JP7169151B2 - 車両制御装置 - Google Patents
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Description
上記の車両制御装置は、車両の前後方向の加速度を取得する加速度取得手段と、運転者の操作に基づいて目標速度を設定する目標速度設定手段と、車体速度が介入速度を超えた場合に、目標速度と現在の車体速度に基づいて車両に制動力を与える速度抑制制御を実行する速度抑制制御実行手段と、加速度に応じて介入速度を設定する介入速度設定手段とを備える。
図1は、本発明に係る車両制御装置を適用する車両1の駆動系を示すシステム概略図である。
車両1の駆動源は内燃機関2であり、内燃機関2の出力軸から取り出した駆動力は、トルクコンバータ3、CVT(Continuously Variable Transmission)などの変速機4を介して駆動輪5に伝達する。
内燃機関2は、吸気バルブ及び/又は排気バルブのバルブタイミングを可変とするVTC(Valve Timing Control system)7、及び、吸入空気量を調整する電制スロットルバルブ8を備える。
これらECU11、TCU12、ACU13は、それぞれマイクロコンピュータを備えた電子制御ユニットであり、CAN(Controller Area Network)などの通信ネットワーク14を介して相互通信を行える。
車両1は、各種センサとして、車両1の運転者が操作するアクセルペダル20の開度を検出するアクセル開度センサ21、電制スロットルバルブ8の開度を検出するスロットル開度センサ22、車両1の速度(車体速度)を検出する車速センサ23、ブレーキペダル24を車両1の運転者が操作したとき、つまり制動操作中にオンになるブレーキスイッチ25などを備える。
そして、ECU11は、VTC7、電制スロットルバルブ8、更に、図示を省略した燃料噴射装置、点火装置などを制御して、内燃機関2の運転を制御する機能をソフトウェアとして備える。
なお、車両1の惰性走行状態で速度制御を実施する車両制御装置としての電子制御装置を、ECU11、TCU12、ACU13とは別に設けることができる。
ECU11は、まず、ステップS101で、車両1が速度制御の対象とする所定の惰性走行状態であるか否かを判定する。
このステップS101における惰性走行の判定処理の一態様を、図3のフローチャートにしたがって説明する。
そして、ECU11は、アクセル開度が全閉で、かつ、スロットル開度が全閉であるときに、ステップS203に進み、内燃機関2の減速運転状態で燃料供給を停止させる減速燃料カット中であるか否かを判断する。
ブレーキスイッチ25がオフであるとき、つまり、アクセル全閉、スロットル全閉、減速燃料カット中、ロックアップ中、ブレーキオフの条件が全て成立しているとき、ECU11は、ステップS206に進んで、車両1が速度制御の対象とする惰性走行状態であると判定する。
但し、惰性走行状態の判定条件を、図3に示した5条件に限定するものではない。
例えば、車両1が、GPSと地図情報とを組み合わせたナビゲーション装置31を備える場合は、ECU11は、ナビゲーション装置31から法定最高速度LMSの情報を取得することができる。
また、車両1が前方を撮影するカメラ32を備える場合、カメラ32が撮影した画像の解析によって道路標識を認識する画像処理装置から、法定最高速度LMSの情報を取得することができる。
ここで、ECU11は、例えば、法定最高速度LMSに所定速度ΔVS(例えば、3km/h)を加算した結果を、上限速度VSMAX(VSMAX=LMS+ΔVS)として設定する。したがって、実速度VSが上限速度VSMAXを上回る状態は、速度超過の状態である。
ここで、目標減速度TDEは、後述するように、実速度VSを上限速度VSMAX未満(法定最高速度LMS付近)にまで低下させるときの目標値である。
なお、減速度とは、単位時間当たりの速度の減少量であり、本願では、速度が減少変化しているときの減速度をプラスで表し、減速度が大きいほど単位時間当たりの速度の減少量が大きいものとする。
例えば、ECU11は、車速毎の基準減速度の所定パーセント(例えば、3%)増しの減速度を目標減速度TDEとし、係る目標減速度TDE(基準減速度+3%)を車速毎に記憶する変換テーブルを備え、そのときの実速度VSに基づき変換テーブルを参照して、実速度VSに応じた目標減速度TDEを設定する。
一方、ECU11は、ステップS103で、実速度VSが上限速度VSMAX未満である(実速度VSが上限速度VSMAXを下回っている)と判断すると、ステップS106に進み、目標速度TVSを超えないように車両1に与える制動力を制御する車速制御を実施する。
ECU11は、ステップS301で、実速度VSの単位時間当たりの変化量から求めた実減速度RDEと、目標減速度TDEとを比較する。
減速要求ありと判断したECU11は、ステップS303に進み、車両1に与える制動力を増加させて減速を強め、実減速度RDEを目標減速度TDEに近づける。
ECU11は、変速機4における変速比をより大きく変更(換言すれば、低速側のシフト位置に変更)することで、車両1に与える制動力(エンジンブレーキによる制動力)を増大させる。
なお、ECU11は、車両1に与える制動力の増大を、油圧ブレーキ装置におけるブレーキ油圧の調整によって実施することができる。
なお、A%は、例えば2%程度の値である。
一方、実減速度RDEが目標減速度TDEのA%減の減速度を下回っている場合、ECU11は、ステップS303に戻り、実減速度RDEを更に増大させて目標減速度TDEに近づけるように、車両1に与える制動力の増大制御を継続させる。
ECU11は、ステップS305で、目標減速度TDEのB%増の減速度と、実減速度RDEとを比較する。
なお、B%は、例えば2%程度の値である。
一方、実減速度RDEが“目標減速度TDE+B%”以上であって、目標減速度TDEに対して実減速度RDEが大き過ぎる場合、ECU11は、ステップS306に進む。
ECU11は、車両1に与える制動力の減少を、例えば、変速比の調整及び内燃機関2におけるバルブオーバーラップ量の調整によって実施する。
つまり、目標減速度TDEに対して実減速度RDEが大き過ぎるので、ECU11は、変速機4における変速比を低下させ(シフト位置を高速側に変更し)、また、バルブオーバーラップ量を標準よりも増やすことでポンピングロスを減らして、車両1に与える制動力であるエンジンブレーキ力を弱める。
ここで、バルブオーバーラップ量が増えるとポンピングロスが減ってエンジンブレーキが弱くなり、逆に、バルブオーバーラップ量が減るとポンピングロスが増えてエンジンブレーキが強くなる。したがって、VTC7が吸気バルブのバルブタイミングを可変とする機構である場合、ECU11は、VTC7を吸気バルブのバルブタイミングを進角させる方向に制御することで、バルブオーバーラップ量が増やしポンピングロスを減らすことができる。
そして、実減速度RDEが目標減速度TDEを超えている場合、ECU11は、ステップS306に戻り、車両1に与える制動力を減少させる制御を継続し、実減速度RDEを目標減速度TDE以下にまで低下させる。
一方、実減速度RDEが目標減速度TDE以下になっていれば、更に制動力を弱める必要はないので、ECU11は、本ルーチンを終了させる。
これによって、ECU11は、惰性走行状態において車両1の速度が上限速度VSMAX(法定最高速度LMS)を超える状態を速やかに解消することができ、車両1の速度が過剰に高いことによって運転性が低下したり制動距離が長くなったりすることを抑制できる。
なお、本実施形態では、上限速度VSMAXを、法定最高速度LMSを基準とする速度(例えば、法定最高速度LMS+3km/h)とするが、ECU11は、一定の速度を上限速度VSMAXとしたり、路面勾配などの走行条件に応じて上限速度VSMAXを変更したりすることができ、また、運転者が上限速度VSMAXを任意に変更できるように構成することができる。
ECU11は、実減速度RDEが目標減速度TDEより小さいほど回生ブレーキ量を増やすことで車両1に与える制動力を増やし、目標減速度TDEを下回る実減速度RDEを目標減速度TDEに近づける。
つまり、ECU11は、実減速度RDEが目標減速度TDE付近であれば、オルタネータ6の発電量を標準とし、実減速度RDEが目標減速度TDEより小さくなるほどオルタネータ6の発電量を標準よりも増やして、車両1に与える制動力を増加させる。
図5において、バルブオーバーラップ量O/Lのレベル1-3は、バルブオーバーラップ量O/Lとして、O/Lレベル1<O/Lレベル2<O/Lレベル3の関係を満たし、O/Lレベル3としたときに車両1に与える制動力(ポンピングロス、エンジンブレーキ)が最も小さくなり、O/Lレベルを下げるほど車両1に与える制動力が大きくなる。
つまり、ECU11は、実減速度RDEが目標減速度TDE付近であれば、バルブオーバーラップ量O/Lを標準とし、実減速度RDEが目標減速度TDEより大きくなるほどバルブオーバーラップ量O/Lを標準よりも増やして、車両1に与える制動力を減少させる。
ステップS106における目標速度TVSに基づく車速制御の詳細を、図6のフローチャートにしたがって説明する。
ECU11は、アクセル操作及びブレーキ操作が行われていない惰性走行状態で、操作解除直前(惰性走行になる直前)での実速度VSを目標速度TVSに設定する。
但し、ECU11は、惰性走行状態になったときの実速度VSが上限速度VSMAX以上で法定最高速度LMSを超過していたため、ステップS105の目標減速度TDEに基づく減速度制御を実施し、実速度VSが上限速度VSMAXを下回って目標減速度TDEに基づく減速度制御から目標速度TVSに基づく車速制御に切り換えるときは、上限速度VSMAX若しくは法定最高速度LMSを目標速度TVSに設定する。
ECU11は、実速度VSが、“目標速度TVS+所定速度VS1”以上であるか否か、換言すれば、実速度VSが目標速度TVSより速くかつ実速度VSと目標速度TVSとの速度差が所定速度VS1を上回っているか否かを判断する。
なお、所定速度VS1は、VS1>0km/hであって、例えば、VS1=3km/h程度とする。
ステップS403で加速判定を行ったECU11は、ステップS404に進み、実速度VSが目標速度TVSを上回る状態を解消するために、車両1に与える制動力を増やして車両1を減速させる。
これにより、下り坂を惰性走行するときに、運転者のブレーキ操作によらずに目標速度TVSを超えないように速度が制御され、運転者の操作性を向上させることができる。
なお、所定速度VS2は、0km/h<VS2<VS1であり、例えば、VS2=1km/h程度とする。
一方、実速度VSが“目標速度TVS+所定速度VS2”以下になると、ECU11は、更なる制動力の増加は不要(減速要求無し)と判断し、本ルーチンを終了させる。
ECU11は、ステップS406で、実速度VSが“目標速度TVS-所定速度VS3”以下であるか否かを判断する。
なお、所定速度VS3は、例えば、VS3=3km/h程度とする。
一方、実速度VSが“目標速度TVS-所定速度VS3”以下である場合、ECU11は、実速度VSの低下を抑制するためにステップS407に進む。
次いで、ECU11は、ステップS408に進み、実速度VSが“目標速度TVS-所定速度VS4”以上であるか否かを判断する。
なお、所定速度VS4は、例えば、VS4=1km/h程度とする。
一方、実速度VSが“目標速度TVS-所定速度VS4”以上である場合、つまり、実速度VSが目標速度TVS付近である場合、車速制御は不要であるので、ECU11は、そのまま本ルーチンを終了させる。
つまり、ECU11は、惰性走行状態において実速度VSが上限速度VSMAX以上(速度超過)であると、車両1に与える制動力を制御して実速度VSを目標減速度TDEで低下させ、速度超過を解消するとその後は速度を保持するように車両1に与える制動力を制御する。このため、惰性走行状態で速度超過しているときは、速度超過していないときに比べて車両1の減速度が大きくなる。
図7の例では、目標速度TVSと実速度VS(VS>TVS)との偏差、及び、変速比で条件分けし、条件毎に変速比及び回生ブレーキ量(発電量)の設定を定める。
ここで、目標速度TVSと実速度VSとの偏差ΔVS(ΔVS=VS-TVS)を、-3km/h以下-5km/h未満、-5km/h以下-8km/h未満、-8km/h以下-12km/h未満の3段階に区別し、更に、変速比を低速(Low)、中速(Mid)、高速(High)の3段階に区別し、偏差ΔVSと変速比との組み合わせ毎に、変速比を低速(Low)、中速(Mid)、高速(High)のいずれかに設定し、また、バルブオーバーラップ量を3つのレベル(レベル1<レベル2<レベル3)のいずれかに変更する。
車両1が下り勾配を走行しているときに運転者がアクセルをオフし、時刻t1で惰性走行状態に移行したときに、実速度VSが法定最高速度を超過していると(法定最高速度+3km/h以上であると)、ECU11は、実速度VSに基づき平坦路での惰性走行と同等の目標減速度TDEが設定し、この目標減速度TDEで実速度VSが法定最高速度に向けて低下するように車両1に与える制動力を制御する減速度制御を実施する。
つまり、ECU11は、下り坂での惰性走行において、実速度VSが法定最高速度LMSを超過するときは法定最高速度LMS以下であるときに比べて減速度を大きくし、法定最高速度LMSまで減速させることで、運転性の低下が懸念される速度超過(高車速)の状態が継続することを抑止する。
そして、ECU11は、速度超過が解消されると、目標速度TVSを保持する車速制御を実施し、運転者がブレーキ操作を行わなくとも目標速度TVSを超えることがないように車両1に与える制動力を制御し、車両1が加速することを抑止しつつ惰性走行を継続させる。
また、好ましい実施形態を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の変形態様を採り得ることは自明である。
また、車両1は駆動用モータを備えた電気自動車であってもよく、ECU11は、電気自動車における惰性走行状態を、駆動用モータの出力が零若しくは零付近の所定値以下の出力であることを条件に判定することができる。
また、ECU11は、回生ブレーキ量、バルブオーバーラップ量、無段変速機における変速比を速度、減速度の変化に応じて連続的に変化させることができる。
また、ECU11は、ステップS105における減速度制御を、車両1が下り勾配を走行していることを条件に実施することができる。ここで、ECU11は、惰性走行状態になってからの速度変化に基づき下り勾配であることを判定することができ、また、車両1の位置情報及び地図情報から道路勾配を取得したり、無線通信によって外部から勾配情報を取得したりすることができる。
Claims (3)
- 車両の惰性走行状態において、前記惰性走行状態になる直前の前記車両の速度を目標速度に設定し、前記車両の速度と前記目標速度との比較に基づき前記車両に与える制動力を調整する車速制御を実施する、車両制御装置であって、
前記惰性走行状態において前記車両の速度が所定の上限速度を超過しているときは、前記車両の減速度と目標減速度との比較に基づき前記車両に与える制動力を調整する減速度制御を実施することで、前記車両の速度が前記上限速度を超過していないときに比べて前記車両の減速度を大きくし、
前記減速度制御によって前記車両の速度が前記上限速度を下回ったときは、前記上限速度を前記目標速度に設定して前記車速制御を実施する、
車両制御装置。 - 前記車速制御において、前記車両の速度が前記目標速度を超過しているときは、前記車両に与える制動力を増加させ、前記車両の速度が前記目標速度を下回っているときは、前記車両に与える制動力を減少させる、
請求項1記載の車両制御装置。 - 前記上限速度は、前記車両の走行路の法定最高速度に基づく速度である、
請求項1記載の車両制御装置。
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JP2000185576A (ja) | 1998-12-17 | 2000-07-04 | Daimlerchrysler Ag | 自動車の走行速度調整方法 |
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JP2007326429A (ja) | 2006-06-07 | 2007-12-20 | Toyota Motor Corp | 速度制限装置 |
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