JP7191591B2 - 基板処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、基板処理方法に関する。
枚葉式の基板処理装置では、基板を回転させながら処理液を基板に吐出することによって処理が行われる(例えば、特許文献1)。この処理によって、基板が帯電する可能性がある。例えば、枚葉式の基板処理装置では、基板を回転させるため、基板が摩擦帯電する可能性がある。特許文献1に記載の基板処理方法では、二酸化炭素のような帯電防止剤が添加された純水(炭酸水)を用いて、除電処理を行っている。
特許第6225067号公報
しかしながら、特許文献1に記載の基板処理方法では、アルカリ性の薬液を用いたエッチング処理を行う場合、炭酸水とアルカリ性の薬液とが中和反応を起こす可能性がある。その結果、エッチングレートが低下する可能性があった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的はエッチングレートの低下を抑制することができる基板処理方法を提供することにある。
本発明に係る基板処理方法は、シリコン窒化膜およびシリコン酸化膜が形成された基板を処理する。前記基板処理方法は、保持工程と、回転工程と、第1リンス工程と、薬液処理工程と、第2リンス工程とを含む。前記保持工程は、前記基板を基板保持部により保持する。前記回転工程は、前記基板を前記基板保持部とともに回転させる。前記第1リンス工程は、前記基板の主面に二酸化炭素を含有する第1リンス液を供給する。前記薬液処理工程は、アルカリ性薬液を前記基板の前記主面に供給して、前記シリコン窒化膜を選択的にエッチングする。前記第2リンス工程は、前記基板の前記主面に二酸化炭素が除去された第2リンス液を供給する。前記第2リンス工程は、前記第1リンス工程の後に前記第1リンス工程に続けて行われる。前記薬液処理工程は、前記第2リンス工程の後に前記第2リンス工程に続けて行われる。
ある実施形態において、前記アルカリ性薬液は、トリメチル-2ヒドロキシエチルアンモニウムハイドロオキサイドを含む。
ある実施形態において、前記第2リンス液は、脱イオン水を含む。
ある実施形態において、前記第2リンス液は、イソプロピルアルコールを含む。
ある実施形態において、上記基板処理方法は、前記薬液処理工程の後に続けて行われる前記第2リンス工程を更に含む
本発明に係る基板処理方法は、シリコン窒化膜およびシリコン酸化膜が形成された基板を処理する。前記基板処理方法は、保持工程と、空間形成工程と、気体供給工程と、回転工程と、第1リンス工程と、薬液処理工程と、第2リンス工程とを含む。前記保持工程は、前記基板を基板保持部により保持する。前記空間形成工程は、前記基板保持部と蓋部とで前記基板を囲んで前記基板を処理するための処理空間を形成する。前記気体供給工程は、前記処理空間に二酸化炭素を含有しない気体を供給する。前記回転工程は、前記基板を前記基板保持部とともに回転させる。前記第1リンス工程は、前記基板の主面に二酸化炭素を含有する第1リンス液を供給する。前記薬液処理工程は、アルカリ性薬液を前記基板の前記主面に供給して、前記シリコン窒化膜を選択的にエッチングする。前記第2リンス工程は、前記基板の前記主面に二酸化炭素が除去された第2リンス液を供給する。前記第2リンス工程は、前記第1リンス工程の後に前記第1リンス工程に続けて行われる。前記薬液処理工程は、前記第2リンス工程の後に前記第2リンス工程に続けて行われる。
ある実施形態において、前記空間形成工程と前記気体供給工程とは、第2リンス工程よりも前に行われる。
本発明に係る基板処理方法によれば、エッチングレートの低下を抑制することができる。
基板処理装置を示す図である。 基板処理方法を示すフローチャートである。 (a)および(b)は、エッチングレートの測定結果を示す図である。 基板処理方法を示すフローチャートである。 基板処理方法を示すフローチャートである。 本発明の実施形態2に係る基板処理装置の構成を示す断面図である。 トッププレートが図6に示す第1の位置から下降した状態を示す断面図である。 基板処理装置におけるガスおよび処理液の供給に係る気液供給部を示すブロック図である。 ノズルの一部を拡大して示す断面図である。 基板処理方法を示すフローチャートである。 基板処理方法を示すフローチャートである。 基板処理方法を示すフローチャートである。 基板処理方法を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。また、本発明の実施形態において、X軸、Y軸、およびZ軸は互いに直交し、X軸およびY軸は水平方向に平行であり、Z軸は鉛直方向に平行である。
[実施形態1]
図1~図3を参照して、本発明の実施形態1に係る基板処理装置100および基板処理方法を説明する。まず、図1を参照して基板処理装置100を説明する。図1は、基板処理装置100を示す図である。図1に示すように、基板処理装置100は、基板Wを処理液によって処理する。具体的には、基板処理装置100は、基板Wを1枚ずつ処理する枚葉型である。基板Wは略円板状である。
基板Wは、例えば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、電界放出ディスプレイ(Field Emission Display:FED)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、または、太陽電池用基板である。
基板処理装置100は、処理ユニット1と、制御装置3と、バルブV1と、供給配管P1と、バルブV2と、供給配管P2と、バルブV3と、供給配管P3と、バルブV4と、供給配管P4とを備える。
処理ユニット1は、基板Wに処理液を吐出して、基板Wを処理する。具体的には、処理ユニット1は、チャンバー5と、スピンチャック7と、スピンモーター9と、ノズル11と、ノズル移動部13と、ノズル15と、ノズル16と、ノズル17と、ノズル移動部19と、複数のガード25(実施形態1では2つのガード25)とを含む。
チャンバー5は略箱形状を有する。チャンバー5は、基板W、スピンチャック7、スピンモーター9、ノズル11、ノズル移動部13、ノズル15、ノズル16、ノズル17、ノズル移動部19、供給配管P1の一部、供給配管P2の一部、供給配管P3の一部、および供給配管P4の一部を収容する。
スピンチャック7は、基板Wを保持して回転する。スピンチャック7は「基板保持部」の一例に相当する。具体的には、スピンチャック7は、チャンバー5内で基板Wを水平に保持しながら、回転軸線AX1の回りに基板Wを回転させる。
スピンチャック7は、複数のチャック部材70と、スピンベース71とを含む。複数のチャック部材70はスピンベース71に設けられる。複数のチャック部材70は基板Wを水平な姿勢で保持する。スピンベース71は、略円板状であり、水平な姿勢で複数のチャック部材70を支持する。
スピンモーター9は、スピンベース71を回転軸線AX1の回りに回転させる。したがって、スピンベース71は回転軸線AX1の回りに回転する。その結果、スピンベース71に設けられた複数のチャック部材70に保持された基板Wが回転軸線AX1の回りに回転する。具体的には、スピンモーター9は、モーター本体90と、シャフト91とを含む。シャフト91はスピンベース71に結合される。そして、モーター本体90は、シャフト91を回転させることで、スピンベース71を回転させる。シャフト91は略筒状である。
ノズル11は、基板Wの回転中に基板Wの主面Waに向けてアルカリ性薬液を吐出する。アルカリ性薬液は、例えば、トリメチル-2ヒドロキシエチルアンモニウムハイドロオキサイド(以下、TMYと記載する)を含む。なお、アルカリ性薬液は、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)または水酸化アンモニウム(アンモニア水)でもよい。
基板処理装置100が基板Wに対してエッチング処理を実行する場合は、ノズル11は、基板Wの回転中に基板Wの主面Waに向けてアルカリ性薬液を吐出する。エッチング処理を実行する場合は、基板Wは、シリコン窒化膜およびシリコン酸化膜が形成された半導体ウエハである。エッチング処理とは、半導体ウエハの表面から、シリコン窒化膜を選択的にエッチングする処理のことである。
供給配管P1はノズル11にアルカリ性薬液を供給する。バルブV1は、ノズル11に対するアルカリ性薬液の供給開始と供給停止とを切り替える。
ノズル移動部13は、回動軸線AX2の回りに回動して、ノズル11の処理位置と待機位置との間で、ノズル11を水平に移動させる。処理位置は、基板Wの上方の位置を示す。待機位置は、スピンチャック7およびガード25よりも外側の位置を示す。
ノズル15は、基板Wの回転中に基板Wの主面Waに向けてリンス液を吐出する。リンス液は、例えば、炭酸水または脱イオン水である。炭酸水は、「第1リンス液」の一例に相当する。第1リンス液は、二酸化炭素を含有する。脱イオン水は、「第2リンス液」の一例に相当する。基板Wに炭酸水が吐出されることによって、基板処理装置100は、基板Wの除電を行うことができる。なお、第2リンス液は、イソプロピルアルコール(isopropyl alcohol:IPA)でもよい。
供給配管P2はノズル15にリンス液を供給する。バルブV2は、ノズル15に対するリンス液の供給開始と供給停止とを切り替える。
ノズル17は、基板Wの回転中に基板Wの主面Waに向けて薬液DHF(希フッ化水素酸)を吐出する。基板Wの主面Waに薬液DHFが供給されると、基板Wの主面Waに形成されている自然酸化膜が除去される。
供給配管P3はノズル17にアルカリ性薬液を供給する。バルブV3は、ノズル17に対する薬液DHFの供給開始と供給停止とを切り替える。
ノズル移動部19は、回動軸線AX3の回りに回動して、ノズル17の処理位置と待機位置との間で、ノズル17を水平に移動させる。処理位置は、基板Wの上方の位置を示す。待機位置は、スピンチャック7およびガード25よりも外側の位置を示す。
基板処理装置100が基板Wに対して乾燥処理を実行する場合に、ノズル16は、基板Wの回転中に基板Wの主面Waに向けてIPAを吐出する。基板Wの回転中に基板Wの主面Waに向けてIPAを吐出することによって、基板Wからリンス液が除去されて、基板Wが乾燥する。
供給配管P4はノズル16にIPAを供給する。バルブV4は、ノズル16に対するIPAの供給開始と供給停止とを切り替える。
複数のガード25の各々は略筒形状を有する。複数のガード25の各々は、基板Wから排出されたアルカリ性薬液、リンス液、DHF、またはIPAを受け止める。
制御装置3は、制御部30と、記憶部31とを含む。制御部30は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサーを含む。記憶部31は、記憶装置を含み、データおよびコンピュータープログラムを記憶する。具体的には、記憶部31は、半導体メモリーのような主記憶装置と、半導体メモリーおよび/またはハードディスクドライブのような補助記憶装置とを含む。記憶部31は、リムーバブルメディアを含んでいてもよい。制御部30のプロセッサーは、記憶部31の記憶装置が記憶しているコンピュータープログラムを実行して、処理ユニット1、バルブV1、バルブV2、バルブV3およびバルブV4を制御する。
図1および図2を参照して、実施形態1に係る基板処理方法を説明する。図2は、基板処理方法を示すフローチャートである。図2に示すステップS102~ステップS120の処理が実行されることによって、基板Wの処理が行われる。
ステップS102:基板Wをスピンチャック7により保持する。ステップS102は、「保持工程」の一例に相当する。処理は、ステップS104に進む。
ステップS104:基板Wをスピンチャック7とともに回転させる。ステップS104は、「回転工程」の一例に相当する。処理は、ステップS106に進む。
ステップS106:ノズル17は、基板Wの回転中に基板Wの主面Waに向けて薬液DHFを吐出する。その結果、基板Wの主面Waに形成されている自然酸化膜が除去される。処理は、ステップS108に進む。
ステップS108:ノズル15は、基板Wの回転中に基板Wの主面Waに向けて第1リンス液を吐出する。第1リンス液は、二酸化炭素を含有する。第1リンス液は、例えば、炭酸水である。例えば、ノズル15は、基板Wの回転中に基板Wの主面Waに向けて炭酸水を吐出する。基板Wの主面Waに炭酸水が吐出されることによって、基板Wが帯電することが抑制される。ステップS108は、「第1リンス工程」の一例に相当する。処理は、ステップS110に進む。
ステップS110:ノズル15は、基板Wの回転中に基板Wの主面Waに向けて第2リンス液を吐出する。第2リンス液は、二酸化炭素が除去されている。第2リンス液は可能な限り二酸化炭素が存在しないことが好ましいが、第2リンス液は、微量の二酸化炭素を含んでいてもよい。例えば、第2リンス液は、二酸化炭素の除去処理が行われていることが好ましい。第2リンス液は、例えば、脱イオン水である。例えば、ノズル15は、基板Wの回転中に基板Wの主面Waに向けて脱イオン水を吐出する。基板Wの主面Waに脱イオン水が吐出されることによって、基板Wの主面Wa上の炭酸水が脱イオン水に置換される。ステップS110は、「第2リンス工程」の一例に相当する。処理は、ステップS112に進む。
ステップS112:薬液処理が行われる。詳しくは、ノズル11は、基板Wの回転中に基板Wの主面Waに向けてアルカリ性薬液を吐出する。例えば、ノズル11は、基板Wの回転中に基板Wの主面Waに向けてTMYを吐出する。その結果、基板Wに対してエッチング処理が行われる。ステップS112は、「薬液処理工程」の一例に相当する。処理は、ステップS114に進む。
ステップS114:ノズル15は、基板Wの回転中に基板Wの主面Waに向けて第2リンス液を吐出する。例えば、ノズル15は、基板Wの回転中に基板Wの主面Waに向けて脱イオン水を吐出する。基板Wの主面Waに脱イオン水が吐出されることによって、基板Wの主面Wa上のTMYが脱イオン水に置換される。ステップS114は、「第2リンス工程」の一例に相当する。処理は、ステップS116に進む。
ステップS116:ノズル15は、基板Wの回転中に基板Wの主面Waに向けて第1リンス液を吐出する。例えば、ノズル15は、基板Wの回転中に基板Wの主面Waに向けて炭酸水を吐出する。基板Wの主面Waに炭酸水が吐出されることによって、基板Wの主面Wa上の脱イオン水が炭酸水に置換される。基板Wの主面Waに炭酸水が吐出されることによって、基板Wが帯電することが抑制される。ステップS116は、「第1リンス工程」の一例に相当する。処理は、ステップS118に進む。
ステップS118:IPA乾燥処理が行われる。詳しくは、ノズル16は、基板Wの回転中に基板Wの主面Waに向けてIPAを吐出する。その結果、基板Wが乾燥される。処理は、ステップS120に進む。
ステップS120:搬送ロボットは、スピンチャック7から基板Wを取り出す。処理は終了する。
図1および図2を参照して説明したように、本実施形態に係る基板処理方法では、第2リンス液を供給する第2リンス工程は、第1リンス液を供給する第1リンス工程と、薬液処理工程との間に行われる。したがって、アルカリ性薬液と二酸化炭素との中和反応が発生することを抑制することができる。その結果、中和反応によるエッチングレートの低下を抑制することができる。
また、本実施形態に係る基板処理方法では、薬液処理工程は、第2リンス液を供給する第2リンス工程の後に続けて行われる。したがって、薬液処理工程を行う前に第2リンス液によって第1リンス液が置換される。すなわち、基板W上は、弱酸性から中性へと変化する。したがって、アルカリ性の薬液を供給してエッチング処理を行う際に、アルカリ性薬液と二酸化炭素との中和反応を発生することを抑制することができる。その結果、中和反応によるエッチングレートの低下を抑制することができる。
さらに、本実施形態に係る基板処理方法では、第2リンス液を供給する第2リンス工程は、薬液処理工程の後に続けて行われる。詳しくは、本実施形態に係る基板処理方法では、「薬液処理工程」、「第2リンス液を供給する第2リンス工程」、「第1リンス液を供給する第1リンス工程」の順に処理が行われる。したがって、薬液処理工程を行った後に、第1リンス液を供給する第1リンス工程を行う前に、第2リンス液によってアルカリ薬液が置換される。薬液処理工程を行った後に続けて第1リンス液を供給する第1リンス工程を行った場合、アルカリ性薬液と二酸化炭素との中和反応が発生する可能性がある。一方、本実施形態の基板処理方法では、薬液処理工程を行った後に続けて第2リンス液を供給する第2リンス工程が行われる。したがって、アルカリ性薬液と二酸化炭素との中和反応が発生することを抑制することができる。その結果、中和反応によるエッチングレートの低下を抑制することができる。
また、本実施形態に係る基板処理方法では、薬液処理工程において、アルカリ性薬液と二酸化炭素との中和反応が発生しない。したがって、中和反応によるエッチングレートの低下を抑制することができる。
図3を参照して、図1を参照して説明した基板処理装置によって、図2を参照して説明した基板処理方法を実行した結果について説明する。図3(a)および図3(b)は、エッチングレートの測定結果を示す図である。図3(a)および図3(b)において、データL1は、実施形態1の結果を示す。データL2は、比較例の結果を示す。比較例に係る基板処理装置の条件は、ステップS110およびステップS114を実行しなかった点を除いて、実施形態1に係る基板処理装置100の条件と同じであった。図3(a)において、横軸は、リンス方法を示す。図3(a)において、縦軸は、エッチングレートを示す。図3(b)において、横軸は、測定座標を示す。詳しくは、図3(b)において、横軸は、基板Wの中心からの距離を示す。図3(b)において、縦軸は、エッチングレートを示す。
図3(a)に示すように、実施形態1に係る基板処理方法でのエッチングレート(データL1)は、比較例に係る基板処理方法でのエッチングレート(データL2)に比べて0.37nm大きくなった。実施形態1では、第1リンス液(炭酸水)を供給する第1リンス工程と、アルカリ薬液(TMY)を供給する薬液処理工程(TMY)との間に、第2リンス液(脱イオン水)を供給する第2リンス工程が行われるため、アルカリ薬液と、第1リンス液との中和反応が抑制され、エッチングレートの低下が抑制することができる。一方、比較例に係る基板処理方法では、炭酸水によるリンス工程の後に、アルカリ薬液を供給する工程が行われるため、アルカリ薬液と、炭酸水との中和反応が発生し、エッチングレートが低下している。
図3(b)に示すように、実施形態1に係る基板処理方法でのエッチングレート(データL1)は、比較例に係る基板処理方法でのエッチングレート(データL2)に比べて大きくなった。また、基板Wの中心からの距離が大きくなるにつれて、実施形態1に係る基板処理方法でのエッチングレート(データL1)と、比較例に係る基板処理方法でのエッチングレート(データL2)との差が0.36nmと大きくなった。基板Wの外周部にいくにつれて面積が大きくなるので、アルカリ薬液が基板W上に残っている時間も長い。したがって、中和反応による影響が基板Wの外周部の方が大きいと想定される。
[変形例1]
なお、実施形態1に係る基板処理方法では、第2リンス液を供給する第2リンス工程は、薬液処理工程の前後で行われていたが、第2リンス液を供給する第2リンス工程は、薬液処理工程の前のみ行われてもよい。図4を参照して、変形例1に係る基板処理方法を説明する。図4は、基板処理方法を示すフローチャートである。ステップS114が行われない点で、変形例1に係る基板処理方法は、実施形態1に係る基板処理方法と異なる。実施形態1と変形例1との重複部分については説明を省略する。
図4に示すように、薬液処理工程(ステップS112)は、第2リンス液を供給する第2リンス工程(ステップS110)の後に続けて行われる。したがって、アルカリ性薬液と二酸化炭素との中和反応が発生することを抑制することができる。その結果、中和反応によるエッチングレートの低下を抑制することができる。
[変形例2]
なお、実施形態1に係る基板処理方法では、第2リンス液を供給する第2リンス工程は、薬液処理工程の前後で行われていたが、第2リンス液を供給する第2リンス工程は、薬液処理工程の後のみ行われてもよい。図5を参照して、変形例2に係る基板処理方法を説明する。図5は、基板処理方法を示すフローチャートである。ステップS110が行われない点で、変形例2に係る基板処理方法は、実施形態1に係る基板処理方法と主に異なる。以下、変形例2が実施形態1と異なる点を主に説明する。
図5に示すように、第2リンス液を供給する第2リンス工程(ステップS114)は、薬液処理工程(ステップS112)の後に続けて行われる。したがって、アルカリ性薬液と二酸化炭素との中和反応が発生することを抑制することができる。その結果、中和反応によるエッチングレートの低下を抑制することができる。
[実施形態2]
図6~図11を参照して、本発明の実施形態2に係る基板処理装置100および基板処理方法を説明する。まず、図6および図7を参照して基板処理装置100を説明する。実施形態1と重複する部分は説明を省略する。
図6は、本発明の実施形態2に係る基板処理装置100の構成を示す断面図である。基板処理装置100は、基板Wを1枚ずつ処理する枚葉型である。基板処理装置100は、処理ユニット1を備える。処理ユニット1は、チャンバー5と、スピンチャック7と、スピンモーター9と、複数のガード25(実施形態2では2つのガード25)と、トッププレート6と、対向部材移動機構8と、ノズル101とを備え、これらの構成はチャンバー5の内部に収容される。
スピンチャック7は、水平状態で基板Wを保持する。スピンチャック7は、スピンベース部71と、複数のチャック部材70と、複数の係合部72とを備える。スピンチャック7は、複数の係合部72をさらに備える点で、実施形態1に係るスピンチャック7と異なる。
複数の係合部72は、中心軸J1を中心として略等角度間隔にて、スピンベース部71の上面の外周部に周方向に配置される。複数の係合部72は、複数のチャック部材70よりも径方向外側に配置される。
スピンモーター9は、スピンモーター収容部94の内部に収容される。スピンモーター9およびスピンモーター収容部94は、スピンチャック7の下方に配置される。スピンモーター9は、中心軸J1を中心として基板Wをスピンチャック7とともに回転する。スピンモーター9は、実施形態1に係るスピンモーター9と同様の構成を有する。
スピンモーター収容部94は、上面941と、側面942とを備える。上面941は、スピンモーター9の上方を覆う。上面941は、略円環板状である。側面942は、スピンモーター9の側方を覆う。側面942は、略円筒状である。スピンモーター収容部94の上面941の中央部には、スピンモーター9のシャフト91が挿入される開口が設けられる。シャフト91は、スピンベース部71の下面に接続される。スピンモーター収容部94の上面941は、シャフト91から径方向に離間して径方向外方へと広がる。スピンモーター収容部94の上面941は、間隙を介してスピンベース部71の下面と上下方向に対向する。以下の説明では、この間隙、すなわち、スピンモーター収容部94の上面941とスピンベース部71の下面との間の空間を、「スピンベース部下方間隙710」という。
ガード25は、実施形態1のガード25と同様の構成を有する。
トッププレート6は、平面視において略円形の部材である。トッププレート6は、基板Wの主面Wa(上面)に対向する対向部材である。トッププレート6は、基板Wの上方を遮蔽する遮蔽板である。トッププレート6は、「蓋部」の一例に相当する。トッププレート6の外径は、基板Wの外径、および、スピンベース部71の外径よりも大きい。トッププレート6は、対向部材本体61と、被保持部62と、複数の係合部63とを備える。対向部材本体61は、対向部材天蓋部611と、対向部材側壁部612とを備える。対向部材天蓋部611は、中心軸J1を中心とする略円環板状の部材であり、基板Wの主面Waに対向する。対向部材天蓋部611の中央部には、対向部材開口64が設けられる。対向部材開口64は、例えば、平面視において略円形である。対向部材開口64の直径は、基板Wの直径に比べて十分に小さい。対向部材側壁部612は、中心軸J1を中心とする略円筒状の部材であり、対向部材天蓋部611の外周部から下方に広がる。
複数の係合部63は、中心軸J1を中心として略等角度間隔にて、対向部材天蓋部611の下面の外周部に周方向に配置される。複数の係合部63は、対向部材側壁部612の径方向内側に配置される。
被保持部62は、対向部材本体61の上面に接続される。被保持部62は、対向部材筒部621と、対向部材フランジ部622とを備える。対向部材筒部621は、対向部材本体61の対向部材開口64の周囲から上方に突出する略筒状の部位である。対向部材筒部621は、例えば、中心軸J1を中心とする略円筒状である。対向部材フランジ部622は、対向部材筒部621の上端部から径方向外方に環状に広がる。対向部材フランジ部622は、例えば、中心軸J1を中心とする略円環板状である。
対向部材移動機構8は、対向部材保持部81と、対向部材昇降機構82とを備える。対向部材保持部81は、トッププレート6の被保持部62を保持する。対向部材保持部81は、保持部本体811と、本体支持部812と、フランジ支持部813と、支持部接続部814とを備える。保持部本体811は、例えば、中心軸J1を中心とする略円板状である。保持部本体811は、トッププレート6の対向部材フランジ部622の上方を覆う。本体支持部812は、略水平に延びる棒状のアームである。本体支持部812の一方の端部は保持部本体811に接続され、他方の端部は対向部材昇降機構82に接続される。
保持部本体811の中央部からはノズル101が下方に突出する。ノズル101は、対向部材筒部621に非接触状態で挿入される。以下の説明では、ノズル101と対向部材筒部621との間の空間を「ノズル間隙66」と呼ぶ。
フランジ支持部813は、例えば、中心軸J1を中心とする略円環板状である。フランジ支持部813は、対向部材フランジ部622の下方に位置する。フランジ支持部813の内径は、トッププレート6の対向部材フランジ部622の外径よりも小さい。フランジ支持部813の外径は、トッププレート6の対向部材フランジ部622の外径よりも大きい。支持部接続部814は、例えば、中心軸J1を中心とする略円筒状である。支持部接続部814は、フランジ支持部813と保持部本体811とを対向部材フランジ部622の周囲にて接続する。対向部材保持部81では、保持部本体811は対向部材フランジ部622の上面と上下方向に対向する保持部上部であり、フランジ支持部813は対向部材フランジ部622の下面と上下方向に対向する保持部下部である。
図6に示す位置にトッププレート6が位置する状態では、フランジ支持部813は、トッププレート6の対向部材フランジ部622の外周部に下側から接して支持する。換言すれば、対向部材フランジ部622が、対向部材移動機構8の対向部材保持部81により保持される。これにより、トッププレート6が、基板Wおよびスピンチャック7の上方にて、対向部材保持部81により吊り下げられる。以下の説明では、図6に示すトッププレート6の上下方向の位置を「第1の位置」という。トッププレート6は、第1の位置にて、対向部材移動機構8により保持されてスピンチャック7から上方に離間する。
フランジ支持部813には、トッププレート6の位置ずれ(すなわち、トッププレート6の移動および回転)を制限する移動制限部816が設けられる。図6に示す例では、移動制限部816は、フランジ支持部813の上面から上方に突出する突起部である。移動制限部816が、対向部材フランジ部622に設けられた孔部に挿入されることにより、トッププレート6の位置ずれが制限される。
対向部材昇降機構82は、トッププレート6を対向部材保持部81とともに上下方向に移動させる。図7は、トッププレート6が図6に示す第1の位置から下降した状態を示す断面図である。以下の説明では、図7に示すトッププレート6の上下方向の位置を「第2の位置」という。すなわち、対向部材昇降機構82は、トッププレート6を第1の位置と第2の位置との間でスピンチャック7に対して相対的に上下方向に移動する。第2の位置は、第1の位置よりも下方の位置である。換言すれば、第2の位置は、トッププレート6が第1の位置よりも上下方向においてスピンチャック7に近接する位置である。
トッププレート6が第2の位置に位置する状態では、トッププレート6の複数の係合部63がそれぞれ、スピンチャック7の複数の係合部72と係合する。複数の係合部63は、複数の係合部72により下方から支持される。換言すれば、複数の係合部72はトッププレート6を支持する対向部材支持部である。例えば、係合部72は、上下方向に略平行なピンであり、係合部72の上端部が、係合部63の下端部に上向きに形成された凹部に嵌合する。また、トッププレート6の対向部材フランジ部622は、対向部材保持部81のフランジ支持部813から上方に離間する。これにより、トッププレート6は、第2の位置にて、スピンチャック7により保持されて対向部材移動機構8から離間する。すなわち、トッププレート6は、対向部材移動機構8と非接触状態となる。
トッププレート6がスピンチャック7により保持された状態では、トッププレート6の対向部材側壁部612の下端が、スピンチャック7のスピンベース部71の上面よりも下方、または、スピンベース部71の上面と上下方向に関して同じ位置に位置する。トッププレート6が第2の位置に位置する状態でスピンモーター9が駆動されると、トッププレート6は、基板Wおよびスピンチャック7とともに回転する。換言すれば、トッププレート6が第2の位置に位置する状態では、トッププレート6は、スピンモーター9により基板Wおよびスピンチャック7とともに中心軸J1を中心として回転可能となる。
図8は、基板処理装置100におけるガスの供給と処理液の供給とに係る気液供給部110を示すブロック図である。気液供給部110は、ノズル101と、処理液供給部112と、ガス供給部113とを備える。処理液供給部112は、ノズル101に接続され、ノズル101に処理液を供給する。ガス供給部113は、ノズル101に接続され、ノズル101にガスを供給する。ガス供給部113は、スピンモーター収容部94にも接続され、スピンモーター収容部94を介してスピンベース部下方間隙710にガスを供給する。
基板処理装置100では、処理液として、様々な種類の液体が利用される。処理液は、例えば、実施形態1と同様に、DHF(希フッ化水素酸)、TMY、イソプロピルアルコール(IPA)、炭酸水、脱イオン水である。ガス供給部113から供給されるガスは、例えば、窒素(N2)ガスのような不活性ガスである。ガス供給部113からは、不活性ガス以外の様々なガスが供給されてもよい。
図9は、ノズル101の一部を拡大して示す断面図である。ノズル101は、例えば、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)により形成される。ノズル101の内部には、処理液流路116と、2つのガス流路117とが設けられる。処理液流路116は、図8に示す処理液供給部112に接続される。2つのガス流路117は、図8に示すガス供給部113に接続される。処理液流路116は、吐出口116aを有する。吐出口116aは、ノズル101の下端面に設けられる。ガス流路117は、下面噴射口117aと、側面噴射口117bとを有する。下面噴射口117aは、ノズル101の下端面に設けられる。側面噴射口117bは、ノズル101の側面に設けられる。
処理液供給部112から図9に示す処理液流路116に供給された処理液は、吐出口116aから下方へと吐出される。ノズル101から複数種類の処理液が吐出される場合、ノズル101には、複数種類の処理液にそれぞれ対応する複数の処理液流路116が設けられ、複数種類の処理液はそれぞれ複数の吐出口116aから吐出されてもよい。
ガス供給部113から中央のガス流路117(図中の右側のガス流路117)に供給された不活性ガスは、下面噴射口117aから下方に向けて供給(例えば、噴射)される。ガス供給部113から外周部のガス流路117に供給された不活性ガスは、複数の側面噴射口117bから周囲に供給される。
複数の側面噴射口117bは周方向に略等角度間隔で配列される。複数の側面噴射口117bは、外周部のガス流路117の下端部から周方向に延びる周状流路に接続される。ガス供給部113から供給された不活性ガスは、複数の側面噴射口117bから、斜め下方に向けて供給(例えば、噴射)される。なお、側面噴射口117bは1つだけ設けられてもよい。
処理液供給部112(図8参照)から供給された処理液は、ノズル101の吐出口116aから、図7に示す対向部材開口64を介して基板Wの主面Waに向けて吐出される。換言すれば、ノズル101は、処理液供給部112から供給された処理液を、対向部材開口64を介して基板Wの主面Waに供給する。基板処理装置100では、ノズル101は、対向部材本体61の対向部材開口64から下方に突出してもよい。換言すれば、ノズル101の先端が、対向部材開口64の下端縁よりも下方に位置してもよい。処理液供給部112から供給された処理液は、ノズル101内にて対向部材開口64を介して下方に流れ、ノズル101の吐出口116a(図9参照)から基板Wの主面Waに向けて吐出される。
ガス供給部113(図8参照)からノズル101に供給された不活性ガスの一部は、ノズル101の下面噴射口117a(図9参照)から、対向部材開口64を介してトッププレート6と基板Wとの間の空間(以下、「処理空間Sa」という。)に供給される。また、ガス供給部113からノズル101に供給された不活性ガスの一部は、ノズル101の複数の側面噴射口117b(図9参照)からノズル間隙66へと供給される。ノズル間隙66では、ガス供給部113から供給された不活性ガスが、ノズル101の側面から斜め下方に向かって供給されて下方に向かって流れる。その結果、不活性ガスが処理空間Saへと供給される。
基板処理装置100では、基板Wの処理は、好ましくは処理空間Saが不活性ガス雰囲気となっている状態で行われる。処理空間Saには、ノズル101から不活性ガスが供給される。換言すれば、ガス供給部113から処理空間Saに供給されるガスは、処理雰囲気用ガスである。処理雰囲気用ガスには、ノズル101からノズル間隙66へと供給され、ノズル間隙66を介して処理空間Saに供給されるガスも含まれる。
ガス供給部113からスピンモーター収容部94に供給された不活性ガスは、シャフト91に沿ってスピンベース部下方間隙710へと下方から供給され、スピンベース部下方間隙710において径方向外方へと拡がる。これにより、スピンベース部下方間隙710の中央部から径方向外方へと向かう不活性ガスの気流が形成され、シャフト91の周囲、および、スピンベース部下方間隙710が不活性ガスによりパージされる。すなわち、スピンベース部下方間隙710に供給されるガスは、シャフト91を封止するためのパージガスである。図8に示す例では、ガス供給部113は、パージガスの供給源であるパージガス供給部であり、かつ、処理雰囲気用ガスの供給源である処理雰囲気用ガス供給部でもある。そして、処理雰囲気用ガスとパージガスとが同じ種類のガスである。なお、処理雰囲気用ガスとパージガスとは、異なる種類のガスであってもよい。
図7~図11を参照して、実施形態2に係る基板処理方法を説明する。図10および図11は、基板処理方法を示すフローチャートである。図10に示すステップS202~ステップS210および図11に示すステップS212~ステップS226の処理が実行されることによって、基板Wの処理が行われる。ステップS204、ステップS206およびステップS224が行われる点で、実施形態2に係る基板処理方法は、実施形態1に係る基板処理方法と異なる。
図10に示すステップS202、ステップS208およびステップS210は、図2に示すステップS102、ステップS104およびステップS106に対応する。また、図11に示すステップS212~ステップS222およびステップS226は、図2に示すステップS108~ステップS118およびステップS120に対応する。以下、実施形態2が実施形態1と異なる点を主に説明する。
ステップS202:基板Wをスピンチャック7により保持する。ステップS202は、「保持工程」の一例に相当する。処理は、ステップS204に進む。
ステップS204:スピンチャック7とトッププレート6とで基板Wを囲んで処理空間Saを形成する。詳しくは、トッププレート6が第1の位置から第2の位置へと下方に移動し、トッププレート6がスピンチャック7により保持される。その結果、図7に示すように、処理空間Saが形成される。ステップS204は、「空間形成工程」の一例に相当する。処理は、ステップS206に進む。
ステップS206:処理空間Saに二酸化炭素を含有しない気体(以下、二酸化炭素非含有気体と記載する)を供給する。二酸化炭素非含有気体は、例えば、窒素である。詳しくは、ガス供給部113からノズル101を介して、処理空間Saに二酸化炭素非含有気体を供給する。その結果、処理空間Saが、二酸化炭素非含有気体が充填された雰囲気となる。すなわち、処理空間Saは、二酸化炭素非含有気体を供給する前に比べて、二酸化炭素の濃度が低くなる。ステップS206は、「気体供給工程」の一例に相当する。処理は、ステップS208に進む。
ステップS208:基板Wをスピンチャック7とともに回転させる。ステップS208は、「回転工程」の一例に相当する。処理は、ステップS210に進む。
ステップS210:処理液供給部112は、ノズル101を介して、基板Wの回転中に基板Wの主面Waに向けて薬液DHFを供給する。その結果、基板Wの主面Waに形成されている自然酸化膜が除去される。処理は、図11に示すS212に進む。
ステップS212:処理液供給部112は、ノズル101を介して、基板Wの回転中に基板Wの主面Waに向けて第1リンス液を供給する。例えば、ノズル101は、基板Wの回転中に基板Wの主面Waに向けて炭酸水を吐出する。基板Wの主面Waに炭酸水が吐出されることによって、基板Wが帯電することが抑制される。ステップS212は、「第1リンス工程」の一例に相当する。処理は、ステップS214に進む。
ステップS214:処理液供給部112は、ノズル101を介して、基板Wの回転中に基板Wの主面Waに向けて第2リンス液を吐出する。例えば、ノズル101は、基板Wの回転中に基板Wの主面Waに向けて脱イオン水を吐出する。基板Wの主面Waに脱イオン水が吐出されることによって、基板Wの主面Wa上の炭酸水が脱イオン水に置換される。ステップS214は、「第2リンス工程」の一例に相当する。処理は、ステップS216に進む。
ステップS216:薬液処理が行われる。詳しくは、処理液供給部112は、ノズル101を介して、基板Wの回転中に基板Wの主面Waに向けてアルカリ性薬液を吐出する。例えば、ノズル11は、基板Wの回転中に基板Wの主面Waに向けてTMYを吐出する。その結果、基板Wに対してエッチング処理が行われる。ステップS216は、「薬液処理工程」の一例に相当する。処理は、ステップS218に進む。
ステップS218:処理液供給部112は、ノズル101を介して、基板Wの回転中に基板Wの主面Waに向けて第2リンス液を吐出する。例えば、ノズル101は、基板Wの回転中に基板Wの主面Waに向けて脱イオン水を吐出する。基板Wの主面Waに脱イオン水が吐出されることによって、基板Wの主面Wa上のTMYが脱イオン水に置換される。ステップS218は、「第2リンス工程」の一例に相当する。処理は、ステップS220に進む。
ステップS220:処理液供給部112は、ノズル101を介して、基板Wの回転中に基板Wの主面Waに向けて第1リンス液を吐出する。例えば、ノズル15は、基板Wの回転中に基板Wの主面Waに向けて炭酸水を吐出する。基板Wの主面Waに炭酸水が吐出されることによって、基板Wの主面Wa上の脱イオン水が炭酸水に置換される。基板Wの主面Waに炭酸水が吐出されることによって、基板Wが帯電することが抑制される。ステップS220は、「第1リンス工程」の一例に相当する。処理は、ステップS220に進む。
ステップS222:IPA乾燥処理が行われる。詳しくは、ノズル101は、基板Wの回転中に基板Wの主面Waに向けてIPAを吐出する。その結果、基板Wが乾燥される。処理は、ステップS224に進む。
ステップS224:トッププレート6は、処理空間Saの形成を解除する。詳しくは、対向部材昇降機構82により対向部材保持部81が上方に移動する。その結果、図6に示すように、トッププレート6が第2の位置から第1の位置へと上方に移動する。トッププレート6は、スピンチャック7から上方に離間して対向部材保持部81に保持される。
ステップS226:搬送ロボットは、スピンチャック7から基板Wを取り出す。処理は終了する。
図6~図11を参照して説明したように、本実施形態に係る基板処理方法は、処理空間Saを形成する空間形成工程と、処理空間Saに二酸化炭素を含有しない気体を供給する気体供給工程とを含む。このため、処理空間Saが、二酸化炭素非含有気体が充填された雰囲気となる。したがって、処理空間Saは、二酸化炭素非含有気体を供給する前に比べて、二酸化炭素の濃度が低くなる。その結果、アルカリ性薬液と二酸化炭素との中和反応を発生することを抑制することができ、中和反応によるエッチングレートの低下を抑制することができる。
なお、図10および図11に示すフローチャートを参照して説明した基板処理方法では、保持工程(ステップS202)の次に、空間形成工程(ステップS204)および気体供給工程(ステップS206)が行われていたが、第2リンス工程(ステップS214)よりも前に行われる限り、本発明はこれに限定されない。例えば、空間形成工程(ステップS204)および気体供給工程(ステップS206)は、第1リンス工程(ステップS212)と第2リンス工程(ステップS214)との間に行われてもよい。
図12および図13を参照して、実施形態2の変形例に係る基板処理方法を説明する。図12および図13は、基板処理方法を示すフローチャートである。ステップS204およびステップS206が、ステップS212とステップS214との間で行われる点で、実施形態2の変形例に係る基板処理方法は、実施形態2に係る基板処理方法と異なる。以下、実施形態2の変形例が実施形態2と異なる点を主に説明する。
図12および図13に示すように、空間形成工程(ステップS204)および気体供給工程(ステップS206)は、第1リンス工程(ステップS212)と第2リンス工程(ステップS214)との間に行われる。この場合、基板処理装置100において、スピンチャック7とトッププレート6とは独立して回転可能であることが好ましい。
空間形成工程と気体供給工程とは、第2リンス工程よりも前に行われる。したがって、アルカリ性薬液と二酸化炭素との中和反応が発生することを抑制することができる。その結果、中和反応によるエッチングレートの低下を抑制することができる。
なお、空間形成工程(ステップS204)および気体供給工程(ステップS206)は、第2リンス工程よりも前に行われる限り、ステップS208とステップ210との間、またはステップS210とステップS212との間に行われてもよい。
以上、図面(図1~図13)を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質や形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
6 トッププレート(蓋部)
7 スピンチャック(基板保持部)
100 基板処理装置
Sa 処理空間
W 基板
Wa 主面

Claims (7)

  1. シリコン窒化膜およびシリコン酸化膜が形成された基板を処理する基板処理方法であって、
    前記基板を基板保持部により保持する保持工程と、
    前記基板を前記基板保持部とともに回転させる回転工程と、
    前記基板の主面に二酸化炭素を含有する第1リンス液を供給する第1リンス工程と、
    アルカリ性薬液を前記基板の前記主面に供給して、前記シリコン窒化膜を選択的にエッチングする薬液処理工程と
    記基板の前記主面に二酸化炭素が除去された第2リンス液を供給する第2リンス工程と
    を含
    前記第2リンス工程は、前記第1リンス工程の後に前記第1リンス工程に続けて行われ、
    前記薬液処理工程は、前記第2リンス工程の後に前記第2リンス工程に続けて行われる、基板処理方法。
  2. 前記アルカリ性薬液は、トリメチル-2ヒドロキシエチルアンモニウムハイドロオキサイドを含む、請求項1に記載の基板処理方法。
  3. 前記第2リンス液は、脱イオン水を含む、請求項1または請求項2に記載の基板処理方法。
  4. 前記第2リンス液は、イソプロピルアルコールを含む、請求項1または請求項2に記載の基板処理方法。
  5. 記薬液処理工程の後に続けて行われる前記第2リンス工程を更に含む、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の基板処理方法。
  6. シリコン窒化膜およびシリコン酸化膜が形成された基板を処理する基板処理方法であって、
    前記基板を基板保持部により保持する保持工程と、
    前記基板保持部と蓋部とで前記基板を囲んで前記基板を処理するための処理空間を形成する空間形成工程と、
    前記処理空間に二酸化炭素を含有しない気体を供給する気体供給工程と、
    前記基板を前記基板保持部とともに回転させる回転工程と、
    前記基板の主面に二酸化炭素を含有する第1リンス液を供給する第1リンス工程と、
    アルカリ性薬液を前記基板の前記主面に供給して、前記シリコン窒化膜を選択的にエッチングする薬液処理工程と
    記基板の前記主面に二酸化炭素が除去された第2リンス液を供給する第2リンス工程と
    を含
    前記第2リンス工程は、前記第1リンス工程の後に前記第1リンス工程に続けて行われ、
    前記薬液処理工程は、前記第2リンス工程の後に前記第2リンス工程に続けて行われる、基板処理方法。
  7. 前記空間形成工程と前記気体供給工程とは、第2リンス工程よりも前に行われる、請求項に記載の基板処理方法。
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