JP7194352B2 - 自動車運行管理システム及び自動車運行管理システムに用いられる運行管理装置 - Google Patents

自動車運行管理システム及び自動車運行管理システムに用いられる運行管理装置 Download PDF

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Description

本発明は、自動車運行管理システム及びその自動車運行管理システムに用いられる運行管理装置に関する。
自動車運行管理システムには、特許文献1、特許文献2に示すようなものが提案されている。具体的には、特許文献1には、同一の車両によって複数種類の乗車形態での乗車便が提供される輸送サービスに関して、実現可能な乗車便群の部分集合のうち、所定条件を満たす部分集合ごとに、当該部分集合を構成する乗車便の選択確率が算出され、その算出された選択確率に基づいて、乗車便の組み合わせが選択され、選択された組み合わせが利用者に提示されるものが示されている。このものによれば、単に、乗車要求を満たすことが可能な乗車便を列挙する場合に比べて、経済的効果の向上を期待できる選択肢を利用者に提示することができる。特許文献2には、利用者に提示される乗車便の組み合わせの選択に際し、選択確率および将来に受信する乗車要求数の期待値に基づいて、利益の期待値又は効用の期待値が最大化される組み合わせが選択されるものが示されている。これよれば、輸送サービスの提供者の利益、又は利用者の効用の観点において望ましい乗車便の組み合わせを利用者に提示することができる。
ところで、地方では、高齢化、人口減少等、多くの問題を抱えており、交通空白地域においては、交通弱者は、通院や買い物等になくてはならない移動が奪われている。このため、交通空白地域の人々に必要不可欠な交通手段として、自家用自動車による有償運送が着目されている。
この自家用自動車による有償運送は、交通空白地域に、単に、必要不可欠な交通手段を
提供するだけでなく、豊かな地域の維持、創造を通じて地域の活性化を図る可能性を秘めており、その有効な活用が望まれている。このような観点から、地域住民の運送に当たり、同一車両内に多くの住民が同乗し、交流を図ることが好ましい。地域内の人と人とのつながりを生むことになり、地域の活性化を図ることができるからである。特に、知り合い関係にある住民同士や、親しい関係にある住民同士が同一車両に同乗すれば、より交流が促進される。このため、運行される車両毎に、その運行に先立ち、その車両の乗車予約者状況を具体的に公開し、乗車予約者との知り合い関係にある住民の自律的な乗り合いを促進することが考えられる。
特開2014-238831号公報 特開2016-085734号公報
しかし、乗車予約者の中には、運行車両を利用して出かけることを知られたくない者も存在し、上記のように、車両の乗車予約者状況を具体的に公開した場合には、そのような乗車予約者にとっては、運行車両の利用が知られ、その希望に沿えなくなる。また、車両の乗車予約者状況を具体的に公開することは、乗車予約者の自宅が留守になることを公にすることであり、空き巣等の侵入窃盗の発生を招くことになる。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、乗車予約者の個人情報を保護しつつ、自律的な乗り合いを促進することができる自動車運行管理システムを提供することにある。第2の目的は、その自動車運行管理システムに用いられる運行管理装置を提供することにある。
前記第1の目的を達成するために本発明にあっては、下記(1)~(4)とした構成とされている。
(1)運行が予定されていて乗客枠を複数有する運行車両について、該乗車枠に空きがある限り乗車予約を受け入れ、その乗車予約を行った乗車予約者が、その乗車予約を行った運行車両により運送される自動車運行管理システムにおいて、
前記運行車両の運行管理を行う運行管理装置と、該運行管理装置に対してアクセス可能とされているユーザ端末と、が備えられ、
前記運行管理装置が、
該運行管理装置に対して同一の運行車両についての乗車予約が行われる度に、該乗車予約を行う乗車予約者に予め設定された識別表示であって、該乗車予約者の個人情報に関係せず且つ少なくとも該乗車予約者により自己の特定に係るものとして認識されているものを、該同一の運行車両についての予約者状況配信情報として順次、記憶する記憶部と、
前記ユーザ端末が前記運行管理装置に対して前記同一の運行車両についての予約者状況の配信を要求したとき、その予約者状況に関し、前記記憶部に記憶される前記同一の運行車両だけについての予約者状況配信情報だけを配信すると共に、該同一の運行車両に対する乗車予約を行うための乗車予約表示情報を配信する配信部と、を備え、
前記ユーザ端末には、該ユーザ端末が前記同一の運行車両についての予約者状況配信情報の配信を受けたとき、該同一の運行車両についての予約者状況配信情報をなす前記識別表示の一覧を表示する表示部が備えられ、
前記ユーザ端末の表示部には、該表示部に前記識別表示の一覧が表示されたときに、前記乗車予約表示情報に基づき、前記同一の運行車両に対する乗車予約を行うための乗車予約表示も表示される構成とされている。
この構成によれば、乗車予約者自身が、自己の特定に係る識別表示について、知り合い関係にある者、親しい関係にある者等(仲間)、不都合な関係にある者以外の者に知らせる傾向にあること、また、仲間から仲間への伝達によって、その識別表示が誰を特定するものであるかが知られる傾向にあることを利用して、ユーザは、ユーザ端末に表示される識別表示の一覧を見ることにより仲間の識別表示の存在を確認したときには、仲間の乗車予定を知ることができる。これにより、その仲間との交流を深めるために同一運行車両への自律的な乗り合いが促される。
他方、識別表示が乗車予約者の個人情報に関係しないものであることから、乗車予定者が、基本的に、識別表示が自己を特定するものであることを第三者に話さない限り、その識別表示が誰を特定しているかは誰にも知られない。このため、当該運行車両を利用することも、当該運行車両を利用することにより自宅を留守にすることも、知られることはない。このため、乗車予約者の個人情報を基本的に保護することができる。
また、前記ユーザ端末の表示部には、該表示部に前記識別表示の一覧が表示されたときに、前記同一の運行車両に対する乗車予約を行うための乗車予約表示も表示される構成とされていることから、仲間の存在を示す識別表示が見つけられたときには、同一の運行車両において、自律的な乗り合いが誘起されることになり、そのときには、乗車予約表示(選択スイッチ)を用いることにより乗車予約を迅速に行うことができ、同一の運行車両への乗り合いの便宜を図ることができる。
(2)前記(1)の構成の下で、
前記乗車予約者が会員登録者でもあり、
前記乗車予約者に予め設定された識別表示が、前記会員登録者に設定された識別表示であり、
前記運行管理装置の記憶部が、前記会員登録者に関する会員情報と共に、該各会員登録者に設定された識別表示を、記憶するようにされ、
前記運行管理装置には、該運行管理装置に前記同一の運行車両についての乗車予約情報が入力される毎に、該乗車予約情報に係る会員登録者の前記識別表示を前記記憶部の記憶情報から引き出して、該識別表示を、前記同一の運行車両についての予約状況配信情報として該記憶部に順次、記憶させる配信情報作成部が設けられている構成とされている。
この構成によれば、会員情報と識別表示とが記憶部に記憶されている状況の下で、会員登録者が乗車予約を行えば、その記憶部に記憶されている会員情報と識別表示とを有効に利用して、乗車予約者情報の入力(会員登録者でもある乗車予約者の特定)に伴い、識別表示だけを、同一の運行車両についての予約状況配信情報として記憶部に順次、記憶させることができ、ユーザは、ユーザ端末の表示部を通じて、具体的且つ的確に識別表示の一覧を見ることができる。
(3)前記(1)又は(2)の構成の下で、
前記運行管理装置は、入会書面提出に基づく関係者の情報処理装置からの入力手続き又は会員登録希望者によるユーザ端末からの入力手続きにより、会員登録及び該会員登録に基づく会員情報が前記記憶部に記憶するようにされ、
前記運行管理装置が、前記会員登録に伴い、保有する多数の異なる記識別表示の中から一つの識別表示を選択して、その識別表示情報を、該運行管理装置の記憶部に該会員登録に関連付けた状態で記憶すると共に、前記関係者の情報処理装置又は前記ユーザ端末に配信するように設定されている構成とされている。
この構成によれば、会員登録及びその会員登録に基づく会員情報を記憶部に記憶するに際して、書面の提出を含む種々の手段が利用できるばかりか、その会員登録に伴い、その会員登録者は、何等負担を課されることなく識別表示を得ることができる。
(4)前記(1)~(3)のいずれかの構成の下で、
前記識別表示が、図形、記号及び文字の少なくとも一つを含んで構成されている構成とされている。
この構成によれば、図形、記号及び文字が、記憶、扱い易さの点で優れている一方、自己の個人情報を想起しにくいことから、当該識別表示として好ましいものを提供できる。
前記第2の目的を達成するために本発明にあっては、下記(5)、(6)とした構成とされている。
(5)運行が予定されていて乗客枠を複数有する運行車両について、該乗車枠に空きがある限り乗車予約を受け入れ、その乗車予約を行った乗車予約者が、その乗車予約を行った運行車両をもって運送される自動車運行管理システムに用いられる運行管理装置において、
同一の運行車両についての乗車予約を行うための乗車予約情報が入力される度に、該乗車予約を行う乗車予約者に予め設定された識別表示であって、該乗車予約者の個人情報に関係せず且つ少なくとも該乗車予約者により自己の特定に係るものとして認識されているものを、該同一の運行車両についての予約者状況配信情報として順次、記憶する記憶部と、
ユーザ端末が前記同一の運行車両についての予約者状況の配信を要求したとき、その予約者状況に関し、前記記憶部に記憶される前記同一の運行車両だけについての予約者状況配信情報だけを配信すると共に、該同一の運行車両に対する乗車予約を行うための乗車予約表示情報を配信する配信部と、を備えている構成とされている。
この構成によれば、前述の(1)において用いられる運行管理装置として好ましいものを提供できる。
(6)前記(5)の構成の下で、
前記乗車予約者が会員登録者でもあり、
前記乗車予約者に予め設定された識別表示が、前記会員登録者に設定された識別表示であり、
前記会員登録者に関する会員情報と共に、該各会員登録者に設定された識別表示を、記憶するようにされ、
しかも、前記同一の運行車両についての乗車予約情報が入力される毎に、該乗車予約情報に係る会員登録者の前記識別表示を前記記憶部の記憶情報から引き出して、該識別表示を、前記同一の運行車両についての予約状況配信情報として該記憶部に順次、記憶させる配信情報作成部が設けられている構成とされている。
この構成によれば、前述の(2)において用いられる運行管理装置として好ましいものを提供できる。
本発明によれば、乗車予約者の個人情報を保護しつつ、自律的な乗り合いを促進することができる自動車運行管理システム及びその自動車運行管理システムに用いられる運行管理装置を提供できる。
定時定路運行が行われる路線例を説明する説明図。 デマンド運行が行われる路線例を説明する説明図。 実施形態に係る運行管理サービスサイトと関係者等との関係を示す概念図。 運行管理者端末で表示される管理画面の一つを示す図。 ユーザ端末に表示される乗車予約申請の内容の下で、乗車予約(送信)を行う状態を示す図。 ユーザ端末に届く運行車両の到達時刻通知等を示す図。 ドライバー端末に表示される8月における担当日確認表示を示す図。 ドライバー端末に届く担当日前日通知を示す図。 実施形態に係る自動車運行管理システムの機能構成の概略を示すブロック図。 管理サイトにおける演算制御部が、管理情報作成部を構成している状態を概念的に示す図。 管理用端末に表示される管理情報としての予約者情報と、ユーザ端末に表示される予約者状況配信情報としての識別情報の一覧とを比較して示す図。 管理サイトでの新規会員登録を行うための制御例を示すフローチャート。 乗車予約申請を行われた場合における管理サイトでの制御例を示すフローチャート。 同一車両についての乗車予約者状況の閲覧請求が行われた場合におけるユーザ端末での制御例を示すフローチャート。 図14の続きを示すフローチャート。 同一車両についての乗車予約者状況の閲覧請求が行われた場合における運行管理サービスサイトでの制御例を示すフローチャート。 図16の続きを示すフローチャート。
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。
本実施形態においては、交通空白地域での車両の運行に用いられる自動車運行管理システムを例にとって説明する。
先ず、車両の運行が行われる地域内容、及びその地域で行われる車両運行の基本的内容について、説明する。
図1は、車両運行の一態様である定時定路線運行が行われる路線例を示すものである。図1中、D1は、片道1車線(往復で2車線)の道路である。この道路D1は、鉄道路線Rにおける所定の駅Raを通るもので、この地域ではメインの道路となっている。駅Raの周辺が、この地域で唯一の繁華街となっており、そこには、役場、学校等の公的施設の他、病院や歯医者等の医療施設、スーパマーケット、コンビニエンスストア、カラオケ店等々の商業施設や娯楽施設が存在している。
道路D1に対しては、駅Raから離れた位置において、道路D2、D3が連なっている。道路D2、D3は、往復で1車線の対面通行用とされたローカルな道路となっている。この道路D2,D3沿いの地域は、山間部にあって、周囲の殆どが山や丘となる辺鄙な地域となっている。
道路D2のうち、道路D1から遠く離れた位置において、複数の集落A1~A3が存在している。集落A1~A3は、駅Raから10km以上離れた離村となっている、道路D3は、行き止まりとなっていて、行き止まりの位置には、集落A1~A3の住民等が集うイベント会場(広場)A4が設けられている。
集落A1~A3に居住する住民の総数は、数百名程度であるが、高齢者の割合が大きいものであり、自動車の運転をできない者も多数存在する状況となっている。そして、道路D2(つまり集落A1~A3の住民)においては、公営バスの運行はされていないものである。
集落A1~A3の住民の交通の便を図るために、後述するように、定時定路線運行とデマンド運行とを行うこととなっている。定時定路線運行は、定時に決まった路線を走行するものである。定時定路線運行の停留所が、S1~S7として示される。停留所S1は、出発点となるもので、集落A1の住民用である。停留所S2は、集落A2の住民用である。停留所S3は、集落A3の住民用である。
停留所S4は、道路D2がメインの道路D1と交差する位置に設定されている。停留所S5は、小学校や中学校のある位置付近に設定されている。停留所S6は、役場付近の位置に設定されている。停留所S7は、定時定路線運行の終点で、駅Ra付近に設定されている。このように、定時定路線運行の路線は、停留所S1から、S2、S3、S4、S5、S6を経て、終点のS7へ到達する経路とされる。帰りの便は、上記とは逆の経路をたどることになる。なお、定時定路線運行の運行便数は、例えば、往復共に、例えば朝2便、昼1便、夕方2便とされている。
定時定路線運行の変形として、臨時運行(臨時便)が適宜行われる。この臨時運行は、イベント会場A4で催し物(例えば盆踊り、花火大会、芋煮会等)が開催されるときにのみ行われる。この臨時運行の経路は、停留所S1から、S2,S3,S4を経て、停留所S8へ至る経路とされる(復路はこの逆)。臨時運行は、イベント開催日に、あらかじめ設定された定時に停留所S1を出発する便とされる。
臨時運行を含む定時定路線運行およびデマンド運行は、住民同士の結束(協力)によって行われる。まず、運行を行う運行用車両は、集落A1~A3の住民が保有する自家用車を利用する他、自治体の補助や企業からの寄付等で管理を任された専用車両が用いられる。運行用車両の台数は、少なくとも2台以上とされ、好ましくは10台程度が用意される。
運行用車両の運転を行うドライバーは、集落A1~A3の住民から選ばれた者とされる。ドライバ一として選択されるには、あらかじめ事前講習(例えば半日~1日程度の講習)を受けた者であることを条件とされる。すなわち、講習内容としては、例えば、安全運転に関する知識と実技の講習、乗客(特に高齢者や幼児)に対する運行用車両への乗り降りの補助の仕方に関する講習、ドライバーに要求される運行管理に関する知識ややり方等についての講習等がある。講習を修了したドライバーは、運行用車両の運転者として、登録(氏名、住所、年齢、性別、電話番号、運転する運行用車両の種別等の登録)される。
図2は、デマンド運行が行われた場合の一例を示すものである。図2中P1は、デマンド運行を乗車予約した乗客であり、P2、P3は、この乗車予約されたデマンド運行(の運行用車両)に相乗りを希望した乗客である。デマンド運行は、乗客の希望に応じた出発地と目的地と経路とを自由に選択できる。図2では、乗車予約した乗客P1の自宅(付近)を出発地として、乗客P2の自宅付近、乗客P3の自宅付近を経由して、停留所S4方向に向かう場合が示される。
乗客P1の最寄りの停留所はS2であり、乗客P1の自宅から停留所S2までの徒歩での移動経路α1が破線で示される。同様に、乗客P2の最寄りの停留所はS3であり、乗客P2の自宅から停留所S3までの徒歩での移動経路α2が破線で示される。乗客P3の最寄りの停留所もS3であり、乗客P3の自宅から停留所S3までの徒歩での移動経路α3が破線で示される。
乗客P1~P3にとって、最寄りの停留所までの移動時間あるいは移動距離が長い場合は、停留所までの歩行が大変となる。このため、停留所までの歩行を避けるために、デマンド運行を要求する可能性(必要性)が高いものとなる。デマンド運行を利用するときの
料金は、定時定路線運行を利用するときの料金よりも割高となるが、停留所までの移動時間や移動距離を考慮して、定時定路線運行を利用するか、デマンド運行を利用するか判断されることになる。
ここで、定時定路線運行あるいはデマンド運行を利用するときの料金体系の一例について説明する。まず、定時定路線運行を利用するときは、利用距離に応じた金額のみで、単位距離あたりの料金がE1(E1×利用距離)とされる。これに対して、デマンド運行を当初に乗車予約した乗客P1の利用料金は、利用距離に応じた金額が上記料金E1よりも若干割高な料金E2とされると共に、定額の基本料金EB2が別途徴収される(合計料金は、EB2+E2×利用距離)。さらに、デマンド運行に相乗りを希望した乗客P2,P3の 利用料金は、上記E2のみとされる(基本料金EB2が不要)。このように、定時定路線運行を利用する場合がもっとも安価であり、デマンド運行を当初に乗車予約した場合の料金 がもっとも高価であり、デマンド運行に相乗りする場合の料金が中間の料金となる。勿論、上記した料金は一例であって、適宜設定できるものである。
上記車両の運行には、図3に示すように、自動車運行管理システム1が用いられている。その自動車運行管理システム1においては、図3で概念的に示すように、管理サイト(運行管理装置(具体的には情報処理装置としての管理サーバ))2を中心として、その管理サイト2に、管理者3、ユーザ(利用者)4、ドライバー5からなる各関係者、車両6が関わることになる。
運行管理サービスサイト2は、管理サーバとして、車両6の運行において中核をなすものである。この管理サイト2は、上記各関係者3~5からの端末を通じた要求に対して、それに応じたものを返答する。その返答において、車両6の運行ルートを演算することが関係者(管理者3)に要求された場合には、管理サイト2は、ルート演算サービスサイト7にその演算を依頼し、その結果を、要求した関係者3の端末に送ることになる。
管理者3は、管理用端末8(管理者用情報処理装置)を介して管理サイト2との間で情報のやり取りを行うことができる。管理者3は、その管理用端末8を介して管理サイト2との間で情報のやり取りを行うことにより、車両6の運行サービス全般の管理や、車両6運行中の状況情報の把握を司ることになっており、具体的には、管理用端末8を通じて、情報の管理(利用者(ユーザ)IDの登録、修正、取消、運行車両6の登録、修正、取消)、運行便の管理(運行便の作成、修正、取消、運行便の公開)、予約の管理(予約の受付、修正、取消)、運行の管理(運行状況の表示(進捗やトラブル)、運行履歴の表示、抽出)が行われる。図3には、管理用端末8と管理サイト2との間の代表的な情報のやり取りとして、管理用端末8から管理サイト2に対して各種登録情報が送られること、管理サイト2から管理用端末8に運行状況の確認情報が提供されることが示されている。また、図4には、管理用端末8が管理サイト2から管理情報(運行管理情報、ドライバー管理情報、車両管理情報、ユーザ管理情報、運行状況情報)を受け取って、その閲覧に基づき管理できることが示されている。この管理者は、例えば役場の職員や、集落A1~A3の住民の中から推薦等によって選ばれた者等、地域事情、地域の居住者状況等を通常の住人よりもよく知っている者が担当している。
この場合、一般的にITリテラシーが低いユーザ(特に高齢者)4Sを考慮して、管理者3は、電話12、書面、直接的な口頭伝達等を通じて、そのようなユーザ4Sから利用者登録、車両6の乗車予約等の依頼を受け付けた場合には、そのような依頼に基づき、管理者3は、その依頼に基づく手続きを管理用端末8を通じて管理サイト2に対して行う。
ユーザ4は、ユーザ端末9(ユーザ端末)を介して管理サイト2との間で情報のやり取りを行うことができる。ユーザ4は、ユーザ端末9を介して管理サイト2との間で情報の
やり取りを行うことにより、乗車予約の申請や確認、当日の車両6の運行状況の確認等を行うことができ、具体的には、ユーザ端末9を通じて、予約の申請(運行便の閲覧、乗車予約の申請、取消、予約完了通知の受領)、乗車予約の確認(乗車予約の閲覧、乗車前日の通知)、運行車両6の運行状況の把握(予約した運行便の運行状況の確認、到着予想時刻の表示、到着直前の通知)が行われる。
図3には、ユーザ端末9と管理サイト2との間の代表的な情報のやり取りとして、ユーザ端末9から管理サイト2に対して乗車予約申請情報が送られること、管理サイト2からユーザ端末9に乗車予約確定通知、乗車前日通知の確認情報が提供されることが示されている。また、図5には、ユーザ端末9を利用して、運行便の乗車予約を行う状態が示され、図6には、乗車予約した車両6の到着予想時刻等が送られてきた状態を示している。
尚、図5中、符号9Daは、予約申請を行うための「予約申請表示(選択スイッチ)」であり、符号4aは、「予約申請表示」をタッチして選択する状態のユーザ4の手を示す。
ドライバー5は、ドライバー端末10(ドライバー用情報処理装置)を介して管理サイト2との間で情報のやり取りを行うことができる。ドライバー5は、ドライバー端末10を介して管理サイト2との間で情報のやり取りを行うことにより、運転担当に関する確認を行うことができ、具体的には、ドライバー端末10を通じて、運転担当日(シフト)の確認、運転前日の通知等が行われる(図3参照)。その具体的表示例として、図7には、ドライバー端末10において、運転担当日(シフト)の確認情報が表示された状態が示され(●は担当日を示す)、図8には、ドライバー端末10に、担当運転日の前日通知が届いた状態が示されている。このドライバー5については、前述の登録内容(氏名、住所、年齢、性別、電話番号、運転する運行用車両の種別等)が管理サイト2に登録(記憶)される。
車両6(運行車両6)には、車載端末(車両用情報処理装置、例えばタブレット端末)11が据え付けられている。この車両6を運転するドライバー5は、車載端末11を介して管理サイト2との間で情報のやり取りを行うことができ、ドライバー5は、このドライバー端末10により、管理サイト2に対して運行状況の登録(出発登録、乗車完了登録、降車完了登録)、トラブル発生の登録、自車位置情報の送信等を行うことができる。
上記管理サイト2、管理用端末8、ユーザ端末9、ドライバー端末10及び車載端末11の各機能は、図9に示すシステム構成図により実現される。
管理サイト2には、コンピュータとしての機能を確保すべく、記憶部2Aと、演算制御部2Bと、通信部2Cとが備えられ、管理用端末8、ユーザ端末9、ドライバー端末10及び車載端末11においても、同様に、それぞれ、記憶部8A,9A,10A,11Aと、演算制御部8B,9B,10B,11Bと、通信部8C,9C,10C,11Cとが備えられている。また、管理用端末8、ユーザ端末9、ドライバー端末10及び車載端末11には、表示部8D,9D,10D,11Dが備えられており、そのうち、表示部9D,10D,11Dは、タッチパネル(タッチ式入力装置)とされている。管理用端末8については、パーソナルコンピュータが利用されていることから、キーボード、マウス等の入力装置8Eが用いられている。尚、各記憶部8A,9A,10A,11Aには、必要なプログラム(アプリケーション、ソフトウェア)が格納されており、それを演算制御部8B,9B,10B,11Bが読み込むことにより、管理サイト2と管理用端末8等(ユーザ端末9、ドライバー端末10及び車載端末11)との間での情報のやり取りが簡単に行えることになっている。
より具体的には、上記管理サイト2及びユーザ端末9における各要素2A~2C、9A~9Dは、次のような構成とされている。
管理サイト2においては、通信部2Cが、管理用端末8、ユーザ端末9、ドライバー端末10及び車載端末11の各通信部8C,9C,10C,11Cとの間でそれぞれ通信可能となっており、管理サイト2は、管理用端末8、ユーザ端末9、ドライバー端末10及び車載端末11との間で情報のやり取りを行うことができることになっている。記憶部2Aは、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の記憶素子をもって構成され、その記憶部2Aには、必要な各種プログラムとして、新規の会員(利用者)登録、乗車予約に関するもの等が格納され、必要な情報として、会員登録に伴う会員情報とその会員情報に関連付けられた会員独自の識別表示情報、多数の異なる識別表示情報、同一車両6についての乗車予約者(会員)の予約情報、その乗車予約者状況配信情報等が記憶される。各種プログラム等は、必要に応じて、演算制御部2Bにより読み出され、また、必要な情報が記憶部2Aに適宜、記憶される。演算制御部2Bは、CPU(Central Processing Unit)をもって構成されており、演算制御部2Bは、記憶部2Aから読み出されたプログラムに基づき、図10に示すように、管理情報作成部2Ba、配信情報作成部2Bbとして機能する。
ユーザ端末9においては、記憶部9Aには、必要なプログラム(アプリケーション、ソフトウェア)として、同一の運行車両6に対する乗車予約を行うもの等、管理サイト2との間で情報のやり取りを簡単に導くためのものが格納されている。演算制御部9Bは、演算制御部2B同様、CPU(Central Processing Unit)をもって構成されており、演算制御部9Bは、記憶部9Aから読み出されたプログラムの下で、管理サイト2に対して所定の送信、受信制御を行う。
上記自動車運行管理システム1においては、会員登録がなされた後に、ユーザ4が、運行車両6についての乗車予約の申請、その運行車両6(同一車両)の乗車予約者状況について閲覧請求を行うことができ、管理サイト2は、その乗車予約の申請、乗車予約者状況の閲覧請求に対して、それに応じた情報をユーザ端末9に送ることになっている。
この場合、ユーザ4による乗車予約者状況の閲覧請求に対して、管理サイト2は、図形、記号及び文字の少なくとも一つを含んで構成されている識別表示だけを送ることになっており、本実施形態においては、その識別表示は、会員登録時に、その会員登録者に管理サイト2により付与されることになっている。その識別表示としては、乗車予約者の個人情報に関係せず且つ少なくともその乗車予約者により自己の特定に係るものとして認識されているもの(付与時に管理サイト2が提示)が用いられることになっており、図11に示すように、管理用端末8では、同一運行車両6についての乗車予約者21の名前21aが表示されるのに対して(例えば[田中太郎]「「山田一郎」等」)、乗車予約者状況の閲覧請求をしたユーザ端末9においては、その各乗車予約者21に対応した識別表示22(「田中太郎]「「山田一郎」等に対応する識別表示22」」だけが表示されることになる。
これにより、仲間の識別表示22の存在を確認したときには、仲間の乗車予定を知ることができ、その仲間との交流を深めるために同一の車両6への自律的な乗り合いが促される。この場合、乗車予約者自身が、自己の特定に係る識別表示22について、知り合い関係にある者、親しい関係にある者等(仲間)、不都合な関係にある者以外の者に知らせる傾向にあり、また、仲間から仲間への伝達によっても、その識別表示22が誰を特定するものであるかが知られる傾向にあることが、識別表示22が仲間内に知られることに利用される。
他方、識別表示22が乗車予約者の個人情報に関係しないものであることから、乗車予
定者が、基本的に、識別表示22が自己を特定するものであることを第三者に話さない限り、その識別表示22が誰を特定しているかは誰にも知られない。このため、当該運行車両6を利用することも、運行車両6を利用することにより自宅を留守にすることも、知られることはない。このため、個人情報を基本的に保護することができる。
またこの場合、ユーザ端末9には、図11に示すように、上記識別表示22の一覧と同じページにおいて、選択スイッチとして、乗車予約を行うための「予約」表示9E1、乗車予約を取消すための「取消」表示9E2、制御処理を終了するための「終了」表示が表示されている。これにより、識別表示22の一覧を見ながら、直ちに、乗車予約等の次の手続きに移ることができることになる。
上記制御概要の具体的制御例を、図12~図17に示すフローチャートを参照しつつ説明する。図12~図17において、符号R,T,U,Qはステップを示す。
(1)この自動車運行管理システム1においては、ユーザ4(ユーザ端末9)が会員登録(利用者登録)されて、その会員情報が管理サイト2の記憶部2Aに記憶される必要がある。このため、会員登録を希望する希望者の手続きに対して管理サイト2は、図12に示すフローチャートに示す制御例を実施する。
管理サイト2は、会員未登録者が会員になることを考慮しており、管理サイト2に会員未登録者がアクセスした際には、そのアクセス画面に表示される「会員登録申請表示(選択スイッチ)」(図示略)を利用して、会員未登録者が会員登録申請書を要求しているか否かを判別し、その要求があると判断したときには、その会員未登録者に会員登録申請書表示を配信する(R1,R2)。
次のR3においては、会員登録申請書表示に所定事項が会員未登録者により記入され、それが送り返されてきたか否かを判別し、その返信(承諾表示スイッチの選択)をもって会員登録申請があったと判断する。このR3の判別により会員登録申請がなされたと判断したときには、管理サイト2は、その際の会員情報(会員登録情報)と、その会員特有の識別表示22とを、互いに関連付けた状態で記憶部2Aに記憶する(R3,R4)。識別表示22は、会員を特定する独自のものであって、その会員の個人情報とは無関係のものであり、この識別表示22は、管理サイト2により、保有する多くの異なる識別表示22の中からその一つが発行される(図11参照)。またこれに伴い、会員登録者となった者(ユーザ)の端末(ユーザ端末9)に会員登録の完了通知がなされると共に、識別表示22が、その会員登録者となった者(ユーザ4、ユーザ端末9)に知らしめるべく送信される(R5)。尚、会員ID、パスワード等については、会員登録後、別途、書面により会員登録者に送られる。
この会員登録については、高齢のユーザ4Sを考慮し、紙の会員登録申請書を管理者3に提出し、管理者3が、そのユーザ4Sに代わって、管理用端末8により会員登録申請を行うこともできることになっている。このとき、当該ユーザ4の会員登録完了通知及び識別表示22が管理用端末8に送られることになるが、その情報は、管理者3が書面をもって当該ユーザ4Sに知らせることになる。
(2)会員登録がなされると、以後、ユーザ4(会員)は、図13に示すように、運行車両の乗車予約申請を行うことができ、そのユーザ4による乗車予約申請に対して、管理サイト2は、次のように動作する。すなわち、管理サイト2は、ユーザ4による乗車予約の申請を待ち、乗車予約の申請があると、ユーザ4が会員であることが認められることを前提に(会員ID,パスワード等の確認)、乗車の予約申請内容を読み込む(T1,T2)。
予約申請内容を管理サイト2が読み込むと、管理サイト2は、その内容と、管理サイト2の記憶部2Aに記憶された会員情報とを比較し、ユーザ4の会員情報及び識別表示22を特定する(T3)。そして、管理サイト2は、その管理情報作成部2Ba(演算制御部2B)が予約申請内容を管理情報として記憶部2Aに記憶させる一方(T4)、その配信情報作成部2Bb(演算制御部2B)が、その記憶部2Aからユーザ4(会員)の識別表示22引き出して、それを予約者状況配信情報として記憶部2Aに記憶させる(T5)。これに対して、ユーザ4の会員情報等を特定することができないときには(T3がNO)、この予約申請に関する乗車予約申請に関する制御は終了する。
勿論この場合も、高齢のユーザ4を考慮し、管理者3に、電話12、書面により乗車予約申請を行うことができることになっており、その場合には、その内容を管理者3が管理サイト2に管理用端末8を介して手続きをすることになる。
(3)同一の運行車両6に関して乗車予約がなされている下では、図14、図15に示すように、会員としてのユーザ4(ユーザ端末9)は、その同一運行車両6における予約者状況を閲覧することができる。具体的には、ユーザ端末9に導入設定されているアプリケーション(アプリ)が起動されると、そのアプリに基づきユーザ端末4は管理サイト2へアクセスし、そのユーザ端末4には、会員ID、パスワード等の入力情報等を要求する入力画面が表示される(U1~U3)。
ユーザ端末9に表示される入力画面に対して会員ID,パスワード等の入力情報を入力し、自分自身(ユーザ4)が会員であることを特定すると、ユーザ端末9には、メニュ画面が表示される(U4~U6)。メニュ画面には、運行予定状況の欄があり、それを選択(要求)すると、その各運行車両6の運行予定状況(リスト)がユーザ端末4に表示される(U7、U8)。さらにこの運行予定状況のうち、特定の運行便を選択すると、その特定された同一の運行車両6について、乗車予約を行った乗車予約者全員の識別表示22の一覧(予約者状況配信情報)がユーザ端末9に表示される。このとき、各乗車予約者21の名前21aはユーザ端末9には表示されない(U9、U10、図11参照)。
次のU11においては、ユーザ4が、ユーザ端末9に表示される「終了」表示9E3の選択によりアプリの作動を終了することを選択したか否かが判別される。上記識別表示22の一覧をユーザ4が見て、乗車予約者に興味がないとき又はわからないとき等を考慮したためである。ユーザ4がアプリの作動を終了することを選択したときには(U11がYES)、この乗車予約者状況の閲覧制御が終了される一方、ユーザ4がアプリの作動を終了することを選択しないときには(U11がNO)、ユーザ4は、「予約」表示9E1により乗車予約を選択することができる。識別表示22の一覧を見ることにより乗車予約者に関心を抱いたユーザ4が、直ちに乗車予約手続きをすることができるようにするためである。このため、ユーザ4が乗車予約を選択したときには(U12がYES)、ユーザ4は、入力済み予約申請書表示(全てが自動的に記入されてその返信(承諾表示スイッチの選択)により乗車予約を行ったとするもの)が送られてくることを待ち、それを受け取ったときには、その返信(送信)により乗車予約の最終的選択を行うことができる(U13、U14)。この場合、その返信による乗車予約の最終的選択を行わない間は、乗車予約のキャンセルを行わない限り、そのユーザ4による選択を待ち続けることになる。ユーザ4が、返信による乗車予約の最終的選択を行ったときには、管理サイト2から乗車予約の完了通知を受け取り(U16)、その後、ユーザ端末9のアプリを終了させない限り、所定時間経過後に、その乗車予約が反映された識別表示22の一覧ページに戻ることになる(U17、U18、U10)。
前記予約申請書表示がユーザ端末9に送られてこないときは(U13がNO)、乗車予
約条件を満たさないときであり(乗車満員又は予約済み)、そのときには、ユーザ端末9は、乗車予約の不可表示を受け取り(U19)、その後、前記U17に進む。
前記U12において、ユーザ4が乗車予約もしないときには、U20において、ユーザ4が乗車予約の取消を選択したか否かが判別される。識別表示22の一覧を見て、既になされている乗車予約を取消す場合を考慮したためである。このため、乗車予約の取消を選択しない場合には、前記U10の識別表示22の一覧ページに戻される一方、ユーザ4が乗車予約の取消を選択した場合には、入力済み予約取消確認画面(全てが自動的に記入されてその返信(承諾表示スイッチの選択)により乗車予約取消を行ったとするもの)が送られてくることを待ち(U20、U10、U21)、その予約取消確認画面を受け取ったときには、その返信(送信)により乗車予約取消の最終的選択を行うことができる(U22)。この場合、その返信による乗車予約取消の最終的選択を行わない間は、その乗車予約取消のキャンセルを行わない限り、そのユーザ4による選択を待ち続けることになる。ユーザ4が、返信による乗車予約取消の最終的選択を行ったときには、管理サイト2から乗車予約取消の完了通知を受け取り(U24)、その後、ユーザ端末9のアプリを終了させない限り、所定時間経過後に、その乗車予約取消が反映された識別表示22の一覧ページに戻ることになる(U17、U18、U10)。
前記乗車予約取消確認画面が送られてこない場合には(U21がNO)、乗車予約取消の不可表示が管理サイト2からユーザ端末9に送られてくる(U25)。このときは、乗車予約取消が不可な状態(未予約)にあるからである。この後、前記U17に進むことになる。
(4)上記ユーザ端末9における動作に対して、管理サイト2は、図16、図17に示すように、対応した動作を行う。
管理サイト2は、ユーザ端末4からアクセスがあると、そのユーザ端末4に、会員ID、パスワード等の入力情報等を要求する入力画面を送信(入力情報要求)する(Q1、Q2)。その入力画面に入力されたものがユーザ端末9から返信されると、そのユーザ端末4による入力情報を読み込み、そのユーザ4が会員であることを特定する(Q4,Q5)。
ユーザ4が会員であることを特定すると、メニュ画面をユーザ端末9に送信し(Q6)、その中の運行予定状況情報の要求をユーザ端末9から待ち、その要求があると、運行予定状況情報(リスト)をユーザ端末9に送信する(Q7,Q8)。次いで、その運行予定状況情報の中の特定運行便情報について、ユーザ端末9からの要求を待ち(Q9,Q10)、その要求があったときには、管理サイト2の通信部(配信部)2Cが、その特定運行便における予約者状況を示す予約者状況配信情報をユーザ端末9に送信する(Q11)。この予約者状況配信情報は、前述したとおり(図11参照)、識別表示22の一覧だけからなり、その識別表示22により、乗車予約者の個別情報を保護しつつ、同一運行車両6への同乗(乗合)を促すことができることになる。
予約者状況配信情報をユーザ端末9に送信した後は、Q12において、同じ表示ページに表示される「予約」表示9E1により乗車予約申請が行われたか否かを判別する。そして、乗車予約申請が行われたと判断したときには、乗車予約条件(乗車人数が満員になっておらず且つ未予約)を満たすことを条件に、当該運行車両6についての予約申請書(全てが自動的に記入されてその返信(承諾表示スイッチの選択)により乗車予約を行ったとするもの)をユーザ端末9に送信し(Q13、Q14)、その返信(申請確定)を待ち(Q15,Q16)、その返信がきたときには、乗車予約の完了通知をユーザ端末4に送信する(Q17)。他方、前述のQ13がNOとされて、乗車予約条件を満たさないと判断
したときには、当該運行車両6についての乗車予約不可表示をユーザ端末4に送信し、乗車予約者状況の閲覧制御を終了する(Q13,Q18)。
Q12において、ユーザ4が乗車予約申請をしないときには、Q19において、ユーザ4が乗車予約の取消申請を選択したか否かを判別する。このため、ユーザ4が乗車予約の取消申請を選択しないと判断したときには、前記Q12の識別表示22の一覧ページに戻される一方、ユーザ4が乗車予約の取消申請を選択したと判断したときには、ユーザ4が予約済みであることを確認した上で(Q20)、入力済み予約取消確認画面(全てが自動的に記入されてその返信(承諾表示スイッチの選択)により乗車予約取消を行ったとするもの)を送信する(Q21)。そのユーザ4からの返信を待ち(Q22,Q23)、その予約取消確認画面を受け取ったときには、その返信(承諾表示を選択)をもって乗車予約取消の最終的選択が行われたと判断し、乗車予約の取消完了通知をユーザ端末9に送信する(Q24)。他方、前記Q20がNOと判断したときには、乗車予約自体を行っていないことから、ユーザ端末9に乗車予約取消不可表示を送信し(Q25)、乗車予約者状況の閲覧制御を終了する。
以上実施形態について説明したが本発明にあっては次の態様を包含する。
(1)乗車予約を行う乗車予約者に予め設定された識別表示22については、乗車予約に先立ち、所定の手続きを経て、自己の特定に係るものとして、その識別表示22の提示を受けると共に、その識別表示22情報をユーザ端末9に組み込んでもらい、ユーザ端末9が管理サイト2に乗車予約のためにアクセスする度に、その管理サイト2がユーザ端末9から識別表示22情報を引き出し、それを記憶部2Aに予約者状況配信情報として記憶すること。
(2)乗車予約を行う乗車予約者に予め設定された識別表示22については、乗車予約に先立ち、所定の手続きを経て、管理サイト2が、その乗車予約者のための識別表示22を、その乗車予約者のユーザ端末9の識別情報と関連付けて記憶する一方、そのユーザ端末9には、管理サイト2に乗車予約のためにアクセスする度にその管理サイト2により読み取ることができる識別情報を組み込むこと。勿論この場合においても、所定の手続きを経た後、ユーザ(乗車予定者)には、自己の特定に係るものとして、識別表示22が提示される。
(3)管理サイト2が提供する多数の異なる記識別表示22の中から、ユーザ4が選択した一つを、そのユーザの識別表示22とすること。
本発明は、同一運行車両において、個人情報を保護しつつ、自律的な乗り合いを促進するために利用できる。
1 自動車運行管理システム
2 管理サイト(運行管理装置)
2A 管理サイトの記憶部
2B 管理サイトの演算制御部(配信部、配信情報作成部)
2Bb 配信情報作成部(演算制御部)
2C 通信部(配信部)
4 ユーザ
6 運行車両(自動車)
9 ユーザ端末
9D ユーザ端末の表示部
9E1 予約表示(乗車予約表示)
21a 乗車予約者の名前
22 識別表示

Claims (6)

  1. 運行が予定されていて乗客枠を複数有する運行車両について、該乗車枠に空きがある限り乗車予約を受け入れ、その乗車予約を行った乗車予約者が、その乗車予約を行った運行車両により運送される自動車運行管理システムにおいて、
    前記運行車両の運行管理を行う運行管理装置と、該運行管理装置に対してアクセス可能とされているユーザ端末と、が備えられ、
    前記運行管理装置が、
    該運行管理装置に対して同一の運行車両についての乗車予約が行われる度に、該乗車予約を行う乗車予約者に予め設定された識別表示であって、該乗車予約者の個人情報に関係せず且つ少なくとも該乗車予約者により自己の特定に係るものとして認識されているものを、該同一の運行車両についての予約者状況配信情報として順次、記憶する記憶部と、
    前記ユーザ端末が前記運行管理装置に対して前記同一の運行車両についての予約者状況の配信を要求したとき、その予約者状況に関し、前記記憶部に記憶される前記同一の運行車両だけについての予約者状況配信情報だけを配信すると共に、該同一の運行車両に対する乗車予約を行うための乗車予約表示情報を配信する配信部と、を備え、
    前記ユーザ端末には、該ユーザ端末が前記同一の運行車両についての予約者状況配信情報の配信を受けたとき、該同一の運行車両についての予約者状況配信情報をなす前記識別表示の一覧を表示する表示部が備えられ、
    前記ユーザ端末の表示部には、該表示部に前記識別表示の一覧が表示されたときに、前記乗車予約表示情報に基づき、前記同一の運行車両に対する乗車予約を行うための乗車予約表示も表示される、
    ことを特徴とする自動車運行管理システム。
  2. 請求項1において、
    前記乗車予約者が会員登録者でもあり、
    前記乗車予約者に予め設定された識別表示が、前記会員登録者に設定された識別表示であり、
    前記運行管理装置の記憶部が、前記会員登録者に関する会員情報と共に、該各会員登録者に設定された識別表示を、記憶するようにされ、
    前記運行管理装置には、該運行管理装置に前記同一の運行車両についての乗車予約情報が入力される毎に、該乗車予約情報に係る会員登録者の前記識別表示を前記記憶部の記憶情報から引き出して、該識別表示を、前記同一の運行車両についての予約者状況配信情報として該記憶部に順次、記憶させる配信情報作成部が設けられている、
    ことを特徴とする自動車運行管理システム。
  3. 請求項1又は2において、
    前記運行管理装置は、入会書面提出に基づく関係者の情報処理装置からの入力手続き又は会員登録希望者によるユーザ端末からの入力手続きにより、会員登録及び該会員登録に基づく会員情報が前記記憶部に記憶するようにされ、
    前記運行管理装置が、前記会員登録に伴い、保有する多数の異なる記識別表示の中から一つの識別表示を選択して、その識別表示情報を、該運行管理装置の記憶部に該会員登録に関連付けた状態で記憶すると共に、前記関係者の情報処理装置又は前記ユーザ端末に配信するように設定されている、
    ことを特徴とする自動車運行管理システム。
  4. 請求項1~3のいずれか1項において、
    前記識別表示が、図形、記号及び文字の少なくとも一つを含んで構成されている、
    ことを特徴とする自動車運行管理システム。
  5. 運行が予定されていて乗客枠を複数有する運行車両について、該乗車枠に空きがある限り乗車予約を受け入れ、その乗車予約を行った乗車予約者が、その乗車予約を行った運行車両をもって運送される自動車運行管理システムに用いられる運行管理装置において、
    同一の運行車両についての乗車予約を行うための乗車予約情報が入力される度に、該乗車予約を行う乗車予約者に予め設定された識別表示であって、該乗車予約者の個人情報に関係せず且つ少なくとも該乗車予約者により自己の特定に係るものとして認識されているものを、該同一の運行車両についての予約者状況配信情報として順次、記憶する記憶部と、
    ユーザ端末が前記同一の運行車両についての予約者状況の配信を要求したとき、その予約者状況に関し、前記記憶部に記憶される前記同一の運行車両だけについての予約者状況配信情報だけを配信すると共に、該同一の運行車両に対する乗車予約を行うための乗車予約表示情報を配信する配信部と、を備えている、
    ことを特徴とする自動車運行管理システムに用いられる運行管理装置。
  6. 請求項5において、
    前記乗車予約者が会員登録者でもあり、
    前記乗車予約者に予め設定された識別表示が、前記会員登録者に設定された識別表示であり、
    前記会員登録者に関する会員情報と共に、該各会員登録者に設定された識別表示を、記憶するようにされ、
    しかも、前記同一の運行車両についての乗車予約情報が入力される毎に、該乗車予約情報に係る会員登録者の前記識別表示を前記記憶部の記憶情報から引き出して、該識別表示を、前記同一の運行車両についての予約者状況配信情報として該記憶部に順次、記憶させる配信情報作成部が設けられている、
    ことを特徴とする自動車運行管理システムに用いられる運行管理装置。
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