JP6566358B2 - 中性子捕捉療法シミュレーションシステム及び中性子捕捉療法シミュレーション方法 - Google Patents

中性子捕捉療法シミュレーションシステム及び中性子捕捉療法シミュレーション方法 Download PDF

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Description

本発明は、中性子捕捉療法シミュレーションシステム及び中性子捕捉療法シミュレーション方法に関するものである。
近年、中性子捕捉療法(NCT,Neutron Capture Therapy)が注目されている。中性子捕捉療法は、がん細胞に集積すると共に中性子線と反応する薬剤を患者へ予め投与し、当該患者へ中性子線を照射することで、がん治療を行うものである。中性子捕捉療法では、中性子線源で発生した中性子線を、開口を有して照射野を形成するコリメータを介して、患者へ照射する。従来の中性子捕捉療法装置では、ブロック体に貫通孔が設けられた筒形状のコリメータが用いられていたが、下記特許文献1では、コリメータに設けられた開口の形状が三次元的に変化(調整可能)な中性子線捕捉療法装置が記載されている。この装置は、複数のリーフ板からなるコリメータを備えており、少なくとも一部のリーフ板を中性子線の照射軸方向にスライド可能とすることで、コリメータに三次元的な形状を設定することが可能になっている。
特開2013-208257号公報
この種の中性子捕捉療法においては、患者の正常組織に与えられる線量を低減し、主要組織に対する線量を向上させるべく、治療に先立って治療計画が作成される。治療計画の作成を支援するために、中性子捕捉療法の治療線量をシミュレーションするプログラムが存在するが、従来の筒形状のコリメータを用いる場合しか考慮されていない。つまり、三次元形状のコリメータを用いた場合のNCTのシミュレーションは考慮されておらず、多数のリーフ板の位置が三次元的に変化するコリメータを模擬することはできず、特許文献1に記載のコリメータを用いた場合の治療計画を作成することは困難であった。
本発明は、三次元形状のコリメータを用いたNCT用のシミュレーションシステムを提供することを目的とする。
本発明の中性子捕捉療法シミュレーションシステムは、中性子捕捉療法で使用されるコリメータの三次元形状を示すコリメータ形状データを記憶するコリメータ形状記憶部と、中性子捕捉療法の患者の三次元形状を示す患者形状データを記憶する患者形状記憶部と、コリメータ形状記憶部に記憶されたコリメータ形状データと、患者形状記憶部に記憶された患者形状データと、に基づいて、コリメータを介して患者に中性子線を照射したときの中性子線の分布のシミュレーション計算を行うシミュレーション部と、を備える。
本発明の中性子捕捉療法シミュレーション方法は、中性子捕捉療法で使用されるコリメータの三次元形状を示すコリメータ形状データを記憶するコリメータ形状記憶ステップと、中性子捕捉療法の患者の三次元形状を示す患者形状データを記憶する患者形状記憶ステップと、コリメータ形状記憶ステップで記憶されたコリメータ形状データと、患者形状記憶ステップで記憶された患者形状データと、に基づいて、コリメータを介して患者に中性子線を照射したときの中性子線の分布のシミュレーション計算を行うシミュレーションステップと、を備える。
これらのシステム及び方法によれば、コリメータの三次元形状と患者の三次元形状とに基づくシミュレーションが可能になる。
また、本発明の中性子捕捉療法シミュレーションシステムは、コリメータ形状記憶部に記憶されたコリメータ形状データと、患者形状記憶部に記憶された患者形状データと、のデータ合成処理によって、コリメータ及び患者を含む空間の三次元形状を示す合成形状データを作成するデータ合成部を備え、シミュレーション部は、データ合成部で作成された合成形状データに基づいてシミュレーション計算を実行するようにしてもよい。
また、本発明の中性子捕捉療法シミュレーションシステムは、コリメータのCT画像データを取得するCTスキャナ装置を更に備え、コリメータ形状記憶部は、CTスキャナ装置で取得されたCT画像データをコリメータ形状データとして記憶するようにしてもよい。この構成によれば、CTスキャン装置を用いることで、コリメータの三次元形状を示すコリメータ形状データを比較的容易に得ることができる。
また、本発明の中性子捕捉療法シミュレーションシステムは、実測されたコリメータの三次元形状からコリメータ形状実測データを作成する実測データ作成部を備え、コリメータ形状記憶部は、実測データ作成部で作成されたコリメータ形状実測データをコリメータ形状データとして記憶するようにしてもよい。
また、本発明の中性子捕捉療法シミュレーションシステムは、コリメータの三次元形状を撮影するコリメータ撮影部を備え、実測データ作成部は、コリメータ撮影部で取得される撮影データに基づいてコリメータ形状実測データを作成するようにしてもよい。
また、コリメータは、複数の可動のリーフを備えるマルチリーフコリメータであり、リーフのうち少なくとも一部のリーフは、中性子捕捉療法における中性子線の照射方向にスライド可能であるようにしてもよい。
本発明によれば、三次元形状のコリメータを用いたNCT用のシミュレーションシステムを提供することができる。
第1実施形態の中性子捕捉療法シミュレーションシステムを示すブロック図である。 (a)はコリメータ形状データ、(b)は患者形状データ、(c)は合成形状データをそれぞれ示す概念図である。 中性子捕捉療法シミュレーションシステムの物理的な構成の一例を示すブロック図である。 第2実施形態の中性子捕捉療法シミュレーションシステムを示すブロック図である。 コリメータCT画像データを示す概念図である。 BNCT装置を示す図である。 コリメータを通る中性子線が照射目標に照射される状態を示す概念図である。 (a)はコリメータの正面図、(b)はコリメータの側面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る中性子捕捉療法シミュレーションシステムの実施形態について詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、中性子捕捉療法シミュレーションシステム10(以下、単に「シミュレーションシステム10」又は「システム10」と称する)の機能的要素をブロックで示すブロック図である。シミュレーションシステム10は、例えば、図6に例示されるような中性子捕捉療法において、患者53に向けて照射される中性子線Nの治療線量分布を算出するものである。特に、シミュレーションシステム10は、後述するように三次元形状のコリメータ65を使用する中性子捕捉療法のシミュレーションに用いられる。なお、図6に示される中性子線治療装置51については後述する。
図1に示されるように、シミュレーションシステム10は、CTスキャナ装置5と演算処理部3とを備えている。CTスキャナ装置5は、コンピューター断層撮影(Computed Tomography)によって撮影対象物の三次元形状データであるCT画像データを取得する。シミュレーションシステム10のCTスキャナ装置5としては、公知のCTスキャナ装置を使用することができる。CTスキャナ装置5では、中性子捕捉療法で使用されるコリメータ65がCT撮影され、当該コリメータ65の三次元形状を示すコリメータCT画像データD101が得られる。コリメータ65の三次元形状とは、コリメータを構成するリーフ板群のうち少なくとも一部のリーフ板が第1の方向(図8におけるX方向)に移動し、且つ、少なくとも他の一部のリーフ板が第1の方向と直行する第2の方向(図8におけるY方向)に移動した状態におけるコリメータ65の形状である。また、CTスキャナ装置5では、中性子捕捉療法の患者53がCT撮影され、当該患者53の三次元形状を示す患者CT画像データD102が得られる。なお、CTスキャナ装置5を用いたコリメータ65の撮影(コリメータCT画像データD101の取得)と、CTスキャナ装置5を用いた患者53の撮影(患者CT画像データD102の取得)と、は別々に行われる。この際、CTスキャナ装置5は同一のものではなく、異なる2つのCTスキャナを用いてもよい。
演算処理部3は、コリメータ形状記憶部11と、患者形状記憶部12と、データ合成部13と、データ変換部14と、シミュレーション部15と、結果出力部16と、を備えている。
コリメータ形状記憶部11は、コリメータ65の三次元形状を示すコリメータ形状データD103を記憶する。ここでは、コリメータ形状記憶部11は、CTスキャナ装置5で得られた上記のコリメータCT画像データD101を、コリメータ形状データD103として記憶する。患者形状記憶部12は、患者53の治療に係る部位の三次元形状を示す患者形状データD104を記憶する。ここでは、患者形状記憶部12は、CTスキャナ装置5で得られた上記の患者CT画像データD102を、患者形状データD104として記憶する。コリメータ形状データD103及び患者形状データD104は、例えば、ボクセルモデル(例えば立方体モデル)として記述される。なおこのとき、例えばDICOM形式で得られたコリメータCT画像データD101や患者CT画像データD102が、例えばボクセルモデルに変換されてコリメータ形状データD103及び患者形状データD104とされてもよい。
データ合成部13は、コリメータ形状データD103と、患者形状データD104と、のデータ合成処理によって、コリメータ65及び患者53を含む空間の三次元形状を示す合成形状データD105を作成する、具体的なデータ合成処理の概念は次のようなものである。図2(a)に示されるように、コリメータ形状データD103は、コリメータ65を示す実データ部D103aと、それ以外の余白部D103bとで構成される。同様に、図2(b)に示されるように、患者形状データD104は、患者53を示す実データ部D104aと、それ以外の余白部D104bとで構成される。データ合成部13は、上述のような互いに干渉する余白部103b,104bを適切に処理しながら2つの実データ部D103a,D104aを合成し、図2(c)に示されるように実データ部D103a,D104a及び余白部105bで構成される合成形状データD105を得る。なお、合成形状データD105上における実データ部D103aと実データ部D104aとの位置関係は、NCTにおけるコリメータ65と患者53との位置関係に対応させる。
このようなデータ合成処理は、公知の三次元データ処理によって実行可能である。ここで得られた合成形状データD105は、NCT装置の中性子線照射領域に存在するコリメータ65と患者53とそれらの間を埋める空気層とを含めた物体全体の三次元形状を1つのデータで示すものである。上記の空気層は余白部D105bに対応する。合成形状データD105は、例えば、ボクセルモデルとして記述される。
図1に示されるように、データ変換部14は、合成形状データD105のデータ形式変換を実行する。データ変換部14は、合成形状データD105を、後述するシミュレーション部15に入力可能なデータフォーマットに変換する。例えば、データ変換部14は、合成形状データD105を、モンテカルロ放射線輸送コードに入力可能なデータフォーマットに変換する。なお、データ変換部14は必須ではなく、合成形状データD105のフォーマットがそのままシミュレーション部15に入力可能なものである場合には、データ変換部14は省略可能である。
シミュレーション部15は、所定のシミュレーションプログラムに従ってシミュレーション計算を実行する。シミュレーション部15は、データ変換部14から引き渡された合成形状データD105を入力データとして、コリメータ65を介して患者53に中性子線を照射したときの中性子線の治療線量分布を算出する。シミュレーション部15は、更に、患者53の患部への治療線量が必要量に到達するための照射時間や、患者53への許容上限線量に到達する照射時間や、それらの照射時間における患者53の各部位の治療線量分布といった情報を算出してもよい。上記のシミュレーションプログラムとしては、公知のモンテカルロ放射線輸送コードを用いることができる。上記モンテカルロ放射線輸送コードの例として、MCNP、PHITS、GEANT4等が挙げられる。
結果出力部16は、シミュレーション部15によるシミュレーション計算の結果を、例えば画面表示やプリントアウトによって、ユーザに提示する。
ここで、演算処理部3の物理的な構成の一例について説明する。図3は、演算処理部3のハードウエア構成図である。演算処理部3は、物理的には、図に示すように、CPU211、主記憶装置であるRAM212及びROM213、ハードディスク等の補助記憶装置215、入力デバイスであるキーボード及びマウス等の入力装置216、ディスプレイ等の出力装置217、ネットワークカード等のデータ送受信デバイスである通信モジュール214などを含むコンピュータシステムとして構成されている。図1において説明した各機能は、図3に示すCPU211、RAM212等のハードウエア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU211の制御のもとで通信モジュール214、入力装置216、出力装置217を動作させるとともに、RAM212や補助記憶装置215におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
以上のようなシミュレーションシステム10で行われる中性子捕捉療法シミュレーション方法は、以下に説明するCTスキャンステップと、コリメータ形状記憶ステップと、患者形状記憶ステップと、シミュレーションステップと、結果出力ステップと、を備える。
CTスキャンステップでは、CTスキャナ装置5によってコリメータ65をスキャンしコリメータCT画像データD101を取得し、更に、CTスキャナ装置5によって患者53をスキャンし患者CT画像データD102を取得する。コリメータ形状記憶ステップでは、上記コリメータCT画像データD101を、コリメータ65の三次元形状を示すコリメータ形状データD103として、コリメータ形状記憶部11が記憶する。患者形状記憶ステップでは、上記患者CT画像データD102を、患者53の三次元形状を示す患者形状データD104として、患者形状記憶部12が記憶する。シミュレーションステップでは、上記コリメータ形状データD103と、患者形状データD104と、に基づいて得られた合成形状データD105に基づき、コリメータ65を介して患者53に中性子線を照射したときの中性子線の分布のシミュレーション計算を行う。結果表示ステップでは、シミュレーション部15によるシミュレーション計算の結果が、例えば画面表示やプリントアウトによって、ユーザに提示される。
以上説明したシミュレーションシステム10及びシミュレーション方法によれば、コリメータ65の三次元形状と患者53の三次元形状とに基づく中性子捕捉療法のシミュレーションが可能になり、三次元形状のコリメータを用いたNCT用のシミュレーションが可能になる。また、CTスキャンによって比較的容易にコリメータ65の形状をデータ化することができ、例えば、コリメータ65の内部に空孔が存在する場合なども、その状況をモデル化することができる。また、コリメータ65の基本設計が変更された場合にも、その変更に容易に対応可能である。また、コリメータ65と患者53とを一緒に1つのモデルとしてモンテカルロ放射線輸送コードで取扱うので、高精度なシミュレーションが可能になる。
コリメータ65の少なくとも一部のリーフ板を中性子線の照射方向へ移動させる場合、モータ等の機械的な駆動機構によりリーフ板を移動させることは難しい。このような場合には、リーフ板を手動により移動させる。機械的な駆動機構によりリーフ板を移動させる場合には駆動機構の制御値等からリーフ板の位置を容易に検出可能であるが、手動によりリーフ板を移動させる場合には、リーフ板の位置をリーフ板の移動時に検出することは困難である。そこで、CTスキャナ装置を用いることで、少なくとも一部のリーフ板が中性子線の照射方向へ移動するコリメータであっても、リーフ板の位置を検出し、治療計画を作成することが可能となる。
(第2実施形態)
続いて、第2実施形態に係る中性子捕捉療法シミュレーションシステム30(以下、単に「シミュレーションシステム30」又は「システム30」と称する)について説明する。図4は、シミュレーションシステム30の機能的要素をブロックで示すブロック図である。この第2実施形態において、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、図面に同一の符号を付す。以下では、第2実施形態における第1実施形態と相違する点を主に説明し、重複する説明は省略する。
図4に示されるように、シミュレーションシステム30が備える演算処理部33は、第1実測データ作成部41を備えている。第1実測データ作成部41は、CTスキャナ装置5(コリメータ撮影部)で取得されるコリメータCT画像データD101(撮影データ)に基づいてコリメータ形状実測データD107を作成する。具体的には、第1実測データ作成部41は、コリメータ65の開口部の幅hなどの各部位の寸法を実測し、コリメータ65の三次元形状を、幾何学モデル(例えば、直方体、立方体、球体など)で記述されたコリメータ形状実測データD107として取得する。上記のコリメータ65の各部位の寸法の実測は、図5に示されるように、コリメータCT画像データD101の実データ部D101aに基づいて、例えば、当該実データ部D101a上の各部位のピクセル数(例えば幅hに対応するピクセル数)を計数することで実行される。
演算処理部33は、第1実測データ作成部41に代えて第2実測データ作成部42を備えてもよい。すなわち、図4に示されているように演算処理部33が第1実測データ作成部41と第2実測データ作成部42とを両方備えることは必須ではなく、何れか一方を省略してもよい。第2実測データ作成部42は、ユーザからのデータ入力を受け付ける。このとき、ユーザは、コリメータ65の実物の開口部の幅hなどの各部位の寸法を手動で測定し測定値を入力する。そして、第2実測データ作成部42は、入力された測定値データに基づいて、コリメータ65の三次元形状を、幾何学モデル(例えば、直方体、立方体、球体など)で記述されたコリメータ形状実測データD107として取得する。
コリメータ形状記憶部11は、第1実測データ作成部41又は第2実測データ作成部42で得られたコリメータ形状実測データD107を、コリメータ形状データD109として記憶する。このとき、コリメータ形状データD109が示すコリメータの位置と、患者形状データD104が示す患者の位置との位置関係が、NCTにおけるコリメータ65と患者53との位置関係に対応するようにする。
データ変換部14は、幾何学モデルとして記述されたコリメータ形状データD109と、ボクセルモデルとして記述された患者形状データD104と、をシミュレーション部15に入力可能なデータフォーマットに変換し、シミュレーション部15に引き渡す。以降の処理は第1実施形態と同様に実行される。
このようなシミュレーションシステム30によっても、前述のシミュレーションシステム10と同様に、コリメータ65の三次元形状と患者53の三次元形状とに基づく中性子捕捉療法のシミュレーションが可能になり、三次元形状のコリメータを用いたNCT用のシミュレーションが可能になる。また、コリメータ65の形状データを幾何学モデルとして取扱うので、少ないメモリー量で高速なシミュレーションが可能になる。また、照射方向の変更によりコリメータ65と患者53との位置関係が変更されても、モデリングのやり直しを最小限にすることができる。
上述した第1及び第2実施形態のシミュレーションシステム10,30は、例えば、図6に示されるような中性子線治療装置51を用いたBNCT(Boron Neutron Capture Therapy)における治療線量分布の算出に使用することができ、治療計画に利用され得る。
中性子線治療装置51は、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)を用いたがん治療を行う装置であり、ホウ素10(10B)が投与された患者53に対し中性子線Nを照射する。中性子線治療装置51は、加速器55(例えば、サイクロトロン)を備え、加速器55は、荷電粒子(例えば、陽子)を加速して、荷電粒子線P(例えば、陽子線)を作り出し、出射する。ここでの加速器55は、例えば、ビーム半径40mm、60kW(=30MeV×2mA)の荷電粒子線Pを生成する能力を有している。
加速器55から出射された荷電粒子線Pは、電磁石57が配置されたビーム輸送路59を通過し、中性子線出力部61に導かれる。中性子線出力部61では、例えばベリリウム(Be)からなるターゲットTに荷電粒子線Pが照射されることで中性子線Nが出射される。当該中性子線Nがモデレータ63で減速され、中性子線出力部61の出射口62に嵌め込まれたコリメータ65の開口を通じて治療台67上の患者53に照射される。中性子線Nに含まれる熱中性子線が、主に、患者53体内の腫瘍中に取り込まれたホウ素10と核反応し、有効な治療効果を発揮する。なお、コリメータ65は、中性子線出力部61の出射口62に嵌め込まれずに、出射口62に隣接するように設けられてもよい。
続いて、図7及び図8を参照しながらコリメータ65について説明する。コリメータ65は、複数の可動のリーフを備えるマルチリーフコリメータであり、上記リーフのうち少なくとも一部のリーフは、中性子捕捉療法における中性子線の照射方向にスライド可能である。なお、厳密には中性子線は直進だけするものではなく、様々な方向で拡散するように進行する。本出願では、コリメータ65の開口の延伸方向(または、中性子線出力部61の出射口62の延伸方向)を、「中性子線の出射方向」とする。コリメータ65は、患者53の患部Sの領域に合わせて開口Fを形成して中性子線の照射野を設定する。また、コリメータ65は、その三次元形状が可変である。コリメータ65は、患者53の体表面のカーブに合わせた三次元形状に変形可能であり、患者53との隙間を可能な限り小さくした状態で患者53に密着するように設定される。具体的なコリメータ65の構造は以下の通りである。
以下、図6〜図8に示されるように鉛直方向にZ軸、中性子線の照射方向にY軸、Z軸及びY軸の双方に直行する方向にX軸、を取ったXYZ直交座標系を設定し、各部の位置関係等の説明にX,Y,Zを用いる場合がある。コリメータ65は直方体状の外形をなしている。コリメータ65は、上下方向(Z方向)に積み重ねられた複数のリーフ板71A,71Bを有している。言い換えれば、複数のリーフ板71A,71Bは、その板厚方向に沿って並んでいる。なお、複数のリーフ板71A,71Bを、左右方向(X方向)に沿って並べてもよい。各リーフ板71A,71Bは、フッ化リチウム入りポリエチレンからなり、長方形板状をなしている。これらの複数のリーフ板71A,71Bは、コリメータホルダ73内に保持されてリーフ板群71を構成している。
コリメータホルダ73とリーフ板群71との間には、リーフ板71A,71Bを案内するための複数の突起75を有する案内部材77が配置されている。案内部材77に当接する各リーフ板71A,71Bの照射方向の端部は、案内部材77の突起75に嵌合可能な凹凸形状をなしている。
コリメータ65にあっては、リーフ板群71の上端部および下端部に配置されたリーフ板71A(図3の例では上下4枚ずつ)は、X方向に2分割された板材である。リーフ板群71の上端部および下端部を除く中間部に配置されたリーフ板71Bは、X方向に分割された片側につき2枚の分割リーフ板79,80から構成されている。より具体的には、分割リーフ板79および分割リーフ板80は、X方向に並設されている。分割リーフ板79が外側(すなわちコリメータホルダ73寄り)に配置されており、この分割リーフ板79に隣接して、分割リーフ板80が内側(すなわち照射野寄り)に配置されている。分割リーフ板79および分割リーフ板80は、一体となってX方向にスライド可能になっている。このようにリーフ板71BがX方向にスライド可能であることにより、開口F(照射野)の形状および大きさを任意に設定することができる。なお、リーフ板71Aは、X方向に2分割される場合に限られず、たとえば4分割であってもよい。
さらに、コリメータ65においては、リーフ板71Bの分割リーフ板80は、Y方向にもスライド可能になっている。図7および図8に示されるように、分割リーフ板79に当接する分割リーフ板80の端面には、X方向に突出すると共にY方向に延在する突出部81が形成されている。一方、分割リーフ板80に当接する分割リーフ板79の端面には、Y方向に延びる溝部82が形成されている。分割リーフ板79および分割リーフ板80は、溝部82に突出部81が嵌入した状態で、それぞれY方向にスライド自在になっている。
以上の構成を有するコリメータ65は、X方向およびY方向にスライド自在な2軸スライド型多葉コリメータである。コリメータ65では、リーフ板群71の外形をX方向およびY方向に自在に変化させることができる。
患者53に中性子線を照射する際には、照射野の形状に沿うように各リーフ板71A,71Bの位置を調整する。各リーフ板71A,71Bの位置は、例えば、取扱者により、手動にて調整される。そして、位置及び形状が調整済みのコリメータ65に対して患者53の照射部位を近接させ、予め決められた中性子線量にて、コリメータ65の開口Fを通じて中性子線を照射する。他の放射線と異なり、前述の通り、中性子線は様々な方向へ大きく拡散しながら進行する。コリメータ65のリーフ板群71をX方向だけでなくY方向へもスライドさせることで、コリメータ65のリーフ板群71と患者53との隙間を小さくし、当該隙間からの中性子線の漏れを抑制することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形したものであってもよい。各実施形態の構成を適宜組み合わせて使用してもよい。例えば、図1又は図4に示されるCTスキャナ装置5に代えて、例えば3Dレーザスキャナ等の三次元計測装置を採用し、コリメータCT画像データD101と同様のコリメータ65の三次元形状データを取得してもよい。
5…CTスキャナ装置(コリメータ撮影部)、10,30…中性子捕捉療法シミュレーションシステム、11…コリメータ形状記憶部、12…患者形状記憶部、13…データ合成部、15…シミュレーション部、41…第1実測データ作成部、42…第2実測データ作成部、53…患者、65…コリメータ、71A,71B、79,80…リーフ板、D101…コリメータCT画像データ(撮影データ)、D103…コリメータ形状データ、D104…患者形状データ、D105…合成形状データ、D107…コリメータ形状実測データ。

Claims (6)

  1. 中性子捕捉療法で使用されるコリメータの三次元形状を示すコリメータ形状データを記憶するコリメータ形状記憶部と、
    前記中性子捕捉療法の患者の三次元形状を示す患者形状データを記憶する患者形状記憶部と、
    前記コリメータ形状記憶部に記憶された前記コリメータ形状データと、前記患者形状記憶部に記憶された前記患者形状データと、に基づいて、前記コリメータを介して前記患者に中性子線を照射したときの中性子線の分布のシミュレーション計算を行うシミュレーション部と、
    前記コリメータの三次元形状を示すCT画像データを取得するCTスキャナ装置と、を備え、
    前記コリメータ形状記憶部は、
    前記CTスキャナ装置で取得された前記CT画像データを前記コリメータ形状データとして記憶する、
    中性子捕捉療法シミュレーションシステム。
  2. 前記コリメータ形状記憶部に記憶された前記コリメータ形状データと、前記患者形状記憶部に記憶された前記患者形状データと、のデータ合成処理によって、前記コリメータ及び前記患者を含む空間の三次元形状を示す合成形状データを作成するデータ合成部を備え、
    前記シミュレーション部は、
    前記データ合成部で作成された合成形状データに基づいて前記シミュレーション計算を実行する、請求項1に記載の中性子捕捉療法シミュレーションシステム。
  3. 中性子捕捉療法で使用されるコリメータの三次元形状を示すコリメータ形状データを記憶するコリメータ形状記憶部と、
    前記中性子捕捉療法の患者の三次元形状を示す患者形状データを記憶する患者形状記憶部と、
    前記コリメータ形状記憶部に記憶された前記コリメータ形状データと、前記患者形状記憶部に記憶された前記患者形状データと、に基づいて、前記コリメータを介して前記患者に中性子線を照射したときの中性子線の分布のシミュレーション計算を行うシミュレーション部と、
    前記コリメータ形状記憶部に記憶された前記コリメータ形状データと、前記患者形状記憶部に記憶された前記患者形状データと、のデータ合成処理によって、前記コリメータ及び前記患者を含む空間の三次元形状を示す合成形状データを作成するデータ合成部と、
    実測された前記コリメータの三次元形状からコリメータ形状実測データを作成する実測データ作成部と、を備え、
    前記シミュレーション部は、
    前記データ合成部で作成された合成形状データに基づいて前記シミュレーション計算を実行し、
    前記コリメータ形状記憶部は、
    前記実測データ作成部で作成された前記コリメータ形状実測データを前記コリメータ形状データとして記憶する、中性子捕捉療法シミュレーションシステム。
  4. 前記コリメータの三次元形状を撮影するコリメータ撮影部を備え、
    前記実測データ作成部は、
    前記コリメータ撮影部で取得される撮影データに基づいて前記コリメータ形状実測データを作成する、請求項に記載の中性子捕捉療法シミュレーションシステム。
  5. 前記コリメータは、複数の可動のリーフを備えるマルチリーフコリメータであり、
    前記リーフのうち少なくとも一部のリーフは、前記中性子捕捉療法における中性子線の照射方向にスライド可能である、請求項1〜の何れか1項に記載の中性子捕捉療法シミュレーションシステム。
  6. 中性子捕捉療法で使用されるコリメータの三次元形状を示すコリメータ形状データを記憶するコリメータ形状記憶ステップと、
    前記中性子捕捉療法の患者の三次元形状を示す患者形状データを記憶する患者形状記憶ステップと、
    前記コリメータ形状記憶ステップで記憶された前記コリメータ形状データと、前記患者形状記憶ステップで記憶された前記患者形状データと、に基づいて、前記コリメータを介して前記患者に中性子線を照射したときの中性子線の分布のシミュレーション計算を行うシミュレーションステップと、
    前記コリメータの三次元形状を示すCT画像データをCTスキャナ装置で取得するCT画像データ取得ステップと、を備え、
    前記コリメータ形状記憶ステップでは、
    前記CT画像データ取得ステップで取得された前記CT画像データを前記コリメータ形状データとして記憶する、
    中性子捕捉療法シミュレーション方法。
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