JP7192167B2 - 物体表面に吸着し且つそれに沿って走行可能な装置 - Google Patents

物体表面に吸着し且つそれに沿って走行可能な装置 Download PDF

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Description

本発明は、物体表面へ吸着可能な真空吸盤などの吸着ユニットを用いて、例えば船体、各種タンク、橋梁、配管などの鋼構造物、あるいは各種タンク、ビルディング、水槽、橋梁、配管などのコンクリート構造物などの物体表面に吸着し且つ該物体表面に沿って移動することができる、あるいは、物体表面に吸着し且つ該物体表面に沿って移動しながら、表面処理材料を噴射するなど物体表面へ作用を施し、あるいは、物体表面の検査など物体表面から情報を得る作業を行うことができる、「物体表面に吸着し且つそれに沿って移動可能な装置」に関する。
この種の公知技術としては、本発明の発明者が提案している、日本特許第2689127号公報に記載の「壁面に吸着し且つそれに沿って移動可能な装置」や
日本特許第2805614号公報に記載の「壁面に吸着し且つそれに沿って移動可能な装置」が知られている。
かかる装置は、装置本体と、該装置本体に装着された移動手段としての車輪と、該装置本体に連結されその自由端部が物体表面に接触せしめられる負圧吸着シールであって且つ該物体表面に垂直な回転軸を軸線として回転する負圧吸着シールと、該装置本体、該物体表面及び該負圧吸着シールによって規定された減圧領域の内部の流体を外部に排出するための負圧生成手段と、該減圧領域の内部の負圧が任意の圧力以上の値に大きくなれば包囲流体を該減圧領域の内部に流入せしめて該負圧を該任意の値に維持するための真空破壊弁、すなわち一般的にはバキュームブレーカーと呼称されている真空圧力を一定に維持するためのリリーフ弁を備えている。
なお、該リリーフ弁は必ずしも該装置本体に直接に装着されなければならないものではなく、該装置本体と該負圧生成手段とを連結するサクションホースにおいて、該サクションホースの該装置本体に近接した部分に装着される場合もある。
かかる装置においては、負圧生成手段が付勢されると減圧領域の内部の流体が外部に排出され、減圧領域内外の流体圧力差に起因して装置本体に作用する流体圧力は車輪を介して物体表面に伝達され、かかる流体圧力によって装置が物体表面に吸着される。また、かかる吸着状態において電動モ-タの如き駆動手段によって車輪を回転駆動せしめると、上記車輪の作用によって装置は物体表面に沿って移動する。
また、例えば研磨布などの研磨部材が装着された負圧吸着シールを回転せしめると、物体表面を研磨清掃することができ、且つ、該研磨清掃作業の際に発生する粉塵は該負圧生成手段の作用により全て吸引回収される。
かかる装置においては、物体表面上における種々の清掃作業を、粉塵を発生させること無く、リモートコントロールにて安全にかつ効率的に行うことができる。
日本特許第2689127号公報 日本特許第2805614号公報 日本特願2014-247953
上述した日本特許第2689127号公報及び日本特許第2805614号公報に開示された「壁面に吸着し且つそれに沿って移動可能な装置」においては次の通りの解決すべき問題が存在する。
すなわち、かかる「壁面に吸着し且つそれに沿って移動可能な装置」においては、電動モ-タの如き回転式の駆動手段を備えているため連続走行は容易であるが、その一方で、規定された距離を走行した後に一旦停止し、規定された時間が経過した後に再び規定された距離を走行した後に一旦停止し、以下、同様の動作を繰り返す、といった間欠走行を実現するためには、サーボモータや、ロータリエンコーダなどの変位センサや電気制御システムを必要とするため高価な装置となる。
また、回転軸と軸受を備えた車輪や、減速機付きサーボモータや、該モータの回転駆動力を該車輪へ伝達する伝導機構の重量は相当な重さとなる。
なお、本発明の装置においては、表面処理材料の噴射など物体表面へ作用を施す作用装置、または物体表面の検査など物体表面から情報を得る検査装置を、本発明の装置の走行方向と交差する方向かつ物体表面に沿って往復動させて物体表面をスキャンさせる必要がある。
すなわち、本発明の装置に必要とされる走行態様とは、第1の手順として、作用装置または検査装置の往路のスキャンを行い、第2の手順として、規定された距離を走行した後に一旦停止し、第3の手順として、作用装置または検査装置の復路のスキャンを行い、第4の手順として、規定された距離を走行した後に一旦停止し、以下、該第1の手順から該第4の手順までの動作を繰り返す、といった間欠走行の走行態様が要求される。
従って、本発明が解決しようとする課題は、「物体表面に吸着し且つそれに沿って走行可能な装置」において、構造が簡略、軽量で製造コストが安く、且つ、精度の高い位置精度で間欠走行が可能な装置を提供することである。
本願の発明者は、当該課題を解決するために、日本特願2014-247953において解決策を提案済みであるが、本願においては、さらに進歩した解決策を提案するものである。
課題を解決するための手段その1
以下、上記の課題を達成するための手段を説明する。
日本特願2014-247953において、上記の課題を達成するための手段が提案されているが、先ず、本願において更に追加され、より進歩した手段について、日本特願2014-247953と比較しながら以下に説明する。
物体表面に負圧を利用して吸着し且つそれに沿って走行可能な装置(以下、負圧吸着走行装置と呼称)において、負圧吸着ユニットシール202に要求される機能と、該機能を達成するための該シール202の形状について考察すると、該シール202の機能は、負圧吸着走行装置に対して物体表面へ負圧吸着させる機能を付与するものである。すなわち、負圧吸着走行装置の内側に、吸引ポンプと連通、連結された負圧領域を生成するために、該シール202は、物体表面へ接触し、且つ、物体表面に沿って移動しながら、負圧吸着走行装置の外部にある空気などの流体が該負圧領域の内部へ浸入するのを極力阻止し、而して、負圧吸着走行装置の内側に負圧領域が生成される。
物体表面には、錆に起因する凹凸や、溶接線などの凸部があり、該シール202が上述した機能を維持するためには、該シール202は、物体表面との間に隙間が発生しないように、物体表面の凹凸に倣って自在に変形できることが重要であり、よって、該シール202は、ポリウレタンなどの柔軟材料を素材としており、またその形状は柔軟に変形できる形状が要求される。
なお、負圧吸着走行装置において負圧領域を生成させるためのシールの技術の詳細については、本願の発明者が日本特許第1323843号公報などにおいて開示しているので参照されたい。
日本特願2014-247953において開示されている負圧吸着ユニットシール202について説明すると、本願の図12の図(a)は日本特願2014-247953の図4を図示しており、本願の図12の図(b)は日本特願2014-247953の図5を図示しており、本願の図12の図(c)は日本特願2014-247953の図6を図示している。
本願の図12の図(a)と、図(a)の一部断面を図示する図(b)と、該図(b)の一部拡大断面を図示する本願の図13の(b)においては、負圧吸着ユニットシール202の形状について、該シール202が、最大収縮状態でもなく、最大伸長状態でもない標準状態の形状であることを図示している。
当該標準状態について、コイルスプリングに例えて説明すると、自由状態にあるコイルスプリングを想定されたい。
本願の図12の図(c)と、該図(c)の一部拡大断面を図示する本願の図13の(a)においては、負圧吸着ユニットシール202の形状について、該シール202が最大収縮状態の形状であることを図示している。
なお、本願の図13の(c)においては、負圧吸着ユニットシール202の形状について、該シール202が最大伸長状態の形状であることを図示している。
本願の図13の(a)は、該シール202が「シール202の変形可能な領域」の限界領域である最大収縮状態にあることを示すものであり、本願の図13の(c)は、該シール202が「シール202の変形可能な領域」の限界領域である最大伸長状態にあることを示すものである。
仮に、該シール202が「シール202の変形可能な領域」を逸脱して変形すれば、該シール202の機能は破壊され、而して、負圧領域の所定の負圧力が破壊されることにより負圧吸着走行装置は物体表面より離脱し、すなわち、物体表面が壁面や天井面の場合においては、負圧吸着走行装置は地上へ落下する。
該シール202が、本願の図12の図(c)と、該図(c)の一部拡大断面を図示する本願の図13の(a)の状態にあれば、すなわち、該シール202が最大収縮状態の形状にあれば、物体表面上にたまたま凹部があり、本願の図12の図(c)の固定脚部材203が該凹部に嵌まってしまうと、該シール202は「シール202の変形可能な領域」を逸脱してしまうので、該シール202の機能は破壊され、而して、負圧吸着走行装置は物体表面より離脱する危険がある。
すなわち、該シール202の形状について、物体表面上に凹部があることを勘案すれば、該シール202の形状は、本願の図13の(b)に図示の標準状態の形状を維持することが望ましい。
日本特願2014-247953において、該シール202の形状を決定付ける要因となる部材は、負圧吸着ユニット用固定脚部材203と複動脚部材8であるが、固定脚部材203の物体表面と接触する面と複動脚部材8の物体表面と接触する面とが同一面であれば、固定脚部材203が物体表面の凸部に接触して吸着ユニットの走行を阻害するので、固定脚部材203の物体表面と接触する面は、複動脚部材8の物体表面と接触する面よりも物体表面から離れた位置に配置する必要がある。
ところが、該シール202が当該離れた位置に配置されていれば該シール202は最大収縮状態を逸脱してしまう危険性がある。
本願において、該シール202の形状を決定付ける要因となる部材は、負圧吸着ユニット用第2複動脚部材203と複動脚部材8であるが、第2複動脚部材203は、第2Z軸往復動ユニットの作用により、Z軸方向すなわち物体表面と交差する方向に、任意の時に、伸縮できる。
すなわち、第2複動脚部材203の物体表面と接触する面と複動脚部材8の物体表面と接触する面とを同一面と基本設定し、吸着ユニットが走行する場合には、第2複動脚部材203の物体表面と接触する面を物体表面から離れた位置まで引っ込めれば、第2複動脚部材203が物体表面の凸部に接触して負圧吸着ユニットの走行を阻害することは無く、また、該シール202は最大収縮状態を逸脱してしまう危険性も無い。
以上のように、本願においては、当該課題を解決するために、日本特願2014-247953に開示の解決策よりもさらに進歩した解決策を提案するものである。
上記の課題を達成するために、本発明に係る第1の発明によれば、例えば請求項1に記載のように、
物体表面に平行であって且つ互いに直交する軸をX軸およびY軸と呼称し、物体表面と直交する軸をZ軸と呼称すれば;
負圧の作用により物体表面へ吸着する吸着ユニットと;該吸着ユニットのその移動する方向に向かって左側と右側に各1式が配置されたY軸往復動ユニットであって、該移動する方向の前後方向に、すなわちY軸方向に、任意の時に、往復運動することが可能なY軸往復動ユニットと;該Y軸往復動ユニットの各々に装着された、Z軸方向に、任意の時に、往復運動することが可能なZ軸往復動ユニットと;該Z軸往復動ユニットの各々に装着された、Z軸方向に、任意の時に、往復運動することが可能な複動脚部材と;該吸着ユニットに装着された、Z軸方向に、任意の時に、往復運動することが可能な第2Z軸往復動ユニットと;該第2Z軸往復動ユニットの各々に装着された、Z軸方向に、任意の時に、往復運動することが可能な第2複動脚部材;により少なくとも構成された物体表面に吸着し且つそれに沿って走行可能な装置において;
物体表面へ吸着した装置を物体表面に沿ってY軸方向へ走行させる第1の手順として、複動脚部材がZ軸往復動ユニットの作用により物体表面から離反されており、且つ、第2複動脚部材が第2Z軸往復動ユニットの作用により物体表面へ強く押し付けられている、という原始状態において、複動脚部材が物体表面から離反したままの状態、且つ、第2複動脚部材が物体表面へ強く押し付けられたままの状態において、Y軸往復動ユニットが駆動されることにより、複動脚部材が装置の走行方向へ移動し;
第2の手順として、複動脚部材がZ軸往復動ユニットの作用により物体表面へ強く押し付けられ、且つ、第2複動脚部材が第2Z軸往復動ユニットの作用により物体表面から離反し;
第3の手順として、複動脚部材が物体表面へ強く押し付けられたままの状態、且つ、第2複動脚部材が物体表面から離反したままの状態において、Y軸往復動ユニットが駆動されることにより、物体表面へ吸着した吸着ユニットが装置の走行方向へ移動し;
第4の手順として、複動脚部材がZ軸往復動ユニットの作用により物体表面から離反され、且つ、第2複動脚部材が第2Z軸往復動ユニットの作用により物体表面へ強く押し付けられ、よって、該第1の手順の直前の状態、すなわち原始状態に戻り;以下、該第1の手順から該第4の手順までの動作を繰り返すことにより、物体表面へ吸着した装置が物体表面に沿って間欠走行する;ことを特徴とする「物体表面に吸着し且つそれに沿って走行可能な装置」が提供される。
なお、本発明における「原始状態」の定義について述べると、装置の状態が複数の状態に変化し、その変化の態様が繰り返される場合において、該複数の状態のうち任意に選択された状態を「原始状態」と言う。
発明の効果その1
本発明に係る第1の発明は、下記の効果をもたらすものである。
請求項1乃至請求項3に記載の、負圧を利用して「物体表面に吸着し且つそれに沿って走行可能な装置」においては、高価な、サーボモータやロータリエンコーダなどの変位センサや電気制御システムを必要とせず、構造も制御もシンプルであるため製造コストを低減することができ、且つ、構造も制御もシンプルであるため故障も少なくメンテナンスも容易である。
また、回転軸と軸受を備えた車輪や、減速機付きサーボモータや、該モータの回転駆動力を該車輪へ伝達する伝導機構、などの重い部品を必要とせず、且つ、構造がシンプルであるため装置全体の重量が軽量となり、よって使い勝手が良くなるので利便性が向上する。
さらに、間欠走行時の位置精度が向上するので、表面処理材料の噴射などの作業の際や物体表面の検査などの作業の際に作業品質を向上させることができる。
本願においては、日本特願2014-247953に記載の上記の発明の効果に加えて、更に、下記の効果が追加されるものである。
すなわち、第2複動脚部材203の物体表面と接触する面と複動脚部材8の物体表面と接触する面とを同一面と基本設定し、吸着ユニットが走行する場合には、第2複動脚部材203の物体表面と接触する面を物体表面から離れた位置まで引っ込めれば、第2複動脚部材203が物体表面の凸部に接触して負圧吸着ユニットの走行を阻害することは無く、また、該シール202は最大収縮状態を逸脱してしまう危険性も無い。
発明を実施するための最良の形態その1
以下、本発明に係る第1の発明に従って構成された装置の好適実施例について、添付図を参照して更に詳細に説明する。
実施例その1
図1は、好適実施例の装置が、壁面である物体表面1へ負圧を利用して吸着している状態を示し、物体表面1から離れた方向から好適実施例の装置と物体表面1を見た正面図である。
図1において、好適実施例の装置(以下、全体装置と呼称)は、物体表面1に沿って上昇走行、下降走行、時計方向へ旋回走行、あるいは反時計方向へ旋回走行するものであるが、全体装置を構成する部材の名称においては、左側の部分を左と呼称し、右側の部分を右と呼称する。
物体表面に平行であって且つ互いに直交する軸をX軸およびY軸と呼称し、物体表面と直交する軸をZ軸と呼称する。
以下、全体装置を図1乃至図6を参照して説明する。
図示の装置は、メインフレーム4を具備しており、メインフレーム4は図1においてH形に形成されている。
メインフレーム4の左側面と右側面の各々には、ロッドレスシリンダから成るY軸往復動ユニット5が装着されている。
Y軸往復動ユニット5の運動部材501には、Z軸往復動ユニット用フレーム7が装着されている。
Z軸往復動ユニット用フレーム7には、往復動シリンダから成る2式のZ軸往復動ユニット6が装着されている。
Z軸往復動ユニット6のピストンロッドの先端部には、ポリウレタンを主素材とする複動脚部材8が装着されている。
メインフレーム4の中央部分には、負圧吸着ユニット2が、中空の回転式連結手段9を介して、物体表面1に沿って回転自在に、装着されている。
負圧吸着ユニット2は、円筒状かつ物体表面1の方向が開口した負圧吸着ユニットケーシング201と、ポリウレタンを素材として環状に形成されており且つ物体表面1へ接近するにつれラッパ状に拡がった負圧吸着ユニットシール202と、第2Z軸往復動ユニット204と、第2Z軸往復動ユニット204のピストンロッドの先端部に装着された、ポリウレタンを主素材とする負圧吸着ユニット用第2複動脚部材203、により構成されている。
負圧吸着ユニット用第2複動脚部材203は、物体表面1と負圧吸着ユニットケーシング201の端部との間隙において、その最小時の間隙を一定の距離に維持するための部材である。
負圧吸着ユニット用第2複動脚部材203は、負圧吸着ユニット2が物体表面1に沿って移動する時には、第2Z軸往復動ユニット204のピストンロッドが収縮して第2複動脚部材203が物体表面1から離反する。
また、負圧吸着ユニット用第2複動脚部材203は、負圧吸着ユニット2が物体表面1に沿って移動しない時には、第2Z軸往復動ユニット204のピストンロッドが伸長して第2複動脚部材203が物体表面1へ当接する。
中空の回転式連結手段9には、サクションホース継手10が装着されている。
サクションホース継手10には、サクションホース(図示せず)を介して、真空ポンプなどの負圧生成手段(図示せず)が連結されている。
メインフレーム4の上端部には、ワークフレーム15が溶着されている。
ワークフレーム15には、ロッドレスシリンダから成る第2X軸往復動ユニット16が装着されている。
第2X軸往復動ユニット16の運動部材1601には、ノズル取付部材1602を介して、研掃材噴射用ブラストノズル17が装着されている。
研掃材噴射用ブラストノズル17には、研掃材圧送用ブラストホース18を介して、研掃材圧送装置(図示せず)が連結されている。
なお、第2X軸往復動ユニット16の運動部材1601には、研掃材噴射用ブラストノズル17の代わりに、塗装ガンや溶射ガンなど物体表面へ作用を施す作用装置、または超音波探傷子など物体表面から情報を得るセンサなどを装着することができる。
以下に、上述した装置の作用効果について説明する。
負圧生成手段(図示せず)を付勢すると、負圧吸着ユニット2の内部の大気の如き流体がサクションホース継手10及びサクションホース(図示せず)を通って外部に排出され、負圧吸着ユニット2の内部が所要の通り減圧される。
かく負圧吸着ユニット2の内部が減圧されると、負圧吸着ユニット2の内外の流体圧力差に起因して負圧吸着ユニット2に作用する大気の如き包囲流体の圧力により、全体装置は物体表面1へ吸着する。
負圧吸着ユニット2の内部の圧力が所望の圧力に維持されている時、負圧吸着ユニットのシール202は、負圧吸着ユニット2の内外の圧力差に起因して物体表面1へ強く接触せしめられ、よって負圧吸着ユニット2の外部の流体がその内部へ流入するのを極力阻止する。
研掃材噴射用ブラストノズル17からは、研掃材と圧縮空気の混合流体または研掃材と高圧水の混合流体が、物体表面1へ向け勢いよく噴射され、物体表面1に付着した錆や劣化した塗料などが除去される。
研掃材噴射用ブラストノズル17は、第2X軸往復動ユニット16の作用により、全体装置の走行方向と交差する方向に往復運動を行う。
図7乃至図11を参照して、研掃材噴射用ブラストノズル17が物体表面1をスキャンし、且つ、全体装置が物体表面1に沿って走行する手順を説明する。
なお、図11は第1の手順の直前における装置の状態を示す図である。
図7乃至図11において、全体装置が走行する方向は上から下である。
大きい矢印は、当該手順における各部材の移動方向と移動距離を示している。
2重丸印は、物体表面1へ強く押し付けられている複動脚部材8または負圧吸着ユニット用第2複動脚部材203を示している。
先ず、図7に示す第1の手順において、研掃材噴射用ブラストノズル17が右から左へ移動する。
同時に、複動脚部材8が、物体表面1から離反したままの状態にて、Y軸往復動ユニット5が駆動されることにより、全体装置の走行方向へ移動する。
研掃材噴射用ブラストノズル17を囲む2点鎖線の円は研掃材が物体表面1へ衝突する範囲を示している。
研掃材噴射用ブラストノズル17が右から左へ移動することを研掃材噴射用ブラストノズル17の往路移動と呼称する。
なお、図7に示す第1の手順において、負圧吸着ユニット用第2複動脚部材203は物体表面1へ強く押し付けられており、一方、複動脚部材8は物体表面1から離反している。
図8に示す第2の手順において、負圧吸着ユニット用第2複動脚部材203は物体表面1から離反し、一方、複動脚部材8は物体表面1へ強く押し付けられる。
図9に示す第3の手順において、負圧吸着ユニット用第2複動脚部材203を伴う負圧吸着ユニットが物体表面1へ吸着したままの状態で物体表面1に沿って下方へ移動し、研掃材噴射用ブラストノズル17も同時に下方へ移動する。
なお、図9に示す第3の手順において、負圧吸着ユニット用第2複動脚部材203は物体表面1から離反しており、一方、複動脚部材8は物体表面1へ強く押し付けられている。
図10に示す第4の手順において、負圧吸着ユニット用第2複動脚部材203は物体表面1へ強く押し付けられ、一方、複動脚部材8は物体表面1から離反する。
第4の手順が終了すると、研掃材噴射用ブラストノズル17の動作方向を除いて、上述した第1の手順から第4の手順までの手順を繰り返す。
なお、研掃材噴射用ブラストノズル17の動作方向については、第1の手順において、研掃材噴射用ブラストノズル17が右から左へ往路移動する第1の手順と、左から右へ複路移動する第1の手順を交互に繰り返す。
図1乃至図11に示す装置において、例えば、左側のY軸往復動ユニット5とZ軸往復動ユニット6とを下方向へ走行移動させ、右側のY軸往復動ユニット5とZ軸往復動ユニット6とを上方向へ走行移動させると、全体装置は、回転式連結手段9を中心軸として物体表面1に沿って反時計方向へ旋回走行する。
この旋回走行の際、負圧吸着ユニット2は、回転式連結手段9の作用により、物体表面1に沿って旋回することは無い。
すなわち、負圧吸着ユニットシール202と物体表面1との間には摩擦力が発生しているが、上記の旋回走行の際には、負圧吸着ユニットシール202と物体表面1との間の摩擦力が全体装置の旋回走行を妨げることがないので、位置精度の高い旋回走行を実現するために、大変好都合である。
以上に述べた、本発明に係る第1の発明の好適実施例の装置は、下記の効果をもたらすものである。
請求項1乃至請求項3に記載の、負圧を利用して「物体表面に吸着し且つそれに沿って走行可能な装置」においては、高価な、サーボモータやロータリエンコーダなどの変位センサや電気制御システムを必要とせず、構造も制御もシンプルであるため製造コストを低減することができ、且つ、構造も制御もシンプルであるため故障も少なくメンテナンスも容易である。
また、回転軸と軸受を備えた車輪や、減速機付きサーボモータや、該モータの回転駆動力を該車輪へ伝達する伝導機構、などの重い部品を必要とせず、且つ、構造がシンプルであるため装置全体の重量が軽量となり、よって使い勝手が良くなるので利便性が向上する。
さらに、間欠走行時の位置精度が向上するので、表面処理材料の噴射などの作業の際や物体表面の検査などの作業の際に作業品質を向上させることができる。
以上に本発明に係る第1の発明の装置の好適実施例について説明したが、本発明の装置は該好適実施例の他にも特許請求の範囲に従って種々実施例を考えることができる。
なお、以上の本発明の装置の好適実施例についての説明は、本発明の装置が大気中の物体表面上に在るものとして説明を行ったが、本発明の装置は水中においても適用されることができる。かかる場合の負圧生成手段については、真空ポンプに代えて水ポンプや水駆動エゼクタを用いることができる。
課題を解決するための手段その2
上記の課題を達成するために、本発明に係る第2の発明によれば、例えば請求項4に記載のように、
物体表面に平行であって且つ互いに直交する軸をX軸およびY軸と呼称し、物体表面と直交する軸をZ軸と呼称すれば;
負圧の作用により物体表面へ吸着する吸着ユニットと;該吸着ユニットのその移動する方向に向かって左側と右側に各1式が配置されたY軸往復動ユニットであって、該移動する方向の前後方向に、すなわちY軸方向に、任意の時に、往復運動することが可能なY軸往復動ユニットと;該Y軸往復動ユニットの各々に装着された、Z軸方向に、任意の時に、往復運動することが可能なZ軸往復動ユニットと;該Z軸往復動ユニットの各々に装着された、Z軸方向に、任意の時に、往復運動することが可能な複動脚部材と;該吸着ユニットに装着された、Z軸方向に、任意の時に、往復運動することが可能な第2Z軸往復動ユニットと;該第2Z軸往復動ユニットの各々に装着された、Z軸方向に、任意の時に、往復運動することが可能な第2複動脚部材と;左側のY軸往復動ユニットと右側のY軸往復動ユニットとを連結するX軸往復動ユニットであって、X軸方向に、任意の時に、往復運動することが可能な部材に、該吸着ユニットが連結されているX軸往復動ユニット;により少なくとも構成された物体表面に吸着し且つそれに沿って走行可能な装置において;
物体表面へ吸着した装置を物体表面に沿ってY軸方向へ走行させる第1の手順として、
複動脚部材がZ軸往復動ユニットの作用により物体表面から離反されており、且つ、第2複動脚部材が第2Z軸往復動ユニットの作用により物体表面へ強く押し付けられている、という原始状態において、複動脚部材が物体表面から離反したままの状態、且つ、第2複動脚部材が物体表面へ強く押し付けられたままの状態において、Y軸往復動ユニットが駆動されることにより、複動脚部材が装置の走行方向へ移動し;
第2の手順として、複動脚部材がZ軸往復動ユニットの作用により物体表面へ強く押し付けられ、且つ、第2複動脚部材が第2Z軸往復動ユニットの作用により物体表面から離反し;
第3の手順として、複動脚部材が物体表面へ強く押し付けられたままの状態、且つ、第2複動脚部材が物体表面から離反したままの状態において、Y軸往復動ユニットが駆動されることにより、物体表面へ吸着した吸着ユニットが装置の走行方向へ移動し;
第4の手順として、複動脚部材がZ軸往復動ユニットの作用により物体表面から離反され、且つ、第2複動脚部材が第2Z軸往復動ユニットの作用により物体表面へ強く押し付けられ、よって、該第1の手順の直前の状態、すなわち原始状態に戻り;
以下、該第1の手順から該第4の手順までの動作を繰り返すことにより、物体表面へ吸着した装置が物体表面に沿って間欠走行し;
物体表面へ吸着した装置を物体表面に沿ってX軸方向へ走行させる第1の手順として、複動脚部材がZ軸往復動ユニットの作用により物体表面から離反されており、且つ、第2複動脚部材が第2Z軸往復動ユニットの作用により物体表面へ強く押し付けられている、という原始状態において、複動脚部材が物体表面から離反したままの状態、且つ、第2複動脚部材が物体表面へ強く押し付けられたままの状態において、X軸往復動ユニットが駆動されることにより、複動脚部材が装置の走行方向へ移動し;
第2の手順として、複動脚部材がZ軸往復動ユニットの作用により物体表面へ強く押し付けられ、且つ、第2複動脚部材が第2Z軸往復動ユニットの作用により物体表面から離反し;
第3の手順として、複動脚部材が物体表面へ強く押し付けられたままの状態、且つ、第2複動脚部材が物体表面から離反したままの状態において、X軸往復動ユニットが駆動されることにより、物体表面へ吸着した吸着ユニットが装置の走行方向へ移動し;
第4の手順として、複動脚部材がZ軸往復動ユニットの作用により物体表面から離反され、且つ、第2複動脚部材が第2Z軸往復動ユニットの作用により物体表面へ強く押し付けられ、よって、該第1の手順の直前の状態、すなわち原始状態に戻り;以下、該第1の手順から該第4の手順までの動作を繰り返すことにより、物体表面へ吸着した装置が物体表面に沿って間欠走行する;ことを特徴とする「物体表面に吸着し且つそれに沿って走行可能な装置」が提供される。
なお、本発明における「原始状態」の定義について述べると、装置の状態が複数の状態に変化し、その変化の態様が繰り返される場合において、該複数の状態のうち任意に選択された状態を「原始状態」と言う。
発明の効果その2
本発明に係る第2の発明は、下記の効果をもたらすものである。
請求項4乃至請求項6に記載の、負圧を利用して「物体表面に吸着し且つそれに沿って走行可能な装置」においては、高価な、サーボモータやロータリエンコーダなどの変位センサや電気制御システムを必要とせず、構造も制御もシンプルであるため製造コストを低減することができ、且つ、構造も制御もシンプルであるため故障も少なくメンテナンスも容易である。
また、回転軸と軸受を備えた車輪や、減速機付きサーボモータや、該モータの回転駆動力を該車輪へ伝達する伝導機構、などの重い部品を必要とせず、且つ、構造がシンプルであるため装置全体の重量が軽量となり、よって使い勝手が良くなるので利便性が向上する。
さらに、間欠走行時の位置精度が向上するので、表面処理材料の噴射などの作業の際や物体表面の検査などの作業の際に作業品質を向上させることができる。
本願においては、日本特願2014-247953に記載の上記の発明の効果に加えて、更に、下記の効果が追加されるものである。
すなわち、第2複動脚部材203の物体表面と接触する面と複動脚部材8の物体表面と接触する面とを同一面と基本設定し、吸着ユニットが走行する場合には、第2複動脚部材203の物体表面と接触する面を物体表面から離れた位置まで引っ込めれば、第2複動脚部材203が物体表面の凸部に接触して負圧吸着ユニットの走行を阻害することは無く、また、該シール202は最大収縮状態を逸脱してしまう危険性も無い。
発明を実施するための最良の形態その2
以下、本発明に係る第2の発明に従って構成された装置の好適実施例について、添付図を参照して更に詳細に説明する。
実施例その2
図14は、好適実施例の装置が、壁面である物体表面1へ負圧を利用して吸着している状態を示し、物体表面1から離れた方向から好適実施例の装置と物体表面1を見た正面図である。
図14において、好適実施例の装置(以下、全体装置と呼称)は、物体表面1に沿って上昇走行、下降走行、時計方向へ旋回走行、あるいは反時計方向へ旋回走行するものであるが、全体装置を構成する部材の名称においては、左側の部分を左と呼称し、右側の部分を右と呼称する。
図14において、上下方向の軸をY軸と呼称し、左右方向の軸をX軸と呼称する。
物体表面に平行であって且つ互いに直交する軸をX軸およびY軸と呼称し、物体表面と直交する軸をZ軸と呼称する。
以下、全体装置を図14乃至図19を参照して説明する。
図示の装置は、メインフレーム4を具備しており、メインフレーム4は図14において板状に形成されている。
メインフレーム4の上部と下部の各々には、ロッドレスシリンダから成るX軸往復動ユニット11の運動部材1101が装着されている。
上部のX軸往復動ユニット11の左端部と、下部のX軸往復動ユニット11の左端部には、ロッドレスシリンダから成るY軸往復動ユニット5が装着されており、上部のX軸往復動ユニット11の右端部と、下部のX軸往復動ユニット11の右端部には、もう1式のロッドレスシリンダから成るY軸往復動ユニット5が装着されている。
Y軸往復動ユニット5の運動部材501には、Z軸往復動ユニット用フレーム7が装着されている。
Z軸往復動ユニット用フレーム7には、往復動シリンダから成る2式のZ軸往復動ユニット6が装着されている。
Z軸往復動ユニット6のピストンロッドの先端部には、ポリウレタンを主素材とする複動脚部材8が装着されている。
メインフレーム4の中央部分には、負圧吸着ユニット2が、中空の回転式連結手段9を介して、物体表面1に沿って回転自在に、装着されている。
負圧吸着ユニット2は、円筒状かつ物体表面1の方向が開口した負圧吸着ユニットケーシング201と、ポリウレタンを素材として環状に形成されており且つ物体表面1へ接近するにつれラッパ状に拡がった負圧吸着ユニットシール202と、第2Z軸往復動ユニット204と、第2Z軸往復動ユニット204のピストンロッドの先端部に装着された、ポリウレタンを主素材とする負圧吸着ユニット用第2複動脚部材203、により構成されている。
負圧吸着ユニット用第2複動脚部材203は、物体表面1と負圧吸着ユニットケーシング201の端部との間隙において、その最小時の間隙を一定の距離に維持するための部材である。
負圧吸着ユニット用第2複動脚部材203は、負圧吸着ユニット2が物体表面1に沿って移動する時には、第2Z軸往復動ユニット204のピストンロッドが収縮して第2複動脚部材203が物体表面1から離反する。
また、負圧吸着ユニット用第2複動脚部材203は、負圧吸着ユニット2が物体表面1に沿って移動しない時には、第2Z軸往復動ユニット204のピストンロッドが伸長して第2複動脚部材203が物体表面1へ当接する。
中空の回転式連結手段9には、サクションホース継手10が装着されている。
サクションホース継手10には、サクションホース(図示せず)を介して、真空ポンプなどの負圧生成手段(図示せず)が連結されている。
メインフレーム4の上端部には、ワークフレーム15が溶着されている。
ワークフレーム15には、ロッドレスシリンダから成る第2X軸往復動ユニット16が装着されている。
第2X軸往復動ユニット16の運動部材1601には、ノズル取付部材1602を介して、研掃材噴射用ブラストノズル17が装着されている。
研掃材噴射用ブラストノズル17には、研掃材圧送用ブラストホース18を介して、研掃材圧送装置(図示せず)が連結されている。
なお、第2X軸往復動ユニット16の運動部材1601には、研掃材噴射用ブラストノズル17の代わりに、塗装ガンや溶射ガンなど物体表面へ作用を施す作用装置、または超音波探傷子など物体表面から情報を得るセンサなどを装着することができる。
以下に、上述した装置の作用効果について説明する。
負圧生成手段(図示せず)を付勢すると、負圧吸着ユニット2の内部の大気の如き流体がサクションホース継手10及びサクションホース(図示せず)を通って外部に排出され、負圧吸着ユニット2の内部が所要の通り減圧される。
かく負圧吸着ユニット2の内部が減圧されると、負圧吸着ユニット2の内外の流体圧力差に起因して負圧吸着ユニット2に作用する大気の如き包囲流体の圧力により、全体装置は物体表面1へ吸着する。
負圧吸着ユニット2の内部の圧力が所望の圧力に維持されている時、負圧吸着ユニットのシール202は、負圧吸着ユニット2の内外の圧力差に起因して物体表面1へ強く接触せしめられ、よって負圧吸着ユニット2の外部の流体がその内部へ流入するのを極力阻止する。
研掃材噴射用ブラストノズル17からは、研掃材と圧縮空気の混合流体または研掃材と高圧水の混合流体が、物体表面1へ向け勢いよく噴射され、物体表面1に付着した錆や劣化した塗料などが除去される。
研掃材噴射用ブラストノズル17は、第2X軸往復動ユニット16の作用により、全体装置の走行方向であるY軸と交差するX軸方向に往復運動を行う。
図20乃至図24を参照して、研掃材噴射用ブラストノズル17が物体表面1をスキャンし、且つ、全体装置が物体表面1に沿って走行する手順を説明する。
なお、図24は第1の手順の直前における装置の状態を示す図である。
図20乃至図24において、全体装置が走行する方向は上から下である。
大きい矢印は、当該手順における各部材の移動方向と移動距離を示している。
2重丸印は、物体表面1へ強く押し付けられている複動脚部材8または負圧吸着ユニット用第2複動脚部材203を示している。
先ず、図20に示す第1の手順において、研掃材噴射用ブラストノズル17が右から左へ移動する。
また、複動脚部材8が、物体表面1から離反したままの状態にて、Y軸往復動ユニット5が駆動されることにより、全体装置の走行方向へ移動する。
研掃材噴射用ブラストノズル17を囲む2点鎖線の円は研掃材が物体表面1へ衝突する範囲を示している。
研掃材噴射用ブラストノズル17が右から左へ移動することを研掃材噴射用ブラストノズル17の往路移動と呼称する。
なお、図20に示す第1の手順において、負圧吸着ユニット用第2複動脚部材203は物体表面1へ強く押し付けられており、一方、複動脚部材8は物体表面1から離反している。
図21に示す第2の手順において、負圧吸着ユニット用第2複動脚部材203は物体表面1から離反し、一方、複動脚部材8は物体表面1へ強く押し付けられる。
図22に示す第3の手順において、負圧吸着ユニット用第2複動脚部材203を伴う負圧吸着ユニットが物体表面1へ吸着したままの状態で物体表面1に沿って下方へ移動し、研掃材噴射用ブラストノズル17も同時に下方へ移動する。
なお、図22に示す第3の手順において、負圧吸着ユニット用第2複動脚部材203は物体表面1から離反しており、一方、複動脚部材8は物体表面1へ強く押し付けられている。
図23に示す第4の手順において、負圧吸着ユニット用第2複動脚部材203は物体表面1へ強く押し付けられ、一方、複動脚部材8は物体表面1から離反する。
第4の手順が終了すると、研掃材噴射用ブラストノズル17の動作方向を除いて、上述した第1の手順から第4の手順までの手順を繰り返す。
なお、研掃材噴射用ブラストノズル17の動作方向については、第1の手順において、研掃材噴射用ブラストノズル17が右から左へ往路移動する第1の手順と、左から右へ複路移動する第1の手順を交互に繰り返す。
図27乃至図31を参照して、全体装置が、物体表面1に沿って、X軸方向に走行する手順を説明する。
図27は第1の手順の直前における装置の状態を示す図である。
図27乃至図31において、全体装置が走行する方向は右から左である。
大きい矢印は、当該手順における各部材の移動方向と移動距離を示している。
2重丸印は、物体表面1へ強く押し付けられている複動脚部材8または負圧吸着ユニット用第2複動脚部材203を示している。
なお、図21と図22においては、複動脚部材8が物体表面1へ強く押し付けられていることに起因して、負圧吸着ユニット用第2複動脚部材203が物体表面1から離反しているが、必ず離反しなければならないということではない。すなわち、複動脚部材8が物体表面1へ強く押し付けられていることに起因して、負圧吸着ユニット用第2複動脚部材203と物体表面1との摩擦力が低減され、かくして、負圧吸着ユニット用第2複動脚部材203を伴う負圧吸着ユニットが物体表面1へ吸着したままの状態で物体表面1に沿って移動することができれば、本発明の目的は達成される。
先ず、図28に示す第1の手順において、複動脚部材8が、物体表面1から離反したままの状態にて、X軸往復動ユニット11が駆動されることにより、右から左へ移動する。
なお、図28に示す第1の手順において、負圧吸着ユニット用第2複動脚部材203は物体表面1へ強く押し付けられており、一方、複動脚部材8は物体表面1から離反している。
図29に示す第2の手順において、負圧吸着ユニット用第2複動脚部材203は物体表面1から離反し、一方、複動脚部材8は物体表面1へ強く押し付けられる。
図30に示す第3の手順において、負圧吸着ユニット用第2複動脚部材203を伴う負圧吸着ユニットが物体表面1へ吸着したままの状態で物体表面1に沿って左へ移動する。
なお、図30に示す第3の手順において、負圧吸着ユニット用第2複動脚部材203は物体表面1から離反しており、一方、複動脚部材8は物体表面1へ強く押し付けられている。
図31に示す第4の手順において、負圧吸着ユニット用第2複動脚部材203は物体表面1へ強く押し付けられ、一方、複動脚部材8は物体表面1から離反する。
第4の手順が終了すると、上述した第1の手順から第4の手順までの手順を繰り返す。
上述のように、本発明の装置は、物体表面に沿って作業を行いながらY軸の方向へ走行する機能に加えて、車線変更のためにX軸の方向へも走行することが可能であるので、効率的な作業を実現することができる。
図14乃至図24に示す装置において、例えば、左側のY軸往復動ユニット5とZ軸往復動ユニット6とを下方向へ走行移動させ、右側のY軸往復動ユニット5とZ軸往復動ユニット6とを上方向へ走行移動させると、全体装置は、回転式連結手段9を中心軸として物体表面1に沿って反時計方向へ旋回走行する。
この旋回走行の際、負圧吸着ユニット2は、回転式連結手段9の作用により、物体表面1に沿って旋回することは無い。
すなわち、負圧吸着ユニットシール202と物体表面1との間には摩擦力が発生しているが、上記の旋回走行の際には、負圧吸着ユニットシール202と物体表面1との間の摩擦力が全体装置の旋回走行を妨げることがないので、位置精度の高い旋回走行を実現するために、大変好都合である。
以上に述べた、本発明に係る第2の発明の好適実施例の装置は、下記の効果をもたらすものである。
請求項4乃至請求項6に記載の、負圧を利用して「物体表面に吸着し且つそれに沿って走行可能な装置」においては、高価な、サーボモータやロータリエンコーダなどの変位センサや電気制御システムを必要とせず、構造も制御もシンプルであるため製造コストを低減することができ、且つ、構造も制御もシンプルであるため故障も少なくメンテナンスも容易である。
また、回転軸と軸受を備えた車輪や、減速機付きサーボモータや、該モータの回転駆動力を該車輪へ伝達する伝導機構、などの重い部品を必要とせず、且つ、構造がシンプルであるため装置全体の重量が軽量となり、よって使い勝手が良くなるので利便性が向上する。
さらに、間欠走行時の位置精度が向上するので、表面処理材料の噴射などの作業の際や物体表面の検査などの作業の際に作業品質を向上させることができる。
以上に本発明に係る第2の発明の装置の好適実施例について説明したが、本発明の装置は該好適実施例の他にも特許請求の範囲に従って種々実施例を考えることができる。
なお、以上の本発明の装置の好適実施例についての説明は、本発明の装置が大気中の物体表面上に在るものとして説明を行ったが、本発明の装置は水中においても適用されることができる。かかる場合の負圧生成手段については、真空ポンプに代えて水ポンプや水駆動エゼクタを用いることができる。
かくの通りの「物体表面に吸着し且つそれに沿って走行可能な装置」は、物体表面に負圧を利用して吸着し且つ物体表面に沿って移動しながら、物体表面に付着した汚れ、錆、劣化したコーティングあるいは水棲生物などの異物を除去する清掃装置として、あるいは、物体表面に負圧を利用して吸着し且つ物体表面に沿って移動しながら、物体表面の超音波探傷などの検査を行う検査装置としてなど、広範囲な分野において好都合に用いることができる。
本発明に従って構成された装置の第一の好適実施例を示す正面図。 図1に示す装置における右側面図。 図1に示す装置を物体表面の方向から見た背面図。 図1に示す装置における底面図。 図1に示す装置におけるA-Aの断面図。 図1に示す装置において、Z軸往復動ユニットの複動脚部材が物体表面から離反している状態を示す底面図およびA-Aの一部断面図。 図1に示す装置において、作用装置または検査装置が物体表面をスキャンし、且つ、全体の装置が物体表面に沿って走行する手順を示す図において、第1の手順における装置の動作を示す背面図と底面図と一部断面図。 第2の手順における装置の動作を示す背面図と底面図と一部断面図。 第3の手順における装置の動作を示す背面図と底面図と一部断面図。 第4の手順における装置の動作を示す背面図と底面図と一部断面図。 図1に示す装置において、作用装置または検査装置が物体表面をスキャンし、且つ、全体の装置が物体表面に沿って走行する手順を示す図において、第1の手順の直前における装置の状態を示す背面図と底面図と一部断面図。 の(a)は、日本特願2014-247953の図4を図示。 の(b)は、日本特願2014-247953の図5を図示。 の(c)は、日本特願2014-247953の図6を図示。 の(a)は、負圧吸着ユニットシール202の形状が最大収縮状態にあることを示す。 の(b)は、負圧吸着ユニットシール202の形状が標準状態にあることを示す。 の(c)は、負圧吸着ユニットシール202の形状が最大伸長状態にあることを示す。 本発明に係る第3の発明に従って構成された装置の第一の好適実施例を示す正面図。 図14に示す装置における右側面図。 図14に示す装置を物体表面の方向から見た背面図。 図14に示す装置における底面図。 図14に示す装置におけるA-Aの断面図。 図14に示す装置において、Z軸往復動ユニットの複動脚部材が物体表面から離反している状態を示す底面図およびA-Aの一部断面図。 図14に示す装置において、作用装置または検査装置が物体表面をスキャンし、且つ、全体の装置が物体表面に沿ってY軸方向に走行する手順を示す図において、第1の手順における装置の動作を示す背面図と底面図と一部断面図。 第2の手順における装置の動作を示す背面図と底面図と一部断面図。 第3の手順における装置の動作を示す背面図と底面図と一部断面図。 第4の手順における装置の動作を示す背面図と底面図と一部断面図。 図14に示す装置において、作用装置または検査装置が物体表面をスキャンし、且つ、全体の装置が物体表面に沿ってY軸方向に走行する手順を示す図において、第1の手順の直前における装置の状態を示す背面図と底面図と一部断面図。 の(a)は、日本特願2014-247953の図17を図示。 の(b)は、日本特願2014-247953の図18を図示。 の(c)は、日本特願2014-247953の図19を図示。 の(a)は、負圧吸着ユニットシール202の形状が最大収縮状態にあることを示す。 の(b)は、負圧吸着ユニットシール202の形状が標準状態にあることを示す。 の(c)は、負圧吸着ユニットシール202の形状が最大伸長状態にあることを示す。 図14に示す装置において、全体の装置が物体表面に沿ってX軸方向に走行する手順を示す図において、第1の手順の直前における装置の状態を示す背面図と底面図と一部断面図。 図14に示す装置において、全体の装置が物体表面に沿ってY軸方向に走行する手順を示す図において、第1の手順における装置の動作を示す背面図と底面図と一部断面図。 第2の手順における装置の動作を示す背面図と底面図と一部断面図。 第3の手順における装置の動作を示す背面図と底面図と一部断面図。 第4の手順における装置の動作を示す背面図と底面図と一部断面図。
物体表面1
負圧吸着ユニット2
負圧吸着ユニットケーシング201
負圧吸着ユニットシール202
負圧吸着ユニット用第2複動脚部材203
負圧吸着ユニット用第2Z軸往復動ユニット204
メインフレーム4
Y軸往復動ユニット5
Y軸往復動ユニット運動部材501
Z軸往復動ユニット6
Z軸往復動ユニット用フレーム7
複動脚部材8
回転式連結手段9
サクションホース継手10
ワークフレーム15
第2X軸往復動ユニット16
第2X軸往復動ユニット運動部材1601
ノズル取付部材1602
研掃材噴射用ブラストノズル17
研掃材圧送用ブラストホース18
X軸往復動ユニット11
X軸往復動ユニット運動部材1101

Claims (6)

  1. 物体表面に平行であって且つ互いに直交する軸をX軸およびY軸と呼称し、物体表面と直交する軸をZ軸と呼称すれば;
    負圧の作用により物体表面へ吸着する吸着ユニットと;該吸着ユニットのその移動する方向に向かって左側と右側に各1式が配置されたY軸往復動ユニットであって、該移動する方向の前後方向に、すなわちY軸方向に、任意の時に、往復運動することが可能なY軸往復動ユニットと;該Y軸往復動ユニットの各々に装着された、Z軸方向に、任意の時に、往復運動することが可能なZ軸往復動ユニットと;該Z軸往復動ユニットの各々に装着された、Z軸方向に、任意の時に、往復運動することが可能な複動脚部材と;該吸着ユニットに装着された、Z軸方向に、任意の時に、往復運動することが可能な第2Z軸往復動ユニットと;該第2Z軸往復動ユニットの各々に装着された、Z軸方向に、任意の時に、往復運動することが可能な第2複動脚部材;により少なくとも構成された物体表面に吸着し且つそれに沿って走行可能な装置において;
    物体表面へ吸着した装置を物体表面に沿ってY軸方向へ走行させる第1の手順として、複動脚部材がZ軸往復動ユニットの作用により物体表面から離反されており、且つ、第2複動脚部材が第2Z軸往復動ユニットの作用により物体表面へ強く押し付けられている、という原始状態において、複動脚部材が物体表面から離反したままの状態、且つ、第2複動脚部材が物体表面へ強く押し付けられたままの状態において、Y軸往復動ユニットが駆動されることにより、複動脚部材が装置の走行方向へ移動し;
    第2の手順として、複動脚部材がZ軸往復動ユニットの作用により物体表面へ強く押し付けられ、且つ、第2複動脚部材が第2Z軸往復動ユニットの作用により物体表面から離反し;
    第3の手順として、複動脚部材が物体表面へ強く押し付けられたままの状態、且つ、第2複動脚部材が物体表面から離反したままの状態において、Y軸往復動ユニットが駆動されることにより、物体表面へ吸着した吸着ユニットが装置の走行方向へ移動し;
    第4の手順として、複動脚部材がZ軸往復動ユニットの作用により物体表面から離反され、且つ、第2複動脚部材が第2Z軸往復動ユニットの作用により物体表面へ強く押し付けられ、よって、該第1の手順の直前の状態、すなわち原始状態に戻り;以下、該第1の手順から該第4の手順までの動作を繰り返すことにより、物体表面へ吸着した装置が物体表面に沿って間欠走行する;ことを特徴とする、物体表面に吸着し且つそれに沿って走行可能な装置。
  2. 物体表面に平行であって且つ互いに直交する軸をX軸およびY軸と呼称し、物体表面と直交する軸をZ軸と呼称すれば;
    負圧の作用により物体表面へ吸着する吸着ユニットと;該吸着ユニットのその移動する方向に向かって左側と右側に各1式が配置されたY軸往復動ユニットであって、該移動する方向の前後方向に、すなわちY軸方向に、任意の時に、往復運動することが可能なY軸往復動ユニットと;該Y軸往復動ユニットの各々に装着された、Z軸方向に、任意の時に、往復運動することが可能なZ軸往復動ユニットと;該Z軸往復動ユニットの各々に装着された、Z軸方向に、任意の時に、往復運動することが可能な複動脚部材と;該吸着ユニットに装着された、Z軸方向に、任意の時に、往復運動することが可能な第2Z軸往復動ユニットと;該第2Z軸往復動ユニットの各々に装着された、Z軸方向に、任意の時に、往復運動することが可能な第2複動脚部材と;表面処理材料の噴射など物体表面へ作用を施す作用装置、または物体表面の検査など物体表面から情報を得る検査装置と;作用装置または検査装置を、物体表面に沿って、且つ、吸着ユニットの移動する方向と交差する方向に往復運動させる第2X軸往復動ユニット;により少なくとも構成された物体表面に吸着し且つそれに沿って走行可能な装置において;
    作用装置または検査装置を物体表面に沿ってスキャンさせ、且つ、物体表面へ吸着した装置を物体表面に沿ってY軸方向へ走行させる手順において;
    第1の手順として、複動脚部材がZ軸往復動ユニットの作用により物体表面から離反されており、且つ、第2複動脚部材が第2Z軸往復動ユニットの作用により物体表面へ強く押し付けられている、という原始状態において、第2X軸往復動ユニットの駆動により作用装置または検査装置の往路または復路のスキャンを行い、且つ、複動脚部材は、物体表面から離反したままの状態、且つ、第2複動脚部材が物体表面へ強く押し付けられたままの状態において、Y軸往復動ユニットが駆動されることにより、複動脚部材は装置の走行方向へ移動し;
    第2の手順として、複動脚部材がZ軸往復動ユニットの作用により物体表面へ強く押し付けられ、且つ、第2複動脚部材が第2Z軸往復動ユニットの作用により物体表面から離反し;
    第3の手順として、複動脚部材が物体表面へ強く押し付けられたままの状態、且つ、第2複動脚部材が物体表面から離反したままの状態において、Y軸往復動ユニットが駆動されることにより、吸着ユニット及び作用装置または検査装置が装置の走行方向へ移動し;
    第4の手順として、複動脚部材がZ軸往復動ユニットの作用により物体表面から離反され、且つ、第2複動脚部材が第2Z軸往復動ユニットの作用により物体表面へ強く押し付けられ、よって、該第1の手順の直前の状態、すなわち原始状態に戻り;以下、該第1の手順から該第4の手順までの動作を繰り返すことにより、物体表面へ吸着した装置が、物体表面へ作用を施しながら、あるいは、物体表面から情報を得ながら、物体表面に沿って間欠走行する;ことを特徴とする、物体表面に吸着し且つそれに沿って走行可能な装置。
  3. 吸着ユニットと2式のY軸往復動ユニットとの連結手段について、該2式のY軸往復動ユニットが該連結手段を中心として物体表面に沿って回転できるように、該連結手段は、物体表面と直交する回転軸を有する回転式連結手段から構成されている、ことを特徴とする、請求項1乃至請求項2のいずれかに記載の物体表面に吸着し且つそれに沿って走行可能な装置。
  4. 物体表面に平行であって且つ互いに直交する軸をX軸およびY軸と呼称し、物体表面と直交する軸をZ軸と呼称すれば;
    負圧の作用により物体表面へ吸着する吸着ユニットと;該吸着ユニットのその移動する方向に向かって左側と右側に各1式が配置されたY軸往復動ユニットであって、該移動する方向の前後方向に、すなわちY軸方向に、任意の時に、往復運動することが可能なY軸往復動ユニットと;該Y軸往復動ユニットの各々に装着された、Z軸方向に、任意の時に、往復運動することが可能なZ軸往復動ユニットと;該Z軸往復動ユニットの各々に装着された、Z軸方向に、任意の時に、往復運動することが可能な複動脚部材と;該吸着ユニットに装着された、Z軸方向に、任意の時に、往復運動することが可能な第2Z軸往復動ユニットと;該第2Z軸往復動ユニットの各々に装着された、Z軸方向に、任意の時に、往復運動することが可能な第2複動脚部材と;左側のY軸往復動ユニットと右側のY軸往復動ユニットとを連結するX軸往復動ユニットであって、X軸方向に、任意の時に、往復運動することが可能な部材に、該吸着ユニットが連結されているX軸往復動ユニット;により少なくとも構成された物体表面に吸着し且つそれに沿って走行可能な装置において;
    物体表面へ吸着した装置を物体表面に沿ってY軸方向へ走行させる第1の手順として、複動脚部材がZ軸往復動ユニットの作用により物体表面から離反されており、且つ、第2複動脚部材が第2Z軸往復動ユニットの作用により物体表面へ強く押し付けられている、という原始状態において、複動脚部材が物体表面から離反したままの状態、且つ、第2複動脚部材が物体表面へ強く押し付けられたままの状態において、Y軸往復動ユニットが駆動されることにより、複動脚部材が装置の走行方向へ移動し;
    第2の手順として、複動脚部材がZ軸往復動ユニットの作用により物体表面へ強く押し付けられ、且つ、第2複動脚部材が第2Z軸往復動ユニットの作用により物体表面から離反し;
    第3の手順として、複動脚部材が物体表面へ強く押し付けられたままの状態、且つ、第2複動脚部材が物体表面から離反したままの状態において、Y軸往復動ユニットが駆動されることにより、物体表面へ吸着した吸着ユニットが装置の走行方向へ移動し;
    第4の手順として、複動脚部材がZ軸往復動ユニットの作用により物体表面から離反され、且つ、第2複動脚部材が第2Z軸往復動ユニットの作用により物体表面へ強く押し付けられ、よって、該第1の手順の直前の状態、すなわち原始状態に戻り;以下、該第1の手順から該第4の手順までの動作を繰り返すことにより、物体表面へ吸着した装置が物体表面に沿って間欠走行し;
    物体表面へ吸着した装置を物体表面に沿ってX軸方向へ走行させる第1の手順として、複動脚部材がZ軸往復動ユニットの作用により物体表面から離反されており、且つ、第2複動脚部材が第2Z軸往復動ユニットの作用により物体表面へ強く押し付けられている、という原始状態において、複動脚部材が物体表面から離反したままの状態、且つ、第2複動脚部材が物体表面へ強く押し付けられたままの状態において、X軸往復動ユニットが駆動されることにより、複動脚部材が装置の走行方向へ移動し;
    第2の手順として、複動脚部材がZ軸往復動ユニットの作用により物体表面へ強く押し付けられ、且つ、第2複動脚部材が第2Z軸往復動ユニットの作用により物体表面から離反し;
    第3の手順として、複動脚部材が物体表面へ強く押し付けられたままの状態、且つ、第2複動脚部材が物体表面から離反したままの状態において、X軸往復動ユニットが駆動されることにより、物体表面へ吸着した吸着ユニットが装置の走行方向へ移動し;
    第4の手順として、複動脚部材がZ軸往復動ユニットの作用により物体表面から離反され、且つ、第2複動脚部材が第2Z軸往復動ユニットの作用により物体表面へ強く押し付けられ、よって、該第1の手順の直前の状態、すなわち原始状態に戻り;以下、該第1の手順から該第4の手順までの動作を繰り返すことにより、物体表面へ吸着した装置が物体表面に沿って間欠走行する;ことを特徴とする、物体表面に吸着し且つそれに沿って走行可能な装置。
  5. 物体表面に平行であって且つ互いに直交する軸をX軸およびY軸と呼称し、物体表面と直交する軸をZ軸と呼称すれば;
    負圧の作用により物体表面へ吸着する吸着ユニットと;該吸着ユニットのその移動する方向に向かって左側と右側に各1式が配置されたY軸往復動ユニットであって、該移動する方向の前後方向に、すなわちY軸方向に、任意の時に、往復運動することが可能なY軸往復動ユニットと;該Y軸往復動ユニットの各々に装着された、Z軸方向に、任意の時に、往復運動することが可能なZ軸往復動ユニットと;該Z軸往復動ユニットの各々に装着された、Z軸方向に、任意の時に、往復運動することが可能な複動脚部材と;該吸着ユニットに装着された、Z軸方向に、任意の時に、往復運動することが可能な第2Z軸往復動ユニットと;該第2Z軸往復動ユニットの各々に装着された、Z軸方向に、任意の時に、往復運動することが可能な第2複動脚部材と;左側のY軸往復動ユニットと右側のY軸往復動ユニットとを連結するX軸往復動ユニットであって、X軸方向に、任意の時に、往復運動することが可能な部材に、該吸着ユニットが連結されているX軸往復動ユニットと;表面処理材料の噴射など物体表面へ作用を施す作用装置、または物体表面の検査など物体表面から情報を得る検査装置と;作用装置または検査装置を、物体表面に沿って、且つ、吸着ユニットの移動する方向と交差する方向に往復運動させる第2X軸往復動ユニット;により少なくとも構成された物体表面に吸着し且つそれに沿って走行可能な装置において;作用装置または検査装置を物体表面に沿ってスキャンさせ、且つ、物体表面へ吸着した装置を物体表面に沿ってY軸方向へ走行させる手順において;
    第1の手順として、複動脚部材がZ軸往復動ユニットの作用により物体表面から離反されており、且つ、第2複動脚部材が第2Z軸往復動ユニットの作用により物体表面へ強く押し付けられている、という原始状態において、第2X軸往復動ユニットの駆動により作用装置または検査装置の往路または復路のスキャンを行い、且つ、複動脚部材は、物体表面から離反したままの状態、且つ、第2複動脚部材が物体表面へ強く押し付けられたままの状態において、Y軸往復動ユニットが駆動されることにより、複動脚部材は装置の走行方向へ移動し;
    第2の手順として、複動脚部材がZ軸往復動ユニットの作用により物体表面へ強く押し付けられ、且つ、第2複動脚部材が第2Z軸往復動ユニットの作用により物体表面から離反し;
    第3の手順として、複動脚部材が物体表面へ強く押し付けられたままの状態、且つ、第2複動脚部材が物体表面から離反したままの状態において、Y軸往復動ユニットが駆動されることにより、吸着ユニット及び作用装置または検査装置が装置の走行方向へ移動し;
    第4の手順として、複動脚部材がZ軸往復動ユニットの作用により物体表面から離反され、且つ、第2複動脚部材が第2Z軸往復動ユニットの作用により物体表面へ強く押し付けられ、よって、該第1の手順の直前の状態、すなわち原始状態に戻り;以下、該第1の手順から該第4の手順までの動作を繰り返すことにより、物体表面へ吸着した装置が、物体表面へ作用を施しながら、あるいは、物体表面から情報を得ながら、物体表面に沿って間欠走行する;ことを特徴とする、物体表面に吸着し且つそれに沿って走行可能な装置。
  6. 吸着ユニットと2式のY軸往復動ユニットとの相対的な位置関係、すなわち、吸着ユニットと2式のY軸往復動ユニットとが成す角度について、該2式のY軸往復動ユニットが連結手段を中心として物体表面に沿って回転できるように、該連結手段は、物体表面と直交する回転軸を有する回転式連結手段から構成されている、ことを特徴とする、請求項4乃至請求項5のいずれかに記載の物体表面に吸着し且つそれに沿って走行可能な装置。
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