JP6101546B2 - 裁断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被裁断材等の被加工材を所望の製品にカットする裁断装置に関するものである。
一般に、自動制御による裁断装置は、搬送機構により上面を被型抜材が排出方向に搬送される固定盤と、固定盤の上方に上下動可能に設けられた可動盤(圧盤)と、この可動盤の下面に交換可能に取り付けられる刃型と、搬送機構および可動盤を入力された製品情報に応じて動作させる制御装置とを備えて構成される。可動盤の動作時には、可動盤下方の固定盤上に刃の破損を防ぐための当て板が配置されるようになっている。
従来、裁断装置では、被裁断材を裁断、すなわち切断(カット)したり、型抜き(トリミング)したりする場合、被裁断材を送る機構として、移動テーブル上にシート状の被裁断材を載せて送る機構を備えた裁断装置と、ロールフィーダにより上下一対のローラでロール状の被裁断材を送る機構とを備えた裁断装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2012−51055号公報
しかしながら、上記構成に係る従来の裁断装置では、これら送る機構毎に別々の機械を設置する必要があるという問題がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、簡素な構成で被加工材がシート状タイプとロール状タイプで異なっていても1台で兼用させるとともに、作業性を向上させることができ裁断装置を提供することを目的とするものである。
本発明の請求項1に係る裁断装置は、被加工材が載置される固定盤と、固定盤の上方に上下動可能に設けられ、下面に刃型が交換可能に取り付けられた可動盤と、固定盤上に被加工材を移動させ、可動盤による加工後、加工された被加工材を送り出す搬送手段とを備えた裁断装置において、搬送手段は、固定盤の、被加工材が送り込まれる送り込み側に設けられた第1の搬送機構と、固定盤の、被加工材の送り込み方向出口側に設けられた第2の搬送機構とを備えて構成され、第1の搬送機構を、シート状の被加工材が載置される移動テーブルを駆動ギアに係脱自在に接続するとともに移動テーブルをローラで押さえ、駆動手段により駆動ギアを回転させて移動テーブルを固定盤上に送り込み、可動盤による加工後、駆動ギアを逆転させて移動テーブルを固定盤から元の位置に復帰させるよう構成し、第2の搬送機構を、ロール状の被加工材を上下のローラで挟持してこれらローラを駆動手段により正逆に回動させて固定盤上を移動させ、可動盤による加工後、これら上下のローラを同一方向に回動させて加工された被加工材を固定盤から送り出すよう構成し、前記ローラと前記上ローラとをそれぞれ、上下動自在に配置するとともに、第1第2の搬送機構にはそれぞれ、第1の搬送機構のローラと第2の搬送機構の上ローラとをそれぞれ独立に昇降させ、シート状被加工材の加工時には、第2の搬送機構の上ローラを上方の非干渉位置に変位させ、ロール状被加工材の加工時には、第1の搬送機構のローラを上方の非干渉位置に変位させる昇降機構を設けたことを特徴とするものである。
本発明の請求項1に係る裁断装置では、被加工材が載置される固定盤と、固定盤の上方に上下動可能に設けられ、下面に刃型が交換可能に取り付けられた可動盤と、固定盤上に被加工材を移動させ、可動盤による加工後、加工された被加工材を送り出す搬送手段とを備えた裁断装置において、搬送手段は、固定盤の、被加工材が送り込まれる送り込み側に設けられた第1の搬送機構と、固定盤の、被加工材の送り込み方向出口側に設けられた第2の搬送機構とを備えて構成され、第1の搬送機構を、シート状の被加工材が載置される移動テーブルを駆動ギアに係脱自在に接続するとともに移動テーブルをローラで押さえ、駆動手段により駆動ギアを回転させて移動テーブルを固定盤上に送り込み、可動盤による加工後、駆動ギアを逆転させて移動テーブルを固定盤から元の位置に復帰させるよう構成し、第2の搬送機構を、ロール状の被加工材を上下のローラで挟持してこれらローラを駆動手段により正逆に回動させて固定盤上を移動させ、可動盤による加工後、これら上下のローラを同一方向に回動させて加工された被加工材を固定盤から送り出すよう構成し、前記ローラと前記上ローラとをそれぞれ、上下動自在に配置するとともに、第1第2の搬送機構にはそれぞれ、第1の搬送機構のローラと第2の搬送機構の上ローラとをそれぞれ独立に昇降させ、シート状被加工材の加工時には、第2の搬送機構の上ローラを上方の非干渉位置に変位させ、ロール状被加工材の加工時には、第1の搬送機構のローラを上方の非干渉位置に変位させる昇降機構を設けたことにより、一方の搬送機構を用いて被加工材の加工を行う際、他方の搬送機構の上側ローラを上方に変位させると、空隙が確保されるので干渉することなく被加工材の加工を行うことができ、作業が効率化される。また、第2の搬送機構を固定盤の、被加工材の送り込み方向出口側に設けたので、ロール材を引っ張りながら搬出することができ、ロール材を確実に送り出すことができる。
本発明の請求項2に係る裁断装置は、昇降機構を、前記ローラまたは前記上ローラの軸両端をそれぞれ回動自在に支持するとともに下方に延びる脚の下面にカム面が形成されたローラホルダと、このローラホルダに上下に貫通して形成されたガイド孔に挿通されるガイドシャフトと、このガイドシャフトの上下端が連結された上下の枠を有するとともに下枠に形成された貫通孔にローラホルダの脚が挿通される固定枠と、固定枠の上枠に設けられローラホルダを調整可能な押圧力で付勢するばねと、固定枠の下方に設けられ支軸を中心に揺動しローラホルダのカム面に当接可能なカムフォロアと、支軸に連結されレバーの操作によりばねの付勢力に抗してローラホルダを押し上げ可能なカムフォロア揺動アームとを備えて構成したことを特徴とするものである。
本発明の請求項3に係る裁断装置は、第1の搬送機構の駆動ギアの軸両端と第2の搬送機構の下ローラの軸両端とはそれぞれ、前記固定枠の下枠に回転可能に支持されることを特徴とするものである。
本発明の請求項4に係る裁断装置は、移動テーブルには左右両側端下面にラック歯が形成され、駆動ギアはこれら両ラック歯に噛合されるよう配置されることを特徴とするものである。
本発明に係る裁断装置では、被加工材が載置される固定盤と、固定盤の上方に上下動可能に設けられ、下面に刃型が交換可能に取り付けられた可動盤と、固定盤上に被加工材を移動させ、可動盤による加工後、加工された被加工材を送り出す搬送手段とを備えた裁断装置において、搬送手段は、固定盤の、被加工材が送り込まれる送り込み側に設けられた第1の搬送機構と、固定盤の、被加工材の送り込み方向出口側に設けられた第2の搬送機構とを備えて構成され、第1の搬送機構を、シート状の被加工材が載置される移動テーブルを駆動ギアに係脱自在に接続するとともに移動テーブルをローラで押さえ、駆動手段により駆動ギアを回転させて移動テーブルを固定盤上に送り込み、可動盤による加工後、駆動ギアを逆転させて移動テーブルを固定盤から元の位置に復帰させるよう構成し、第2の搬送機構を、ロール状の被加工材を上下のローラで挟持してこれらローラを駆動手段により正逆に回動させて固定盤上を移動させ、可動盤による加工後、これら上下のローラを同一方向に回動させて加工された被加工材を固定盤から送り出すよう構成し、前記ローラと前記上ローラとをそれぞれ、上下動自在に配置するとともに、第1第2の搬送機構にはそれぞれ、第1の搬送機構のローラと第2の搬送機構の上ローラとをそれぞれ独立に昇降させ、シート状被加工材の加工時には、第2の搬送機構の上ローラを上方の非干渉位置に変位させ、ロール状被加工材の加工時には、第1の搬送機構のローラを上方の非干渉位置に変位させる昇降機構を設けたことにより、作業の効率化を図ることができる。
図1は、本発明の一実施例に係る裁断装置の平面図である。(実施例1) 図2は、図1の裁断装置の正面図である。 図3は、図1の裁断装置の説明図で、シート状被加工材を加工する際の第1の搬送機構のローラの位置と第2の搬送機構の上ローラの位置とを示している。 図4は、図1の裁断装置の説明図で、ロール状被加工材を加工する際の第2の搬送機構の上ローラの位置と第1の搬送機構のローラの位置とを示している。 図5は、第1の搬送機構の要部を示す説明図である。 図6は、図5の第1の搬送機構の要部の正面図である。 図7の(A)、(B)はそれぞれ、図1の裁断装置の昇降機構の要部を示す説明図で、(A)はローラまたは上ローラが下方位置に保持された状態を、(B)はローラまたは上ローラが上方の非干渉位置に保持された状態を示している。
簡素な構成で、作業効率の向上を図るという目的を、被加工材が載置される固定盤と、固定盤の上方に上下動可能に設けられ、下面に刃型が交換可能に取り付けられた可動盤と、固定盤上に被加工材を移動させ、可動盤による加工後、加工された被加工材を送り出す搬送手段とを備えた裁断装置において、搬送手段は、固定盤の、被加工材が送り込まれる送り込み側に設けられた第1の搬送機構と、固定盤の、被加工材の送り込み方向出口側に設けられた第2の搬送機構とを備えて構成され、第1の搬送機構を、シート状の被加工材が載置される移動テーブルを駆動ギアに係脱自在に接続するとともに移動テーブルをローラで押さえ、駆動手段により駆動ギアを回転させて移動テーブルを固定盤上に送り込み、可動盤による加工後、駆動ギアを逆転させて移動テーブルを固定盤から元の位置に復帰させるよう構成し、第2の搬送機構を、ロール状の被加工材を上下のローラで挟持してこれらローラを駆動手段により正逆に回動させて固定盤上を移動させ、可動盤による加工後、これら上下のローラを同一方向に回動させて加工された被加工材を固定盤から送り出すよう構成し、前記ローラと前記上ローラとをそれぞれ、上下動自在に配置するとともに、第1第2の搬送機構にはそれぞれ、第1の搬送機構のローラと第2の搬送機構の上ローラとをそれぞれ独立に昇降させ、シート状被加工材の加工時には、第2の搬送機構の上ローラを上方の非干渉位置に変位させ、ロール状被加工材の加工時には、第1の搬送機構のローラを上方の非干渉位置に変位させる昇降機構を設けて構成したことにより実現した。
以下、本発明の一実施例に係る裁断装置について図面に基づいて説明する。図1および図2はそれぞれ本発明の一実施例に係る裁断装置を示す平面図および正面図である。裁断装置2は、固定盤3と、固定盤3の上方に上下動可能に設けられた可動盤4と、この可動盤4の下面に交換可能に取り付けられた刃型5とを備えて構成される。固定盤3の、被加工材M1、M2が送り込まれる送り込み側3Aには、第1の搬送機構(搬送手段)10が設けられる。固定盤3の送り込み側3Aは、被加工材M1、M2が供給される供給側(図1および図2の左方)をいい、固定盤3上に被加工材M1、M2が送り込まれる上流側をいう。固定盤3の、被加工材M1、M2の送り込み方向出口側3Bには、第2の搬送機構(搬送手段)50が設けられる。固定盤3の送り込み方向出口側3Bは、ロール状の被加工材M2が可動盤4により加工された後、搬出される搬出側(図1および図2の右方)をいい、固定盤3上にロール状被加工材M2が送り込まれる下流側をいう。裁断装置2は、可動盤4と第1または第2の搬送機構のうちいずれか一方とを入力された作業プログラムに基づいて動作させる駆動制御装置6を備えている。
第1の搬送機構10は、図3および図4に示すように、固定盤3の、被加工材M1、M2が送り込まれる送り込み側3Aから離れて置かれた作業テーブル11と固定盤3との間に取り外し可能に配置され、シート状の被加工材M1が載置される移動テーブル12と、固定盤3の被加工材送り込み側3A端部近傍に配置された駆動軸15両側に設けられ、移動テーブル12が係脱自在に接続される駆動ギア13、13とを備えている。駆動軸15は両端が後述する固定枠30の下枠32に回動自在に支持されるようになっている。固定枠30は図示しない連結具を介して固定盤3に取り付けられる。
移動テーブル12には、搬送方向左右両側下面にラック歯14、14が形成され、これらラック歯14、14が駆動ギア13、13に載置されて噛合するようになっている。駆動軸15はサーボモータ(駆動手段)16に駆動伝達可能に接続される。サーボモータ16は駆動制御装置6により可動盤4と同期して駆動制御されるようになっている。すなわち、サーボモータ16により駆動軸15を介して駆動ギア13、13を正転方向に回転させて移動テーブル12を固定盤3上に送り込み、可動盤4による加工後、駆動ギア13、13を逆転させて移動テーブル12を固定盤3から元の位置に復帰させるようになっている。また、第1の搬送機構10は、駆動ギア13、13の上方に上下動自在に配置されたローラ17、17を備えている。ローラ17、17は軸18に取り付けられ、移動テーブル12の搬送方向左右両端突条部12A上面を押圧して移動テーブル12の上方への変位を規制しがたつきを抑制するようになっている。
ところで、第1の搬送機構10は、ローラ17、17を下方の押圧位置P1と上方の非干渉位置P2とに変位させてその位置で保持する昇降機構20を備えている。昇降機構20は、ローラ17、17を上方の非干渉位置P2に保持した際、固定盤3と可動盤4との間の被加工材送り込み側3Aに空隙を確保し、ロール状被加工材M2を固定盤3と可動盤4との間に導き入れ易くなるようにしている。
昇降機構20は、図7の(A)、(B)に示すように、ローラ17、17の軸18両端をそれぞれ回動自在に支持するとともに下方に延びる脚22の下面にカム面23が形成されたローラホルダ21と、このローラホルダ21に上下に貫通して形成されたガイド孔24、25に挿通されるガイドシャフト26、27と、これらガイドシャフト26、27の上下端が連結された上下の枠31、32を有するとともに下枠32に形成された貫通孔34、35にローラホルダ21の脚22が挿通される固定枠30とを備えている。ローラホルダ21はガイドシャフト26、27により上下の枠31、32間を上下動可能に支持される。固定枠30は、被加工材送り込み方向の左右両側に設けられる。また、昇降機構20は、固定枠30の上枠31に上下に変位可能に設けられた調整具36と、この調整具36とローラホルダ21との間に設けられ、調整具36によりローラホルダ21を下方に調整可能な押圧力で付勢するばね37とを備えている。さらに、昇降機構20は、固定枠30の下方に設けられ支軸41を中心に揺動しローラホルダ21のカム面23に当接可能なカムフォロア42と、支軸41に連結されレバー43の操作によりばね37の付勢力に抗してローラホルダ21を押し上げ可能なカムフォロア揺動アーム44とを備えている。固定枠30の下枠32、32には、駆動ギア13、13の駆動軸15の両端が回動自在に支持される。
昇降機構20は、上述の如く構成されているので、第1の搬送機構10を用いてシート状被加工材M1の加工を行う場合、手動でレバー43を操作し、カムフォロア揺動アーム44を所定の方向に押し回して、カムフォロア42を脚22のカム面23から離脱させると、ばね37の付勢力によりローラホルダ21が下方に押し下げられ、ローラ17、17は駆動ギア13、13に噛合した移動テーブル12を押圧するようになっている(図3および図7の(A)参照)。シート状被加工材M1の加工が終了し、移動テーブル12を取り外す場合、手動でレバー43を逆方向に操作し、カムフォロア揺動アーム44を逆方向に回すと、カムフォロア42が脚22のカム面23に当接し、さらに、ばね37の付勢力に抗してレバー43を押し回すと、ローラホルダ21が押し上げられてローラ17、17が上方に変位し、カムフォロア42がカム面23に形成された凹部23Aに係止されると、ローラ17、17は上方の非干渉位置P2で保持されるようになっている(図4および図7の(B)参照)。
第2の搬送機構50は、ロール状の被加工材M2を挟持する上下一対の上下ローラ51、52と、下ローラ52の駆動軸53に駆動伝達可能に接続されたサーボモータ(駆動手段)54とを備え、この駆動軸53を回転駆動させ上下ローラ51、52を正逆に回動させてロール状被加工材M2を固定盤3上に送り込み、可動盤4による加工後、これら上下のローラ51、52を同一方向に回動させて加工された被加工材M2を固定盤3から送り出すようになっている。サーボモータ54は駆動制御装置6により可動盤4と同期して駆動制御される。そして、第2の搬送機構50は、下ローラ52の上方に上下動自在に配置された上ローラ51を備えている。上ローラ51は軸55に取り付けられ、下方位置では下ローラ52に圧接され、ロール状被加工材M2を挟持するようになっている。
ところで、第2の搬送機構50は、上ローラ51を下方の押圧位置P3と上方の非干渉位置P4とに変位させてその位置で保持する昇降機構60を備えている。この昇降機構60は、第1の搬送機構10の昇降機構20とほぼ同一の構成を有し、昇降機構60は、上ローラ51を上方の非干渉位置P4に保持した際、固定盤3と可動盤4との間の被加工材送り出し方向出口側3Bに空隙を確保し、移動テーブル12が被加工材送り出し側に移動しても干渉しないようになっている。
第2の搬送機構50の昇降機構60は、ローラホルダ21に上ローラ51の軸55の両端が回動自在に支持され、固定枠30の下枠32に下ローラ52の駆動軸53の両端が回動自在に支持される点を除いて、第1の搬送機構10の昇降機構20と同一の構成を備えている。すなわち、昇降機構60は、上ローラ51の軸55両端をそれぞれ回動自在に支持するとともに下面にカム面23が形成された脚22を有するローラホルダ21と、このローラホルダ21のガイド孔24、25に挿通されるガイドシャフト26、27と、これらガイドシャフト26、27の上下端が連結された上下の枠31、32を有するとともに下枠32の貫通孔34、35にローラホルダ21の脚22が挿通される固定枠30とを備えている。ローラホルダ21はガイドシャフト26、27により上下の枠31、32間を上下動可能に支持される。固定枠30は、被加工材送り出し方向出口側の左右両側に設けられる。また、昇降機構60は、上枠31に上下に変位可能に設けられた調整具36と、この調整具36とローラホルダ21との間に設けられ、調整具36によりローラホルダ21を下方に調整可能な押圧力で付勢するばね37とを備えている。さらに、昇降機構60は、固定枠30の下方に設けられ支軸41を中心に揺動しローラホルダ21のカム面23に当接可能なカムフォロア42と、支軸41に連結されレバー43の操作によりばね37の付勢力に抗してローラホルダ21を押し上げ可能なカムフォロア揺動アーム44とを備えている。
昇降機構60は、上述の如く構成されているので、第2の搬送機構50を用いてロール状被加工材M2の加工を行う場合、手動でレバー43を操作し、カムフォロア揺動アーム44を所定の方向に押し回して、カムフォロア42を脚22のカム面23から離脱させると、ばね37の付勢力によりローラホルダ21が下方に押し下げられ、上ローラ51は下ローラ52に圧接されるようになっている(図4および図7の(A)参照)。ロール状被加工材M2を上下のローラ51、52間に挟持し、駆動制御装置6により可動盤4と上下ローラ51、52の回転駆動を同期させて、ロール状被加工材M2の加工が終了すると、手動でレバー43を逆方向に操作し、カムフォロア揺動アーム44をばね37の付勢力に抗して逆方向に回すと、カムフォロア42が脚22のカム面23を押し上げ、上ローラ51が上方に変位し、カムフォロア42が凹部23Aに係止されると、上ローラ51は上方の非干渉位置P4で保持されるようになっている(図3および図7の(B)参照)。
固定盤3上面には、一対の材料ガイド(図示せず)がロール状被加工材M2の幅寸法に合致させて取り付けられる。材料ガイドは、ロール状被加工材M2の幅寸法に応じて幅方向を調整できるようになっている。この材料ガイドはロール状被加工材M2専用のガイドで、移動テーブル12を第1の搬送機構10に装着する際には、取り外される。
ロール状被加工材M2を裁断する場合、図4に示すように、固定盤3の上流側(供給側)に材料巻出装置90が、固定盤3の下流搬出側に製品巻き取り装置91Aおよび滓巻き取り装置91Bがそれぞれ設けられる。これら製品巻き取り装置91Aと滓巻き取り装置91Bはサーボモータ(図示せず)と接続され駆動制御装置6に入力された作業プログラムに基づいて制御されるようになっている。駆動制御装置6は、可動盤4と第2の搬送機構50とを駆動制御し、可動盤4を一定の上下ストロークで上下動させるとともに固定盤3上のロール状被加工材M2を可動盤4の上下動に同期させて送り出すようになっている。また、駆動制御装置6は、入力された作業プログラムに基づいて製品巻き取り装置91Aと滓巻き取り装置91Bとを可動盤4と同期させ、刃型5によりロール状被加工材M2を裁断するように構成される。このため、裁断装置2は、材料巻出装置90にロール状被加工材M2がセットされ、ロール状被加工材M2の先端が第2の搬送機構50の上下のローラ51、52に挟持されて可動盤4の下流側に送り出されると、刃型5により裁断されたロール材(製品)が製品巻き取り装置91Aに巻き取られるとともに、裁断時に発生したかすが滓巻き取り装置91Bに巻き取られるようになっている。
このように、第1の搬送機構10の昇降機構20と第2の搬送機構50の搬送機構60は、第1の搬送機構10のローラ17、17と第2の搬送機構50の上ローラ51とをそれぞれ独立に昇降させるようになっている。シート状被加工材M1の加工時には、第2の搬送機構50の上ローラ51を上方の非干渉位置P4に変位させ、ロール状被加工材M2の加工時には、第1の搬送機構10のローラ17、17を上方の非干渉位置P2に変位させるようになっている。なお、ローラ17、17の非干渉位置P2と上ローラ51の非干渉位置P4は同一高さである必要はなく、非干渉空間を確保できる高さに設定してよいことはいうまでもない。
次に、上記実施例に係る裁断装置2の作用について説明する。裁断装置2により、シート状被加工材M1を裁断するには、まず、昇降機構60のレバー43を手動で回動操作して、第2の搬送機構50の上ローラ51を上方の非干渉位置P4で保持する(図3参照)。次に、未裁断状態のシート状被加工材M1を当て板(図示せず)を介して移動テーブル12の上面に載置して粘着テープで位置決めする。そして、第1の搬送機構10のローラ17、17を上昇させて非干渉位置P2に保持し、移動テーブル12のラック歯14の送り出し方向前端を駆動ギア13、13に噛合させる。この移動テーブル12を駆動ギア13、13に載せる作業は人力で行う。次に、昇降機構20のレバー43を逆方向に回動操作し、ローラ17、17を降下させ、移動テーブル12の左右両側端の突条部に圧接させる。このとき、シート状被加工材M1は移動テーブル12上でローラ17、17に挟まれないようになっている。
次に、駆動制御装置6は、入力された作業プログラムに基づいて第1の搬送機構10と可動盤4とを同期させて、移動テーブル12を固定盤3の上面を滑動させ、移動テーブル12とともに送り出されるシート状被加工材M1に刃型15により裁断加工を行う。このとき、移動テーブル12の被加工材送り出し方向前端(図3の右側)が固定盤3から外側に突出しても、第2の搬送機構50の上ローラ51は上方の非干渉位置P4に保持されているので、上下のローラ51、52間には、移動テーブル12が干渉しない空隙が確保される。
可動盤4により裁断が行われた後、図示しないセンサが裁断済みのシート状被加工材M1を検出しなくなるか、または、予め設定された作業プログラムにより駆動制御装置6がサーボモータ14を逆に駆動させ、裁断が完了したシート状被加工材M1を可動盤4側から第1の搬送機構10側に向けて送り戻し、裁断済みのシート状被加工材M1を第1の搬送機構10上流側の元の位置に戻し置く。シート状被加工材M1を多数裁断する場合、裁断済みのシート状被加工材M1を取り外し、次の未裁断のシート状被加工材M1を当て板(図示せず)に位置決めし、上記工程を繰り返すようになっている。
次に、シート状被加工材M1に代えてロール状被加工材M2を裁断(カットまたはトリミング)する場合には、まず、第1の搬送機構10のローラ17、17をレバー43を手動で操作して持ち上げ、非干渉位置P2で保持する(図4参照)。そして、移動テーブル12を駆動ギア13、13上から取り除き、作業テーブル11を片付ける。このとき、固定盤3と可動盤4との被加工材送り込み側3Aには、ロール状被加工材M2を導く空隙が確保される。次に、ロール状被加工材M2の幅に合わせて固定盤3上の材料ガイド(図示せず)の間隔を調整し、第2の搬送機構50の下ローラ52上にロール状被加工材M2の送り出し端部を載せて、昇降機構60のレバー43を手動で回動操作し、ばね37により上ローラ51を押し下げる。こうして、ロール状被加工材M2を上下ローラ51、52間に挟持して作業を行うようになっている。
そして、駆動制御装置6は作業プログラムに基づいて第2の搬送機構50を駆動させて、ロール状被加工材M2を可動盤4側に送り出し、第2搬送機構50と可動盤4とを同期させて、裁断作業を行うようになっている。このように、上記実施例に係る裁断装置2では、一方の搬送機構を用いて被加工材の加工を行う際、他方の搬送機構のローラまたは上ローラを上方に変位させ非干渉位置P2、P4で保持するようにしているので、干渉することなく被加工材M1、M2の加工を行うことができ、作業が効率化される。また、第2の搬送機構50は、固定盤3の、ロール状被加工材M2の送り込み方向出口側3Bに設けられているので、ロール状被加工材M2を出口側から引っ張ることができる。このため、ロール状被加工材M2がたとえ軟質のものや薄片であっても固定盤3上に引っ張って載せ置くことができ、正確に加工することができる。さらに、固定盤3から搬出する際にも確実に送り出すことができる。
なお、上記実施例では、第2の搬送機構50を固定盤3の出口側に配置しているがこれに限られるものではなく、設置空間に余裕があれば、第2の搬送機構50をシート状被加工材M1の加工を行う際に干渉しない位置まで固定盤3から離して配置するようにしてもよい。
2 裁断装置
3 固定盤
3A 送り込み側
3B 送り込み方向出口側
4 可動盤
5 刃型
10 第1の搬送機構(搬送手段)
12 移動テーブル
13、13 駆動ギア
16、54 サーボモータ(駆動手段)
17、17 ローラ
50 第2の搬送機構(搬送手段)
51 上ローラ
52 下ローラ
M1 シート状被加工材(被加工材)
M2 ロール状被加工材(被加工材)
P2、P4 非干渉位置

Claims (4)

  1. 被加工材が載置される固定盤と、固定盤の上方に上下動可能に設けられ、下面に刃型が交換可能に取り付けられた可動盤と、固定盤上に被加工材を移動させ、可動盤による加工後、加工された被加工材を送り出す搬送手段とを備えた裁断装置において、
    搬送手段は、固定盤の、被加工材が送り込まれる送り込み側に設けられた第1の搬送機構と、固定盤の、被加工材の送り込み方向出口側に設けられた第2の搬送機構とを備えて構成され、
    第1の搬送機構を、シート状の被加工材が載置される移動テーブルを駆動ギアに係脱自在に接続するとともに移動テーブルをローラで押さえ、駆動手段により駆動ギアを回転させて移動テーブルを固定盤上に送り込み、可動盤による加工後、駆動ギアを逆転させて移動テーブルを固定盤から元の位置に復帰させるよう構成し、
    第2の搬送機構を、ロール状の被加工材を上下のローラで挟持してこれらローラを駆動手段により正逆に回動させて固定盤上を移動させ、可動盤による加工後、これら上下のローラを同一方向に回動させて加工された被加工材を固定盤から送り出すよう構成し、
    前記ローラと前記上ローラとをそれぞれ、上下動自在に配置するとともに、
    第1第2の搬送機構にはそれぞれ、第1の搬送機構のローラと第2の搬送機構の上ローラとをそれぞれ独立に昇降させ、シート状被加工材の加工時には、第2の搬送機構の上ローラを上方の非干渉位置に変位させ、ロール状被加工材の加工時には、第1の搬送機構のローラを上方の非干渉位置に変位させる昇降機構を設けたことを特徴とする裁断装置。
  2. 昇降機構を、前記ローラまたは前記上ローラの軸両端をそれぞれ回動自在に支持するとともに下方に延びる脚の下面にカム面が形成されたローラホルダと、このローラホルダに上下に貫通して形成されたガイド孔に挿通されるガイドシャフトと、このガイドシャフトの上下端が連結された上下の枠を有するとともに下枠に形成された貫通孔にローラホルダの脚が挿通される固定枠と、固定枠の上枠に設けられローラホルダを調整可能な押圧力で付勢するばねと、固定枠の下方に設けられ支軸を中心に揺動しローラホルダのカム面に当接可能なカムフォロアと、支軸に連結されレバーの操作によりばねの付勢力に抗してローラホルダを押し上げ可能なカムフォロア揺動アームとを備えて構成したことを特徴とする請求項1に記載の裁断装置。
  3. 第1の搬送機構の駆動ギアの軸両端と第2の搬送機構の下ローラの軸両端とはそれぞれ、前記固定枠の下枠に回転可能に支持されることを特徴とする請求項2に記載の裁断装置。
  4. 移動テーブルには左右両側端下面にラック歯が形成され、駆動ギアはこれら両ラック歯に噛合されるよう配置されることを特徴とする請求項1ないし3のうちいずれか1に記載の裁断装置。
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