JP7174871B2 - 顆粒の製造方法及び顆粒 - Google Patents
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Description
本発明の一実施形態は、結晶性の糖及び結晶性の糖アルコールからなる群より選ばれる少なくとも一種と、機能材料とを含有し、糖及び/又は糖アルコールの一部が結晶状態で含まれる混合懸濁液を得る工程(混合工程)と、混合懸濁液を低温条件で噴霧乾燥する工程(噴霧乾燥工程)と、を備える、顆粒の製造方法である。
本発明の一実施形態は、結晶性の糖及び結晶性の糖アルコールからなる群より選ばれる少なくとも一種と、機能材料とを含有し、結晶性の糖及び/又は糖アルコールは、一部が結晶状態であり、他部が非結晶状態である、顆粒である。結晶性の糖、結晶性の糖アルコール、及び機能材料の詳細な態様は、上述したものと同様であるため説明を省略する。なお、本発明における「顆粒」は、粒子の集合体であり、顆粒を構成する粒子(顆粒粒子)が、結晶性の糖及び糖アルコールからなる群より選ばれる少なくとも一種と、機能材料とを含有する。
(1)示差走査熱量計(DSC、例えば日立ハイテクサイエンス株式会社製のリアルビューDSC(TA7000))で昇温中の顆粒を形態観察する。これにより、非結晶状態の糖、糖アルコールが昇温によってガラス転移することが視認できる。
(2)偏光顕微鏡(例えばメイジテクノ株式会社製の偏光顕微鏡(MT9200L))で、結晶状態と非結晶状態の偏光性の違いを視認する。
水にイソマルツロース酵素反応液(三井製糖株式会社製)を加え、湯せんで80℃に加温しながら溶解し、溶液全量基準で65質量%のイソマルツロース溶液(糖液)を5kg得た。このイソマルツロース溶液5kgを金属製容器に入れて、糖液を30℃になるまで急冷した後、高圧ホモゲナイザー(株式会社イズミフードマシナリ製、「HV-0A1-1.5S」)で、20MPaの圧力下、60Hzで2時間処理した。処理後の溶液(糖懸濁液Aともいう)についてデジタルマイクロスコープ(斉藤光学株式会社製、「SKM-S31B-PC」、倍率:500倍)で観察したところ、粒径が20~80μmのイソマルツロースの結晶が糖懸濁液A中に含まれていた。糖懸濁液Aのデジタルマイクロスコープによる観察結果を、図1(a)に示す。糖懸濁液Aの晶出率は40%であった。
水にイソマルツロース(三井製糖株式会社製)を加え、湯せんで80℃に加温しながら溶解し、溶液全量基準で57.5質量%のイソマルツロース溶液(糖液)を5kg得た。このイソマルツロース溶液5kgを金属製容器に入れて、糖液が30℃になるまで急冷した。35℃以下の温度を維持しながら、高圧ホモゲナイザーを用いて、実施例1と同様の条件で処理した。処理後の溶液(糖懸濁液Bともいう)についてデジタルマイクロスコープ(倍率:500倍)で観察したところ、20~80μmのイソマルツロースの結晶が糖懸濁液B中に含まれていた。糖懸濁液Bのデジタルマイクロスコープによる観察結果を、図1(b)に示す。糖懸濁液Bの晶出率は40%であった。
実施例2において、トレハロースの添加量を10質量%になる量に変更した以外は、実施例2と同様の方法により混合懸濁液(混合懸濁液Cともいう)を得た。
混合懸濁液A、B及びCを、噴霧乾燥機(大川原化工機株式会社製、「OC-16」)を用いて、表1に示す条件によりそれぞれ噴霧乾燥した。60分間の噴霧後、噴霧乾燥機の缶壁の半面に付着した顆粒を採取した。その後、混合懸濁液B及び混合懸濁液Cに関しては、更に30~40分間送風を行い、噴霧乾燥機の缶壁の他の半面に付着した顆粒を採取した。以下、60分間の噴霧直後に採取した顆粒を「一次乾燥顆粒」と呼び、送風後に採取した顆粒を「二次乾燥顆粒」と呼ぶ。
各混合懸濁液から作製した一次乾燥顆粒について、走査型電子顕微鏡(SEM)による顆粒粒子の外観観察を行った。観察結果を図2に示す。なお、図2(a)は混合懸濁液Aから得られた一次乾燥顆粒、図2(b)は混合懸濁液Bから得られた一次乾燥顆粒、図2(c)は混合懸濁液Cから得られた一次乾燥顆粒のSEM像(倍率:250倍)である。各像に示すように、得られた顆粒は、結晶状態の糖(イソマルツロース)が凝集して形成されていることが分かる。また、顆粒粒子の外観、断面を観察したところ、結晶状態の糖同士が形成する間隙に、非結晶状態の糖及び機能材料による非定型の固相(塊)が観察された。
各顆粒に含まれる自由水を、近赤外線水分計(株式会社ケツト科学研究所製、「NIR moisture meter KJT-230」)を用いて測定した。
また、各顆粒に含まれる全水分量を次の方法で測定した。顆粒約5gを電子天秤(METTLER TOLEDO製、「ME204」)を用いて測定し、更に全体が約25gになるまで蒸留水を加え、その時の重量を測定した。顆粒を完全に溶解した後、レフブリックス計(株式会社アタゴ製、「RX-5000α」)を用いて測定した屈折率から、顆粒溶液中の総固形分を算出した。初めに測定した顆粒重量と、顆粒溶液の総固形分の重量差を、顆粒に含まれる全水分量として算出した。結果を表2に示す。
各実施例に係る一次乾燥顆粒について、目視及び手確認により顆粒の流動性を評価した。評価基準については下記のとおりとした。その結果、実施例1~3の全ての顆粒において、流動性の評価が〇であった。
〇:さらさらしている
△:さらさらだが押すと固まる
×:べたつく、又は固まりがある
噴霧乾燥を実施するにあたり、混合懸濁液に含まれるADHが時間の経過によりどの程度失活するかを確認した。混合懸濁液を採取し、ADH濃度が0.25U/mLになるように蒸留水で希釈した。希釈後、25℃の雰囲気下でADHの基質と反応させて、反応後の液について、分光光度計(株式会社島津製作所製、「UVmini-1240」)により340nmにおける吸光度を測定した。0.25U/mLに調整したADH試薬の吸光度を100%として、各経過時間における吸光度の比率を活性保持率とした。各混合懸濁液における活性保持率の変化を表5に示す。
実施例1~3において得られた顆粒を対象として、[酵素活性の評価(1)]と同様の方法によりADHの活性保持率を測定した。結果を表6に示す。
実施例1に係る一次乾燥顆粒、並びに、実施例2に係る一次乾燥顆粒及び二次乾燥顆粒について、低温保存したときの酵素活性の変化を確認した。各顆粒をチャック付きアルミ袋(株式会社生産日本社製、ラミジップAL-J)に入れ、-20℃の環境下、及び4℃の環境下に所定の日数保存し、上述した方法と同様の方法により、低温保存期間中の各顆粒における活性保持率の変化を測定した。結果を表7に示す。
水にトレハロース(株式会社林原製、「結晶トレハロース」)を加え、湯せんで80℃に加温しながら溶解し、ブリックス値(Bx)が62のトレハロース溶液(糖液)を5kg得た。このトレハロース溶液5kgを金属製容器に入れて、糖液が30℃になるまで急冷した。30℃以下の温度を維持しながら、超音波発振器(株式会社エスエムテー製、「ULTRA SONIC HOMOGENIZER UH-500」)を用いて、POWER MONITERレベル5で15分間処理した。処理後の溶液(糖懸濁液Dともいう)についてデジタルマイクロスコープ(倍率:500倍)で観察したところ、20~80μmのトレハロースの結晶が糖懸濁液D中に含まれていた。糖懸濁液Dのデジタルマイクロスコープによる観察結果を、図3に示す。
混合懸濁液Dを、噴霧乾燥機を用いて、以下に示す条件により噴霧乾燥した。60分間の噴霧後、噴霧乾燥機の缶壁の半面に付着した顆粒(一次乾燥顆粒)を採取した。その後、更に30~40分間送風を行い、噴霧乾燥機の缶壁の他の半面に付着した顆粒(二次乾燥顆粒)を採取した。
<噴霧乾燥条件>
雰囲気温度:28.4~28.6℃
雰囲気湿度:33~35%
入口空気温度:30.2℃
出口空気温度:26.1~28.6℃
供給量:40~45mL/分
アドマイザ回転数:15118~17081rpm
送風風量:60Hz
排風風量:37Hz
実施例4に係る一次乾燥顆粒について、走査型電子顕微鏡(SEM)による顆粒粒子の外観観察を行った(倍率:1000倍)。観察結果を図4に示す。図4に示すように、得られた一次乾燥顆粒は、結晶状態の糖(トレハロース)が凝集して形成されていることが分かる。また、顆粒粒子の外観、断面を観察したところ、結晶状態の糖同士が形成する間隙に、非結晶状態の糖及び機能材料による非定型の固相(塊)が観察された。
実施例4に係る一次乾燥顆粒について、上述の評価基準に基づき、目視及び手確認により顆粒の流動性を評価した。その結果、流動性の評価が〇であった。
実施例4に係る顆粒から、水分活性の異なる顆粒を調製した。実施例4に係る二次乾燥顆粒をアルミ箔で包装した顆粒(顆粒X)と、実施例4に係る一次乾燥顆粒を室温(24~27℃)で20分間減圧乾燥してから、シリカゲルで20~30%RHに調湿したデシケーターに入れた顆粒(顆粒Y)とを用意した。顆粒X及び顆粒Yの水分活性を、水分活性測定装置(METER社製、「Dew Point water activity Meter AquaLAb Series4TE」)により測定した。その結果、下記に示す保存試験前の顆粒Xの水分活性(Aw)は0.7561であり、顆粒Yの水分活性(Aw)は0.4141であった。
上述した「酵素活性の評価(2)」における方法と同様の方法により、室温又は冷蔵保存後の顆粒X、顆粒Yについて、340nmにおける吸光度を測定した。一方、混合懸濁液Dにおいて、ADH濃度が0.25U/mLになるように蒸留水で希釈した。希釈後、25℃の雰囲気下でADHの基質と反応させて、反応後の液について、分光光度計により340nmにおける吸光度を測定した。混合懸濁液Dから測定される吸光度を100%として、各顆粒から測定される吸光度を活性保持率とした。保存時間に伴う活性保持率の変化を表8に示す。
温水に糖類(トレハロース)を加え、湯せんで90℃に加温しながら溶解し、ブリックス値が62の糖液を得た。この90℃の糖液を金属製容器に入れて、糖液が30℃になるまで急冷し、4kgの糖懸濁液(糖懸濁液Eともいう)を得た。一方、0.248gの乳酸脱水素酵素(LDH)(オリエンタル酵母株式会社製)、0.322gのBSA、130gのリン酸緩衝生理食塩水(pH7.5)、及びトレハロース130gを含有する酵素液を調製した。液温30℃に達した直後の糖懸濁液Eにこの酵素液を加え、混合懸濁液(混合懸濁液Eともいう)を得た。なお、酵素液中のBSA、リン酸緩衝生理食塩水、及びトレハロースは、一般的な保護成分として添加されたものである。
送風風量:60.0Hz
排風風量:37.0Hz
塔内静圧:微陽圧
アトマイザ回転数:18000rpm
装置形状:湿式
供給量:42~45mL/分
混合懸濁液の液温:26.9~28.0℃
実施例5、及び比較例1~2に係る顆粒について、走査型電子顕微鏡(SEM)による粒子の外観観察を行った。観察結果(倍率:500、1000倍)を図5に示す。なお、図5(a)は実施例5に係る顆粒(顆粒粒子)、図5(b)は比較例1に係る顆粒、図5(c)は比較例2に係る顆粒の観察結果である。図5(a)に示すように、実施例5に係る顆粒では、結晶状態の糖が凝集して形成されていることが分かる。
実施例5及び比較例1~2の顆粒について、上述の評価基準に基づき、目視及び手確認により顆粒の流動性を評価した。その結果、実施例5に係る顆粒では流動性の評価が〇であったが、比較例1及び比較例2に係る顆粒では、いずれも評価が×であった。
実施例5及び比較例2の顆粒を対象として、顆粒中のLDH活性が時間の経過によりどの程度保持されるかを確認した。室温(25℃)に所定日数保管した顆粒を採取し、LDH濃度が0.25U/mLになるように顆粒を蒸留水で希釈した。希釈後、25℃の雰囲気下でLDHの基質と反応させて、反応後の液について、分光光度計(株式会社島津製作所製、「UVmini-1240」)により340nmにおける吸光度を測定した。0.25U/mLに調整したLDH試薬の吸光度を100%として、各経過日数における吸光度の比率を活性保持率とし、結果を表10に示す。
上述した実施例5における方法において、LDHをADHに変更した以外は、実施例5と同様の方法により混合懸濁液(混合懸濁液Fともいう)を得た。
実施例6及び比較例3に係る顆粒について、走査型電子顕微鏡(SEM)による外観観察を行った。観察結果(倍率:500倍)を図6に示す。なお、図6(a)は実施例6に係る顆粒、図6(b)は比較例3に係る顆粒の観察結果である。図6(a)に示すように、実施例6に係る顆粒では、結晶状態の糖が凝集して形成されていることが分かる。
実施例6及び比較例3の顆粒について、上述の評価基準に基づき、目視及び手確認により顆粒の流動性を評価した。その結果、実施例6に係る顆粒では流動性の評価が〇であったが、比較例3に係る顆粒では評価が×であった。
乳酸菌Lb.paracasei JCM8130Tを、理研研究所バイオリソース研究センターから購入し、培養して種菌とした。種菌を500mLのMRS液体培地を用いて、37℃で48時間培養した。得られた培養液について660nmにおける吸光度を測定することにより、乳酸菌の培養液が定常状態にあることを確認した。培養後のMRS培地から上清を取り除き、沈殿分画を乳酸菌の濃厚ペレットとして得た。得られた乳酸菌のペレットに、保護剤として、130gのトレハロース、26.1gのスキムミルク、2.61gのアスコルビン酸、及び130gのリン酸緩衝生理食塩水(pH7.5)を添加して、これを乳酸菌液とした。乳酸菌液は、後述の糖懸濁液と混合するまで25℃の室温下で撹拌しながら保持した。一方、実施例5における方法と同様の方法により、4kgの糖懸濁液Eを調製した。30℃の糖懸濁液Eに乳酸菌液を添加して混合懸濁液(混合懸濁液Gともいう)を得た。
実施例7に係る顆粒について、走査型電子顕微鏡(SEM)による顆粒粒子の外観観察を行った。観察結果(倍率:1000倍)を図7に示す。図7に示すように、実施例7に係る顆粒では、結晶状態の糖が凝集して形成されていることが分かる。
実施例7の顆粒について、上述の評価基準に基づき、目視及び手確認により顆粒の流動性を評価した。その結果、流動性の評価が〇であった。
実施例7の顆粒を対象として、顆粒中の乳酸菌が時間の経過によりどの程度保持されるかを確認した。4℃、25℃、及び37℃の各環境下に所定日数保管した顆粒について、2.5mMのリン酸緩衝生理食塩水(pH7.5)を用いて100倍の系列希釈を5反復実施した。それぞれの希釈液1mLを、滅菌済みシャーレに滴下した後、50℃に保温したBCP加アガール培地を希釈液の入ったシャーレに20mL注ぎ込んだ。37℃の恒温器で72時間培養した後、シャーレに形成された乳酸菌のコロニー数をカウントした。希釈倍率から、顆粒1gに含まれていた乳酸菌体数(CFU/g)を計算により求めた。経過日数に伴う乳酸菌体数の変化(Log(CFU/g))を表12に示す。
アラビアガム330gを温水500gに完全に溶解して、アラビアガム溶液を調製した。アラビアガム溶液を液温60℃に調整して、ここに中鎖脂肪酸油(MCT、日清MCTオイル、日清オイリオ株式会社製)165gを混合してから、実施例4と同様の超音波発振器を用いて、POWER MONITERレベル5で乳化処理した。乳化処理の条件としては、30秒の運転と30秒の休止を3回繰り返した。これにより、MCT乳化液を得た。一方、実施例5における方法と同様の方法により、4kgの糖懸濁液Eを調製した。30℃の糖懸濁液EにMCT乳化液を添加して混合懸濁液(混合懸濁液Hともいう)を得た。
実施例8に係る顆粒について、走査型電子顕微鏡(SEM)による顆粒粒子の外観観察を行った。観察結果(倍率:1000倍)を図8に示す。図8に示すように、実施例8に係る顆粒では、結晶状態の糖が凝集して形成されていることが分かる。
実施例8の顆粒について、上述の評価基準に基づき、目視及び手確認により顆粒の流動性を評価した。その結果、流動性の評価が〇であった。
香料(バニリン)40gを、乾熱滅菌器で95℃に温め融液とした後、30℃に急冷した。一方、実施例5における方法と同様の方法により、4kgの糖懸濁液Eを調製した。30℃の糖懸濁液Eに、30℃のバニリン融液40gを混合して、混合懸濁液(混合懸濁液Iともいう)を得た(混合懸濁液Iの固形分中のバニリン濃度:1.59質量%)。
実施例9に係る顆粒について、走査型電子顕微鏡(SEM)による顆粒粒子の外観観察を行った。観察結果(倍率:1000倍)を図9に示す。図9に示すように、実施例9に係る顆粒では、結晶状態の糖が凝集して形成されていることが分かる。
実施例9の顆粒について、上述の評価基準に基づき、目視及び手確認により顆粒の流動性を評価した。その結果、流動性の評価が〇であった。
実施例9に係る顆粒においては、バニリンの芳香が強く保持されていた。顆粒中のバニリン濃度がどの程度であるかを評価するために、下記の方法で三点識別法での官能評価を実施した。
(1)ブランク:温水1Lにトレハロース1240mgを完全溶解した。
(2)顆粒溶液:温水1Lに、実施例9に係る顆粒1260mgを完全溶解した(香気回収率100%であれば、バニリン濃度0.02%となる希釈倍率)。
(3)非顆粒溶液:温水1Lに、バニリン20mg、トレハロース1240mgを完全溶解した(バニリン濃度0.02%となる希釈倍率)。
噴霧乾燥における温度条件が、顆粒の流動性にどの程度影響するかを検討した。温水に糖類(トレハロース:スクロース95:5)を加え、湯せんで90℃に加温しながら溶解し、ブリックス値が61の糖液を得た。この90℃の糖液を金属製容器に入れて、糖液が30℃になるまで急冷した。30℃前後の温度を維持しながら、実施例4と同様の超音波発振器を用いて、POWER MONITERレベル5で15分間処理することにより、糖懸濁液を得た。
糖懸濁液の濃度(ブリックス値)が顆粒の流動性にどの程度影響するかを検討した。温水に糖類(トレハロース:スクロース95:5)を加え、湯せんで90℃に加温しながら溶解し、ブリックス値が50.0、55.0、及び61.0の糖液をそれぞれ調製した。各糖液を金属製容器に入れて、糖液が30℃になるまで急冷し、糖懸濁液を得た。
噴霧乾燥におけるアトマイザ回転数が、顆粒の流動性にどの程度影響するかを検討した。温水に糖類(トレハロース:スクロース=95:5)を加え、湯せんで90℃に加温しながら溶解し、ブリックス値が61の糖液を得た。この90℃の糖液を金属製容器に入れて、糖液が30℃になるまで急冷して、糖懸濁液を得た。
Claims (7)
- 顆粒の製造方法であって、
結晶性の糖及び結晶性の糖アルコール(但し、β-マルトース及び下記式(1)で表される環状四糖を除く。)からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む糖懸濁液と、香料とを含有し、前記糖及び/又は前記糖アルコールの一部が結晶状態で含まれる混合懸濁液を得る工程と、
前記混合懸濁液を低温条件で噴霧乾燥する工程と、を備え、
前記結晶状態の糖及び/又は糖アルコールの晶出率が、前記糖懸濁液全量基準で、20質量%以上であり、
前記顆粒は、前記糖及び前記糖アルコールからなる群より選ばれる少なくとも一種と、前記香料とを含有し、前記糖及び/又は前記糖アルコールは、一部が結晶状態であり、他部が非結晶状態であり、前記結晶状態の糖及び/又は糖アルコール同士が形成する間隙に、前記非結晶状態の糖及び/又は糖アルコールと、前記香料とが保持されている、前記製造方法。
- 前記糖及び前記糖アルコールが、単糖、二糖、三糖及びこれらの糖アルコールである、請求項1に記載の製造方法。
- 前記噴霧乾燥が、入口空気温度0~60℃の条件で行われる、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 前記結晶状態の糖及び/又は糖アルコールの平均粒径が1~80μmである、請求項1~3のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記糖及び前記糖アルコールが、単糖、二糖、三糖及びこれらの糖アルコールである、請求項5に記載の顆粒。
- 前記結晶状態の糖及び/又は糖アルコールの平均粒径が1~80μmである、請求項5又は6に記載の顆粒。
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