JP2014090896A - 粒子線治療用干渉チェック装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ギャップを許容値以下に抑えた好適な治療計画を短時間に作成できるようにする。
【解決手段】照射ノズルの立体形状モデルを初期位置に配置したところから干渉の有無のチェックを開始し、直前のチェックで干渉が無いと判定された場合はアイソセンタに近接する方向に、干渉が有ると判定された場合はアイソセンタから離反する方向に、照射ノズルの立体形状モデルの位置を設定された移動幅で移動させる、ことをギャップが許容値以下になるまで繰り返すとともに、干渉が有ると判定された後の近接する方向への移動に用いる移動幅を、直前の離反する方向の移動に用いた移動幅よりも小さい値に設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、がん治療等に用いられる粒子線治療システムにおいて、とくに照射ノズルと患者との干渉の有無を確認する粒子線治療用干渉チェック装置に関するものである。
粒子線は空気中では散乱する性質を有するため、粒子線治療においては正確に照射対象に線量を付与するために、照射ノズルと患者間のエアギャップを最小化するような治療条件を設定することが多い。その際、照射ノズル等の治療装置と患者間の物理的な干渉をチェックして、設定した条件通りに実際に治療が行えるか否かを確認する必要がある。そこで、患者の立体形状モデルと、治療装置の立体形状モデルを用いて干渉判定を行う干渉判定装置が提案されている(例えば、特許文献1または2参照。)
特開2011−110335号公報(段落0010〜0017、0026、図1〜図6) 特開2012−10759号公報(段落0029〜0034、図1、段落0039〜0051、図6)
しかしながら、粒子線治療での干渉判定では、その結果を治療計画と照合させるために、患者の立体形状モデルのデータとして、治療計画装置で使用するデータと互換性を有する数万〜数十万ポリゴン程度の高精度なデータを使用する必要がある。その上、正常細胞への線量付与を避けて癌細胞に集中的に線量付与する条件を得るには、例えば、照射角度および治療台回転角毎に判定を行う必要がある。例えば、治療時の角度精度を1度とすれば、照射角度、治療台回転角の組み合わせだけでも3万パターン以上の組み合わせがあり、その組み合わせ毎に照射ノズルと患者間のエアギャップを最小化する条件を導き出す必要がある。
そのため、単に、患者のモデルと装置のモデルとで干渉判定を行うといっても、長時間の計算を要し、上記文献に記載されているような動線データで干渉判定を行うとしても、時間がかかりすぎて、治療計画作業の遅延を招くことがあった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、治療計画に用いるデータと互換性を有する精度の患者立体形状モデルを用いて、エアギャップを許容値以下に抑えた好適な治療計画を短時間に作成できるようにする。
本発明の粒子線治療用干渉チェック装置は、粒子線を照射する照射ノズルと患者とのギャップを許容値以下にするために、前記照射ノズルと前記患者との干渉を、治療計画装置と連係してチェックする粒子線治療用干渉チェック装置であって、アイソセンタを含む前記患者に対して、前記治療計画装置で用いられる前記患者の形状データと互換可能な精度を有する患者立体形状モデルを生成する患者立体形状モデル生成部と、前記照射ノズルの立体形状モデルを含む粒子線治療に用いる機器の立体形状モデルを格納する機器立体形状モデル格納部と、前記患者立体形状モデルに対して前記照射ノズルの立体形状モデルを移動させ、位置決めした状態をシミュレーションして、前記患者および前記機器に対する前記照射ノズルの干渉の有無をチェックする干渉チェックシミュレーション部と、前記シミュレーションにおける前記照射ノズルの立体形状モデルの初期位置と移動幅を設定するノズル条件設定部と、を備え、前記干渉チェックシミュレーション部は、前記照射ノズルの立体形状モデルを前記初期位置に配置したところから前記干渉の有無のチェックを開始し、直前のチェックで干渉が無いと判定された場合は前記アイソセンタに近接する方向に、干渉が有ると判定された場合は前記アイソセンタから離反する方向に、前記照射ノズルの立体形状モデルの位置を前記設定された移動幅で移動させる、ことを前記ギャップが前記許容値以下になるまで繰り返すとともに、前記ノズル条件設定部は、前記干渉が有ると判定された後の前記近接する方向への移動に用いる移動幅を、直前の離反する方向の移動に用いた移動幅よりも小さい値に設定することを特徴とする。
本発明の粒子線治療用干渉チェック装置によれば、干渉判定回数を軽減することにより、治療計画装置で使用するデータと互換性を有する精度の患者立体形状モデルを用いて、エアギャップを許容値以下にした好適な治療計画を短時間に作成できるようになる。
本発明の実施の形態1および以降の各実施の形態にかかる粒子線治療用干渉チェック装置の構成を説明するためのブロック図である。 本発明の実施の形態1にかかる粒子線治療用干渉チェック装置の動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施の形態1にかかる粒子線治療用干渉チェック装置の動作を説明するための、ユーザインタフェースF部における表示画面を示す図である。 本発明の実施の形態1にかかる粒子線治療用干渉チェック装置の動作を説明するための、干渉チェックシミュレーション時の患者およびノズルの位置設定概念を示す図である。 本発明の実施の形態1にかかる粒子線治療用干渉チェック装置の動作を説明するための、干渉チェックシミュレーション動作部分のフローチャートである。 本発明の実施の形態1の粒子線治療用干渉チェック装置の動作を説明するための、変形例に係る干渉チェック部分のフローチャートである。 本発明の実施の形態2にかかる粒子線治療用干渉チェック装置の動作を説明するための、過去およびそれ以降に実施する干渉チェックシミュレーション時の患者およびノズルの位置設定概念を示す図である。 本発明の実施の形態3にかかる粒子線治療用干渉チェック装置の動作を説明するための、干渉チェックシミュレーション時の患者およびノズルの位置設定概念を示す図である。 本発明の実施の形態4にかかる粒子線治療用干渉チェック装置の動作を説明するための、干渉チェックシミュレーション時の患者およびノズルの位置設定概念を示す図である。 本発明の実施の形態5にかかる粒子線治療用干渉チェック装置の動作を説明するための、干渉チェックシミュレーション時の患者およびノズルの位置設定概念を示す図である。
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1にかかる粒子線治療用干渉チェック装置の構成と動作について説明する。図1〜図5は、本発明の実施の形態1にかかる粒子線治療用干渉チェック装置の構成および動作について説明するためのもので、図1は粒子線治療用干渉チェック装置の構成を説明するためのブロック図、図2は粒子線治療用干渉チェック装置における動作を説明するための、治療計画装置による治療計画を含む全体動作のフローチャート、図3は粒子線治療用干渉チェック装置を動作させているときのユーザインタフェース部における表示画面を示す図、図4は干渉チェック時のシミュレーションにおける患者立体形状モデル、ノズル立体形状モデル、および治療台の位置設定概念を示す図、図5は図2のフローチャートで示す一連の動作のうち、干渉チェックシミュレーション部分の動作を示すフローチャートである。また、図6は、変形例にかかる干渉チェックシミュレーション部分の動作を示すフローチャートである。なお、図1の粒子線治療用干渉チェック装置の構成を説明するためのブロック図は、以降の各実施の形態においても援用する。
本発明の実施の形態1にかかる粒子線治療用干渉チェック装置は、粒子線治療装置を構成する照射ノズル等の機器と患者との干渉をチェックするために、治療計画装置と連係して動作するためのものであり、基本的にはコンピュータ等のハードウェアにソフトウェアをインストールすることで機能する。そして、図1に示すように、ユーザとのインタフェースを行うためのユーザインタフェース部(図中「I/F」と表記)11と、ユーザインタフェース部11からの指令に基づいて、干渉チェックシミュレーションを行う干渉チェックシミュレーション部12と、干渉チェックシミュレーションに用いる照射ノズル32の位置や角度等のノズル条件(とくに、後述する照射ノズルの移動単位と初期位置)を設定するノズル条件設定部13と、機器立体形状モデルのデータを保持する機器立体形状モデルデータベース(図では、「3D」モデルと記載)14と、治療計画装置で用いる患者データと互換性を有する患者の体表面の立体形状データ(患者立体形状モデルデータ)を保持する患者立体形状モデルデータベース15と、患者立体形状モデルを得るために患者を撮影する機能、および撮影データに基づいて患者立体形状モデルのデータ生成を行う機能を有する患者立体形状モデル生成部17とを備えている。
機器立体形状モデルデータベース14には、治療室毎(一般的に、粒子線治療装置にはひとつの線源に対して、複数の治療室が設けられている。)に干渉チェックに必要な全ての治療装置の立体形状モデルが格納されている。患者立体形状モデルデータベース15には、患者立体形状モデル生成部17で得られたデータに基づき、治療計画に用いる患者データと互換性を有するデータレベルとして、数万〜数十万ポリゴンの精度で形成された患者立体形状モデルが格納されている。シミュレーションにおけるノズルの位置や角度等のノズル条件等のデータは、ノズル条件データベース16に格納されており、ノズル条件設定部13は、ノズル条件データベース16から読み込んだデータおよびシミュレーションの進行状況に応じてノズル条件を設定する。干渉チェックシミュレーション部12は、ノズル条件設定部13により設定されたノズル条件により、機器立体形状モデルデータベース14に格納された機器立体形状モデルと患者立体形状モデルデータベース15に格納された患者立体形状モデルを用いて、干渉チェックシミュレーションを実行する。
次に動作について説明する。
粒子線治療の治療計画作業を行う前に、治療計画に用いるCT画像を撮影する。このCT画像の撮影時に、図2に示すように、患者立体形状モデル作成フェーズPh1として、CT寝台の撮影範囲への移動・固定(ステップS110)、患者立体形状モデル生成部17による患者の体表面の撮影(ステップS120)、CT寝台移動量・患者方向取込(ステップS130)を経て、患者立体形状モデルを作成(スッテプS140)し、患者立体形状モデルデータベース15へ格納(ステップS150)する。
次に、治療計画装置による治療計画立案作業フェーズPh2として、治療計画を開始するために、治療計画装置2を起動(ステップS210)する。そして、アイソセンタ座標、患者方向等を算出し(ステップS220)、照射角度範囲、および治療台の回転角度範囲等の治療条件範囲を算出(ステップS230)する。
この際、患者の治療部位や過去の治療経緯等の事情から、治療計画パラメータである患者照射ノズルと患者間のエアギャップを最小にする治療条件を求める必要が発生した場合、干渉チェックシミュレーションフェーズPh3を実行するために、粒子線治療用干渉チェック装置1を起動する。干渉チェックシミュレーションフェーズPh3としては、Ph2で算出したアイソセンタ座標と患者方向の設定(ステップS310)に対して、設定された治療条件範囲すべてについて(ステップS340で「Y」になるまで)、個々に治療条件を設定(ステップS320)し、設定した治療条件範囲毎に、干渉チェックシミュレーション(S330)を実行する。以下、詳細に説明する。
この起動の際には、治療室、患者IDを指定することによって、治療室については機器立体形状モデルデータベース14から、指定された治療室に該当する全ての機器立体形状モデルを取り出し、干渉チェックシミュレーション空間へ配置する。同様に、患者立体形状モデルについても、患者立体形状モデルデータベース15より、指定された患者IDのモデルを取り出し、干渉チェックシミュレーション空間へ配置する。次に、ユーザインタフェース部11により、図3に示すような操作メニューを表示し、治療計画で作成されたデータを干渉チェック条件として入力できるようにする。入力する条件は、照射角度範囲、治療台の角度等、各立体形状モデルの位置(範囲)を指定する値である。
例えば、図3の表示画面では、左側に治療装置の状態を示すグラフィック表示Gを右側に操作メニューGを配置している。そして、グラフィック表示Gでは、照射角度を変更する為に360度回転することができる回転ガントリを示す表示G31、治療時に最下部より粒子線を出射する照射ノズル32を示す表示G32、治療時に患者がのる治療台天板33tを示す表示G33t、治療台天板33tを支える治療台下部33sを示す表示G33s、患者5の立体形状モデルを示すG5が表示されている。さらに、照射ノズル32と治療台33(照射ノズル32以外の治療に用いる機器)および患者5との最短距離(干渉の有無)を示す表示Gd、照射ノズル32の最下部中央から回転ガントリ31の中心(≒アイソセンタ)へ向かう直線上で、照射ノズル32の最下部中央と患者5の体表面の距離であるエアギャップを示す表示Gagを表示している。また、照射角度条件が複数ある場合は、照射ノズルを示す表示G32に角度設定の番号表示GNが添えられ、図では、1回目の照射角度設定がアクティブであることを示している。
操作メニューGでは、右欄GM2に干渉チェックシミュレーションの実行制御と、実行結果として最短距離とエアギャップを表示する。左欄GM1は、患者立体形状モデルの位置設定を行うための表示であり、治療計画装置2で算出したアイソセンタの座標と患者方向を入力することにより、患者立体形状モデルを治療計画装置2で計画した治療位置へ設定できるようになっている。
次に、操作メニューGを操作して、干渉チェックシミュレーションを開始する。粒子線治療用干渉チェック装置1の表示画面の3Dシミュレーション空間では入力した治療条件の各位置へ各立体形状モデルが移動し、その後、干渉判定対象である照射ノズル32が患者5へ向かって徐々に伸張する。その際、照射ノズル32と患者5および治療台33間の最短距離Gdと、エアギャップGagをリアルタイムで強調線表示する。
実際の計算処理としては照射ノズル32の移動(スライド)経路中の固定(位置決め)した座標点にて、干渉の有無の判定とエアギャップ計測を実施し、この処理を照射ノズルの移動範囲について繰り返し行う事で実現する。同時に、画面右側の操作メニューGM2上部には、エアギャップと最短距離が数値として表示される。
以下、干渉チェックシミュレーションにおける照射ノズル32のスライドイメージを表す図4と、フローチャート図5を用いて、干渉チェックシミュレーション動作の詳細について説明する。
図4は、回転ガントリの回転軸方向から見た場合の、患者や機器(照射ノズル)間の位置関係を示すものである。図中、患者立体形状モデル5Mは、腹部を治療部位とし、仰臥位で、両手を頭上に挙げた治療体位の患者5の形状を示し、治療患部を示すアイソセンタ5Mc、治療時に患者がのる治療台33、照射角度を変更する為に360度回転することができる回転ガントリ31、回転ガントリ31の回転に連動して照射角度が変わる照射ノズル32を配置している。図中、P32は照射ノズル32の位置を示し、P32A、P32B、P32Cは、それぞれ、照射角度が、300度、320度、45度に設定された場合を示す。一つの回転ガントリ31に設置される照射ノズル32は一つであるが、説明上、3つの角度の照射ノズル32を同時に記載している。なお、照射ノズル32の位置は、アイソセンタ5Mcからの距離D32で定義し、例えば、D32Cは、照射ノズル32が45度に設定された時の距離を示す。
ここでは、図2のステップS320で、照射角度が300度に設定された場合(図4中、P32A)のステップS330での動作について説明する。
はじめに、ノズル条件設定部13は、ノズル条件データベース16に格納された表1に示すような照射ノズル初期位置のデータから、治療部位が腹部で、治療体位が仰臥位で両手頭上時の、照射角度300度での照射ノズル初期位置として600mmを読み込み(ステップS410)、照射ノズル32の位置を初期値(600mm)に移動させる(ステップS420)。
なお、ノズル条件データベース16に格納されたデータは、経験則から導かれ、非干渉であり且つ治療計画パラメータの条件である「照射ノズルと患者間のエアギャップが最小」となる可能性が最も高い「照射ノズルの初期値」を、治療患部・治療体位の条件と、照射角度・治療台角度の組合せ条件毎に記憶されることが望ましい。しかし、後述するように、本実施の形態では、干渉判定の回数を従来より減少させるようにノズルスライド幅を変化させことができる。そのため、安全性を考慮して、想定されるよりも大きめの値を加算する(さらにアイソセンタから離す)ように設定してもよい。
Figure 2014090896
次に、この600mmの位置での干渉判定を行う(ステップS510)。そして、干渉していない場合(ステップS510で「N」)は、表2に示すノズルスライド種別のうち、「大」を選択し、「大」に相当するノズルスライド幅分(100mm)照射ノズル32だけ伸張させ(ステップS520)、その位置での干渉判定を行う(ステップS510)という処理を干渉が発生するまで繰り返す。
Figure 2014090896
干渉が発生した時点(ステップS510で「Y」)で、直前の伸張で用いたノズルスライド幅(種別:大、ノズルスライド幅:100mm)分だけ元に戻す(ステップS530)。そして、直前のノズルスライド幅より一段階小さいノズルスライド幅(種別:中、ノズルスライド幅:10mm)だけ伸張させ(ステップS540)、その位置での干渉判定を行う(ステップS550)という処理を干渉が発生するまで繰り返す。
干渉が発生した時点(ステップS550で「Y」)で、直前の伸張で用いたノズルスライド幅(種別:中、ノズルスライド幅:10mm)分だけ元に戻す(ステップS560)。そして、直前のノズルスライド幅より一段階小さいノズルスライド幅(種別:小、ノズルスライド幅:1mm)だけ伸張させ(ステップS570)、その位置での干渉判定を行う(ステップS580)という処理を干渉が発生するまで繰り返す。
干渉が発生した時点(ステップS580で「Y」)で、直前の伸張で用いたノズルスライド幅(種別:小、ノズルスライド幅:1mm)分だけ元に戻す(ステップS590)。このときの、ノズルスライド幅、エアギャップを基準値として保存(ステップS700)し、最終的に照射ノズル32と患者5(厳密には患者立体形状モデル5M)間のエアギャップを最小にする照射ノズル位置を求める。
そして、図2のステップS320で設定された、照射角度が照射角度が320度(図4中、P32B)と照射角度が45度の場合(図4中、P32C)についても同様のフローで、照射ノズルと患者間のエアギャップを最小にする照射ノズル位置を求める。
この後、上記干渉チェックシミュレーションによって求めた最適な治療条件から治療計画パラメータであるエアギャップを規定して治療計画を行う。このように、治療計画に用いるデータと互換性を有するデータを用いて、事前にシミュレーションにより、干渉しないことを確認できている。そのため、干渉発生する可能性を低減(事実上は皆無)し、且つ最初に制約条件として定義した「治療計画パラメータのエアギャップを許容値以下に抑える(可能な限り最小とする)。」という治療条件で治療計画を進める事が可能である。
本実施の形態では、干渉チェックシミュレーション(ステップS330)において、数種のノズルスライド幅のうち干渉と判定されるまでは、最大のスライド幅でスライドを行い、干渉があるごとに近接方向のスライド幅を減じていき、干渉判定する位置を定めるようにシミュレーションを進行させる。そのため、判定回数を減じて、高精度な干渉チェックシミュレーションを行うことができる。
一方、従来のように、ノズルスライド幅を干渉のたびに減少させていくという手法をとらずに、例えば、初期位置600mmから必要精度1mmで治療条件を得ようとすると、最大で、600回もの干渉判定が必要になる。このとき、患者立体形状モデルは、治療計画装置2で使用するデータと互換性を有する(少なくとも患者立体形状モデルの体表面のデータのうち、治療計画装置2で使用する患者のデータの体表面部分のデータとが一致する)程度の高精度のデータが要求される。そのため、患者立体形状モデルおよびそれと干渉判定を行う機器3Dデータも数万〜数十万ポリゴンで高精度に構成されている為、干渉判定処理は毎秒30回程度が限界となり、600回も干渉判定するとひとつの治療条件だけで20秒もの時間を要することになる。
そのため、実際の治療計画で必要とされる複数の治療条件に対して干渉チェックシミュレーションを行おうとすると、時間がかかりすぎて、実質上干渉シミュレーションを行うことができなくなる。一方、上記実施の形態1では、ひとつの治療条件に必要な判定数は30回以下に抑えられ、20分の1の時間でシミュレーションを行うことが可能となり、干渉の心配なくエアギャップを最少にできる治療条件での治療計画の策定が可能となる。なる。
なお、本実施の形態では、ノズルスライド幅の種別を3段階(表2:大、中、小)としているが、これは単に説明を簡単にするために例示したものであって、段階を適宜増減することは可能である。また、段階ごとのノズルスライド幅の値は、求められる干渉チェックの精度等に応じて調整可能であることは言うまでもない。また、段階が増える場合、各段階での処理方法は、図5の例えば、ステップS530〜ステップS560と同様のフローを追加するようにすればよい。
また、干渉が無く、かつエアギャップが小さいと見込める値をノズル初期位置として、設定すれば、さらに判定回数を減じることが可能になる。
変形例(ノズルスライド幅の別の設定例)
なお、上記実施の形態1では、干渉が生じた際にノズルスライド幅を減少させるように構成したが、上記実施の形態1の変形例として、干渉の有無にかかわらず、スライド毎に直前のスライド幅の半分の値にノズルスライド幅を設定するようにしてもよい。この場合も、ノズルスライドを干渉がなければ伸長させ、干渉すれば戻すようにすることは同じである。
つまり、本変形例においては、ノズルスライド幅の初期値をWs、スライド回数(または判定回数)をnとすると、スライドごとのノズルスライド幅Wsを式(1)のように表現することができる。
Ws=Ws0×(1/2)n−1 ・・・(1)
図6に示すフローチャートを用いて、本変形例にかかる係る粒子線治療用干渉チェック装置の干渉チェック部分の動作について説明する。
はじめに、ノズル条件設定部13は、ノズル条件データベース16に格納された照射ノズル初期位置およびノズルスライド幅の初期値を読み込み(ステップS450)、照射ノズル32の位置を初期値に移動させる(ステップS460)。
このとき、ノズルスライド幅の初期値として、基本的には、照射ノズル初期位置から照射ノズルを最大に伸長できる位置までの距離の半分、つまり、初期位置における照射ノズルの伸びしろの半分に設定される。例えば、伸びしろが800mmの場合のノズルスライド幅の初期値は400mmとなる。
ここで、干渉が発生(ステップS620で「Y」)すれば、設定されたスライド幅分、照射ノズルを縮小(ステップS630)し、ノズルスライド幅の設定値を半分にする(ステップS660)。一方、干渉が無い(ステップS620で「N」)場合、その時点のノズルスライド幅とエアギャップ(ノズル位置)を記憶(ステップS640)し、設定されたスライド幅分、照射ノズルを伸長(ステップS650)させる。そして、この場合でも、ノズルスライド幅の設定値を半分にする(ステップS660)。
つぎに、設定されたノズルスライド幅が必要とされる精度に応じた設定値以上の場合(ステップS670で「N」)、干渉判定(ステップS620)ステップに戻る。一方、設定されたノズルスライド幅が必要とされる精度に応じた設定値よりも小さい場合(ステップS670で「Y」)、必要とされるエアギャップ精度まで干渉判定を実行したことになるので、ステップS710に進み、直近に記憶された、つまり、干渉発生しなかった時点でのノズルスライド幅、エアギャップを最適値として保存する。
上記のように、設定されたノズルスライド幅が必要とされる精度に応じた設定値より小さくなるまで(ステップS670で「Y」)、干渉判定ごと(あるいはノズル移動ごと)にノズルスライド幅を半減していく(ステップS660)ことを繰り返すことで、最終的に照射ノズル32と患者5(厳密には患者立体形状モデル5M)間のエアギャップを最小にする照射ノズル位置を求める(ステップS710)ことができる。
このように、ノズルスライド幅を設定することにより、例えば、800mmの伸びしろに対して精度が1mmの場合でも、10回(210)以下の判定回数で照射ノズル位置を定めることが可能になる。なお、設定した初期位置やスライド幅では、干渉が発生しないと判定されることが一度も生じない場合もあり得る。しかし、その場合は、フローには記載していないが、例えば、ステップS450で読み込む初期位置およびスライド幅の少なくとも一方を調整すればよい。
以上のように、本実施の形態1にかかる粒子線治療用干渉チェック装置1によれば、粒子線を照射する照射ノズル32と患者5とのギャップ(エアギャップ)を許容値以下にするために、照射ノズル32と少なくとも患者5との干渉を、治療計画装置2と連係してチェックする粒子線治療用干渉チェック装置1であって、アイソセンタを含む患者に対して、治療計画装置2で用いられる患者5の形状データと互換可能な精度を有する患者立体形状モデルを生成する患者立体形状モデル生成部17と、照射ノズルの立体形状モデルを含む粒子線治療に用いる機器の立体形状モデルを格納する機器立体形状モデル格納部(機器立体形状モデルデータベース14)と、患者立体形状モデルに対して照射ノズルの立体形状モデルを移動させ、位置決めした状態をシミュレーションして、患者5および機器に対する照射ノズル32の干渉の有無をチェックする干渉チェックシミュレーション部12と、シミュレーションにおける照射ノズルの立体形状モデルの初期位置と移動幅(まとめてノズル条件)を設定するノズル条件設定部13と、を備え、干渉チェックシミュレーション部12は、照射ノズルの立体形状モデルを初期位置に配置したところから干渉の有無のチェックを開始し、直前のチェックで干渉が無いと判定された場合はアイソセンタに近接する方向に、干渉が有ると判定された場合はアイソセンタから離反する方向に、照射ノズルの立体形状モデルの位置を設定された移動幅で移動させる、ことをギャップが許容値以下になるまで繰り返すとともに、ノズル条件設定部13は、干渉が有ると判定された後の近接する方向への移動に用いる移動幅を、直前の離反する方向の移動に用いた移動幅よりも小さい値に設定するように構成したので、治療計画に用いるデータと互換性を有する精度の患者立体形状モデルを用いて、エアギャップを許容値以下に抑えた好適な治療計画を短時間に作成できる。
とくに、ノズル条件設定部13は、照射ノズル32の立体形状モデルの移動のたびに、移動幅を直前に用いた移動幅の半分の値に設定するようにしたので、判定回数を効率よく低減することができる。
また、ノズル条件設定部13は、ノズル条件データベース16に格納された、経験則に基づいた適切な初期値を設定するようにしたので、判定回数を効率よく低減することができる。
実施の形態2.
上述した実施の形態1では、ノズル条件のうち、照射ノズル32の初期位置として、ノズル条件データベース16に予め格納された経験則から得られた値を用いる例について説明した。本実施の形態2にかかる粒子線治療用干渉チェック装置においては、過去に実施した干渉チェックシミュレーションの結果を用いて格納された値を修正するように構成した。図7は、本実施の形態2にかかる粒子線治療用干渉チェック装置の動作を説明するための、過去に行った干渉チェックシミュレーションおよびそれ以降の干渉チェックシミュレーション時の患者立体形状モデルおよび照射ノズル等の位置設定概念を示す図であり、図7(a)は、過去に行った干渉チェックシミュレーションにおける照射ノズルの位置設定概念を示し、図7(b)は、それ以降に行う干渉チェックシミュレーションにおける照射ノズルの位置設定概念を示す。なお、実施の形態1で触れたように、本実施の形態2にかかる粒子線治療用干渉チェック装置の構成については、図1のブロック図を流用する。また、図中、実施の形態1で用いたものと同様のものには同様の符号を付し、説明を省略する。
図7(a)、(b)は、実施の形態1の図3と同様に、回転ガントリの回転軸方向から見た場合の、患者や機器(照射ノズル)間の位置関係を示すものである。図中、患者立体形状モデル5Mは、腹部を治療部位とし、仰臥位で、両手を頭上に挙げた治療体位の患者の形状を示している。図中、P32A、P32B、P32Cは、それぞれ、照射角度が、300度、320度、45度に設定された場合を示す。そして、図7(a)では、実施の形態1と同様に干渉チェックシミュレーションを行っており、例えば、P32Aにおけるノズル初期位置をP32A(1)、最終的に得られたエアギャップが最小となる照射ノズル32の位置をP32ALとする。
そして、本実施の形態2においては、各照射角度でエアギャップが最小となる照射ノズルの位置P32AL、P32BL、P32CLが得られると、ノズル条件設定部13は、その値を反映するように、ノズル条件データベース16のノズル初期位置の値を表3に示すように書き換える。これら、書き換えた後の初期位置の範囲を図中、限界線LLとして示す。
Figure 2014090896
このように、過去に行ったデータを初期位置に反映させることで、それ以降のシミュレーション時には図7(b)に示すように、各照射角度での初期位置P32A(1)、P32B(1)、P32C(1)は、それぞれ、1回目のシミュレーションで得られた最適な照射ノズル位置(1回目のP32AL、P32BL、P32CLに相当)を結ぶ限界線LL付近に設定される。これにより、干渉チェックシミュレーション時間を更に短縮する事が可能である。
なお、照射ノズル32の初期位置データへの反映は、直前のシミュレーション結果をそのまま反映するのではなく、それまでの同様の条件のシミュレーション結果の平均値を採用し、その値に安全率を考慮して所定の値を加算する等の適切な処置を行うものとする。なお、2回目以降に設定した照射ノズルの初期位置で干渉が発生する場合には、照射ノズルの移動単位分だけ、照射ノズルの初期位置(原点)方向に戻(縮小)して、干渉チェック判定を行うようにすればよい。
以上のように、本実施の形態2にかかる粒子線治療用干渉チェック装置1によれば、ノズル条件設定部13は、過去に実行された同じ治療条件の干渉チェックシミュレーションの結果に基づいて、照射ノズル32の初期位置を設定するように構成したので、干渉チェックシミュレーション時間を更に短縮する事が可能である。
実施の形態3.
上述した実施の形態2では、過去に実施した同条件の干渉チェックシミュレーションにおける値を、以降の干渉チェックシミュレーションに用いる照射ノズルの初期位置に反映させる場合について説明した。本実施の形態3にかかる粒子線治療用干渉チェック装置においては、ひとつの照射機会に対する一連の干渉チェックシミュレーションにおいて、直前の治療条件での結果を次の治療条件における初期値に用いるように構成した。図8は、本実施の形態3にかかる粒子線治療用干渉チェック装置の動作を説明するための、干渉チェックシミュレーション時の患者立体形状モデルおよび照射ノズル等の位置設定概念を示す図である。また、図中、実施の形態1あるいは実施の形態2で用いたものと同様のものには同様の符号を付し、説明を省略する。
図中、P32A、P32Bは、それぞれ、照射角度が25度、45度に設定された場合で、照射角度25度での干渉チェック後に、照射角度45度での干渉チェックを行うものとする。そして、照射角度25度では、実施の形態1と同様に干渉チェックシミュレーションを行っており、例えば、P32Aにおけるノズル初期位置をP32A(1)、最終的に得られたエアギャップが最小となる照射ノズル32の位置をP32ALとする。
そして、本実施の形態3においては、次の治療条件である照射角度45度での照射ノズル32の初期位置P32B(1)を、照射角度25度で得られた最適ノズル位置、つまり、アイソセンタ5Mcからの距離がD32ALになる位置に設定する。
このように、ある治療条件(照射角度が25度)で干渉チェックシミュレーションを行った後、照射角度以外の治療条件が同じで、照射角度のみが異なる次の治療条件(照射角度45度)で干渉チェックシミュレーションを行う場合、直前のシミュレーション結果である最適照射ノズル位置(D32AL)を、シミュレーション開始初期位置とする事で、より適切な照射ノズル初期位置からのシミュレーションが可能となり、干渉チェックシミュレーションにかかる時間を短縮する。
さらに、直前の照射角度との間隔が十分に細かい場合、照射角度でシミュレーションする場合は、直前の照射角度でのノズル最適位置の近傍に、今回の照射角度でのノズル最適位置がある可能性が高いと考えられる。そのため、直前の照射角度との間隔が所定間隔よりも細かい場合には、ノズルスライド幅についても、はじめから最小となる種別を用いる事でシミュレーション時間の短縮を図ることが可能である。また、今回の照射角度のシミュレーションのノズル初期位置(前回角度のノズル最適位置)で干渉が発生する場合には、照射ノズルの移動単位分だけ、照射ノズルの初期位置(原点)方向で戻して、干渉チェック判定を行うようにすればよい。
以上のように、本実施の形態3にかかる粒子線治療用干渉チェック装置1によれば、ノズル条件設定部13は、一つの照射機会のうちの複数の治療条件に対する一連の干渉チェックシミュレーションにおいて、ある治療条件の干渉チェックシミュレーションに用いる照射ノズル32の初期位置を、直前に実施した他の治療条件の干渉チェックシミュレーション結果に基づいて設定するように構成したので、干渉チェックシミュレーションにかかる時間を短縮できる。
実施の形態4.
本実施の形態4にかかる粒子線治療用干渉チェック装置は、一連の干渉チェックシミュレーションの治療条件においては、照射角度の配分(組合せ)に応じてシミュレーションの順序と、結果の反映方法を修正するようにしたものである。具体的には、治療条件範囲が、比較的粗い間隔で配分されるように設定された照射角度と、その間を補完するような照射角度の関係になっている場合、粗い間隔で設定された照射角度のシミュレーションを実行した後に、その間を補完する照射角度について、実施の形態3で示したように、前の結果を反映させてシミュレーションを実行するようにしたものである。図9は、本実施の形態4にかかる粒子線治療用干渉チェック装置の動作を説明するための、干渉チェックシミュレーション時の患者立体形状モデルおよび照射ノズル等の位置設定概念を示す図である。また、図中、上述した各実施の形態で用いたものと同様のものには同様の符号を付し、説明を省略する。
図中、P32A、P32B、P32C、P32D、P32Eは、それぞれ、照射角度が270度、315度、0度、45度、90度に設定された場合、P32Fは、照射角度22.5度に設定された場合の照射ノズル32の位置イメージである。つまり、P32A、P32B、P32C、P32D、P32Eは、45度間隔(粗い)で設定された治療条件、P32Fは、P32CとP32Dとの間を補間するように設定された治療条件である。
このような場合、本実施の形態4にかかる粒子線治療用干渉チェック装置1では、はじめに、間隔が広いP32A、P32B、P32C、P32D、P32Eでのシミュレーションを実行する。その後に、照射角度0度(P32C)と照射角度45度(P32D)との間を補完する関係にある照射角度22.5度(P32F)でのシミュレーションを実行する。このとき、照射角度0度と照射角度45度で得られた最適ノズル位置(図示しないが、符号化すればD32CAL、D32DALに相当)を用いて、照射角度22.5度の初期位置(P32F(1))を定める。これにより、照射角度22.5度での照射ノズル32の初期位置を最適化でき、シミュレーション時間を短縮する事が可能である。
なお、照射角度22.5度のシミュレーションを行う場合は、照射角度0度と45度の中間であるので、0度のシミュレーション結果と45度のシミュレーション結果の平均値を照射ノズルのシミュレーション開始初期位置とする。粗い単位で行ったシミュレーションのちょうど中間でない場合は、より近い照射角度の粗シミュレーション結果へ重みづけを行った値を照射ノズルのシミュレーション開始初期位置とする事で照射ノズル初期位置の最適化を行い、干渉チェックシミュレーションにかかる時間を短縮する。
以上のように、本実施の形態4にかかる本実施の形態3にかかる粒子線治療用干渉チェック装置1によれば、ノズル条件設定部13は、治療計画において、一つの照射機会のうちの複数の治療条件として、照射ノズル32に対して、所定角度(例えば、45度)以上の間隔をあけた1組の照射角度(例えば、P32C、P32D)と、1組の照射角度のそれぞれに対して所定角度未満の間隔を有するように設定された第2の照射角度(例えば、P32F)が設定されている場合、(1組の照射角度のそれぞれに対して干渉チェックシミュレーションを実施した後に、)第2の照射角度に対する干渉チェックシミュレーションに用いる照射ノズル32の初期位置は、1組の照射角度の干渉チェックシミュレーション結果に基づいて設定するように構成したので、第2の照射角度での照射ノズル32の初期位置を最適化でき、シミュレーション時間を短縮する事が可能である。
実施の形態5.
本実施の形態5にかかる粒子線治療用干渉チェック装置は、照射角度によっては、予め干渉が起こりえない対象が生ずることに着目し、照射角度に応じて干渉チェック対象を絞り込み、干渉チェックシミュレーションによる計算処理を短縮しようとしたものである。の治療条件においては、照射角度の配分によってシミュレーションの順序と、結果の反映方法を修正するようにしたものである。図10は、本実施の形態5にかかる粒子線治療用干渉チェック装置の動作を説明するための、干渉チェックシミュレーション時の患者立体形状モデルおよび照射ノズル等の位置設定概念を示す図である。また、図中、上述した各実施の形態で用いたものと同様のものには同様の符号を付し、説明を省略する。
図10において、P32A、P32B、P32C、P32D、P32Eは、それぞれ、照射角度が270度、315度、0度、45度、90度に設定された場合の照射ノズルの位置イメージである。このような場合、照射角度によっては、照射ノズルとの干渉可能性がある対象物体が限定可能である。例えば、図では、照射角度が90度(P32E)以上、270度(P32A)以下の範囲を除くと、照射ノズル32は治療台33と干渉する前に患者5Mと干渉することになるので、その範囲以外に照射角度が設定された場合には、治療台33を干渉対象から外せばよい。このような条件として、表4に示すように、干渉対象の有無を示す情報をノズル条件データベース16に登録しておく。
Figure 2014090896
表4では、照射角度が280度〜(0度経由)〜80度の範囲では、照射ノズルに対して治療台33が干渉対象でないという情報が登録されている。このような情報を登録した上で、上記各実施の形態1〜4で示したように、治療条件ごとに干渉チェックシミュレーションを行う。この場合、例えば、照射角度が90度(P32E)以上、270度(P32A)以下の範囲の場合は、上記各実施の形態1〜4で示したような動作となる。一方、例えば、照射角度が315度(P32B)の場合、ノズル条件設定部13は、干渉チェックシミュレーション部12に対し、立体形状モデルのうち、治療台33の立体形状モデルを用いず、照射ノズル32の立体形状モデルと患者立体形状モデル5Mとの干渉のみチェックするように設定したシミュレーション条件を干渉チェックシミュレーション部12に出力する。これにより、干渉チェックシミュレーション部12は、立体形状モデルのうち、治療台33の立体形状モデルを用いる必要はなく、照射ノズル32の立体形状モデルと患者立体形状モデル5Mとの干渉のみをチェックすればよく、計算処理量を低減できる。
以上のように、本実施の形態5にかかる粒子線治療用干渉チェック装置1によれば、ノズル条件設定部13は、照射ノズル32以外の例えば治療台等の機器について、照射ノズル32の照射角度に応じて干渉判定の対象か否かを選別するように構成したので、干渉判定に必要な計算を絞り込め、計算処理量を低減できる。
なお、上記各実施の形態で示した内容を適宜組合すことができるのは言うまでもない。
1:粒子線治療用干渉チェック装置、 2:治療計画装置、 5M:患者立体形状モデル、 5Mc:アイソセンタ、 11:ユーザインタフェース部、 12:干渉チェックシミュレーション部、 13:照射ノズル条件設定部、 14:機器立体形状モデルデータベース、 15:患者立体形状モデルデータベース、 16:ノズル条件データベース、 17:患者立体形状モデル生成部、 31:回転ガントリ、 32:照射ノズル、 33:治療台、
32:アイソセンタからの距離、 LL:限界ライン、 P32:ノズル位置。

Claims (5)

  1. 粒子線を照射する照射ノズルと患者とのギャップを許容値以下にするために、前記照射ノズルと前記患者との干渉を、治療計画装置と連係してチェックする粒子線治療用干渉チェック装置であって、
    アイソセンタを含む前記患者に対して、前記治療計画装置で用いられる前記患者の形状データと互換可能な精度を有する患者立体形状モデルを生成する患者立体形状モデル生成部と、
    前記照射ノズルの立体形状モデルを含む粒子線治療に用いる機器の立体形状モデルを格納する機器立体形状モデル格納部と、
    前記患者立体形状モデルに対して前記照射ノズルの立体形状モデルを移動させ、位置決めした状態をシミュレーションして、前記患者および前記機器に対する前記照射ノズルの干渉の有無をチェックする干渉チェックシミュレーション部と、
    前記シミュレーションにおける前記照射ノズルの立体形状モデルの初期位置と移動幅を設定するノズル条件設定部と、を備え、
    前記干渉チェックシミュレーション部は、前記照射ノズルの立体形状モデルを前記初期位置に配置したところから前記干渉の有無のチェックを開始し、直前のチェックで干渉が無いと判定された場合は前記アイソセンタに近接する方向に、干渉が有ると判定された場合は前記アイソセンタから離反する方向に、前記照射ノズルの立体形状モデルの位置を前記設定された移動幅で移動させる、ことを前記ギャップが前記許容値以下になるまで繰り返すとともに、前記ノズル条件設定部は、前記干渉が有ると判定された後の前記近接する方向への移動に用いる移動幅を、直前の離反する方向の移動に用いた移動幅よりも小さい値に設定することを特徴とする粒子線治療用干渉チェック装置。
  2. 前記ノズル条件設定部は、過去に実行された同じ治療条件の干渉チェックシミュレーションの結果に基づいて、前記初期位置を設定することを特徴とする請求項1に記載の粒子線治療用干渉チェック装置。
  3. 前記ノズル条件設定部は、一つの照射機会のうちの複数の治療条件に対する一連の干渉チェックシミュレーションにおいて、ある治療条件の干渉チェックシミュレーションに用いる前記初期位置を、直前に実施した他の治療条件の干渉チェックシミュレーション結果に基づいて設定することを特徴とする請求項1または2に記載の粒子線治療用干渉チェック装置。
  4. 前記ノズル条件設定部は、一つの照射機会のうちの複数の治療条件として、前記照射ノズルに対して、所定角度以上の間隔をあけた1組の照射角度と、前記1組の照射角度のそれぞれに対して前記所定角度未満の間隔を有するように設定された第2の照射角度が設定されている場合、
    前記第2の照射角度に対する干渉チェックシミュレーションに用いる前記初期位置は、前記1組の照射角度の干渉チェックシミュレーション結果に基づいて設定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の粒子線治療用干渉チェック装置。
  5. 前記ノズル条件設定部は、前記粒子線治療に用いる機器のうち、前記照射ノズル以外の機器について、前記照射ノズルの照射角度に応じて干渉判定の対象か否かを選別することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の粒子線治療用干渉チェック装置。
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