本発明の実施形態に係る空調システム1の構成について、適宜図面参照しながら詳細に説明する。
この空調システム1は、室内の空気調和を行うエアコンユニット2と、床を暖房する床暖房ユニット3とを備え、エアコンユニット2による温風暖房運転または冷風冷房運転、床暖房ユニット3による床暖房運転をそれぞれ実行可能であると共に、エアコンユニット2による温風暖房運転と床暖房ユニット3による床暖房運転との連動運転が実行可能である。上記エアコンユニット2および床暖房ユニット3の詳細については後述する。
4は空調システム1の熱源であり、ヒートポンプ式熱源機としての室外機で、室外機4の内部には、冷媒を圧縮する圧縮機5、流路切換手段としての四方弁6、冷媒と循環液との熱交換を行う液冷媒熱交換器7、減圧手段としての床暖側膨張弁8、室外ファン9の作動により送られる空気(外気)との熱交換を行うフィンチューブ式の空気熱交換器10とを有し、それらを冷媒配管11で環状に接続して冷媒が循環する床暖側ヒートポンプ回路12を形成している。
13は空調側ヒートポンプ回路で、空調側ヒートポンプ回路13は、圧縮機5と液冷媒熱交換器7との間から分岐して、床暖側膨張弁8と空気熱交換器10との間に接続される冷媒配管11を有し、圧縮機5、四方弁6、室外機4外に設けられた室内熱交換器14、減圧手段としての空調側膨張弁15、空気熱交換器10を冷媒配管11で環状に接続して形成される。なお、圧縮機5と液冷媒熱交換器7との間から分岐して室内熱交換器14に至るまでの冷媒配管11には、空調側ヒートポンプ回路13を循環する冷媒の流れを、開弁することで流通可能状態とする、または閉弁して遮断状態とする二方弁16が設けられている。
前記床暖側ヒートポンプ回路12および前記空調側ヒートポンプ回路13は、互いに一部の回路を共用し、同一の圧縮機5を熱源としており、液冷媒熱交換器7と室内熱交換器14とを並列に備えている。なお、床暖側ヒートポンプ回路12および空調側ヒートポンプ回路13を循環する冷媒としては、HFC冷媒や二酸化炭素冷媒等の任意の冷媒を用いることができる。
17は室内に設置され温風または冷風を供給可能な室内機であり、室内機17の内部には、室内熱交換器14、室内ファン18、室内の温度を検出する室内温度センサ19、室内機制御部20を有し、室内ファン18の作動により送られる室内空気が室内熱交換器14にて熱交換され、熱交換により加熱または冷却された空気が室内に供給される。
21はエアコンユニット2を操作するための第1のリモコンとしての室内機リモコンで、室内機リモコン21はワイヤレスリモコンであり、この室内機リモコン21の送信部(図示せず)と室内機制御部20の受信部(図示せず)とは、赤外線等により無線通信を行い、室内機リモコン21の送信部から室内機制御部20の受信部への一方向通信により情報の伝達を行う。つまり、室内機リモコン21は情報を送信する機能のみを有し、情報を受信する機能はない。室内機リモコン21の送信部より発信された信号を、室内機制御部20の受信部で受けると、室内機制御部20では、室内機リモコン21から送られてきた情報を読み取り、指示された制御を行う。
前記室内機リモコン21は、エアコンユニット2に対して、室内に温風を供給する暖房運転を実行させる暖房スイッチ22と、エアコンユニット2に対して、室内に冷風を供給する冷房運転を実行させる冷房スイッチ23と、暖房運転または冷房運転を停止させる停止スイッチ24と、室内温度を設定する室内温度設定スイッチ25と、室内の設定温度や運転状態を表示する表示部26と、室内機17に対しタイマーによる運転を指示するための第1タイマー運転手段としてのタイマースイッチ45とを備えているものである。
前記暖房スイッチ22が操作され暖房運転が実行されているとき、または冷房スイッチ23が操作され冷房運転が実行されているときは、表示部26には室内の設定温度や運転状態等が表示されており、停止スイッチ24が操作され暖房運転または冷房運転が停止されたときは、表示部26には室内の設定温度や運転状態に関する表示は消え、非表示状態となる。
前記タイマースイッチ45は、暖房運転に設定されている場合、設定された運転開始時間にエアコンユニット2(室内機17)による温風暖房運転を開始するよう運転開始予約を行うことができると共に、設定された運転停止時間にエアコンユニット2(室内機17)による温風暖房運転を停止するよう運転停止予約を行うことができる。また、前記タイマースイッチ45は、冷房運転に設定されている場合、設定された運転開始時間にエアコンユニット2(室内機17)による冷風冷房運転を開始するよう運転開始予約を行うことができると共に、設定された運転停止時間にエアコンユニット2(室内機17)による冷風冷房運転を停止するよう運転停止予約を行うことができる。
上記運転開始時間の設定は、運転を開始させる時刻を設定するものと、現在から何時間後(または何分後)に運転を開始させるかを設定するものとを含み、タイマースイッチ45による運転停止時間の設定は、運転を停止させる時刻を設定するものと、現在から何時間後(または何分後)に運転を停止させるかを設定するものとを含むものである。
27は室外機4と往き管28および戻り管29を介して接続され、室外機4内の液冷媒熱交換器7で加熱された循環液が供給され、供給された循環液が保有する熱を放熱することで床暖房を行う床暖房パネル等の床暖房端末である。本実施形態では、図示された1台の床暖房端末27は、室内機17が設けられた部屋と同一の部屋の床に敷設されており、室内機17と床暖房端末27は同じ部屋(室内)に併設されている。
ここで、液冷媒熱交換器7から床暖房端末27に向かって延びる往き管28の途中には、1つの往きヘッダ30が設けられており、往き管28のうち往きヘッダ30より上流側部分は、1つの共通往き管28aとして構成され、液冷媒熱交換器7にて加熱された循環液(例えば、水や不凍液等であり、以下、加熱された循環液を温水と適宜表現する)が供給される。そして、往き管28のうち往きヘッダ30より下流側部分は複数の個別往き管28b(ここでは4本)が分岐している。分岐した個別往き管28bには、各個別往き管28bに対応させて開閉弁である熱動弁31が付設されている。
なお、本実施形態では、説明を簡略化するため、床暖房端末27が1台だけ接続されたシステムとしているが、分岐した4本の個別往き管28bそれぞれに床暖房端末27を接続(4台接続)したシステムとしてもよい。
前記往き管28と同様に、床暖房端末27から液冷媒熱交換器7に向かって延びる戻り管29の途中には、1つの戻りヘッダ32が設けられており、戻り管29のうち戻りヘッダ32より上流側部分は、複数の個別戻り管29b(ここでは4本)が分岐している。そして、戻り管29のうち戻りヘッダ32より下流側部分は、1つの共通戻り管29aとして構成され、個別戻り管29bを介して導入された循環液を液冷媒熱交換器7へと戻すものである。
33は液冷媒熱交換器7と床暖房端末27とを、往き管28および戻り管29で接続して形成され循環液が循環する循環回路で、戻り管29(共通戻り管29a)には、循環回路33に循環液を循環させる回転数可変の循環ポンプ34と、循環液を貯留し循環回路33の圧力を調整するシスターン35とを備えている。
36は床暖房ユニット3を操作するための第2のリモコンとしての床暖房リモコンで、床暖房リモコン36はワイヤードリモコンであり、室内の壁面に取り付けられる。また、後述する室外機制御部44との間で双方向通信により情報の伝達を行うことができる。
ここで、図2に示すように、床暖房リモコン36は、表示部37と、操作スイッチとしての床暖房端末27の運転開始・停止を指示するための運転/停止スイッチ38と、床暖房端末27に対しタイマーによる運転を指示するための第2タイマー運転手段としてのタイマースイッチ39と、床暖房端末27の運転態様(通常モード・セーブモード等)の切替を指示する運転切替スイッチ40と、画面表示を1つ前の画面に戻すための戻るスイッチ41と、メニュー/決定スイッチ42と、上下左右方向への十字キー43と、が備えられている。また、図示を省略しているが、床暖房リモコン36には、床暖房ユニット3の動作制御や、後述する各種の表示を行うための、表示制御手段としてのCPUや記憶手段としてのメモリ等が内蔵されている。
前記タイマースイッチ39は、設定された運転開始時間に床暖房ユニット3(床暖房端末27)による床暖房運転を開始するよう運転開始予約を行うことができると共に、設定された運転停止時間に床暖房ユニット3による床暖房運転を停止するよう運転停止予約を行うことができる。
上記運転開始時間の設定は、運転を開始させる時刻を設定するものと、現在から何時間後(または何分後)に運転を開始させるかを設定するものとを含み、タイマースイッチ39による運転停止時間の設定は、運転を停止させる時刻を設定するものと、現在から何時間後(または何分後)に運転を停止させるかを設定するものとを含むものである。
また、床暖房リモコン36の表示部37は、前記CPUの制御により、複数の設定画面(後述の画面100~101)を切替可能に表示することができる。すなわち、表示部37は、図2(a)に示す例では、空調システム1全体に係わる設定を行うための全体設定画面100を表示している。また、図2(b)に示す例では、表示部37は、室内に設けられた床暖房端末27の運転開始・停止設定を含む、床暖房端末27に係わる設定を行うための端末設定画面101を表示している。なお、端末設定画面は、接続される床暖房端末27の台数に対応した数(本実施形態では最大4つ)だけ設けることができる。
このとき、表示部37に表示される各設定画面100~101の一方側端部(この例では設定画面100~101上部の右端寄り)に、全体設定画面100を選択するための、「メイン」表記のタブTMが上方へ突出するように設けられている。また、各設定画面100~101の他方側端部(この例では設定画面100~101上部の左端)に、端末設定画面101を選択するための「A」表記のタブTAが設けられている。これらタブTM、TAは、各設定画面100~101のいずれが表示されている状態においても操作可能にそれぞれ表示されており、十字キー43等を介し、タブTM、TAのいずれかを操作することにより、操作されたタブTM、TAを備えた設定画面100~101を表示することができる。
表示状態にある設定画面100~101に対応するタブTM、TAでは、上記CPUの制御により、図2(a)~(b)に示すように、各タブから移動可能な他のタブの位置の方向(配置される側)を表すように、上記「メイン」「A」の表記のサイドに、「▲(右向き)」または「▲(左向き)」の表示が行われる。例えば、図2(a)に示すように、全体設定画面100で選択状態にあるタブTMについては、当該タブTMから移動して選択できるのはタブTAだけであることから、タブTMの左サイドに、タブTAの側に対応した「▲(左向き)」の表示が行われる。同様に、図2(b)に示すように、端末設定画面101で選択状態にあるタブTAについては、当該タブTAから移動して選択できるのはタブTMだけであることから、タブTAの右サイドに、タブTMの側に対応した「▲(右向き)」の表示が行われる。
また、床暖房リモコン36は、エアコンユニット2による温風暖房運転と、床暖房ユニット3による床暖房運転の連動運転を行うか否かを選択・設定する選択手段を備え、選択手段は、連動運転と非連動運転との切り替えを行うための構成(連動運転をするかしないか設定するメニュー画面や切替スイッチ等)を有しており、選択手段にて連動運転状態に切り替えて運転を開始すれば、温風暖房運転と床暖房運転との連動運転を行う。選択手段17にて連動運転状態に切り替えられた状態では、室内機リモコン21からエアコンユニット2の運転開始操作を行うことができると共に、床暖房ユニット3の運転開始操作を行うことができる。なお、選択手段は、室内機リモコン21の方に設けられていてもよい。
44は室外機4の制御を行う熱源制御部としての室外機制御部で、主にCPU、ROM、RAM等を備えたマイクロコンピュータで構成され、室外機4内の各種センサ、室内機制御部20、床暖房リモコン36からの信号を受けて、空調システム1の動作を制御できるようになっている。
前記室外機制御部44は、室内機制御部20との間で制御信号S11のやり取りを行い双方向通信により情報の伝達を行うことができ、室内機リモコン21から送信される制御信号S1に対応する情報も室内機制御部20を介して取得可能である。また、室外機制御部44は、床暖房リモコン36との間で制御信号S2のやり取りを行い双方向通信によりの情報の伝達を行うことができる。
ここで、前述のエアコンユニット2は、大まかには、室外機4と室内機17とで構成され、より詳細には、空調側ヒートポンプ回路13(圧縮機5、四方弁6、室外ファン9、空気熱交換器10、室内熱交換器14、空調側膨張弁15、二方弁16)、室外機制御部44、および室内機17(室内熱交換器14、室内ファン18、室内温度センサ19、室内機制御部20)とで構成されている。また、床暖房ユニット3は、大まかには、室外機4と床暖房端末27とで構成され、より詳細には、床暖側ヒートポンプ回路12(圧縮機5、四方弁6、液冷媒熱交換器7、床暖側膨張弁8、室外ファン9、空気熱交換器10)、室外機制御部44、および床暖房端末27とで構成されている。
前記エアコンユニット2および床暖房ユニット3は、同一の圧縮機5を熱源とし、室外機制御部44も共用していることから、室外機制御部44では、エアコンユニット2および床暖房ユニット3の両ユニットの運転状態を把握可能であるため、室外機制御部44との間で双方向通信を行う床暖房リモコン36は、エアコンユニット2の作動情報(運転中か停止中かなど)を取得可能である。
次に、空調システム1の動作について説明する。
まず、エアコンユニット2単独での温風暖房運転について説明すれば、ユーザにより室内機リモコン21の暖房スイッチ22が操作(押圧)され、室内機リモコン21から温風暖房運転開始指示信号が送られると、室内機制御部20でその信号を受け、室内機制御部20から室外機制御部44にその信号が送られる。この時、室内機リモコン21の表示部26には、室内の設定温度や運転状態(暖房)等が表示される。
前記温風暖房運転の開始指示が出ると、室内機制御部20は室内ファン18の駆動を開始させ、室外機制御部44は空調側ヒートポンプ回路13の作動を開始させる。具体的に室外機制御部44は、四方弁6を暖房時の流路に切り替え、二方弁16を開弁させ、圧縮機5および室外ファン9の駆動を開始させ、空調側膨張弁15の開度を暖房開始時の開度に制御して、温風暖房運転が開始される。
前記温風暖房運転中、空調側ヒートポンプ回路13では、圧縮機5で圧縮された高温・高圧のガス状の冷媒が圧縮機5から吐出され、冷媒は二方弁16を通過し、凝縮器として機能する室内熱交換器14にて室内機17が設置されている室内の空気と熱交換を行う。室内熱交換器14で冷媒は室内空気を加熱しながら気液混合状態で高圧の冷媒に変化する。そして、この状態の冷媒が空調側膨張弁15において減圧されて低圧の冷媒となって蒸発しやすい状態となり、蒸発器として機能する空気熱交換器10において、室外ファン9の作動により送られる外気と熱交換を行って外気から吸熱して低温・低圧のガス状の冷媒となって、再び圧縮機5へ戻るものである。
なお、エアコンユニット2単独での温風暖房運転時には床暖側膨張弁8を微小開としており、微小開とすることで液冷媒熱交換器7に冷媒が溜まり込まないようにし、能力不足等の不具合が発生することを防止している。
次に、エアコンユニット2単独での冷風冷房運転について説明すれば、ユーザにより室内機リモコン21の冷房スイッチ23が操作(押圧)され、室内機リモコン21から冷風冷房運転開始指示信号が送られると、室内機制御部20でその信号を受け、室内機制御部20から室外機制御部44にその信号が送られる。この時、室内機リモコン21の表示部26には、室内の設定温度や運転状態(冷房)等が表示される。
前記冷風冷房運転の開始指示が出ると、室内機制御部20は室内ファン18の駆動を開始させ、室外機制御部44は空調側ヒートポンプ回路13の作動を開始させる。具体的に室外機制御部44は、四方弁6を冷房時の流路に切り替え、二方弁16を開弁させ、圧縮機5および室外ファン9の駆動を開始させ、空調側膨張弁15の開度を冷房開始時の開度に制御して、冷風冷房運転が開始される。
前記冷風冷房運転中、空調側ヒートポンプ回路13では、圧縮機5で圧縮された高温・高圧のガス状の冷媒が圧縮機5から吐出され、凝縮器として機能する空気熱交換器10において、室外ファン9の作動により送られる外気と熱交換を行って外気へ放熱して気液混合状態で高圧の冷媒に変化する。そして、この状態の冷媒が空調側膨張弁15において減圧されて低圧の冷媒となって蒸発しやすい状態となり、蒸発器として機能する室内熱交換器14にて室内機17が設置されている室内の空気と熱交換を行う。室内熱交換器14で冷媒は室内空気を冷却しながら低温・低圧のガス状の冷媒となり、二方弁16を通過して、再び圧縮機5へ戻るものである。
次に、床暖房ユニット3単独での床暖房運転について説明すれば、床暖房リモコン36の表示部37に端末設定画面101が表示された状態で、ユーザにより床暖房リモコン36の運転/停止スイッチ38が操作され、床暖房端末27の運転開始指示がなされると、室外機制御部44でその指示信号を受ける。この時、床暖房リモコン36の表示部37には、床暖房の運転状態や床暖房の温度レベル等が表示される。
前記床暖房運転の開始指示が出ると、室外機制御部44は床暖側ヒートポンプ回路12の作動を開始、具体的には室外機制御部44は、四方弁6を暖房時の流路に切り替え、圧縮機5および室外ファン9の駆動を開始させ、床暖側膨張弁8の開度を暖房開始時の開度に制御し、さらに、室外機制御部44は、熱動弁31を開弁させ、循環ポンプ34の駆動を開始させることで、床暖房運転が開始される。なお、二方弁16は床暖房運転が単独で行われているときは閉弁させている。
前記床暖房運転中、床暖側ヒートポンプ回路12では、圧縮機5で圧縮された高温・高圧のガス状の冷媒が圧縮機5から吐出され、凝縮器として機能する液冷媒熱交換器7にて熱交換を行う。液冷媒熱交換器7で冷媒は循環回路33を循環する循環液を加熱しながら、気液混合状態で高圧の冷媒に変化する。そして、この状態の冷媒が床暖側膨張弁8において減圧されて低圧の冷媒となって蒸発しやすい状態となり、蒸発器として機能する空気熱交換器10において、室外ファン9の作動により送られる外気と熱交換を行って外気から吸熱して低温・低圧のガス状の冷媒となって、再び圧縮機5へ戻るものである。液冷媒熱交換器7にて加熱された循環液は、循環ポンプ34の駆動により床暖房端末27に供給され、供給された循環液が保有する熱を放熱することで床暖房端末27が敷設された室内を暖房するものである。
また、前記温風暖房運転と前記床暖房運転がそれぞれ個別に開始されて、エアコンユニット2と床暖房ユニット3が同時に運転している場合、または、エアコンユニット2による温風暖房運転と床暖房ユニット3による床暖房運転との連動運転が行われる場合、圧縮機5から吐出された冷媒は、凝縮器として機能する液冷媒熱交換器7および室内熱交換器14の双方に流れ、そして、それぞれ必要な開度に制御された床暖側膨張弁8および空調側膨張弁15を通過した後に合流し、蒸発器として機能する空気熱交換器10を流通して、再び圧縮機5へ戻るものである。
次に、エアコンユニット2のタイマー運転について説明すれば、ユーザにより室内機リモコン21にて、タイマースイッチ45が操作(押圧)され、温風暖房運転を開始させるための運転開始時間が設定されると、室内機リモコン21からタイマー運転(運転開始予約)の指示信号が室内制御部20に送られ、室内機制御部20でその信号を受け、ユーザにより設定された運転開始時間になったら、室内機制御部20から室外機制御部44に温風暖房運転を開始させるための指示信号が送られる。タイマー運転での温風暖房運転が開始された時、室内機リモコン21の表示部26には、室内の設定温度や運転状態(暖房)等が表示されている。なお、温風暖房運転の動作自体は、先に説明したエアコンユニット2単独での温風暖房運転と同じなので説明を省略する。
また、エアコンユニット2での温風暖房運転中に、ユーザにより室内機リモコン21のタイマースイッチ45が操作(押圧)され、温風暖房運転を停止させるための運転停止時間が設定されると、室内機リモコン21からタイマー運転(運転停止予約)の指示信号が室内制御部20に送られ、室内機制御部20でその信号を受け、ユーザにより設定された運転停止時間になったら、室内機制御部20から室外機制御部44に温風暖房運転を停止させるための指示信号が送られる。タイマー運転で温風暖房運転が停止された時、室内機リモコン21の表示部26は非表示状態となり、室内の設定温度や運転状態に関する表示は消えた状態となる。なお、ここでは、温風暖房運転を例に挙げタイマー運転の説明を行ったが、タイマー運転は、エアコンユニット2による冷風冷房運転でも行え、その内容は冷房か暖房かの違いだけで温風暖房運転と同様であるため、冷風冷房運転時の説明については省略する。
次に、床暖房ユニット3のタイマー運転について説明すれば、床暖房リモコン36の表示部37に端末設定画面101が表示された状態で、ユーザにより床暖房リモコン36のタイマースイッチ39が操作(押圧)され、床暖房運転を開始させるための運転開始時間および床暖房運転を停止させるための運転停止時間が設定されると、その運転開始時間および運転停止時間を床暖房リモコン36のCPUで記憶しておき、設定された運転開始時間になると、床暖房リモコン36のCPUから室外機制御部44にタイマー運転での温風暖房運転を開始させるための指示信号が送られる。タイマー運転での温風暖房運転が開始された時、床暖房リモコン36の表示部37には、運転状態(床暖房運転中)等が表示される。そして、設定された運転停止時間になると、床暖房リモコン36のCPUから室外機制御部44にタイマー運転での温風暖房運転を停止させるための指示信号が送られる。タイマー運転での温風暖房運転が停止された時、床暖房リモコン36の表示部37には、運転状態(床暖房運転停止)等が表示される。
次に、図3を用いて、前記連動運転が選択された場合における、床暖房リモコン36および室内機リモコン21の画面遷移例(床暖房リモコン36の表示部37および室内機リモコン21の表示部26の画面遷移例)について説明する。
まず、前記選択手段により連動運転が選択・設定されておらず、すべての運転が停止中である場合、図3(a)に示すように、床暖房リモコン36の表示部37では、全体設定画面100(図3(a)の一番左の床暖房リモコン36の表示部37参照。)と端末設定画面101(図3(a)の真ん中床暖房リモコン36の表示部37参照。)との設定画面切り替えが可能である。また、室内機リモコン21の表示部26は非表示状態であり、室内の設定温度や運転状態に関する表示は消えた状態となっている。
図3(a)において、床暖房リモコン36の表示部37に全体設定画面100が表示されている場合、全体設定画面100中央に室外機4(熱源)の運転状態が表される(この例では停止)と共に、タブTM内に室外機4の運転状態を表す状態表示がなされる(この例では停止状態である「OFF」が表記される)。また、全体設定画面100が表示されている場合、床暖房リモコン36の運転/停止スイッチ38には、室外機4の運転停止、より詳細には熱源としての圧縮機5の運転停止を指示する機能のみが付与され、圧縮機5の運転開始を指示する機能は付与されないよう床暖房リモコン36のCPUによって制御されている。
そして、十字キー43の操作によりタブTMからタブTAに移行すると、表示制御手段は、表示部37に表示される設定画面を全体設定画面100(図3(a)の一番左の床暖房リモコン36の表示部37参照。)から端末設定画面101(図3(a)の真ん中の床暖房リモコン36の表示部37参照。)に切り替える。床暖房リモコン36の表示部37に端末設定画面101が表示されている場合、端末設定画面101中央に、対応する床暖房端末27の部屋名と運転状態が表され(この例では「リビング温水暖房停止」)、画面右寄りには、床暖房端末27に供給される温水の温度レベルと、その温度レベルを表すインジケータが表示される。なお、タブTA内には、対応する床暖房端末27の運転状態を表す状態表示(「OFF」表記)がなされる。また、端末設定画面101が表示されている場合、床暖房リモコン36の運転/停止スイッチ38には、室外機4の運転開始・運転停止、より詳細には熱源としての圧縮機5の運転開始を指示する機能と、圧縮機5の運転停止を指示する機能が付与されるよう床暖房リモコン36のCPUによって制御されている。
ここで、床暖房リモコン36に全体設定画面100が表示されている状態(図3(a)左)において、連動運転を行うか否かを選択・設定する前記選択手段により連動運転を行うことが選択・設定された場合、表示制御手段は、全体設定画面100を表示すると共に、十字キー43の操作によるタブTMからタブTAへの移行が行えないように、タブTAの表示を消し、常に全体設定画面100が表示されている状態にする(図3(b)の床暖房リモコン36の表示部37参照)、すなわち、全体設定画面100から端末設定画面101には切り替えができない状態となる。
このとき、床暖房リモコン36の表示部37には、常に全体設定画面100が表示されるため、床暖房リモコン36の運転/停止スイッチ38には、圧縮機5の運転停止を指示する機能のみが付与され、床暖房リモコン36から圧縮機5の運転停止は実行できるが、運転開始は実行できないようにされ、床暖房リモコン36からは連動運転の開始を実行できないようにされている。なお、室内機リモコン21は一方向通信しかできないため、前記選択手段により連動運転を行うことが選択・設定された場合であっても、何ら変化はなく、室内機リモコン21の表示部26は非表示状態となっている(図3(b)の室内機リモコン21の表示部26参照)。
前記選択手段により連動運転を行うことが選択・設定された状態で、ユーザにより室内機リモコン21の暖房スイッチ22が押し操作されると、連動運転が開始される。このとき、室内機リモコン21の表示部26には、室内の設定温度や暖房運転が実行中であることを示す状態が表示される(図3(c)の室内機リモコン21の表示部26参照)。床暖房リモコン36の表示部37には、全体設定画面100中央に室外機4(熱源)の運転状態が表される(この例では運転中)と共に、タブTM内に室外機4の運転状態を表す状態表示(「ON」表記)がなされる(図3(c)の床暖房リモコン36の表示部37参照)。連動運転中に、ユーザにより室内機リモコン21の停止スイッチ24が押し操作されると、連動運転が停止され、床暖房リモコン36の表示部37および室内機リモコン21の表示部26は、図3(b)に示される表示状態となる。
以上説明したように、連動運転の開始を一方向通信を行う室内機リモコン21からのみ実行できるようにし、双方向通信を行う床暖房リモコン36からは連動運転の開始を実行できないようにしたことで、連動運転時において、従来のように、室内機17は運転しているのに室内機リモコン21の表示部26は非表示状態となるといった、室内機17の作動と室内機リモコン21の表示が不一致の状態にはならない、すなわち、連動運転において、室内機17の作動(温風暖房運転中)と室内機リモコン21の表示(暖房運転実行中である旨の表示)が一致すると共に、床暖房端末27の作動(床暖房運転中)と床暖房リモコン36(暖房運転実行中である旨の表示)の表示が一致した状態となり、ユーザにいらぬ疑念を抱かせることがなく、現在の運転状態を正確に伝えることができるものである。
また、連動運転を行うか否かを選択する選択手段により、連動運転が選択された場合に、連動運転の開始を室内機リモコン21から実行できるようにし、床暖房リモコン36からは連動運転の開始を実行できないようにしたことで、連動運転選択時には、連動運転開始を実行できるのは確実に室内機リモコン21だけとなり、連動運転時において、特に、室内機17の作動と室内機リモコン21の表示の不一致を防止することができるものである。
また、エアコンユニット2と床暖房ユニット3は、同一の圧縮機5を熱源とする室外機4(ヒートポンプ式熱源機)を備え、選択手段により連動運転が選択された場合に、室内機リモコン21からは圧縮機5の運転開始および運転停止を実行できるようにし、床暖房リモコン36からは圧縮機5の運転開始を実行できないようにすると共に、圧縮機5の運転停止を実行できるようにしたので、運転開始の実行は室内機リモコン21だけに制限して、連動運転時において、特に、室内機17の作動と室内機リモコン21の表示の不一致を防止すると共に、運転停止の実行はどちらのリモコンからでもできるようにしたので使い勝手がよいものである。
さらに、床暖房リモコン36は、空調システム1全体に関する設定を行うための全体設定画面100、および、床暖房ユニット3(床暖房端末27)の運転開始・停止設定を含む床暖房ユニット3に関する設定を行うための端末設定画面101を切替可能に表示部37に表示するものであり、選択手段により連動運転が選択された場合、床暖房リモコン36の表示部37には、全体設定画面100を表示すると共に端末設定画面101への切り替えができないようにし、全体設定画面100を表示しているとき、床暖房リモコン36の運転/停止スイッチ38には、圧縮機5の運転停止を指示する機能のみが付与され、床暖房リモコン36から圧縮機5の運転停止は実行できるが、運転開始は実行できないようにし、床暖房リモコン36から連動運転の開始を実行できないようにしたことで、連動運転が選択された場合に、床暖房リモコン36において、運転開始指示が行えない全体設定画面100を常に表示し、床暖房ユニット3の運転開始指示が行える端末設定画面101が出現しないようにして、床暖房リモコン36からは運転開始指示が行えないことをユーザに認識させ、運転を開始させるためには室内機リモコン21を操作しなければならないことを自然と意識させることができる。
続いて、図4を用いて、前記選択手段により連動運転が選択されていない場合における、床暖房リモコン36および室内機リモコン21の画面遷移例(床暖房リモコン36の表示部37および室内機リモコン21の表示部26の画面遷移例)について説明する。なお、図4(a)は連動運転が選択されていない状態であり、状態としては先に説明した図3(a)と同じであるため、説明を省略する。
図4(a)の床暖房リモコン36の表示部37に端末設定画面101が表示されているとき、床暖房リモコン36の運転/停止スイッチ38には、室外機4の運転開始・運転停止、より詳細には熱源としての圧縮機5の運転開始を指示する機能と、圧縮機5の運転停止を指示する機能が付与されるよう床暖房リモコン36のCPUによって制御されており、端末設定画面101が表示されている状態で、ユーザにより床暖房リモコン36の運転/停止スイッチ38が操作され、運転が開始(床暖房運転が単独で開始)された場合、端末設定画面101中央に、対応する床暖房端末27の部屋名と運転状態が表される(この例では「リビング温水暖房運転中」)。なお、タブTA内には、対応する床暖房端末27の運転状態を表す状態表示(「ON」表記)がなされ、タブTM内には、室外機4の運転状態を表す状態表示(「ON」表記)がなされる。
このとき、十字キー43の操作によりタブTAからタブTMに移行すると、表示制御手段は、表示部37に表示される設定画面を端末設定画面101(図4(b)の真ん中の床暖房リモコン36の表示部37参照。)から全体設定画面100(図4(b)の一番左の床暖房リモコン36の表示部37参照。)に切り替える。床暖房リモコン36の表示部37に全体設定画面100が表示されている場合、全体設定画面100中央に室外機4(熱源)の運転状態が表される(この例では運転中)と共に、タブTM内に室外機4の運転状態を表す状態表示(「ON」表記)がなされ、タブTA内には、対応する床暖房端末27の運転状態を表す状態表示(「ON」表記)がなされる。なお、床暖房運転が単独で行われているとき、室内機リモコン21の表示部26は非表示状態となっている(図4(b)の室内機リモコン21の表示部26参照)。
前記床暖房運転が単独で行われているとき、床暖房リモコン36の表示部37に端末設定画面101が表示されている状態で、ユーザにより床暖房リモコン36の運転/停止スイッチ38が操作され、運転が停止された場合、床暖房リモコン36の表示部37および室内機リモコン21の表示部26は図4(a)に示すような状態となる。
また、選択手段により連動運転が選択・設定されておらず、すべての運転が停止中である図4(a)の状態において、ユーザにより室内機リモコン21の暖房スイッチ22が押し操作されると、温風暖房運転(エアコンユニット2単独での温風暖房運転)が開始される。このとき、室内機リモコン21の表示部26には、室内の設定温度や暖房運転が実行中であることを示す状態が表示される(図4(c)の室内機リモコン21の表示部26参照)。
このとき、床暖房リモコン36の表示部37に全体設定画面100が表示されている場合には、全体設定画面100中央に室外機4(熱源)の運転状態が表される(この例では運転中)と共に、タブTM内に室外機4の運転状態を表す状態表示(「ON」表記)がなされ、対応する床暖房端末27の運転状態を表す状態表示(「OFF」表記)がなされる。(図4(c)の一番左の床暖房リモコン36の表示部37参照)。一方、床暖房リモコン36の表示部37に端末設定画面101が表示されている場合には、端末設定画面101中央に、対応する床暖房端末27の部屋名と運転状態が表され(この例では「リビング温水暖房停止」)、タブTA内には、対応する床暖房端末27の運転状態を表す状態表示(「OFF」表記)がなされ、タブTM内には、室外機4の運転状態を表す状態表示(「ON」表記)がなされる。
前記温風暖房運転(エアコンユニット2単独での温風暖房運転)が行われているとき、ユーザにより室内機リモコン21の停止スイッチ24が押し操作されると、温風暖房運転が停止され、床暖房リモコン36の表示部37および室内機リモコン21の表示部26は、図4(a)に示される表示状態となる。
なお、前記床暖房運転が単独で行われている状態で前記温風暖房運転が開始され、エアコンユニット2と床暖房ユニット3が同時に運転状態となった場合、もしくは、前記温風暖房運転が単独で行われている状態で前記床暖房運転が開始され、エアコンユニット2と床暖房ユニット3が同時に運転状態となった場合、床暖房リモコン36の表示部37には、図4(b)の全体設定画面100または端末設定画面101が表示され、室内機リモコン21の表示部26には、室内の設定温度や暖房運転が実行中であることを示す状態が表示される(図4(c)の室内機リモコン21の表示部26参照)。
以上説明したように、連動運転が選択されていない場合、床暖房リモコン36は、空調システム1全体に関する設定を行うための全体設定画面100、および、床暖房ユニット3(床暖房端末27)の運転開始・停止設定を含む床暖房ユニット3に関する設定を行うための端末設定画面101を切替可能に表示部37に表示するものであり、連動運転が選択されておらず床暖房リモコン36の表示部37に端末設定画面101が表示されているとき、床暖房リモコン36の運転/停止スイッチ38には、室外機4の運転開始・運転停止、より詳細には熱源としての圧縮機5の運転開始を指示する機能と、圧縮機5の運転停止を指示する機能が付与されているため、床暖房リモコン36から圧縮機5の運転開始と運転停止を実行することができ、床暖房ユニット3の運転開始・停止指示が行えるので、連動運転が選択されていない場合には、床暖房リモコン36からの運転開始が制限されることはなく、通常の使い方が適用され使い勝手がよいものである。
次に、前記選択手段により連動運転が選択された状態でタイマー運転が開始される場合の動作について説明する。
まず、すべての運転が停止中であるときに、前記選択手段により連動運転を行うことが選択・設定されると、床暖房リモコン36の表示部37および室内機リモコン21の表示部26は、先に説明したような図3(b)に示すような状態となり、空調システム1としては連動運転が実行可能な状態となる。この状態の時に、ユーザにより室内機リモコン21にて、タイマースイッチ45が操作(押圧)され、温風暖房運転を開始させるための運転開始時間が設定されると、室内機リモコン21からタイマー運転(運転開始予約)の指示信号が室内制御部20に送られ、室内機制御部20でその信号を受ける。そして、ユーザにより設定された運転開始時間になったら、室内機制御部20から室外機制御部44に温風暖房運転を開始させるための指示信号が送られ、室外機制御部44は、室内機制御部20からの運転開始指示信号と、選択手段による連動運転選択設定とに基づき、連動運転を開始させる。
このタイマー運転での連動運転が開始されたとき、室内機リモコン21の表示部26は、先に説明したような図3(c)に示すような状態となり、室内の設定温度や暖房運転が実行中であることを示す状態が表示され、床暖房リモコン36の表示部37には、全体設定画面100中央に室外機4(熱源)の運転状態が表される(この例では運転中)と共に、タブTM内に室外機4の運転状態を表す状態表示(「ON」表記)がなされる。
ここで、図3(b)に示すような状態のとき、すなわち、選択手段により連動運転を行うことが選択・設定されたとき、床暖房リモコン36の表示部37には全体設定画面100が表示され、全体設定画面100が表示されている状態(端末設定画面101に移行できない状態)で、床暖房リモコン36のタイマースイッチ39を操作(押圧)しても、その操作は禁止または無効とされ、床暖房リモコン36のタイマースイッチ39からは運転開始予約は行えず、床暖房リモコン36からはタイマー運転での連動運転の開始を実行できないようにされている。
以上説明したように、連動運転が選択された場合、室内機リモコン21のタイマースイッチ45からは運転開始予約を行うことができ、設定された運転開始時間に連動運転の開始を実行できるようにし、床暖房リモコン36のタイマースイッチ39からは運転開始予約は行えず、連動運転の開始を実行できないようにしたことで、タイマー運転による連動運転時において、従来のように、室内機17は運転しているのに室内機リモコン21の表示部26は非表示状態となるといった、室内機17の作動と室内機リモコン21の表示が不一致の状態にはならない、すなわち、タイマー運転による連動運転において、室内機17の作動(温風暖房運転中)と室内機リモコン21の表示(暖房運転実行中である旨の表示)が一致すると共に、床暖房端末27の作動(床暖房運転中)と床暖房リモコン36(暖房運転実行中である旨の表示)の表示が一致した状態となり、ユーザにいらぬ疑念を抱かせることがなく、現在の運転状態を正確に伝えることができるものである。
なお、本発明は先に説明した一実施形態に限定されるものでなく、本実施形態に記載した構成を適宜組み合わせ乃至選択することを含め、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。また、前記実施形態の構成の一部について、追加、削除、置換をすることができる。
例えば、本実施形態では、エアコンユニット2を操作するための第1のリモコンとして、ワイヤレスリモコンである室内機リモコン21を適用したが、第1のリモコンとしては、スマートフォンやタブレット等の表示部を有する通信機能付き携帯端末(以下、携帯端末とする)であってもよく、必要な通信環境(例えば、HEMSコントローラ、ミドルウェアアダプタ、ルーター、インターネット環境等)さえ揃っていれば、携帯端末からエアコンユニット2の室内機17へ情報の伝達を行える。
上記の場合、携帯端末から発信された信号を、室内機制御部20の受信部で受けると、室内機制御部20では、携帯端末から送られてきた情報を読み取り、指示された制御を行う。
ここで、選択手段により連動運転が選択されている場合に、携帯端末からエアコンユニット2の運転開始を指示する信号が送られると、携帯端末からの指示信号が室内制御部20に送られ、室内機制御部20でその信号を受ける。そして、室内機制御部20からは室外機制御部44に温風暖房運転を開始させるための指示信号が送られ、室外機制御部44は、室内機制御部20からの運転開始指示信号と、選択手段による連動運転選択設定とに基づき、連動運転を開始させる。
このとき、携帯端末の表示部には室内の設定温度や暖房運転が実行中であることを示す状態が表示され、さらに、床暖房リモコン36の表示部37には、全体設定画面100中央に室外機4(熱源)の運転状態が表される(この例では運転中)と共に、タブTM内に室外機4の運転状態を表す状態表示(「ON」表記)がなされる。(図3(c)に示す床暖房リモコン36の表示部37のような表示状態となる。)よって、携帯端末からの運転開始指示による連動運転においても、室内機17の作動(温風暖房運転中)と携帯端末の表示(暖房運転実行中である旨の表示)が一致すると共に、床暖房端末27の作動(床暖房運転中)と床暖房リモコン36(暖房運転実行中である旨の表示)の表示が一致した状態となり、ユーザにいらぬ疑念を抱かせることがなく、現在の運転状態を正確に伝えることができるものである。
なお、携帯端末からはエアコンユニット2の運転開始(暖房運転開始または冷房運転開始)を指示する信号の他に、運転停止を指示する信号や室内温度の変更を指示する信号も送ることができ、先に説明した室内機リモコン21と同じような機能を有している。
また、上述のように、必要な通信環境が揃っている場合、携帯端末はエアコンユニット2との間で双方向通信により情報の伝達を行うことができるが、携帯端末からの運転開始指示に対して、エアコンユニット2側からの応答がない、例えば、エアコンユニット2側は携帯端末からの指示信号を受信するだけで、指示信号に対する応答信号を送信しないように制御されている場合、または、一時的な通信障害等により応答信号が送信できない場合のように、エアコンユニット2に対して携帯端末からの擬似的な一方向通信による情報の伝達が行われる場合であっても、連動運転時は、室内機17の作動と携帯端末の表示が一致すると共に、床暖房端末27の作動と床暖房リモコン36の表示が一致した状態となり、ユーザにいらぬ疑念を抱かせることがなく、現在の運転状態を正確に伝えることができるものである。
次に、本発明の他の実施形態について、図5に基づき説明する。なお、先に説明した一実施形態と構成および動作が同一のものについては一部説明を省略する。
46は室内機リモコン21に設けられ、エアコンユニット2による温風暖房運転と、床暖房ユニット3による床暖房運転との連動運転を開始させる連動運転実行操作手段としての連動運転スイッチである。この連動運転スイッチ46は室内機リモコン21にのみ設けられ、床暖房リモコン36には設けない。
なお、連動運転スイッチ46を設けた本実施形態の場合は、先に説明した一実施形態での、連動運転を行うか否かを選択・設定する選択手段を省略してもよいものである。
次に、室内機リモコン21の連動運転スイッチ46が操作された場合における連動運転の動作について説明する。
例えば、すべての運転が停止中であるときに、ユーザにより室内機リモコン21の連動運転スイッチ46が操作(押圧)されると、室内機リモコン21からの連動運転開始指示信号が室内制御部20に送られ、室内機制御部20でその信号を受ける。そして、室内機制御部20からは室外機制御部44に連動運転を開始させるための指示信号が送られ、連動運転を開始させる。
このとき、室内機リモコン21の表示部26には、室内の設定温度や暖房運転が実行中であることを示す状態が表示される(図3(c)の室内機リモコン21の表示部26参照)。床暖房リモコン36の表示部37には、全体設定画面100中央に室外機4(熱源)の運転状態が表される(この例では運転中)と共に、タブTM内に室外機4の運転状態を表す状態表示(「ON」表記)がなされる(図3(c)の床暖房リモコン36の表示部37参照)。
以上説明したように、室内機リモコン21にのみ連動運転スイッチ46を設けたことで、室内機リモコン21から確実に連動運転が開始され、連動運転時において、従来のように、室内機17は運転しているのに室内機リモコン21の表示部26は非表示状態となるといった、室内機17の作動と室内機リモコン21の表示が不一致の状態にはならない、すなわち、タイマー運転による連動運転において、室内機17の作動(温風暖房運転中)と室内機リモコン21の表示(暖房運転実行中である旨の表示)が一致すると共に、床暖房端末27の作動(床暖房運転中)と床暖房リモコン36(暖房運転実行中である旨の表示)の表示が一致した状態となり、ユーザにいらぬ疑念を抱かせることがなく、現在の運転状態を正確に伝えることができるものである。
なお、本実施形態では、連動運転を開始させる連動運転実行操作手段として、連動運転開始専用の連動運転スイッチ46を設けたが、例えば、室内機リモコン21にタイマー運転を行えるタイマースイッチを設け、このタイマースイッチに連動運転の機能を兼ね備え、室内機リモコン21のタイマースイッチが操作されて運転開始予約が行われ、設定された運転開始時間となったときに、必ず連動運転が開始されるようにしておけば、タイマースイッチを連動運転実行操作手段としてもよいものである。連動運転実行操作手段は連動運転の開始を実行できるものであれば特に限定されるものではない。