JP3229906B2 - 金属製装飾品の仕上げ方法 - Google Patents
金属製装飾品の仕上げ方法Info
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- JP3229906B2 JP3229906B2 JP14433493A JP14433493A JP3229906B2 JP 3229906 B2 JP3229906 B2 JP 3229906B2 JP 14433493 A JP14433493 A JP 14433493A JP 14433493 A JP14433493 A JP 14433493A JP 3229906 B2 JP3229906 B2 JP 3229906B2
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- Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、時計用バンド、ブレス
レット、メガネのフレーム等の金属製装飾品の乾式メッ
キ仕上げ方法に関するものである。
レット、メガネのフレーム等の金属製装飾品の乾式メッ
キ仕上げ方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】上記のような装飾品は、互いに隣接した
部品より構成されている。
部品より構成されている。
【０００３】図１は時計の金属バンドの一部を示し、互
いに近接する多数の駒１を連結することによりバンドが
形成されている。このようなバンドを乾式メッキである
イオンプレーティングによって金色系色調の窒化チタン
被膜を形成する仕上げ法がある。この場合、隣接部品と
の対向面２はメッキの付き廻りが悪い。
いに近接する多数の駒１を連結することによりバンドが
形成されている。このようなバンドを乾式メッキである
イオンプレーティングによって金色系色調の窒化チタン
被膜を形成する仕上げ法がある。この場合、隣接部品と
の対向面２はメッキの付き廻りが悪い。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】ここで窒化チタン被膜
の形成方法の一例を説明する。チタンやステンレス鋼等
からなるバンドを先ず洗浄した後、イオンプレーティン
グ装置の真空槽内に取り付ける。真空槽内を排気後、ア
ルゴンガスを導入し、圧力５×１０-3Torrにし、バンド
に−５０Ｖの電位の加速電圧を印加し、アルゴンイオン
でバンドの表面をクリーニングする。つぎに、反応ガス
として窒素ガスを導入し、アルゴンガスと窒素ガスの混
合ガスとして真空槽内を圧力５×１０-4Torrに保持す
る。その後、適当な加速電圧で電子ビームを金属チタン
の蒸発源に照射してチタンを気化させ、真空槽内に設け
たイオン化機構により、チタン蒸気と窒素ガスをイオン
化し反応させて、窒化チタンとし、バンドの表面に硬質
被膜である金色の窒化チタン被膜が形成される。
の形成方法の一例を説明する。チタンやステンレス鋼等
からなるバンドを先ず洗浄した後、イオンプレーティン
グ装置の真空槽内に取り付ける。真空槽内を排気後、ア
ルゴンガスを導入し、圧力５×１０-3Torrにし、バンド
に−５０Ｖの電位の加速電圧を印加し、アルゴンイオン
でバンドの表面をクリーニングする。つぎに、反応ガス
として窒素ガスを導入し、アルゴンガスと窒素ガスの混
合ガスとして真空槽内を圧力５×１０-4Torrに保持す
る。その後、適当な加速電圧で電子ビームを金属チタン
の蒸発源に照射してチタンを気化させ、真空槽内に設け
たイオン化機構により、チタン蒸気と窒素ガスをイオン
化し反応させて、窒化チタンとし、バンドの表面に硬質
被膜である金色の窒化チタン被膜が形成される。
【０００５】このような方法であるから、チタン蒸気と
窒素ガスは対向面２の間に入りにくく、十分なメッキ被
膜が形成されず黒色系色調の被膜となり、見栄えが悪
く、製品の質を低下させてしまう。この黒色被膜は酸化
チタン、又は炭化チタンであるが、除去することが困難
であった。
窒素ガスは対向面２の間に入りにくく、十分なメッキ被
膜が形成されず黒色系色調の被膜となり、見栄えが悪
く、製品の質を低下させてしまう。この黒色被膜は酸化
チタン、又は炭化チタンであるが、除去することが困難
であった。
【０００６】そのため従来は、更に全体を金メッキして
黒色被膜の部分を覆うか、又はそのまま製品として使用
していた。前者では、工数が増すばかりでなく高価とな
り、また窒化チタン被膜する意味が薄れてしまう。また
後者では見栄が悪く、品格を低下させてしまう欠点があ
る。
黒色被膜の部分を覆うか、又はそのまま製品として使用
していた。前者では、工数が増すばかりでなく高価とな
り、また窒化チタン被膜する意味が薄れてしまう。また
後者では見栄が悪く、品格を低下させてしまう欠点があ
る。
【０００７】また他の手段として、製品を加熱した硝酸
水溶液に浸漬して窒化チタン被膜全体を溶解除去し（特
公平４−２４４３６号）、再度窒化チタン被膜を形成す
ることも行われていた。しかしこの方法で、二回目に黒
色被膜ができることなく成功するとは限らない。
水溶液に浸漬して窒化チタン被膜全体を溶解除去し（特
公平４−２４４３６号）、再度窒化チタン被膜を形成す
ることも行われていた。しかしこの方法で、二回目に黒
色被膜ができることなく成功するとは限らない。
【０００８】以上の事情により、本発明は隣接面上に形
成される黒色被膜を溶解除去することのできる仕上げ方
法を提供することを目的とする。
成される黒色被膜を溶解除去することのできる仕上げ方
法を提供することを目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】本発明による仕上げ方法
は、二個以上の部品が近接し合って作られている装飾品
に、乾式メッキ法で金色系色調の窒化チタン被膜を形成
した装飾品の仕上げ方法において、１０Wt％乃至飽和溶
液の苛性アルカリ溶液を、７０℃乃至沸騰の温度に加熱
し、その液中に前記装飾品を浸漬し、近接し向かい合っ
た面に形成された黒色系色調被膜を溶解除去することを
特徴とする。
は、二個以上の部品が近接し合って作られている装飾品
に、乾式メッキ法で金色系色調の窒化チタン被膜を形成
した装飾品の仕上げ方法において、１０Wt％乃至飽和溶
液の苛性アルカリ溶液を、７０℃乃至沸騰の温度に加熱
し、その液中に前記装飾品を浸漬し、近接し向かい合っ
た面に形成された黒色系色調被膜を溶解除去することを
特徴とする。
【００１０】
【実施例】黒色被膜を形成する酸化チタン（ＴｉＯ）、
又は炭化チタン（ＴｉＣ）を溶解する化合物を見出すべ
く、研究実験を行ったところ、水酸化カリウム（ＫＯ
Ｈ）及び水酸化ナトリウム（ＮａＯＨ）等の苛性アルカ
リが有効であることが判明した。
又は炭化チタン（ＴｉＣ）を溶解する化合物を見出すべ
く、研究実験を行ったところ、水酸化カリウム（ＫＯ
Ｈ）及び水酸化ナトリウム（ＮａＯＨ）等の苛性アルカ
リが有効であることが判明した。
【００１１】下記の表は苛性アルカリの濃度（Wt％）、
水溶液温度及び浸漬時間による黒色被膜剥離効果を示す
ものである。表より明らかなように濃度は１０Wt％以
上、温度は７０乃至１３０℃、浸漬時間は１分以上で、
剥離効果が表れる。尚、◎印は黒色被膜が完全溶解除
去、○印は黒色被膜が目視でわからないていどに溶解除
去または水洗で除去、×印は黒色被膜が完全に溶解除去
できなかったことをそれぞれあらわす。
水溶液温度及び浸漬時間による黒色被膜剥離効果を示す
ものである。表より明らかなように濃度は１０Wt％以
上、温度は７０乃至１３０℃、浸漬時間は１分以上で、
剥離効果が表れる。尚、◎印は黒色被膜が完全溶解除
去、○印は黒色被膜が目視でわからないていどに溶解除
去または水洗で除去、×印は黒色被膜が完全に溶解除去
できなかったことをそれぞれあらわす。
【００１２】
【表１】
【００１３】図２は、温度範囲７０乃至１３０℃におけ
る浸漬時間と濃度との関係を示す。曲線から上の領域が
溶解可能条件を示す。
る浸漬時間と濃度との関係を示す。曲線から上の領域が
溶解可能条件を示す。
【００１４】以上より、剥離可能条件としては、苛性ア
ルカリ濃度は１０Wt％以上飽和溶液まで、温度は７０℃
から沸騰温度までとなる。
ルカリ濃度は１０Wt％以上飽和溶液まで、温度は７０℃
から沸騰温度までとなる。
【００１５】また、加工上の最適条件は、苛性アルカリ
の濃度は４０Wt％乃至５０Wt％、温度は１００℃、乃至
１２０℃、浸漬時間は３分乃至５分である。
の濃度は４０Wt％乃至５０Wt％、温度は１００℃、乃至
１２０℃、浸漬時間は３分乃至５分である。
【００１６】［実施例１］時計バンド表面に上記のイオ
ンプレーティング法により窒化チタン被膜を形成し、５
０Wt％の苛性アルカリを９０℃に加熱し、バンドを５分
間浸漬し、水洗乾燥したところ、黒色被膜のみが溶解し
ていることが判明した。
ンプレーティング法により窒化チタン被膜を形成し、５
０Wt％の苛性アルカリを９０℃に加熱し、バンドを５分
間浸漬し、水洗乾燥したところ、黒色被膜のみが溶解し
ていることが判明した。
【００１７】［実施例２］時計バンド表面に金メッキ被
膜を形成し、その上に窒化チタン被膜を形成した。更に
実施例１と同様の条件により処理を行ったところ、同様
に黒色被膜のみが剥離した。
膜を形成し、その上に窒化チタン被膜を形成した。更に
実施例１と同様の条件により処理を行ったところ、同様
に黒色被膜のみが剥離した。
【００１８】尚、上記黒色被膜をより早く効率良く溶解
除去させるため、苛性アルカリ溶液中で、装飾品を陰極
で電気分解したり、苛性アルカリ溶液中で超音波発振機
を併用したりすることも可能であることは言うまでもな
い。
除去させるため、苛性アルカリ溶液中で、装飾品を陰極
で電気分解したり、苛性アルカリ溶液中で超音波発振機
を併用したりすることも可能であることは言うまでもな
い。
【００１９】
【発明の効果】本発明によれば、金属製品の窒化チタン
被膜形成の際に、隣接部品の対向面に形成される黒色被
膜のみが剥離できるので、製品の質を低下させることが
ない。しかも簡単な工程で、低コストで製品を得ること
ができる。
被膜形成の際に、隣接部品の対向面に形成される黒色被
膜のみが剥離できるので、製品の質を低下させることが
ない。しかも簡単な工程で、低コストで製品を得ること
ができる。
【図１】時計バンドの一部を示す斜視図である。
【図２】浸漬時間と苛性アルカリ水溶液の濃度による剥
離効果範囲を示す図表である。
離効果範囲を示す図表である。
１ 駒 ２ 対向面
Claims (1)
- 【請求項１】 二個以上の部品が近接し合って作られて
いる装飾品に、乾式メッキ法で金色系色調の窒化チタン
被膜を形成した装飾品の仕上げ方法において、１０Wt％
乃至飽和溶液の苛性アルカリ溶液を、７０℃乃至沸騰の
温度に加熱し、その液中に前記装飾品を浸漬し、近接し
向かい合った面に形成された黒色系色調被膜を溶解除去
することを特徴とする装飾品の仕上げ方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14433493A JP3229906B2 (ja) | 1993-05-25 | 1993-05-25 | 金属製装飾品の仕上げ方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14433493A JP3229906B2 (ja) | 1993-05-25 | 1993-05-25 | 金属製装飾品の仕上げ方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06330358A JPH06330358A (ja) | 1994-11-29 |
| JP3229906B2 true JP3229906B2 (ja) | 2001-11-19 |
Family
ID=15359700
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP14433493A Expired - Fee Related JP3229906B2 (ja) | 1993-05-25 | 1993-05-25 | 金属製装飾品の仕上げ方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3229906B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| TWI606760B (zh) | 2013-04-23 | 2017-11-21 | Mitsubishi Gas Chemical Co | Circuit board processing method and printed circuit board manufactured by the method |
| JP7183675B2 (ja) * | 2018-10-04 | 2022-12-06 | カシオ計算機株式会社 | 駒体、バンド、時計及びバンドの表面処理方法 |
-
1993
- 1993-05-25 JP JP14433493A patent/JP3229906B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH06330358A (ja) | 1994-11-29 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
| R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
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| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |