JP7183675B2 - 駒体、バンド、時計及びバンドの表面処理方法 - Google Patents

駒体、バンド、時計及びバンドの表面処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、駒体、バンド、時計及びバンドの表面処理方法に関するものである。
従来、腕時計のブレス等として用いられるバンドが知られている。こうしたバンドは、複数の駒体を連結させることで形成されている。
時計のバンド等は、SUSやチタニウム等の基材によって形成されるが、優れた質感や高級感等を演出するために、基材そのままの色(例えばSUSやチタニウムであれば銀色)ではない外観となるように表面処理を施すことが広く行われている。
表面処理としては、例えば物理気相成長(PVD)や化学気相成長(CVD)等の乾式めっき法を用いて基材表面に金属被膜を形成する手法が用いられる。具体的には、イオンプレーティング法(IP処理)、スパッタリング法、その他各種の蒸着法等が挙げられる。このうち、イオンプレーティング法(IP処理)は、基材表面に形成される被膜の基材(めっき対象)への密着性が比較的高いため、好適に用いられる。
しかし、イオンプレーティング法(IP処理)等の乾式めっき法は、被膜の材料となる金属を気化又は昇華させて、基材の表面に膜を形成させるものである。複数の駒体が連結されてなるバンドの場合、隣接する駒体同士の間の面には、気化又は昇華した被膜の材料が十分に入り込むことが難しく、めっきの付き回りが悪くなりやすい。
このため、被膜が十分形成されなかったり、気化等した材料が適切に反応しないことで、予定していた色調と異なる色調の被膜、例えば、黒色系や茶色系等の色調の被膜が形成され、黒ずんでしまう等の問題があった。
この点、例えば、特許文献1には、装飾品に乾式めっき法によって金色系色調の窒化チタン被膜を形成する場合に、10Wt%乃至飽和溶液の苛性アルカリ溶液を、70℃乃至沸騰の温度に加熱し、その液中に装飾品を浸漬し、近接し向かい合った面に形成された黒色系色調被膜を溶解除去する装飾品の仕上げ方法が提案されている。
特開平6-330358号公報
しかしながら、特許文献1に記載の手法では、めっき工程のあとに、予定していた色調と異なる色調の被膜を除去する後処理が必要となり、手間がかかるとともに、表面処理に要する時間も長くなってしまうため好ましくない。
めっきの付き回りが悪くなるのは主として隣接する駒体同士の間の面であることから、例えばバンドを分解して個々の駒体の状態にしてから表面処理を施すことも考えられる。
しかし、この場合には、処理工数が増え、工程に著しい手間と時間がかかる。このため、生産性が悪く、コスト高となってしまうという問題がある。
また、個々の駒体の状態で表面処理を行うと、その後の取り扱いやバンドに組み立てる工程において表面処理を施した部分に傷が付くおそれもある。
このため、複数の駒体を連結させた状態のまま表面処理を行いたいとの要望がある。
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、駒体同士の連結部分についても十分な表面処理(めっき処理)を施すことができ、優れた外観に仕上げることのできる駒体、バンド、時計及びバンドの表面処理方法を提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するために、本発明に係る駒体は、
乾式めっき法を用いて表面処理を施されるバンドの駒体であり、かつ複数連結されて前記バンドを形成する駒体であって、
連結方向における連結端面のうち少なくとも一部には、連結状態において隣り合う隣接駒体の端面に対して側面視楔形となるように傾斜する斜面が形成されていて、
前記斜面が形成される前記連結端面は、前記駒体の厚み方向の所定位置に前記駒体の幅方向に延在する切替境界部を有し、当該切替境界部を境に前記斜面の傾斜方向が切り替えられるようになっており、
前記斜面は、前記駒体における表面側において隣接駒体の端面に対して前記バンドの表面側から裏面側に向かう下り斜面と、前記駒体における裏面側において隣接駒体の端面に対して前記バンドの裏面側から表面側に向かう上り斜面とを含む
本発明によれば、駒体同士の連結部分についても十分な表面処理を施すことができ、優れた外観に仕上げることができるという効果を奏する。
本実施形態におけるバンドの視認側の平面図である。 本実施形態における駒体の連結状態を示す平面図である。 図2におけるIII-III線に沿う断面図である。 図2におけるIV-IV線に沿う断面図である。 図3に示す状態から連結部分において一方の駒体を回動させた状態を示す断面図である。 切替境界部の位置の異なる駒体の一変形例を示す断面図である。 本実施形態におけるバンドを構成する駒体の各部の数値条件を示す図である。 実施例における各部の数値及び外観の評価結果を示す図である。 実施例における駒体の駒端部各部の数値及び外観の評価結果を示す図である。 実施例における駒体の駒中央部各部の数値及び外観の評価結果を示す図である。
図1から図10を参照しつつ、本発明に係る駒体、バンド及びバンドの表面処理方法の一実施形態について具体的に説明する。
なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
本実施形態においては、バンドが腕時計のブレスとして用いられるものである場合を例として説明する。
図1は、本実施形態におけるバンドの一例を示す斜視図である。
図1に示すように、本実施形態のバンド100は、複数の駒体1を備えて構成されている。バンド100を構成する駒体1は、例えばステンレス、チタニウム等の金属材料で形成されている。なお、駒体1を形成する材料はここに例示したものに限定されない。
駒体1としては、連結方向Xの両側に隣接する隣接駒体が連結される(すなわち、駒体1同士で互いに連結される)連結駒体1aと、連結方向Xの一端側は隣接駒体と連結されるが、連結方向Xの他端側は図示しない時計ケース等、バンド100が取り付けられる本体と連結される、いわゆるエンドピースとしての取付駒体1bとがある。なお、本実施形態において、単に「駒体1」としたときは、連結駒体1a、取付駒体1bの両方を含むものとする。
バンド100は、駒体1を複数連結して構成された2つの駒ユニット10と、駒ユニット10同士を連結させる中留3と、を備えている。
本実施形態において、一方側のエンドピースである取付駒体1bから中留3に隣接する連結駒体1aまでの駒体1によって1つの駒ユニット10が構成されている。
そして、2つの駒ユニット10同士が中留3によって連結されることで1繋がりのバンド100が構成される。
本実施形態のバンド100は、乾式めっき法を用いて表面処理を施されるものである。
乾式めっき法は、基材表面に金属被膜を形成する表面処理の手法であり、例えば物理気相成長(PVD)や化学気相成長(CVD)等がある。
乾式めっき法として、具体的には、イオンプレーティング法(IP処理)、スパッタリング法、その他各種の蒸着法等があるが、特にイオンプレーティング法(IP処理)は、基材表面に形成される被膜の基材(めっき対象)への密着性が比較的高い。
イオンプレーティング法(IP処理)では、表面処理を施す対象である基材をイオンプレーティング装置内の所定位置に設置して、表面処理により基材に付着させたい色調等に応じた金属を成膜材料(蒸発材料、蒸着源)として用意し、電子銃(プラズマ電子銃)を用いてこれを溶解させる。そして真空容器内で蒸発させ、その蒸発原子を、電界を印加して発生したプラズマを利用し、イオン化又は励起させ、基材上に薄膜を形成させる。
以下、本実施形態では、乾式めっき法であるイオンプレーティング法(IP処理)を用いてバンド100の表面処理を行う場合を例として説明する。なお、バンド100の表面処理を行う手法は、イオンプレーティング法(IP処理)に限定されず、乾式めっき法であれば、これ以外の手法が採用されてもよい。
なお、本実施形態において、イオンプレーティング法(IP処理)によってバンド100に表面処理を施す際、駒体1を個別に単体で処理するのではなく、駒体1を複数連結して構成された駒ユニット10の状態で、図示しないイオンプレーティング装置内に設置し、表面処理を施すようになっている。
図2は、2つの駒体が連結されている状態を示す平面図である。図2では、バンド100を構成する駒体1のうち連続する2つの駒体1を抜き出して示している。
駒体1は、幅方向Yにおける駒中央部11aと、その両側部に配置される駒端部11bとからなる。なお、単に「駒体1」としたときは、駒中央部11aと駒端部11bとを含むものとする。
駒中央部11aと一対の駒端部11bとは連結方向Xにずれて設けられており、駒体1全体を平面視した場合には、駒体1における連結方向Xの一端側は凸形状をなし、連結方向Xの他端側は、一端側の凸形状と嵌り合う凹部形状となっている。なお、駒体1の具体的な形状は図示例に限定されない。
駒体1には、幅方向Yに延在し連結方向Xに隣接する駒体(これを「隣接駒体」とする。)を連結させるための連結部材を挿通させる孔部12が形成されている。
孔部12は、駒中央部11a及び一対の駒端部11bにそれぞれ設けられており、駒体1の凸形状となった部分が隣接駒体の凹部形状となった部分と嵌り合った際には、孔部12が幅方向Yに連通するように、それぞれ対応する位置に形成されている。
本実施形態において孔部12は、幅方向Yに貫通する貫通孔である。また、連結部材は、孔部12に挿通されるばね棒等の軸部材5である。
本実施形態の孔部12は、駒体1の厚み(すなわち高さ、図3及び図4において厚みT)方向の中心よりもバンド100の裏面側寄り(図3等において下側寄り)の位置に形成されている。
なお、駒体1同士を連結させる構成は、図示例に限定されない。例えば駒体1に孔部12に代えて幅方向Yに貫通しない凹部等の係止部を設け、連結部材は当該係止部に係止される係止突起等の係止部材であってもよい。
図3は、図2におけるIII-III線に沿う断面図であり、駒体の幅方向における中央部(駒中央部)の断面図である。図4は、図2におけるIV-IV線に沿う断面図であり、駒体の幅方向における端部(駒端部、図4では図2における下側の端部)の断面図である。
図2から図4に示すように、本実施形態の駒体1は、駒体1の連結方向Xにおける端面が連結端面2となっている。そして、連結端面2のうち少なくとも一部には、連結状態において隣り合う隣接駒体の端面(連結端面2)に対して側面視楔形となるように傾斜する斜面(本実施形態において上斜面21,下斜面22)が形成されている。
全ての連結端面2に斜面(上斜面21,下斜面22)を設けてもよいが、本実施形態では、連結端面2のうち、外観に現れる面(視認される面。これを「外観面2a」とする。図5参照)のみに斜面21,22を設け、外観に現れない面(これを「非外観面2b」とする。図5参照)には特に傾斜を設けない構成としている。
図5は、図3に示す状態から、一方の駒体を他方に対して回動させた状態を示す側断面図である。
図5に示す回動方向(図5において矢印で示す方向)は、バンド100を腕等の装着対象に装着した際の装着対象に沿う方向であり、図中上側が装着状態において外観として視認される側となっている。
図5に示す例では、駒体1の連結端面2のうち、駒体1の幅方向における中央部(駒中央部11a)の凸状部の連結方向Xにおける連結端面2、及び連結方向Xにおいて凸状部が形成されている側とは逆側であって駒体1の幅方向における端部(駒端部11b)の連結端面2が、装着対象に沿う方向に駒体1を回動させた場合に、外観上露出する外観面2aとなる。したがって、この外観面2aに斜面21,22を形成する。これに対して、駒体1の連結端面2のうち、駒体1を回動させた場合にも外観上露出しない非外観面2bについては傾斜を設けていない。
連結端面2のうち、斜面21,22が形成される外観面2aは、駒体1の厚みT方向の所定位置に駒体1の幅方向Yに延在する切替境界部23を有し、当該切替境界部23を境に斜面21,22の傾斜方向が切り替えられるようになっている。
すなわち、連結端面2のうち、駒体1における表面側(視認側、図3等において上側)に形成される上斜面21は、隣接駒体の端面(連結端面2)に対してバンド100の表面側から裏面側に向かう下り斜面となっており、連結端面2のうち、駒体1における裏面側(非視認側、図3等において下側)に形成される下斜面22は、隣接駒体の端面(連結端面2)に対してバンド100の裏面側から表面側に向かう上り斜面となっている。そして、側面視における楔形形状の頂点部分となる位置が切替境界部23となる。
本実施形態では、切替境界部23から連結方向Xに延在する切替境界面を設定したときに、斜面21,22は、切替境界面に対して65度以下の傾き(すなわち、傾斜角度)となるように形成されている。
斜面21,22の切替境界面に対する傾斜角度が大きくなるほど傾斜を設けない連結端面2に近い状態となってしまうため、好ましくない。他方、斜面21,22の傾斜角度が小さくなることは特に限定されず、適宜設定が可能である。
前述のように本実施形態の駒体1には、幅方向Yに延在する孔部12が形成されており、切替境界部23は、駒体1の厚みT方向における孔部12の中心の延長上に配置されている。
すなわち、図3及び図4では、厚みT方向における孔部12の中心を通る孔中心線CLから幅方向Yに延在する面が切替境界面となる。そして、この切替境界面に対する上斜面21の傾斜角度θ1及び下斜面21の傾斜角度θ2がともに65度以下となっている。
なお、切替境界部23は、駒体1の厚みT方向における孔部12の中心の延長上に配置される場合に限定されない。
例えば図6は、切替境界部23が駒体1の厚みT方向の中心の延長上に配置されている例を図示している。
この場合には、駒体1の厚みT方向における中心を通る駒厚中心線TLから幅方向Yに延在する面が切替境界面となる。そして、この切替境界面に対する上斜面21の傾斜角度θ1及び下斜面21の傾斜角度θ2がともに65度以下となっている。
本実施形態では、バンド100に表面処理を行う場合、駒体1が連結された駒ユニット10を一方側の端部を基点として、イオンプレーティング装置等の表面処理を行う装置の内部に吊り下げることとなる。このときに駒ユニット10のバランスが悪いと駒ユニット10の全体に均一な表面処理を行うことができない。そこで、駒体1の厚みT方向の中心又はその近傍を基点として駒ユニット10を吊り下げることが好ましい。
イオンプレーティング法(IP処理)等の乾式めっき法は、被膜の材料となる金属を気化又は昇華させて、基材の表面に膜を形成させるものである。複数の駒体が連結されてなるバンドの場合、隣接する駒体1同士の間の面には、気化又は昇華した被膜の材料が十分に入り込むことが難しい。こうした被膜の材料が十分に入り込みにくい箇所では、被膜が十分形成されなかったり、気化等した材料が適切に反応しないことで、予定していた色調と異なる色調の被膜、例えば黒色系や茶色系等の色調の被膜が形成され、黒ずみ等が発生してしまう。
この点、駒ユニット10を構成する駒体1の連結端面2に、駒体1の厚みT方向の中心又はその近傍に向けて斜面21,22が形成されていると、駒体1を連結させた状態で表面処理を行った場合でも、隣接する駒体1同士の間の面まで、駒ユニット10の表裏から気化又は昇華した被膜の材料が十分に入り込み、めっきの付き回りが改善される。
このように、斜面21,22は隣接する駒体1同士の間の面に被膜の材料が十分に入り込むようにするために形成されるものである。このため、傾斜方向が切り替えられる切替境界部23の位置は、駒体1の厚みT方向の中心又はその近傍であればよい。
したがって、切替境界部23は、駒体1の厚みT方向における孔部12の中心(すなわち、孔中心線CL)の延長上又は駒体1の厚みT方向の中心(すなわち、駒厚中心線TL)の延長上に配置される場合に限定されないが、駒厚中心線TLと孔中心線CLとの間のいずれかの位置に設定されることが好ましい。
なお、側面視における楔形形状の頂点部分となる切替境界部23には、製造上又は安全性や周りの部材との干渉を考慮してRを付けることが好ましい。ただ、あまり大きくRを付けると、斜面21,22を設けた意味が薄くなり、傾斜角度を設けない状態に近づいてしまう。このため、切替境界部23にRを付ける場合、Rはなるべく小さいことが好ましく、R1.0mm未満であることが好ましい。
また、駒体1同士の間には若干の隙間が設けられており、この隙間が大きいほど、表面処理を施した場合に隣接する駒体1同士の間の面にも被膜の材料が十分に入り込みやすくなる。
図3及び図6に示す隙間D1は、駒中央部11aにおける駒体1の凸状の部分の連結端面2と、これと嵌り合う隣接駒体の駒中央部11aにおける凹部状の部分の連結端面2との間の隙間である。また、図4に示す隙間D2は、駒端部11bにおける駒体1の連結方向Xの連結端面2と、これと対向する隣接駒体の駒端部11bの連結方向Xの連結端面2との間の隙間である。
駒体1間の隙間D1,D2(駒体1と隣接駒体との対向する連結端面2同士の間の隙間)をどの程度とするかは、バンド100の大きさや厚み、デザイン等によって適宜設定される事項であるが、隙間D1,D2ともに、0.2mm以上であることが好ましい。
さらに、駒体1同士の連結端面2に斜面を設けることで、実質的には隙間D1,D2として設定されている以上に連結端面2間の間隔が空いている部分(空間)が形成され、被膜の材料が入り込みやすくなる。
ここで、本実施形態における駒体1に設定される各種の条件となる数値を図7に示す。
図7に示すように、本実施形態では、図3及び図4に示す駒体1の厚みTが3.5mmである場合を例としており、比較的厚みの薄いバンド100を想定している。
また、駒体1の駒中央部11aの幅W1(図2参照)は、9.0mm以下であり、駒端部11bの幅W2(図2参照)は、9.0mm以下である。ここで、駒端部11bの幅W2の値は、駒体1の駒中央部11aの幅W1との外観上のバランスを考慮して設定される。
また、本実施形態の駒体1の駒中央部11aにおける隣接駒体の連結端面2との間の距離D1、駒端部11bにおける隣接駒体の連結端面2との間の距離D2はともに0.2mm以上である。
さらに、連結端面2のうち外観面2aに形成される上斜面21(図5参照)の傾斜角度θ1,θ3は、駒中央部11a及び駒端部11bともに65度以下とし、下斜面22(図5参照)の傾斜角度θ2,θ4は、駒中央部11a及び駒端部11bともに65度以下とされる。
また、切替境界部23のRは、1.0mm以下とする。
なお、図3、図4及び図6では、上斜面21の傾斜角度θ1,θ3が下斜面22の傾斜角度θ2,θ4と同じである場合を例示しているが、上斜面21の傾斜角度θ1,θ3と下斜面22の傾斜角度θ2,θ4とは65度以下の範囲内であればよく、両者が異なっていてもよい。
例えば、上斜面21の傾斜角度θ1,θ3が30度、下斜面22の傾斜角度θ2,θ4が65度等であっても構わない。
また、駒中央部11a及び駒端部11bで、それぞれ斜面21,22の角度が異なっていてもよいし、この場合さらに、それぞれの上斜面21の傾斜角度θ1,θ3、及び下斜面22の傾斜角度θ2,θ4が異なっていてもよい。
例えば、駒中央部11aでは上斜面21の傾斜角度θ1,θ3が45度、下斜面22の傾斜角度θ2,θ4が50度であり、駒体端部11bでは上斜面21の傾斜角度θ1,θ3が30度、下斜面22の傾斜角度θ2,θ4が45度等となっていてもよい。
このように、上斜面21と下斜面22とで傾斜角度を変えたり、1つの駒体1内でも駒中央部11aと駒端部11bとで傾斜角度を変えたりすることで、より複雑な形状の意匠性に優れた駒体1及びこれを備えるバンド100を実現することができる。また、連結端面2間の隙間が狭く、めっきの付き回りの悪い部分については斜面21,22の傾斜角度をより小さくして連結端面2間の空間を確保する等、適宜調整してもよい。
さらに、1つのバンド100を構成する駒体1はすべてが同一形状である必要はなく、形状や、斜面21,22の傾斜角度の異なる駒体1が連結されていてもよい。
次に、本実施形態におけるバンド100の表面処理方法について説明する。
駒体1における連結方向Xにおける連結端面2のうち、外観に現れる可能性のある面である外観面2aについて、連結状態において隣り合う隣接駒体1の端面(連結端面2)に対して側面視楔形となるように傾斜する斜面21,22を形成する。
なお、斜面21,22を形成するにおいては、連結端面2における、駒体1の厚み方向の所定位置に駒体1の幅方向Yに延在する切替境界部23を設定し、切替境界部23を境に斜面21,22の傾斜方向が切り替わるように斜面21,22を形成する。そして、この切替境界部23から連結方向Xに延在する切替境界面を設定したときに、斜面21,22の傾斜角度が、切替境界面に対して65度以下の傾きとなるようにする。
そして、外観面2aに斜面21,22を形成した駒体1を複数連結して2組の駒ユニット10を構成する。
次に、乾式めっき法であるイオンプレーティング法(IP処理)による表面処理(めっき処理)を行う図示しないイオンプレーティング装置内に各駒ユニット10の一方側の端部を固定し、駒ユニット10を装置内部に吊るす。
そして、駒体1の基材(例えばSUSやチタニウム等)や、表面処理により得たい発色(すなわち、被膜に求められる色調。例えば、ピンク色、金色、黒色等)等に応じて被膜の材料となる金属を選択し、イオンプレーティング装置内のるつぼに成膜材料(蒸発材料、蒸発源)として充填、セットする。成膜材料としては、例えばチタニウムTiや、錫Sn、アルミニウムAl、銅Cu等が挙げられ、適宜選択される。
イオンプレーティング法(IP処理)では、装置内のるつぼに充填された成膜材料は電子銃(プラズマ電子銃)により溶解され、真空容器内で蒸発する。そして、これに周囲の反応性ガスを反応・化合させることで駒体1の基材に成膜材料に応じた被膜を蒸着させることができる。
例えば、るつぼ内に、成膜材料(蒸発材料、蒸発源)としてチタニウムTiを充填し、プラズマ電子銃により溶解させ、真空容器内で蒸発させておき、この真空容器内に反応ガスとしての窒素NとアセチレンCとを混合させたものを導入し、蒸気となっているチタニウムTiと反応させると、炭窒化チタンTiCNの被膜を基材の表面に成膜することができる。
これにより、駒ユニット10を単位として、イオンプレーティング法(IP処理)による表面処理(めっき処理)を行うことができ、駒ユニット10を構成する各駒体1の表面に所望の色や風合いの被膜を形成させることができる。
駒ユニット10が2組完成すると、これを中留3によって連結させ、一つながりのバンド100とする。
このように、本実施形態では、各駒体1ごとではなく、駒体1を複数連結させた駒ユニット10の状態で表面処理を行うため、取り扱いが容易で、生産効率も向上する。
そして、駒体1を連結させた状態で表面処理を行っても、外観面2aに斜面21,22を形成しているので、隣接する駒体同士の間の面にも気化又は昇華した被膜の材料が十分に入り込む。このため、めっきの付き回りがよくなり、目視した場合に気になるレベルの黒ずみ等の異常、不良を生じない。
ここで、各種の条件下で表面処理を行った場合のサンプルに対する評価(外観評価)を図8から図10に示す。
なお、図8から図10に示す例は、駒体1の基材がSUSであり、この表面にピンクゴールド系の被膜を形成した場合のサンプルに対する評価を示したものである。
図8から図10に示す例のように、SUS等の銀色の基材に対してピンクゴールド系の色調の被膜を形成する場合には、イオンプレーティング装置内のるつぼに、例えば銅Cu等が成膜材料としてセットされる。
図8に示すように、駒体1の厚みが3.00mmであり、駒体間の距離0.20mmである場合、連結端面2における上斜面21の傾斜角度(図3、図6における傾斜角度θ1、図4におけるθ3)が65.0度であり、下斜面22の傾斜角度(図3、図6における傾斜角度θ2、図4におけるθ4)が65.0度であって、切替境界部23のRが0.50mmであるサンプル1については、外観についての評価が〇(OK)となった。
ここで、外観についての評価は目視により行われる。〇(OK)評価となる基準は、駒体1間の連結端面2を目視したときに、黒ずみや青光りといった変色等の異常、不良が気にならないレベルであること意味する。
本来基材表面に適切に被膜が形成された場合には、バンド100全体にほぼ均一に所望の色調が実現される。
これに対して、黒ずみや青光りといった変色等の異常、不良は、気化等した被膜の材料が駒体1の間に十分に入り込まなかったり、被膜の材料となる金属の蒸気と反応性ガスとが十分に反応・化合しなかったこと等に起因して発生すると考えられる。このため、黒ずみや青光りは例えば連結端面2におけるバンド100の裏面側から表面側に向けてグラデーションのように色合いや色の濃さ等が変化する等、不均一に発生する。
したがって、目視した際に、色合いや色の濃さ等が不均一であったり、位置により徐々に変化している状況がある場合には、基材表面に適切に被膜が形成されていないとして、NG評価となる。
なお、駒体1間の距離と駒体1の厚みとの関係についてみると、駒体1間の距離が離れるほど、また、駒体1の厚みが薄いほど、被膜の材料が駒体1の間に入り込みやすく、〇(OK)評価となりやすい。ただ、例えば、女性ものの腕時計のブレスとして用いられるバンド100等では、もともと駒体1の大きさが小さく、厚みも薄い。そして、ブレスの構成やデザイン上、駒体1間の距離をあまりに広くとることは難しい。
このため、現実的には、図8に示すように、サンプル1~サンプル3における駒端部11b、駒中央部11aともに、切替境界部23のRが0~0.50mm、駒体1間の距離が0.2mm以上、かつ斜面21,22がともに0~65度である場合が〇(OK)評価となる。
また、駒体1の厚みと斜面21,22の傾斜角度との関係についてみると、駒体1の厚みが薄いほど、また、斜面21,22の傾斜角度が小さいほど、被膜の材料が駒体1の間に入り込みやすく、〇(OK)評価となりやすい。
このため、図8に示すように、サンプル1~サンプル3における駒端部11b、駒中央部11aともに、切替境界部23のRが0~0.50mm、駒体1の厚み0~3.20mm、かつ斜面21,22がともに0~65度である場合が〇(OK)評価となる。
図9は、各種寸法で形成された駒体1のサンプル4~6について、駒端部11bにおける外観評価を行った結果を示したものである。また、図10は、各種寸法で形成された駒体1のサンプル4~6について、駒中央部11aにおける外観評価を行った結果を示したものである。なお、サンプル4~6は、駒端部11b及び駒中央部11aともに、連結端面2が駒体1の厚みT方向に対してほぼ垂直である例(すなわち、連結端面2における斜面なし)となっている。
駒体1同士の間が離れていて駒体1間の空間体積が大きいほど被膜の材料が駒体1の間に入り込みやすい。しかし、図9及び図10のサンプル4のように駒体1の厚みTが厚い場合には、その分被膜の材料が入り込みにくく、図9及び図10に挙げたサンプル4~6のように、連結端面2に斜面21,22が設けられていない場合には、黒ずみ等の異常や不良が発生してしまう。さらに、駒体1の厚みTが厚いと連結端面2が大きくなる分、黒ずみ等の異常や不良も目視した際に目立ちやすい。このため、外観評価は×(NG)となっている。
また、図9及び図10に示すサンプル5,6のように、駒体1間が離れていて駒体1間の空間体積が大きくても、連結端面2が斜面21,22を有さない、駒体1の厚みT方向に対してほぼ垂直な面である場合には、めっきの付き回りが悪く、駒体1を複数連結させた駒ユニット10の状態で表面処理を行った場合には、製品として〇(OK)評価となるレベルの外観は実現できなかった。
以上のように、本実施形態によれば、乾式めっき法を用いて表面処理を施されるバンド100の駒体1であって、複数連結されてバンド100を形成するものである場合に、連結方向Xにおける連結端面2のうち少なくとも一部に、連結状態において隣り合う隣接駒体の端面に対して側面視楔形となるように傾斜する斜面21,22が形成されている。
このため、個別に表面処理を行わず、駒体1同士を複数連結させて駒ユニット10の状態で表面処理を行っても、駒体1の連結端面2と隣接駒体の端面(連結端面)との間に被膜の材料が入り込む空間が十分に確保され、駒体1同士の隙間にも適切に被膜が形成されて、個々の駒体1を美しい外観に仕上げることができる。
これにより、バンド100を駒体1の状態に分解してから表面処理を行う等の手間や時間を省くことができ、バンド100に表面処理を施す場合のコストを抑えることができる。
また、表面処理後に駒体1を連結させてバンド100を形成しようとすると、連結等の作業中に表面処理を施した部分に傷が付くおそれもある。この点、駒ユニット10の状態で表面処理を行うと、個々の駒体1の状態で表面処理を行う場合と比較して、表面処理後の取り扱いがしやすく、表面処理した部分に傷がつく等のおそれも回避できる。
また、本実施形態では、斜面21,22が形成される連結端面2は、駒体1の厚みT方向の所定位置に駒体1の幅方向Yに延在する切替境界部23を有し、当該切替境界部23を境に斜面21,22の傾斜方向が切り替えられるようになっており、切替境界部23から連結方向Xに延在する切替境界面を設定したときに、斜面21,22は、切替境界面に対して65度以下の傾きとなるように形成されている。
これにより、切替境界部23を頂点として斜面21,22が形成され、斜面21,22と隣接駒体の端面(連結端面)との間に被膜の材料が入り込む空間が確保される。
このため、個別に表面処理を行わず、駒体1同士を複数連結させて駒ユニット10の状態で表面処理を行っても、駒体1同士の隙間にも被膜が形成されて、個々の駒体1を美しい外観に仕上げることができる。
また、イオンプレーティング法等の乾式めっき法を用いて表面処理を行う装置内には、処理対象である駒ユニット10を連結方向Xに吊るした状態で配置することが一般的である。この場合に、切替境界部23を駒体1の厚みT方向の中心の延長上に配置した場合には、傾斜方向の異なる斜面21,22がバランスよく配置される。
このため、駒ユニット10が安定し、駒体1の連結端面2と隣接駒体の端面(連結端面)との間にも駒ユニット10の表裏から被膜の材料が入り込みやすく、めっきの付き回りがよくなり、個々の駒体1を美しい外観に仕上げることができる。
また、駒体1に、幅方向Yに延在し隣接駒体を連結させるための連結部材(軸部材5)を挿通させる孔部12が形成されている場合には、切替境界部23は、駒体1の厚みT方向における孔部12の中心の延長上に配置されていてもよい。
前述のように、イオンプレーティング法等の乾式めっき法を用いて表面処理を行う装置内には、処理対象である駒ユニット10を連結方向Xに吊るした状態で配置することが一般的である。このとき、駒体1に連結用の孔部12が設けられている場合には、この孔部12において駒ユニット10を装置内に係止させることが考えられる。
このため、孔部12の中心の延長上に切替境界部23を配置することで、処理装置内に駒ユニット10を吊るした際に駒ユニット10が安定し、駒体1の連結端面2と隣接駒体の端面(連結端面)との間にも駒ユニット10の表裏から被膜の材料が入り込みやすく、めっきの付き回りがよくなり、個々の駒体1を美しい外観に仕上げることができる。
また、本実施形態で示した構成の駒体1を複数連結してバンド100を構成した場合には、個別に表面処理を行わず、駒体1同士を複数連結させた駒ユニット10の状態で表面処理を行っても、駒体1同士の隙間まで適切に被膜が形成され、バンド100全体を美しい外観に仕上げることができる。
そして、バンド100を駒体1の状態に分解してから表面処理を行う等の手間や時間を省くことができ、バンド100に表面処理を施す場合のコストを抑えることができる。
さらに、駒ユニット10を形成してから表面処理を行うことで、表面処理後の取り扱いがしやすく、表面処理後に駒体1を連結させる場合と比較して表面処理した部分に傷がつく等のおそれも回避できる。
なお、以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。
例えば、本実施形態では、各種の数値条件を図7等で示したが、ここで示した数値条件は、必須のものではない。
本実施形態では、表面処理によってバンド100にピンクゴールド系の被膜を形成する場合について主として説明したが、バンド100に施す表面処理により形成される被膜の色調等はこれに限定されない。
表面処理は、バンド100(バンド100を構成する駒体1)の基材であるSUSやチタニウム等の金属に多い色である銀色等とは異なる色となるようにバンド100の表面を処理するものであればよく、例えば、金色係や黒色係、イエローゴールド係等の被膜を形成するものであってもよい。
このように、表面処理によりバンド100に施される色が、本実施形態で例示したピンクゴールド系でない場合には、図7で示した数値条件等が異なる場合もありうる。例えば、外観が〇(OK)となる基準は目視による判断であることから、めっきの付き回りの悪さが目立ちやすい色である表面処理を施す場合には、より数値条件が厳しくなることも考えられる。
また、図7で示した数値条件等は、バンド100を構成する駒体1が図2等に示すような形状であることを前提としている。
このため、駒体1の形状や態様等によっては、図7で示した数値条件等とは異なる数値条件等となることもありうる。
また、本実施形態では、図8において、駒体1の厚みが0~3.20mmである場合(図8に示すサンプル1~サンプル3)を例示したが、駒体1の厚みはこの範囲に限定されない。
例えば、駒体1の厚みが3.40mm以内であれば、駒体1間の距離や斜面21,22の傾斜角度等の条件について図8に示した数値を適用しても問題のない範囲と考えられる。
また、本実施形態では、バンド100の表面処理方法により製造されたバンド100が腕時計のブレスとして用いられる場合を例示したが、本発明のバンド100を適用可能な機器は、腕時計に限定されず、各種のバンドを取り付け可能な機器であれば広く適用することができる。
以上本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
乾式めっき法を用いて表面処理を施されるバンドの駒体であり、かつ複数連結されて前記バンドを形成する駒体であって、
連結方向における連結端面のうち少なくとも一部には、連結状態において隣り合う隣接駒体の端面に対して側面視楔形となるように傾斜する斜面が形成されている駒体。
<請求項2>
前記斜面が形成される前記連結端面は、前記駒体の厚み方向の所定位置に前記駒体の幅方向に延在する切替境界部を有し、当該切替境界部を境に前記斜面の傾斜方向が切り替えられるようになっており、
前記切替境界部から前記連結方向に延在する前記切替境界面を設定したときに、前記斜面は、前記切替境界面に対して65度以下の傾きとなるように形成されている請求項1に記載の駒体。
<請求項3>
前記切替境界部は、前記駒体の厚み方向の中心の延長上に配置されている請求項1又は請求項2に記載の駒体。
<請求項4>
前記駒体には、幅方向に延在し前記隣接駒体を連結させるための連結部材を挿通させる孔部が形成されており、
前記切替境界部は、前記駒体の厚み方向における前記孔部の中心の延長上に配置されている請求項1又は請求項2に記載の駒体。
<請求項5>
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の駒体を複数連結して構成されるバンド。
<請求項6>
複数連結されてバンドを形成する駒体の連結方向における連結端面のうち少なくとも一部に、連結状態において隣り合う隣接駒体の端面に対して側面視楔形となるように傾斜する斜面を形成し、
前記駒体を複数連結して駒ユニットを構成し、
前記駒ユニットに対し、乾式めっき法を用いて表面処理を施すバンドの表面処理方法。
<請求項6>
前記連結端面における、前記駒体の厚み方向の所定位置に前記駒体の幅方向に延在する切替境界部を設定し、
前記切替境界部を境に傾斜方向が切り替わるように前記斜面を形成し、
前記切替境界部から前記連結方向に延在する前記切替境界面を設定したときに、前記斜面の傾斜角度が、前記切替境界面に対して65度以下の傾きとなるようにした請求項6に記載のバンドの表面処理方法。
1 駒体
2 連結端面
2a 外観面
2b 非外観面
10 駒ユニット
11a 駒中央部
11b 駒端部
12 孔部
21 上斜面
22 下斜面
23 切替境界部
100 バンド
CL 孔中心線
T 厚み
TL 駒厚中心線
X 連結方向
Y 幅方向

Claims (8)

  1. 乾式めっき法を用いて表面処理を施されるバンドの駒体であり、かつ複数連結されて前記バンドを形成する駒体であって、
    連結方向における連結端面のうち少なくとも一部には、連結状態において隣り合う隣接駒体の端面に対して側面視楔形となるように傾斜する斜面が形成されていて、
    前記斜面が形成される前記連結端面は、前記駒体の厚み方向の所定位置に前記駒体の幅方向に延在する切替境界部を有し、当該切替境界部を境に前記斜面の傾斜方向が切り替えられるようになっており、
    前記斜面は、前記駒体における表面側において隣接駒体の端面に対して前記バンドの表面側から裏面側に向かう下り斜面と、前記駒体における裏面側において隣接駒体の端面に対して前記バンドの裏面側から表面側に向かう上り斜面とを含む駒体。
  2. 前記切替境界部から前記連結方向に延在する切替境界面を設定したときに、前記斜面は、前記切替境界面に対して65度以下の傾きとなるように形成されている請求項1に記載の駒体。
  3. 前記切替境界部は、前記駒体の厚み方向の中心の延長上に配置されている請求項2に記載の駒体。
  4. 前記駒体には、幅方向に延在し前記隣接駒体を連結させるための連結部材を挿通させる孔部が形成されており、
    前記切替境界部は、前記駒体の厚み方向における前記孔部の中心の延長上に配置されている請求項2に記載の駒体。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の駒体を複数連結して構成されるバンド。
  6. 請求項5に記載のバンドを備える時計。
  7. 複数連結されてバンドを形成する駒体の連結方向における連結端面のうち少なくとも一部に、連結状態において隣り合う隣接駒体の端面に対して側面視楔形となるように傾斜する斜面を形成し、
    前記駒体を複数連結して駒ユニットを構成し、
    前記駒ユニットに対し、乾式めっき法を用いて表面処理を施すバンドの表面処理方法であって、
    前記連結端面における、前記駒体の厚み方向の所定位置に前記駒体の幅方向に延在する切替境界部を設定し、
    前記切替境界部を境に傾斜方向が切り替わるように前記斜面を形成し、
    前記斜面は、前記駒体における表面側において隣接駒体の端面に対して前記バンドの表面側から裏面側に向かう下り斜面と、前記駒体における裏面側において隣接駒体の端面に対して前記バンドの裏面側から表面側に向かう上り斜面とを含むバンドの表面処理方法
  8. 前記切替境界部から前記連結方向に延在する切替境界面を設定したときに、前記斜面の傾斜角度が、前記切替境界面に対して65度以下の傾きとなるようにした請求項7に記載のバンドの表面処理方法。

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