JP7195525B2 - 光切替器および観察装置 - Google Patents

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Description

本発明は、試料の互いに異なる複数の断面を並行して観察する観察装置、およびこれに適用される光切替器に関する。
例えば、生体試料である脳の基礎研究では、多領域の細胞間の情報伝達機能を解明するために、カルシウム蛍光プローブが用いられている。具体的には、脳神経細胞が活動(発火)するときにカルシウムが細胞内に入るため、カルシウム蛍光プローブを対象となる細胞内に導入しておき、レーザ光を照射してカルシウム蛍光プローブを励起し、その蛍光の強度を検出することにより、脳神経細胞の活動状況を把握できる。
さらに、特許文献1および2では、生体の異なる深さにおける活動状況を、ほぼ同時に観察する技術が開示されている。この技術では、レーザのパルス光を複数のパルス光に分割した後、分割した各パルス光に対し、光路長を異ならせることにより相対的な時間遅延を付与してパルス列を生成するとともに、互いに異なる発散角を付与して、対物レンズを介して生体に照射する。これにより、各パルス列は、生体の異なる深さに集光するため、生体の異なる深さにおける蛍光パルスをほぼ同時に検出し、多面の2次元像を取得することができる。
特開2014-164097号公報 特表2015-517687号公報
しかしながら、上述の先行技術では、分割した各パルス光の光路長を異ならせるための装置が大型化するという問題がある。
顕微鏡で一般的に使用されるパルスレーザの繰り返し周波数は約80MHzであり、パルス間隔を時間に換算すると、12.5nsである。また、蛍光プローブの蛍光寿命(発した蛍光のパルスが尾を引く時間)は、一般的に数nsである。そのため、異なる深さにおける蛍光パルスを区別するためには、生体に集光させるパルス列の間隔を5ns程度空ける必要がある。5nsに相当するレーザ光の光路長は1.5mであり、分割した各パルス光に時間遅延を付与するための装置には、その光路長を確保するための空間が必要となる。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであって、試料の互いに異なる複数の断面を並行して観察する観察装置に適用され、かつ、コンパクトな光切替器を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、光源からの光を複数の光路に分割、または、切り替え可能に案内し、それらの光路を選択する選択部を設けることにより、各光路の光路長を異ならせることなく、光切替器のサイズを大幅に小さくできることを見出した。
即ち、本発明は以下の項に記載の発明を包含する。
項1.
対物レンズを介して試料の互いに異なる複数の断面に光を照射することにより、該複数の断面を並行して観察する観察装置に適用され、光源からの光を、前記対物レンズを通過した場合の焦点位置が互いに異なる複数の光に変換し、前記複数の光を順次切り替えながら前記対物レンズに出射する光切替器であって、
前記光源からの光を分割して複数の光路に案内する、または、前記光源からの光を前記複数の光路のいずれかに切り替え可能に案内する第1の案内部と、
前記複数の光路に案内された光の発散角および光軸の少なくともいずれかを、前記光路ごとに異ならせる変調部と、
前記複数の光路に案内された光の各々を、前記光切替器の出射部に案内する第2の案内部と、
光が前記第1の案内部から前記第2の案内部へ到達可能な光路を、前記複数の光路から選択する選択部と、
を備えたことを特徴とする光切替器。
項2.
前記第1の案内部は、前記光源からの光を分割して複数の光路に案内するビームスプリッタであり、
前記選択部は、前記複数の光路のうち1の光路を切り替え可能に選択し、当該1の光路以外の光路を遮断するチョッパーであることを特徴とする項1に記載の光切替器。
項3.
前記第1の案内部は、前記光源からの光を、偏光方向に応じて前記複数の光路のいずれかに切り替え可能に案内する偏光ビームスプリッタであり、
前記選択部は、前記偏光ビームスプリッタの上流側に設けられ、前記光源からの光を、偏光方向の互いに異なる複数の偏光に切り替え可能に偏光する電気光学位相変調器であることを特徴とする項1に記載の光切替器。
項4.
試料の互いに異なる複数の断面を並行して観察する観察装置であって、
前記試料内の分子または構造を可視化するための光を発生する励起光源と、
前記光を光軸に交差する方向に走査する走査部と、
前記光を前記試料内に収束させる対物レンズと、
前記励起光源と前記対物レンズとの間に設けられ、前記励起光源からの光を、前記対物レンズを通過した場合の焦点位置が互いに異なる複数の光に変換し、前記複数の光を順次切り替えながら前記対物レンズに出射する光切替器と、
前記光の照射によって発生した信号光を検出する検出部と、
を備え、
前記光切替器は、項1から3のいずれかに記載の光切替器であることを特徴とする観察装置。
項5.
前記光切替器は、前記走査部が前記複数の断面の各々の走査を完了する度に、前記複数の光を切り替えることを特徴とする項4に記載の観察装置。
項6.
前記光切替器は、前記検出部が前記複数の断面の各々の1ピクセルの前記信号光を検出する度に、前記複数の光を切り替えることを特徴とする項4に記載の観察装置。
項7.
前記分子は、カルシウム蛍光プローブであり、
前記光は、前記カルシウム蛍光プローブを誘起するレーザ光であることを特徴とする項4から6のいずれかに記載の観察装置。
本発明によれば、コンパクトな光切替器を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る観察装置の全体構成を示す概略図である。 図1に示す光切替器の具体的な構成を示す図である。 図2に示すチョッパーの平面図である。 図2に示す光切替器から出射された2つの光の試料における焦点位置の説明図である。 (a)は、図2に示す光切替器から出射される2つの光の切り替えのタイミングを示す図であり、(b)は、試料の2つの断面における走査のタイミングを示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る観察装置の全体構成を示す概略図である。 図6に示す光切替器の具体的な構成を示す図である。 (a)は、図7に示す光切替器から出射される2つの光の切り替えのタイミングを示す図であり、(b)は、試料の2つの断面における走査のタイミングを示す図である。 変形例1に係る光切替器の構成を示す図である。 図9に示す光切替器から出射された2つの光の試料における焦点位置の説明図である。 変形例2に係る光切替器の構成を示す図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。なお、本発明は、下記の実施形態に限定されるものではない。
〔第1の実施形態〕
(全体構成)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る観察装置100の全体構成を示す概略図である。観察装置100は、生体である試料Sの互いに異なる複数の断面を並行して観察するレーザ走査型顕微鏡であり、励起光源1と、光切替器2と、チューブレンズ3,4と、y走査部5と、x走査部6と、走査レンズ7と、チューブレンズ8と、ダイクロックミラー9と、z走査部10と、検出レンズ11と、検出部20とを備えている。本実施形態では、観察装置100は、試料Sの互いに深さの異なる2つの断面を並行して観察することができる。なお、本明細書において、「並行して」とは、「ほぼ同時に」を意味する。
試料Sは、例えば生きたマウスの脳である。試料Sには、あらかじめカルシウム蛍光プローブ(分子)が導入されている。カルシウム蛍光プローブは、脳神経細胞の活動(発火)によりカルシウム濃度が高くなったときに所定波長のレーザ光が照射されることにより、蛍光(信号光)Lを発する。
励起光源1は、試料Sの分子の反応を誘起させて、試料S内の分子または構造を可視化するための光Bを発生する。本実施形態では、光Bはカルシウム蛍光プローブの反応を誘起するためのレーザ光である。試料Sにおける光Bの照射位置のカルシウム濃度が大きくなるほど、カルシウム蛍光プローブからの蛍光Lの強度が大きくなる。
光切替器2は、励起光源1からの光Bを、後述する対物レンズ10bを通過した場合の焦点位置が互いに異なる複数の光に変換し、前記複数の光を順次切り替えながら対物レンズ10bに出射する装置である。本実施形態では、光切替器2は、光Bを、焦点位置の深い光B1と、焦点位置の浅い光B2との2つの光に変換し、光B1と光B2とを30Hzの周波数で交互に出射する。
なお、図1では、光切替器2から光B1が出射されている状態が示されているものとする。また、光切替器2の具体的な構成例については後述する。
チューブレンズ3,4は、光切替器2内の空間光変調器を対物レンズ10bの瞳面と共役な位置に配置し、空間光変調器によって焦点位置や深さを変化させても対物レンズ10bの瞳面におけるレーザ光の位置やビーム径が変化しないようにするためのレンズである。空間光変調器は、まず、y走査部5およびx走査部6の中間に結像され、最終的に、走査レンズ7とチューブレンズ8によって、対物レンズの瞳面に結像される。
y走査部5およびx走査部6は、観察装置100が所定の2つの断面を並行して観察しているときに、光B1,B2を光軸に交差する方向に走査する部材である。例えば図1に示すように、x走査部6が実線で示す位置から破線で示す位置に変位することにより、光B1の焦点位置は、試料Sにおけるx方向に移動する。なお、y走査部5およびx走査部6は、特許請求の範囲に記載の走査部に相当する。
走査レンズ7およびチューブレンズ8は、y走査部5およびx走査部6の中間を対物レンズ10bの瞳面に結像し、レーザ走査時に、対物レンズ10bの瞳面におけるレーザ光の位置が変化しないようにするためのレンズである。
ダイクロックミラー9は、光B1,B2を透過させ、試料Sから出射された蛍光Lを反射する。
z走査部10は、光B1,B2の光量を調節する絞り10aと、光B1,B2を試料S内に収束させる対物レンズ10bとを備えている。z走査部10の試料Sに対する相対位置を変化させることにより、光B1,B2の焦点位置がz方向に移動する。なお、z走査部10は、y走査部5およびx走査部6とは異なり、観察装置100が所定の2つの断面を並行して観察している間は動作せず、観察対象となる2つの断面の深さを変更する場合のみ動作する。
光B1,B2の焦点位置において神経細胞が活動している場合、カルシウム蛍光プローブが誘起されて蛍光Lを発する。蛍光Lは、ダイクロックミラー9によって反射され、検出レンズ11を介して検出部20に入射する。
検出部20は、蛍光Lを検出する装置であり、例えば光電子増倍管などで構成される。検出部20により、試料Sにおける2つの断面の2次元画像が並行して生成される。
(光切替器)
図2は、光切替器2の具体的な構成を示す図である。光切替器2は、ビームスプリッタ(第1の案内部)2aと、2つのミラー2b,2cと、2つの空間光変調器(変調部)2e,2fと、ビームスプリッタ(第2の案内部)2dと、チョッパー(選択部)2gとを備えている。
ビームスプリッタ2aは、励起光源1からの光Bを分割して2つの光路に案内する部材である。具体的には、ビームスプリッタ2aは、光Bを光B1および光B2に分割し、光B1を、ミラー2bおよびビームスプリッタ2dを経て光切替器2の出射部に至る光路(以下、第1の光路とする)に案内し、光B2を、ミラー2cおよびビームスプリッタ2dを経て光切替器2の出射部に至る光路(以下、第2の光路とする)に案内する。
空間光変調器2e,2fは、2つの光路に案内された光の発散角を、光路ごとに異ならせる部材である。具体的には、空間光変調器2eは、第1の光路に案内された光B1の発散角を拡大させ、空間光変調器2fは、第2の光路に案内された光B2の発散角を縮小させる。
なお、空間光変調器2e,2fのいずれか一方を省略してもよい。また、空間光変調器2eは、第1の光路上の任意の位置に設けることができ、例えば、ビームスプリッタ2aとミラー2bとの間に設けることができる。同様に、空間光変調器2fは、第2の光路上の任意の位置に設けることができ、例えば、ビームスプリッタ2aとミラー2cとの間に設けることができる。また、空間光変調器2e,2fを可変焦点レンズに置き換えてもよい。
ビームスプリッタ2dは、2つ光路に案内された光の各々を、光切替器2の出射部に案内する部材である。具体的には、ビームスプリッタ2dは、第1の光路に案内された光B1を透過させ、第2の光路に案内された光B2を反射することにより、光B1,B2を光切替器2の出射部に案内する。
チョッパー2gは、光がビームスプリッタ2aからビームスプリッタ2dへ到達可能な光路を、2つの光路から選択する部材であり、第1および第2の光路のうち1の光路を切り替え可能に選択し、当該1の光路以外の光路を遮断するように構成されている。
図3は、チョッパー2gの平面図である。チョッパー2gは、内部領域に半円の開口Aを有する遮光性の円盤で構成されており、図示しない駆動装置により回転可能となっている。チョッパー2gは、第1の光路および第2の光路に跨る位置に設けられており、チョッパー2gが回転することにより、光B1および光B2が交互に開口Aを通過する。これにより、チョッパー2gは、光がビームスプリッタ2aからビームスプリッタ2dへ到達可能な1の光路を、第1および第2の光路から選択する。なお、図3では、光B2が開口Aを通過し光B1が遮断されている、すなわち、第2の光路が選択されている状態が示されている。
このように、チョッパー2gが回転して、光B1および光B2が交互に開口Aを通過することにより、光B1,B2がビームスプリッタ2dによって交互に光切替器2の出射部に案内される。これにより、光切替器2は、光B1と光B2とを交互に出射する。
なお、チョッパー2gの回転速度は特に限定されないが、例えば15rpsである。この場合、光切替器2から出射される光B1,B2の切り替え周期は30Hzとなる。
図4は、光切替器2から出射された光B1,B2の試料Sにおける焦点位置の説明図である。光B1は光B2よりも発散角が大きいため、光B1の焦点位置F1は、光B2の焦点位置F2よりも深くなる。
光切替器2が光B1と光B2とを交互に出射することで、焦点位置F1と焦点位置F2とが交互に切り替わる。さらに、図1に示すy走査部5およびx走査部6によって、焦点位置F1,F2をxy方向に走査することにより、焦点位置F1を含む断面P1および焦点位置F2を含む断面P2を並行して観察することができる。
(走査方法)
図5(a)は、光B1,B2の切り替えのタイミングを示す図であり、図5(b)は、断面P1,P2における走査のタイミングを示す図である。上述のように、光切替器2から出射される光B1,B2の切り替え周期が30Hzであるため、図5(a)に示すように、試料Sに照射される光B1,B2は、1/30sごとに切り替わる。また、図5(b)に示すように、光B1が照射されている間に、断面P1の走査が行われ、光B2が照射されている間に、断面P2の走査が行われる。すなわち、光切替器2は、y走査部5およびx走査部6が2つの断面P1,P2の各々の走査を完了する度に、光B1,B2を切り替える。これにより、断面P1,P2それぞれの2次元画像を、15fpsのフレームレートで取得することができる。
(本実施形態の効果)
上述のように、本実施形態に係る光切替器2では、励起光源1からの光Bをビームスプリッタ2aによって光B1,B2に分割して2つの光路に案内し、光B1,B2の発散角を空間光変調器2e,2fによって互いに異ならせて、ビームスプリッタ2dによって光B1,B2を光切替器2の出射部に案内している。さらに、光切替器2は、チョッパー2gによって、光B1,B2のいずれかを遮断することにより、光がビームスプリッタ2aからビームスプリッタ2dへ到達可能な光路を、第1および第2の光路から選択している。
チョッパー2gを設けることにより、第1および第2の光路の光路長が等しい場合であっても、光切替器2は光B1,B2を切り替え可能に出射することができる。すなわち、先行技術のように、分割した光を異なるタイミングで出射するために光路長を互いに異ならせる必要はない。よって、先行技術に比べ、光切替器2のサイズを大幅に小さくすることができる。
なお、本実施形態では、第1および第2の光路は、光路長が等しいが、光切替器2が必要以上に大型化しない程度に、光路長を互いに異ならせてもよい。
〔第2の実施形態〕
(全体構成)
図6は、本発明の第2の実施形態に係る観察装置200の全体構成を示す概略図である。観察装置200は、第1の実施形態に係る観察装置100と同様、生体である試料Sの互いに異なる複数の断面を並行して観察する装置である。図6に示すように、観察装置200は、励起光源1と、光切替器12と、チューブレンズ3,4と、y走査部5と、x走査部6と、走査レンズ7と、チューブレンズ8と、ダイクロックミラー9と、z走査部10と、検出レンズ11と、検出部20とを備えている。すなわち、観察装置200は、観察装置100において、光切替器2を光切替器12に置き換えた構成である。そのため、光切替器12以外の各部材については、詳細な説明を省略する。
(光切替器)
図7は、光切替器12の具体的な構成を示す図である。光切替器12は、2つのミラー2b,2cと、2つの空間光変調器(変調部)2e,2fと、偏光ビームスプリッタ(第1の案内部)2hと、電気光学位相変調器(選択部)2iと、2つの1/2波長板2j,2kと、偏光ビームスプリッタ(第2の案内部)2mとを備えている。すなわち、光切替器12は、図2に示す光切替器2において、ビームスプリッタ2a,2dをそれぞれ偏光ビームスプリッタ2h,2mに置き換え、電気光学位相変調器2iおよび1/2波長板2j,2kをさらに備えた構成である。
偏光ビームスプリッタ2hは、励起光源1からの光Bを、偏光方向に応じて2つの光路(第1の光路および第2の光路)のいずれかに切り替え可能に案内する部材である。本実施形態では、偏光ビームスプリッタ2hは、S偏光を反射し、P偏光を透過させる。
電気光学位相変調器2iは、偏光ビームスプリッタ2hの上流側に設けられ、励起光源1からの光Bを、偏光方向の互いに異なる2つの偏光(S偏光およびP偏光)に切り替え可能に偏光する部材である。電気光学位相変調器2iが光BをS偏光に偏光した場合、光Bは偏光ビームスプリッタ2hに反射されて第1の光路に案内される。一方、電気光学位相変調器2iが光BをP偏光に偏光した場合、光Bは偏光ビームスプリッタ2hを透過して第2の光路に案内される。
このように、電気光学位相変調器2iは、光Bが偏光ビームスプリッタ2hからビームスプリッタ2dへ到達可能な光路を、2つの光路から選択する選択部として機能する。以下では、第1の光路に案内された光Bを光B1とし、第2の光路に案内された光Bを光B2とする。
1/2波長板2jは、第1の光路における空間光変調器2eの上流側に設けられており、空間光変調器2eに入る偏光を制御する。また、1/2波長板2kは、第2の光路における空間光変調器2fの上流側に設けられており、空間光変調器2fに入る偏光を制御する。なお、1/2波長板2jをビームスプリッタ2aとミラー2bとの間に設けてもよく、1/2波長板2kをビームスプリッタ2aとミラー2cとの間に設けてもよい。
光B1は、1/2波長板2jを経て空間光変調器2eにおいて発散角が拡大される。一方、光B2は、1/2波長板2kを経て空間光変調器2fにおいて発散角が縮小される。
偏光ビームスプリッタ2mは、2つ光路に案内された光の各々を、光切替器2の出射部に案内する部材である。本実施形態では、偏光ビームスプリッタ2mは、第1の光路に案内されたS偏光である光B1を透過し、第2の光路に案内されたP偏光である光B2を反射することにより、光B1,B2を光切替器12の出射部に案内する。また、1/2波長板2j,2kを設けずに、第1の光路に案内されたP偏光である光B1を反射し、第2の光路に案内されたS偏光である光B2を透過することにより、光B1,B2を光切替器12の出射部に案内してもよい。
上述のように、電気光学位相変調器2iは、光Bを、S偏光およびP偏光に切り替え可能に偏光する。これにより、S偏光である光B1が第1の光路を経て光切替器12から出射される状態と、P偏光である光B2が第2の光路を経て光切替器12から出射される状態とが切り替わり、光切替器12は、光B1と光B2とを交互に出射する。
電気光学位相変調器2iによる偏光方向の切り替え周期は特に限定されないが、第1の実施形態におけるチョッパー2gよりもはるかに高速に偏光方向を切り替えることができる。本実施形態では、電気光学位相変調器2iの切り替え周期を80MHzとする。
なお、光B1,B2の試料Sにおける焦点位置は、図4に示すものと同様である。光切替器12から光B1と光B2とが交互に出射されることにより、試料Sにおける深さの異なる断面P1,P2を並行して観察することができる。
(走査方法)
図8(a)は、光B1,B2の切り替えのタイミングを示す図であり、図8(b)は、断面P1,P2における走査のタイミングを示す図である。上述のように、光切替器12から出射される光B1,B2の切り替え周期が80MHzであるため、図8(a)に示すように、試料Sに照射される光B1,B2は、12.5nsごとに切り替わる。また、図8(b)に示すように、光B1が照射されるタイミングでは、断面P1における1ピクセルの領域が照射され、検出部20が当該1ピクセルの蛍光Lを検出する。続いて、光B2が照射されるタイミングでは、断面P2における1ピクセルの領域が照射され、検出部20が当該1ピクセルの蛍光Lを検出する。すなわち、光切替器12は、検出部20が2つの断面P1,P2の各々の1ピクセルの蛍光Lを検出する度に、2つの光B1,B2を切り替える。例えば、断面P1,P2のピクセル数が約130万ピクセル(1280×960)であるとすると、断面P1,P2それぞれの2次元画像を、約30fps(80M÷2÷1.3M)のフレームレートで取得することができる。
第1の実施形態では、断面P1の2次元画像を取得した後に、断面P2の2次元画像を取得するため、2つの断面P1,P2の2次元画像を取得するために2回の走査が必要となる。そのため、断面P1,P2の各々のフレームレートは、元のフレームレートの1/2となり、フレームレートが低下する。これに対し、本実施形態では、1回の走査で2つの断面P1,P2の2次元画像を取得するため、断面P1,P2の各々のフレームレートは低下しない。
(本実施形態の効果)
上述のように、本実施形態に係る光切替器12では、励起光源1からの光Bを偏光方向に応じて偏光ビームスプリッタ2hによって2つの光路のいずれかに切り替え可能に案内し、各光路に案内された光B1,B2の発散角を空間光変調器2e,2fによって互いに異ならせて、ビームスプリッタ2dによって光B1,B2を光切替器2の出射部に案内している。さらに、光切替器12は、電気光学位相変調器2iによって、光Bの偏光方向をS偏光とP偏光に切り替えることにより、光がビームスプリッタ2aからビームスプリッタ2dへ到達可能な光路を、第1および第2の光路から選択している。
これにより、第1および第2の光路の光路長が等しい場合であっても、光切替器2は光B1,B2を切り替え可能に出射することができる。よって、第1の実施形態に係る光切替器2と同様、第1のおよび第2の光路の光路長を互いに異ならせる必要はなく、先行技術に比べ、光切替器12のサイズを大幅に小さくすることができる。
また、第1の実施形態では、励起光源1からの光Bをビームスプリッタ2aによって分割し、分割された光の一方を遮断していたため、光切替器2においてパワーロスが生じていた。これに対し、本実施形態では、電気光学位相変調器2iによって光Bの偏光を制御し、偏光方向に応じて、光Bを案内する光路を切り替えているため、光切替器12におけるパワーロスがない。よって、高パワーのレーザ光源を用いる必要がない。
(変形例1)
上記では、図2および図7に示すように、光B1,B2の発散角を互いに異ならせることにより、光B1,B2を試料Sの異なる深さ(z方向に異なる位置)に収束させていた。これに対し、変形例1では、光B1,B2の焦点位置F1,F2を試料Sの同じ深さで、かつ、xy方向に異ならせることにより、試料Sのxy方向において異なる断面を観察する。
図9は、変形例1に係る光切替器12’の構成を示す図である。光切替器12’は、2つのミラー2b,2cと、2つの空間光変調器(変調部)2e,2fと、偏光ビームスプリッタ(第1の案内部)2hと、電気光学位相変調器(選択部)2iと、2つの1/2波長板2j,2kと、偏光ビームスプリッタ(第2の案内部)2mとを備えている。このように、光切替器12’は、図7に示す光切替器12と同様の構成であるが、空間光変調器2e,2fが光B1,B2の光軸を変調するように設定されている点で、光切替器12と相違している。
空間光変調器2e,2fは、それぞれ光B1,B2の光軸を屈折させる。これにより、空間光変調器2eを経て偏光ビームスプリッタ2mを透過した光B1は、図中斜め上方向に進行して光切替器12’の出射部に到達する。一方、空間光変調器2fを経て偏光ビームスプリッタ2mに反射された光B2は、図中斜め下方向に進行して光切替器12’の出射部に到達する。このように、空間光変調器2e,2fは、光B1,B2の光軸を、光路ごとに異ならせる。なお、本変形例1において、空間光変調器2e,2fのいずれか一方を省略してもよい。
図10は、光切替器12’から出射された光B1,B2の試料Sにおける焦点位置の説明図である。光B1,B2は、発散角は同一であるが、光B1は図中斜め上方向に進行し、光B2は図中斜め下方向に進行する。そのため、光B1の焦点位置F1、および光B2の焦点位置F2は、試料Sにおける同じ深さで、x方向に異なる位置となる。
焦点位置F1と焦点位置F2とを交互に切り替え、さらに、焦点位置F1,F2をxy方向に走査することにより、焦点位置F1を含む断面P1および焦点位置F2を含む断面P2を並行して観察することができる。
(変形例2)
上述した3つの光切替器2、12,12’で、発散角または光軸の互いに異なる2つの光を順次切り替えながら出射する構成であった。これに対し、変形例2では、発散角の互いに異なる4つの光を順次切り替えながら出射する光切替器の一例について、説明する。
図11は、変形例2に係る光切替器12”の構成を示す図である。光切替器12”は、3つの電気光学位相変調器(選択部)2i,2r,2sと、3つの偏光ビームスプリッタ(第1の案内部)2h,2n,2oと、2つのファラデー回転子2p,2qと、2つの1/2波長板2j,2kと、4つの空間光変調器(変調部)2e,2f,2t,2uとを備えている。
電気光学位相変調器2iは、励起光源1からの光Bを、偏光方向の互いに異なる2つの偏光(S偏光およびP偏光)に切り替え可能に偏光する。
偏光ビームスプリッタ2h,2n,2oは、S偏光を反射し、P偏光を透過させる部材である。これらのうち偏光ビームスプリッタ2hは、電気光学位相変調器2iの下流側に設けられている。電気光学位相変調器2iが光BをS偏光に偏光した場合、光Bは偏光ビームスプリッタ2hに反射されて、図中上方向に進行する。このS偏光を光B1とする。一方、電気光学位相変調器2iが光BをP偏光に偏光した場合、光Bは偏光ビームスプリッタ2hを透過して図中右方向に進行する。このP偏光を光B2とする。
ファラデー回転子2p,2qは、透過光の偏光方向を45度回転させる部材である。ファラデー回転子2pは、光B1の進行方向における偏光ビームスプリッタ2hの下流側に設けられており、ファラデー回転子2qは、光B2の進行方向における偏光ビームスプリッタ2hの下流側に設けられている。
1/2波長板2j,2kは、それぞれ電気光学位相変調器2r,2sに入る偏光を制御する。1/2波長板2jは、光B1の進行方向におけるファラデー回転子2pの下流側に設けられており、1/2波長板2kは、光B2の進行方向におけるファラデー回転子2qの下流側に設けられている。
電気光学位相変調器2rは、1/2波長板2jからの光B1の偏光方向を互いに異なる2つの偏光(S偏光およびP偏光)に切り替え可能に偏光する。
偏光ビームスプリッタ2nは、光B1の進行方向における電気光学位相変調器2rの下流側に設けられている。電気光学位相変調器2rが光B1をS偏光に偏光した場合、光B1は偏光ビームスプリッタ2nに反射されて、図中右方向に進行する。このS偏光を光B3とする。一方、電気光学位相変調器2rが光B1をP偏光に偏光した場合、光B1は偏光ビームスプリッタ2nを透過して、図中上方向に進行する。このP偏光を光B3とする。
空間光変調器2eは、光B3の進行方向における偏光ビームスプリッタ2nの下流側に設けられており、発散角を拡大して入射光を反射するように設定されている。また、空間光変調器2fは、光B4の進行方向における偏光ビームスプリッタ2nの下流側に設けられており、発散角を変えずに入射光を反射するように設定されている。これにより、光B3は、発散角が拡大されて空間光変調器2fに反射され、光B4は、発散角が変わらずに空間光変調器2eに反射される。
空間光変調器2eに反射された光B3は、S偏光であるため偏光ビームスプリッタ2nに反射され、その後、電気光学位相変調器2r、1/2波長板2j、ファラデー回転子2pを経て偏光ビームスプリッタ2hを透過し、光切替器12”の出射部に到達する。また、空間光変調器2fに反射された光B4は、P偏光であるため偏光ビームスプリッタ2nを透過し、光B3と同様に、電気光学位相変調器2r、1/2波長板2j、ファラデー回転子2pを経て偏光ビームスプリッタ2hを透過し、光切替器12”の出射部に到達する。なお、光B3,B4を透過させるときの偏光ビームスプリッタ2hは、第2の案内部として機能する。
電気光学位相変調器2sは、1/2波長板2kからの光B2の偏光方向を互いに異なる2つの偏光(S偏光およびP偏光)に切り替え可能に偏光する。
偏光ビームスプリッタ2oは、光B2の進行方向における電気光学位相変調器2sの下流側に設けられている。電気光学位相変調器2sが光B2をS偏光に偏光した場合、光B2は偏光ビームスプリッタ2oに反射されて、図中下方向に進行する。このS偏光を光B5とする。一方、電気光学位相変調器2sが光B2をP偏光に偏光した場合、光B2は偏光ビームスプリッタ2oを透過して、図中右方向に進行する。このP偏光を光B6とする。
空間光変調器2tは、光B5の進行方向における偏光ビームスプリッタ2oの下流側に設けられており、発散角を縮小して入射光を反射するように設定されている。また、空間光変調器2uは、光B6の進行方向における偏光ビームスプリッタ2oの下流側に設けられており、発散角を空間光変調器2tよりも大きく縮小して入射光を反射するように設定されている。これにより、光B5は、発散角が拡大されて空間光変調器2tに反射され、光B6は、発散角がさらに大きく拡大されて空間光変調器2uに反射される。
空間光変調器2tに反射された光B5は、S偏光であるため偏光ビームスプリッタ2oに反射され、その後、電気光学位相変調器2s、1/2波長板2k、ファラデー回転子2qを経て偏光ビームスプリッタ2hに反射され、光切替器12”の出射部に到達する。また、空間光変調器2uに反射された光B6は、P偏光であるため偏光ビームスプリッタ2nを透過し、光B5と同様に、電気光学位相変調器2s、1/2波長板2k、ファラデー回転子2qを経て偏光ビームスプリッタ2hに反射され、光切替器12”の出射部に到達する。なお、光B5,B6を反射するときの偏光ビームスプリッタ2hは、第2の案内部として機能する。
以上のように、光切替器12”では、電気光学位相変調器2i,2r,2sによって、励起光源1からの光Bは、以下の4つの光路に案内される。
第3の光路:偏光ビームスプリッタ2h→偏光ビームスプリッタ2n→空間光変調器2e→偏光ビームスプリッタ2n→偏光ビームスプリッタ2h→光切替器12”の出射部
第4の光路:偏光ビームスプリッタ2h→偏光ビームスプリッタ2n→空間光変調器2f→偏光ビームスプリッタ2n→偏光ビームスプリッタ2h→光切替器12”の出射部
第5の光路:偏光ビームスプリッタ2h→偏光ビームスプリッタ2o→空間光変調器2t→偏光ビームスプリッタ2o→偏光ビームスプリッタ2h→光切替器12”の出射部
第6の光路:偏光ビームスプリッタ2h→偏光ビームスプリッタ2o→空間光変調器2u→偏光ビームスプリッタ2o→偏光ビームスプリッタ2h→光切替器12”の出射部
そして、光B3~B6は、それぞれ第3~第6の光路を経て光切替器12”から出射される。さらに、4つの空間光変調器2e,2f,2t,2uは、反射光の発散角が互いに異なるように設定されているため、光B3~B6の発散角を互いに異ならせることができる。
また、電気光学位相変調器2r,2sの偏光切り替え周期を、電気光学位相変調器2iの偏光切り替え周期の2倍に設定する。さらに、電気光学位相変調器2iが光BをS偏光に偏光している期間において、電気光学位相変調器2rが当該期間の前半に光B1をS偏光に偏光し、当該期間の後半に光B1をP偏光に偏光し、電気光学位相変調器2iが光BをP偏光に偏光している期間において、電気光学位相変調器2sが当該期間の前半に光B2をS偏光に偏光し、当該期間の後半に光B2をP偏光に偏光する。これにより、光B3~B6は、互いに異なるタイミングで光切替器12”の出射部に到達するため、光切替器12”は、光B3~B6を順次切り替えながら出射することができる。また、光切替器12”を適用した観察装置は、試料Sにおける4つの異なる深さの断面を並行して観察することができる。
なお、空間光変調器2e,2f,2t,2uを、発散角の代わりに入射光の光軸を互いに異なる方向に変調するように設定してもよい。これにより、光切替器12”は、光軸の互いに異なる4つの光を順次切り替えながら出射することができ、光切替器12”を適用した観察装置は、試料Sのxy方向における4つの異なる断面を並行して観察することができる。
また、光切替器12”では、3つの偏光ビームスプリッタ2h,2n,2oによって、光Bを4つの光路に切り替え可能に案内していたが、さらに多数の偏光ビームスプリッタを用いて、光Bをさらに多数の光路に切り替え可能に案内する構成としてもよい。これにより、発散角等が互いに異なるより多数の光を順次切り替えながら出射可能な光切替器を構成することができる。
なお、先行技術では、励起光源からの1つのパルス光を複数のパルス光に分割しているが、複数のパルスの間隔は蛍光寿命(数ns)よりも長くする必要がある。そのため、パルスレーザの間隔が12.5nsとすると、分割可能な最大パルス数は4程度となる。一方本発明では、1つのパルス光単位ではなく、複数のパルス光ごとに電気光学位相変調器の偏光制御によって切り替え可能に出射しているため、5以上の光を切り替え可能に出射することができる。また、電気光学位相変調器の偏光制御による光の切り替えでは、パワーロスがないため、光の切り替え数にかかわらず、同じパワーの励起光源を用いることができるという利点もある。
〔総括〕
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の各実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能であり、例えば、上記の各実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる形態も、本発明の技術的範囲に属する。
また、上記の各実施形態では、光の照射によって誘起される分子がカルシウム蛍光プローブであったが、本発明ではあらゆる蛍光プローブを用いることができる。
カルシウム蛍光プローブには、化合物のカルシウム蛍光プローブとタンパク質のカルシウム蛍光プローブとがある。化合物のカルシウム蛍光プローブには、Oregon Green BAPTA、Cal-520、Fura-2などがある。タンパク質のカルシウム蛍光プローブには、GCaMP6f、GCaMP6m、GCaMP6s、RCaMP、jRGECO1aなどがある。
カルシウム蛍光プローブ以外の蛍光プローブとしては、例えば、膜電位感受性色素や膜電位感受性蛍光タンパク質がある。膜電位感受性色素には、Di-2-ANEPEQ、Di-4-ANEPPS、Di-8-ANEPPQ、Di-8-ANEPPS、Di-12-ANEPPQ、DiBAC4(3)、DiIC1(5)、DiOC2(3)、DiOC5(3)、DiOC6(3)、RH237、RH414、RH421、RH795、TMRE、TMRMなどがある。膜電位感受性蛍光タンパク質には、QuasAr2-mCitrineやQuasAr2-mRuby2、Ace1Q-mNeon、Ace2N-mNeon、FlicR1などがある。
その他のタンパク質の蛍光プローブとしては、GFP、YFP、Venus、RFP、tdTomato、BFP、CFP、iRFPなどの様々な色の蛍光タンパク質;iGluSnFRやiGABASnFRなどのグルタミン酸やGABAなどの神経伝達物質のセンサータンパク質;dLight1、GAChなどのドパミンやアセチルコリンなどの神経修飾物質センサータンパク質がある。
細胞の樹状突起やスパイン、シナプスなどの微小構造、細胞内のミトコンドリア、核、小胞体などのオルガネラを標識する蛍光プローブには、Synaptophysin-GFP、MitoTracker、Hoechst、DAPI、ER-GFP BacMam 2.0などがある。
さらに本発明では、光の照射によって誘起される分子として、蛍光プローブだけでなく、例えばラマンプローブや、試料自身がもともと有している内在性の分子などのあらゆる分子を用いることができる。内在性の分子からの発光は、自家蛍光、第2高調波、第3高調波、誘導ラマン散乱、コヒーレント反ストークスラマン散乱、4光波混合などがある。
また、上記の各実施形態では、観察対象となる試料が、マウスの脳であったが、脳以外の組織であってもよいし、あるいは植物の組織であってもよい。さらに、生体ではない試料を観察対象としてもよく、そのような試料として、半導体材料などの工業用試料が挙げられる。
本発明は、脳科学、創薬、医療用検査装置などの生化学分野の他、工業分野にも適用できる。例えば、半導体検査装置に本発明を適用することにより、半導体材料の検査時間短縮を図ることが可能となる。
1 励起光源
2 光切替器
2a ビームスプリッタ(第1の案内部)
2b ミラー
2c ミラー
2d ビームスプリッタ(第2の案内部)
2e 空間光変調器(変調部)
2f 空間光変調器(変調部)
2g チョッパー(選択部)
2h 偏光ビームスプリッタ(第1の案内部、第2の案内部)
2i 電気光学位相変調器(選択部)
2j 1/2波長板
2k 1/2波長板
2m 偏光ビームスプリッタ(第2の案内部)
2n 偏光ビームスプリッタ(第1の案内部)
2o 偏光ビームスプリッタ(第1の案内部)
2p ファラデー回転子
2q ファラデー回転子
2r 電気光学位相変調器(選択部)
2s 電気光学位相変調器(選択部)
2t 空間光変調器(変調部)
2u 空間光変調器(変調部)
3 チューブレンズ
4 チューブレンズ
5 y走査部(走査部)
6 x走査部(走査部)
7 走査レンズ
8 チューブレンズ
9 ダイクロックミラー
10 z走査部
10a 絞り
10b 対物レンズ
11 検出レンズ
12 光切替器
12’ 光切替器
12” 光切替器
20 検出部
100 観察装置
200 観察装置
A 開口
F1 焦点位置
F2 焦点位置
L 蛍光(信号光)
P1 断面
P2 断面
S 試料

Claims (6)

  1. 対物レンズを介して試料の互いに異なる複数の断面に光を照射することにより、該複数の断面を並行して観察する観察装置に適用され、光源からの光を、前記対物レンズを通過した場合の焦点位置が互いに異なる複数の光に変換し、前記複数の光を順次切り替えながら前記対物レンズに出射する光切替器であって、
    前記光源からの光を分割して複数の光路に案内する第1の案内部と、
    前記複数の光路に案内された光の発散角および光軸の少なくともいずれかを、前記光路ごとに異ならせる変調部と、
    前記複数の光路に案内された光の各々を、前記光切替器の出射部に案内する第2の案内部と、
    光が前記第1の案内部から前記第2の案内部へ到達可能な光路を、前記複数の光路から選択する選択部と、
    を備えたことを特徴とする光切替器。
  2. 前記第1の案内部は、前記光源からの光を分割して複数の光路に案内するビームスプリッタであり、
    前記選択部は、前記複数の光路のうち1の光路を切り替え可能に選択し、当該1の光路以外の光路を遮断するチョッパーであることを特徴とする請求項1に記載の光切替器。
  3. 試料の互いに異なる複数の断面を並行して観察する観察装置であって、
    前記試料内の分子または構造を可視化するための光を発生する励起光源と、
    前記光を光軸に交差する方向に走査する走査部と、
    前記光を前記試料内に収束させる対物レンズと、
    前記励起光源と前記対物レンズとの間に設けられ、前記励起光源からの光を、前記対物レンズを通過した場合の焦点位置が互いに異なる複数の光に変換し、前記複数の光を順次切り替えながら前記対物レンズに出射する光切替器と、
    前記光の照射によって発生した信号光を検出する検出部と、
    を備え、
    前記光切替器は、請求項1または2に記載の光切替器であることを特徴とする観察装置。
  4. 前記光切替器は、前記走査部が前記複数の断面の各々の走査を完了する度に、前記複数の光を切り替えることを特徴とする請求項に記載の観察装置。
  5. 前記光切替器は、前記検出部が前記複数の断面の各々の1ピクセルの前記信号光を検出する度に、前記複数の光を切り替えることを特徴とする請求項に記載の観察装置。
  6. 前記分子は、カルシウム蛍光プローブであり、
    前記光は、前記カルシウム蛍光プローブを誘起するレーザ光であることを特徴とする請求項からのいずれかに記載の観察装置。
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