以下、図面を参照しながら本実施形態に係る形状測定ガイド装置、放射線治療システム及び形状測定ガイドプログラムを説明する。
本実施形態に係る形状測定ガイド装置は、測定対象の形状を光学的に測定する形状測定器の操作をガイドするコンピュータである。形状測定ガイド装置は、形状測定器と共に放射線治療システムに包含されるものとする。
図1に示すように、放射線治療システム1は、形状測定器2、形状測定ガイド装置3、干渉判定装置4、治療計画画像撮影装置5、治療計画装置6及び放射線治療装置7を有する。形状測定器2、形状測定ガイド装置3、干渉判定装置4、治療計画画像撮影装置5、治療計画装置6及び放射線治療装置7は、ネットワーク等を介して互いに通信可能に接続されている。
形状測定器2は、測定対象の形状を光学的に3次元的に測定する可搬型の測定機器(3次元スキャナ)である。形状測定器2は、測定対象に光線等を送受信し、非接触で測定対象の凹凸を数値化して測定する。形状測定器2による測定データは干渉判定装置4に供給される。測定対象としては、人物や動物等の如何なる生物であってもよいし、機器や物体等の如何なる物であってもよいが、以下の実施形態においては放射線治療の対象者であるとする。
形状測定ガイド装置3は、形状測定器2の操作をガイドするコンピュータである。形状測定ガイド装置3は、形状測定器2による形状測定が行われる部屋と同室に設定される。
干渉判定装置4は、放射線治療装置7の機器同士又は機器と患者との干渉を判定するコンピュータである。干渉判定装置4は、形状測定ガイド装置3に組み込まれても良いし、別体であってもよい。以下の説明において干渉判定装置4と形状測定ガイド装置3とは別体であるとする。
治療計画画像撮影装置5は、放射線治療計画に利用する医用画像(以下、治療計画画像と呼ぶ)を生成する医用画像診断装置である。治療計画画像撮影装置5は、患者の体内を描出可能であれば、如何なる医用画像診断装置でも良い。このような治療計画画像撮影装置5としては、例えば、X線コンピュータ断層撮影装置やコーンビームCT装置、磁気共鳴イメージング、超音波診断装置等が用いられる。治療計画画像のデータは、治療計画装置6に送信される。
治療計画装置6は、治療計画画像に基づいて患者に関する治療計画を作成する。治療計画は、放射線治療の照射方向数や照射角度、放射線強度、コリメータ開度、ウェッジフィルタ等の各種条件を含む。治療計画装置6は、干渉判定装置4による干渉判定結果に応じて治療計画を作成又は変更してもよい。治療計画のデータは、放射線治療装置7に送信される。
放射線治療装置7は、患者の腫瘍部分に強いX線や電子線、粒子線等の放射線を照射し、腫瘍を縮小又は消滅させるための装置である。例えば、放射線治療装置7は、治療用架台(ガントリ)と治療用寝台とコンソールとを有する。治療用架台は、照射ヘッドを回転軸回りに回転可能に支持する。照射ヘッドには、電子銃等により発生された電子等を加速する加速管と、加速管により加速された電子が衝突する金属ターゲットとが搭載される。金属ターゲットに電子が衝突することにより、放射線を発生する。照射ヘッドは、治療計画装置6により同定された治療計画に含まれる照射条件に従い放射線を照射する。なお、ガントリには照射ヘッドの他、kV級のX線管及びX線検出器を含むX線撮影装置が、照射ヘッドと同心円状に設けられてもよい。
次に図2を参照しながら、形状測定ガイド装置3の構成について説明する。図2に示すように、形状測定ガイド装置3は、処理回路31、記憶回路32、表示機器33、入力インタフェース34及び通信インタフェース35を有する。処理回路31、記憶回路32、表示機器33、入力インタフェース34及び通信インタフェース35は、互いにバスを介して通信可能に接続されている。
処理回路31は、ハードウェア資源として、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサを有する。処理回路31は、形状測定のガイドに関するプログラム(以下、形状測定ガイドプログラムと呼ぶ)を実行し、機器情報取得機能311、測定条件決定機能312、ガイド視覚情報生成機能313及び表示制御機能314のうちの少なくとも一の機能を実現する。
機器情報取得機能311において処理回路31は、形状測定ガイド装置3の外部装置の情報を取得する。形状測定ガイド装置3の外部装置の情報は、具体的には、放射線治療装置7の位置情報及び角度情報と、形状測定器2の仕様情報とを含む。
測定条件決定機能312において処理回路31は、形状測定器2の測定条件を決定する。測定条件は、少なくとも測定位置及び測定角度を含む。測定位置は、測定対象を光学スキャンするために形状測定器2が配置すべき3次元的な位置である。典型的には、測定位置は連続的又は離散的な複数の位置に設定される。測定角度は、測定位置各々における形状測定器2の3次元的な角度である。
ガイド視覚情報生成機能313において処理回路31は、測定条件決定機能312により決定された測定位置及び測定角度に応じた、形状測定器2の操作者をガイドするための視覚情報(以下、ガイド視覚情報と呼ぶ)を生成する。処理回路31は、ガイド視覚情報として、測定位置及び前記測定角度をグラフィカルに表現する表示画面を生成する。
表示制御機能314において処理回路31は、ガイド視覚情報生成機能313により生成されたガイド視覚情報等の種々の情報を表示機器33に表示する。
記憶回路32は、種々の情報を記憶するRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、集積回路記憶装置等の記憶装置である。例えば、記憶回路32は、形状測定ガイドプログラム等を記憶する。ハードウェアとして記憶回路32は、CD-ROMドライブやDVDドライブ、フラッシュメモリ等の可搬性記録媒体との間で種々の情報を読み書きする駆動装置等であってもよい。
表示機器33は、種々の情報を表示する。表示機器33は、例えば、CRTディスプレイや液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ、又は当技術分野で知られている他の任意のディスプレイが適宜利用可能である。また、表示機器33は、プロジェクタでもよい。
入力インタフェース34は、入力機器を介して受け付けたユーザからの各種指令を入力する。入力機器としては、キーボードやマウス、各種スイッチ等が利用可能である。入力インタフェース34は、入力機器からの出力信号を、バスを介して処理回路51に供給する。
通信インタフェース35は、図示しない有線又は無線を介して、形状測定器2や干渉判定装置4、治療計画画像撮影装置5、治療計画装置6及び放射線治療装置7等との間でデータ通信を行う。
以下、形状測定ガイド装置3による形状測定器2のガイドについて、図3を参照しながら説明する。形状測定器2による形状測定は、干渉判定装置4による干渉チェックの実行前に行われる。干渉チェックは、治療計画装置6による治療計画前に行われてもよし、放射線治療装置7による放射線治療前に行われてもよい。以下の説明において形状測定は、放射線治療前に行われるものとする。この場合、患者は、放射線治療装置7の治療用寝台に載置され、この状態において形状測定器2により形状測定が行われる。
図3に示すように、形状測定ガイド装置3の処理回路31は、機器情報取得機能311の実現により、外部装置の位置情報及び角度情報を取得し、また、形状測定器2の仕様情報を取得する(ステップSA1)。外部装置としては、治療室に設置された放射線治療装置7の治療用寝台と治療用架台とが想定される。治療用寝台の位置情報及び角度情報は、具体的には、天板のX軸位置、Y軸位置、Z軸位置、ピッチ角、ヨー角及びロール角に規定される。治療用架台の位置情報及び角度情報は、照射ヘッドのX軸位置、Y軸位置、Z軸位置及び回転軸回りの角度(以下、回転角度と呼ぶ)に規定される。治療用寝台の位置情報及び角度情報と、治療用架台の位置情報及び角度情報とは、それぞれ位置センサや角度センサにより検知され、通信インタフェース35を介して当該センサから処理回路31に供給される。
形状測定器2の仕様情報は、予め記憶回路32に記憶されている。仕様情報としては、例えば、測定方法や測定範囲、被写界深度、測定速度が挙げられる。測定方法としては、例えば、以下の3種類がある。第1の種類は、レーザー光を測定対象に照射し、その反射時間を計測して距離を演算する。第2の種類は、赤外線や白色光のパターン模様を測定対象に照射し、そのパターン模様の変化を光学カメラにより撮影し、撮影画像に画像処理を施して測定対象の凹凸を演算する。第3の種類は、2つの光学カメラから同時に測定対象を撮影し、その2つの光学カメラの視差を利用して撮影画像から測定対象の凹凸を演算する。測定範囲は、形状測定器2の位置を固定した状態において形状測定可能な範囲に規定される。被写界深度は、形状測定可能な、形状測定器2からの最大距離に規定される。測定速度は、単位時間あたりのサンプリング数に規定される。ステップSA1において処理回路31は、記憶回路32に記憶されている仕様情報の中から、使用予定の形状測定器2の仕様情報を読み出すことにより取得する。
ステップSA1が行われると処理回路31は、測定条件決定機能312の実現により、形状測定器2のスキャンエリアを決定する(ステップSA2)。ステップSA2が行われると処理回路31は、測定条件決定機能312の実現により、形状測定器2の測定位置及び測定角度を決定する(ステップSA3)。
以下、ステップSA2及びSA3において行われる、測定条件決定機能312によるスキャンエリア、測定位置及び測定角度の決定処理について説明する。形状測定器2により、治療用寝台に載置された患者の全身が光学的にスキャンされる。スキャンエリアは、測定対象の全域を形状測定するために形状測定器2が移動すべき3次元的な空間範囲である。スキャンエリアが比較的広いため、一般的には、患者の体表をなぞるように形状測定器2を動かすことによりスキャンが行われる。測定位置は、スキャンエリアのうちの形状測定器2がスキャンするときに占める3次元的な空間座標である。測定角度は、測定位置において形状測定器2がスキャンするときの3次元的な角度である。より詳細には、測定角度は、形状測定器2が照射する光線の照射面に対する当該光線の中心軸の角度に規定される。あるいは、測定角度は、3次元空間の任意の水平軸又は鉛直軸に対する、形状測定器2が照射する光線の中心軸の角度に規定されてもよい。処理回路31は、少なくとも外部装置の位置及び形状に基づいてスキャンエリアを決定し、決定されたスキャンエリアと形状測定器2の仕様情報とに基づいて、当該スキャンエリアにおける測定位置及び測定角度を決定する。具体的には、処理回路31は、スキャンエリア、測定位置及び測定角度を、グラフィックモデルを使用したシミュレーションにより決定する。
図4は、スキャンエリア、測定位置及び測定角度の決定処理を模式的に示す図である。図4に示すように、処理回路31は、3次元画像空間内に、治療用架台を模したグラフィックモデル(以下、架台モデルと呼ぶ)81,82、治療用寝台を模したグラフィックモデル(以下、寝台モデルと呼ぶ)83,84、標準的な体格を有する患者を模したグラフィックモデル(以下、標準患者モデル)を、実際の位置関係に従い配置する。
架台モデル81,82は、壁面に備えつけられる支持台を模したグラフィックモデル(以下、支持台モデルと呼ぶ)81と、ベースに回転可能に設けられた照射ヘッドを模したグラフィックモデル(以下、照射ヘッド・モデルと呼ぶ)82とに分類される。支持台モデル81及び照射ヘッド・モデル82は、それぞれ実際の支持台及び照射ヘッドと同一の形状に設計される。照射ヘッド・モデル82は、ステップSA1において取得された治療用架台の位置情報及び角度情報に従う位置及び角度に配置される。
寝台モデル83,84は、床面に設置された基台を模したグラフィックモデル(以下、基台モデルと呼ぶ)83と基台に移動自在に設けられた天板を模したグラフィックモデル(以下、天板モデルと呼ぶ)84とに分類される。基台モデル83及び天板モデル84は、それぞれ実際の基台及び天板と同一の形状に設計される。基台モデル83と天板モデル84とは、ステップSA1において取得された治療用寝台の位置情報及び角度情報に従い位置及び角度に配置される。天板モデル84には、実際の状況に合わせ、患者の体位を保持するためのアクセサリを模したグラフィックモデル(以下、アクセサリ・モデルと呼ぶ)とが配置される場合もある。
なお、画像処理空間における座標系は現実の座標系と同様、照射ヘッド・モデル82の回転軸に平行にZ軸が設定され、Z軸に水平に直交する軸がX軸に設定され、Z軸に鉛直に直交する軸がY軸に設定される。
図4に示すように、処理回路31は、スキャンエリアRS1を決定する。例えば、処理回路31は、患者モデル85の存在範囲を認識し、当該存在範囲の周囲の3次元空間をスキャンエリアRS1に決定する。
スキャンエリアRS1が決定されると処理回路31は、スキャンエリアRS1内に限定して、形状測定器2の測定位置及び測定角度を決定する。具体的には、処理回路31は、形状測定器を模したグラフィックモデル(以下、形状測定器モデルと呼ぶ)87を、スキャンエリアRS1に配置することにより、測定位置及び測定角度を決定する。処理回路31は、ステップSA1において取得された仕様情報に従い、患者モデル85をスキャンするために形状測定器がとるべき位置及び角度を決定する。決定された位置及び角度は、測定位置及び測定角度に設定される。
この際、処理回路31は、測定開始位置から測定終了位置に至るまでの形状測定器の軌道O1を決定してもよい。例えば、形状測定器2がスキャンタイプである場合、少なくとも開始測定位置@psと終了測定位置@peと軌道O1とが決定され、軌道O1に沿って開始測定位置@psから終了測定位置@peを結ぶ線上に中間測定位置@pmが設定される。中間測定位置@pmは任意の間隔で離散的に設定されればよい。
形状測定器2がワンショットタイプである場合、少なくとも開始測定位置@psと終了測定位置@peとが決定され、開始測定位置@psから終了測定位置@peを結ぶ線又は領域上に中間測定位置@pmが設定される。中間測定位置@pmは撮影視野に応じた間隔で離散的に設定されればよい。
図5に示すように、測定角度を明示するため形状測定器モデル88として測定角度を示す矢印のグラフィックモデルが使用されてもよい。例えば、スキャンエリアRS2において、形状測定器2の仕様情報に基づいて少なくとも開始測定位置@psと終了測定位置@peと軌道O2とが決定され、軌道O2に沿う開始測定位置@psと終了測定位置@peとの間に複数の中間測定位置@pmが設定される。矢印のグラフィックモデルを使用することにより、測定角度をより明確に空間的に把握することが可能になる。
測定位置及び測定角度は、形状測定器2の仕様情報に基づいて、測定対象の全身を短時間で効率良くスキャン可能に決定される。効率の良いスキャンとは、形状測定器2の測定対象Pからの距離が適切で、形状測定器2の移動距離が短く、且つ必要な領域だけを重複なく隙間なくスキャンすることを意味する。例えば、図6及び図7に示すように、形状測定器2の測定位置が測定対象Pに近すぎると、測定範囲が狭くなり、測定時間が長くなる。形状測定器2の測定位置が測定対象Pから遠すぎると、被写界深度から外れ計測不能になる、あるいは、測定精度が低下してしまう。また、図8の(1)に示すように、形状測定器2の測定角度が測定対象Pに適切に向いていない場合、測定対象Pではない領域をスキャンすることになり、測定時間が長くなったり、データ量が多くなったりしてしまう。図8の(2)に示すように、同一の領域を2回以上スキャンした場合、冗長データが増加し、測定時間が長くなってしまう。図8の(3)に示すように、測定範囲間に隙間が生じる等の原因により未スキャン部分を残したまま形状測定が終了した場合、形状測定器2の出力であるスキャンデータに基づいて患者モデルを生成することができなくなってしまう。
ステップSA3が行われると処理回路31は、ガイド視覚情報生成機能313の実現により、障害物の有無を判定する(ステップSA4)。ステップSA4において障害物が無いと判定された場合(ステップSA4:NO)、処理回路31は、ガイド視覚情報生成機能313の実現により、退避対象と退避位置とを決定する(ステップSA5)。ステップSA5が行われると処理回路31は、表示制御機能314の実現により、退避対象と退避位置とを表示機器33に表示する(ステップSA6)。
以下、ステップSA4、SA5及びSA6において行われる障害物の有無の判定、退避対象及び退避位置の決定及び表示について説明する。
図9は、退避対象と退避位置との表示画面I1の一例を示す図である。図9に示すように、表示画面I1には、支持台モデル81、照射ヘッド・モデル82、基台モデル83、天板モデル84、標準患者モデル85及び形状測定器モデル87が表示される。表示画面I1には表示欄IR1が設けられる。表示欄IR1にはシミュレーション画像が表示される。シミュレーション画像は、支持台モデル81、照射ヘッド・モデル82、基台モデル83、天板モデル84、標準患者モデル85及び形状測定器モデル87が配置された画像処理空間にボリュームレンダリング処理等を施すことにより、処理回路31により生成される。表示画面I1の視点位置及び視線方向は、自動的に設定可能又は入力インタフェース34を介して任意に指定可能である。例えば、形状測定器モデル87と障害物との重なりが観察し易い視点位置及び視線方向や、形状測定器モデル87と標準患者モデル85との空間を観察し易い視点位置及び視線方向に設定されるとよい。
ステップSA4において処理回路31は、ステップSA3において複数の測定位置及び測定角度が決定されると、決定された軌道に沿って複数の測定位置及び測定角度に順番に形状測定器モデル87を移動する。複数の測定位置及び測定角度各々について、処理回路31は、各測定位置及び測定角度に配置された形状測定器モデル87が、支持台モデル81、照射ヘッド・モデル82、基台モデル83、天板モデル84及び標準患者モデル85の何れかのモデルに重なるか否かを判定する。重なると判定された場合、処理回路31は、障害物があると判定する。
障害物がある場合、処理回路31は、退避対象を特定する。例えば、図9に示すように、形状測定器モデル87に照射ヘッド・モデル82が重なっている場合、照射ヘッド・モデル82が退避対象に設定される。次に処理回路31は、照射ヘッド・モデル82又は支持台モデル81の機構情報に従い照射ヘッド・モデル82の移動方向及び稼働範囲を特定し、稼働範囲内で移動方向に沿って照射ヘッド・モデル82を動かし、形状測定器モデル87に干渉しない照射ヘッド・モデル82の位置を退避位置として特定する。そして退避対象と退避位置とが表示画面I1の表示欄IR2に表示される。例えば、ガントリ角度が0度の位置にあり、患者の顔を上面からスキャンする場合、「ガントリと形状測定器とが干渉しています。ガントリを90°まで回転してください。」等の退避対象と退避位置とを示すメッセージが表示される。
次に、ステップSA4、SA5及びSA6において行われる障害物の有無の判定、退避対象及び退避位置の決定及び表示の他の例について説明する。X線撮影装置のX線検出器の角度が45度付近にあり、患者の顔を斜め方向からスキャンする例について説明する。
図10は、退避対象と退避位置との他の表示画面I2の一例を示す図である。図10に示すように、表示画面I2には、シミュレーション画像の表示欄IR3と、退避対象及び退避位置に関するメッセージの表示欄IR4とが含まれる。シミュレーション画像には、支持台モデル81、支持台に備えつけられたX線撮影装置を模擬するグラフィックモデル(以下、X線撮影装置モデルと呼ぶ)91,92、基台モデル83、天板モデル84、標準患者モデル85及び形状測定器モデル87が表示される。X線撮影装置モデル91,92は、支持台に回転軸を挟んで互いに対向関係にある位置に配置されたX線管を模擬するグラフィックモデル(以下、X線管モデルと呼ぶ)91と、X線検出器を模擬するグラフィックモデル(以下、X線検出器モデルと呼ぶ)92とに分類される。X線管モデル91及びX線検出器モデル92は、それぞれ実際のX線管及びX線検出器と同一の形状に設計される。シミュレーション画像は、X線管モデル91、X線検出器モデル92、基台モデル83、天板モデル84、標準患者モデル85及び形状測定器モデル87が配置された画像処理空間にボリュームレンダリング処理等を施すことにより、処理回路31により生成される。表示画面I2の視点位置及び視線方向は、自動的に設定可能又は入力インタフェース34を介して任意に指定可能である。
上記の配置の場合、形状測定器2と測定対象Pとの間にX線検出器が位置するときがある。この場合、形状測定器2から光線がX線検出器に遮られるため測定対象Pをスキャンすることができない。グラフィックモデルを使用したシミュレーションにおいて処理回路31は、形状測定器モデル87そのものに他のモデルが重なる事だけでなく、形状測定器モデル87と標準患者モデル85との間に他のモデルが配置されているか否かを判定する。形状測定器モデル87と標準患者モデル85との間に他のモデルが配置されている場合、障害物があると判定する。図10の場合、形状測定器モデル87と標準患者モデル85との間にX線検出器モデル92が配置されているので、障害物があると判定される。
障害物がある場合、処理回路31は、退避対象を特定する。例えば、図10に示すように、形状測定器モデル87と標準患者モデル85との間にX線検出器モデル92が配置されている場合、X線検出器モデル92はZ軸方向に移動できないので、天板モデル84が退避対象に設定される。次に処理回路31は、基台モデル83又は天板モデル84の機構情報に従い天板モデル84の移動方向及び稼働範囲を特定し、稼働範囲内で移動方向に沿って天板モデル84を動かす。この際、天板モデル84の移動に追従して形状測定器モデル87も移動させる。そして処理回路31は、標準患者モデル85の斜め上方にX線検出器モデル92が配置されない天板モデル84の位置を退避位置として特定する。そして退避対象と退避位置とが表示画面I2の表示欄IR4に表示される。例えば、X線撮影装置のX線検出器の角度が45度付近にあり、患者の顔を斜め方向からスキャンする場合、「X線撮影装置と形状測定器とが干渉しています。寝台天板を20cmの位置に移動してください。」等の退避対象と退避位置とを示すメッセージが表示される。
退避対象と退避位置とを示すメッセージが表示されることによりユーザは、退避対象及び退避位置を容易に特定することができる。そしてユーザは、メッセージに従い退避操作を行うこととなる。
ステップSA6が行われた場合又はステップSA4において障害物があると判定されなかった場合(ステップSA4:NO)、処理回路31は、ガイド視覚情報生成機能313の実現により、スキャンエリア、測定位置及び測定角度に応じたガイド視覚情報を生成する(ステップSA7)。ステップSA7が行われると処理回路31は、表示制御機能314の実現により、ガイド視覚情報を表示機器33に表示する(ステップSA8)。ステップSA7において処理回路31は、ガイド視覚情報としてガイド画面を表示し、ガイド画面を表示機器33に表示する。
図11は、ステップSA8において表示されるガイド画面I3の一例を示す図である。図11に示すように、ガイド画面I3には、ガイド画像の表示欄IR5と進捗状況の表示欄IR6とが表示される。ガイド画像は、ステップSA2において決定されたスキャンエリアとステップSA3において決定された測定位置及び測定角度とをグラフィカルに表現する。例えば、ガイド画像として、支持台モデル81、照射ヘッド・モデル82、基台モデル83、天板モデル84、標準患者モデル85及び形状測定器モデル87が配置された画像処理空間にボリュームレンダリング処理等を施すことにより、処理回路31により生成されたシミュレーション画像が生成及び表示される。シミュレーション画像の視点位置及び視線方向は、入力インタフェース34を介して任意に設定可能である。例えば、図11に示すように、標準患者モデル85を上方から見下ろす視点位置及び視線方向に設定される。シミュレーション画像に重畳して、スキャンエリアRS3と測定位置を示す軌道O3とが表示される。この視点位置及び視線方向によれば、XY平面における軌道O3を明瞭に把握することができる。
なお、測定角度を観察したい場合、処理回路31は、標準患者モデル85等を側方から眺めた視点位置及び視線方向のガイド画像を生成し、表示機器33に表示するとよい。このようにスキャンエリアRS3、軌道O3、測定位置及び測定角度の少なくとも一方を表示することにより、ユーザは、実空間における形状測定器2の操作の仕方を容易に把握することができる。
図11に示すように、表示欄IR6には形状測定器2によるスキャンの進捗状況が表示される。進捗状況に関する情報は、処理回路31のガイド視覚情報生成機能313により推定される。進捗状況に関する情報としては、スキャン済のスキャンエリア(以下、既スキャンエリアと呼ぶ)の百分率、スキャンの推定残り時間、進捗度合いをグラフィカルに示す進捗バーにより表される。
既スキャンエリアの百分率は、スキャンエリアの全体の体積又は面積に占める、既スキャンエリアの体積又は面積に基づいて算出される。既スキャンエリアの体積又は面積は、スキャンエリアにおける形状測定器2の現在位置に基づいて算出されればよい。形状測定器2の現在位置は、形状測定器2に設けられた位置センサにより検出可能である。ステップSA8の時点においてはスキャンが開始されていないので、既スキャンエリアの百分率は「100%」である。なお、スキャンエリアの全体の体積又は面積に占める、既スキャンエリアの体積又は面積に基づく割合を示す数値であれば、百分率に限定されない。
スキャンの推定残り時間は、未スキャンエリアの体積又は面積と、形状測定器2の移動速度とに基づいて算出される。未スキャンエリアの体積又は面積は、スキャンエリアから既スキャンエリアを減算することにより算出可能である。例えば、推定残り時間として、「300秒」等が表示される。
進捗バーは、例えば、既スキャンエリアの百分率や推定残り時間をグラフィカルに示す。ステップSA8の時点においてはスキャンが開始されていないので、進捗バーは、一切スキャンが行われていない状態を示している。
ステップSA8が行われると処理回路31は、形状測定器2により形状測定が開始されることを待機する(ステップSA9)。ユーザは、ステップSA8において表示されたガイド画面を観察し、形状測定器2の測定位置及び測定角度を把握したうえで、形状測定を開始する。形状測定を開始する際、ユーザは、形状測定器2等に設けられた開始ボタンを押下する。開始ボタンの押下に伴う信号(以下、開始信号と呼ぶ)は、通信インタフェース35を介して形状測定ガイド装置3の処理回路31に供給される。処理回路31は、開始信号の供給を受けたことを契機として、形状測定が開始されたと認識する。
形状測定が開始されると(ステップSA9:YES)、処理回路31は、ガイド視覚情報生成機能313の実現により、形状測定器2の位置情報及び角度情報に応じてガイド視覚情報を更新する(ステップSA10)。ステップSA10において処理回路31は、形状測定器2の位置情報及び角度情報に従い既スキャンの測定位置及び測定角度と、未スキャンの測定位置及び測定角度とを特定する。そして処理回路31は、既スキャンの測定位置及び測定角度と、未スキャンの測定位置及び測定角度とを視覚的に区別して表示する。
図12は、スキャン途中のガイド画面I4の一例を示す図である。図12に示すように、ガイド画面I4には、ガイド画像の表示欄IR7と進捗情報の表示欄IR8とが設けられている。表示欄IR7には軌道O41,O42が標準患者モデル85に重ねて表示されている。軌道O41は既スキャンの軌道又は測定位置を示し,軌道O42は未スキャンの軌道又は測定位置を示す。処理回路31は、機器情報取得機能311により、形状測定器2から位置情報をリアルタイムで取得し、位置情報に基づいて、ステップSA3において特定された未スキャンの軌道又は測定位置のうちの通過済の軌道又は測定位置を特定する。そして処理回路31は、通過済の軌道又は測定位置を既スキャンの軌道又は測定位置O41に設定し、それ以外の軌道又は測定位置を未スキャンの軌道又は測定位置O42に設定する。既スキャンの軌道又は測定位置O41と未スキャンの軌道又は測定位置O42とは、互いに異なる色や線種等で表示されるとよい。また、処理回路31は、形状測定器2からの位置情報に応じて進捗状況の情報を更新し、更新後の進捗状況の情報を表示欄IR8に表示する。これによりユーザは、進捗状況を数値等で分かり易く把握することができる。
なお、形状測定器2による形状測定中、処理回路31は、機器情報取得機能311により、治療用架台及び治療用寝台等の外部装置の位置情報及び角度情報をリアルタイムで受信する。処理回路31は、位置情報及び角度情報に従い、対応するグラフィックモデルをガイド画面I4において動かす。これによりユーザは、現実の最新の配置のもとで形状測定の進行を把握することができる。
図13は、スキャン途中の他のガイド画面I5の一例を示す図である。図13に示すように、ガイド画面I5には、ガイド画像の表示欄IR9と進捗情報の表示欄IR10とが設けられている。IR9に示すように、形状測定器モデルとして矢印のグラフィックモデル88が表示される。この場合、ガイド画像の視線位置及び視線方向は、測定角度を視認容易にするため、標準患者モデル85を側方から眺めるための視線位置及び視線方向に設定されるとよい。視線位置及び視線方向は、入力インタフェース34等を介したユーザの指示等に従い任意に変更可能である。図13においても、既スキャンの軌道又は測定位置O51と未スキャンの軌道又は測定位置O52とが、互いに異なる色や線種等で表示される。
また、処理回路31は、形状測定器2から位置情報と共に角度情報をリアルタイムで取得する。処理回路31は、測定位置毎に測定角度と取得された角度情報が示す形状測定器2の角度とを比較し、形状測定器2が実際に測定角度を向いていたか否かを判定する。向いていた場合、当該測定位置の測定角度が既スキャンの測定角度に設定され、向いていない場合、当該測定位置の測定角度が未スキャンの測定角度に設定される。既スキャンの測定角度と未スキャンの測定角度とは、互いに異なる色や線種等で表示されるとよい。例えば、図13に示すように、既スキャンの測定角度を示す測定位置@ps及び@pm2の矢印88@ps及び88@pm2と、未スキャンの測定角度を示す測定位置@pm1、@pm3及び@peの矢印88@pm1、88@pm3及び88@peとが視覚的に区別して表示される。
このように既スキャンの測定位置及び測定角度と未スキャンの測定位置及び測定角度とが表示されることによりユーザは、スキャンが正確又は不正確に行われていることを知ることができる。また、ユーザは、スキャンし損ねた測定位置及び測定角度を知ることができるので、全範囲スキャンの終了前に当該位置及び角度に限定して再スキャンを行うこともできるし、早い段階で全スキャンのやり直し等を行うこともできる。
以上により、形状測定ガイド装置3による形状測定器2のガイドの処理が終了する。
なお、上記の図3に示す処理の流れは一例であり種々の変形が可能である。例えば、スキャンエリアに依らずに測定位置及び測定角度を決定することができるのであれば、ステップSA2は省略可能である。
また、処理回路31は、形状測定器2からのスキャンデータに基づいてステップSA10において測定対象Pが動いたか否かを判定しても良い。スキャンデータは、例えば、形状測定器2から照射された光線が反射された位置の3次元空間座標をサンプリング点毎に示すデータである。例えば、処理回路31は、隣り合う2つの測定範囲のスキャンデータを3次元画像空間に配置し、隣り合う2つの測定範囲のスキャンデータが空間的に連続するか否かを判定する。より詳細には、2つの測定範囲のスキャンデータのずれ量を計算し、ずれ量が閾値に比して小さい場合、連続する、すなわち、測定対象Pが動いていないと判定し、ずれ量が閾値に比して大きい場合、連続しない、すなわち、測定対象Pが動いたと判定する。測定対象Pが動いたと判定された場合、処理回路31は、表示機器33にその旨を表示する。測定対象Pが動いたと判定した場合、処理回路31は、再スキャンが必要な測定位置及び測定角度を、図12又は図13に示すガイド画面I4又はI5に表示するとよい。
ステップSA10において処理回路31は、寝台の天板71等に設けられた目印を利用して形状測定器2の実際の測定位置及び測定角度が正しい位置及び角度にあるか否かを判定してもよい。例えば、図14に示すように、天板71には特定の形状及び大きさを有する複数の目印73が設けられる。目印73は、天板71に患者Pが載置されているときにも形状測定器2によりスキャン可能な位置に設けられる。例えば、目印73は、天板71の患者Pの載置面の四隅に設けられる。目印73は、天板71に貼付されるマークでもよいし、天板71に形成される凸部や凹部を含む立体形状でもよい。
形状測定器2による測定対象Pのスキャン中、目印73についてもスキャンされる。ガイド視覚情報生成機能313の実現により、処理回路31は、形状測定器2によるスキャンデータに含まれる目印73に対応するデータが表す形状及び大きさに基づいて、形状測定器2の実際の測定位置及び測定角度が正しいか否かを判定し、判定結果をガイド視覚情報として生成する。すなわち、目印73は、目印73をスキャンしている際の形状測定器2の測定位置及び測定角度に応じて、スキャンデータに含まれる目印73のデータが表す形状が変化するような形状を有している。このような形状としては、例えば、図14に示すように、ひし形が採用されるとよい。以下の説明において目印73の形状はひし形であるとする。
図15に示すように、例えば、目印73のひし形の基準線の角度θAが、形状測定器2の走査角θBに略一致する場合、図16に示すように、スキャンデータに含まれる目印73のデータが表す形状は、矩形になる。処理回路31は、スキャンデータに含まれる目印73のデータが表す形状が矩形である場合、測定角度が正しいと判定する。一方、目印73のひし形の基準線の角度θAが、形状測定器2の走査角θBに略一致しない場合、図17に示すように、スキャンデータに含まれる目印73のデータが表す形状は、ひし形になる。処理回路31は、スキャンデータに含まれる目印73のデータが表す形状がひし形である場合、測定角度が正しくないと判定する。なお、走査角θBは、目印73の外枠と測定位置P2とが成す角度に規定される。
形状測定器2によるスキャンデータに含まれる目印73に対応するデータが表す大きさは、目印73と形状測定器2の測定位置P2との間の距離に応じて変化する。処理回路31は、形状測定器2によるスキャンデータに含まれる目印73に対応するデータが表す大きさを計測し、計測された大きさを閾値範囲に対して比較する。計測された大きさが閾値範囲に収まる場合、処理回路31は、測定位置が正しいと判定する。一方、計測された大きさが閾値範囲に収まらない場合、処理回路31は、測定位置が正しくないと判定する。閾値範囲は、任意の値に設定可能である。
上記の測定位置及び測定角度の判定は、スキャンデータが形状測定器2から取得する毎に行われてもよいし、5秒おき等の所定時間毎に行われてもよい。なお、スキャンデータに目印73に対応するデータが含まれない場合、判定は行われない。また、スキャンデータに複数の目印73に対応するデータが含まれる場合、一の目印73に対応するデータを抽出し、一の目印73に対応するデータを利用して上記の判定を行ってもよいし、複数の目印73に対応するデータを抽出し、複数の目印73に対応するデータを利用して上記の判定を行ってもよい。
測定位置及び測定角度の判定後、処理回路31は、判定結果に応じたメッセージをガイド視覚情報として生成する。例えば、測定角度が正しいと判定された場合、「形状測定器2の角度は適切です」等のメッセージが生成され、表示機器33により表示される。測定角度が正しくないと判定された場合、「形状測定器2の角度は不適切です」等のメッセージが生成され、表示機器33により表示される。測定位置が正しいと判定された場合、「形状測定器2の位置は適切です」等のメッセージが生成され、表示機器33により表示される。測定位置が正しくないと判定された場合、「形状測定器2の位置は不適切です」等のメッセージが生成され、表示機器33により表示される。
このように測定位置及び測定角度の判定及び表示を行うことにより、ユーザは、正しくスキャンが行われているか否かをスキャン中に知ることができ、必要であれば、測定位置や測定角度を修正することができる。なお、上記のメッセージに対応する音声がスピーカ等から出力されてもよい。
次に、放射線治療システム1に含まれる干渉判定装置4について説明する。
図18に示すように、干渉判定装置4は、処理回路41、記憶回路42、表示機器43、入力インタフェース44及び通信インタフェース45を有する。処理回路41、記憶回路42、表示機器43、入力インタフェース44及び通信インタフェース45は、互いにバスを介して通信可能に接続されている。
処理回路41は、ハードウェア資源として、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサを有する。処理回路41は、干渉チェックに関するプログラム(以下、干渉チェックプログラムと呼ぶ)を実行し、スキャンデータ取得機能411、患者モデル構築機能412、干渉チェック機能413及び表示制御機能414のうちの少なくとも一の機能を実現する。
スキャンデータ取得機能411において処理回路41は、形状測定器2により出力されるスキャンデータを取得する。処理回路41は、形状測定器2から直接的にスキャンデータを取得してもよいし、形状測定ガイド装置3を経由してスキャンデータを取得してもよい。
患者モデル構築機能412において処理回路41は、スキャンデータに基づいて、形状測定器2による測定対象に関するグラフィックモデル(以下、詳細患者モデルと呼ぶ)を構築する。詳細患者モデルは、形状測定器2により取得されたスキャンデータに基づいて構築されるので、測定対象の外形を詳細に表現している。
干渉チェック機能413において処理回路41は、患者モデル構築機能412により構築された詳細患者モデルを利用して放射線治療に関する干渉チェックを実行する。例えば、処理回路41は、詳細患者モデルと治療計画とに基づいて干渉チェックを実行する。干渉チェックにより処理回路41は、患者、治療用架台及び治療用寝台間の干渉の有無や危険度等を判定する。
表示制御機能414において処理回路41は、干渉チェック機能413による干渉チェックの表示画面(以下、干渉チェック画面と呼ぶ)等の種々の情報を表示機器43に表示する。
記憶回路42は、種々の情報を記憶するRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、集積回路記憶装置等の記憶装置である。例えば、記憶回路42は、干渉チェックプログラム等を記憶する。ハードウェアとして記憶回路42は、CD-ROMドライブやDVDドライブ、フラッシュメモリ等の可搬性記録媒体との間で種々の情報を読み書きする駆動装置等であってもよい。
表示機器43は、種々の情報を表示する。表示機器43は、例えば、CRTディスプレイや液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ、又は当技術分野で知られている他の任意のディスプレイが適宜利用可能である。また、表示機器43は、プロジェクタでもよい。
入力インタフェース44は、入力機器を介して受け付けたユーザからの各種指令を入力する。入力機器としては、キーボードやマウス、各種スイッチ等が利用可能である。入力インタフェース44は、入力機器からの出力信号を、バスを介して処理回路41に供給する。
通信インタフェース45は、図示しない有線又は無線を介して、形状測定器2や形状測定ガイド装置3、治療計画画像撮影装置5、治療計画装置6及び放射線治療装置7等との間でデータ通信を行う。例えば、通信インタフェース45は、形状測定器2からスキャンデータを、治療計画装置6から治療計画のデータを受信する。
次に、干渉判定装置4の処理回路41による干渉チェックプログラムに従う処理について説明する。
図19は、表示機器43に表示される、干渉チェック画面I7の一例を示す図である。干渉チェック機能413において処理回路41は、まず、干渉チェックツールの三次元画像処理空間に、支持台モデル81、照射ヘッド・モデル82、基台モデル83、天板モデル84、X線管モデル91、X線検出器モデル92及び詳細患者モデル93を配置する。支持台モデル81、照射ヘッド・モデル82、基台モデル83、天板モデル84、X線管モデル91、X線検出器モデル92及び詳細患者モデル93は、実際の治療室における治療用架台、治療用寝台及び患者の配置、換言すれば、治療計画を再現するように配置される。干渉チェックツールの三次元画像処理空間は、処理回路41によりレンダリング処理され、任意の視点に関する干渉ツール表示画像に変換される。表示制御機能414を実現することにより処理回路51は、表示機器43に、干渉チェック画面I7を表示する。
処理回路41は、支持台モデル81、照射ヘッド・モデル82、基台モデル83、天板モデル84、X線管モデル91、X線検出器モデル92及び詳細患者モデル93を、治療計画に従い放射線治療を再現するように移動させることにより干渉チェックを行う。上記の通り、詳細患者モデル93は、放射線治療対象である患者の外形を詳細に表現しているので、干渉チェックをより正確に行うことができる。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、形状測定器の操作を正確且つ簡便に行うことが可能になる。
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU、GPU、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC))、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。また、プログラムを実行するのではなく、論理回路の組合せにより当該プログラムに対応する機能を実現しても良い。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、図1、図2及び図18における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。