JP7184023B2 - 全固体電池 - Google Patents

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Description

本開示は、全固体電池に関する。
全固体電池は、通常、正極と、負極と、正極及び負極の間に形成された固体電解質層と、から構成されている。例えば、特許文献1に開示されているように、固体電解質として、硫化物固体電解質を用いた全固体電池が知られている。
一方、近年、固体(結晶)と液体との中間の状態である柔粘性結晶(プラスティッククリスタル)が、その固体中に存在する格子欠陥を経由することで、イオン伝導を比較的容易としうるため、新規な固体電解質として注目されている。
特許文献2では、正極および負極の少なくとも一方に、テトラブチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(TBA-TFSI)およびリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(Li-TFSI)を含むLiイオン伝導性材料(柔粘性結晶)を用いた、全固体電池が開示されている。
その他、特許文献3~5においても、種々の柔粘性結晶を固体電解質として用いた、全固体電池が開示されている。
特開2011-134675号公報 特開2019-96541号公報 特開2016-139461号公報 特開2017-91813号公報 国際特開第2008/81811号
従来から、全固体電池を充放電するに伴い、全固体電池内の電極が膨張および収縮を繰り返すことで、全固体電池内部に空隙(ワレ)が生じる。この空隙(ワレ)の発生により、イオンおよび電子伝導パスが切断されることで、全固体電池の容量維持率が低下しやすい。
本開示は斯かる実情に鑑み案出されたもので、容量維持率の低下を抑制可能な全固体電池を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、正極と、負極と、正極および負極の間に配置された固体電解質層と、を有する全固体電池であって、固体電解質層は、第1の固体電解質と、第2の固体電解質とを含み、第1の固体電解質は、リチウムイオン伝導性を有していて、かつ、ピロリジニウム、テトラアルキルアンモニウムおよびテトラアルキルホスホニウムからなる群より選択される少なくとも1種のカチオン源と、カルボランアニオン源と、を含み、第2の固体電解質は、硫化物固体電解質であり、第1の固体電解質と第2の固体電解質との合計における第1の固体電解質の体積割合が10vol%以上90vol%以下である、全固体電池を提供する。
本開示によれば、固体電解質層に、特定の第1の固体電解質と、第2の固体電解質と、を、特定の体積割合で含有させることで、電極の膨張収縮の繰り返しによる、全固体電池の内部の空隙(ワレ)発生を抑制可能なことから、容量維持率の低下を抑制可能な全固体電池を得ることができる。
本開示によれば、容量維持率の低下を抑制可能な全固体電池を提供することができる。
本開示における全固体電池を例示する概略断面図である。 例1―9の結果を示したグラフである。
以下、本開示における全固体電池について説明する。なお、以下に示す形態は例示であり、本開示における全固体電池は、以下に示す形態に限定されない。
<全固体電池>
まず、本発明の全固体電池について説明する。図1に、本発明の1つの実施形態である全固体電池の断面図を示す。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。図1に示すように、全固体電池100は、負極2と、正極3と、負極2と正極3の間に配置される固体電解質層1を備える。固体電解質層1を介して、負極2と正極3との間をイオンが伝導する。
本開示の1つの実施形態である全固体電池は、正極と、負極と、正極および負極の間に配置された固体電解質層と、を有していて、固体電解質層は、第1の固体電解質と、第2の固体電解質とを含む。また、固体電解質層に含まれる第1の固体電解質は、リチウムイオン伝導性を有していて、かつ、ピロリジニウム、テトラアルキルアンモニウムおよびテトラアルキルホスホニウムからなる群より選択される少なくとも1種のカチオン源と、カルボランアニオン源と、を含み、第2の固体電解質は、硫化物固体電解質であり、第1の固体電解質と第2の固体電解質との合計における第1の固体電解質の体積割合が10vol%以上90vol%以下である。
本開示によれば、固体電解質層に、特定の第1の固体電解質と、第2の固体電解質と、を、特定の体積割合で含有させることで、電極の膨張収縮の繰り返しによる、全固体電池の内部の空隙(ワレ)発生を抑制可能であり、また、粒子間の高い界面抵抗の抑制できるため、容量維持率の低下を抑制可能な全固体電池を得ることができる。
以下、本開示の全固体電池について、構成毎に説明する。
1.固体電解質層
固体電解質層は、正極活物質層および負極活物質層の間に形成された層であり、本開示の第1の固体電解質と、第2の固体電解質と、を特定の体積割合で含んでいれば、任意成分として、リチウム塩やバインダ等をさらに含有していてもよい。
以下、本開示の固体電解質層について、構成毎に説明する。
(1)第1の固体電解質
本開示の1つの実施形態である第1の固体電解質は、リチウムイオン伝導性を有していて、かつ、ピロリジニウム、テトラアルキルアンモニウムおよびテトラアルキルホスホニウムからなる群より選択される少なくとも1種のカチオン源と、カルボランアニオン源と、を含むことが好ましい。これらは一般的には、柔粘性結晶といわれる。
ここで、柔粘性結晶とは、規則的に整列した三次元結晶格子から構成され、分子種もしくは分子イオンのレベルでは配向的、回転的な無秩序さが存在する物質として定義される。柔粘性結晶は、結晶という固体形態をとりながら柔粘性を兼ね備えるため、電極と電解質との界面の微細な凹凸に応じた形態に変化できる。
本開示における第1の固体電解質のカチオン源としては、ピロリジニウム、テトラアルキルアンモニウムおよびテトラアルキルホスホニウムからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。これらのアルキル基における炭素鎖が長いカチオン源を含むことで、良好な柔粘性を示す。アルキル基の炭素数は、4以上であることが好ましい。
ピロリジニウムの例としては、N,N-ジメチルピロリジニウム、N-メチル-N-エチルピロリジニウム、N-メチル-プロピルピロリジニウム、N-メチル-ブチルピロリジニウム、N-エチル-メチルピロリジニウム、N-ブチル-メチルピロリジニウム、等が挙げられる。
テトラアルキルアンモニウムの例としては、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、等が挙げられる。
テトラアルキルホスホニウムの例としては、テトラメチルホスホニウム、テトラエチルホスホニウム、テトラブチルホスホニウム等が挙げられる。[ト1][ト2]
本開示における第1の固体電解質は、カルボランアニオン源を含む。ここで、カルボランアニオンとは、ホウ素原子と炭素原子からなる多面体型クラスターであるカルボラン(carborane)において、多面体の頂点にあるホウ素原子の一部が炭素原子で置換されたアニオンである。本開示におけるカルボランアニオン源に含まれるカルボランアニオンは、下記一般式:
(CxByMz)-
(式中、xおよびyは、それぞれ独立して1以上の整数であり、Mは、H、F、ClおよびBrの少なくとも1種であり、zは、0以上の整数である)
で表される。中でも、本開示の1つの実施形態においては、カルボランアニオンは、CB9H10-およびCB11H12-から選択される少なくとも1種であることが好ましい。CB9H10-およびCB11H12-は、硫化物固体電解質との反応性が低く、界面抵抗の増加を抑制できるためである。
本開示における第1の固体電解質は、リチウムイオン伝導性を有する。柔粘性結晶にリチウムイオン伝導性を付与させる方法は特に限定されないが、例えば、カルボランアニオン源として、少なくともカルボランアニオンのリチウム塩を用いることで、リチウムイオン伝導性を発現することができる。本開示におけるカルボランアニオンのリチウム塩は、CB9H10LiおよびCB11H12Liから選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本開示の第1の固体電解質における、カルボランアニオンのリチウム塩の含有割合は、10mol%以上であり、20mol%以上であってもよく、30mol%以上であってもよい。また、その上限は、90mol%以下であり、80mol%以下であってもよく、70mol%以下であってもよい。第1の固体電解質における、カルボランアニオンのリチウム塩の含有割合が、10mol%より小さい場合、イオン伝導度が低下するため、容量維持率が低下してしまう。一方、90mol%より大きい場合、柔粘性が低下するため、容量維持率が低下してしまう。
第1の固体電解質の製造方法は特に制限されない。例えば、イオン交換水中でカチオンおよびアニオンを共晶させ、得られた沈殿物を加熱溶解する。続いて、該沈殿物が溶解した溶解液に対して、アニオンのリチウム塩を溶解させ、該溶解液を冷却後、ろ過により回収することで、第1の固体電解質を含む固体を得る。該固体を粉砕処理することで、所望の第1の固体電解質を得ることができる。
(2)第2の固体電解質
本開示における第2の固体電解質は、硫化物固体電解質である。硫化物固体電解質は、硫黄(S)を含有し、かつ、イオン伝導性を有する材料である。
硫化物固体電解質は、Li、A(Aは、P、Si、Ge、AlおよびBの少なくとも1種である)、およびSを含有することが好ましい。中でも、硫化物固体電解質は、オルト組成のアニオン構造(PS43-構造、SiS44-構造、GeS44-構造、AlS33-構造、BS33-構造)をアニオンの主成分として有することが好ましい。オルト組成のアニオン構造の割合は、硫化物固体電解質における全アニオン構造に対して、70mol%以上であることが好ましく、90mol%以上であることがより好ましい。オルト組成のアニオン構造の割合は、ラマン分光法、NMR、XPS等により決定できる。さらに、硫化物固体電解質は、X(Xは、I、BrおよびClの少なくとも1つである)をさらに含有していてもよい。また、硫化物固体電解質は、Sの一部がOに置換されていてもよい。
具体的には、硫化物系固体電解質としては、Li2S-P2S5 、Li2S-SiS2 、LiX-Li2S-SiS2 、LiX-Li2S-P2S5 、LiX-Li2O-Li2S-P2S5、LiX-Li2S-P2O5、LiX-Li3PO4-P2S5、及びLi3PS4等が挙げられる。なお、上記「Li2S-P2S5」の記載は、Li2SおよびP2S5を含む原料組成物を用いてなる材料を意味し、他の記載についても同様である。また、上記LiXの「X」は、ハロゲン元素を示す。上記LiXを含む原料組成物中にLiXは1種又は2種以上含まれていてもよい。LiXが2種以上含まれる場合、2種以上の混合比率は特に限定されるものではない。
硫化物固体電解質は、硫化物ガラスであっても良く、その硫化物ガラスを熱処理して得られる硫化物ガラスセラミックスであっても良い。硫化物ガラスは、例えば、Li2S、P2S5等の原料を含有する原料組成物に対して、非晶質化法を行うことにより得ることができる。非晶質化法としては、例えば、メカニカルミリング法および溶融急冷法が挙げられ、中でも、メカニカルミリング法が好ましい。常温での処理が可能になり、製造工程の簡略化を図ることができるからである。メカニカルミリングは、原料組成物を、機械的エネルギーを付与しながら混合する方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、ボールミル、ターボミル、メカノフュージョン、ディスクミルが挙げられる。
一方、硫化物ガラスセラミックスは、例えば、硫化物ガラスを結晶化温度以上の温度で熱処理することにより得ることができる。すなわち、原料組成物に対して、非晶質化法を行い、さらに熱処理を行うことにより、硫化物ガラスセラミックスを得ることができる。
第1の固体電解質と第2の固体電解質である硫化物固体電解質との合計における第1の固体電解質の体積割合は、10vol%以上90vol%以下である。容量維持率の低下抑制において、顕著な効果を得るために、該体積割合を10vol%以上75vol%以下としてもよく、20vol%以上75vol%以下としてもよい。
(3)任意構成成分
本開示における固体電解質層は、支持塩としてのリチウム塩を含んでもよい。リチウム塩としては、Li(CF3SO2)2N(リチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド)、Li(FSO2)2N(リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド)、Li(C2F5SO2)2N、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiTaF6、LiClO4、LiCF3SO3等が挙げられる。なかでも、リチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドおよびリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドの少なくとも一方が好ましい。 リチウム塩の添加量は、固体電解質層に対して、0.1~20mol%であることが好ましく、2~20mol%がより好ましい。この範囲であれば、高いイオン伝導性を発揮することができる。
また、本開示における固体電解質層は、バインダを含んでもよい。バインダとしては、例えば、ブタジエンゴム、水素化ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、水素化スチレンブタジエンゴム、ニトリルブタジエンゴム、水素化ニトリルブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム等のゴム系バインダ;ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデン-ポリヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVDF-HFP)、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素ゴム等のフッ化物系バインダ;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等のポリオレフィン系熱可塑性樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等のイミド系樹脂;ポリアミド等のアミド系樹脂;ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート等のアクリル系樹脂;ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート等のメタクリル系樹脂が挙げられる。
2.正極
正極は、正極活物質を少なくとも含有し、任意成分として、固体電解質、導電材およびバインダの少なくとも1種をさらに含有していてもよい。
正極活物質としては、例えば、リチウム複合酸化物が挙げられる。リチウム複合酸化物としては、LiCoO2、LiMnO2、LiNiO2、LiVO2、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2等の岩塩層状活物質、LiMn2O4、LiNi0.5Mn1.5O4等のスピネル型活物質、LiFePO4、LiMnPO4等のオリビン型活物質が挙げられる。正極活物質の形状としては、例えば粒子状が挙げられる。正極活物質は、LiNbO3等のリチウムイオン伝導性酸化物で被覆されていてもよい。
導電材としては、例えば、炭素材料、金属材料が挙げられる。炭素材料としては、例えば、アセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック(KB)等の粒子状炭素材料、VGCF等の炭素繊維、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノファイバー(CNF)等の繊維状炭素材料が挙げられる。金属材料としては、Ni、Cu、Fe、SUSが挙げられる。金属材料は、粒子状または繊維状であることが好ましい。
固体電解質およびバインダについては、上記「1.固体電解質層」に記載したものと同様の材料を用いることができるため、ここでの説明は省略する。
3.負極
負極は、負極活物質を少なくとも含有し、任意成分として、固体電解質、導電材およびバインダの少なくとも1種をさらに含有していてもよい。
負極活物質には、金属イオンを吸蔵放出可能な材料である、金属活物質、カーボン活物質、および酸化物活物質等を用いることができる。金属活物質としては、In、Al、Si、およびSnの金属単体、又は、これらを含有する合金等が挙げられる。カーボン活物質としては、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、高配向性グラファイト(HOPG)、ハードカーボン、ソフトカーボン等が挙げられる。酸化物活物質としては、Nb2O5、Li4Ti5O12等が挙げられる。負極活物質は、金属活物質であることが好ましく、中でもSi元素、Sn元素、Al元素、またはIn元素を含む金属活物質であることが好ましい。充放電サイクル時に、負極活物質の膨張収縮が繰り返される場合の体積膨張率が高いので、容量維持率低下の影響がより大きくなり、本発明の効果が顕著となるからである。また、金属活物質は上述した中でも、Si元素を含有する活物質であることが好ましい。Si元素を含有する活物質は、体積膨張率が極めて高い。例えば、Si単体を負極活物質として用いた場合、体積膨張率は、約4倍となる。このため、Si元素を含有する活物質を用いた場合、他の活物質を用いた場合と比較して、本発明の効果を、より高い次元で得ることができる。
固体電解質、導電材およびバインダについては、上記「1.固体電解質層」または「2.正極」に記載したものと同様の材料を用いることができるため、ここでの説明は省略する。
4.全固体電池
本開示における全固体電池は、正極、固体電解質層および負極に加えて、負極集電体および正極集電体を有することが好ましい。負極集電体の材料としては、例えば、SUS、Cu、Ni、Fe、Ti、Co、Znが挙げられる。一方、正極集電体の材料としては、例えば、Cr、Au、Pt、Al、Fe、Ti、Znが挙げられる。また、全固体電池は、例えばSUS製電池ケース等の任意の電池ケースを有していてもよい。
本開示における全固体電池は、全固体リチウムイオン二次電池であることが好ましい。全固体電池の形状としては、例えば、コイン型、ラミネート型、円筒型および角型が挙げられる。
全固体電池の製造方法は、本開示の全固体電池が製造できれば、特に限定されない。
例えば、負極、正極及び固体電解質層を、平板プレス、又はロールプレス等で加圧成形することで正極-固体電解質層-負極の接合体を得た後に、該接合体に対して、集電体を取り付けることで、全固体電池としてもよい。
別の製造方法として、正極集電体の一面上に正極スラリーを塗工・乾燥して得た正極と、負極集電体の一面上に負極スラリーを塗工・乾燥して得た負極とを、基板の一面上に固体電解質スラリーを塗工・乾燥して得た固体電解質層とを、正極集電体、正極、固体電解質層、負極、負極集電体の順となるように配置することで、全固体電池としてもよい。
(例1)
<第1の固体電解質の製造>
1-ブチルー1-メチルピロリジニウムカチオンを5℃のイオン交換水に、また、カルボランアニオンCB11H12-を50℃のイオン交換水にそれぞれ溶解させ、ピロリジニウムカチオン水溶液およびカルボランアニオン水溶液を調整した。カルボランアニオン水溶液を5℃まで冷却した後、ピロリジニウムカチオン水溶液に滴下し、得られた混合水溶液を真空乾燥することで固体結晶を得た。次に、得られた固体結晶を160℃で加熱溶融させて生成した溶融物に対し、第1の固体電解質に対して30mol%のカルボランアニオンのリチウム塩CB11H12Liを添加した。その後、160℃で一定時間加熱後、25℃まで冷却して、柔粘性結晶を含む凝固物を得た。得られた凝固物を、粉砕処理することで、所望の第1の固体電解質を得た。
<固体電解質層の製造>
第2の固体電解質である硫化物固体電解質LiI-Li2O-Li2S-P2S5と、製造した第1の固体電解質とを体積比率が90:10となるように秤量し、混合した。得られた混合物99.0重量部に対して、PVDFバインダ溶液を固形分で1.0重量部を添加し、合計100重量部の組成物を得た。得られた組成物に、超音波ホモジナイザー(SMT株式会社製、UH-50)により、60秒間超音波処理し、固形分率が63.0%である固体電解質層用スラリーを調製した。この固体電解質層用スラリーを、基材(Al箔)上に、ベーカーアプリケータを用いて塗工して、加熱乾燥することで、基材および固体電解質層を得た。
<正極の製造>
正極活物質としてLi(NiMnCo)1/3O2(日亜化学工業株式会社製)、固体電解質としてLiI-Li2O-Li2S-P2S5とを体積比率が75:25となるように秤量し、混合した。得られた混合物75重量部に対して、PVDFバインダ溶液を固形分で1.5重量部、VGCF(導電材、昭和電工株式会社製)を3.0重量部添加した。得られた組成物に、超音波ホモジナイザー(SMT株式会社製、UH-50)により、60秒間超音波処理し、固形分率が63wt%である正極スラリーを調製した。この正極スラリーを、正極集電体(Al箔)上に、ベーカーアプリケータを用いて塗工して、加熱乾燥させ、25℃にて、線圧1ton/cmでプレスをすることにより、正極集電体を有する正極を得た。
<負極の製造>
負極活物質としてSi(高純度化学製)、固体電解質としてLiI-Li2O-Li2S-P2S5とを体積比率が60:40となるように秤量し、混合した。得られた混合物60重量部に対して、PVDFバインダ溶液を固形分で1.5重量部、VGCF(導電材、昭和電工株式会社製)を5.0重量部添加した。得られた組成物に、超音波ホモジナイザー(SMT株式会社製、UH-50)により、60秒間超音波処理し、固形分率が63wt%である負極スラリーを調製した。この負極スラリーを、負極集電体(Cu箔)上に、ベーカーアプリケータを用いて塗工して、加熱乾燥させ、25℃にて、線圧1ton/cmでプレスをすることにより、負極集電体を有する負極を得た。
<全固体電池の製造>
不活性ガス中で、セラミックス製の型(断面積1.0cm2)に基材を剥がした固体電解質層を嵌め込み、一方の面に正極を配置し、他方の面に負極を配置した。得られた積層体に対して、油圧プレスの目盛で4.3tonプレスし、1MPaで拘束した。これにより、全固体電池を得た。
ここで、例1および以下の例2-11において、負極に対する正極の容量比は2.5と設定した。
(例2―9)
第1の固体電解質と第2の固体電解質との体積割合比を0:100、5:95、20:80、50:50、75:25、85:15、90:10、100:0と変更したこと以外は、例1と同様にして全固体電池を得た。
(例10)
1-ブチルー1-メチルピロリジニウムカチオンを1-エチルー1-メチルピロリジニウムカチオンと変更し、カルボランアニオンをトリフルオロメタンスルホニルアニオン(TFSI-)と、カルボランアニオンのリチウム塩をトリフルオロメタンスルホニルリチウム塩(LiTFSI)と変更したこと以外は、例5と同様にして全固体電池を得た。
(例11)
第1の固体電解質をアルミナ(Al2O3)と変更した以外は、例5と同様にして全固体電池を得た。
<容量維持率の測定>
例1―11で得られた全固体電池に対し、以下の条件で充放電を500サイクル行い、放電容量を測定した。
充放電電位の範囲:3.0V-4.2V
雰囲気温度:25℃
各全固体電池について、500サイクル後の放電容量を初期放電容量より除し、さらに100を乗じたものを、その電池の容量維持率とした。例2を基準として、例1および例3-11における容量維持率比を算出した。結果を表1および図2に示す。
Figure 0007184023000001
表1および図2に示すように、固体電解質層に、特定のリチウムイオン伝導性を有する第1の固体電解質と、第2の固体電解質と、を、特定の体積割合(10vol%以上90vol%以下)で含有させることで、容量維持率の低下を抑制することができた。これは、特定のリチウムイオン伝導性を有する第1の固体電解質と、第2の固体電解質と、を、特定の体積割合で含有させたことで、電極の膨張収縮の繰り返しによる、全固体電池の内部の空隙(ワレ)発生を抑制し、かつ、粒子間の高い界面抵抗の抑制できたためと推測される。特に、該体積割合を10vol%以上75vol%以下とした際に、顕著に容量維持率の低下を抑制できることを確認できた。
例10において、本開示の第1の固体電解質の代わりに、フルオロスルホニルイミドアニオン(FSI―)を含む第1の固体電解質を用いた場合、容量維持率の低下抑制との効果を得られなかった。これは、フルオロスルホニルイミドアニオン(FSI―)を含む第1の固体電解質と、第2の固体電解質である硫化物固体電解質との界面抵抗が増加し、所望の柔粘性が得られなかったためと推測される。
また、例11において、本開示の第1の固体電解質の代わりに、アルミナを用いた場合、容量維持率の低下抑制との効果を得られなかった。これは、高いヤング率を有するアルミナの抵抗が大きく、所望の柔粘性が得られなかったためと推測される。
以上の結果から、本開示の全固体電池は、容量維持率の低下を抑制可能であると考えられる。
1…固体電解質層
2…負極
3…正極
100…全固体電池

Claims (1)

  1. 正極と、負極と、前記正極および前記負極の間に配置された固体電解質層と、を有する全固体電池であって、
    前記固体電解質層は、第1の固体電解質と、第2の固体電解質とを含み、
    前記第1の固体電解質は、リチウムイオン伝導性を有していて、かつ、ピロリジニウム、テトラアルキルアンモニウムおよびテトラアルキルホスホニウムからなる群より選択される少なくとも1種のカチオン源と、カルボランアニオン源と、を含み、
    前記第2の固体電解質は、硫化物固体電解質であり、
    前記第1の固体電解質と前記第2の固体電解質との合計における前記第1の固体電解質の体積割合が10vol%以上90vol%以下である、全固体電池。
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