JP6464620B2 - 冷凍装置 - Google Patents

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Description

本発明は、冷凍装置に関する。
従来、パワーデバイスやコイル部品等の発熱部品を有する冷凍装置がある。例えば、特許文献1(特開2010―175224号公報)には、基板に実装されたパワートランジスタ等のパワーデバイスや、当該基板から離れて配置されたリアクタ等のコイル部品を、室外機内に有する空気調和機が開示されている。このような冷凍装置では、運転中、性能低下を抑制するため、発熱部品の冷却を行う必要がある。特許文献1に開示される空気調和機では、パワーデバイスについては放熱器で冷却し、コイル部品については室外機内を流れる空気によって自然に冷却している。
発熱部品を冷却する場合には、自然空冷よりも放熱器を用いたほうが温度上昇は抑制されるが、一般的に、コイル部品は、パワーデバイスよりも発熱量が小さいため、特許文献1のように自然空冷によって冷却される。ところが、自然空冷のみでは、状況によっては、コイル部品の冷却が十分に行われないケースが想定されることから、コイル部品の温度上昇を抑制すべく、コイル部品の巻線を太くして損失を下げることが行われる。
しかし、コイル部品の巻線を太くした場合、巻数を確保するうえでコイル部品全体が大型化し重量が増加するため、基板への実装が困難となる。そして、特許文献1のように、コイル部品が、パワーデバイスが搭載された基板に実装されない場合には、基板に実装される電気部品とコイル部品とを電気的に接続するハーネスが必要となることからコストがかかる。
このため、コスト増大を抑制するという観点によれば、コイル部品をコンパクトに構成して、コイル部品とパワーデバイスとを同一の基板に実装することが好ましい。とすれば、コイル部品をコンパクトに構成すべく、コイル部品についても、パワーデバイスと同様、放熱器で冷却することが好ましい。
一方で、パワーデバイス冷却用の放熱器とは別にコイル部品冷却用の放熱器を設ける場合には、コストがかかる。また、パワーデバイスとコイル部品とを同一の放熱器で冷却する場合には、放熱器の冷却性能を確保するうえで放熱器の大型化を招くという点においてコスト増大が懸念される。
そこで、本発明の課題は、コスト増大を抑制しつつ発熱部品の冷却を促進する冷凍装置を提供することである。
本発明の第1観点に係る冷凍装置は、基板と、冷媒配管と、放熱器と、を備える。基板は、複数の発熱部品を実装される。冷媒配管は、冷媒が内部を流れる。放熱器は、発熱部品及び冷媒配管に当接する。基板は、主面に、発熱部品としてのパワーデバイス及びコイル部品を実装される。放熱器は、基板に隣接する。放熱器は、裏側面と、表側面と、を有する。裏側面は、第1当接面及び第2当接面を含む。第1当接面は、パワーデバイスに熱的に接続される。第2当接面は、コイル部品に熱的に接続される。表側面は、配管当接部を含む。配管当接部は、冷媒配管と当接する。第1当接面及び主面の最短距離と、第2当接面及び主面の最短距離と、は同一である。
本発明の第1観点に係る冷凍装置では、コイル部品は、放熱器の第2当接面と熱的に接続される。これにより、コイル部品は、特に太い巻線を採用されなくても、温度上昇が抑制される。その結果、コイル部品をコンパクトに構成することが可能となり、パワーデバイスが実装される基板にコイル部品を実装することが可能となる。よって、コイル部品が基板から離れて配置される場合に必要となる、コイル部品及び各電気部品を接続するためのハーネスが、省略可能となりコストが抑制される。
また、本発明の第1観点に係る冷凍装置では、放熱器は、放熱器の第1当接面と基板の主面との最短距離と、放熱器の第2当接面と基板の主面との最短距離と、が同一であり、冷媒配管に当接する。これにより、放熱器は、サイズを特に大きく構成されなくても、パワーデバイス及びコイル部品を冷却するのに十分な放熱性能を充足しやすくなる。よって、コストが抑制されるとともに発熱部品の冷却が促進される。
本発明の第2観点に係る冷凍装置は、第1観点に係る冷凍装置であって、冷媒配管は、鉛直部を含む。鉛直部は、鉛直方向に延びる。鉛直部は、配管当接部に当接する。基板は、その厚み方向が、水平方向に沿って延びる。
本発明の第2観点に係る冷凍装置では、基板の厚み方向は水平方向に沿って延び、冷媒配管の鉛直部が放熱器の配管当接部に当接する。これにより、第1当接面及び第2当接面を介して基板からの荷重を受けやすい放熱器を、冷媒配管の鉛直部が、配管当接部との当接部分において支持する。その結果、パワーデバイス及びコイル部品を実装された基板と、放熱器と、は設置時の姿勢を安定的に保ちやすくなる。よって、剛性が向上する。
本発明の第3観点に係る冷凍装置は、第1観点又は第2観点に係る冷凍装置であって、基板は、主面において、3つ以上の発熱部品を鉛直方向に並べて配置される。これにより、発熱部品を放熱器の配管当接部に沿って並べることが可能となる。その結果、発熱部品、放熱器及び冷媒配管間の熱交換が促進される。よって、発熱部品の冷却がさらに促進される。
本発明の第4観点に係る冷凍装置は、第1観点から第3観点のいずれかに係る冷凍装置であって、コイル部品は、コアを有する。コアは、コイルを巻きつけられる。コアには、平面部が設けられる。平面部は、第2当接面に当接する。
本発明の第4観点に係る冷凍装置では、コイル部品のコアに、第2当接面に当接する平面部が設けられる。これにより、コイル部品と放熱器との伝熱面積が確保されて、熱交換が促進される。よって、コイル部品の冷却が促進される。
本発明の第5観点に係る冷凍装置は、第1観点から第3観点のいずれかに係る冷凍装置であって、コイル部品は、コイルを有する。コイルと第2当接面との間には、伝熱部材が配置される。第2当接面は、伝熱部材を介して、コイル部品と熱的に接続される。
本発明の第5観点に係る冷凍装置では、コイル部品のコイルと放熱器の第2当接面との間に伝熱部材が配置され、第2当接面とコイル部品とが伝熱部材を介して熱的に接続される。これにより、コイル部品と放熱器との熱交換がさらに促進される。よって、コイル部品の冷却がさらに促進される。
本発明の第1観点に係る冷凍装置では、コイル部品をコンパクトに構成することが可能となり、パワーデバイスが実装される基板にコイル部品を実装することが可能となる。よって、コイル部品が基板から離れて配置される場合に必要となる、コイル部品及び各電気部品を接続するためのハーネスが、省略可能となりコストが抑制される。また、放熱器は、サイズを特に大きく構成されなくても、パワートランジスタ及びコイル部品を冷却するのに十分な放熱性能を充足しやすくなる。よって、コストが抑制されるとともに発熱部品の冷却が促進される。
本発明の第2観点に係る冷凍装置では、パワーデバイス及びコイル部品を実装された基板と、放熱器と、は設置時の姿勢を安定的に保ちやすくなる。よって、剛性が向上する。
本発明の第3観点に係る冷凍装置では、発熱部品を放熱器の配管当接部に沿って並べることが可能となり、発熱部品、放熱器及び冷媒配管間の熱交換が促進される。よって、発熱部品の冷却がさらに促進される。
本発明の第4観点に係る冷凍装置では、コイル部品の冷却が促進される。
本発明の第5観点に係る冷凍装置では、コイル部品の冷却がさらに促進される。
本発明の一実施形態に係る空気調和機の概略構成図。 室外ユニットの正面図(第1前板及び第2前板については図示省略)。 図2のIII−III線断面図。 アクチュエータ駆動ユニットの概略構成図。 図3のA部分の拡大図。 図3のA部分を正面から視た場合の外観図(第5配管及びカバー部については図示省略)。 コイル部品の外観斜視図(リードについては図示省略)。 変形例Hに係るコイル部品をプリント基板に設置した状態を示す平面図。 変形例Iに係るコイル部品をプリント基板に設置した状態を示す平面図。 変形例Nに係るヒートシンクの正面図。 変形例Nに係るヒートシンクの平面図。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る空気調和機100について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。また、以下の実施形態において、上、下、左、右、正面(前)又は背面(後)といった方向は、図2、図3及び図5から図11に示す方向を意味する。
(1)空気調和機100
図1は、本発明の一実施形態に係る空気調和機100の概略構成図である。空気調和機100は、冷媒配管方式の空気調和装置であって、蒸気圧縮方式の冷凍サイクル運転を行うことで、対象空間の空気調和を実現する。空気調和機100は、運転モードとして、冷房モード及び暖房モード等を有しており、選択された運転モードに応じて冷房運転又は暖房運転等を行う。空気調和機100は、室内ユニット10と室外ユニット20とを含む。空気調和機100では、室内ユニット10と室外ユニット20とが液冷媒配管LP及びガス冷媒配管GPで接続されることで、冷媒回路が構成されている。
(1−1)室内ユニット10
室内ユニット10は、例えば、いわゆる天井埋込み型、天井吊下げ型又は壁掛け型の室内機である。室内ユニット10は、主として、室内熱交換器11、室内ファン12及び室内電装品ユニット13等を有している。
室内熱交換器11は、冷房運転時には冷媒の蒸発器として機能し、暖房運転時には冷媒の凝縮器(又は放熱用の熱交換器)として機能する。室内熱交換器11の液側は液冷媒配管LPに接続されており、室内熱交換器11のガス側はガス冷媒配管GPに接続されている。
室内ファン12は、室内ユニット10内に流入して室内熱交換器11を通過した後に室内ユニット10外に流出する空気流を生成する送風機である。室内ファン12は、例えば遠心ファンや多翼ファン等であり、室内ファンモータ12aの出力軸に接続されている。室内ファン12は、室内ファンモータ12aに連動して駆動する。
室内電装品ユニット13は、基板に複数の電気部品を実装されたユニットである。室内電装品ユニット13は、主として、室内ユニット制御部14と、室内ファンモータ駆動ユニット15と、を有している。
室内ユニット制御部14は、CPUやメモリ等で構成されるマイクロコンピュータを含む。室内ユニット制御部14は、ケーブルC1を介して室外ユニット制御部42と接続されており、相互に信号の送受信を行っている。室内ユニット制御部14は、室外ユニット制御部42又はリモコン(図示省略)から所定の信号を受信すると、当該信号に対応する処理を行う。
室内ファンモータ駆動ユニット15は、室内ファンモータ12aの動作を制御するためのモータ駆動回路である。室内ファンモータ駆動ユニット15に含まれる電気部品には、通電されることで発熱する発熱部品が含まれる。
(1−2)室外ユニット20
図2は、室外ユニット20の正面図である(第1前板214及び第2前板215については図示省略)。図3は、図2のIII−III線断面図である。
室外ユニット20は、室外に設置される。室外ユニット20は、運転時において、背面及び右側面から室外空気を内部に吸い込んだ後、前面から外部へ空気を排出するように構成されている。室外ユニット20は、略直方体状の室外ユニットケーシング21を有している。
室外ユニットケーシング21の内部には、鉛直方向に延びる仕切板210が配設されている。仕切板210は、室外ユニットケーシング21の内部空間を左右に仕切ることで、送風機室SP1及び機械室SP2を室外ユニットケーシング21内に形成している。なお、本実施形態では、送風機室SP1が仕切板210の右側に形成され、機械室SP2が仕切板210の左側に形成されているが、左右が逆であってもよい。
室外ユニットケーシング21は、底板211と、第1側板212と、第2側板213と、第1前板214と、第2前板215と、天板216と、を含む。
底板211は、室外ユニットケーシング21の底面部分を構成する板状部材である。底板211の下側には、現地据付面に固定される据付脚217が設けられている。
第1側板212は、室外ユニットケーシング21の右側面部分を構成する板状部材である。第1側板212には、室外ユニットケーシング21内に室外空気を取り込むための吸入口(図示省略)が形成されている。
第2側板213は、室外ユニットケーシング21の左側面部分の一部と、背面部分の一部とを構成する板状部材である。第2側板213には、室外ユニットケーシング21内に室外空気を取り込むための吸入口(図示省略)が形成されている。
第1前板214は、室外ユニットケーシング21の送風機室SP1の前面部分を構成する板状部材である。第1前板214には、室外ユニットケーシング21内から空気を排出するための吹出口(図示省略)が形成されている。
第2前板215は、室外ユニットケーシング21の機械室SP2の前面部分の一部及び左側面部分の一部を構成する板状部材である。
天板216は、室外ユニットケーシング21の天面部分を構成する板状部材である。
室外ユニット20は、室外ユニットケーシング21の内部において、冷媒配管RPと、圧縮機22と、四路切換弁23と、室外熱交換器24と、室外ファン25と、膨張弁26と、液側閉鎖弁27と、ガス側閉鎖弁28と、室外電装品ユニット40と、ヒートシンク60と、を有している。
(1−2−1)冷媒配管RP
冷媒配管RPは、例えば銅製の配管であり、内部を冷媒が通過する。具体的に、冷媒配管RPは、第1配管P1、第2配管P2、第3配管P3、第4配管P4、第5配管P5及び第6配管P6を含む。
第1配管P1は、四路切換弁23とガス側閉鎖弁28とを接続する冷媒配管である。第2配管P2は、圧縮機22の吸入口と四路切換弁23とを接続する冷媒配管である。第3配管P3は、圧縮機22の吐出口と四路切換弁23とを接続する冷媒配管である。第4配管P4は、四路切換弁23と室外熱交換器24のガス側とを接続する冷媒配管である。第5配管P5は、室外熱交換器24の液側と膨張弁26とを接続する冷媒配管である。第6配管P6は、膨張弁26と液側閉鎖弁27とを接続する冷媒配管である。
ここで、第5配管P5は、一端から他端までの間において、鉛直方向(上下方向)に延びる第1鉛直部31及び第2鉛直部32と、U字曲げされた折返部33と、を有している。また、第1鉛直部31及び第2鉛直部32の一部は、ヒートシンク60の冷媒ジャケット62(後述)に収容されている。折返部33は、一端が第1鉛直部31の上端に接続され、他端が第2鉛直部32の上端に接続されている。
(1−2−2)圧縮機22
圧縮機22は、低圧のガス冷媒を吸入し、圧縮して吐出する機器である。圧縮機22は、機械室SP2内に配置されている。圧縮機22は、圧縮機モータ22aを内蔵した密閉式の構造を有している。圧縮機モータ22aは、例えば3相のブラシレスDCモータである。また、圧縮機22は、ロータリ式やスクロール式等の容積式の圧縮要素(図示省略)を内部に有している。圧縮要素は、圧縮機モータ22aの出力軸に接続されており、圧縮機モータ22aに連動して駆動する。圧縮機22は、アクチュエータ駆動ユニット43(後述)から圧縮機モータ22aに駆動電圧を供給される。また、インバータ制御部51(後述)によって圧縮機モータ22aの回転数を調整されることで容量可変とされる。
(1−2−3)四路切換弁23
四路切換弁23は、冷房運転と暖房運転との切換時に、冷媒の流れる方向を切り換えるための切換弁である。四路切換弁23は、冷房運転時には、圧縮機22の吐出側と室外熱交換器24のガス側とが接続されるとともに、圧縮機22の吸入側とガス側閉鎖弁28とが接続されるように、流路を切り換える(図1の四路切換弁23における実線を参照)。四路切換弁23は、暖房運転時には、圧縮機22の吐出側とガス側閉鎖弁28とが接続されるとともに、圧縮機22の吸入側と室外熱交換器24のガス側とが接続されるように、流路を切り換える(図1の四路切換弁23における破線を参照)。
(1−2−4)室外熱交換器24
室外熱交換器24は、例えばクロス・フィン・チューブ方式又はマイクロチャネル方式の熱交換器である。室外熱交換器24は、平面視において略L字形状を呈しており、送風機室SP1内において、室外ユニットケーシング21の右側面及び背面に沿うように配置されている。室外熱交換器24は、冷房運転時には冷媒の凝縮器(又は放熱用の熱交換器)として機能し、暖房運転時には冷媒の蒸発器として機能する。
(1−2−5)室外ファン25
室外ファン25は、例えば遠心ファンである。室外ファン25は、送風機室SP1内に配置されている。室外ファン25は、室外ファンモータ25aの出力軸に接続されており、室外ファンモータ25aに連動して駆動する。室外ファン25は、駆動すると、室外ユニットケーシング21の外部から内部に流入し室外熱交換器24を通過してから室外ユニットケーシング21外へ流出する空気流を生成する。
(1−2−6)膨張弁26
膨張弁26は、高圧の冷媒を減圧する。膨張弁26は、例えば運転状況に応じて開度が調整される電動弁である。膨張弁26は、一端が第5配管P5に接続され、他端が第6配管P6に接続されている。
(1−2−7)液側閉鎖弁27、ガス側閉鎖弁28
液側閉鎖弁27及びガス側閉鎖弁28は、冷媒の充填やポンプダウン等の際に開閉される手動の弁である。
(1−2−8)室外電装品ユニット40
室外電装品ユニット40は、機械室SP2内に配置されている。室外電装品ユニット40は、複数の電気部品を含むユニットである。室外電装品ユニット40は、主として、プリント基板41と、プリント基板41に実装される室外ユニット制御部42と、同じくプリント基板41の主面411に実装されるアクチュエータ駆動ユニット43と、を有している。
(1−2−8−1)プリント基板41
プリント基板41(特許請求の範囲記載の「基板」に相当)は、所定の回路パターンが形成された板状部材であり、主面411が正面方向に面するように配置されている。換言すると、プリント基板41は、厚みt1(図5参照)が延びる方向が前後方向(水平方向)に沿って延びるように配置されている、ともいえる。なお、本明細書において、「前後方向(水平方向)に沿って延びる」とは正確に前後方向(水平方向)に延びる場合のみならず、前後方向(水平方向)に対して若干傾斜して延びる場合も含む、と解釈する。
(1−2−8−2)室外ユニット制御部42
室外ユニット制御部42は、CPUやメモリ等で構成されるマイクロコンピュータを含む。室外ユニット制御部42は、ケーブルC1を介して室内ユニット制御部14と接続されており、相互に信号の送受信を行っている。室外ユニット制御部42は、室内ユニット制御部14から所定の信号を受信すると、当該信号に対応する処理を行う。また、室外ユニット制御部42は、アクチュエータ駆動ユニット43のインバータ制御部51(後述)と電気的に接続されており、相互に信号の送受信を行う。
(1−2−8−3)アクチュエータ駆動ユニット43
図4は、アクチュエータ駆動ユニット43の概略構成図である。アクチュエータ駆動ユニット43は、室外ユニット20内に配置されるアクチュータの動作を制御するための駆動回路であり、例えば圧縮機モータ22a又は室外ファンモータ25aの駆動を制御するためのモータ駆動回路である。アクチュエータ駆動ユニット43は、外部電源110に電気的に接続されており、外部電源110から交流電圧Vacを供給される。アクチュエータ駆動ユニット43は、主として、CMC(コモンモードチョークコイル)44と、整流部45と、リアクトル46と、平滑コンデンサ47と、電圧検出部48と、電流検出部49と、インバータ50と、インバータ制御部51と、を含む。
CMC44は、外部電源110から出力される電力からいわゆるコモンモードノイズを除去するための電気部品である。CMC44は、外部電源110と整流部45の間に配置されている。CMC44は、コアと、コアに巻きつけられるコイルと、を有している。
整流部45は、交流電圧Vacを直流電圧Vdcに変換する機能部である。整流部45は、4つの整流ダイオード(以下、単に「ダイオード」と記載)D1a、D1b、D2a及びD2bによってブリッジ状に構成されている。
リアクトル46は、ダイオードD1a及びD2aのカソード側に配置されている。リアクトル46は、整流部45により整流された電力において、リアクタンスを生じさせる。リアクトル46は、コアと、コアに巻きつけられるコイルと、を有している。
平滑コンデンサ47は、リアクトル46の後段において、整流部45と並列に配置されている。平滑コンデンサ47は、整流部45によって整流された電圧を平滑する。平滑コンデンサ47により平滑された電圧は、リップルの低い直流電圧Vdcとなる。
直流電圧Vdcは、インバータ50に供給される。
電圧検出部48は、平滑コンデンサ47の出力側において、平滑コンデンサ47に並列に接続されている。電圧検出部48は、供給される直流電圧Vdcの値を検出する。電圧検出部48は、例えば互いに直列に接続された2つの抵抗によって、直流電圧Vdcを分圧する構成を有している。2つの抵抗を接続する接続点の電圧値は、直流電圧Vdcに所定の分圧比をかけた値として、インバータ制御部51に入力される。
電流検出部49は、平滑コンデンサ47とインバータ50との間であって、かつ平滑コンデンサ47の負側出力端子側に接続されている。電流検出部49は、圧縮機モータ22a(又は室外ファンモータ25a)に流れるモータ電流Imを検出する。電流検出部49は、例えばシャント抵抗及びオペアンプなどを含む。
インバータ50は、圧縮機モータ22a(又は室外ファンモータ25a)を駆動するための駆動電圧SU、SV及びSWを出力する機能部である。インバータ50は、平滑コンデンサ47の出力側に接続されている。インバータ50は、複数(6つ)の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(以下、単にトランジスタという)501、502、503、504、505及び506と、複数(6つ)の還流用ダイオードD3a、D3b、D4a、D4b、D5a及びD5bと、を含む。
インバータ50には、直流電圧Vdcが供給される。インバータ50は、インバータ制御部51により所定のタイミングで各トランジスタ501〜506をオン及びオフされることで、所望のデューティを有する駆動電圧SU、SV及びSWを生成する。生成された駆動電圧SUは、トランジスタ501及び502の接続点NUから出力される。生成された駆動電圧SVは、トランジスタ503及び504の接続点NVから出力される。生成された駆動電圧SWは、トランジスタ505及び506の接続点NWから出力される。
インバータ制御部51は、CPU及びメモリ等を含むマイクロコンピュータである。インバータ制御部51は、室外ユニット制御部42、電圧検出部48、電流検出部49及びインバータ50と電気的に接続されている。インバータ制御部51は、電圧検出部48及び電流検出部49の検出結果に基づいて、インバータ50の各トランジスタ501〜506のオン及びオフを行うタイミングを決定し、当該タイミングでゲート制御電圧Gu、Gx、Gv、Gy、Gw及びGzを出力する。
(1−2−8−4)発熱部品
上述のような室外ユニット制御部42及びアクチュエータ駆動ユニット43等を有する室外電装品ユニット40には、通電されることで発熱する発熱部品が複数含まれる。室外電装品ユニット40に含まれる発熱部品としては、例えば、整流部45に含まれるダイオード(D1a、D1b、D2a及びD2b)やインバータ50に含まれるトランジスタ(501、502、503、504、505及び506)のようなパワーデバイス(以下、これらをまとめて「パワーデバイスPD1」と称する)が挙げられる。また、整流部45やインバータ50のように、複数のパワーデバイスPD1を有するパワーモジュール(以下、これらをまとめて「パワーモジュールPM1」と称する)が挙げられる。また、パワーデバイスPD1の他にも、CMC44やリアクトル46のようなコイル部品(以下、これらをまとめて「コイル部品CP1」と称する)についても、発熱部品に該当する。
これらの発熱部品が運転時において発熱することによる悪影響を抑制するため、室外ユニット20においてはヒートシンク60(特許請求の範囲記載の「放熱器」に相当)が配設されており、運転時にパワーデバイスPD1、パワーモジュールPM1及びコイル部品CP1等の発熱部品がヒートシンク60により冷却されるようになっている。
なお、各発熱部品の詳細については、後述の「(3)室外電装品ユニット40に含まれる発熱部品の詳細」において説明する。
(1−2−9)ヒートシンク60
図5は、図3のA部分の拡大図である。図6は、図3のA部分を正面から視た場合の外観図である(第5配管P5及びカバー部622については図示省略)。
ヒートシンク60は、室外電装品ユニット40に含まれる各種の発熱部品を冷却する放熱器である。ヒートシンク60は、プリント基板41の正面側において、プリント基板41に隣接するように配置されている。ヒートシンク60は、主として、放熱板61と、冷媒ジャケット62とを含む。
(1−2−9−1)放熱板61
放熱板61は、伝熱性の高い素材(例えばアルミ等の金属や合成樹脂等)で成形された板状部材である。放熱板61は、図5に示すように、厚みt2の厚み方向が前後方向(水平方向)に沿って延びるように配置されている。
放熱板61は、互いに表裏の位置関係にある第1平面部611と、第2平面部612とを有している。第1平面部611(特許請求の範囲記載の「裏側面」に相当)は、放熱板61の背面に該当し、背面方向に面している。第2平面部612(特許請求の範囲記載の「表側面」に相当)は、放熱板61の正面に該当し、正面方向に面している。第1平面部611及び第2平面部612は、プリント基板41の主面411に対して略平行に延びている。放熱板61は、第1平面部611において、パワーデバイスPD1、パワーモジュールPM1及びコイル部品CP1等の発熱部品と当接して熱的に接続されている。
ここで、以下の説明においては、説明の便宜上、第1平面部611のうち、パワーモジュールPM1及びパワーデバイスPD1との当接部分を第1当接部613と称し、コイル部品CP1との当接部分を第2当接部614と称する。放熱板61には、同一平面である第1平面部611上に、複数の第1当接部613(特許請求の範囲記載の「第1当接面」に相当)及び複数の第2当接部614(特許請求の範囲記載の「第2当接面」に相当)が構成されている。
放熱板61は、各第1当接部613とプリント基板41の主面411との最短距離である第1距離d1と、各第2当接部614とプリント基板41の主面411との最短距離である第2距離d2と、が略同一である。なお、本明細書においては、第1距離d1と第2距離d2の長さが完全に同一である場合、及び第1距離d1と第2距離d2の長さが異なっていても若干の誤差にすぎない場合には、第1距離d1と第2距離d2とは略同一であるものとして解釈する。本実施形態では、第1距離d1及び第2距離d2が10mmに設定されることを想定している。
また、放熱板61は、第2平面部612において、冷媒ジャケット62と当接して熱的に接続されている。ここで、説明の便宜上、以下の説明においては、放熱板61の第2平面部612のうち、冷媒ジャケット62との当接部分を第3当接部615と称する。第3当接部615は、複数の第1当接部613の正面側に位置している。すなわち、複数の第1当接部613と、第3当接部615と、は互いに裏表の位置関係にある。
本実施形態において、放熱板61は、製造コスト増大を抑制するべく、押出成形によって製造されることを想定している。
(1−2−9−2)冷媒ジャケット62
冷媒ジャケット62は、放熱板61と第5配管P5とを熱的に接続するための部材である。冷媒ジャケット62は、伝熱性の高い素材(例えばアルミ等の金属や合成樹脂等)で成形されている。なお、本実施形態において、冷媒ジャケット62は、製造コスト増大を抑制するべく、押出成形によって製造されることを想定している。冷媒ジャケット62は、放熱板61の正面側において、第5配管P5の第1鉛直部31及び第2鉛直部32の一部を収容する。冷媒ジャケット62は、配管当接部621と、カバー部622とを有する。
配管当接部621は、鉛直方向に延びる部材であって、放熱板61の第2平面部612と、カバー部622と、の間に配置される。配管当接部621は、放熱板61にネジ止めされている。配管当接部621は、第2平面部612の第3当接部615に当接している。なお、観点を変えると、ヒートシンク60は、放熱板61の第2平面部612において、配管当接部621を含んでいる、ということもできる。
配管当接部621には、正面側において、鉛直方向に延びる嵌合部fp1及びfp2が形成されている。嵌合部fp1及びfp2は、第1鉛直部31又は第2鉛直部32の一部が嵌合する形状に湾曲している。配管当接部621は、嵌合部fp1において、第1鉛直部31の外周の一部と当接し熱的に接続されている。また、配管当接部621は、嵌合部fp2において、第2鉛直部32の外周の一部と当接し熱的に接続されている。
本実施形態では、配管当接部621が第3当接部615に当接するように配置されることで、設置状態において、第1鉛直部31又は第2鉛直部32の一部が、パワーデバイスPD1及びパワーモジュールPM1が当接する第1当接部613の裏側と、熱的に接続されている。その結果、配管当接部621が他の部分に配置される場合と比較して、パワーデバイスPD1及びパワーモジュールPM1と、第5配管P5と、の間における熱交換が促進されるようになっている。
カバー部622は、配管当接部621に当接した第1鉛直部31及び第2鉛直部32を正面側から覆う部材である。カバー部622は、鉛直方向に延びている。カバー部622は、平面視によると、複数の箇所において曲折した形状を呈している。カバー部622は、配管当接部621にネジ止めされている。
(2)空気調和機100の運転時における冷媒の流れ
次に、空気調和機100の運転時における冷媒の流れについて説明する。
(2−1)冷房運転
冷房運転時には、四路切換弁23が冷房サイクル状態(図1の実線で示される状態)に切り換えられる。圧縮機22が駆動すると、第2配管P2を介して低圧のガス冷媒が圧縮機22に吸入され、圧縮された後に吐出される。圧縮機22から吐出された高圧のガス冷媒は、第3配管P3、四路切換弁23、第4配管P4を流れて、室外熱交換器24に流入する。
室外熱交換器24に流入した高圧のガス冷媒は、室外ファン25が生成する空気流と熱交換を行うことで凝縮して高圧の液冷媒となって、室外熱交換器24から流出する。室外熱交換器24から流出した液冷媒は、第5配管P5を流れる。この際、冷媒は、第5配管P5の第1鉛直部31及び第2鉛直部32を流れる過程において、ヒートシンク60(冷媒ジャケット62)と熱交換する。換言すると、第5配管P5の第1鉛直部31及び第2鉛直部32を通過する冷媒は、ヒートシンク60(冷媒ジャケット62)を介して室外電装品ユニット40に含まれる発熱部品(パワーデバイスPD1、パワーモジュールPM1及びコイル部品CP1等)と熱交換する。これにより、冷房運転時に発熱した発熱部品(パワーデバイスPD1、パワーモジュールPM1及びコイル部品CP1等)は、放熱して冷却される。
第5配管P5を通過した冷媒は、膨張弁26に流入して減圧される。その後、第6配管P6及び液側閉鎖弁27及び液冷媒配管LPを経て室内熱交換器11に流入する。室内熱交換器11に流入した冷媒は、室内ファン12が生成した空気流と熱交換することで蒸発してガス冷媒となる。室内熱交換器11から流出したガス冷媒は、ガス冷媒配管GP、ガス側閉鎖弁28、第1配管P1及び第2配管P2を流れて圧縮機22に吸入される。
(2−2)暖房運転
暖房運転時には、四路切換弁23が暖房サイクル状態(図1の破線で示される状態)に切り換えられる。圧縮機22が駆動すると、第2配管P2を介して低圧のガス冷媒が圧縮機22に吸入され、圧縮された後に吐出される。圧縮機22から吐出された高圧のガス冷媒は、第3配管P3、四路切換弁23、第1配管P1、ガス側閉鎖弁28及びガス冷媒配管GPを流れて、室内熱交換器11に流入する。
室内熱交換器11に流入した高圧のガス冷媒は、室内ファン12が生成する空気流と熱交換を行うことで凝縮して高圧の液冷媒となって、室内熱交換器11から流出する。室内熱交換器11から流出した液冷媒は、液冷媒配管LP、液側閉鎖弁27及び第6配管P6を流れて膨張弁26に流入して減圧される。
膨張弁26を通過した冷媒は、第5配管P5を流れる。この際、冷媒は、第5配管P5の第1鉛直部31及び第2鉛直部32を流れる過程において、ヒートシンク60(冷媒ジャケット62)と熱交換する。換言すると、第5配管P5の第1鉛直部31及び第2鉛直部32を通過する冷媒は、ヒートシンク60(冷媒ジャケット62)を介して室外電装品ユニット40に含まれる発熱部品(パワーデバイスPD1、パワーモジュールPM1及びコイル部品CP1等)と熱交換する。これにより、暖房運転時に発熱した発熱部品(パワーデバイスPD1、パワーモジュールPM1及びコイル部品CP1等)は、放熱して冷却される。
第5配管P5を通過した冷媒は、室外熱交換器24に流入する。室外熱交換器24に流入した冷媒は、室外ファン25が生成する空気流と熱交換を行うことで蒸発してガス冷媒となる。室外熱交換器24から流出したガス冷媒は、第4配管P4、四路切換弁23及び第2配管P2を流れて圧縮機22に吸入される。
(3)室外電装品ユニット40に含まれる発熱部品の詳細
本実施形態においては、パワーデバイスPD1及びパワーモジュールPM1は、前後方向に延びてプリント基板41に接続されるリードL1を有している。また、パワーデバイスPD1及びパワーモジュールPM1は、ネジS1により放熱板61にネジ止めされている。これにより、パワーデバイスPD1及びパワーモジュールPM1と、放熱板61の第1平面部611と、が密着している。
複数のパワーデバイスPD1及びパワーモジュールPM1は、プリント基板41の主面411において、鉛直方向に並べて配置されている。具体的に、複数のパワーデバイスPD1及びパワーモジュールPM1は、冷媒ジャケット62が延びる鉛直方向に沿って並んでいる(図6を参照)。すなわち、3つ以上の発熱部品が冷媒ジャケット62の配管当接部621の長手方向(鉛直方向)に沿って並んでいる。これは、以下の理由に基づく。
室外電装品ユニット40に含まれる発熱部品のうち、パワーデバイスPD1及びパワーモジュールPM1は、通電時の発熱量が、コイル部品CP1よりも大きい。このため、パワーデバイスPD1及びパワーモジュールPM1は、コイル部品CP1よりも冷却を促進する必要がある。この点に鑑みて、パワーデバイスPD1及びパワーモジュールPM1は、冷媒ジャケット62が当接する放熱板61の第3当接部615の裏側に当接されている。その結果、パワーデバイスPD1及びパワーモジュールPM1は、コイル部品CP1よりも第5配管P5の近傍に配置されており、より冷却が促進されている。
コイル部品CP1は、前後方向に延びてプリント基板41に接続されるリードL2を有している。
図7は、コイル部品CP1の外観斜視図である(リードL2については図示省略)。また、コイル部品CP1は、コイル55と、コイル55を巻きつけるコア56と、を有している。
コイル55は、例えば銅線やエナメル線で構成される。コイル55は、その一部がコア56内に収容されている。
コア56は、略直方体状の外形を有している。コア56は、コイル55を巻きつけるためのドラムコア57を、中央部分に有している。また、コア56には、ドラムコア57の左右において、コイル55を通すための開口58がそれぞれ形成されている。さらにコア56は、取付部59を有している。
取付部59は、コイル部品CP1と放熱板61とを固定するための部分であるとともに、放熱板61に当接してコイル部品CP1と放熱板61とを熱的に接続するための部分である。取付部59は、金属や合成樹脂等の伝熱性の高い材料を、平板状に成形されている。
取付部59には、複数のネジ孔TH1が形成されている。取付部59は、ネジ孔TH1を介して、放熱板61とネジS2でネジ止めされる。これにより、コイル部品CP1と、放熱板61の第1平面部611と、が密着している。
取付部59は、平板状を呈している。取付部59は、正面側の主面である平面部591(特許請求の範囲記載の「平面部」に相当)を有しており、平面部591において放熱板61に当接している。平面部591は、放熱板61の第1平面部611に対して略平行に延びている。なお、本明細書において、「第1平面部611に対して略平行に延び」とは、第1平面部611に対して完全に平行に延びる場合のみならず、第1平面部611に対して若干傾斜して延びる場合も含む、と解釈する。
また、取付部59の平面部591は、正面方向(放熱板61側)から視た場合に、コア56よりも面積を大きく構成されている。これにより、コイル部品CP1は、放熱板61との伝熱面積を十分に確保されており、その結果、コイル部品CP1の冷却が促進されている。
プリント基板41においては、複数のコイル部品CP1が、鉛直方向に沿って並ぶように配置されている。なお、コイル部品CP1は、前方向又は後方向(すなわち主面411方向)から視た場合において、その大部分が冷媒ジャケット62と重畳しないように配置されている。具体的に、コイル部品CP1は、主面411方向から視た場合に、コア56及びコイル55が冷媒ジャケット62から外れている。
ここで、コイル部品CP1が自然空冷で冷却される場合には、太いコイルをコイル55として採用して損失を下げることで、発熱を抑制することが一般的に行われる。係る場合、コイル55の巻数を確保するうえで、コイル部品CP1のサイズが大型化しやすくなるとともに重量が増加しやすく、プリント基板41への実装が困難となる。
しかし、本実施形態においては、コイル部品CP1は、ヒートシンク60と熱的に接続されることで運転時において十分に冷却され、コイル55として太いコイルが採用されなくても、温度上昇が抑制されている。これにより、コイル部品CP1のコンパクト化及び軽量化が促進されており、その結果として、コイル部品CP1を、パワーデバイスPD1及びパワーモジュールPM1とともにプリント基板41に実装することが可能となっている。
(4)第5配管P5の支持機能
本実施形態では、プリント基板41は、厚みt1の厚み方向が前後方向(水平方向)に沿って延びている。同様に、ヒートシンク60の放熱板61は、厚みt2の厚み方向が前後方向(水平方向)に沿って延びている。すなわち、各種の電気部品を実装されたプリント基板41と、放熱板61と、は室外ユニットケーシング21内において立設されている。
プリント基板41と、放熱板61と、は隣接しており、第1当接部613及び第2当接部614に当接する発熱部品を介して接触しているため、状況によっては互いに荷重を掛け合う関係にある。例えば、室外ユニット20の運搬等の際において室外ユニット20が前後いずれかの方向に傾いた時には、第1当接部613及び第2当接部614を介してプリント基板41から放熱板61に荷重が掛かりやすい。
ここで、本実施形態では、第5配管P5が、放熱板61の正面側(プリント基板41とは反対側)において、鉛直方向に延びており、第1鉛直部31及び第2鉛直部32においてヒートシンク60と当接している。その結果、プリント基板41の荷重が掛かりやすいヒートシンク60は、第1鉛直部31及び第2鉛直部32によって、正面側(重力が働く側)から支持されている。
例えば、室外ユニットケーシング21が前後いずれかの方向に傾いた時に、放熱板61がプリント基板41から荷重を受けても、放熱板61が第1鉛直部31及び第2鉛直部32によって支持されることで、プリント基板41及びヒートシンク60は設置時の姿勢を安定的に保ちやすい。すなわち、第5配管P5は、冷媒を流通する役割とは別に、プリント基板41及びヒートシンク60を支持する役割を担っている。
(5)特徴
(5−1)
上記実施形態では、コイル部品CP1は、放熱板61の第2当接部614と熱的に接続されている。すなわち、空気調和機100では、運転中、コイル部品CP1がヒートシンク60によって冷却されるように構成されている。これにより、コイル55として特に太いコイルを採用しなくてもコイル部品CP1の温度上昇が抑制されるようになっている。その結果、コイル部品CP1のコンパクト化及び軽量化が促進されており、パワーデバイスPD1及びパワーモジュールPM1が実装されるプリント基板41にコイル部品CP1を実装することが可能となっている。このため、コイル部品CP1がプリント基板41から離れて配置される場合に必要となる、コイル部品CP1と各電器部品を接続するためのハーネスが不要となっている。
(5−2)
上記実施形態では、ヒートシンク60は、放熱板61の第1当接部613とプリント基板41の主面411との最短距離である第1距離d1と、第2当接部614とプリント基板41の主面411との最短距離である第2距離d2と、が同一であり、第5配管P5に当接している。これにより、ヒートシンク60は、サイズを特に大きく構成されなくても、パワーデバイスPD1及びパワーモジュールPM1及びコイル部品CP1を冷却するのに十分な放熱性能を充足できるようになっている。
(5−3)
上記実施形態では、プリント基板41の厚みt1の厚み方向は前後方向(水平方向)に沿って延び、第5配管P5の第1鉛直部31及び第2鉛直部32がヒートシンク60の配管当接部621に当接している。これにより、第1当接部613及び第2当接部614を介してプリント基板41からの荷重を受けやすいヒートシンク60を、第1鉛直部31及び第2鉛直部32が、配管当接部621との接触部分において支持している。その結果、パワーデバイスPD1、パワーモジュールPM1及びコイル部品CP1を実装されたプリント基板41と、ヒートシンク60と、は設置時の姿勢を安定的に保ちやすいように構成されている。
(5−4)
上記実施形態では、プリント基板41は、主面411において、3つ以上の発熱部品(パワーデバイスPD1及びパワーモジュールPM1)が鉛直方向に並べて配置されることで、ヒートシンク60の配管当接部621の長手方向に沿って並んでいる。その結果、各発熱部品(パワーデバイスPD1及びパワーモジュールPM1)、ヒートシンク60及び第5配管P5間の熱交換が促進されるようになっている。
(5−5)
上記実施形態では、コイル部品CP1は、第2当接部614と略平行に延びるとともに第2当接部614に当接する平面部591を有している。これにより、コイル部品CP1とヒートシンク60との伝熱面積が十分に確保され、熱交換が促進されるようになっている。
(6)変形例
(6−1)変形例A
上記実施形態では、本発明は、冷凍装置としての空気調和機100に適用されたが、これに限定されず、他の冷凍装置に適用されてもよい。例えば、本発明は、給湯器や除湿器等のヒートポンプシステムに適用されてもよい。また、本発明は、換気装置や空気清浄機等に適用されてもよい。
(6−2)変形例B
上記実施形態では、ヒートシンク60は、室外電装品ユニット40に含まれる発熱部品を冷却するために室外ユニット20内に配置されていた。しかし、これに限定されず、ヒートシンク60は、例えば、室内ファンモータ駆動ユニット15に含まれる発熱部品を冷却するために室内ユニット10内に配置されてもよい。
(6−3)変形例C
上記実施形態では、第5配管P5の第1鉛直部31及び第2鉛直部32は、鉛直方向に延びていた。しかし、これに限定されず、第1鉛直部31及び第2鉛直部32は、水平方向に沿って延びるように構成されてもよい。係る場合、放熱板61と、冷媒ジャケット62の配管当接部621及びカバー部622とは、第1鉛直部31及び第2鉛直部32が延びる方向に沿って延びるように構成される。
(6−4)変形例D
上記実施形態では、コイル部品CP1は、取付部59の平面部591において、放熱板61の第2当接部614と直接当接していた。しかし、これに限定されず、平面部591と第2当接部614との間に、放熱シートや放熱グリス等の伝熱性の高い伝熱部材を介在させてもよい。これにより、コイル部品CP1及びヒートシンク60間の熱交換がさらに促進される。
(6−5)変形例E
上記実施形態では、図6に示すような態様で、各発熱部品(パワーモジュールPM1、パワーデバイスPD1及びコイル部品CP1)が配置されていた。しかし、プリント基板41における各発熱部品の配置態様については、特に限定されず、適宜選択が可能である。例えば、複数のパワーモジュールPM1、パワーデバイスPD1及びコイル部品CP1を、第3当接部615の裏側に沿って、鉛直方向に並べてもよい。または、回路の配置順に並ぶように各発熱部品を配置してもよいし、発熱の程度が高い順に並ぶように各発熱部品を配置してもよい。
(6−6)変形例F
上記実施形態では、プリント基板41に実装される発熱部品としてパワーデバイスPD1、パワーモジュールPM1及びコイル部品CP1を例に挙げて説明したが、プリント基板41に実装される発熱部品は、特に限定されず、いかなるものであってもよい。
(6−7)変形例G
上記実施形態では、パワーデバイスPD1としては、トランジスタ501、502、503、504、505及び506と、ダイオードD1a、D1b、D2a及びD2bと、を例に挙げたが、特にこれに限定されず、他のパワーデバイスであってもよい。
また、パワーモジュールPM1としては、整流部45と、インバータ50と、を例に挙げたが、特にこれに限定されず、他のパワーモジュールであってもよい。
また、コイル部品CP1としては、CMC44及びリアクトル46を例に挙げたが、特にこれに限定されず、コイルを有する他の部品であってもよい。
(6−8)変形例H
上記実施形態におけるコイル部品CP1は、コイル部品CP2のように構成されてもよい。
図8は、コイル部品CP2をプリント基板41に設置した状態を示す平面図である。コイル部品CP2は、コア56に代えてコア56aを有している。
コア56aでは、コア56とは異なり、取付部59が省略されている。このため、コア56aは、コア56よりも前後方向の長さが短い。その結果、コア56aをプリント基板41に設置した場合、コア56aと放熱板61の第1平面部611との間にクリアランスが生じることとなるが、当該クリアランスを埋める伝熱シート70がコア56aの正面部分に配置されている。
伝熱シート70(特許請求の範囲記載の「伝熱部材」に相当)は、放熱シートとも呼ばれる、伝熱性の高い合成樹脂製の部材である。伝熱シート70は、シート状に成形されている。伝熱シート70は、放熱板61と、コイル部品CP2(コイル55)との間に介在しており、背面側部分においてコイル部品CP2と当接し、正面側部分において放熱板61に当接している。
これにより、放熱板61(第2当接部614)とコイル部品CP2とが伝熱シート70を介して熱的に接続され、コイル部品CP2の冷却が促進される。
なお、放熱板61とコイル部品CP2との間において、伝熱シート70の代わりに、放熱グリス等の他の伝熱部材を介在させることで、放熱板61とコイル部品CP2とを熱的に接続してもよい。
(6−9)変形例I
上記実施形態におけるコイル部品CP1は、コイル部品CP3のように構成されてもよい。
図9は、コイル部品CP3をプリント基板41に設置した状態を示す平面図である。コイル部品CP3は、コイル55を巻きつけられるコア56に代えて、コイル55aを巻きつけられるコア56bを有している。コア56bは、コア56とは異なり、トロイダルコアであり、リング状を呈している。
コア56bは、コア56よりも前後方向の長さが短い。その結果、コア56bをプリント基板41に設置した場合、コア56bと放熱板61の第1平面部611との間にクリアランスが生じることとなるが、当該クリアランスを埋める伝熱シート71がコア56bの正面部分に配置されている。
伝熱シート71(特許請求の範囲記載の「伝熱部材」に相当)は、放熱シートとも呼ばれる、伝熱性の高い合成樹脂製の部材である。伝熱シート71は、シート状に成形されている。伝熱シート71は、放熱板61と、コイル部品CP3(コイル55a)との間に介在しており、背面側部分においてコイル部品CP3(コイル55a及びコア56a)と当接し、正面側部分において放熱板61に当接している。
これにより、放熱板61(第2当接部614)とコイル部品CP3とが伝熱シート71を介して熱的に接続され、コイル部品CP3の冷却が促進される。
なお、放熱板61とコイル部品CP3との間において、伝熱シート71の代わりに、放熱グリス等の他の伝熱部材を介在させることで、放熱板61とコイル部品CP3とを熱的に接続してもよい。
(6−10)変形例J
上記実施形態では、放熱板61及び冷媒ジャケット62は、押出成形により製造されるものとして説明した。しかし、これに限定されず、放熱板61又は冷媒ジャケット62は、他の製法により製造されてもよく、例えば、鋳型を用いて製造されてもよいし、プレス加工によって製造されてもよい。
(6−11)変形例K
上記実施形態では、第1距離d1及び第2距離d2は10mmに設定されるものとして説明した。しかし、第1距離d1及び第2距離d2は、特にこれに限定されず、他の長さに設定されてもよい。例えば、第1距離d1及び第2距離d2は8mmに設定されてもよく、15mmに設定されてもよい。すなわち、第1距離d1及び第2距離d2は、各発熱部品(パワーデバイスPD1、パワーモジュールPM1及びコイル部品CP1)の寸法に応じて、適宜設定されればよい。
(6−12)変形例L
上記実施形態では、ヒートシンク60において、第3当接部615が第1当接部613の裏側に位置するように、冷媒ジャケット62が配置されていた。しかし、これに限定されず、冷媒ジャケット62は、第3当接部615が第2当接部614の裏側に位置するように配置されてもよい。
(6−13)変形例M
上記実施形態では、プリント基板41又は放熱板61は、厚みt1又は厚みt2の厚み方向が前後方向(水平方向)に沿って延びるように配置されていた。しかし、これに限定されず、プリント基板41又は放熱板61は、厚みt1又は厚みt2の厚み方向が左右方向(水平方向)に沿って延びるように配置されてもよい。また、プリント基板41又は放熱板61は、厚みt1又は厚みt2の厚み方向が上下方向(鉛直方向)に沿って延びるように配置されてもよい。
(6−14)変形例N
上記実施形態におけるヒートシンク60は、図10及び図11に示すヒートシンク60aのように構成することも可能である。以下、ヒートシンク60aについて説明する。
図10は、ヒートシンク60aの正面図である。図11は、ヒートシンク60aの平面図である。
ヒートシンク60aでは、ヒートシンク60の構成に加えて、複数の放熱フィン80をさらに有している。各放熱フィン80は、伝熱性の高い素材(例えばアルミ等の金属や合成樹脂等)を板状に成形されることで構成されている。
各放熱フィン80は、放熱板61の第3当接部615の右側に配置されている。各放熱フィン80は、第2平面部612から前方向に突出しており、平面視において放熱板61が延びる方向(左右方向)とは交差する方向(前後方向)に延びている。すなわち、各放熱フィン80は、平面視において、プリント基板41の主面411に対して交差する方向に延びている。
ヒートシンク60aにおける他の構成は、ヒートシンク60と略同一である。
ヒートシンク60aでは、複数の放熱フィン80が配置されていることにより、ヒートシンク60よりも空気との熱交換量が増加する。その結果、ヒートシンク60aの放熱量が増大し、各発熱部品の冷却がさらに促進される。
(6−15)変形例O
上記実施形態では、ヒートシンク60は、放熱板61と、配管当接部621と、が別体として構成されていた。しかし、放熱板61と、配管当接部621と、は一体に構成されてもよい。
(6−16)変形例P
上記実施形態では、冷媒ジャケット62は、配管当接部621及びカバー部622を有していた。しかし、冷媒ジャケット62は、配管当接部621を省略されてもよい。係る場合、放熱板61の第2平面部612において、第5配管P5が当接するように構成すればよい。より詳細には、放熱板61の第2平面部612において、第5配管P5の外周の一部が嵌合可能な形状に湾曲する溝を形成して、当該溝に第5配管P5が嵌合するように構成すればよい。また、カバー部622は、ネジ止め等により、放熱板61に固定されればよい。
(6−17)変形例Q
上記実施形態では、パワーモジュールPM1及びコイル部品CP1は、放熱板61とネジ止めされていた。しかし、パワーモジュールPM1及びコイル部品CP1は、放熱板61と熱的に接続されていれば、必ずしも放熱板61とネジ止めされる必要はない。
本発明は、冷凍装置に利用可能である。
20 :室外ユニット
21 :室外ユニットケーシング
22 :圧縮機
22a :圧縮機モータ
25 :室外ファン
25a :室外ファンモータ
31 :第1鉛直部
32 :第2鉛直部
40 :室外電装品ユニット
41 :プリント基板(基板)
42 :室外ユニット制御部
43 :アクチュエータ駆動ユニット
45 :整流部
46 :リアクトル
50 :インバータ
55、55a :コイル
56、56a、56b :コア
57 :ドラムコア
58 :開口
59 :取付部
60、60a :ヒートシンク(放熱器)
61 :放熱板
62 :冷媒ジャケット
70、71 :伝熱シート(伝熱部材)
80 :放熱フィン
100 :空気調和機(冷凍装置)
411 :主面
501〜506 :トランジスタ
591 :平面部
611 :第1平面部(裏側面)
612 :第2平面部(表側面)
613 :第1当接部(第1当接面)
614 :第2当接部(第2当接面)
615 :第3当接部
621 :配管当接部
622 :カバー部
CP1、CP2、CP3 :コイル部品(発熱部品)
D1a、D1b、D2a、D2b :ダイオード
L1、L2 :リード
P5 :第5配管(冷媒配管)
PD1 :パワーデバイス(発熱部品)
PM1 :パワーモジュール(発熱部品)
S1、S2 :ネジ
TH1 :ネジ孔
d1 :第1距離
d2 :第2距離
fp1、fp2 :嵌合部
t1、t2 :厚み
特開2010―175224号公報

Claims (5)

  1. 複数の発熱部品(PD1、PM1、CP1、CP2、CP3)を実装される基板(41)と、
    冷媒が内部を流れる冷媒配管(P5)と、
    前記発熱部品及び前記冷媒配管に当接する放熱器(60、60a)と、
    を備え、
    前記基板は、同一の主面(411)に、前記発熱部品としてのパワーデバイス(PD1)及びコイル部品(CP1、CP2、CP3)を実装され、
    前記放熱器は、
    前記基板に隣接し、
    前記パワーデバイスに熱的に接続される第1当接面(613)及び前記コイル部品に熱的に接続される第2当接面(614)を含む裏側面(611)と、前記冷媒配管と当接する配管当接部(621)を含む表側面(612)と、を有し、
    前記第1当接面及び前記主面の最短距離(d1)と、前記第2当接面及び前記主面の最短距離(d2)と、が同一である、
    冷凍装置(100)。
  2. 前記冷媒配管は鉛直方向に延びる鉛直部(31、32)を含み、
    前記鉛直部は、前記配管当接部に当接し、
    前記基板は、その厚み方向(t1)が水平方向に沿って延びる、
    請求項1に記載の冷凍装置(100)。
  3. 前記基板は、前記主面において、3つ以上の前記発熱部品が鉛直方向に並ぶように配置される、
    請求項1又は2に記載の冷凍装置(100)。
  4. 前記コイル部品(CP1)は、コイル(55)を巻きつけられるコア(56)を有し、
    前記コアには、前記第2当接面に当接する平面部(591)が設けられる、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の冷凍装置(100)。
  5. 前記コイル部品(CP2、CP3)は、コイル(55、55a)を有し、
    前記コイルと前記第2当接面との間には伝熱部材(70、71)が配置され、
    前記第2当接面は、前記伝熱部材を介して前記コイル部品と熱的に接続される、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の冷凍装置(100)。
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