JP7171447B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
図1は、実施例1における電子写真方式の画像形成装置の構成を示す概略断面図である。図1に示す画像形成装置は、スキャナ機能とプリンタ機能を備える複合機(MFP)であり、スキャナ部100、作像部103、定着部104、給紙/搬送部105、及びこれらを制御するプリンタ制御部(不図示)から構成される。スキャナ部100は、原稿台に置かれた原稿に照明を当てて原稿画像を光学的に読み取り、読み取った画像を電気信号に変換して画像データを作成する。
次に、感光ドラム102に露光を行う露光部である露光ヘッド106について、図2を参照して説明する。図2(a)は、露光ヘッド106と感光ドラム102との位置関係を示す斜視図であり、図2(b)は、露光ヘッド106の内部構成と、露光ヘッド106からの光束がロッドレンズアレイ203により感光ドラム102に集光される様子を説明する図である。図2(a)に示すように、露光ヘッド106は、矢印方向に回転する感光ドラム102の上部の、感光ドラム102に対向する位置に、取付け部材(不図示)によって画像形成装置に取り付けられている(図1)。
図3は、面発光素子アレイ素子群201を説明する図である。図3(a)は、駆動基板202の面発光素子アレイ素子群201が実装された面の構成を示す模式図であり、図3(b)は、駆動基板202の面発光素子アレイ素子群201が実装された面(第1面)とは反対側の面(第2面)の構成を示す模式図である。
図4は、画像データを処理し、露光ヘッド106に出力する制御基板415と、制御基板415から入力された画像データに基づいて、感光ドラム102を露光する駆動基板202の制御ブロック図である。駆動基板202については、図4に示す駆動部303aにより制御される面発光素子アレイチップ1~15について説明する。なお、駆動部303b(図4には不図示)により制御される面発光素子アレイチップ16~29も、駆動部303aにより制御される面発光素子アレイチップ1~15と同様の動作を行う。また、説明を簡便にするために、ここでは1つの色の画像処理について説明するが、本実施例の画像形成装置では、同様の処理を4色同時に並列処理される。図4に示す制御基板415は、露光ヘッド106を制御する信号を送信するためのコネクタ416を有している。コネクタ416からは、露光ヘッド106のコネクタ305に接続された信号線417、418を介して、それぞれ画像データ、制御基板415のCPU400からの制御信号が送信される。
制御基板415では、制御部であるCPU400により、主に画像データに対する処理と、面発光素子アレイチップ1~29の配置に対する処理が行われる。制御基板415は、周波数変換部402、主走査倍率補正部404、千鳥変換部406、データ送信部408の機能ブロックから構成されている。以下、制御基板415での画像データが処理される順に、各機能ブロックでの処理について説明する。
周波数変換部402は、画像形成装置のコントローラ401から送信された画像データを周波数変換することによって転送速度を変換する。すなわち、周波数変換部402は、コントローラ401から送信される入力画像データをメモリ403に書き込み、CPU400から指示された周波数でメモリ403から読み出すことにより、画像データの転送速度の変換を行う。具体的には、周波数変換部402は、コントローラ401から解像度に応じた周波数で送信された入力データをメモリ403に格納する。次に、周波数変換部402は、CPU400から指示された解像度となる周波数でメモリ403から格納された入力画像データを読み出すディザリング処理を行い、周波数変換された画像データを生成する。本実施例では、周波数変換部402はコントローラ401から送信された1200dpiの解像度の入力画像データを2400dpiの解像度となるように、同じ入力画像データを2度読み出すことにより解像度を2倍にするディザリング処理を行うものとする。その結果、周波数変換部402が生成する画像データは、2400dpi相当の画素データであり、変換された解像度に合わせて画像データの転送速度も変更される。本実施例の2400dpi相当の画素データは1ビットであるものとするが、複数ビットで1画素を表現しても良い。周波数変換部402が生成する画素データは、副走査方向(感光ドラム102の回転方向でもあり、記録紙の搬送方向でもある)の2400dpi相当のラインに対応するラインデータである。そして、周波数変換部402は、解像度が2400dpi相当の各画素に対応する画素データを当該画素の主走査方向(露光ヘッド106の長手方向)における位置と関連付けて生成される。なお、本実施例では、周波数変換を行うためにメモリ403を使用しているが、変換速度の割合に応じて、FIFO(First In First Out:先入れ先出し)メモリを用いてもよい。
次に、補正手段である周波数変換部402によって周波数変換(解像度変換)された画像データは、後段の主走査倍率補正部404に入力される。主走査倍率補正部404では、入力された画像データのフィルタ処理を行い、画像データの解像度を2400dpiから1200dpiに変換し、続いて、露光ヘッド106に搭載されているサーミスタ420の温度情報に基づき、主走査倍率補正を行う。
主走査倍率補正部404は、入力された負画像データの主走査方向の解像度を2400dpiから1200dpiに変換するフィルタ処理を行い、フィルタ処理後の画像データをラインメモリ405に格納する。本実施例では、画像データに対し、主走査方向のフィルタ処理による補間処理を行う。図5(a)は、主走査倍率補正部404でのフィルタ処理の様子を説明する図である。図5(a)において、D1~D9は、面発光素子アレイチップの画像データ(2400dpiの入力データ)を示す。ここで、画像データD1~D8は、該当の面発光素子アレイチップの画像データであり、画像データD9は、隣接する面発光素子アレイチップの最端部の画素データである。D1’~D4’は、フィルタ処理を行った後の画像データ(1200dpiの出力データ)を示している。出力データの解像度(1200dpi)は、入力データの解像度(2400dpi)の2分の1であり、各画素の画像データの算出式は、以下の(式1)で表される。
Dn’=D(2×n-1)×K2+D(2×n)×K1+D(2×n+1)×K2・・・(式1)
続いて、露光ヘッド106に搭載されているサーミスタ420の温度情報に基づき、主走査方向の画像データの削除を行う主走査倍率補正について説明する。前述したように、面発光素子アレイチップは、多数の発光部を有し、発光時の発熱量は大きなものとなる。そのため、発熱量の影響により、面発光素子アレイチップが実装される駆動基板202の熱膨張を招き、駆動基板202の主走査方向の長さが長くなり、感光ドラム102へ書き込む画像の幅も長くなるため、画素を削除することが必要となる。そのため、主走査倍率補正部404では、駆動基板202に設けられたサーミスタ420の温度に基づいて、駆動基板202の主走査方向の延び(長さ変動量)に応じて画像幅を補正する。
変換手段である主走査倍率補正部404により主走査倍率を補正された画像データは、千鳥変換部406に入力される。各面発光素子アレイチップ1~29は、図3(a)で示したように、チップ毎に副走査方向に交互に、千鳥状に配置されている。メモリ421には、各面発光素子アレイチップ1~29が駆動基板202上にどのように配置されているかを示す配置情報(実装位置情報)が保存されている。
千鳥変換部406により千鳥変換処理された画像データは、データ送信部408にてコネクタ416及び305を介して露光ヘッド106の駆動基板202に転送される。詳細には、画像データは、制御基板415側のコネクタ416から、信号線417を介し、露光ヘッド106側の駆動基板202のコネクタ305に入力される。また、CPU400からの通信信号は、制御基板415側のコネクタ416から、信号線418を介し、露光ヘッド106側の駆動基板202のコネクタ305に入力される。
(データ受信部)
次に、露光ヘッド106の駆動基板202に実装された駆動部303a内部の処理について説明する。駆動部303aは、データ受信部410、PWM信号生成部411、タイミング制御部412、制御信号生成部413、駆動電圧生成部414の機能ブロックから構成されている。以下、駆動部303aでの画像データが処理される順に各機能ブロックの処理について説明する。なお、制御基板415の千鳥変換部406では、29個の面発光素子アレイチップ毎に画像データの配列を行い、以降の処理ブロックは、29チップに格納された各画像データを並列に処理する構成となっている。駆動部303aでは、面発光素子アレイチップ1~15に対応した画像データを受信し、面発光素子アレイチップ毎に並列に処理可能な回路を有するものとする。
データ受信部410は、制御基板415のデータ送信部408から送信された信号を受信する。ここで、データ受信部410、データ送信部408は、Line同期信号に同期して副走査方向のライン単位で、画像データを送受信するものとする。
続くPWM信号生成部411では、画素毎のデータ値に応じて面発光素子アレイチップが1画素区間内で発光する発光時間に対応したパルス幅信号(以下、PWM信号という)を生成する。PWM信号を出力するタイミングは、タイミング制御部412により制御される。タイミング制御部412は、データ受信部410から抽出したLine同期信号より、各画素の画素区間に対応した同期信号を生成し、PWM信号生成部411に出力する。駆動電圧生成部414は、PWM信号に同期して、面発光素子アレイチップを駆動する駆動電圧を生成する。なお、駆動電圧生成部414は、CPU400によって所定の光量となるように出力信号の電圧レベルを5V中心に調整可能な構成とする。本実施例では、各面発光素子アレイチップは、同時に4つの発光素子を独立して駆動できる構成となっている。駆動電圧生成部414は、面発光素子アレイチップ毎に駆動信号4ライン、露光ヘッド106全体では、千鳥状構成の1ライン(15チップ)×4=60ラインに駆動信号を供給する。各面発光素子アレイチップに供給される駆動信号は、ΦW1~ΦW4とする(図8参照)。一方、後述するシフトサイリスタ(図8参照)の動作により、順次、面発光素子チップアレイが駆動される。制御信号生成部413は、タイミング制御部412で生成された画素区間に対応する同期信号より、画素毎にシフトサイリスタを転送するための制御信号Φs、Φ1、Φ2を生成する(図8参照)。
図8は、本実施例の自己走査型発光素子(Self-Scanning LED:SLED)チップアレイの一部分を抜き出した等価回路である。図8において、Ra、Rgはそれぞれアノード抵抗、ゲート抵抗であり、Tnはシフトサイリスタ、Dnは転送ダイオード、Lnは発光サイリスタを示す。また、Gnは、対応するシフトサイリスタTn、及びシフトサイリスタTnに接続されている発光サイリスタLnの共通ゲートを表している。ここで、nは2以上の整数とする。Φ1は奇数番目のシフトサイリスタTの転送ライン、Φ2は偶数番目のシフトサイリスタTの転送ラインである。ΦW1~ΦW4は発光サイリスタLの点灯信号ラインであり、それぞれ抵抗RW1~RW4と接続されている。VGKはゲートラインであり、Φsはスタートパルスラインである。図8に示すように、1個のシフトサイリスタTnに対し、発光サイリスタはL4n-3~L4nまでの4個が接続されており、同時に4個の発光サイリスタL4n-3~L4nが点灯可能な構成となっている。
次に、図8に示すSLED回路の動作について説明する。なお、図8の回路図において、ゲートラインVGKには5Vが印加されているものとし、転送ラインΦ1、Φ2、及び点灯信号ラインΦW1~ΦW4に入力される電圧も、同じく5Vとする。図8において、シフトサイリスタTnがオン状態にあるとき、シフトサイリスタTn、及びシフトサイリスタTnに接続されている発光サイリスタLnの共通ゲートGnの電位は約0.2Vまで引き下げられる。発光サイリスタLnの共通ゲートGnと発光サイリスタLn+1の共通ゲートGn+1との間は、結合ダイオードDnで接続されているため、結合ダイオードDnの拡散電位に略等しい電位差が発生する。本実施例では、結合ダイオードDnの拡散電位は約1.5Vであるので、発光サイリスタLn+1の共通ゲートGn+1の電位は、発光サイリスタLnの共通ゲートGnの電位の0.2Vに、拡散電位の1.5Vを加えた1.7V(=0.2V+1.5V)となる。以下、同様に、発光サイリスタLn+2の共通ゲートGn+2の電位は3.2V(=1.7V+1.5V)、発光サイリスタLn+3(不図示)の共通ゲートGn+3(不図示)の電位は4.7V(=3.2V+1.5V)となる。ただし、発光サイリスタLn+4の共通ゲートGn+4以降の電位は、ゲートラインVGKの電圧が5Vであり、これ以上の高い電圧にはならないので、5Vとなる。また、発光サイリスタLnの共通ゲートGnより前(図8の共通ゲートGnよりも左側)の共通ゲートGn-1の電位については、結合ダイオードDn-1が逆バイアス状態になっているため、ゲートラインVGKの電圧がそのまま印加され、5Vとなっている。
次に、発光サイリスタの発光動作に関して説明する。シフトサイリスタTnのみがオンしているとき、発光サイリスタL4n-3~L4nまでの4個の発光サイリスタのゲートはシフトサイリスタTnの共通ゲートGnに共通に接続されている。そのため、発光サイリスタL4n-3~L4nのゲート電位は、共通ゲートGnと同じ0.2Vである。したがって、各々の発光サイリスタのしきい値は1.7V(=0.2V+1.5V)であり、発光サイリスタの点灯信号ラインΦW1~ΦW4から、1.7V以上の電圧が入力されれば、発光サイリスタL4n-3~L4nは点灯可能である。したがって、シフトサイリスタTnがオンしているときに、点灯信号ラインΦW1~ΦW4に点灯信号を入力することにより、発光サイリスタL4n-3~L4nまでの4個の発光サイリスタを選択的に発光させることが可能である。このとき、シフトサイリスタTnの隣のシフトサイリスタTn+1の共通ゲートGn+1の電位は1.7Vであり、共通ゲートGn+1にゲート接続している発光サイリスタL4n+1~4n+4のしきい値電圧は3.2V(=1.7V+1.5V)となる。点灯信号ラインΦW1~ΦW4から入力される点灯信号は5Vであるので、発光サイリスタL4n-3~4nの点灯パターンと同じ点灯パターンで、発光サイリスタL4n+1~L4n+4も点灯しそうである。ところが、発光サイリスタL4n-3~L4nまでの方がしきい値電圧が低いため、点灯信号ラインΦW1~ΦW4から点灯信号が入力された場合には、発光サイリスタL4n+1~L4n+4よりも早くオンする。一旦、発光サイリスタL4n-3~L4nがオンすると、接続されている点灯信号ラインΦW1~ΦW4が約1.5V(拡散電位)に引き下げられる。そのため、点灯信号ラインΦW1~ΦW4の電位が、発光サイリスタL4n+1~L4n+4のしきい値電圧よりも低くなるため、発光サイリスタL4n+1~L4n+4はオンすることができない。このように、1個のシフトサイリスタTに複数の発光サイリスタLを接続することで、複数個の発光サイリスタLを同時点灯させることができる。
図11は、本実施例の面発光サイリスタ部の概略図である。図11(a)は、メサ(台形)構造922に形成された発光素子が複数配列されている発光素子アレイの平面図(模式図)である。図11(b)は、図11(a)に示すB-B線で、メサ構造922に形成された発光素子を切断したときの断面概略図である。発光素子が形成されたメサ構造922は、所定のピッチ(発光素子間の間隔)(例えば1200dpiの解像度の場合には略21.16μm)で配置されており、各メサ構造922は、素子分離溝924により互いに分離されている。
102 感光ドラム
106 露光ヘッド
202 駆動基板
404 主走査倍率補正部
406 千鳥変換部
415 制御基板
Claims (6)
- 第1の方向に回転する感光体と、
前記第1の方向と直交する第2の方向に配列された複数の面発光素子を有し、前記面発光素子により前記感光体を露光する露光部と、
画像データを前記露光部に出力し、画像形成を制御する制御部と、
を備える画像形成装置であって、
前記露光部は、前記感光体を露光する複数の前記面発光素子を有する複数の面発光素子アレイチップと、複数の前記面発光素子アレイチップが前記第2の方向に千鳥状に配置された基板と、を有し、
前記制御部は、前記基板の前記第2の方向の長さ変動量に応じて、前記画像データに対して前記第2の方向の倍率補正を行う補正手段と、
千鳥状に配置された前記面発光素子アレイチップの実装位置に基づいて、前記画像データの並び替えを行う変換手段と、を有し、
前記画像データは、前記補正手段により倍率補正を行った後に、前記変換手段により前記面発光素子アレイチップの実装位置に基づいて並び替えが行われることを特徴とする画像形成装置。 - 前記露光部は、前記基板上に配置され、前記基板の温度を検知する温度検知手段を有し、
前記補正手段は、前記温度検知手段より検知された温度に基づいて、前記基板の前記長さ変動量を算出することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記制御部は、前記面発光素子を発光する前記画像データの数をカウントし、
前記補正手段は、カウントされた前記画像データの数に基づいて予測される前記基板の温度に基づいて、前記基板の前記長さ変動量を算出することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記補正手段は、前記算出した前記基板の前記長さ変動量に応じて、前記画像データを削除することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の画像形成装置。
- 前記露光部は、前記基板上に配置された前記面発光素子アレイチップの実装位置情報を格納した記憶部を有し、
前記変換手段は、前記記憶部より取得した前記面発光素子アレイチップの前記実装位置情報に基づいて、前記画像データの並び替えを行うことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記面発光素子アレイチップは、前記第2の方向に2列に配置され、
それぞれの列の前記面発光素子アレイチップが発光される方向が、互いに逆方向であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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