分岐以降の下流の排水管721は除かれ、その結果排水管721と逃がし配管722とは直列に接続される形となる。
【0188】
このようにすると、充水感応用パイロット弁の充水検知によって、減圧室14からの排水を半開維持状態よりも増大制御した再開弁手段としての水撃防止用パイロット弁340を備えることができる。
【0189】
この発明は上記参考例に限らず、あらゆる減圧開タイプの開閉弁に対応する。
【0190】
この参考例は上記のように構成したので、開閉弁本体100が特製品である必要がなく、既存の開閉弁を取り替えることも、加工することもなくそのまま利用できる。また上記のように、弁本体5を開度調整用ポジショナ150で適切な半開維持状態に設定でき、二次圧が所定圧以上になると、弁本体5が全開となるので、ウオーターハンマ現象は防止でき、二次側への充水も遅れることも少なく達成できる。この発明は、上記参考例1乃至9および実施形態1に記載したことに限らず、各構成をそれぞれ互いに組み合わせるようにしてもよい。また、加圧室13の一次側に設けられた起動弁は減圧室14の二次側に設けてもよく、逆に減圧室14の二次側に設けられた起動弁を加圧室13の一次側に設けるようにしてもよい。また、以下に示すようにしてもよい。
【0191】
充水検知手段において、感圧管は二次側配管の直後に接続してもよいが、二次側配管の先端(ノズル側)の近くに接続してもよい。充水検知を圧力として検知するのではなく、消火水の流動を検知するようにしてもよい。例えば、二次側配管の先端側や中間距離あたりの配管内の上部位置に流動検知板を備えるようにしてもよい。このようにすると、起動初期には消火水は二次側配管の下部を流れるので検知せず、充水すると上部の検知板を流水の力で動かして検知される。
【0192】
また、同様に二次側配管内上部に一対の電極を備え、充水したときに電極間に消火水を介して通電されることで、充水を検知するようにしてもよい。また、熱電対を二次側配管内上部に備え、管内空気温度から急に消火水温度に変わる温度の変化を捕らえて、充水を検知するようにしてもよい。
【0193】
半開維持手段において、上記参考例ではステムとの連動関係を持たせるのに、ステムを半開維持手段に直接関わるようにしたが、ステムの変位を伝達する手段を用いて間接的にステムとの連動関係を持たせるようにしてもよい。例えば、ステムの変位の伝達手段として、ステムにリンク機構やワイヤーやバネを連結させたりしてもよい。また、ステム先端に磁石を取り付けて位置を検出する磁気スイッチや、ステムの軌道内に光路をおいてステムによる光遮断でステムの位置を検出する手段など、いかなる位置検出手段を用いてもよい。
【0194】
また、上記参考例または実施形態に記載された半開維持手段では特製の弁装置を用いるようにしたが、一般の弁を用いるようにしてもよい。例えば、実施形態1の水撃防止用パイロット弁240の代わりに、一般のボール弁またはグローブ弁を用い、開弁のハンドル部をレバー状の構造にして、ステムが上昇したときにボール弁等が開くように、レバーとステムをリンクするようにしてもよい。この場合、第二逃がし配管223に半開開度を維持するためのオリフィスを取り付けるようにする。
【0195】
また、参考例6や参考例8(図12、図14参照)において、半開維持手段は電磁弁を用いるようにしたが、その代わりに電動ニードル弁を用いてもよい。
【0196】
参考例6の場合(図12参照)、SW1がオンになったとき電動弁の減速機付きのモーターが開弁方向に回りニードル弁が緩慢に開いていき、ステムが下がってSW1がオフになったときモーターは閉弁方向に回りニードル弁が緩慢に閉じていくようにすると、電磁弁の時のように激しく開閉を繰り返さなくてすむ。
【0197】
上記参考例および実施形態では再開弁手段として、二次側配管圧力によって動作するようにしたパイロット弁を用いていたが、これに限らず電磁弁や他のいかなる手段も用いることができる。
【0198】
上記参考例および実施形態では維持開度設定手段は、ステムに弁体機能を持たせた時の弁連通口側の位置を調整可能にしたものや、ステムへの取付具の高さや半開維持手段の支持体の高さを調節可能にしたものであったが、ステムの変位の伝達手段としてステムと半開維持手段の間にリンク機構などを介在させた場合において、そのリンク機構に位置調整をできるようなものにしてもよい。
【0199】
【発明の効果】
以上のような構成なので、起動弁を開けることにより弁主体が上昇し、設定の開度で半開維持状態となる。このとき高圧の消火水は一次側配管から二次側配管に勢いよく流れ込むが、二次側配管に充水されるまで半開状態が維持される。従って、二次側配管の流水は緩和されてウオーターハンマ現象による異常な衝撃発生を回避できる消防用設備の開閉弁装置が得られるという効果がある。
【0200】
また、半開維持手段に、所望の開度で弁主体が半開維持するようにした維持開度設定手段を設けたので、個々の設備配管条件やポンプ設備容量に応ずることができる、現場などでも調整可能なウォーターハンマ対応構造を備え、ウォーターハンマおよび初期消火に最適な条件が得られる開閉弁装置が得られるという効果がある。
【0201】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の参考例1を示す縦断面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】本発明の参考例2を示す系統図である。
【図4】図3の開度調整ポジショナ装置の縦断面図である。
【図5】本発明の実施形態1を示す系統図である。
【図6】図5の水撃防止用パイロット弁の縦断面図である。
【図7】本発明の参考例3を示す系統図である。
【図8】図7の要部拡大断面図である。
【図9】本発明の参考例4を示す系統図である。
【図10】図9の要部拡大断面図である。
【図11】本発明の参考例5を示す系統図である。
【図12】本発明の参考例6を示す系統図である。
【図13】本発明の参考例7を示す系統図である。
【図14】本発明の参考例8を示す系統図である。
【図15】本発明の参考例9を示す系統図である。
【符号の説明】
1,100開閉弁本体、2一次流路、3二次流路、4連通口、5弁主体、10ピストン室、11制御ピストン、12,112ステム、13加圧室、14減圧室、15脱気孔、17排水弁、20一次側配管、23,123,224,322,422,525,545感圧管、25遠隔起動用電磁弁、130,230,330,530,630起動弁、26,120,121,220,221,320,321,520,620,621,640導圧管、26a、122,521,541,641導圧分管、30二次側配管、33,132,232,332,533,553,631充水感応用パイロット弁、42突出部、50,150開度調整用ポジショナ、160,660開度調整用ポジショナ装置、52a,152a,652aシリンダ開口部、55,155長ネジ部、56,156把持部、240,340,440水撃防止用パイロット弁、248ロッド、250インジケータ、253止めネジ、ST,ST1,ST2支持体、SW1,SW2跳ね返りスイッチ、552開度維持電磁弁、653再開弁電磁弁
--------------------------------------------------------------------------------

Claims (1)

  1. 一次側配管と二次側配管とを接続する弁本体と、この弁本体の連通口を開閉する弁主体と、この弁主体と流路を介して対向するピストン室と、このピストン室内に配設され、前記弁主体より受圧面積の大きい制御ピストンと、この制御ピストンと前記弁主体とを連結するステムと、該ステムの端部に取り付けられ、テーパ部を有するインジケータと、ロッド頭部を備える水撃防止用パイロット弁と、前記制御ピストンに隣接し加圧されることによって前記ステムを介して前記弁主体を開弁方向に動かす前記ピストン室の加圧室と、この加圧室と前記一次側配管とを連通せしめる導圧管と、前記二次側配管の充水を検知する充水検知手段と、を有する開閉弁装置において、
    前記導圧管は前記水撃防止用パイロット弁に連通して、前記一次側配管の消火水は二次側配管に流れ込むときに、前記インジケータのテーパ部と水撃防止用パイロット弁のロッド頭部とが当接する位置に依存した形で、前記水撃防止用パイロット弁は開弁または閉弁し前記弁主体を所定開度に維持して、前記検知手段の充水検知により充水感応用パイロット弁が閉弁することによって、前記加圧室への給水を制御し前記弁主体の全開方向へ移動することを特徴とする消防用設備の開閉弁装置。
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