JP7195817B2 - カバー付きスパウト - Google Patents

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Description

本発明は、バー付きスパウトに関する。
経腸栄養においては、患者に投与される栄養剤を含む内容液をパウチ等の容器(バッグ)に充填したRTH(Ready To Hang)製剤が広く用いられている。このようなRTH製剤では、内容液を充填した容器の注出口にスパウトを取り付け、内容液を患者に投与する直前にスパウトを開封し、この開封されたスパウトに対して、その一端が患者の体内に挿入されるカテーテルの他端側に接続されたコネクタを接続することで、患者に対して栄養剤を含む内容液を投与することが行われている。
ここで、従来、このようなRTH製剤の用途においては、容器に取り付けられるスパウトにオスコネクタ部を形成し(例えば特許文献1を参照)、カテーテルに取り付けられるコネクタにメスコネクタ部を形成するのが、一般的であった。
ところが、近年、経腸栄養以外の分野で使用されるコネクタとの誤接続を防止するために、栄養系の医療機器に関する国際規格ISO80369-3としてコネクタ構造を国際標準化することが検討されており、この国際規格ISO80369-3では、図10(a)に示すように、容器に取り付けられるスパウト120にメスコネクタ部122bを設けるとともに、図10(b)に示すように、カテーテルに取り付けられるコネクタ140にオスコネクタ部143を設けることが要求されている。
特開2013-060213号公報 特開2002-210023号公報
ここで、上述したような国際規格ISO80369-3に準拠したスパウト120において、容器(バッグ)の中身の安全性を確保するためにスパウト120の注出流路122aを開封可能に封止しようとした場合、メスコネクタ部122bの内周に弱化部(例えば特許文献2の環状溝16が形成された隔壁6の外周部分を参照)を介して封止体(例えば特許文献2の隔壁6を参照)を連結することが考えられる。
ところが、このようなスパウト120は、オスコネクタ部143に接続される側とは反対側(図10(a)の上方側、例えば特許文献2の基部5を参照)において、パウチ等の容器の注出口に熱溶着されることで容器に取り付けられるため、当該熱溶着時の熱によって弱化部に変形やピンホール等が生じ、その結果、スパウト120の密封性が損なわれてしまう虞があるという問題があった。
そこで、本発明は、これらの問題点を解決するものであり、簡素な構成で、国際規格ISO80369-3を準拠しつつ、良好な密封性、開封性を維持可能なスパウトおよびカバー付きスパウトを提供することを目的とするものである。
本発明のカバー付きスパウトの一態様は、スパウトと、前記スパウトに被せられるカバーとを備えたカバー付きスパウトであって、前記スパウトは、容器に装着される容器用取付部と、前記容器用取付部から上方側に向けて突出して形成され注出流路を有したスパウト筒状部と、前記スパウト筒状部の内周に配置され前記注出流路を塞ぐ封止体と、前記スパウト筒状部の内周面および前記封止体を連結する弱化部とを備え、前記封止体を除去した後にオスコネクタに接続されるスパウトであって、前記スパウト筒状部は、先端よりも下方側において前記弱化部が連結される連結領域と、前記連結領域の下方側に設定された下方側筒状領域とを有し、前記カバーは、天板部と、前記天板部の外周縁から垂下して形成され、前記スパウト筒状部の外周側に配置されるスカート部と、前記天板部の下面から下方側に向けて突出して形成され、前記スパウト筒状部の内周側において前記封止体に係合可能な折り取り用突出部とを有し、前記折り取り用突出部は、複数の折り取りプラグを有し、前記複数の折り取りプラグは、前記封止体を外周側から挟むように前記封止体に係合するように形成され、前記各折り取りプラグと前記スパウト筒状部の内周面との間には、間隙が形成されていることにより、前記課題を解決するものである。
本発明のカバー付きスパウトの他の態様は、スパウトと、前記スパウトに被せられるカバーとを備えたカバー付きスパウトであって、前記スパウトは、容器に装着される容器用取付部と、前記容器用取付部から上方側に向けて突出して形成され注出流路を有したスパウト筒状部と、前記スパウト筒状部の内周に配置され前記注出流路を塞ぐ封止体と、前記スパウト筒状部の内周面および前記封止体を連結する弱化部とを備え、前記封止体を除去した後にオスコネクタに接続されるスパウトであって、前記スパウト筒状部は、先端よりも下方側において前記弱化部が連結される連結領域と、前記連結領域の下方側に設定された下方側筒状領域とを有し、前記カバーは、天板部と、前記天板部の外周縁から垂下して形成され、前記スパウト筒状部の外周側に配置されるスカート部と、前記天板部の下面から下方側に向けて突出して形成され、前記スパウト筒状部の内周側において前記封止体に係合可能な折り取り用突出部とを有し、前記折り取り用突出部は、複数の折り取りプラグを有し、前記複数の折り取りプラグは、前記封止体を外周側から挟むように前記封止体に係合するように形成され、前記各折り取りプラグは、上方側係合部と、前記上方側係合部よりも下方側に形成された下方側係合部とを有し、前記上方側係合部は、前記封止体の上方側被対向面に対して周方向に対向して配置される上方側対向面を有し、前記下方側係合部は、前記上方側対向面の形成位置から周方向にずれた位置に形成され、前記封止体の下方側被対向面に対して周方向に対向して配置される下方側対向面を有していることにより、前記課題を解決するものである。
本請求項1、2に係る発明によれば、弱化部が連結されるスパウト筒状部の連結領域と容器に装着される容器用取付部との間に、下方側筒状領域を設けることにより、容器の注出口に容器用取付部を熱溶着することで容器にスパウトを取り付ける場合であっても、熱溶着時の熱に起因して弱化部に変形やピンホール等が生じることを回避することが可能であるため、簡素な構成で、スパウトの良好な密封性、開封性を維持することができる。
本請求項に係る発明によれば、スパウト筒状部が、オスコネクタのオスコネクタ部が挿入される上方側コネクタ領域を有し、上方側コネクタ領域よりも下方側に連結領域が設定されていることにより、弱化部の破断後にスパウト筒状部の内周に残存する弱化部の残存部が、スパウト筒状部に対するオスコネクタ部の挿入を阻害することを回避できる。
本請求項5に係る発明によれば、スパウトの封止体に係合可能な折り取り用突出部をカバーに設けることにより、カバーの操作を利用してスパウトの弱化部を破断させて封止体を除去することができるばかりでなく、以下の効果を奏することができる。すなわち、本請求項5に係る発明では、スパウト筒状部に下方側筒状領域を形成してスパウト筒状部を連結領域よりも下方に延ばした結果として、上下方向におけるスカート部の寸法を長く確保することが可能であるため、使用者によるスカート部の把持を容易にするばかりでなく、スカート部の当接部をスパウトのフランジ部に当接させた時のスパウトに対するカバーの姿勢を良好に維持することができる。これにより、上下軸を中心としてカバーを回転させてスパウトの弱化部を破断させる時に、カバーの回転軸のブレを抑制して、カバーを回転させることによるスパウトの弱化部の破断を良好に達成することができる。
本請求項6に係る発明によれば、スカート部が、スカート本体の外周面から外周側に突出した操作用突出部を有し、フランジ部の上面に当接可能な当接部が、操作用突出部に形成されていることにより、操作用突出部の形成によって、使用者がカバーを回転させて弱化部を破断させる時に必要とされる力を低減することができるばかりでなく、操作用突出部に当接部を形成することによって、より外周側においてスカート部の当接部をフランジ部の上面に当接させることが可能であるため、スカート部の当接部をスパウトのフランジ部に当接させた時のスパウトに対するカバーの姿勢を更に安定させることができる。
本請求項1、2に係る発明によれば、カバーの折り取り用突出部が、複数の折り取りプラグを有し、複数の折り取りプラグが、封止体を外周側から挟むように封止体に係合するように形成されていることにより、カバーの折り取り用突出部を利用してスパウトの弱化部を破断させた後に、スパウトから分離した封止体を複数の折り取りプラグによって挟んで保持することが可能であるため、スパウトから分離した封止体をカバーと一体に取り扱うことができる。
本請求項1、3に係る発明によれば、各折り取りプラグとスパウト筒状部の内周面との間に間隙が形成されていることにより、スパウト筒状部の内周側において封止体の上方側に水等が溜まった場合であっても、各折り取りプラグとスパウト筒状部の内周面との間の間隙を通じて水等を外部に排出することができる。
本請求項2に係る発明によれば、封止体の上方側被対向面に対して周方向に対向して配置される折り取りプラグの上方側対向面と、封止体の下方側被対向面に対して周方向に対向して配置される折り取りプラグの下方側対向面とが、周方向にずれた位置に形成されていることにより、上下軸を中心としたカバーの回転力を封止体に更に確実に伝えることが可能であるため、弱化部の破断を円滑に行うことができる。
本発明の一実施形態に係るカバー付きスパウトを断面視して示す説明図。 スパウトを断面視して示す説明図。 カバーを断面視して示す説明図。 スパウトから封止体を除去した後のカバーを示す説明図。 封止体を除去したスパウトにオスコネクタを接続した状態を示す説明図。 スパウトを上方側および下方側から見て示す平面図。 カバーを上方側および下方側から見て示す平面図。 図1のA-A線位置およびB-B線位置で矢印方向に断面視して示す説明図。 図8の状態からカバーを回転させた様子を示す説明図。 国際規格ISO80369-3に準拠したスパウトおよびコネクタの一例を示す参考図。
以下に、本発明の一実施形態に係るカバー付きスパウト10について、図面に基づいて説明する。
まず、カバー付きスパウト10は、図1に示すように、経腸栄養用の栄養剤を含む内容液が充填されたパウチ等の容器(図示しない)の注出口に装着されるスパウト20と、スパウト20に被せられるカバー30とを備え、スパウト20を開封する時には、カバー30を利用してスパウト20の弱化部26を破断させ、スパウト20の注出流路22aを塞ぐ封止体23を除去するものである。封止体23が除去されたスパウト20は、図5に示すように、スパウト20のスパウト筒状部22の先端側にオスコネクタ40のオスコネクタ部43が挿入されることにより、オスコネクタ40に接続される。
以下、各構成要素の具体的構成について、図面に基づいて説明する。
まず、スパウト20は、合成樹脂等から形成され、図1や図2に示すように、熱溶着によって容器に装着される容器用取付部21と、容器用取付部21から上方側に向けて突出して形成され上下方向に沿って延びる注出流路22aを有した円筒状のスパウト筒状部22と、注出流路22aを塞ぐようにスパウト筒状部22の内周に配置された封止体23とを一体に備えている。
容器用取付部21は、図1や図2に示すように、上下方向に沿って延びスパウト筒状部22の注出流路22aに連通する注出流路21aと、その上端の外周面に外周側に突出したフランジ部21bとを有している。
スパウト筒状部22は、図1や図2に示すように、スパウト筒状部22の先端(上端)に設定された上方側コネクタ領域22bと、上方側コネクタ領域22bよりも下方側に設定された連結領域22cと、連結領域22cの下方側に設定された下方側筒状領域22dとを有している。
上方側コネクタ領域22bは、図5に示すように、スパウト20およびオスコネクタ40の接続時に、オスコネクタ部43が挿入される部位である。上方側コネクタ領域22bの上端付近の外周には、オスコネクタ40のネジ部44に螺合可能なネジ部27が形成されている。このネジ部27は、図1に示すように、スパウト20に対してカバー30を取り付けた状態で、カバー30のスカート部32(スカート本体32a)の内周面に当接するように形成され、これにより、スパウト20に対するカバー30の姿勢を更に安定させることができる。
連結領域22cは、弱化部26が連結される部位であり、本実施形態では、図2に示すように、連結領域22cの内周に、上下の部位よりも内径が小さい環状の径小部22c’が形成されており、この径小部22c’の内周に弱化部26が一体に形成されている。なお、径小部22c’は形成しなくてもよい。
下方側筒状領域22dの外周には、図1や図2に示すように、外周側に突出したフランジ部28が形成されている。
封止体23は、略円柱状に形成され、図1や図2に示すように、その下端の外周が、環状の弱化部26を介してスパウト筒状部22の連結領域22cに連結されている。
封止体23は、図2や図4に示すように、後述するカバー30の折り取りプラグ34の上方側係合部35に係合可能な上方側被係合部24と、上方側被係合部24の下方側に形成され、折り取りプラグ34の下方側係合部36に係合可能な下方側被係合部25とを有している。
上方側被係合部24は、図8(a)や図9(a)に示すように、円柱状の基部24aから外周側に2つの突出部24bが突出した形状を有している。突出部24bは、互いに周方向に180°ずれた位置に形成されている。
各突出部24bは、突出部24bの周方向の一側面としての第1上方側被対向面24cと、突出部24bの周方向の他側面としての第2上方側被対向面24dとを有している。
下方側被係合部25は、図8(b)や図9(b)に示すように、円柱状の基部25aから外周側に2つの突出部25bが突出した形状を有している。突出部25bは、互いに周方向に180°ずれた位置に形成されている。
下方側被係合部25の突出部25bの周方向幅は、図8や図9から分かるように、上方側被係合部24の突出部24bの周方向幅よりも広く設定されている。
各突出部25bは、突出部25bの周方向の一側面としての第1下方側被対向面25cと、突出部25bの周方向の他側面としての第2下方側被対向面25dとを有している。
図8や図9に示すように、第1上方側被対向面24cと第2上方側被対向面24dとは、周方向における反対側に向くように形成され、また、第1下方側被対向面25cと第2下方側被対向面25dとは、周方向における反対側に向くように形成されている。
また、第1上方側被対向面24cと第1下方側被対向面25cとは、周方向における同じ側に向くように形成され、また、第2上方側被対向面24dと第2下方側被対向面25dとは、周方向における同じ側に向くように形成されている。
また、第1上方側被対向面24cと第1下方側被対向面25cとは、周方向にずれた位置に形成され、また、第2上方側被対向面24dと第2下方側被対向面25dとは、周方向の同じ位置(面一)に形成されている。
カバー30は、合成樹脂等から形成され、図1や図3に示すように、天板部31と、天板部31の外周縁から下方側に向けて垂下するスカート部32と、スカート部32の内周側において天板部31の下面から下方側に向けて突出して形成された折り取り用突出部33とを一体に備えている。
スカート部32は、図1や図3に示すように、スパウト筒状部22の外周側に配置される部位であり、筒状のスカート本体32aと、筒状のスカート本体32aの外周面から外周側に突出した2つの操作用突出部32bとを有している。2つの操作用突出部32bは、互いに周方向に180°ずれた位置に形成されている。
スカート本体32aの下端縁、および、操作用突出部32bの下端縁の最外周位置には、図1や図3に示すように、下方側に突出した当接部32cがそれぞれ形成されている。これら当接部32cは、スパウト20にカバー30を取り付けた状態で、スパウト20のフランジ部28の上面に当接するように形成されている。
折り取り用突出部33は、図1や図3や図8に示すように、天板部31の下面から下方側に向けて突出して形成され、封止体23を外周側から挟むように封止体23に係合可能な2つの折り取りプラグ34を有している。
各折り取りプラグ34は、図1や図3や図8に示すように、封止体23の上方側被係合部24に周方向に当接(係合)可能な上方側係合部35と、上方側係合部35の下方側に形成され、封止体23の下方側被係合部25に周方向に当接(係合)可能な下方側係合部36とを有している。
上方側係合部35の周方向幅は、下方側係合部36の周方向幅よりも広く形成されている。
各上方側係合部35は、図8(a)や図9(a)に示すように、上方側係合部35の周方向の一側面としての第1上方側対向面35aと、上方側係合部35の周方向の他側面としての第2上方側対向面35bとを有している。
封止体23に対して折り取り用突出部33を係合させた状態で、図8(a)や図9(a)に示すように、第1上方側対向面35aは、封止体23の第1上方側被対向面24cに対して周方向に対向して配置され、また、第2上方側対向面35bは、封止体23の第2上方側被対向面24dに対して周方向に対向して配置される。
また、封止体23に対して折り取り用突出部33を係合させた状態では、図8(a)や図9(a)に示すように、上方側被係合部24の突出部24bと上方側係合部35との間には、周方向に間隙が形成されるような寸法関係で、突出部24bと上方側係合部35とが形成されている。
各下方側係合部36は、図8(b)や図9(b)に示すように、下方側係合部36の周方向の一側面としての第1下方側対向面36aと、下方側係合部36の周方向の他側面としての第2下方側対向面36bとを有している。
スパウト20にカバー30を取り付けた状態で、図8(b)や図9(b)に示すように、第1下方側対向面36aは、封止体23の第1下方側被対向面25cに対して周方向に対向して配置され、また、第2下方側対向面36bは、封止体23の第2下方側被対向面25dに対して周方向に対向して配置される。
また、スパウト20にカバー30を取り付けた状態で、図8(b)や図9(b)に示すように、下方側被係合部25の突出部25bと下方側係合部36との間には、周方向に間隙が形成されるような寸法関係で、突出部25bと下方側係合部36とが形成されている。
図8や図9に示すように、第1上方側対向面35aと第2上方側対向面35bとは、周方向における反対側に向くように形成され、また、第1下方側対向面36aと第2下方側対向面36bとは、周方向における反対側に向くように形成されている。
第1上方側対向面35aと第1下方側対向面36aとは、周方向における同じ側に向くように形成され、また、第2上方側対向面35bと第2下方側対向面36bとは、周方向における同じ側に向くように形成されている。
第1上方側対向面35aと第1下方側対向面36aとは、周方向にずれた位置に形成され、また、第2上方側対向面35bと第2下方側対向面36bとは、周方向の同じ位置(面一)に形成されている。
スパウト20にカバー30を取り付けた状態で、図1に示すように、スパウト筒状部22の内周面と各折り取りプラグ34との間には、間隙が形成されている。
また、カバー30の天板部31およびスカート部32に跨った位置には、図7(a)に示すように、内外に貫通する貫通孔37が形成されている。
オスコネクタ40は、合成樹脂等から形成され、患者の体内にその一端が挿入されるカテーテルの他端側に接続されるものであり、図5に示すように、中央に貫通孔を有した天板部41と、天板部41の外周縁から下方側に向けて垂下する筒状のスカート部42と、スカート部42の内周側において、天板部41の貫通孔の縁部から下方側に向けて突出する円筒状のオスコネクタ部43と、スカート部42の内周面に形成されスパウト筒状部22のネジ部27に螺合するネジ部44とを一体に備えている。
次に、本実施形態のカバー付きスパウト10の使用方法について、以下に説明する。
まず、図1に示すようなスパウト20にカバー30を取り付けた状態(封止体23に対して折り取り用突出部33を係合させた状態)から、上下軸(スパウト20の中心軸、カバー30の中心軸)を中心として、スパウト20に対してカバー30を回転させることにより、封止体23と折り取り用突出部33との係合を利用してカバー30の回転力を封止体23に伝え、スパウト20の弱化部26を破断させる。
上記を具体的に説明すると、本実施形態では、図8や図9に示すようにカバー30を上方側から見た場合の反時計回り方向にカバー30を回転させ、封止体23の第1上方側被対向面24cに対して折り取りプラグ34の第1上方側対向面35aを周方向に当接させるとともに、封止体23の第1下方側被対向面25cに対して折り取りプラグ34の第1下方側対向面36aを周方向に当接させることにより、カバー30の回転力を封止体23に伝え、スパウト20の弱化部26を破断させる。
なお、上記とは反対側にカバー30を回転させた場合、すなわち、カバー30を上方側から見た場合の時計回り方向にカバー30を回転させた場合であっても、封止体23の第2上方側被対向面24dに対して折り取りプラグ34の第2上方側対向面35bが周方向に当接するとともに、封止体23の第2下方側被対向面25dに対して折り取りプラグ34の第2下方側対向面36bが周方向に当接し、カバー30の回転力を封止体23に伝えることが可能であるため、スパウト20の弱化部26を破断させることができる。
また、本実施形態では、スパウト筒状部22の内周に封止体23および弱化部26を配置することにより、使用者がカバー30を回転させて弱化部26を破断させる時に必要とされる力を低減することができる。
次に、スパウト20の弱化部26を破断させた後、スパウト20に対してカバー30を上方側に移動させると、図4に示すように、折り取りプラグ34の間に封止体23が挟まった状態が維持されるため、スパウト20から封止体23が除去される。
上記を具体的に説明すると、本実施形態では、図8(a)や図9(a)に示すように、封止体23の基部24aの大きさが、各折り取りプラグ34の上方側係合部35の間隔よりも大きく設定されており、これにより、封止体23に対して折り取り用突出部33を係合させた状態では、折り取りプラグ34の間に封止体23が挟まった状態が維持される。
最後に、図5に示すように、封止体23を除去されたスパウト20に対してオスコネクタ40を接続する。このスパウト20に対してオスコネクタ40を接続した状態では、スパウト20のネジ部27に対してオスコネクタ40のネジ部44が螺合するとともに、スパウト筒状部22の上方側コネクタ領域22b内にオスコネクタ40のオスコネクタ部43が挿入される。
なお、スパウト20に対してオスコネクタ40を接続した状態では、図5に示すように、上方側コネクタ領域22bの内周面とオスコネクタ部43の外周面とを密着させることによって、上方側コネクタ領域22bとオスコネクタ部43との間をシールしている。
ここで、本実施形態では、図5に示すように、上方側コネクタ領域22bよりも下方側に連結領域22cが形成されているため、弱化部26の破断後にスパウト筒状部22の内周に残存する弱化部26の残存部(バリ)が、スパウト筒状部22に対するオスコネクタ部43と接触するおそれがなく、オスコネクタ部43の挿入を阻害することを回避できる。これにより、上方側コネクタ領域22bの内周面とオスコネクタ部43の外周面とを良好に密着させることができ、更なるシール性の向上を図ることができる。
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行なうことが可能である。
例えば、上述した実施形態では、カバー付きスパウト10およびオスコネクタ40が経腸栄養の用途で用いられるものとして説明したが、カバー付きスパウト10およびオスコネクタ40を、経腸栄養以外の用途で用いても何ら構わない。
また、上述した実施形態では、上下軸(スパウト20の中心軸、カバー30の中心軸)を中心としてカバー30を回転させることにより、スパウト20の弱化部26を破断させスパウト20から封止体23を除去するものとして説明したが、弱化部26を破断させる方法(封止体23を除去する方法)は上記に限定されず、例えば、スパウト20に対してカバー30を傾けたり、スパウト20に対してカバー30を上方に持ち上げることにより、スパウト20の弱化部26を破断させスパウト20から封止体23を除去することが可能なように、カバー付きスパウト10を構成してもよい。
また、上述した実施形態では、カバー30の折り取り用突出部33が2つの折り取りプラグ34を有しているものとして説明したが、折り取りプラグ34の数量は、1つまたは3つ以上であってもよい。
また、上述した実施形態では、上方側コネクタ領域22bの下方側に連結領域22cが形成されているものとして説明したが、上方側コネクタ領域22b内に連結領域22cを設定してもよい。
また、上述した実施形態では、スパウト筒状部22の連結領域22cと封止体23とを連結する弱化部26が環状に形成されているものとして説明したが、弱化部26の具体的態様については、連結領域22cと封止体23と連結可能なものであれば如何なるものでもよい。
10 ・・・ カバー付きスパウト
20 ・・・ スパウト
21 ・・・ 容器用取付部
21a ・・・ 注出流路
21b ・・・ フランジ部
22 ・・・ スパウト筒状部
22a ・・・ 注出流路
22b ・・・ 上方側コネクタ領域
22c ・・・ 連結領域
22c’ ・・・ 径小部
22d ・・・ 下方側筒状領域
23 ・・・ 封止体
24 ・・・ 上方側被係合部
24a ・・・ 基部
24b ・・・ 突出部
24c ・・・ 第1上方側被対向面(上方側被対向面)
24d ・・・ 第2上方側被対向面
25 ・・・ 下方側被係合部
25a ・・・ 基部
25b ・・・ 突出部
25c ・・・ 第1下方側被対向面(下方側被対向面)
25d ・・・ 第2下方側被対向面
26 ・・・ 弱化部
27 ・・・ ネジ部
28 ・・・ フランジ部
30 ・・・ カバー
31 ・・・ 天板部
32 ・・・ スカート部
32a ・・・ スカート本体
32b ・・・ 操作用突出部
32c ・・・ 当接部
33 ・・・ 折り取り用突出部
34 ・・・ 折り取りプラグ
35 ・・・ 上方側係合部
35a ・・・ 第1上方側対向面(上方側対向面)
35b ・・・ 第2上方側対向面
36 ・・・ 下方側係合部
36a ・・・ 第1下方側対向面(下方側対向面)
36b ・・・ 第2下方側対向面
37 ・・・ 貫通孔
40 ・・・ オスコネクタ
41 ・・・ 天板部
42 ・・・ スカート部
43 ・・・ オスコネクタ部
44 ・・・ ネジ部

Claims (6)

  1. スパウトと、前記スパウトに被せられるカバーとを備えたカバー付きスパウトであって、
    前記スパウトは、容器に装着される容器用取付部と、前記容器用取付部から上方側に向けて突出して形成され注出流路を有したスパウト筒状部と、前記スパウト筒状部の内周に配置され前記注出流路を塞ぐ封止体と、前記スパウト筒状部の内周面および前記封止体を連結する弱化部とを備え、前記封止体を除去した後にオスコネクタに接続されるスパウトであって、
    前記スパウト筒状部は、先端よりも下方側において前記弱化部が連結される連結領域と、前記連結領域の下方側に設定された下方側筒状領域とを有し、
    前記カバーは、天板部と、前記天板部の外周縁から垂下して形成され、前記スパウト筒状部の外周側に配置されるスカート部と、前記天板部の下面から下方側に向けて突出して形成され、前記スパウト筒状部の内周側において前記封止体に係合可能な折り取り用突出部とを有し、
    前記折り取り用突出部は、複数の折り取りプラグを有し、
    前記複数の折り取りプラグは、前記封止体を外周側から挟むように前記封止体に係合するように形成され、
    前記各折り取りプラグと前記スパウト筒状部の内周面との間には、間隙が形成されていることを特徴とするカバー付きスパウト。
  2. スパウトと、前記スパウトに被せられるカバーとを備えたカバー付きスパウトであって、
    前記スパウトは、容器に装着される容器用取付部と、前記容器用取付部から上方側に向けて突出して形成され注出流路を有したスパウト筒状部と、前記スパウト筒状部の内周に配置され前記注出流路を塞ぐ封止体と、前記スパウト筒状部の内周面および前記封止体を連結する弱化部とを備え、前記封止体を除去した後にオスコネクタに接続されるスパウトであって、
    前記スパウト筒状部は、先端よりも下方側において前記弱化部が連結される連結領域と、前記連結領域の下方側に設定された下方側筒状領域とを有し、
    前記カバーは、天板部と、前記天板部の外周縁から垂下して形成され、前記スパウト筒状部の外周側に配置されるスカート部と、前記天板部の下面から下方側に向けて突出して形成され、前記スパウト筒状部の内周側において前記封止体に係合可能な折り取り用突出部とを有し、
    前記折り取り用突出部は、複数の折り取りプラグを有し、
    前記複数の折り取りプラグは、前記封止体を外周側から挟むように前記封止体に係合するように形成され、
    前記各折り取りプラグは、上方側係合部と、前記上方側係合部よりも下方側に形成された下方側係合部とを有し、
    前記上方側係合部は、前記封止体の上方側被対向面に対して周方向に対向して配置される上方側対向面を有し、
    前記下方側係合部は、前記上方側対向面の形成位置から周方向にずれた位置に形成され、前記封止体の下方側被対向面に対して周方向に対向して配置される下方側対向面を有していることを特徴とするカバー付きスパウト。
  3. 前記各折り取りプラグと前記スパウト筒状部の内周面との間には、間隙が形成されていることを特徴とする請求項2に記載のカバー付きスパウト。
  4. 前記スパウト筒状部は、前記オスコネクタのオスコネクタ部が挿入される上方側コネクタ領域を有し、
    前記上方側コネクタ領域よりも下方側に前記連結領域が設定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のカバー付きスパウト。
  5. 前記スパウトは、前記下方側筒状領域の外周に形成されたフランジ部を有し、
    前記スカート部は、前記フランジ部の上面に当接可能な当接部を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のカバー付きスパウト。
  6. 前記スカート部は、スカート本体と、前記スカート本体の外周面から外周側に突出した操作用突出部とを有し、
    前記当接部は、前記操作用突出部に形成されていることを特徴とする請求項5に記載のカバー付きスパウト。
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