JP7185912B2 - ロール支持装置 - Google Patents
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Description
ウエブ処理機において、巻芯にウエブが巻かれたロールを支持可能に構成されたロール支持装置であって、
前記巻芯を、該巻芯の軸方向両側から支持する一対のアームを備え、両アームが上下方向へ移動するように、前記ウエブ処理機の本体フレームに対して姿勢変位可能に設けられたアームベースと、
上昇姿勢と該上昇姿勢よりも前記アームを下降させた下降姿勢とになるように、前記アームベースを姿勢変位させる第1アクチュエータと、
前記アームベースに対して前記軸方向へ移動可能に設けられた前記一対のアームを、該軸方向へ移動させる第2アクチュエータと、
前記本体フレームに対して前記軸方向へ移動可能に設けられ、前記第2アクチュエータによって、前記上昇姿勢にある前記アームの前記軸方向への移動に同調して該軸方向へ移動するガイドローラユニットと、を備え、
前記アームベースは、前記ガイドローラユニットと独立して、前記上昇姿勢と前記下降姿勢との間で姿勢変位するように構成されていることを要旨とする。
前記連係手段は、
前記両アームに繋がり、前記アームベースと共に姿勢変位する第1連係部と、
前記ガイドローラユニットに繋がり、前記第1連係部の姿勢変位を許容する可変部を介して該第1連係部と繋がる第2連係部と、を備えていることを要旨とする。
前記可変部は、前記第1連係部および前記第2連係部を、前記回動軸と同軸的に繋ぐピボットであることを要旨とする。
請求項3に係る発明によれば、連係手段の可変部とアームベースの回動軸とが同軸的に配置されているので、アームベースを円滑に姿勢変位させることができる。
図1に示すように、実施形態に係るスリッター(ウエブ処理機)10は、原反ロール14を支持する巻き出し部(ロール支持装置)18と、ウエブ12を所定幅で切断するカッター20を備えた切断機構と、所定幅に切断されたウエブ12を巻き取って処理済ロール16とする巻き取り部(巻き取り装置)22とを備えている。スリッター10には、巻き出し部18と巻き取り部22との間に設置された複数の本体ローラRによって、ウエブ12が巻き出し部18から巻き取り部22に向かって走行するパスラインが構成されている。また、スリッター10は、巻き取り部22において、巻取軸24に保持された巻芯13に巻き取るウエブ12を整える調整ローラ28,30を有する調整ローラユニット(ローラユニット)32を備えている。そして、スリッター10は、巻き出し部18に支持された原反ロール14から巻き出されたウエブ12を、パスラインの途中でカッター20によって該ウエブ12の流れ方向に切断し、所定幅にしたウエブ12を巻き取り部22で複数箇所に分けて巻芯13にそれぞれ巻き取って、所定幅のウエブ12が巻かれた処理済ロール16を得るように構成されている。
図2~図4に示すように、巻き出し部18は、原反ロール14を支持する原反ロール支持部34と、原反ロール14から巻き出されたウエブ12を案内する2基のガイドローラ38,38を備えたガイドローラユニット36とを備えている。巻き出し部18は、原反ロール支持部34で支持された原反ロール14と、ガイドローラ38,38(ガイドローラユニット36)とが同調して、左右方向(原反ロール14における巻芯13の軸方向)に移動するように構成されている。巻き出し部18は、図示しないセンサによって原反ロール14から引き出されたウエブ12の縁を検知することでウエブ12の左右方向の位置ずれを判別し、この結果をもとに、原反ロール14およびガイドローラ38,38を左右方向に往復移動させている。これにより、巻き出し部18は、原反ロール14に巻き掛けられたウエブ12が左右方向へ位置ずれしているなどに起因して、原反ロール14から引き出されたウエブ12が蛇行することを防止している。
図2~図4に示すように、原反ロール支持部34は、スリッター10の本体フレーム11に設けられ、本体フレーム11に対して姿勢変位可能なアームベース42と、アームベース42に左右方向に離して設けられた一対のアーム44,44とを備えている。各アーム44は、アームベース42に対して左右方向に移動可能に設けられている。原反ロール支持部34は、左右一対のアーム44,44によって巻芯13を左右方向両側から支持して、両アーム44,44の間において原反ロール14を軸周りに回転可能に保持する。
図2に示すように、アームベース42は、板状のアームベース42の前面から前方へ突き出るように設けられた一対のアーム44,44が、上下方向へ移動するように姿勢変位可能になっている。具体的には、アームベース42の後面に左右方向に離して設けられた一対のベース支持片42aの下部が、ベース回動軸(回動軸)43を介して本体フレーム11にそれぞれ取り付けられている。アームベース42は、ベース回動軸43を支点として左右方向に延びる軸周りに姿勢変位するように、昇降アクチュエータ(第1アクチュエータ)46によってベース支持片42aの後端部が動かされる。これにより、アームベース42は、アームベース42が本体フレーム11に沿って延在して、両アーム44,44が前方へ向けて水平に延びる上昇姿勢(図2(a)参照)と、上昇姿勢よりも両アーム44,44が下降するようにアームベース42が前方へ傾く下降姿勢(図2(b)参照)との間で姿勢変位する。原反ロール支持部34は、搬送してきた原反ロール14を下降姿勢において両アーム44,44の間に挟み、下降姿勢から上昇姿勢に姿勢変位させることで原反ロール14を持ち上げ、上昇姿勢において原反ロール14からウエブ12が巻き出される。図4に示すように、昇降アクチュエータ46は、左右のベース支持片42a,42aのうち、本体フレーム11の外側に配置された左側のベース支持片42aに接続されて、本体フレーム11の外側に設置されている。
図3に示すように、各アーム44は、アームベース42の前面に左右方向に延びるように設けられたレールと該レールに取り付くコアとからなるアームスライダ48を介して、アームベース42に支持されている。各アーム44は、アームスライダ48によって、アームベース42に対して左右方向へ移動可能になっている。アーム44は、アームスライダ48により、アームベース42の前面と、該アームベース42の前面に対面するアーム台座44aの後面との間に隙間があいている。両アーム44,44は、連係手段52によって互いに連結されており、ガイドアクチュエータ(第2アクチュエータ)50によって、一体的に左右方向へ往復移動される。また、両アーム44,44は、連係手段52によって、ガイドローラユニット36と左右方向への動きが連動するように構成されている。
図2~図4に示すように、ガイドローラユニット36は、アームベース42の上方に位置して、アーム44の根元側に設置されている。ガイドローラユニット36は、両アーム44,44に支持された巻芯13と平行するように設けられて、原反ロール14から引き出されたウエブ12を案内する2基のガイドローラ38,38を有している。ガイドローラユニット36は、本体フレーム11に、ユニットスライダ54を介して左右方向へ移動可能に設けられ、アーム44を動かすガイドアクチュエータ50によって、左右方向へ往復移動される。ここで、ガイドローラユニット36は、連係手段52によって、両アーム44,44と左右方向への動きが連動するように構成されている。
図3に示すように、連係手段52は、両アーム44,44に繋がり、アームベース42と共に姿勢変位する第1連係部56と、ガイドローラユニット36に繋がり、第1連係部56の姿勢変位を許容する可変部58を介して第1連係部56と連結する第2連係部60とを備えている。図5に示すように、第1連係部56は、アームベース42の前側に配置された前支え部56aを有している。前支え部56aは、アームスライダ48におけるアームベース42の前面下側のレールを用いた連係スライダ59を介して、アームベース42に左右方向へ移動可能に取り付けられている(図3参照)。また、第1連係部56は、前支え部56aの上部から左右方向へ延びるように設けられた一対のアーム係止部57,57を有し、アーム係止部57に対して後述する位置決め構造によりアーム44が固定されている。第2連係部60は、アームベース42の上側に配置されるガイドローラユニット36に上端が固定されて、アームベース42の後側に上下方向に延びるように配置された柱状の部材である(図4参照)。可変部58は、第1連係部56の前支え部56aの下端部と、第2連係部60の下端部とを、アームベース42の下側でヒンジ接続するピボットである。連係手段52は、左右方向に延在する可変部58の軸を、アームベース42の姿勢変位の支点となるベース回動軸43と同軸的に配置してある(図3参照)。
前述した巻き出し部18は、両アーム44,44を支持するアームベース42ごと左右方向に移動するのではなく、アームベース42に対して両アーム44,44および両アーム44,44に支持された原反ロール14だけが左右方向へ移動する構成である。これにより、ガイドローラユニット36と共に両アーム44,44を移動させても、ガイドアクチュエータ50の負担を抑えることができる。また、ガイドローラユニット36と独立してアームベース42が姿勢変位して、両アーム44,44を上昇姿勢または下降姿勢にする構成であるから、アームベース42を姿勢変位させる昇降アクチュエータ46の負担を軽減することができる。従って、アームベース42、アーム44,44およびガイドローラユニット36を動かすアクチュエータ46,50の大型化を回避して、巻き出し部18全体をコンパクトにすることができる。例えば、アーム44を上昇姿勢と下降姿勢にする昇降アクチュエータ46やガイドローラユニット36をアームベース42に設置するとアームベース42が大型化するが、ガイドローラユニット36、昇降アクチュエータ46およびガイドアクチュエータ50が本体フレーム11に設置されているので、アームベース42を小型化することができ、巻き出し部18の前後寸法を抑えることができる。
次に、図6~図8を主に参照して、一対のアーム44,44が相対的に近づくまたは離れる接離方向(位置調節方向:実施形態では左右方向)の間隔を保つように、各アーム44を位置決めする位置決め構造について説明する。左右のアーム44,44のそれぞれに位置決め構造を備えているが、その構成は同じなので、右側のアーム44の位置決め構造のみ説明する。
図6~図8に示すように、アーム44の位置決め構造は、アームベース42の前面に沿って左右方向へ延びるように設けられて、左右方向に並べて複数の受部57aが形成されたアーム係止部57と、アーム44に設けられて、アーム係止部57の受部57aに係脱可能なアーム固定部62とを有している。アーム固定部62は、アーム係止部57に対する左右方向の移動が規制されるように受部57aに引っ掛かる固定位置(図8(a)参照)と、受部57aから外れてアーム44の左右方向の移動を許容する解除位置(図8(b)参照)との間で、前後方向(アーム44の突出方向)へ移動可能に構成されている。また、アーム固定部62は、コイルばね(実施形態)などの弾性部材64によって、固定位置になるようにアームベース42側へ向けて弾力的に付勢されている。
図5~図7に示すように、アーム係止部57は、左右方向に並ぶ複数の歯57bの間にある歯溝によって受部57aが構成されたラックである。アーム係止部57は、アームスライダ48によってアームベース42に対して間隔をあけて支持されたアーム44のアーム台座44aと、アームベース42との間を通るように設けられている。また、アーム係止部57は、アーム台座44aにおけるアームベース42に相対する面から凹む台座凹部44bに、歯57bが差し込まれるように配置されて、受部57aの底(歯溝の底)がアームベース42とアーム台座44aとの間に位置している。左右のアーム44,44に対応する左右のアーム係止部57,57は、前支え部56aによって連結されており、左右のアーム係止部57,57が、ガイドアクチュエータ50によってアームベース42に対して左右方向へ一体的に移動させられる。従って、位置決め構造で固定された左右のアーム44,44は、互いの左右方向の間隔を保ったまま、アームベース42に対して左右方向へ一体的に移動するようになっている。
図6および図8に示すように、アーム固定部62は、筒状に形成されたアーム44の中空部を前後方向に通るように配置された棒状部材である。アーム固定部62は、アームベース42から前方へ突出するアーム44の突出方向(前後方向)へ沿って前方または後方へ移動可能になっている。アーム固定部62は、アーム44のアーム台座44aに、台座凹部44bの底を前後方向へ貫通するように形成された台座通孔45を通って、該アーム固定部62におけるアームベース42側の根元端部が後方へ突出しており、該根元端部が固定位置(図8(a))において解除位置(図8(b))よりも後方へ突き出るようになっている。また、アーム固定部62は、アーム44の突出端側から該アーム44の外側に露出するように設けられて、該アーム固定部62を固定位置から解除位置へ向けて移動させるように操作可能な操作部63を有している。実施形態の操作部63は、アーム44の突出端面(前端面)から前方へ突出しており、操作部63を前方へ引くことで、アーム固定部62が固定位置から解除位置へ移動される。
前述したようにアーム44は、操作部63を操作してアーム固定部62を弾性部材64の付勢に抗して固定位置から解除位置へ移動させるだけの簡単な作業で左右方向へ移動可能になり、アーム44の位置や左右のアーム44の間隔を調節することができる。アーム44の位置調節の際に、操作した操作部63をそのまま持って左右方向へ移動すればアーム44を動かすことができ、位置調節作業が簡単である。また、アーム固定部62が、弾性部材64によって固定位置になるように付勢されているので、操作部63を離すだけで、アーム固定部62が固定位置に自然に戻り、アーム44が位置決めされる。そして、アーム固定部62は、弾性部材64により力が加わっているので、アーム係止部57に対して位置決めした状態でアーム44を保持できる。しかも、操作部63が、アーム44の突出端側に設けられているので、アーム44の位置調節に関する操作を行い易い。例えば、アーム台座44aにアーム係止部57に噛み合うピンを設けると、アーム44が邪魔になってピンを手動操作することが難しくなるので、ピンをシリンダ等で駆動することなり、位置決め構造が複雑になってしまう。実施形態に係るアーム44の位置決め構造によれば、アクチュエータなどの駆動手段を用いることなく、アーム係止部57に引っ掛かるアーム固定部62とアーム固定部62を付勢する弾性部材64との簡単で、かつ少ない部品点数によって、位置調節可能なアーム44の位置決め構造を構成することができる。そして、アーム係止部57として、汎用品であるラックを用いることで、コストを下げることができる。
次に、図9~図12を主に参照して、パスラインにおいてウエブ12を流れ方向に切断する切断機構について説明する。なお、実施形態では、左右方向へ離して配置される4つのカッター20によって、5つの処理済ロール16を形成するようにウエブ12を切断している。
図9に示すように、切断機構は、左右方向(ウエブ12の流れ方向と直交するウエブ12の幅方向)へ長手が延びるように配置されたシャフト(棒状部材)66と、ウエブ12を流れ方向に切断するカッター20を有するカッターホルダ68とを備えている。カッターホルダ68は、シャフト66に着脱可能に取り付けられている。また、カッターホルダ68は、左右方向へ移動しないようにシャフト66に固定された固定状態と、シャフト66に沿って左右方向へ位置変更可能な調節状態とに変更可能であり、ウエブ12をカットする幅を変更することができる。シャフト66には、左右方向に離して複数のカッターホルダ68が設置されている。そして、図示しない操作機構の操作によりシャフト66を左右方向の軸周りに回動して複数のカッターホルダ68の姿勢を一括して変えることで、カッター20をウエブ12に交差させたカット位置と、カット位置からウエブ12に重ならないようにカッター20を上方へ退避させた退避位置とに切り替え可能である。
図9~図12に示すように、カッターホルダ68は、丸棒形状のシャフト66に取り付けられ、シャフト66に沿って左右方向へ位置変更可能に設置される第1ブロック70と、第1ブロック70を、前記固定状態または前記調節状態に変更する第1位置調節手段72とを有している。また、カッターホルダ68は、第1ブロック70に設けられ、第2位置調節手段76によって、第1ブロック70に対して左右方向へ位置変更可能に構成された第2ブロック74を備えており、第2ブロック74にカッター20が設けられている。更に、カッターホルダ68は、カッター20に設けられ、シャフト66の左右方向に付されたゲージ67の目盛りを指して、カッター20における左右方向の位置を示す指し部78を備えている。
シャフト66は、左右の本体フレーム11,11の間に架設され、図10および図11に示すように、シャフト66には、該シャフト66の周面から凹むように位置決め凹部66aが設けられている。そして、位置決め凹部66aに、ゲージ67が設けられている。位置決め凹部66aは、シャフト66の周面を、指し部78の周方向寸法よりも大きく開口するV字状に切り欠いて形成されている。
図9~図11に示すように、第1ブロック70には、丸棒状のシャフト66を挿脱可能な開口部および該シャフト66の周面に合わせて円弧状に形成された底部を有する取付凹部80が設けられている。第1ブロック70は、取付凹部80にシャフト66を収容して、該取付凹部80を形成する上側の辺部に設けられた第1位置調節手段72と、該取付凹部80を形成する下側の辺部との間にシャフト66を挟んで、シャフト66に取り付けられる。
図11および図12に示すように、第1位置調節手段72は、チェーンのリンクにより構成されたホルダ固定部82と、ホルダ固定部82をコントロールするホルダ操作部84とを備えている。ホルダ固定部82は、左右方向に対向配置された一対のリンクプレート82a,82aと、一対のリンクプレート82a,82a間にそれぞれ架け渡して、リンクプレート82aの長手方向に離して設けられた一対の軸部82b,82cとを備えており、一般的なチェーンを構成するリンクを流用したものである。ホルダ固定部82は、第1ブロック70における取付凹部80を形成する上側の辺部を一対のリンクプレート82a,82aで左右から挟むと共に、第1軸部(一方の軸部)82bを該辺部に通して、該第1軸部82bを中心に左右方向の軸周りに回動可能に取り付けられている。ホルダ固定部82は、第2軸部(他方の軸部)82cが取付凹部80の開口部側に配置されて、第2軸部82cが取付凹部80に収容されたシャフト66の周面に対して接離するように回動する。第2軸部82cには、ローラ状の押圧片82dが設けられており、押圧片82dがシャフト66の周面に接触するようになっている。
図12に示すように、第2ブロック74は、第1ブロック70に左右方向へ通された2つの案内軸75,75によって、第1ブロック70に対して、左右方向へ移動可能に取り付けられている。第2ブロック74には、カッター20が、該第2ブロック74における第1ブロック70と反対側の面に沿って取り付けられている。第2位置調節手段76は、つまみ76aを回すと第2ブロック74が左右方向へ移動するように構成された送りねじ構造である。第1ブロック70と第2ブロック74との間には、第2位置調節手段76の送りねじを囲むようにコイルばね86が配置されて、コイルばね86によって第2ブロック74が第1ブロック70から離れるように弾力的に付勢されている。
図9および図12に示すように、指し部78は、カッター20におけるシャフト66に相対する端部からシャフト66に向けて突出するように形成された突片であり、シャフト66の位置決め凹部66aに差し込まれるように配置されている。指し部78は、カッター20の刃先の延長線上に配置されており、指し部78の位置がカッター20の刃先の位置と同じである。第2ブロック74には、第2ブロック74におけるシャフト66に相対する端部からシャフト66に向けて突出するように差込突部74aが形成されており、指し部78と差込突部74aとが重なっている。指し部78は、シャフト66の左右方向に付されたゲージ67の目盛りを指しており、これによりカッター20の刃における左右方向の位置が判るようになっている。
切断機構は、第1ブロック70をシャフト66に沿って移動させて大雑把に位置調節を行ってから第1位置調節手段72によって第1ブロック70をシャフト66に固定する。次に、第2位置調節手段76を操作して、第2ブロック74を第1ブロック70に対して左右方向へ移動することで、カッター20の位置を調節することができる。このように、第1ブロック70のシャフト66に対する位置調節と、カッター20を有する第2ブロック74を第1ブロック70に対して位置を変える位置調節とにより、カッター20を段階的に位置調節できる構成とすることで、カッター20の位置の微調節を行い易くすることができる。しかも、カッター20に設けられた指し部78がシャフト66に設けられたゲージ67を指す構成であるから、前述のように段階的に位置調節可能であっても、カッター20の位置を直感的に判断し易く、カッター20の位置調節が簡単である。そして、第1位置調節手段72としてチェーンのリンクを用いることで、コストを抑えることができる。
次に、図13~図15を主に参照して、巻き取り部22におけるウエブ12の巻き取り時に、巻き込まれる空気量を制限することで、処理済ロール16を整える調整ローラ28,30を有する調整ローラユニット32について説明する。
図13に示すように、調整ローラユニット32は、ウエブ12を巻取軸24に巻き取って処理済ロール16を形成する巻き取り部(巻き取り装置)22に設けられている。調整ローラユニット32は、処理済ロール16の厚みの変化に応じて巻取軸24に対して変位する第1調整ローラ28および第2調整ローラ30をユニットフレーム88に有しており、両調整ローラ28,30によってウエブ12の巻き取りに際する巻き込み空気量を制御している。巻き取り部22には、巻取軸24が上下方向に離して2基設けられており、上下の巻取軸24,24のそれぞれに対応して、調整ローラユニット32が設置されている。ここで、上下の調整ローラユニット32,32は、第2調整ローラ30の設置数が異なる以外は同じ構成であるので、片側のみ説明する。
図1に示すように、調整ローラ28,30を支持するユニットフレーム88は、巻取軸24よりもウエブ12を巻き出す巻き出し部18側に配置されている。そして、ユニットフレーム88は、巻取軸24に近づけた位置から巻き出し部18側への前方に向けて、本体フレーム11に対して直線的に移動可能に設けられている(図15参照)。具体的には、図13に示すように、ユニットフレーム88は、左右に対向配置された一対のユニットプレート88a,88aを、左右方向に延びるユニットステー88bで連結して構成されている。ユニットフレーム88は、ユニットプレート88aの外側にそれぞれ設けられた直動ガイド90に左右両側から支持されて、本体フレーム11に対して前後方向へ直線的に移動可能に構成されている。ユニットフレーム88は、本体フレーム11との間に設けられたユニットアクチュエータ92の作動によって前後方向へ移動する。図14に示すように、ユニットフレーム88は、ユニットプレート88aの外側にそれぞれ設けられたユニットラック94が、左右の本体フレーム11,11間に左右方向へ延在するように支持された旋回軸96に左右方向に離して設けられた一対のピニオン98,98にそれぞれ噛み合っている。これにより、ユニットフレーム88は、左右のユニットプレート88a,88aが同期して移動するようになっている。
図13および図14に示すように、第1調整ローラ28は、左右の端部がユニットフレーム88における左右のユニットプレート88a,88aにそれぞれ回転可能に支持され、左右方向に延びる軸周りに回転可能に構成されている。第1調整ローラ28は、巻取軸24における左右方向に離した複数箇所で巻き取られる処理済ロール16の全てに対応し得るように、左右方向に幅広に形成されている。第1調整ローラ28は、ウエブ12の巻き取りの際に、巻取軸24にウエブ12を巻き取って形成される処理済ロール16の周面に押し付けられるように配置される所謂タッチローラである。第1調整ローラ28は、作動制御されたユニットアクチュエータ92によりユニットフレーム88が前後方向へ直線的に移動することで、ウエブ12の巻き取りに伴う処理済ロール16の厚みの変化に応じて前方へ直線的に変位しつつ所定の押圧力で処理済ロール16を押さえ付ける(図15(a)参照)。第1調整ローラ28は、ユニットフレーム88が前方へ移動することで巻き取り部22の正面と反対側へ直線的に移動して、巻取軸24に支持された処理済ロール16から離れる位置まで退避可能になっている(図15(b)参照)。なお、第1調整ローラ28は、その中心軸が巻取軸24の中心軸と同じ高さになるように配置されている。
図13に示すように、調整ローラユニット32には、巻取軸24における左右方向に離した複数箇所で巻き取られる処理済ロール16の1つずつに対応して、第2調整ローラ30が設けられている。上段の調整ローラユニット32には、3箇所で巻き取られる処理済ロール16に対応して、左右方向に並べて3基の第2調整ローラ30が設置され、下段の調整ローラユニット32には、2箇所で巻き取られる処理済ロール16に対応して、左右方向に並べて2基の第2調整ローラ30が設置されている。そして、第2調整ローラ30は、ウエブ12の巻き取りの際に、巻取軸24にウエブ12を巻き取って形成される処理済ロール16の周面に押し付けられるように配置される所謂タッチローラである。第2調整ローラ30は、巻取軸24よりも上方に配置されて、処理済ロール16の上端から前端にかけた周面に当たるようになっている。
前述した調整ローラユニット32は、ユニットフレーム88が、巻取軸24よりも巻き取り部22の正面側と反対になる巻き出し部18側に設けられると共に、ユニットフレーム88が巻き出し部18側へ移動する構成であるので、巻き取り部22の正面側からアクセスする際にユニットフレーム88が妨げにならない。また、第1調整ローラ28および第2調整ローラ30は、ユニットフレーム88に設けられて、ユニットフレーム88が巻き出し部18側へ移動するにつれて一緒に移動するので、巻き取り部22の正面側からアクセスする際に第1調整ローラ28および第2調整ローラ30が妨げにならない。従って、巻取軸24に巻芯13を取り付けるときや処理済ロール16を巻取軸24から取り外すときなど、巻き取り部22の正面側から行う作業に際して調整ローラユニット32が邪魔をしない。
前述した構成に限らず、例えば、以下のように変更してもよい。
(3)実施形態では、左右のアームの両方に前記位置決め構造を設けたが、アームの片方だけに前記位置決め構造を設ける構成であってもよい。
(6)実施形態では、調整ローラがロールに接触するように配置されるタッチローラを例示したが、これに限らず、ロールと間隔をあけて配置してロールとの間隔が所要幅になるようにコントロールされる所謂ニアローラであってもよい。
14 原反ロール(ロール),36 ガイドローラユニット,38 ガイドローラ,
42 アームベース,44 アーム,
46 昇降アクチュエータ(第1アクチュエータ),
50 ガイドアクチュエータ(第2アクチュエータ),52 連係手段,
56 第1連係部,58 可変部,60 第2連係部
Claims (3)
- ウエブ処理機において、巻芯にウエブが巻かれたロールを支持可能に構成されたロール支持装置であって、
前記巻芯を、該巻芯の軸方向両側から支持する一対のアームを備え、両アームが上下方向へ移動するように、前記ウエブ処理機の本体フレームに対して姿勢変位可能に設けられたアームベースと、
上昇姿勢と該上昇姿勢よりも前記アームを下降させた下降姿勢とになるように、前記アームベースを姿勢変位させる第1アクチュエータと、
前記アームベースに対して前記軸方向へ移動可能に設けられた前記一対のアームを、該軸方向へ移動させる第2アクチュエータと、
前記本体フレームに対して前記軸方向へ移動可能に設けられ、前記第2アクチュエータによって、前記上昇姿勢にある前記アームの前記軸方向への移動に同調して該軸方向へ移動するガイドローラユニットと、を備え、
前記アームベースは、前記ガイドローラユニットと独立して、前記上昇姿勢と前記下降姿勢との間で姿勢変位するように構成されている
ことを特徴とするロール支持装置。 - 前記第2アクチュエータによって動かされることで、前記アームおよび前記ガイドローラユニットを前記軸方向へ移動するように連係する連係手段を備え、
前記連係手段は、
前記両アームに繋がり、前記アームベースと共に姿勢変位する第1連係部と、
前記ガイドローラユニットに繋がり、前記第1連係部の姿勢変位を許容する可変部を介して該第1連係部と繋がる第2連係部と、を備えている請求項1記載のロール支持装置。 - 前記アームベースは、前記本体フレームに接続された回動軸を支点として傾くように姿勢変位し、
前記可変部は、前記第1連係部および前記第2連係部を、前記回動軸と同軸的に繋ぐピボットである請求項2記載のロール支持装置。
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