JP7189945B2 - 導電性面ファスナー及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、係合力が高く、係合及び剥離を繰り返しても導電性の低下が少なく、極めてフレキシブルであり、さらに審美性にも優れた導電性の面ファスナー及びその製造方法に関する。
また、本発明は、導電性面ファスナー、特に面ファスナーが係合素子面同士で重ね合わされて係合された場合に、一方の面ファスナー裏面と他方の面ファスナーの裏面が電気的に通じている導電性の織物系面ファスナーであって、係合力が高く、係合及び剥離を繰り返しても導電性の低下が少なく、極めてフレキシブルであり、さらに審美性にも優れた導電性の面ファスナー及びその製造方法に関する。
現在、係合及び剥離が容易で反復使用可能な結合材として、表面にフック状係合素子を有する面ファスナーとループ状係合素子を有する面ファスナーの組み合わせが各種用途に広く用いられている。さらに、このような面ファスナーに導電性を持たせることにより、面ファスナーを電磁波シールド製品、コネクター等に用いることも知られている。
例えば、特許文献1には、基布の表面に複数の係合素子を存在させた面ファスナーの該基布及び該係合素子の表面に銅、アルミ及び銀等の金属材料を気相蒸着した導電性面ファスナーが記載されている。また特許文献2には、面ファスナーのフック面とループ面に無電解メッキ法により、銅及びニッケル等の金属膜を形成し、さらにその表面をウレタン樹脂で覆って金属膜が剥離しないようにした導電性面ファスナーが記載されている。
また、特許文献3には、表面に係合素子を有する面ファスナーの基板に電気導体ワイヤを巻き付けた静電気の散逸に適した面ファスナーが記載されている。
また、特許文献4には、ヒーターを面ファスナーで係合させて発熱性を有するシートが記載されている。また、特許文献5には、発熱性を有する加温手段の電源を面ファスナーで取り付けることで、電源を簡単に交換できる保温靴が記載されている。
さらに、特許文献6には、絶縁性素材からなる複数の係合素子が配置された面ファスナー同士を係合させる面ファスナーの組み合わせにおいて、係合素子が存在している表面をいくつかの領域に分け、絶縁領域に囲まれた係合素子領域の係合素子に導電性高分子の溶液を塗布することにより、或いは銅及びニッケル等の金属をメッキすることにより同領域の係合素子表面に導電材をコーティングして導電領域としたフレキシブルコネクターが記載されている。
しかしながら、これら技術のうち、上記特許文献1の技術の場合には、得られた導電性面ファスナーを用いて係合及び剥離を繰り返すと、特にフック状係合素子表面に付与された金属層が剥離して、急激に導電性能が低下する問題点を有している。また上記特許文献2の技術の場合には、メッキ層が剥離しないように表面に塗布するウレタン層を厚くすると導電性能が消失し、それを避けるためにウレタン層を薄くするとメッキ層の剥離を防ぐことができないという問題点を有している。
さらに、これら特許文献1及び2の技術では、導電領域のループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸が樹脂及び金属等により集束され、高い係合力が得られず、また面ファスナーの表面全体が導電性の金属層により覆われていることから色が深灰色であり、ファッション性が要求される衣類及びインテリア分野には審美性の点で好ましくない。さらに面ファスナーの表面が全面に亘り剛直な金属層により覆われることから柔軟性が失われ、衣類表面等に取り付けた場合に、風合い及び快適性が損なわれることとなる。
また特許文献3及び4の技術の場合には、係合素子は全く導電性能を有していないことから、フック面ファスナーとループ面ファスナーを係合素子面同士重ね合わせても、一方の面ファスナーから他方の面ファスナーへ電気的に通じるということが起こり得ず、電磁波遮蔽の用途には使用できても、面ファスナーの係合及び剥離により電気接続と遮断を行うスイッチ及びコネクター等の用途には使用できない。また面ファスナーを取り付けた布帛を洗濯した場合には電気導体ワイヤが破断し易く、電磁波遮蔽効果すらも消失することなる。
また特許文献5の技術の場合には発熱性を有する加温手段は、その周上に導電ワイヤが巻かれおり、通電による発熱させることもできるとされているが、ワイヤが配置される量が少なく、高さ方向の配置もないため、発電効率が悪い。
さらに、特許文献6の技術の場合には、係合及び剥離を繰り返すと表面にコートした導電層は剥離して導電性能が急速に低下することとなり、さらにこの技術の場合には、導電領域の面ファスナー表面全体に導電層が付与されていることから、同領域が剛直となり、フレキシビリティが要求される衣料品等の用途には適していない。さらに、導電領域のループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸が樹脂及び金属等により集束され、高い係合力が得られないという問題点も有している。
特開平3-261405号公報 特開平7-194414号公報 特表2012-526566号公報 実用新案登録第3209693号公報 実用新案登録第3174398号公報 特開2015-109172号公報
本発明は、このように、面ファスナーに導電性を付与するために、導電性物質を係合素子の表面、特にフック面ファスナーの表面に付与した場合には、係合及び剥離を繰り返すことにより表面に付与した導電性物質が剥離して急速に導電性能が低下すること、また面ファスナーの表面に導電性物質を付与した場合には、導電性物質により深灰色となり、明るい色が求められる衣類及びインテリア等の分野には審美性の点で問題となること、さらに面ファスナー表面に金属層が存在することにより面ファスナーが剛直となり、柔軟性が要求される衣料品及びインテリア等の分野には適さないこと、ループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸が金属層及び樹脂層により集束されて係合し難く高い係合力が得られないこと、さらに発熱効率が悪いこと等の問題点を解消した導電性の面ファスナー及びその製造方法を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、上記問題に鑑み、特に面ファスナーが係合素子面同士で重ね合わされた場合に、一方の面ファスナー裏面と他方の面ファスナーの裏面が電気的に通じることが可能な導電性の織物系面ファスナーを提供することを目的とする。
すなわち本発明は、係合力が高く、係合及び剥離を繰り返しても導電性の低下が少なく、極めてフレキシブルであり、さらに審美性にも優れた、衣料品及びインテリアの分野にも使用可能な導電性の面ファスナー及びその製造方法を提供する。
さらに、本発明は、面ファスナーを係合素子面同士が向かい合うように重ね合わせた場合に、一方の面ファスナー裏面から他方の面ファスナーの裏面へ電気が流れることが可能な導電性の面ファスナー及びその製造方法を提供する。
本発明は、織物からなる基布の同一面に、マルチフィラメント糸の少なくとも一部が導電性のフィラメントであるループ状係合素子が複数存在し、ループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸が前記織物の経糸方向に織り込まれていることを特徴とする導電性面ファスナーである。
好ましくは、このような導電性面ファスナーにおいて、ループ状係合素子が、非導電性のマルチフィラメント糸と導電性のマルチフィラメント糸からなる場合である。
そして好ましくは、ループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸の左右両隣に存在している経糸の少なくとも1本には導電性のマルチフィラメント糸が存在している場合である。また好ましくは、織物を構成する緯糸として、熱融着性マルチフィラメント糸が用いられており、ループ状係合素子の根元が該熱融着性マルチフィラメント糸の融着により織物に固定されている場合である。また、フック状係合素子が存在する導電性面ファスナーである場合は、フック状係合素子の根元が熱融着性マルチフィラメント糸の融着により織物に固定されていることが好ましい。
また好ましくは、織物を構成する緯糸の少なくとも一部として導電性のフィラメントが用いられている場合、また好ましくは、複数のループ状係合素子が経糸方向に列をなして並んでおり、ループ状係合素子列の少なくとも片隣には複数のフック状係合素子が列をなして並んでおり、さらにその向こう隣には複数のループ状係合素子列が存在している導電性面ファスナーであって、フック状係合素子列を挟んで存在しているループ状係合素子列の距離が同ループ状係合素子の高さの2倍以上である場合である。なお、上記ループ状係合素子列及びその隣に存在するフック状係合素子列はそれぞれ1列でも、2列以上の複数列でも良く、2~3列であれば、本発明の導電性面ファスナー同士を係合さすることでより確実に通電しやすい。
また好適には、ループ状係合素子を構成する導電性フィラメントが面ファスナー裏面に露出しており、ループ状係合素子と面ファスナー裏面が電気的に通じている導電性面ファスナーの場合である。
また好適には、ループ状係合素子がナップ仕様である導電性面ファスナーの場合である。
また好適には、織物からなる基布の同一面に、モノフィラメント糸からなる複数のフック状係合素子と複数の前記ループ状係合素子が並存しているフック及びループ並存型面ファスナーである。
また好適には、フック状係合素子を構成するモノフィラメント糸が非導電性のモノフィラメント糸である場合である。
さらに、本発明は上記の導電性面ファスナーを用いた電子パーツ、発熱シート及び電磁波遮蔽シートである。電子パーツとしては特に制限はないが、例えば、スイッチ、コネクター、電線、電源、LED等の光源、ファン及びブザー用の回路等が挙げられる。そしてそれら電子パーツ、発熱シート及び電磁波遮蔽シートの少なくとも1つを用いた衣類または靴である。
そして本発明は、上記の導電性面ファスナー2枚が係合素子面同士で係合されており、一方の面ファスナー裏面と他方の面ファスナーの裏面が電気的に通じている導電性面ファスナーの組み合わせである。
また本発明は、マルチフィラメント糸からなる経糸、熱融着性マルチフィラメント糸を含む緯糸及び導電性フィラメントを含むループ状係合素子用糸を用意する工程と、前記ループ状係合素子用糸を経糸方向に織り込むとともに記ループ状係合素子用糸からなる複数のループが表面から立ち上がっているループ織物を織る工程と、前記ループ織物に熱を加えて緯糸に含まれている熱融着性マルチフィラメント糸を融着させてループの根元を織物に固定するとともにループの形状を固定する工程とを含む、導電性面ファスナーの製造方法。
また本発明は、マルチフィラメント糸からなる経糸、熱融着性マルチフィラメント糸を含む緯糸、モノフィラメント糸からなるフック状係合素子用糸及び導電性フィラメントを含むループ状係合素子用糸を用意する工程と、前記フック状係合素子用糸及び前記ループ状係合素子用糸をそれぞれ経糸方向に織り込むとともに前記フック状係合素子用糸及び前記ループ状係合素子用糸からなる複数のループが表面から立ち上がっているループ織物を織る工程と、前記ループ織物に熱を加えて緯糸に含まれている熱融着性マルチフィラメント糸を融着させてループの根元を織物に固定するとともにループの形状を固定する工程と、前記モノフィラメント糸からなるループの片脚を切断してループをフック状係合素子とする工程とを含む、フック及びループ並存型の導電性面ファスナーの製造方法。
本発明では、導電性面ファスナーとして、マルチフィラメント糸の少なくとも一部が導電性のフィラメントであるループ状係合素子が複数存在しているものである。また、本発明では、導電性面ファスナーとして、フック状係合素子とループ状係合素子が同一面に存在している、いわゆるフック及びループ並存型の面ファスナーを用いるものであって、ループ状係合素子の方に導電性の役割を持たせるものである。
従来の導電性面ファスナーの場合には、フック面ファスナーとループ面ファスナーの2種類の面ファスナーを係合させる面ファスナーを対象としており、この場合にはフック面ファスナーとループ面ファスナーの両方を導電性とする必要があり、フック面ファスナーを導電化した場合には、太いフック状係合素子の周囲を被覆した導電性皮膜が係合及び剥離を繰り返すことにより短期間で係合素子表面から脱落し、短期間で導電性能が消失することとなる。
それに対して本発明では、フック及びループ並存型面ファスナーでループ状係合素子の方を導電性とすることにより、2枚のフック及びループ並存型の導電性面ファスナーを重ね合わせた場合にループ状係合素子同士の接触により電気が一方の面ファスナーから他方の面ファスナーへ流れるようにしたものである。したがって、本発明は、従来の導電性フック状係合素子と導電性ループ状係合素子の係合により電気が一方の面ファスナーから他方の面ファスナーへ流れるようにしたものとは、発想が全く相違する。
しかも、ループ状係合素子は、複数のフィラメントが集束したマルチフィラメント糸から形成されており、このようなマルチフィラメント糸の一部として、導電性物質が被覆されたフィラメントが用いられている場合には、洗濯を行ってもマルチフィラメントの表面に付与されている導電性物質は剥離し難く、導電性能を保持している。さらに係合及び剥離を繰り返しても、集束されたマルチフィラメント糸の内部に存在している導電性フィラメントまで導電性物質が剥離することが少なく、さらに一部が剥離したとしても、束として存在している導電性マルチフィラメントの残存している導電性物質を伝わって電気が流れることとなり、その結果、係合及び剥離を繰り返すことにより導電性能の低下が抑制される。
さらに本発明の導電性面ファスナーでは、従来の導電性面ファスナーのように、製造された後の面ファスナーの表面を導電性物質で被覆する技術とは異なり、面ファスナーの製造に用いられる糸の段階で糸の表面に導電性物質が付与されており、したがって面ファスナーの表面が導電性物質により剛直化されている従来品とは、柔軟性の点で大きく異なる。
そして、本発明において、好ましくは、柔軟な細いフィラメントからなるループ状係合素子用マルチフィラメント糸に導電性フィラメントが合糸されており、したがって、係合力の点でも優れている。さらに面ファスナー全面が黒~灰色の導電性物質で覆われていないことから染色により面ファスナーの色調を自由に選ぶことができ、衣類及びインテリア等の用途に適している。
さらに本発明の導電性面ファスナーでは、従来の面ファスナーを利用した発熱性を有する部材とは異なり、面ファスナーの基布の長さ方向及び厚み方向に、連続して導電性のフィラメント導電性繊維が配置されているので、面ファスナーの面全体が暖まり、発熱効率が良好である点で従来品とは大きく異なる。
しかも、製造された後の面ファスナーの表面に導電性物質を被覆する従来の技術の場合には、導電性物質を面ファスナーの素子同士が重なって陰となっている箇所、繊維同士が重なり合っている箇所又は繊維束の内部に存在している繊維の表面まで付着させるのは難しい場合がある。さらに従来の面ファスナーでは、係合を剥離する際の引っ張りにより係合素子が基布から引き抜かれるのを防止するために、基布の裏面にはバックコート樹脂層と称される接着剤層が塗布されており、この層の存在により、係合素子から電気が入っても、この層で電気は遮断され、電気が面ファスナー裏面まで到達することはない。
それに対して本発明の導電性面ファスナーの場合には、導電性フィラメントはループ状係合素子用糸として基布を構成する糸の一部として用いられていることから、導電性フィラメントは面ファスナーの基布に織り込まれており、したがって面ファスナー裏面にも導電性フィラメントが存在しており、ループ状係合素子と面ファスナー裏面が電気的に通じているため、この導電性フィラメントを伝って、ループ状係合素子から入った電気は面ファスナー裏面まで到達することとなる。
しかも、緯糸として、熱融着性マルチフィラメント糸を用いた場合には、この熱融着性マルチフィラメント糸を融着させることによりループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸を基布に固定することが可能となり、従来技術のように、基布裏面にバックコート樹脂層を塗布する必要がなく、したがって面ファスナー裏面には、ループ状係合素子用糸の一部として使用した導電性フィラメントが露出していることとなり、面ファスナー裏面とループ係合素子が存在する表面が通電可能となる。
さらに、上記の導電性面ファスナーを用いた電子パーツ(例えば、スイッチ、コネクター、電線、電源、LED等の光源、ファン及びブザー用の回路)、発熱シート及び電磁波遮蔽シートとして用いる場合、所望の場所に貼り付け可能であり、着脱が容易であることから、容易に付け替え可能となる。そして、それらを衣類または靴に好適に使用可能である。
本発明の第1の実施の形態に係る導電性面ファスナーの好適な一例を模式的に示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係る導電性面ファスナーの好適な一例の緯糸方向に平行な断面を模式的に示す拡大図である。 本発明の第2の実施の形態に係る導電性面ファスナーの好適な一例を模式的に示す斜視図である。 本発明の第2の実施の形態に係る導電性面ファスナーの好適な一例の緯糸方向に平行な断面を模式的に示す拡大図である。
(第1の実施の形態)
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の第1の実施の形態に係る導電性面ファスナーは、図1に示すように基布の表面に、ループ状係合素子が存在している。図中、1が基布、3がループ状係合素子を表す。
ループ状係合素子用マルチフィラメント糸には、ポリエチレンテレフタレート系ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート系ポリエステル、ナイロン66系ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、メタ系アラミド、パラ系アラミド、ポリアリレート、ポリイミド等から形成されたマルチフィラメント糸が用いられる。
そして、本発明において重要なこととして、このループ状係合素子用マルチフィラメント糸の少なくとも一部が導電性のフィラメントであることが挙げられる。
そして、耐熱性を要求される導電性面ファスナーに用いられるループ状係合素子用マルチフィラメント糸としては、ポリフェニレンサルファイド、メタ系アラミド、パラ系アラミド等の耐熱性を有するマルチフィラメント糸を採用することが好ましい。
そして本発明において、係合及び剥離を繰り返しても導電性能が低下し難いことから、好ましくはループ状係合素子用マルチフィラメント糸として、非導電性のマルチフィラメント糸と導電性のマルチフィラメント糸の合糸を用いる場合である。また好ましくは非導電性のマルチフィラメント糸と導電性のマルチフィラメント糸の引き揃え糸を用いる場合である。
そして、本発明において重要なこととして、導電性フィラメントは、面ファスナーに用いられる以前の段階、特に非導電性マルチフィラメント糸と合糸される以前の段階で、フィラメント表面に導電性物質が付与されていることが挙げられる。
表面に付与される導電性物質としては、金、銀、銅、ニッケル等、公知の導電性金属が挙げられ、このような金属系の導電性物質をフィラメントの表面に付与する方法として、無電解メッキ法、電気メッキ法、蒸着法等の公知の方法が挙げられる。そして、導電性マルチフィラメント糸の場合、同マルチフィラメント糸を構成する個々のフィラメントの表面が導電性物質で覆われているのが好ましい。
そして、ループ状係合素子用マルチフィラメント糸(導電性フィラメントを含む)としては、8~58本のフィラメントからなるトータルデシテックスが200~500デシテックスのマルチフィラメント糸であって、そのうちの4質量%以上が導電性フィラメントであるのが好ましく、5~50質量%が導電性と係合力と剥離耐久性を兼ね備える点でより好ましい。具体的には導電性フィラメントとして、5~35本のフィラメントからなるトータルデシテックスが30~80デシテックスのマルチフィラメント糸が好ましい。
ループ状係合素子が、非導電性マルチフィラメント糸と導電性マルチフィラメント糸との合糸であると、高い係合力は非導電性マルチフィラメント糸が主として担い、導電性マルチフィラメント糸は係合及び剥離を繰り返しも導電性物質が剥離し難いことから、導電性能の低下を防ぐことができる。そして、導電性マルチフィラメント糸の場合、その内部のフィラメントの表面に存在している導電性物質が剥離され難く、一層この効果が高められる。
なお、本発明の導電性面ファスナーにおいて、ループ状係合素子用の糸は、すべて導電性フィラメントを含んでいる必要はなく、少なくともループ状係合素子の一部が導電性フィラメントを含んでいればよい。好ましくは、大部分のループ状係合素子用糸が導電性フィラメントを含んでいる場合である。
本発明において、ループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸は経糸方向に基布に挿入され、所々で、ループ状係合素子が経糸を跨いで基布表面にループが形成される。その結果、図1に示すように、複数のループ状係合素子も経糸方向に列をなして並ぶ構造となる。
本発明において、ループ状係合素子は、図2に示すように、緯糸方向5に並んで存在している。図2で、aが隣接するループ状係合素子間の距離であり、bがループ状係合素子の高さである。
ループ状係合素子間の距離aは、ループ状係合素子間での通電をより確実とする観点から、0.2~1.5mmであることが好ましく、0.3~1.0mmであることがより好ましく、0.4~0.8mmであることがさらに好ましい。
なお、ループ状係合素子間の距離aとは、図2に示されるように、緯糸方向5に隣接して存在するループ状係合素子の根本間のうち近い側の距離aの任意10点の平均値をいう。
ループ状係合素子の高さbは、面ファスナーを重ねた際に面ファスナー間での通電をより確実となる観点、及び、柔軟な手触り感が得られるという観点から、1.6~4.0mmあることが好ましく、1.8~3.5mmであることがより好ましく、2.0~3.0mmであることがさらに好ましい。
なお、ループ状係合素子の高さbとは、任意10点で求めたうち任意のループ状係合素子の高さbの10点の平均をいう。
本発明において、ループ状係合素子の密度は、通電をより確実とする観点から、マルチフィラメント単位で20~40個/cmが好ましく、特に好ましくは25~35個/cmである。
本発明におけるループ状係合素子は、ナップ仕様であってもよい。ループ状係合素子がナップ仕様すなわち起毛編み地からなるものであることで、係合性及び柔軟性を向上させることができる。
本発明において、ナップ仕様である場合のループ状係合素子の密度は、通電をより確実とする観点から、マルチフィラメント単位で30~120個/cmが好ましく、特に好ましくは80~120個/cmである。
次に、本発明の面ファスナーにおいて、基布を構成する経糸としては、ポリエチレンテレフタレート系ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート系ポリエステル、ナイロン66系ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、メタ系アラミド、パラ系アラミド、ポリアリレート、ポリイミド等からなる糸が用いられる。
そして経糸は、面ファスナーの長さ方向に連続して存在することにより、面ファスナーを製造する上で工程安定性をもたらす糸であることから、製造工程において寸法変化が生じにくく、特に熱処理条件において、収縮等の変化が少ない糸であることが好ましく、したがって特にポリエチレンテレフタレートホモポリマーから形成されているマルチフィラメント糸が好ましい。
そして、耐熱性を要求される導電性面ファスナーに用いられる経糸としては、ポリフェニレンサルファイド、メタ系アラミド、パラ系アラミド等の耐熱性を有するマルチフィラメント糸を採用することが好ましい。
経糸を構成するマルチフィラメント糸の太さとしては、8~50本のフィラメントからなり、トータルデシテックスが100~250デシテックスであるマルチフィラメント糸が好ましく、特に10~40本のフィラメントからなるトータルデシテックスが120~200デシテックスであるマルチフィラメントが好ましい。そして、このようなマルチフィラメント糸を経糸織密度として60~90本/cmとなるように基布を構成する。
ループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸は前述したように経糸方向に織物に織り込まれる。ループ状係合素子用マルチフィラメント糸の織り込み本数は、合計で、経糸本数20本(ループ状係合素子用マルチフィラメント糸を含む)に対して3~6本位が好ましく、特に経糸5本のうちの1本が係合素子用糸となるように等間隔に織り込むのが好ましい。
本発明の導電性面ファスナーの基布に用いられる緯糸としては、上記熱処理条件下で熱融着してループ状係合素子用マルチフィラメント糸からなるループの根元を基布に強固に固定できる低融点樹脂を鞘成分とする芯鞘型複合繊維からなるマルチフィラメント糸またはこのようなマルチフィラメント糸を含むマルチフィラメント糸が好ましい。
しかも該鞘成分には、無機微粒子が0.03~1質量%添加されているのが好ましい。無機微粒子の例として、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、硫酸バリウム等が挙げられ、なかでも酸化チタンが特に好ましい。
この量の無機微粒子が添加されていることにより、鞘成分を溶融させてバインダーとして働かせた際に、溶融したバインダー樹脂が広く流れ出して基布内に広く浸透することを防止でき、その結果、基布を硬いものとなることを防止することができ、衣類等に用いるのに適することとなる。添加量が0.03質量%より少ない場合には、樹脂の流れ出しを十分に防ぐことができず、1質量%を超える場合には、逆に溶融した樹脂がループ状係合素子用のマルチフィラメント糸からなるループの根元を固定する能力が劣ることとなり、係合及び剥離の繰り返しにより係合素子が引き抜かれ易くなる。より好ましくは、0.04~0.8質量%の無機微粒子が添加されている場合である。
なお、緯糸となる芯鞘型の熱融着性繊維の鞘成分樹脂は、ループ状係合素子用のマルチフィラメント糸、さらには経糸、該芯鞘型熱融着性繊維の芯成分樹脂のいずれよりも低い融点または軟化点を有していることが好ましく、より好ましくは、融点または軟化点が20℃以上、さらに好ましくは30℃以上低い樹脂である場合である。
具体的には、鞘成分樹脂として、150~200℃の融点または軟化点を有しているポリエステル系の樹脂が好ましい。例えば、イソフタル酸又はスルホイソフタル酸ソーダ、エチレングリコール及びプロピレングリコール等が15~30モル%共重合されたポリエチレンテレフタレート系及びポリブチレンテレフタレート系のポリエステル樹脂が係合素子の耐引抜性の点で好適例として挙げられる。
そして芯成分樹脂としては、鞘成分樹脂との耐剥離性の点でポリエステル系の樹脂が好ましく、さらに高融点を有していることが求められることからポリエチレンテレフタレートホモポリマー及びポリブチレンテレフタレートホモポリマーが挙げられ、なかでも形態安定性の点でポリエチレンテレフタレートホモポリマーが特に好ましい。
芯鞘複合繊維における芯成分と鞘成分の比率は重量比で60:40~80:20の範囲が好ましい。そして緯糸を構成するフィラメントに占める芯鞘型熱融着性フィラメントの割合は25~100質量%が好ましい。緯糸を構成する芯鞘型熱融着性フィラメント以外のフィラメントとしては、通常のポリエステル系及びポリアミド系の熱非融着性のマルチフィラメント糸及びポリフェニレンサルファイド系のマルチフィラメント糸が代表例として挙げられる。
なお、緯糸を構成するマルチフィラメント糸の太さとしては、12~72本のフィラメントからなるトータルデシテックスが100~300デシテックスであるマルチフィラメント糸が好ましく、特に24~48本のフィラメントからなるトータルデシテックスが150~250デシテックスであるマルチフィラメント糸が好ましい。
そして、このような緯糸用のマルチフィラメント糸を織密度として15~25本/cmとなるように基布を織り込むのが好ましい。
そして、緯糸の質量割合としては、面ファスナーを構成するループ状係合素子用マルチフィラメント糸と経糸と緯糸の合計質量に対して15~40%が好ましい。
基布(織物)の織組織としては、ループ状係合素子用マルチフィラメント糸を経糸の一部とした平織りが好ましい。
そしてこれらの糸から織られた係合素子用ループを表面に多数有する織物は、係合素子用ループのループ形状を固定するために、熱が加えられる。本発明の面ファスナーにおいては、緯糸として熱融着性マルチフィラメント糸が用いられている場合には、ループ形状を固定するために加えられる熱が同時に基布を構成する緯糸の熱融着性マルチフィラメント糸を融着させ、ループ状係合素子を基布に固定することとなる。したがって、加えられる熱の温度としては、熱融着性マルチフィラメント糸が溶融する温度で、かつループ状係合素子用マルチフィラメント糸が熱固定される温度である160~220℃が一般的に好適に用いられ、より好ましくは170~210℃の範囲である。
なお、上記したように、本発明は、好ましくは基布構成繊維を熱融着させることによりループ状係合素子の根元を基布に強固に固定するものであり、したがって従来の面ファスナーのように基布裏面にバックコート樹脂層を塗布する必要がないというよりも、バックコート樹脂層を塗布しないことから、面ファスナー表面に存在するループ状係合素子に伝わった電気信号を面ファスナー裏面に直接伝えることができる。
導電性面ファスナーとしては、一組(すなわち重ね合わせた2枚の面ファスナー)の導電性面ファスナーでひとつの電気信号を伝達する場合(この場合を単経路型と称す。)と面ファスナー面を絶縁された複数の伝達経路に分けてそれぞれの経路から別々に電気信号を伝達する場合(この場合を複数経路型と称す。)の2通りの使い方がある。
単経路型の代表的な用途としてスイッチ用途が挙げられ、面ファスナーの係合を剥がすことにより電気を遮断するような使い方が挙げられる。例えば、衣類の表面にフレキシブル太陽光発電パネルを本発明の導電性面ファスナーで取り付け、そして、得られた電気で衣類内部の電機機器を動かすような用途が挙げられる。
また複数経路型としては、生体電極を備えた衣類が挙げられ、一組の面ファスナーで脳波、心電図、血中酸素濃度情報等の複数の電気信号を伝達でき、しかも衣類を洗濯する際に装置を外すことができるような使い方ができる。
これら2通りの使い方のうち、複数経路型として使用する場合には、導電性面ファスナーは、導電性フィラメントを含むループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸が織物を構成する経糸方向に織物に織り込まれており、そのループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸の左右両隣に存在している計2本の経糸のうちの少なくとも1本には導電性のフィラメントが存在しているようにするのが好ましい。そうすることにより、上記ループ状係合素子から伝わった電気信号等を面ファスナー裏面からより確実の取り出すことができる。
すなわち、ループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸の左右両隣に存在している経糸は、ループ係合素子を構成しているマルチフィラメント糸と接しつつ、かつ緯糸に対する浮沈関係を逆としていることから、基布裏面の該マルチフィラメント糸が存在する場所には、導電性フィラメントを含むループ状係合素子用マルチフィラメント糸及びその隣に存在している導電性経糸のいずれか一方が確実に存在していることとなるため、ループ状係合素子から伝達された電気信号はより確実に面ファスナー裏面から取り出すことができることとなる。
そして、導電性のフィラメントが存在している経糸用の導電性マルチフィラメント糸及びループ状係合素子用の導電性糸からなる一群の導電性経糸群は非導電性の経糸群により挟まれているのが絶縁された複数経路を確保する上で好ましい。
このように経糸に導電性フィラメントを存在させることにより一組の面ファスナーで複数の情報伝達経路を実現できる。
本発明の導電性面ファスナーは、表面にフック状係合素子のみが存在している導電性フック面ファスナーとの組み合わせでも使用でき、さらには導電性面ファスナー以外の面ファスナーとの組み合わせでも使用でき、さらには係合させる用途以外の用途にも導電性シートとしても使用できる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態に係る導電性面ファスナーについて説明する。第1実施形態に係る導電性面ファスナーと重複する構成部材等については記載を省略する。
本発明の第2の実施の形態に係る導電性面ファスナーは、図2に示すように基布の表面に、フック状係合素子とループ状係合素子が並存している、いわゆるフック及びループ並存型の布製面ファスナーである。図中、1が基布、2がフック状係合素子、3がループ状係合素子を表す。すなわち本発明の面ファスナーは、面ファスナーの係合素子が存在している基布から1cm四方の大きさの基布を切り出した場合に、その切り出した基布にフック状係合素子とループ状係合素子の両方が存在している状態のフック及びループ並存型面ファスナーである。
本発明のフック及びループ並存型の導電性面ファスナーは、主として、フック状係合素子用モノフィラメント糸、ループ状係合素子用マルチフィラメント糸、経糸及び緯糸から構成される。
本発明のフック及びループ並存型の導電性面ファスナーにおけるフック状係合素子としては、第1の実施の形態で記載したものと同様のものを用いることができる。
フック状係合素子用モノフィラメント糸には、軽い力ではフック形状が伸展されない、いわゆるフック形状保持性が求められ、そのために太い剛直な合成繊維製のモノフィラメント糸が用いられる。本発明では、このモノフィラメント糸として、ポリエチレンテレフタレート系ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート系ポリエステル、ナイロン66系ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、メタ系アラミド、パラ系アラミド、ポリアリレート、ポリイミド等から構成されるモノフィラメント糸が用いられる。
フック状係合素子用モノフィラメント糸の太さとしては、直径0.12~0.30mmが係合力及び製織性の点で好ましく、より好ましくは直径0.15~0.25mmの範囲である。
そして、耐熱性を要求される導電性面ファスナーに用いられるフック状係合素子用モノフィラメント糸としては、ポリフェニレンサルファイド、メタ系アラミド、パラ系アラミド等の耐熱性を有するマルチフィラメント糸を採用することが好ましい。
本発明において、フック状係合素子の高さとしては1.5~3.0mm、ループ状係合素子の高さとしては1.6~4.0mm、そしてフック状係合素子よりもループ状係合素子の方が0.1~1.0mm高いのが、面ファスナーを重ねた際に面ファスナー間での通電をより確実となることから好ましく、さらに柔軟な手触り感が得られることからも好ましい。
より好ましくは、フック状係合素子の高さが1.8~2.5mm、ループ状係合素子高さが2.0~3.3mm、そしてフック状係合素子よりもループ状係合素子の方が0.2~0.8mm高い場合である。なお、ここでいう係合素子の高さとは、任意に選んだ係合素子のうち織物基布表面から係合素子先端部(基布表面から垂直方向に一番高い部分)までの距離のそれぞれ10本の平均値であり、面ファスナーの断面の写真から容易に求められる。
そして、本発明において、フック状係合素子の密度としては20~40個/cmが好ましく、特に好ましくは25~35個/cmである。そしてループ状係合素子の密度としては、マルチフィラメント単位で20~40個/cmが好ましく、特に好ましくは25~35個/cmである。さらに、フック状係合素子密度:ループ状係合素子密度が1:0.5~1.5の範囲であるのが確実な導電性を得る上で、さらに高い係合力を得る上で好ましく、より好ましくは1:0.8~1.2の範囲である。
本発明において、フック状係合素子を構成するモノフィラメント糸及びループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸はともに経糸方向に基布に挿入され、所々で、特にフック状係合素子の場合には経糸を跨いでループが形成され、またループ状係合素子の場合も経糸を跨いで基布表面にループが形成される。その結果、図3に示すように、複数のフック状係合素子が経糸方向に列をなして並び、同時に、複数のループ状係合素子も経糸方向に列をなして並ぶ構造となる。
導電性及び係合力をより確実なものとするためには、ループ状係合素子の列が経糸方向に複数列隣り合って並び、その複数列の隣にフック状係合素子の列が経糸方向に複数列存在しており、このような複数列が交互に存在しているのが好ましく、特に好ましくは、図3に示すように、ループ状係合素子列及びフック状係合素子列がそれぞれ2列単位で交互に存在しており、2列存在しているフック状係合素子列の中央部分に近い方の脚部が切断されている構造の配列を基本の繰り返し単位としている場合である。
なお、フック状係合素子を構成するモノフィラメント糸を構成するマルチフィラメント糸は前述したように経糸方向に織物に織り込まれる。フック状係合素子用モノフィラメント糸の織り込み本数は、合計で、経糸本数20本(フック状係合素子用モノフィラメント糸を含む)に対して3~6本位が好ましく、特に経糸5本のうちの1本が係合素子用糸となるように等間隔に織り込むのが好ましい。
本発明の導電性面ファスナーの基布に用いられる緯糸としては、上記熱処理条件下で熱融着してフック状係合素子用モノフィラメント糸及びループ状係合素子用マルチフィラメント糸からなるループの根元を基布に強固に固定できる低融点樹脂を鞘成分とする芯鞘型複合繊維からなるマルチフィラメント糸またはこのようなマルチフィラメント糸を含むマルチフィラメント糸が好ましい。
しかも該鞘成分には、無機微粒子が0.03~1質量%添加されているのが好ましい。無機微粒子の例として、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、硫酸バリウム等が挙げられ、なかでも酸化チタンが特に好ましい。
この量の無機微粒子が添加されていることにより、鞘成分を溶融させてバインダーとして働かせた際に、溶融したバインダー樹脂が広く流れ出して基布内に広く浸透することを防止でき、その結果、基布を硬いものとなることを防止することができ、衣類等に用いるのに適することとなる。添加量が0.03質量%より少ない場合には、樹脂の流れ出しを十分に防ぐことができず、1質量%を超える場合には、逆に溶融した樹脂がフック状係合素子用のモノフィラメント糸及びループ状係合素子用のマルチフィラメント糸からなるループの根元を固定する能力が劣ることとなり、係合及び剥離の繰り返しにより係合素子が引き抜かれ易くなる。より好ましくは、0.04~0.8質量%の無機微粒子が添加されている場合である。
なお、緯糸となる芯鞘型の熱融着性繊維の鞘成分樹脂は、フック状係合素子用のモノフィラメント糸及びループ状係合素子用のマルチフィラメント糸、さらには経糸、該芯鞘型熱融着性繊維の芯成分樹脂のいずれよりも低い融点または軟化点を有していることが好ましく、より好ましくは、融点または軟化点が20℃以上、さらに好ましくは30℃以上低い樹脂である場合である。
具体的には、鞘成分樹脂として、150~200℃の融点または軟化点を有しているポリエステル系の樹脂が好ましい。例えば、イソフタル酸又はスルホイソフタル酸ソーダ、エチレングリコール及びプロピレングリコール等が15~30モル%共重合されたポリエチレンテレフタレート系及びポリブチレンテレフタレート系のポリエステル樹脂が係合素子の耐引抜性の点で好適例として挙げられる。
そして芯成分樹脂としては、鞘成分樹脂との耐剥離性の点でポリエステル系の樹脂が好ましく、さらに高融点を有していることが求められることからポリエチレンテレフタレートホモポリマー及びポリブチレンテレフタレートホモポリマーが挙げられ、なかでも形態安定性の点でポリエチレンテレフタレートホモポリマーが特に好ましい。
芯鞘複合繊維における芯成分と鞘成分の比率は重量比で60:40~80:20の範囲が好ましい。そして緯糸を構成するフィラメントに占める芯鞘型熱融着性フィラメントの割合は25~100質量%が好ましい。緯糸を構成する芯鞘型熱融着性フィラメント以外のフィラメントとしては、通常のポリエステル系及びポリアミド系の熱非融着性のマルチフィラメント糸及びポリフェニレンサルファイド系のマルチフィラメント糸が代表例として挙げられる。
なお、緯糸を構成するマルチフィラメント糸の太さとしては、12~72本のフィラメントからなるトータルデシテックスが100~300デシテックスであるマルチフィラメント糸が好ましく、特に24~48本のフィラメントからなるトータルデシテックスが150~250デシテックスであるマルチフィラメント糸が好ましい。
そして、このような緯糸用のマルチフィラメント糸を織密度として15~25本/cmとなるように基布を織り込むのが好ましい。
そして、緯糸の重量割合としては、面ファスナーを構成するフック状係合素子用モノフィラメント糸とループ状係合素子用マルチフィラメント糸と経糸と緯糸の合計重量に対して15~40%が好ましい。
基布(織物)の織組織としては、フック状係合素子用モノフィラメント糸及びループ状係合素子用マルチフィラメント糸を経糸の一部とした平織りが好ましく、これら係合素子用糸のうち、特にフック状係合素子用のモノフィラメント糸は、組織の途中で基布面から立ち上がり、ループを形成しつつ経糸を1~4本飛び越えて緯糸間にもぐりこむような織組織が、ループ状係合素子用ループを傷つけることなく、フック状係合素子用ループの側部を切断できることから好ましい。
そしてこれらの糸から織られた係合素子用ループを表面に多数有する織物は、係合素子用ループのループ形状を固定するために、熱が加えられる。本発明の面ファスナーにおいては、緯糸として熱融着性マルチフィラメント糸が用いられている場合には、ループ形状を固定するために加えられる熱が同時に基布を構成する緯糸の熱融着性マルチフィラメント糸を融着させ、ループ状係合素子及びフック状係合素子を基布に固定することとなる。したがって、加えられる熱の温度としては、熱融着性マルチフィラメント糸が溶融する温度で、かつフック状係合素子用モノフィラメント糸及びループ状係合素子用マルチフィラメント糸が熱固定される温度である160~220℃が一般的に好適に用いられ、より好ましくは170~210℃の範囲である。
そして、熱処理された面ファスナー用織物は、次に、フック状係合素子用ループをフック状係合素子とするために、そのループ脚部の片側部が切断される。フック状係合素子の脚部の片側部を切断する際に、ループ状係合素子のマルチフィラメントも傷つけられることを防ぐために、図4に示すように、フック状係合素子を緯糸方向に最低2列隣り合わせで存在させ(図4では2列)、そしてその隣にループ状係合素子列を存在させるような配列とし、ループ状係合素子から離れている方のフック状係合素子用ループの脚部を切断するのが好ましい。
なお、上記したように、本発明は、好ましくは基布構成繊維を熱融着させることによりループ状係合素子及びフック状係合素子の根元を基布に強固に固定するものであり、したがって従来の面ファスナーのように基布裏面にバックコート樹脂層を塗布する必要がないというよりも、バックコート樹脂層を塗布しないことから、面ファスナー表面に存在するループ状係合素子に伝わった電気信号を面ファスナー裏面に直接伝えることができる。
なお、複数経路型を得る場合には、複数のループ状係合素子が経糸方向に列をなして並んでおり、ループ状係合素子列の少なくとも片隣には複数のフック状係合素子が列をなして並んでおり、さらにその向こう隣には複数のループ状係合素子列が存在している導電性面ファスナーであって、フック状係合素子列を挟んで存在しているループ状係合素子列同士の距離が同ループ状係合素子の高さの2倍以上であることが好ましい。この距離を満足していることにより、ループ状契合素子に伝わった電気信号が緯糸方向に伝わることを阻止することができ、したがって複数の独立した情報伝達経路を確実に確保できることとなる。
このことを分かり易く記載したのが図4である。図4で、aがフック状係合素子列を挟んで存在しているループ状係合素子列の距離であり、bがループ状係合素子の高さである。aが2b以上の場合には、図4から明らかなように、ループ状係合素子が倒れあっても、フック状係合素子列を挟んで存在しているループ状係合素子同士が接触することがなく、したがって、フック状係合素子列を挟んで存在しているループ状係合素子間で電気が流れることがなく、独立した情報伝達経路を確実に確保できる。ここで、フック状係合素子列を挟んで存在しているループ状係合素子列同士の距離とは、図4に示されるように、緯糸方向5にフックを挟んで存在するループの根本間のうち近い側の距離aの任意10点の平均値をいう。また、ループ状係合素子の高さは、上記任意10点で求めたうち任意のループ状係合素子の高さbの10点の平均をいう。
一方、単経路型として使用する場合には、織物を構成する緯糸の少なくとも一部として導電性のフィラメントを用いるのが好ましく、このようにすることにより、ループ状係合素子から入った電気信号が緯糸方向にも伝わって面ファスナー全面に伝わることとなる。また、複数のループ状係合素子が経糸方向に列をなして並んでおり、このループ状係合素子列の少なくとも片隣には複数のフック状係合素子が列をなして並んでおり、さらにその向こう隣にはループ状係合素子列が存在している導電性面ファスナーであって、フック状係合素子列を挟んで存在しているループ状係合素子列の距離が同ループ状係合素子の高さの2倍未満とすることによっても、緯糸方向で隣り合うループ状係合素子同士が接触することとなり、電気が緯糸方向にも流れることとなるため、単経路型として使用することができる(図4に示す2bがaを超える場合であり、この場合にはフック状係合素子列を挟んで存在しているループ状係合素子列間で電気が流れることとなる)。さらに、2枚の導電性面ファスナーを重ね合わせる際に、2枚の導電性面ファスナーの経糸が交差するように重ね合わせても、電気は面ファスナーの緯糸方向に流れることとなるため、単経路型として使用できることとなる。
本発明の導電性面ファスナーは、それを2枚重ね合わせる場合はもちろんのこと、それ以外の、例えば表面にフック状係合素子のみが存在している導電性フック面ファスナーと、表面にループ状係合素子のみが存在している導電性ループ面ファスナーとの組み合わせでも使用でき、さらには導電性面ファスナー以外の面ファスナーとの組み合わせでも使用でき、さらには係合させる用途以外の用途にも導電性シートとしても使用できる。
(用途)
本発明の導電性面ファスナーの導電性を用いた具体的な用途としては、フレキシブルスイッチとして、またフレキシブル電気伝達手段として、あるいはフレキシブルな複数電気経路伝達のパーツ、例えば、コネクター、電線、電源、LED等の光源、ファン、玩具及びブザー用パーツ等の電子パーツに用いることが、着脱容易な点、所望の場所に貼り付け可能な点、及び容易に付け替え可能な点で好ましい。特に衣類及び靴に用いると視認性、ファッション性に優れる。さらにフレキシブル電磁波遮蔽、フレキシブル静電気除去等の材料の止め具として、ウェアラブルデバイス及び端末等の部品としての電磁波遮蔽シートとしても好適である。衣類、インテリア、エクステリア及びインフラ用の電磁波遮蔽等に用いることが、配線後に簡単に取り付け可能な点、脱着が容易な点で好適である。また、本発明の導電性面ファスナーが使用されているものを金属探知機で検知することもできる。その他、液体が触れたときに感知するセンサー、放熱シート、発熱体としての発熱シートに好適に用いることができる。そして本発明の導電性面ファスナーを使用した発熱シートを通電させることで導電性面ファスナー自体が発熱することから、衣類及び靴に縫い付け容易、洗濯時に着脱可能、所望の部位に容易に固定可能な点で衣類(帽子含む)及び靴などのヒーターとして本発明の導電性面ファスナーが面状発熱体として好適に使用できる。
以下、本発明を実施例により説明する。なお、実施例中、電気抵抗値は、試料を長さ120mm×幅25mmで2枚採寸し、長さ方向両端部50mm係合させ、係合部を2kgローラーで2往復させた後の係合部を含む標点間150mmを目玉クリップで抑え、テスターにて目玉クリップ間の、幅方向端部から一定距離の経糸に平行な位置同士での電気抵抗値を測定し、係合強力はJISL3416にしたがって面ファスナー幅100mmで測定した。なお、電気抵抗値で測定不可能とは、電気抵抗が無限大であること、すなわち通電性が全くなかったことを意味している。
実施例1
基布を構成する経糸及び緯糸、フック状係合素子用モノフィラメント糸、ループ状係合素子用マルチフィラメント糸として次の糸を用意した。
[経糸]
・融点260℃のポリエチレンテレフタレートからなるマルチフィラメント糸
・トータルデシテックス及びフィラメント本数:164デシテックスで30本
[緯糸(芯鞘型複合繊維からなるマルチフィラメント系熱融着糸)]
・芯成分:ポリエチレンテレフタレート(融点:260℃)
・鞘成分:無機微粒子として酸化チタンを0.08質量%含有するイソフタル酸25モル%共重合ポリブチレンテレフタレート(軟化点:180℃)
・芯鞘比率(重量比):7:3
・トータルデシテックス及びフィラメント本数:198デシテックスで48本
[フック状係合素子用モノフィラメント糸]
・ポリエチレンテレフタレート繊維(融点:260℃)
・繊度:355デシテックス(直径:0.18mm)
[ループ状係合素子用マルチフィラメント糸]
・ポリブチレンテレフタレート製マルチフィラメント糸と銀メッキしたナイロン製マルチフィラメント糸の合糸(融点:220℃)
・上記ポリブチレンテレフタレート製マルチフィラメント糸のトータルデシテックス及びフィラメント本数:305デシテックスで8本
・上記銀メッキしたナイロン製マルチフィラメント糸のトータルデシテックス及びフィラメント本数:33デシテックスで7本
上記4種の糸を使用し、フック状係合素子を長手方向に2列設け、隣接してループ状係合素子を2列設けた配列を繰り返すよう、フック状係合素子用モノフィラメントとループ状係合素子用マルチフィラメントを並べ、テープを織った。また、表面を触った時にループ状係合素子の方が触れるよう、ループ状係合素子が外側の両端に存在するように配列した。織組織は平織りで、織密度は地経糸72本/cmで地緯糸16本/cmで、地経糸8本に2本の割合でフック状係合素子用モノフィラメントを、また地経糸8本に2本の割合でループ状係合素子用マルチフィラメントをそれぞれ打ち込んだ。また、ループ状係合素子用糸の片隣に存在する経糸には、銀メッキしたナイロン製のトータルデシテックスが33デシテックスで7本のフィラメントからなるマルチフィラメント糸を引き揃えて加えた。
上記条件にて織成されたテープを、緯糸の鞘成分のみが熱溶融し、かつ、経糸、ループ係合素子用マルチフィラメント、フック係合素子用モノフィラメント、さらには緯糸の芯成分が熱溶融しない温度域、すなわち摂氏200℃で熱処理を施した。緯糸は鞘成分が溶融して近隣に存在する糸を融着させた。そして、得られた織物を冷却させたのち、フック状係合素子用ループの片脚部(ループ状係合素子から離れている方の脚部)を切断してフック状係合素子を形成した。
得られたフック及びループ並存型面ファスナーのフック状係合素子密度は30個/cm、ループ状係合素子密度は31個/cmであり、さらにフック状係合素子及びループ状係合素子の基布面からの高さはそれぞれ1.8mm及び2.4mmであった。また、フック状係合素子列を挟んで存在しているループ状係合素子列の距離が同ループ状係合素子の高さの1.5倍であった。
得られたフック及びループ並存型面ファスナーは、柔軟性において、メッキしたナイロン製マルチフィラメント糸を加えたことによる柔軟性の低下は全く見られず、さらに色調においても、メッキした糸の存在は殆ど目立たず、分散染料を用いて深紅色に染色したものは、鮮やかな深紅色を有しており、審美性においても、メッキした糸の存在は殆ど問題となるようなものでなかった。
そして、この導電性面ファスナーを経糸方向に揃えて係合素子面を重ね合わせて一方の面ファスナーの裏面から他方の面ファスナーの裏面の間の電気抵抗値を揃えた経糸方向の両端部で測定した。その結果、電気抵抗値は5Ωであり、充分に通電性を有していることを確認した。そして、この面ファスナー同士の初期係合力(25mm幅のピール方向)は0.8N/cmであり、充分な係合力を有していることを確認した。さらに、この面ファスナーを1000回係合及び剥離を繰り返して、電気抵抗値を測定したところ14Ωであり、なおかつ充分な通電性を有していることを確認した。さらに係合力も0.70N/cmであり、係合及び剥離の繰り返しによっても係合力が殆ど低下していないことを確認した。
さらに、この面ファスナーを、通常の洗濯機を用いて20回洗濯を繰り返したが、電気抵抗値及び係合力において全く低下は見られなかった。
そして、この面ファスナーにLED基板を付けた靴の留め具(靴紐代替)を作成し、面ファスナーを留めるとLED基板が通電することでLEDが光り、夜間での視認性、ファッション性に優れるものであった。また、この面ファスナー2枚で配線箇所の長さ方向全体を覆うように挟むことで配線箇所から出る電磁波を抑制することを確認した。また、この面ファスナーの両端を目玉クリップで挟み、それぞれの目玉クリップを通して10Vで通電させると、面ファスナーが40度以上発熱することが確認された。この面ファスナーを発熱部分として装着した靴を作成し、装着したところ面ファスナーが体に触れる部分に温かさを感じるものであった。
比較例1
上記実施例1において、ループ状係合素子用糸及び経糸の一部に、メッキしたナイロン製マルチフィラメント糸を加えることなく、得られたフック及びループ並存型面ファスナーの表面を銀メッキ処理して、導電性のフック及びループ並存型面ファスナーを製造した。得られた導電性面ファスナーを実施例1と同様に重ね合わせて、電気抵抗値を測定したところ、初期においては実施例1と同様に5Ωで通電性を有していたが、1000回係合及び剥離を繰り返したところ、電気抵抗値はあまりに高くて測定不可能であり、通電性は完全に失われたことを確認した。係合及び剥離を繰り返すことにより表面のメッキが剥離され、その結果、通電性が消失したものと判断される。また初期係合力も0.5N/cmであり、実施例1の面ファスナーの半分程度であった。
さらに、この面ファスナーは、表面が深灰色であり、さらに手触りも硬く、衣料等分野には適さないものであった。
参考例1
上記実施例1において、同一面ファスナーにフック状係合素子用糸とループ状係合素子用糸を存在させるのではなく、別々の面ファスナーに存在させ、さらにフック状係合素子用糸として、銀メッキしたポリエチレンテレフタレートモノフィラメント糸を用いる以外は実施例1と同様に、導電性フック面ファスナー及び導電性ループ面ファスナーを作製した。得られた導電性フック面ファスナーと導電性ループ面ファスナーの係合素子密度は、それぞれ、40個/cm、40個/cmである。
この導電性フック面ファスナーと導電性ループ面ファスナーを重ね合わせて係合させ、電気抵抗値を測定したところ、測定位置によっては測定不可能な場合があり、安定した導電性を有する面ファスナーとはいえないものであった。原因としてフック状係合素子を形成するために、フック状係合素子の片脚をカットしたことで、測定場所により通電性が損なわれた場合が生じたものと思われる。
実施例2
上記実施例1において、ループ状係合素子用糸の両隣に存在している経糸に、実施例1に使用したものと同一の銀メッキしたナイロン製マルチフィラメント糸を加える以外は実施例1と同様にして、導電性のフック及びループ並存型面ファスナーを得た。
この導電性面ファスナーを実施例1と同様に、2枚重ね合わせて、電気抵抗値を測定した。その結果、電気抵抗値は3Ωであり、実施例1のものより優れた通電性を有していることを確認した。そして、この面ファスナー同士の初期係合力(100mm幅のピール方向)は1.0N/cmであり、充分な係合力を有していることを確認した。さらに、この面ファスナーを1000回係合及び剥離を繰り返して、電気抵抗値を測定したところ、10Ωであり、優れた通電性を有していることを確認した。さらに係合力も0.92N/cmであり、係合及び剥離の繰り返しによっても係合力が殆ど低下していないことを確認した。さらに、柔軟性、色調及び染色性による審美性、導電性、洗濯耐久性、電磁波遮蔽性、並びに、発熱性においても、実施例1の面ファスナーと変わらず優れたものであった。
実施例3
銀メッキしたナイロン製マルチフィラメントを有するループ状係合素子を経糸方向に2列配置し、幅方向に隣接するようにフック状係合素子を2列配置し、その幅方向に隣接するように銀メッキしたナイロン製マルチフィラメントを有さないポリブチレンテレフタレート製マルチフィラメント糸(305デシテックスで8本)のみからなるループ状係合素子を2列配置し、さらにその幅方向に隣接するようにフック状係合素子を2列、順次配置を繰り返した以外は実施例1と同様にして、導電性のフック及びループ並存型導電性面ファスナーを製造した。
得られたフック及びループ並存型導電性面ファスナーの導電性能は、7Ωであり、1000回係合及び剥離後の通電性は22Ωであり、係合力においては実施例1のものと変わりはなかった。さらに柔軟性、色調及び染色性による審美性、導電性、洗濯耐久性、電磁波遮蔽性、並びに、発熱性においても、実施例1の面ファスナーと変わらず優れたものであった。
そして、この実施例3の導電性面ファスナーは、上記した複数経路型であり、方向を揃えて係合させることにより、複数の経路を有する面ファスナーとして使用できるものであった。
実施例4
上記実施例1において、芯鞘型複合繊維からなるマルチフィラメント糸からなる緯糸に、さらにトータルデシテックス33デシテックスで7本のフィラメントからなる銀メッキしたナイロン製マルチフィラメント糸を引き揃えで加え、ループ状係合素子の片隣に存在する経糸に、銀メッキしたナイロン製のマルチフィラメントを入れないこととした以外は実施例1と同様にして、導電性のフック及びループ並存型導電性面ファスナーを製造した。
この導電性面ファスナーを実施例1と同様に、2枚重ね合わせて、電気抵抗値を測定した。その結果、電気抵抗値は10Ωであった。また、この面ファスナー同士の初期係合力(100mm幅のピール方向)は1.0N/cmであり、充分な係合力を有していた。さらに、この面ファスナーを1000回係合及び剥離を繰り返して、電気抵抗値を測定したところ、50Ωであり、係合及び剥離の繰り返し後においても優れた通電性を有していることを確認した。さらに係合及び剥離の繰り返し後の係合力も0.92N/cmであり、係合及び剥離の繰り返しによっても係合力が殆ど低下していないことも確認した。さらに、柔軟性、色調及び染色性による審美性、導電性、洗濯耐久性、電磁波遮蔽性、並びに、発熱性においても、実施例1の面ファスナーと殆ど変わらず優れたものであった。
実施例5
上記実施例1において、ループ状係合素子用マルチフィラメント糸に用いる銀メッキしたナイロン製マルチフィラメント糸を14フィラメントからなるトータルデシテックスが66デシテックスの銀メッキした導電性のナイロン製マルチフィラメント糸に置きかえる以外は、実施例1と同一の方法により、導電性のフック及びループ並存型導電性面ファスナーを製造した。
この導電性面ファスナーを実施例1と同様に、2枚重ね合わせて、電気抵抗値を測定した。その結果、電気抵抗値は4Ωであり、実施例1のものより導電性において優れていた。また、この面ファスナー同士の初期係合力(100mm幅のピール方向)は0.95N/cmであり、実施例1のものと同様に充分な係合力を有していた。さらに、この面ファスナーを1000回係合及び剥離を繰り返して、電気抵抗値を測定したところ、10Ωであり、係合及び剥離の繰り返し後においても極めて優れた通電性を有していることを確認した。さらに係合及び剥離の繰り返し後の係合力も0.88N/cmであり、係合及び剥離の繰り返しによっても係合力が殆ど低下していないことも確認した。
さらに、柔軟性、色調及び染色性による審美性、導電性、洗濯耐久性、電磁波遮蔽性、並びに、発熱性においても、実施例1の面ファスナーと殆ど変わらず優れたものであった。ただ、銀メッキしたループ状係合素子の色調において、実施例1のものより灰色が強く、深い色調に染色する限りにおいては問題ないが、淡い色調で使用する場合には、審美性の点で若干の問題であった。
実施例6
上記実施例1において、フック状係合素子用糸部分の代わりにループ状係合素子用糸を用いる以外は実施例1と同様に、導電性ループ面ファスナーを作製した。つまり、得られた導電性ループ面ファスナーは、一面がループのみとなっている。得られた導電性ループ面ファスナーの係合素子密度は、40個/cmである。
この導電性ループ面ファスナーと実施例1記載のフック・ループ混在型テープとを重ね合わせて係合させ、実施例1と同様に電気抵抗値を測定したところ、電気抵抗値は5Ωであり、実施例1と同等の通電性を有していることを確認した。そして、この面ファスナー同士の初期係合力(25mm幅のピール方向)は0.60N/cmであり、使用に問題ない係合力を有していることを確認した。さらに、この面ファスナーを1000回係合及び剥離を繰り返して、電気抵抗値を測定したところ14Ωであり、なおかつ充分な通電性を有していることを確認した。さらに係合力も0.55N/cmであった。
洗濯による係合強力の低下はなかった。
発熱性は一面がループのみとなっているテープでは、10Vで通電させると、面ファスナーが50度以上に発熱することが確認された。これは、挿入される導電糸が多くなったことが要因と推測される。
1:基布
2:フック状係合素子
3:ループ状係合素子
4:経糸方向
5:緯糸方向
:隣接するループ状係合素子間の距離
:フック状係合素子列を挟んで存在しているループ状係合素子列の距離
b:ループ状係合素子高さ

Claims (15)

  1. 織物からなる基布の同一面に、マルチフィラメント糸の少なくとも一部が導電性のフィラメントであるループ状係合素子が複数存在し、
    前記ループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸が前記織物の経糸方向に織り込まれており、
    前記織物からなる基布の同一面に、モノフィラメント糸からなる複数のフック状係合素子と複数の前記ループ状係合素子が並存しているフック及びループ並存型面ファスナーであり、
    前記フック状係合素子を構成するモノフィラメント糸が非導電性のモノフィラメント糸であることを特徴とする導電性面ファスナー。
  2. 前記ループ状係合素子が、非導電性のマルチフィラメント糸と導電性のマルチフィラメント糸からなる請求項1に記載の導電性面ファスナー。
  3. 前記ループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸の左右両隣に存在している前記経糸の少なくとも1本には導電性のフィラメントが存在している請求項1~2のいずれか1項に記載の導電性面ファスナー。
  4. 前記織物を構成する緯糸として、熱融着性マルチフィラメント糸が用いられており、前記ループ状係合素子の根元が該熱融着性マルチフィラメント糸の融着により前記織物に固定されている請求項1~3のいずれか1項に記載の導電性面ファスナー。
  5. 前記織物を構成する緯糸の少なくとも一部が導電性のフィラメントである請求項1~4のいずれか1項に記載の導電性面ファスナー。
  6. 前記ループ状係合素子を構成する導電性フィラメントが面ファスナー裏面に露出しており、前記ループ状係合素子と面ファスナー裏面が電気的に通じている請求項1~5のいずれか1項に記載の導電性面ファスナー。
  7. 前記ループ状係合素子がナップ仕様である請求項1~6のいずれか1項に記載の導電性面ファスナー。
  8. 前記織物を構成する緯糸として、熱融着性マルチフィラメント糸が用いられており、前記フック状係合素子の根元が該熱融着性マルチフィラメント糸の融着により前記織物に固定されている請求項1~7のいずれか1項に記載の導電性面ファスナー。
  9. 複数の前記ループ状係合素子が経糸方向に列をなして並んでおり、ループ状係合素子列の少なくとも片隣には複数の前記フック状係合素子が列をなして並んでおり、さらにその向こう隣には複数の前記ループ状係合素子列が存在している導電性面ファスナーであって、
    フック状係合素子列を挟んで存在しているループ状係合素子列同士の距離が前記ループ状係合素子の高さの2倍以上である請求項1~8のいずれか1項に記載の導電性面ファスナー。
  10. 請求項1~のいずれかに記載の導電性面ファスナーを用いた電子パーツ。
  11. 請求項1~のいずれかに記載の導電性面ファスナーを用いた発熱シート。
  12. 請求項1~のいずれかに記載の導電性面ファスナーを用いた電磁波遮蔽シート。
  13. 請求項10に記載の電子パーツ、請求項11に記載の発熱シート、請求項12に記載の電磁波遮断シートのうち少なくとも1つを用いた衣類または靴。
  14. 請求項1~のいずれかに記載の導電性面ファスナー2枚が係合素子面同士で係合させた導電性面ファスナーの組み合わせであって、
    少なくとも一方の導電性面ファスナーが前記フック及びループ並存型面ファスナーであり、
    一方の面ファスナー裏面と他方の面ファスナーの裏面が電気的に通じている導電性面ファスナーの組み合わせ。
  15. マルチフィラメント糸からなる経糸、熱融着性マルチフィラメント糸を含む緯糸、モノフィラメント糸からなるフック状係合素子用糸及び導電性フィラメントを含むループ状係合素子用糸を用意する工程と、
    前記フック状係合素子用糸及び前記ループ状係合素子用糸をそれぞれ経糸方向に織り込むとともに前記フック状係合素子用糸及び前記ループ状係合素子用糸からなる複数のループが表面から立ち上がっているループ織物を織る工程と、
    前記ループ織物に熱を加えて緯糸に含まれている熱融着性マルチフィラメント糸を融着させてループの根元を織物に固定するとともにループの形状を固定する工程と、
    前記モノフィラメント糸からなるループの片脚を切断してループをフック状係合素子とする工程とを含む、フック及びループ並存型の導電性面ファスナーの製造方法であって、
    前記フック及びループ並存型の導電性面ファスナーは、織物からなる基布の同一面に、モノフィラメント糸からなる複数のフック状係合素子と複数のループ状係合素子が並存しており、
    前記フック状係合素子を構成するモノフィラメント糸が非導電性のモノフィラメント糸である、フック及びループ並存型の導電性面ファスナーの製造方法
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