以下、本発明に係る熱源側ユニットの実施の形態について図面を参照して説明する。本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、本発明は、以下の実施の形態に示す構成のうち、組み合わせ可能な構成のあらゆる組み合わせを含むものである。また、各図において、同一の符号を付したものは、同一の又はこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。なお、各図面では、各構成部材の相対的な寸法関係または形状等が実際のものとは異なる場合がある。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る熱源側ユニット1の内部を模式的に示した概略正面図である。図2は、実施の形態1に係る熱源側ユニット1の内部を模式的に示した概略側面図である。図3は、図1のA-A断面図である。なお、図3においては、平面視におけるファン3の位置が分かるように、ファン3を破線で示している。図1~図3に示すように、熱源側ユニット1は、熱源側熱交換器2、制御箱4、圧縮機11、圧縮機用ドライバモジュール20、ファン3、および、ファン用ドライバモジュール30を備えている。さらに、熱源側ユニット1は、圧縮機用出力線21、圧縮機用制御線22、ファン用出力線31、および、ファン用制御線32を備えている。
熱源側ユニット1は、例えば直方体形状に形成され、その外郭が筐体40で構成される。筐体40は、上面パネル41、正面パネル42、背面パネル43、2つの側面パネル44、および、底面パネル45とで構成される。底面パネル45は、ドレンパンを兼ねており、ドレン水および雨水を排出する。なお、ドレンパンは、底面パネル45と別体で設けてもよい。正面パネル42、背面パネル43、および、2つの側面パネル44には、図3に示すように、室外空気を取り込むための吸入口48が設けられている。ここで、正面パネル42、背面パネル43、および、2つの側面パネル44のそれぞれで形成される面のうち、少なくとも1つの面が、保守作業を行う際に使用される作業面となる。
正面パネル42、背面パネル43、および、2つの側面パネル44は、底面パネル45の周縁部に沿って設けられている。正面パネル42、背面パネル43、および、2つの側面パネル44は、底面パネル45の周縁部から鉛直方向に延びている。また、正面パネル42、背面パネル43、および、2つの側面パネル44のそれぞれの上には、上面パネル41が設けられる。上面パネル41には、熱源側ユニット1内の空気を外部に放出するための排出口47が設けられる。排出口47は、ファン3と、ファン3の周囲を覆うようにして設けられたファンガード46とで構成されている。
熱源側熱交換器2は、図3に示すように、平面視で、矩形の枠型形状を有している。従って、熱源側熱交換器2は、四面から構成され、熱源側熱交換器2の中央部分は、中空になっている。以下では、熱源側熱交換器2の中央部分を「中空部分」と呼ぶこととする。熱源側熱交換器2は、熱源側ユニット1の正面パネル42、背面パネル43、および、2つの側面パネル44に沿うように配置されている。熱源側熱交換器2は、正面パネル42、背面パネル43、および、2つの側面パネル44の4つのパネルの上方側、例えば、それらの4つのパネルの上側半分に沿うようにして設けられている。熱源側熱交換器2は、ファン3によって供給される室外空気と冷媒との間で熱交換を行う。図1の矢印は、ファン3によって取り込まれる空気の流れを示している。空気は、正面パネル42、背面パネル43、および、2つの側面パネル44の4つのパネルを通して取り込まれ、排出口47から排出される。熱源側熱交換器2は、冷凍サイクル装置が冷房運転の際には、冷媒の熱を室外空気に放熱して冷媒を凝縮させる凝縮器として機能する。また、熱源側熱交換器2は、冷凍サイクル装置が暖房運転の際には、冷媒を蒸発させ、その際の気化により室外空気を冷却する蒸発器として機能する。
制御箱4は、例えば直方体形状に形成される。制御箱4は、上板と、底板と、4つの側板とで構成される。制御箱4は、図10に示すように、端子台49と制御基板14とを内部に有している。制御基板14は、熱源側ユニット1の動作の制御を行う制御回路を有している。制御箱4の詳細については後述する。
圧縮機11は、低温低圧の冷媒を吸入し、当該冷媒を圧縮して高温高圧の状態にして吐出する。圧縮機11は、例えば、駆動周波数を任意に変化させることにより、単位時間あたりの冷媒送出量である容量を制御することが可能なインバータ圧縮機である。図4に示すように、圧縮機11の吐出側には冷媒吐出配管60が設けられ、圧縮機11の吸入側には冷媒吸入配管61が設けられている。図4については後述する。
圧縮機用ドライバモジュール20は、第1電力変換装置10を内蔵している。圧縮機用ドライバモジュール20は、例えば、図10に示すように、第1整流回路9aと、第1電力変換装置10とを備えている。第1電力変換装置10は、インバータ回路が設けられた第1インバータ基板10aを有している。圧縮機用ドライバモジュール20は、圧縮機11を駆動し、圧縮機11の動作の制御を行う。圧縮機用ドライバモジュール20は、圧縮機11に隣接して配置されている。圧縮機用ドライバモジュール20は、図2に示すように、制御箱4に対して離間して配置されている。圧縮機用ドライバモジュール20は、図1および図2に示すように、圧縮機11の上部に取り付けられている。圧縮機用ドライバモジュール20の詳細については後述する。
ファン3は、正面パネル42、背面パネル43、および、2つの側面パネル44に設けられた吸入口48から室外空気を取り込み、熱源側熱交換器2に供給する。また、ファン3は、熱源側熱交換器2で熱交換された室外空気を、上面パネル41に設けられた排出口47から、外部に放出させる。
ファン用ドライバモジュール30は、第2電力変換装置12を内蔵している。ファン用ドライバモジュール30は、例えば、図10に示すように、第2整流回路9bと、第2電力変換装置12とを備えている。第2電力変換装置12は、インバータ回路が設けられた第2インバータ基板12aを有している。ファン用ドライバモジュール30は、ファン3を駆動し、ファン3の動作の制御を行う。ファン用ドライバモジュール30は、ファン3に隣接して配置されている。ファン用ドライバモジュール30の詳細については後述する。
圧縮機用出力線21は、図10に示すように、制御箱4内の端子台49と、圧縮機用ドライバモジュール20の第1整流回路9aとを電気的に接続する。端子台49は、図10に示すように、入力電源8に接続されている。圧縮機用出力線21は、圧縮機用ドライバモジュール20に対して、端子台49を介して、入力電源8からの電力を供給する。
圧縮機用制御線22は、図10に示すように、制御箱4内の制御基板14と、圧縮機用ドライバモジュール20の第1電力変換装置10とを電気的に接続する。圧縮機用制御線22は、圧縮機用ドライバモジュール20の第1電力変換装置10に、制御箱4内の制御基板14からの制御信号を送信する。
ファン用出力線31は、図10に示すように、制御箱4内の端子台49と、ファン用ドライバモジュール30の第2整流回路9bとを電気的に接続する。ファン用出力線31は、ファン用ドライバモジュール30に対して、端子台49を介して、入力電源8からの電力を供給する。
ファン用制御線32は、図10に示すように、制御箱4内の制御基板14と、ファン用ドライバモジュール30の第2電力変換装置12とを電気的に接続する。ファン用制御線32は、ファン用ドライバモジュール30の第2電力変換装置12に、制御箱4内の制御基板14からの制御信号を送信する。
実施の形態1では、図1および図2に示すように、圧縮機11に隣接して圧縮機用ドライバモジュール20が設けられ、ファン3に隣接してファン用ドライバモジュール30が設けられている。圧縮機11と圧縮機用ドライバモジュール20とは、一体化させてもよい。同様に、ファン3とファン用ドライバモジュール30とは一体化させてもよい。
図4は、実施の形態1に係る熱源側ユニット1が設けられた冷凍サイクル装置の構成を示す冷媒回路図である。図4に示すように、冷凍サイクル装置は、熱源側ユニット1と、負荷側ユニット80とを備える。熱源側ユニット1は、図4に示すように、冷媒配管70により、負荷側ユニット80に接続される。
図4に示すように、負荷側ユニット80は、負荷側熱交換器81を備えている。
熱源側ユニット1は、圧縮機11と、四方弁76と、熱源側熱交換器2と、膨張弁71と、冷媒流れ制御ユニット72とを備えている。熱源側ユニット1は、さらに、アキュムレータなどの他の構成部品を備えていてもよい。
四方弁76は、冷媒の流れる方向を切り替える。四方弁76は、冷凍サイクル装置が冷房運転の場合と暖房運転の場合とで切り替えが行われる。冷房運転時には、四方弁76は、図4の実線で示される状態に切り替わり、圧縮機11の冷媒吐出配管60と熱源側熱交換器2とを連通させる。暖房運転時には、四方弁76は、図4の破線で示される状態に切り替わり、圧縮機11の冷媒吐出配管60と負荷側熱交換器81とを、冷媒流れ制御ユニット72を介して連通させる。
冷媒配管70は、圧縮機11、四方弁76、熱源側熱交換器2、膨張弁71、冷媒流れ制御ユニット72、および、負荷側熱交換器81を接続している。
膨張弁71は、冷媒を減圧して出力する。
冷媒流れ制御ユニット72は、4つの逆止弁72a、72b、72cおよび72dを備えている。各逆止弁72a、72b、72cおよび72dは、冷媒の流れを一方向に許容する。冷媒流れ制御ユニット72は、各逆止弁72a、72b、72cおよび72dを用いて、冷媒の流れを制限する。
冷凍サイクル装置は、このように熱源側ユニット1および負荷側ユニット80を有し、例えば空気調和装置として使用される。また、上記の説明においては、冷凍サイクル装置が冷房運転と暖房運転とを行うと説明したが、その場合に限定されない。例えば、冷凍サイクル装置が冷房運転のみを行う構成を有する場合、冷凍サイクル装置は冷凍機として使用される。
ここで、実施の形態1に係る熱源側ユニット1について詳細に説明する前に、熱源側ユニット1と比較するための比較例について説明する。なお、当該比較例は、単に、実施の形態1の効果を分かりやすくするためのものであり、特に公知の文献等に記載されているものではない。
図5は、比較例に係る熱源側ユニット101の内部を模式的に示した概略正面図である。図6は、比較例に係る熱源側ユニット101の内部を模式的に示した概略側面図である。図7は、比較例に係る熱源側ユニット101に設けられた制御箱104の内部を模式的に示した概略正面図である。
図5および図6に示すように、熱源側ユニット101は、熱源側熱交換器102、ファン103、制御箱104、圧縮機用インバータ出力線105、ファン用インバータ出力線106、および、圧縮機107を備えている。
制御箱104には、図7に示すように、圧縮機107を駆動する第1電力変換装置108と、ファン103を駆動する第2電力変換装置109とが収容されている。第1電力変換装置108は、インバータ基板113を有している。第2電力変換装置109は、インバータ基板114を有している。また、制御箱104の側板の外部には、ヒートシンク115および116とが設けられている。ヒートシンク115は、制御箱104の側板を介して、インバータ基板113に熱的に接続されている。ヒートシンク116は、制御箱104の側板を介して、インバータ基板114に熱的に接続されている。ヒートシンク115および116は、冷媒が流れる冷媒配管と、冷媒配管に取り付けられた放熱板から構成されている。ヒートシンク115の放熱板およびヒートシンク116の放熱板のそれぞれが、インバータ基板113および114と熱的に接続されることで、インバータ基板113および114からの発熱が冷媒によって冷却される。
また、図8は、比較例に係る熱源側ユニット101の制御箱104の内部の構成を示したブロック図である。図8に示すように、比較例に係る熱源側ユニット101においては、制御箱104の内部に、第1電力変換装置108、第2電力変換装置109、整流回路110、および、制御基板111が配置されている。
整流回路110および制御基板111には、入力電源112から交流電圧が供給される。整流回路110は、入力電源112から供給された交流電圧を直流電圧に変換して、第1電力変換装置108および第2電力変換装置109に出力する。
第1電力変換装置108は、制御基板111からの制御指令を受けて、圧縮機用インバータ出力線105を介して、圧縮機107へ電力供給を行う。同様に、第2電力変換装置109は、制御基板111からの制御指令を受けて、ファン用インバータ出力線106を介して、ファン3へ電力供給を行う。
このように、比較例に係る熱源側ユニット101においては、第1電力変換装置108および第2電力変換装置109が、制御箱104の内部に配置されている。制御箱104は、熱源側ユニット101の筐体の下部に配置されている。一方、ファン103は、図5および図6に示すように、熱源側ユニット101の筐体の上面パネルに設けられている。そのため、ファン103と第2電力変換装置109との距離が長い。その結果、ファン103と第2電力変換装置109とを接続するファン用インバータ出力線106を引き回すことになり、配線経路が長くなる。また、圧縮機107は、図6に示すように、制御箱104に対して離間して配置されている。圧縮機107と第1電力変換装置108とは圧縮機用インバータ出力線105を介して接続されている。圧縮機用インバータ出力線105およびファン用インバータ出力線106から、放射ノイズが放射される。そのため、周辺機器が放射ノイズの影響を受ける。以下、その理由について説明する。
インバータ基板113および114に設けられたインバータ回路は、DC/DCコンバータ部とDC/ACインバータ部とを有している。DC/DCコンバータ部では、入力された直流電圧を昇圧または降圧して出力する。DC/ACインバータ部は、6個の半導体スイッチング素子を有している。それらの半導体スイッチング素子は、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)素子である。DC/ACインバータ部は、それらの半導体スイッチング素子のスイッチングによるPWM制御で、DC/DCコンバータ部から出力された直流電圧を、三相の交流電圧に変換する。このとき、それらの6個の半導体スイッチング素子の高速のオンオフ動作により、スイッチングノイズが発生する。また、DC/DCコンバータ部にも、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)素子などの半導体スイッチング素子が設けられており、それらの半導体スイッチング素子がスイッチング動作を行っているため、DC/DCコンバータ部もノイズ発生源になる。これらのノイズの周波数帯は数十MHzに及び、熱源側ユニット101内の各電気部品に影響を与える。
さらに、インバータ回路で発生したノイズは、インバータ出力線から空中に放射される。これを放射ノイズという。従って、比較例においては、圧縮機用インバータ出力線105およびファン用インバータ出力線106から、放射ノイズが放射される。
また、比較例に係る熱源側ユニット101においては、熱源側ユニット101の運転時は、第1電力変換装置108および第2電力変換装置109に設けられたインバータ基板113および114からの発熱により、制御箱104内部の温度が高くなる。制御箱104内部の温度が高くなると、制御基板111の誤動作の原因となるため、ヒートシンク115および116を用いて、インバータ基板113および114を冷却する必要がある。
制御箱104に取り付けられたヒートシンク115および116の放熱板が、冷媒配管に取り付けられている関係で、制御箱104を取り外すことができず、保守作業が困難になっている。また、ヒートシンク115および116は、冷媒配管にヒートシンク用のバイパス通路を形成して、当該バイパス通路と放射板とで構成される。そのため、冷媒配管にバイパス通路を形成しなくてはならず、熱源側ユニット101の構造が複雑になる。
これに対して、実施の形態1に係る熱源側ユニット1においては、比較例におけるこれらの問題点を解決している。以下、実施の形態1に係る熱源側ユニット1について、図面を用いて説明する。
実施の形態1に係る熱源側ユニット1は、上記の図8に示す比較例の制御箱104の内部に設けられている第1電力変換装置108、第2電力変換装置109、整流回路110および制御基板111を、図9に示すように2つのモジュールと制御箱4とに分けて配置している。
図9は、実施の形態1に係る熱源側ユニット1における2つのモジュールと1つの制御箱との生成方法を説明するためのイメージ図である。図9においては、比較例を示した図8との比較がしやすいように、便宜上、比較例の制御箱104に相当する枠を実線Cで示している。実施の形態1に係る熱源側ユニット1においては、点線Aおよび破線Bで示されるように、熱源側ユニット1の部品をグループ化して、2つのモジュールを生成する。点線Aで囲まれた整流回路9および第1電力変換装置10は、図1および図2に示す圧縮機用ドライバモジュール20を構成する。また、破線Bで囲まれた整流回路9および第2電力変換装置12は、図1および図2に示すファン用ドライバモジュール30を構成する。また、制御基板14は、制御箱4に収容される。
その結果、図9に示した圧縮機用ドライバモジュール20、ファン用ドライバモジュール30および制御箱4のそれぞれは、図10に示す構成を有する。図10は、実施の形態1に係る熱源側ユニット1における2つのモジュールおよび制御箱4のそれぞれの内部構成を示したブロック図である。ただし、図10においては、図9の整流回路9が、第1整流回路9aと第2整流回路9bとに分割されている。
図10に示すように、圧縮機用ドライバモジュール20は、第1整流回路9aと、第1電力変換装置10とを有している。第1電力変換装置10には、圧縮機11を駆動させるための第1インバータ基板10aが設けられている。圧縮機用ドライバモジュール20は、第1インバータ基板10aに設けられたインバータ回路により、圧縮機11を駆動する。
また、図10に示すように、ファン用ドライバモジュール30は、第2整流回路9bと、第2電力変換装置12とを有している。第2電力変換装置12には、ファン3を駆動させるための第2インバータ基板12aが設けられている。ファン用ドライバモジュール30は、第2インバータ基板12aに設けられたインバータ回路により、ファン3を駆動する。第2インバータ基板12aは、インバータ回路を有している。
第1インバータ基板10aおよび第2インバータ基板12aに設けられたインバータ回路は、DC/DCコンバータ部とDC/ACインバータ部とを有している。DC/DCコンバータ部およびDC/ACインバータ部の構成については、比較例のDC/DCコンバータ部およびDC/ACインバータ部と基本的に同じであるため、ここでは、その説明を省略する。
また、図10に示すように、制御箱4は、制御基板14と端子台49とを備えている。端子台49は、入力電源8に入力線50を介して接続されている。
端子台49は、ファン用出力線31を介して、ファン用ドライバモジュール30の第2整流回路9bに接続されている。第2整流回路9bは、入力電源8からの交流電圧を直流電圧に変換して第2電力変換装置12に供給する。こうして、ファン用ドライバモジュール30は、端子台49を介して、入力電源8から電力が供給される。それにより、ファン用ドライバモジュール30は、第2電力変換装置12を動作させ、ファン3に電力供給を行う。
また、制御基板14は、ファン用制御線32を介して、ファン用ドライバモジュール30に接続され、制御信号を送信する。ファン用ドライバモジュール30は、当該制御信号に従って、第2インバータ基板12aのインバータ回路に設けられた各スイッチング素子のスイッチング動作を制御する。これにより、ファン3の回転速度が制御される。
また、同様に、端子台49は、圧縮機用出力線21を介して、圧縮機用ドライバモジュール20の第1整流回路9aに接続されている。第1整流回路9aは、入力電源8からの交流電圧を直流電圧に変換して第1電力変換装置10に供給する。それにより、圧縮機用ドライバモジュール20は、第1電力変換装置10を動作させ、圧縮機11に電力供給を行う。
また、制御基板14は、圧縮機用制御線22を介して、圧縮機用ドライバモジュール20に接続され、制御信号を送信する。圧縮機用ドライバモジュール20は、当該制御信号に従って、第1インバータ基板10aのインバータ回路に設けられた各スイッチング素子のスイッチング動作を制御する。これにより、圧縮機11の駆動周波数が制御される。
このように、実施の形態1においては、圧縮機用ドライバモジュール20を設けることにより、圧縮機11を駆動させるための第1インバータ基板10aと第1整流回路9aとを、制御箱4の外部に配置している。また、圧縮機用ドライバモジュール20は、図1および図2に示すように、圧縮機11に隣接して配置されている。
これにより、第1電力変換装置10と圧縮機11とを接続するインバータ出力線51は、比較例の圧縮機用インバータ出力線105に比べて、大幅に配線長が短くなっている。そのため、インバータ出力線51から放射される放射ノイズの量も大幅に低減される。その結果、周辺の電機部品への影響もほとんどない。
また、同様に、ファン用ドライバモジュール30を設けることにより、ファン3を駆動させるための第2インバータ基板12aと第2整流回路9bとを、制御箱4の外部に配置している。また、ファン用ドライバモジュール30は、図1に示すように、ファン3に隣接して配置されている。
これにより、第2電力変換装置12とファン3とを接続するインバータ出力線52は、比較例のファン用インバータ出力線106に比べて、大幅に配線長が短くなっている。そのため、インバータ出力線52から放射される放射ノイズの量も大幅に低減される。その結果、周辺の電機部品への影響もほとんどない。
図11は、実施の形態1に係る熱源側ユニット1における2つのモジュールの変形例を示したブロック図である。図11に示すように、圧縮機用ドライバモジュール20の機能を圧縮機11のハウジングに内蔵して、圧縮機用ドライバモジュール20と圧縮機11と一体成型してもよい。以下では、圧縮機11と圧縮機用ドライバモジュール20とを一体成型したものを、基板一体型圧縮機11Aと呼ぶ。同様に、図11に示すように、ファン用ドライバモジュール30の機能をファン3のモータフレームに内蔵して、ファン3と一体成型してもよい。以下では、ファン3とファン用ドライバモジュール30とを一体成型したものを、基板一体型ファン3Aと呼ぶ。基板一体型圧縮機11Aでは、インバータ出力線51が、基板一体型圧縮機11Aのフレーム内部に配置されるため、さらに、放射ノイズの影響を抑えることができる。同様に、基板一体型ファン3Aでは、インバータ出力線52が、基板一体型ファン3Aのフレーム内部に配置されるため、さらに、放射ノイズの影響を抑えることができる。なお、モータフレームとは、ファン3のファンモータ3a(図14参照)が収容されたハウジングのことである。
図12は、実施の形態1に係る熱源側ユニット1の制御箱4における端子台49と圧縮機用出力線21とファン用出力線31との位置関係を示す平面図である。図12において、圧縮機用出力線21とファン用出力線31とは、互いに隣接しないように、制御箱4の上部または側面から外部に取り出される。具体的には、圧縮機用出力線21とファン用出力線31とは、図12に示すように、制御箱4の別々の位置から取り出され、反対の方向に延びるように配置される。
このとき、図10および図11に示す入力線50は、雨水またはドレンなどの水の侵入を考慮して、制御箱4の下部から外部に取り出される。また、その際に、入力線50が複数本ある場合には、圧縮機用出力線21とファン用出力線31と同様に、複数の入力線50が互いに隣接しないように配置する。すなわち、複数の入力線50を制御箱4の別々の位置から取り出し、互いに異なる方向に延びるように配置される。
また、図12は、圧縮機用制御線22およびファン用制御線32についても図示している。図12に示すように、圧縮機用制御線22およびファン用制御線32とは、互いに隣接しないように、制御箱4の上部または側面から外部に取り出される。具体的には、圧縮機用制御線22とファン用制御線32とは、制御箱4の別々の位置から取り出され、互いに反対の方向に延びるように配置される。このとき、圧縮機用制御線22およびファン用制御線32とは、できるだけ長い距離の空隙を介して、圧縮機用出力線21およびファン用出力線31から離間するように配置される。
なお、出力線と制御線とを比較した場合、出力線の方が制御線よりも短い距離でファン3および圧縮機11と接続されることが望ましい。圧縮機11は制御箱4の近傍に配置しやすいので、いずれにしても、出力線と制御線との配線長さはそれほど長くないので、圧縮機11の場合は、出力線と制御線とのいずれを短くするかについては、それほど、考慮する必要はない。一方、ファン3は制御箱4から離れた位置にあるので、ファン3については、出力線を制御線よりも短くするかについて、特に考慮することが望ましい。そこで、実施の形態1では、制御箱4から引き出されたファン用出力線31を、ファン用ドライバモジュール30に対して最短距離になるように配置する。そして、ファン用制御線32は、ファン用出力線31から出来るだけ離間するように配置する。具体的には、ファン用出力線31は、熱源側熱交換器2の矩形の中空部分を通るように配置する。一方、ファン用制御線32は、熱源側熱交換器2の近傍を通るか、あるいは、熱源側ユニット1の側面パネル44の近傍を通るように配置することが望ましい。
図13は、実施の形態1に係る熱源側ユニット1における圧縮機11と圧縮機用ドライバモジュール20との取付位置を示す図である。図13に示すように、圧縮機11の吐出側には冷媒吐出配管60が設けられ、圧縮機11の吸入側には冷媒吸入配管61が設けられている。このとき、図13に示すように、圧縮機用ドライバモジュール20は、圧縮機11の冷媒吐出配管60に隣接して配置される。圧縮機用ドライバモジュール20と冷媒吐出配管60とは熱的に接続されている。図13においては、圧縮機用ドライバモジュール20と冷媒吐出配管60との間にヒートシンク62を介在させているが、ヒートシンク62は必ずしも設ける必要はなく、必要に応じて設けるようにすればよい。ヒートシンク62は、例えば、図示しない放熱フィンを有している。放熱フィンは、圧縮機用ドライバモジュール20から離れる方向に向かって、外部に突出している。なお、ヒートシンク62を設けない場合には、圧縮機用ドライバモジュール20と冷媒吐出配管60とが直接接触して、熱的に接続される。圧縮機11の冷媒吐出配管60の表面は、比較的温度が安定している。また、圧縮機11の冷媒吐出配管60の表面の温度は、圧縮機用ドライバモジュール20の温度よりも低い。そのため、圧縮機用ドライバモジュール20からの発熱は、冷媒吐出配管60内を流れる冷媒により冷却される。その結果、比較例で説明したような冷媒配管に取り付けられたヒートシンクは不要となる。これにより、実施の形態1においては、冷媒配管にヒートシンク用のバイパス配管を形成する必要もなく、比較例と比べて、冷却構造の簡略化を図ることができる。
なお、圧縮機11のアッパーシェルも、比較的温度が安定していて、圧縮機用ドライバモジュール20の温度よりも低い。そのため、圧縮機用ドライバモジュール20と圧縮機11のアッパーシェルとの間に、ヒートシンク62を介在させて、圧縮機用ドライバモジュール20を冷却するようにしてもよい。この場合も、ヒートシンク62を設けずに、圧縮機用ドライバモジュール20と圧縮機11のアッパーシェルとを直接接触させてもよい。
図14は、実施の形態1に係る熱源側ユニット1におけるファン3とファン用ドライバモジュール30との取付位置を示す拡大図である。図14に示すように、ファン3は、ファンモータ3aと回転翼3bとから構成されている。なお、ファンモータ3aは、図1および図2では、図示を省略している。ファン用ドライバモジュール30は、ファン3のファンモータ3aの下方に配置される。ファン用ドライバモジュール30は、ファン3の回転により発生する空気の流れを利用して、空冷される。図14における矢印は、ファン3の回転により発生する空気の流れを示す。このように、ファン用ドライバモジュール30は、ファン3によって取り込まれる空気の流路内に配置されている。また、図14においては、ファン用ドライバモジュール30にヒートシンク53が設けられているが、ヒートシンク53は必ずしも設けなくてもよく、必要に応じて設けるようにすればよい。ヒートシンク53は、放熱フィン53aを有し、当該放熱フィン53aから空中に向けて放熱する。ヒートシンク53を設けた場合には、ファン用ドライバモジュール30の冷却は促進される。
また、実施の形態1においては、制御箱4A内には発熱体として制御基板14のみが配置されている。上記の比較例に比べて、第1電力変換装置10および第2電力変換装置12を設けない分だけ、大幅に発熱量が減る。制御基板14からの発熱は、第1電力変換装置10および第2電力変換装置12からの発熱と比較すると、大幅に少ない。従って、制御箱4に対して、冷却能力の高い冷却装置を設ける必要がない。制御箱4は、熱源側ユニット1の下部に設けられているが、ファン3が回転することによって、熱源側ユニット1の筐体40内全体の空気が流れるため、制御箱4は、当該空気の流れによって冷却される。ただし、必要に応じて、ヒートシンクを設けるようにしてもよい。その場合のヒートシンクは、例えば図14に示すヒートシンク53と同様に、放熱フィン53aを有し、当該放熱フィン53aから空中に向けて放熱するものでよい。一般的には、制御箱4内に軸流ファンなどの冷却装置を設けることもあるが、実施の形態1では、そのような冷却装置は不要である。実施の形態1では、比較例で設けられていたヒートシンクのように冷媒配管に取り付けるような冷却装置は必要ないので、制御箱4の取り外しが可能になる。これにより、保守作業が行いやすくなる。
以上のように、実施の形態1においては、圧縮機11を動作させるための第1インバータ基板10aを圧縮機用ドライバモジュール20内に配置している。また、ファン3を動作させるための第2インバータ基板12aをファン用ドライバモジュール30内に配置している。さらに、図1および図2に示されるように、圧縮機用ドライバモジュール20を圧縮機11に隣接して配置し、ファン用ドライバモジュール30をファン3に隣接して配置している。これにより、インバータ出力線51および52の配線長さが、比較例に比べて、大幅に短くなる。その結果、放射ノイズの影響を抑えることができる。
また、実施の形態1では、圧縮機11を動作させるための第1インバータ基板10aと、ファン3を動作させるための第2インバータ基板12aとを、制御箱4の外側に配置している。これにより、制御箱4内の温度の上昇を抑えることができる。
また、実施の形態1では、図1および図2から分かるように、制御箱4とファン3とを接続する配線と、制御箱4と圧縮機11とを接続する配線とは、互いに異なる方向に延びている。すなわち、制御箱4とファン3とを接続する配線は鉛直方向に延び、制御箱4と圧縮機11とを接続する配線は水平方向に延びている。これにより、制御箱4と圧縮機11とを接続する配線が、制御箱4とファン3とを接続するファン用出力線31およびファン用制御線32の邪魔になることがない。そのため、制御箱4とファン3とを接続するファン用出力線31およびファン用制御線32の配線がしやすい。その結果、ファン用出力線31およびファン用制御線32を最短距離になるように配置することが容易である。
また、実施の形態1では、圧縮機用ドライバモジュール20とファン用ドライバモジュール30とを離間して配置している。これにより、発熱体である圧縮機用ドライバモジュール20とファン用ドライバモジュール30とが、熱的に分散される。圧縮機用ドライバモジュール20とファン用ドライバモジュール30とが近傍に設置されている場合、双方からの発熱による相乗効果で、圧縮機用ドライバモジュール20およびファン用ドライバモジュール30の冷却が促進されにくい。しかしながら、実施の形態1では、圧縮機用ドライバモジュール20を熱源側ユニット1の下部に配置し、ファン用ドライバモジュール30を熱源側ユニット1の上部に配置しているため、発熱場所が分離している。その結果、圧縮機用ドライバモジュール20とファン用ドライバモジュール30との冷却が促進されやすい。そのため、冷却能力の高い冷却装置は不要である。そこで、実施の形態1では、圧縮機用ドライバモジュール20の第1インバータ基板10aからの発熱は冷媒によって冷却し、ファン用ドライバモジュール30の第2インバータ基板12aからの発熱はファン3からの送風によって冷却する。これにより、比較例で説明した冷媒配管に取り付けるようなヒートシンクを設ける必要がない。さらに、一般的には、制御箱4内に軸流ファンなどの冷却装置を設けることもあるが、実施の形態1では、そのような冷却装置も不要である。さらに、上記の比較例では、制御箱104を冷却するためのヒートシンクが冷媒配管に取り付けられている関係で、制御箱104が取り外せず、保守作業が難しかった。これに対し、実施の形態1では、制御箱4の取り外しが容易であるため、保守作業も容易である。
実施の形態2.
図15は、実施の形態2に係る熱源側ユニット1の内部を模式的に示した概略正面図である。図16は、実施の形態2に係る熱源側ユニット1の内部を模式的に示した概略側面図である。
図1と図15とを比較すると明らかなように、実施の形態2では、実施の形態1に比べて、制御箱4の配置位置が鉛直方向において上方にシフトされている。すなわち、図1においては、制御箱4は、熱源側熱交換器2と底面パネル45との間において、熱源側熱交換器2よりも底面パネル45に近い位置に配置されていた。これに対し、図15においては、制御箱4は、熱源側熱交換器2と底面パネル45との間において、底面パネル45よりも熱源側熱交換器2に近い位置に配置されている。従って、実施の形態2では、制御箱4は、熱源側ユニット1の鉛直方向の中央部分に配置されている。他の構成および動作については、実施の形態1と同じであるため、ここでは、その説明を省略する。
このように、実施の形態2では、制御箱4が、熱源側ユニット1の筐体40内において、熱源側ユニット1の鉛直方向の中央部分に配置されている。これにより、制御箱4とファン用ドライバモジュール30との間の距離が、実施の形態1よりも、さらに短くなる。その結果、実施の形態1よりも、制御箱4とファン用ドライバモジュール30とを接続しているファン用出力線31およびファン用制御線32の配線を短くできるので、さらに、配線の引き回しを最適化することが出来る。
制御箱4は、熱源側ユニット1の筐体40内において、図16に示すように、正面パネル42側に配置されている。制御箱4と圧縮機用ドライバモジュール20とを接続している圧縮機用出力線21および圧縮機用制御線22は、制御箱4の下面から引き出されている。圧縮機用ドライバモジュール20は、図15および図16に示すように、圧縮機11の上部に取り付けられている。実施の形態2では、制御箱4を上方にシフトさせたため、制御箱4の下面と圧縮機用ドライバモジュール20との距離を、実施の形態1よりも短くすることが可能である。その場合には、実施の形態1よりも、制御箱4と圧縮機用ドライバモジュール20とを接続している圧縮機用出力線21および圧縮機用制御線22の配線を短くできるので、さらに、当該配線の引き回しを最適化することが出来る。
制御箱4は、熱源側ユニット1の筐体40内において、図16に示すように、正面パネル42側に配置されている。正面パネル42を作業面にした場合、制御箱4の保守作業が容易である。
以上のように、実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、圧縮機用ドライバモジュール20およびファン用ドライバモジュール30を設けるようにしたので、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
さらに、実施の形態2においては、実施の形態1と比較して、制御箱4とファン用ドライバモジュール30とを接続しているファン用出力線31およびファン用制御線32の配線をさらに短くできるので、放射ノイズをさらに抑制できる。
加えて、実施の形態2においては、制御箱4が、熱源側ユニット1の筐体40内において、予め設定された空隙を介して、底面パネル45から離間して配置されている。これにより、制御箱4において、雨水またはドレン水などの水の侵入、および、雪の侵入を防止することができる。これにより、制御箱4の密閉度を緩和出来る。その結果、制御箱4の構造の簡素化が図れる。さらに、制御箱4の構成部品の耐熱性能における性能緩和、および、冷却部品の削除が期待できる。
実施の形態3.
図17は、実施の形態3に係る熱源側ユニット1の内部を模式的に示した概略正面図である。図18は、実施の形態3に係る熱源側ユニット1の内部を模式的に示した概略側面図である。
実施の形態2を示した図16と、実施の形態3を示した図18とを比較すると明らかなように、実施の形態3では、実施の形態2に比べて、制御箱4の配置位置が水平方向において、正面パネル42から離れる方向にシフトされている。すなわち、実施の形態3では、制御箱4は、図18に示すように、水平方向において、正面パネル42と背面パネル43との間の中央部分に配置されている。その結果、実施の形態3では、制御箱4が、熱源側ユニット1の筐体40内において、熱源側ユニット1の鉛直方向における中央位置、且つ、水平方向における中央位置に配置されている。これにより、制御箱4と圧縮機用ドライバモジュール20との距離が、実施の形態2よりも短くなる。他の構成および動作については、実施の形態1または実施の形態2と同じであるため、ここでは、その説明を省略する。
このように、実施の形態3では、熱源側ユニット1の筐体40内において、制御箱4を中央部分に配置している。すなわち、図18に示すように、熱源側ユニット1の筐体40内において、制御箱4は、水平方向および鉛直方向における中央位置に配置している。熱源側熱交換器2は、上記の実施の形態1で説明したように、正面パネル42、背面パネル43、および、2つの側面パネル44の4つのパネルの上側半分に沿うようにして設けられている。従って、熱源側熱交換器2の真下の位置に配置されている制御箱4は、厳密には中央位置よりも下方ではあるが、鉛直方向においてほぼ中央位置に配置していると言える。
このように、実施の形態3では、制御箱4を、熱源側ユニット1の筐体40内の中央部分に配置している。この場合、図18に示すように、制御箱4の移動を案内するガイド77を熱源側ユニット1の筐体40内に設けて、制御箱4を例えば滑車等で手前に引き出させる構成にすれば、保守作業は容易である。
また、実施の形態3では、実施の形態2に比べて、制御箱4と圧縮機用ドライバモジュール20との距離が、実施の形態2よりもさらに短くなる。その結果、制御箱4と圧縮機用ドライバモジュール20とを接続している圧縮機用出力線21および圧縮機用制御線22の配線を短くできるので、さらに、当該配線を最適化することが出来る。
以上のように、実施の形態3においても、実施の形態1および2と同様に、圧縮機用ドライバモジュール20およびファン用ドライバモジュール30を設けるようにしたので、実施の形態1および2と同様の効果を得ることができる。
また、実施の形態3においても、実施の形態2と同様に、制御箱4を底面パネル45から離間した位置に配置するようにしたので、その分だけ、制御箱4とファン用ドライバモジュール30との距離が短くなるので、実施の形態2と同様の効果を得ることができる。
さらに、実施の形態3においては、熱源側ユニット1の筐体40内において、制御箱4を中央部分に配置したことにより、制御箱4と圧縮機用ドライバモジュール20との距離が、実施の形態2よりも短くなる。その結果、実施の形態2よりも、圧縮機用出力線21および圧縮機用制御線22の配線を短くできるので、さらに、当該配線を最適化することが出来る。その結果、実施の形態2よりも、さらに、放射ノイズの抑制が期待できる。
また、実施の形態3では、実施の形態1および2に比べると、制御箱4と正面パネル42との間の距離が長くなっている。その分だけ、実施の形態1および2に比べると、作業員にとって制御箱4の保守作業がやりにくくなる。そこで、例えば、ガイド77を設けて、作業員が、制御箱4を滑車等で手前に引き出すことが可能な構造にすれば、制御箱4の保守作業が容易になり、メンテナンス性を確保することができる。
また、実施の形態3では、図18に示すように、圧縮機用ドライバモジュール20、制御箱4、および、ファン用ドライバモジュール30が、すべて、平面視で、筐体40の中央部分に位置している。すなわち、筐体40の平面視の中央位置を通る架空の軸を考えたとき、圧縮機用ドライバモジュール20、制御箱4、および、ファン用ドライバモジュール30は、当該軸に集まるように配置されている。そのため、熱源側ユニット1の筐体40内に、各部品が分散されて配置されている場合に比べて、筐体40内の空気の流れを遮蔽するものが少なくなる。そのため、筐体40内の空気の流れがスムーズになり、その分だけ、熱源側熱交換器2の熱交換の効率が向上する。その結果、熱源側ユニット1の性能が向上する。また、熱源側ユニット1の性能が上がると、その分だけ、熱源側ユニット1の各構成部品を小型化することができる。
さらに、実施の形態3において、制御箱4の少なくとも一部分を、熱源側熱交換器2の中空部に向かって突出させてもよい。この場合には、熱源側熱交換器2の中を通過する室外空気によって、制御箱4内の制御基板14が空冷される。この場合、制御箱4に、制御基板14と熱的に接続されたヒートシンクを設け、そのヒートシンクに風を当てて、放熱を促進させる。
実施の形態4.
図19は、実施の形態4に係る熱源側ユニット1の内部を模式的に示した概略正面図である。図20は、実施の形態4に係る熱源側ユニット1の内部を模式的に示した概略側面図である。また、図21は、実施の形態4に係る熱源側ユニットにおける圧縮機用ドライバモジュール20を示した図である。
上記の実施の形態1~3では、圧縮機11を駆動する第1電力変換装置10およびファン3を駆動する第2電力変換装置12の両方を制御箱4の外部に配置する例について説明した。しかしながら、この場合に限定されない。すなわち、第1電力変換装置10および第2電力変換装置12のいずれか一方のみを制御箱4の外部に配置し、他方は制御箱4内に配置するようにしてもよい。
実施の形態4では、第1電力変換装置10のみを制御箱4Aの外部に配置し、第2電力変換装置12は制御箱4A内に配置した例について説明する。
図19および図20に示すように、実施の形態4においても、実施の形態1と同様に、圧縮機用ドライバモジュール20が圧縮機11に隣接して配置されている。一方、ファン用ドライバモジュール30は、図21に示すように、制御箱4A内に設けられている。この点が、実施の形態1と異なる。他の構成および動作については、実施の形態1~3のいずれかと同じであるため、ここでは、その説明を省略する。
なお、ファン用ドライバモジュール30は、モジュールの形にする必要はない。すなわち、ファン用ドライバモジュール30に設けられた第2整流回路9b(図10参照)と第2電力変換装置12(図10参照)とを、単に、制御箱4A内に配置するようにしてもよい。
また、図21に示すように、圧縮機用ドライバモジュール20と圧縮機11とを一体成型させて、基板一体型圧縮機11Aにしてもよい。
このように、実施の形態4では、圧縮機用ドライバモジュール20を設けることで、圧縮機11を駆動するための第1電力変換装置10(図10参照)と第1整流回路9a(図10)とが、制御箱4Aの外部に配置されている。
実施の形態4では、発熱体である第1電力変換装置10を制御箱4Aの外部に配置したため、もう1つの発熱体である第2電力変換装置12に対して、第1電力変換装置10を熱的に分離することができる。第1電力変換装置10を有した圧縮機用ドライバモジュール20は、図13に示すように、圧縮機11の冷媒吐出配管60で冷却される。その結果、上記の比較例で用いていた制御箱104に対して設けていたような冷媒配管に取り付けられたヒートシンクは不要である。
また、実施の形態4では、制御箱4A内には発熱体として第2電力変換装置12と制御基板14のみが配置されている。上記の比較例に比べて、第1電力変換装置10の分だけ、発熱量が減るので、制御箱4Aに対して、冷却能力の高い冷却装置を設ける必要がない。制御箱4Aは、熱源側ユニット1の下部に設けられているが、ファン3が回転することによって、熱源側ユニット1の筐体40内全体の空気が流れるため、制御箱4Aは、当該空気の流れによって冷却される。また、必要に応じて、図14のヒートシンク53のように、放熱フィンを有するヒートシンクを制御箱4Aに設けるようにしてもよい。
実施の形態4では、圧縮機用ドライバモジュール20を圧縮機11に隣接して配置するか、あるいは、圧縮機用ドライバモジュール20と圧縮機11とを一体化している。いずれの場合においても、圧縮機用ドライバモジュール20と圧縮機11とを接続するインバータ出力線51の配線長さが、比較例に比べて、大幅に短くなる。その結果、放射ノイズの影響を抑えることができる。
以上のように、実施の形態4では、圧縮機11を動作させるための第1インバータ基板10aを圧縮機用ドライバモジュール20内に配置している。また、図19および図20に示されるように、圧縮機用ドライバモジュール20を圧縮機11に隣接して配置している。これにより、インバータ出力線51の配線長さが、比較例に比べて、大幅に短くなる。その結果、放射ノイズの影響を抑えることができる。
また、実施の形態4では、図19および図20に示されるように、制御箱4、および、ファン用ドライバモジュール30が、平面視で、筐体40の中央部分に位置している。すなわち、筐体40の平面視の中央位置を通る架空の軸を考えたとき、制御箱4、および、ファン用ドライバモジュール30は、当該軸に集まるように配置されている。そのため、制御箱4Aとファン3とを接続する配線は鉛直方向に延びるように配置される。一方、制御箱4Aと圧縮機11とは水平方向に沿って配置されている。これにより、制御箱4Aと圧縮機11とを接続する配線は水平方向に延びるように配置される。これにより、制御箱4Aとファン3とを接続する配線に対して、制御箱4Aと圧縮機11とを接続する配線が邪魔になることがない。そこで、制御箱4Aとファン3とを接続するファン用出力線31、ファン用制御線32、および、インバータ出力線51の配線が引き回ししやすい。その結果、ファン用出力線31、ファン用制御線32、および、インバータ出力線51が最短になるように配置することが容易であり、配線の引き回しの最適化を図ることができる。
また、実施の形態4では、圧縮機用ドライバモジュール20の第1電力変換装置10からの発熱は冷媒によって冷却し、制御箱4Aの第2電力変換装置12および制御基板14からの発熱はファン3からの送風によって冷却する。これにより、比較例で説明したようなヒートシンクを設ける必要がない。さらに、一般的には、制御箱内に軸流ファンなどの冷却装置を設けることもあるが、実施の形態4では、そのような冷却装置も不要である。さらに、上記の比較例では、制御箱104を冷却するためのヒートシンクが冷媒配管に取り付けられている関係で、制御箱104が取り外せず、保守作業が難しかった。これに対し、実施の形態4では、制御箱4の取り外しが容易であるため、保守作業も容易である。
なお、上記の実施の形態3において、制御箱4を水平方向の中央部分に配置する例について説明した。実施の形態1および4においても、制御箱4または制御箱4Aを水平方向の中央部分に配置するようにしてもよい。この場合、制御箱4または制御箱4Aは、筐体40の下部で、且つ、筐体40の水平方向の中央部分に配置される。
また、図22は、実施の形態1~4に係る熱源側ユニット1における圧縮機用ドライバモジュール20の変形例の内部を模式的に示した図である。以下、当該変形例における圧縮機用ドライバモジュール20を、圧縮機用ドライバモジュール20Aと呼ぶ。上記の実施の形態1で説明した圧縮機用ドライバモジュール20は、1枚の基板からなる第1インバータ基板10aを有していた。一方、変形例に係る圧縮機用ドライバモジュール20Aは、2枚の基板からなる第1インバータ基板10aを有している。以下、圧縮機用ドライバモジュール20Aについて説明する。
上記の実施の形態1~4に係る圧縮機用ドライバモジュール20において、第1インバータ基板10aに設けられたインバータ回路は、DC/DCコンバータ部とDC/ACインバータ部とを有している。また、DC/DCコンバータ部とDC/ACインバータ部との間には、平滑コンデンサ等の1以上の電解コンデンサ63が設けられることがある。このとき、図13に示すように、圧縮機用ドライバモジュール20を圧縮機11の冷媒吐出配管60で冷却すると、電解コンデンサ63だけは、圧縮機11の冷媒吐出配管60で冷却されるというより、むしろ、冷媒吐出配管60の熱で短寿命化する可能性がある。そのため、圧縮機用ドライバモジュール20Aにおいては、図22に示すように、第1インバータ基板10aの基板を、第1基板10a-1と第2基板10a-2との2枚の基板から構成する。そして、第2基板10a-2に、第1インバータ基板10aのうち、電解コンデンサ63のみを搭載する。そして、第1基板10a-1に、第1インバータ基板10aの残りの他の部品を搭載する。第1基板10a-1の上方に、第2基板10a-2を配置する。第1基板10a-1と第2基板10a-2との間には、図22に示すように、支柱64を設けて、ネジによりねじ止めして固定する。これにより、第1基板10a-1と第2基板10a-2との間には空隙が形成され、第1基板10a-1と第2基板10a-2とが熱的に接続されない。また、第1基板10a-1と冷媒吐出配管60とは、ヒートシンク62を介して熱的に接続される。これにより、第2基板10a-2に搭載された電解コンデンサ63は、冷媒吐出配管60からの熱の影響を受けない。また、第1基板10a-1に搭載された他の部品は、冷媒吐出配管60内を流れる冷媒により冷却される。
また、実施の形態4のように、圧縮機用ドライバモジュール20を制御箱4Aの外部に設ける場合、圧縮機用ドライバモジュール20に、第1整流回路9aとDC/DCコンバータ部とを設けない構成にしてもよい。その場合、圧縮機用ドライバモジュール20は、制御箱4A内に設けられた、ファン用ドライバモジュール30の第2整流回路9bとDC/DCコンバータ部とを使用する。すなわち、圧縮機11側とファン3側とで、第2整流回路9bとDC/DCコンバータ部とを共用する。この場合には、制御箱4Aの第2整流回路9bで整流され、制御箱4AのDC/DCコンバータ部で直流変換された電圧が、圧縮機用出力線21を介して、圧縮機用ドライバモジュール20に送信される。この場合には、圧縮機用ドライバモジュール20には、DC/ACインバータ部のみが設けられるようになる。この場合には、圧縮機用ドライバモジュール20に電解コンデンサ63が搭載されないので、図22のような第1基板10a-1および第2基板10a-2を設けた構成にする必要はない。