(1)概要
以下の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
本実施形態に係る認証情報出力システム1は、図2に示すように、受付部101と、認証出力部102と、を備えている。ここでは一例として、認証情報出力システム1は、サーバ5によって実現されることを想定する。サーバ5は、1台のサーバ装置から構成されてもよいし、2台以上のサーバ装置から構成されてもよい。
受付部101は、認証情報に関する出力要請を受け付ける。認証情報は、施設(ここでは一例として集合施設2)に導入されるインターホンシステム10の、玄関(ここでは一例として集合玄関)における玄関装置13に入力可能であり玄関の解錠及び開放の少なくとも一方が実行されるためのものである。集合施設2は、一例として、マンション等の集合住宅を想定する。しかし、集合施設2は、集合玄関が存在する施設であれば、非住宅の施設でもよい。また「施設」は、集合施設2に限定されず、住宅の施設の場合、戸建て住宅でもよい。またここで言う「玄関」は、集合玄関に限定されず、戸建て住宅の玄関でもよいし、集合住宅の各住戸(専有部23)の玄関でもよい。
本開示における「出力要請」は、例えば、1又は複数の集合施設2を管理する管理会社等が運用する端末(図2ではオペレーション端末T1)で生成される。管理会社では、例えば、集合施設2内で実施予定となるメンテナンス作業に関するスケジュールを管理している。言い換えると、管理会社では、集合施設2に来訪予定のある者、すなわち集合施設2内でメンテナンス作業等を行う作業者(以下、予定者M1と呼ぶ)のスケジュールを管理している。管理会社のオペレータOP1は、予定者M1の集合施設2への来訪予定日が決まれば、オペレーション端末T1を操作して、出力要請を行う。
認証出力部102は、出力要請の受け付けに応じて、玄関装置13に対して所定回数の入力及び所定期間内における入力の少なくとも一方が有効な認証情報を、所定の情報端末3に出力する。ここでは一例として、情報端末3は、予定者M1が携帯する携帯端末を想定する。携帯端末は、スマートフォン、若しくはタブレット端末等である。
この構成によれば、認証出力部102が認証情報を情報端末3に出力するため、予定者M1は、自身で認証情報を用いて玄関の解錠及び開放の少なくとも一方を行える。さらに認証情報は、玄関装置13に対して所定回数の入力及び所定期間内における入力の少なくとも一方が有効なものであるため、半恒久的に有効な暗証番号に比べて施設(集合施設2)内におけるセキュリティの低下を抑制できる。
したがって、施設(集合施設2)内におけるセキュリティの低下を抑制しつつ、利便性の向上を図ることができる。
(2)詳細
以下、本実施形態に係る認証情報出力システム1を備える集合施設管理システム100の全体構成について、図1~図3を参照しながら詳しく説明する。
(2.1)全体構成
集合施設管理システム100は、図1及び図2に示すように、認証情報出力システム1と、インターホンシステム10とを備えている。図1では、1つの集合施設2に適用されるインターホンシステム10が図示されている。インターホンシステム10は、複数の集合施設2に適用されてもよい。すなわち、集合施設管理システム100の管理対象は、複数の集合施設2であってもよい。
本開示でいう「集合施設」は、複数の施設の集合体であって、1つの建物内に複数の施設が含まれているような建造物を意味する。本開示でいう「施設」は、居住用途で用いられる住宅施設、並びに店舗(テナント)、オフィス、福祉施設、教育施設、病院及び工場等の非住宅施設を含む。非住宅施設には、飲食店、遊技場、ホテル、旅館、幼稚園、保育所及び公民館等も含む。つまり、集合施設2は、マンション等の集合住宅であってもよいし、オフィスビル等の非住宅の施設であってもよい。さらに、集合施設2は、例えば、低層階が店舗で高層階が住戸というように、住宅施設と非住宅施設とが混在する態様の施設も含む。本実施形態では一例として、集合施設2が、複数の住戸を含む集合住宅(マンション等)である場合を想定する。集合住宅においては、ロビー(集合玄関)、駐車場、キッズルーム、又は、ごみ収集場等が共用部22(図1参照)となり、複数の住戸のそれぞれが専有部23(図1参照)となる。また1つの集合施設2は、複数の棟を含んでもよい。
本実施形態では、1つの管理対象(1つの集合施設2、又は1以上の棟)に、少なくとも1つの共用部22と、複数の専有部23と、が含まれていることとする。また図1に示すように、1つの管理対象に、少なくとも1つの管理室21が含まれてもよい。ここでいう管理室21は、管理対象である集合施設2(又は1以上の棟)を管理するための設備(例えば、管理室親機11等)が設置されており、管理人が、入居者の不在時における来訪者の受付け等の管理業務を行うための場所である。管理室21は、管理事務所及び管理人室等を含む。
(2.2)インターホンシステム
まずインターホンシステム10の構成について図1を参照して説明する。図1では、管理対象である集合施設2に含まれる複数の棟のうち、1つの棟に構築されたインターホンシステム10のみを図示している。また、それぞれ住戸からなる複数の専有部23については同様の装置(居室親機12等)が導入されるが、図1では、1つの専有部23(住戸)についてのみ導入される装置を示し、それ以外の専有部23については導入される装置の図示を省略する。
インターホンシステム10は、図1に示すように、管理室親機11と、居室親機12と、玄関装置13(ロビーインターホン)と、制御装置14と、居室子機17と、を備えている。
管理室親機11は、管理室21の室内空間に設置されている。インターホンシステム10は、管理室21に設置されるものとして、管理室親機11と互いに通信(通話を含む)可能な管理室子機、及び通信アダプタ等を更に備えてもよい。管理室子機は、例えば、管理室21の玄関の外に設置される玄関子機であり、管理室親機11と電気的に接続される。
玄関装置13(ロビーインターホン)及び制御装置14は、共用部22の1つである集合玄関(ロビー)に設置されている。
居室親機12及び居室子機17は、各専有部23に設置されている。つまり、複数の専有部23を有する集合施設2において、インターホンシステム10は、居室親機12及び居室子機17を複数台ずつ備えることになる。インターホンシステム10は、各専有部23に設置されるものとして、火災感知器又はガス感知器等の1又は複数の防災機器を更に備えてもよい。防災機器は、居室親機12と通信可能に構成されて、火災等の異常の発生を検知すると、居室親機12に報知信号を送信することによって異常の発生を報知する。
居室親機12は、各専有部23(住戸)の室内空間に設置されている。居室子機17は、居室親機12と電気的に接続されており、例えば、各専有部23の玄関の外に設置される玄関子機である。つまり、居室親機12と居室子機17とは、互いに通信(通話を含む)可能に構成されている。居室子機17は、撮像部(カメラ)を有しており、居室子機17の撮像部で撮影された来訪者の画像を居室親機12にて表示することができる。
ここで、ロビー(共用部22)の扉221(又は扉221に設けられた電気錠)は、玄関装置13と電気的に接続されており、玄関装置13にて制御可能である。言い換えると、扉221(又は電気錠)もインターホンシステム10の構成要素に含まれる。これにより、インターホンシステム10では、玄関装置13にて、ロビー(共用部22)の扉221の開閉又は施解錠を制御することが可能である。つまり、扉221が自動扉である場合には、玄関装置13は、デフォルトで閉じた状態にある扉221を開放するように扉221を制御できる。
玄関装置13は、例えば、集合施設2のロビー等の共用部22において、扉221の外側(集合施設2の外部と通じる側)に設置されている。
管理室親機11、複数台の居室親機12、及び玄関装置13は、いずれも制御装置14に対して電気的に接続されている。そのため、管理室親機11と各居室親機12と玄関装置13とは、制御装置14を介して互いに通信(通話を含む)可能である。すなわち、管理室親機11と各居室親機12とは互いに通信可能である。さらに、管理室親機11と玄関装置13とは互いに通信可能であって、各居室親機12と玄関装置13とは互いに通信可能である。
玄関装置13は、管理室親機11又は居室親機12を呼び出すための呼出信号を、管理室親機11又は居室親機12に送信する。さらに、玄関装置13は、撮像部130(カメラ)を有しており、撮像部130で撮影された来訪者の画像は、管理室親機11又は居室親機12に送信される。これにより、撮像部130で撮影された来訪者の画像は、管理室親機11又は居室親機12にて表示可能となる。なお、撮像部130は、玄関装置13の筐体とは別体に設置されたものでもよい。
ここでインターホンシステム10は、集合施設2内でローカルネットワークを構成するのみならず、インターネット設備202、ゲートウェイ203、及び通信アダプタ等を介して、インターネット等の集合施設2の外部のネットワークNT1にも接続される。具体的には、制御装置14は、通信アダプタと電気的に接続されていて、通信アダプタを介して、インターネット設備202に接続されている。インターネット設備202は、ゲートウェイ203を介して、ネットワークNT1に接続されている。なお、インターネット設備202は、複数の専有部23の各々にも接続可能である。インターネット設備202及びゲートウェイ203は、例えば、集合施設2内のMDF(Main Distribution Frame)室24に設置されている。
このようにインターホンシステム10では、制御装置14が集合施設2の外部のネットワークNT1に接続可能である。そのため、インターホンシステム10は、例えば、ネットワークNT1を介して外部のサーバと通信を行い、外部のサーバから情報を取得したり外部のサーバへ情報を出力したりすることが可能である。
ここで図2に示すように、ネットワークNT1には、認証情報出力システム1(サーバ5)が接続される。またネットワークNT1にはオペレーション端末T1が接続される。さらにネットワークNT1には、予定者M1が携帯する携帯端末(情報端末3)が接続される。携帯端末は、例えば、通信事業者が提供する携帯電話網(キャリア網)又は公衆無線LAN(Local Area Network)等を介してネットワークNT1に接続されてもよい。携帯電話網には、例えば、3G(第3世代)回線、LTE(Long Term Evolution)回線、4G(第4世代)回線又は5G(第5世代)回線等がある。携帯端末は、携帯電話網に接続可能な環境であれば、携帯電話網を介してネットワークNT1に接続可能となる。
その結果、ネットワークNT1には、認証情報出力システム1、インターホンシステム10、オペレーション端末T1、及び情報端末3のいずれもが接続可能となる。すなわち、認証情報出力システム1とインターホンシステム10とは互いに通信可能である。また認証情報出力システム1とオペレーション端末T1とは互いに通信可能である。さらに、認証情報出力システム1と情報端末3とは互いに通信可能である。さらには、認証情報出力システム1が中継装置として機能することで、オペレーション端末T1と情報端末3とは、認証情報出力システム1を介して間接的に通信することも可能である。またオペレーション端末T1とインターホンシステム10とは、認証情報出力システム1を介して間接的に通信することも可能である。
(2.3)認証情報出力システム
次に、本実施形態に係る認証情報出力システム1の構成について、図1及び図2を参照して説明する。
認証情報出力システム1は、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。認証情報出力システム1では、1以上のプロセッサがメモリに記録されているプログラムを実行することにより、認証情報出力システム1の各部の機能が実現される。プログラムはメモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
認証情報出力システム1は、集合施設2の外部に設置されたサーバ5(例えば1台のサーバ装置)で実現される。認証情報出力システム1は、クラウドコンピューティング等で実現されてもよい。認証情報出力システム1は、通信機能(通信部104)を有しており、上述したように、ネットワークNT1に接続されることで、インターホンシステム10、オペレーション端末T1、及び情報端末3の各々と通信可能となる。
認証情報出力システム1は、図2に示すように、受付部101、認証出力部102、及び状況出力部103を備えている。
受付部101は、上述の通り、認証情報に関する出力要請を受け付ける機能を有している。認証情報は、インターホンシステム10の玄関装置13に入力可能であり、集合玄関の扉221の解錠及び開放の少なくとも一方が実行されるためのものである。
出力要請は、例えば、管理会社から発行される。具体的には、管理会社が運用するオペレーション端末T1が、出力要請に関する情報を含む信号(要請信号S1:図2参照)を認証情報出力システム1に送信する。認証情報出力システム1は、通信部104を介して、要請信号S1を受信することで、受付部101にて出力要請を受け付ける。
ここでオペレーション端末T1について説明する。オペレーション端末T1は、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。オペレーション端末T1は、上述の通り、ネットワークNT1に接続されることで、認証情報出力システム1等と通信するための通信機能を有している。またオペレーション端末T1は、ユーザインターフェイスを有している。オペレーション端末T1は、例えば据置型のパーソナルコンピュータにより実現される。
管理会社では、上述の通り、集合施設2内でメンテナンス作業等を行う予定者M1のスケジュールを管理している。メンテナンス作業は、例えば、集合施設2内に設置されている照明機器、防災機器、及びエレベータ等の定期点検であったり補修工事であったりする。管理会社では、メンテナンス業者からメンテナンス日時(来訪予定日)の連絡を受けると、管理会社のオペレータOP1は、オペレーション端末T1を操作して「出力要請」を行う。具体的には、オペレータOP1は、オペレーション端末T1に予めインストールされている専用のアプリケーションソフトを起動し、各種の入力情報を入力して「出力要請」を発行する。
入力情報は、例えば、メンテナンスの場所(集合施設2)を特定するための情報、メンテナンス日時の情報、予定者M1を特定するための特定情報、及び来訪目的等を含む。特定情報は、予定者M1が所属する会社名又は団体名、及び、予定者M1の個人名又は社員ID等も含む。特定情報は、予定者M1のメールアドレス情報、及び予定者M1が携帯する情報端末3の識別情報や電話番号等も含み得る。また入力情報は、後述する認証情報の有効な所定回数と有効な所定期間とを指定するための情報を含む。
特に入力情報は、情報端末3の連絡先に関する情報を含む。言い換えると、出力要請は、情報端末3の連絡先に関する情報を含む。連絡先に関する情報は、上述した特定情報(情報端末3の識別情報や、電話番号、メールアドレス情報等)に相当する。したがって、出力要請の要請元の側で、認証情報を通知する通知先となる情報端末3を容易に指定できる。
オペレーション端末T1は、上述した入力情報の一部について、登録情報として予め記憶していてもよい。オペレーション端末T1は、例えば、予定者M1の社員IDとメールアドレス情報とが対応付けされた登録情報を記憶してもよい。また認証情報出力システム1が、上述した入力情報の一部について、登録情報として予め記憶していてもよい。
オペレーション端末T1は、入力情報及び登録情報に基づき要請信号S1を生成して、認証情報出力システム1に送信する。なお、認証情報は、オペレーション端末T1にて決定されてもよいが、ここではオペレーション端末T1にて決定しないものとする。すなわち、一例として、出力要請(要請信号S1)は、所定の情報端末3に出力する認証情報を含まない。
ここで玄関装置13は、人(例えば予定者M1等を含む来訪者)の操作を受け付ける操作部131を有している。操作部131は、例えば、複数の押しボタン、及びタッチパネル等を有する入力インターフェイスである。複数の押しボタンは、例えば、0~9のテンキー、アスタリスク(*)ボタン、シャープ(#)ボタン、消ボタン、及び呼出ボタン等を有している。例えば、来訪者が、玄関装置13で、ある部屋番号(住戸番号)の住人を呼び出したい場合、テンキーの数字ボタンを順に押していき、当該部屋番号を入力する。最後に、来訪者が、呼出ボタンを押すことで、部屋番号の入力が確定されて、その部屋番号の住戸の居室親機12に対して呼出が実行される。居室親機12の側で呼出に応じれば、玄関装置13と居室親機12との間で通話が可能となる。
認証情報は、操作部131の複数の押しボタンで入力可能な数字及び記号(*、#)からなる複数桁のパスワード(桁数は特に限定されないが、4桁以上であることが望ましい)を含む。パスワードは、数字及び記号に限定されず、アルファベット等を含んでもよい。玄関装置13は、特定の操作に応じて、パスワード入力を受け付けるための動作モードに切り替え可能となっている。
例えば玄関装置13は、タッチパネル式の液晶ディスプレイからなる表示部を有している場合には、パスワードを入力するための案内画面を出力できてもよい。表示部に表示される案内画面上におけるパスワードの入力欄にタッチすることで、英数字及び記号を選択し入力できるように構成されてもよい。
図示例では、認証情報(パスワード)は、「#0123」である。認証情報は、パスワード以外にもID情報を含み、ID情報とパスワードとの組み合せによるものでもよい。ID情報は、例えば、集合施設2又は棟ごとに割り振られたものでもよい。
認証出力部102は、オペレーション端末T1からの出力要請の受け付けに応じて、玄関装置13に対して所定回数の入力及び所定期間内における入力の少なくとも一方(ここでは一例として両方)が有効な認証情報を、所定の情報端末3に出力する。言い換えると、認証情報には、入力が許可される有効な所定回数と有効な所定期間とが設定されている。つまり、認証情報は、所定期間内における入力が有効である。また認証情報は、所定回数の入力が有効である。以下では、これらに関する情報を、それぞれ有効回数情報及び有効期限情報と呼ぶ。
集合施設2内におけるセキュリティの低下の抑制を考慮すると、有効な所定回数は、1回であることが望ましい。パスワードは、一度限り有効なワンタイムパスワードが望ましい。有効な所定期間は、24時間以内であることが望ましい。ただし、有効な所定回数及び所定期間は、特に限定されない。メンテナンス作業が日を跨ぐような長期的な作業であれば、例えば有効な所定回数は2回以上でもよい。
認証情報出力システム1は、認証情報を自動生成する機能を有している。言い換えると、受付部101及び認証出力部102は、所定の情報端末3と通信可能なサーバ5に設けられていて、認証情報は、サーバ5で生成される。ただし、有効回数情報及び有効期限情報は、要請信号S1に含まれていて、認証情報出力システム1は、これらの情報をオペレーション端末T1から受信する。
具体的には、要請信号S1に含まれる有効期限情報は、所定期間の始点を指定するための情報を含む。言い換えると、出力要請は、少なくとも所定期間の始点を指定するための情報を含む。また要請信号S1に含まれる有効期限情報は、所定期間の終点を指定するための情報を含む。言い換えると、出力要請は、少なくとも所定期間の終点を指定するための情報を含む。
要請信号S1に含まれる有効回数情報は、所定回数を指定するための情報を含む。言い換えると、出力要請は、少なくとも所定回数を指定するための情報を含む。
認証情報出力システム1は、認証情報を情報端末3に通知する。すなわち、認証情報出力システム1は、認証情報を含む通知信号S2(図2参照)を情報端末3に送信する。具体的には、認証情報出力システム1は、例えば、出力要請に含まれていた連絡先に関する情報に基づき、認証情報を情報端末3に通知(出力)する。予定者M1は、携帯端末(情報端末3)を通じて認証情報が「#0123」であることの通知を受ける。この通知で得た認証情報が、操作部131の操作により玄関装置13に入力可能な情報である。認証情報出力システム1が認証情報を情報端末3に通知する手段は、特に限定されず、認証情報は、電子メール又はショートメッセージ等により通知されてもよい。あるいは、情報端末3に専用のアプリケーションソフトがインストールされていれば、認証情報は、プッシュ通知により行われてもよい。認証情報出力システム1は、認証情報に加えて、有効回数情報及び有効期限情報も情報端末3に通知することが望ましい。
認証情報出力システム1は、出力した認証情報と、操作部131から入力された認証情報とを照合する機能を有している。すなわち、認証情報出力システム1は、通知した認証情報、有効回数情報、及び有効期限情報を記憶しておき、インターホンシステム10からの認証要求に応じて認証処理を実行するように構成される。認証情報出力システム1は、認証情報を通知した時点で、その認証情報に関する認証回数を初期値(ゼロ)に設定する。認証回数は、インターホンシステム10から、同一の認証情報に関する認証要求を受ける度に「1」加算される。
具体的には、玄関装置13は、予定者M1から認証情報の入力を受け付けると、その都度、制御装置14を介して、認証情報出力システム1に、入力された認証情報を含む認証要求信号S3(図2参照)を送信し、認証処理の要求を行う。認証情報出力システム1は、認証要求信号S3を受信すると、受信した認証情報に合致する認証情報が存在するかを判定する。合致する認証情報が存在しなければ、認証情報出力システム1は、認証に失敗した旨を含む認証結果信号S4(図2参照)をインターホンシステム10に送信する。たとえ合致する認証情報が存在しても、認証情報出力システム1は、その認証情報に対応する有効期限情報及び有効回数情報を参照する。そして、有効期限切れであったり認証回数が有効回数を超えていたりすると、認証情報出力システム1は、認証に失敗した旨を含む認証結果信号S4をインターホンシステム10に送信する。認証情報出力システム1は、合致する認証情報が存在し、現時点が有効期限内であり、認証回数が有効回数以下であれば、認証に成功した旨を含む認証結果信号S4をインターホンシステム10に送信する。
認証情報に対して有効期限及び有効回数が設定されていることで、集合施設2内におけるセキュリティの低下を抑制できる。
インターホンシステム10は、認証情報出力システム1から認証に成功した結果を受信すると、玄関装置13は、例えば扉221を解錠する。一方、インターホンシステム10は、認証情報出力システム1から認証に失敗した結果を受信すると、玄関装置13は、扉221の施錠を維持する。なお、玄関装置13は、認証の成功、失敗を問わず認証結果について、付設されるスピーカからの音声出力、及び付設される表示部からの画像出力の少なくとも一方によって予定者M1に通知してもよい。また認証情報出力システム1は、認証結果に関する情報をオペレーション端末T1に提供してもよい。
(2.4)更新要求と変更要求
認証情報出力システム1の受付部101は、出力要請だけでなく、更新要求を更に受け付ける機能を有している。ここでいう更新要求とは、認証出力部102から出力済の認証情報に対する変更及び取消の少なくとも一方に関するものである。具体的には、管理会社が運用するオペレーション端末T1が予定者M1に関する出力要請を行った後に、予定者M1又は集合施設2側の都合により、メンテナンス作業の日時に変更が発生したり、メンテナンス作業自体がキャンセルになったりする場合がある。あるいは入力情報に誤りがあったりする場合もある。
そのような状況が発生した場合に、オペレータOP1は、オペレーション端末T1を通じて、更新要求を発行する。すなわち、オペレーション端末T1は、更新要求に関する情報を含む更新要求信号を認証情報出力システム1に送信する。更新要求信号は、認証情報、有効期限情報、及び有効回数情報の少なくとも1つに関する変更指示を含み得る。また更新要求信号は、認証情報に関する取消指示を含み得る。認証情報出力システム1は、通信部104を介して、更新要求信号を受信することで、受付部101にて更新要求を受け付ける。
認証情報出力システム1は、更新要求の受け付けに応じて、記憶していた出力済の認証情報、有効期限情報、及び有効回数情報の変更又は取消を行う。そして、認証出力部102は、更新要請の受け付けに応じて、認証情報の変更及び取消の少なくとも一方を指示する情報を所定の情報端末3に出力する。したがって、予定者M1は、情報端末3を通じて、通知されていた認証情報について変更又は取消があった旨を知ることができる。なお、認証出力部102は、有効期限情報及び有効回数情報についても変更があった旨を情報端末3に出力することが好ましい。
このように受付部101は、出力要請だけでなく更新要求を更に受け付ける機能を有しているため、例えば、出力済の認証情報に誤りがある場合、又は集合施設2への来訪予定が変更又はキャンセルされた場合に、容易に訂正できる。
また認証情報出力システム1の受付部101は、変更要請を更に受け付ける。ここでいう変更要請は、認証出力部102から出力済の認証情報に関する所定回数の増加及び所定期間の延長の少なくとも一方に関するものである。具体的には、管理会社が運用するオペレーション端末T1が予定者M1に関する出力要請を行った後に、予定者M1又は集合施設2側の都合により、メンテナンス作業が予定よりも長期化する場合がある。メンテナンス期間の延長が発生すると、当初の予定に基づき設定されていた所定期間内では、メンテナンス作業を終えることができない場合がある。有効な所定回数についても、日を跨ぐようなメンテナンス作業が発生すると、足りない場合がある。
そのような状況が発生した場合に、オペレータOP1は、オペレーション端末T1を通じて、変更要求を発行する。すなわち、オペレーション端末T1は、変更要求に関する情報を含む変更要求信号を認証情報出力システム1に送信する。変更要求信号は、所定回数の増加及び所定期間の延長の少なくとも1つに関する指示を含み得る。認証情報出力システム1は、通信部104を介して、変更要求信号を受信することで、受付部101にて変更要求を受け付ける。
認証情報出力システム1は、変更要求の受け付けに応じて、記憶していた有効期限情報、及び有効回数情報の変更を行う。そして、認証出力部102は、変更要請の受け付けに応じて、所定回数の増加及び所定期間の延長の少なくとも一方を指示する情報を所定の情報端末3に出力する。したがって、予定者M1は、情報端末3を通じて、通知されていた所定回数について増加された旨、又は通知されていた所定期間について延長された旨を知ることができる。
このように受付部101は、出力要請だけでなく変更要求を更に受け付ける機能を有しているため、例えば、出力済の認証情報に関する有効回数、及び有効期限を容易に拡張できる。
(2.5)認証情報の入力状況
ところで、認証情報出力システム1は、玄関装置13に対する認証情報の入力状況について提供する機能を有している。すなわち、認証情報出力システム1の状況出力部103は、玄関装置13に対する認証情報の入力状況に関する情報を出力する。
認証情報の「入力状況」に関する情報は、認証情報の入力に関する操作の履歴情報を含んでもよいし、認証情報の入力を実行する者(入力者)に関する情報を含んでもよい。入力者は、必ずしも予定者M1とは限らない。例えば、入力者は、住人、管理人、住人の家族、知人、商品等の勧誘者、並びに無断で集合施設2内に侵入を試みようとする不審者も含み得る。
まず「入力状況」に関する情報が、入力者の画像情報を含む場合を説明する。
本実施形態の状況出力部103は、画像情報を出力する。画像情報は、玄関装置13の撮像部130が第1タイミング、第2タイミング、及び第3タイミングのうちの少なくとも1つのタイミングで撮像したものである。第1タイミングは、玄関装置13に認証情報が入力される前である。第2タイミングは、玄関装置13に認証情報が入力されている最中である。第3タイミングは、玄関装置13に認証情報が入力された後である。ここでは、画像情報の出力先は、一例として、出力要請の要請元である管理会社(管理会社のオペレーション端末T1、又は管理会社の監視用サーバ装置でもよい)とするが、特に限定されない。
玄関装置13は、例えば、人感センサを備えていて、人感センサで玄関装置13の近傍に人を検知すると、撮像部130にて撮像を開始してもよい。また玄関装置13は、人感センサで当該人を検知しなくなると、撮像部130による撮像を終了してもよい。玄関装置13は、その撮像期間内に認証情報の入力が実行された場合にだけ、撮像部130にて撮像された画像情報を認証情報出力システム1に転送する。画像情報は、動画でも静止画でもよい。人感センサは、玄関装置13の筐体とは別体に設置されていて、玄関装置13と電気的に接続されていてもよい。
また人感センサは、玄関装置13にとって必須の構成要素ではない。玄関装置13は、操作部131への操作入力(表示部へのタッチ操作も含む)が開始されたタイミングで、撮像部130にて撮像を開始してもよい。また玄関装置13は、認証情報の入力が完了したタイミングで、撮像部130による撮像を終了してもよい。
認証情報出力システム1は、玄関装置13から受信した画像情報から選定して、選定された画像情報を状況出力部103から、管理会社のオペレーション端末T1等に出力する。認証情報出力システム1は、受信した画像情報から、上述した第1タイミング、第2タイミング、及び第3タイミングのうちの少なくとも1つのタイミングで撮像した画像情報を選定する。認証情報出力システム1は、例えば、入力者の顔が正面を向いた1又は複数の静止画のみを選定して出力してもよい。画像情報の選定は、必須ではなく、玄関装置13から受信したものを無加工でそのまま出力してもよい。画像情報の選定は、インターホンシステム10の側(玄関装置13又は制御装置14)で行われてもよい。
画像情報の出力先においては、上記タイミングで撮像された画像情報に基づき、玄関装置13に対する認証情報の入力状況をより詳しく知ることができる。
次に「入力状況」に関する情報が、認証情報の入力に関する操作の履歴情報を含む場合を説明する。
本実施形態の状況出力部103は、履歴情報を出力する。履歴情報は、玄関装置13に認証情報が入力される前における玄関装置13からの呼出先の呼出に関するものである。具体的には、予定者M1にとっては、玄関装置13を通じて訪問先の相手(管理人又は住人等)の呼出を行い、来訪目的を口頭で説明してから集合施設2内に入ることが、業務上義務付けされていたり望まれたりする場合がある。そこで、状況出力部103は、玄関装置13にて呼出を実行してから認証情報が入力されたかを示す履歴情報(呼出確認情報)を出力する。状況出力部103は、認証情報が入力された日時、認証の結果(成功又は失敗)、及び認証失敗の原因等に関する履歴情報も出力することが好ましい。履歴情報の出力先は、一例として、出力要請の要請元である管理会社(管理会社のオペレーション端末T1、又は管理会社の監視用サーバ装置でもよい)とするが、特に限定されない。履歴情報の出力先は、インターホンシステム10の管理室親機11又は居室親機12、あるいは集合施設2の管理人又は住人が携帯する携帯端末であってもよい。
玄関装置13は、玄関装置13から実行された呼出に関する履歴情報(タイムスタンプ)を記憶する。玄関装置13は、認証情報の入力を受け付けると、例えば呼出に関する履歴情報と合わせて認証要求信号S3を認証情報出力システム1に送信する。認証情報出力システム1は、認証要求信号S3を受信すると認証処理を実行し、さらに認証情報の入力タイミングより手前の期間内(例えば入力タイミングより手前の1分以内)に、呼出が実行されたか否かを判定する。そして、認証情報出力システム1は、その判定結果を含む呼出確認情報を、オペレーション端末T1等に送信する。そのため、呼出確認情報の出力先においては、例えば、呼出先の呼出を行なってから認証情報が入力されたかどうかを知ることができる。
(2.6)動作の説明
以下、認証情報出力システム1の動作について図3を参照しながら簡単に説明する。
まず管理会社のオペレータOP1は、オペレーション端末T1を用いて、予定者M1に関する出力要請を行う(ステップST1)。オペレーション端末T1は、認証情報出力システム1に要請信号S1を送信する(ステップST2)。
認証情報出力システム1は、要請信号S1を受信する。言い換えると、認証情報出力システム1は、認証情報に関する出力要請を受け付ける(処理方法の受付ステップ)。
認証情報出力システム1は、要請信号S1を受信すると、有効回数及び有効期限付きで認証情報を生成する(ステップST3)。認証情報出力システム1は、生成した認証情報を含む通知信号S2を情報端末3に送信する(ステップST4)。言い換えると、認証情報出力システム1は、出力要請の受け付けに応じて、認証情報を情報端末3に出力する(処理方法の認証出力ステップ)。予定者M1は、情報端末3にて、認証情報を取得する(ステップST5)。
その後、予定者M1は、実際にメンテナンスの作業場所となる集合施設2に訪れる。予定者M1、すなわち作業者は、例えば、玄関装置13で管理人の呼出を実行し、管理人に来訪目的を通話の中で伝える。そして、作業者は、管理人との通話を終えた後、玄関装置13の操作部131を操作して情報端末3を通じて得た認証情報を入力する(ステップST6)。玄関装置13は、入力された認証情報を含む認証要求信号S3を認証情報出力システム1に送信する(ステップST7)。認証情報出力システム1は、認証要求信号S3を受信すると、認証処理を実行し(ステップST8)、認証結果を含む認証結果信号S4をインターホンシステム10に送信する(ステップST9)。
玄関装置13は、受信した認証結果が「成功」を示すものであれば、例えば扉221の電気錠を解錠する(ステップST10)。その結果、作業者は、解錠された扉221から集合施設2内に入り、メンテナンス作業を行うことができる。ただし、受信した認証結果が「失敗」を示すものであれば、玄関装置13は、扉221の電気錠の施錠状態を維持する。
このように本実施形態においては、作業者(予定者M1)は、自身で認証情報を用いて集合玄関の解錠(又は開放)を行える。つまり、予定者M1にとっては、集合施設2の管理人に集合玄関の解錠(又は開放)を依頼する手間を省け、また集合施設2の管理人にとっても負担が軽減される。予定者M1の訪問先の相手が、集合施設2の利用者(例えば住人)である場合にも、住人に集合玄関の解錠(又は開放)を依頼する手間を省け、住人にとっても負担が軽減される。また集合施設2の管理人及び住人が不在である場合にも、予定者M1は、自身で集合玄関の解錠(又は開放)を行える。
さらに認証情報は、玄関装置13に対して所定回数の入力及び所定期間内における入力の少なくとも一方が有効なものであるため、半恒久的に有効な暗証番号に比べて集合施設2内におけるセキュリティの低下を抑制できる。
したがって、集合施設2内におけるセキュリティの低下を抑制しつつ、利便性の向上を図ることができる。
(3)変形例
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、上記実施形態に係る認証情報出力システム1及びインターホンシステム10と同様の機能は、これらの処理方法、コンピュータプログラム、又はコンピュータプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
以下、上記実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。以下では、上記実施形態を「基本例」と呼ぶこともある。
本開示における認証情報出力システム1及びインターホンシステム10は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における認証情報出力システム1及びインターホンシステム10としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
また、認証情報出力システム1及びインターホンシステム10の各々における複数の機能が、1つのハウジング内に集約されていることは必須の構成ではない。認証情報出力システム1及びインターホンシステム10の各々の構成要素は、複数のハウジングに分散して設けられていてもよい。反対に、認証情報出力システム1及びインターホンシステム10の各々における複数の機能が、1つのハウジング内に集約されてもよい。さらに、認証情報出力システム1及びインターホンシステム10の各々の少なくとも一部の機能、例えば、認証情報出力システム1の一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
(3.1)変形例1
基本例では、所定の情報端末3が、予定者M1が携帯する携帯端末(スマートフォン等)であった。しかし、所定の情報端末3は、予定者M1が携帯する携帯端末に限定されない。
図4は、本変形例(変形例1)の認証情報出力システム1を備える集合施設管理システム100Aの全体構成図である。本変形例は、所定の情報端末3が、管理会社のオペレーション端末T1に相当する点で、基本例と相違する。すなわち、認証情報出力システム1は、出力要請の受け付けに応じて、認証情報を生成すると、認証出力部102は、認証情報を管理会社のオペレーション端末T1(情報端末3)に出力する。つまり、図4に示すように、認証情報出力システム1は、認証情報を含む通知信号S2をオペレーション端末T1(情報端末3)に送信する。
管理会社のオペレータOP1は、オペレーション端末T1を通じて出力要請を行った後、認証情報の通知を受ける。オペレータOP1は、認証情報出力システム1から得た認証情報を、予定者M1に対して直接電話等の手段により口頭で伝える。
本変形例においても、集合施設2内におけるセキュリティの低下を抑制しつつ、利便性の向上を図ることができる。
(3.2)変形例2
基本例では、認証情報出力システム1は、出力要請を管理会社のオペレーション端末T1から受け付けていた。しかし、出力要請の要請元は、管理会社のオペレーション端末T1に限定されない。例えば、出力要請は、集合施設2の利用者(例えば住人)が行った所定の契約の締結を示す情報に基づいて発生するものでもよい。
図5は、本変形例(変形例2)の認証情報出力システム1を備える集合施設管理システム100Bの全体構成図である。本変形例では、出力要請は、商品の注文を受け付ける注文サーバ6から行われる。
注文サーバ6は、商品(又はサービス)をウェブサイト上で販売するEC(Electronic Commerce)サイトを管理するサーバである。例えば、集合施設2内の利用者(住人)は、専有部23内の居室親機12、あるいは利用者が所有する情報端末7(パーソナルコンピュータ、スマートフォン、又はタブレット端末等)を通じて、ECサイトにアクセスし、商品の注文を行うことができる。
具体的には、例えば、住人が、居室親機12又は情報端末7を操作して商品の注文を行うと、注文サーバ6は、商品の注文を受け付ける。すなわち、居室親機12又は情報端末7は、商品名、商品番号、商品の個数、商品の合計金額、注文者の名前、住所(集合施設2の場所)、電話番号、及びメールアドレス情報等を含む注文確定信号S0を注文サーバ6に送信する。注文サーバ6は、注文確定信号S0を受信すると、商品の注文を確定し、注文番号を生成する。ここで注文サーバ6は、注文番号等に関する情報を含んだ要請信号S1を認証情報出力システム1に送信する。言い換えると、認証情報出力システム1は、認証情報に関する出力要請を、注文サーバ6から受け付ける。認証情報出力システム1は、要請信号S1を受信すると、要請信号S1に含まれる注文番号に対して、認証情報を自動生成する。
認証情報出力システム1は、生成した認証情報を含む通知信号S2を注文サーバ6に送信する。つまり、本変形例では、注文サーバ6が、情報端末3に相当する。
注文サーバ6を管理する商品の販売者(個人、企業又は団体)は、商品の手配を行い、宅配会社に商品の宅配を依頼する。宅配の依頼に応じて、宅配会社のオペレータは、宅配管理サーバ8に、注文番号、認証情報、配達先の名前(例えば注文者の名前)、住所(集合施設2の場所)、及び電話番号等の入力を行う。これらの情報の少なくとも一部の情報は、注文サーバ6から宅配管理サーバ8に直接送信されてもよい。
宅配会社において、荷物(商品の梱包箱W1)に貼付する伝票シートW2を印刷設備で印刷する。印刷設備は、宅配管理サーバ8に入力された上記情報に基づき伝票シートW2を印刷する。本実施形態では、伝票シートW2には、認証情報出力システム1で生成された認証情報と同じ認証情報を記録した認証コードC1が印刷される。認証コードC1は、例えばQRコード(登録商標)等の二次元コードを想定するが、一次元コード(バーコード)でもよい。
そして、宅配業者(予定者M1)は、集合施設2に到着すると、例えば玄関装置13にて、荷物の配達先の部屋番号の入力を行い、住人の呼出を行う。そして、宅配業者は、住人に来訪目的(宅配)を伝えてから、玄関装置13の撮像部130にて認証コードC1を読み込ませるように、梱包箱W1を近づける。
玄関装置13は、例えば、撮像部130にて撮像された認証コードC1に記録されている認証情報を読み込む。そして、玄関装置13は、読み込んだ認証情報を含む認証要求信号S3を認証情報出力システム1に送信する。認証情報出力システム1は、認証要求信号S3を受信すると、認証処理を実行し、認証結果信号S4を玄関装置13に送信する。
玄関装置13は、受信した認証結果が「成功」を示すものであれば、例えば扉221の電気錠を解錠する。その結果、宅配業者は、解錠された扉221から集合施設2内に入り、荷物の配達先の専有部23(住戸)の前まで荷物を運ぶことができる。
本変形例においても、集合施設2内におけるセキュリティの低下を抑制しつつ、利便性の向上を図ることができる。
特に本変形例では、注文サーバ6において商品の注文が確定することで、出力要請が認証情報出力システム1に対して自動的に行われ、認証情報の発行まで行われる。すなわち、出力要請は、集合施設2の住人が行った商品購入の確定(所定の契約の締結)を示す情報に基づいて発生する。したがって、商品購入の確定(所定の契約の締結)に応じて集合施設2への来訪が必要となる者(ここでは宅配業者)に対する利便性が向上される。また宅配業者が玄関装置13の操作部131を操作して認証情報を入力する手間が省ける。
(3.3)変形例3
基本例では、認証情報出力システム1は、出力要請を管理会社のオペレーション端末T1から受け付けていた。変形例2では、認証情報出力システム1は、出力要請を注文サーバ6から受け付けていた。
本変形例(変形例3)では、出力要請の要請元は、情報端末9(図6参照)である。情報端末9は、集合施設2の管理人が所有するスマートフォン若しくはタブレット端末等の情報端末、又はパーソナルコンピュータ等で実現される。本変形例では一例として、集合施設2の管理人に携帯されるスマートフォンが、情報端末9である場合を想定する。
情報端末9は、少なくとも通信機能を有しており、携帯電話網等を介してネットワークNT1に接続されることで、インターホンシステム10及び認証情報出力システム1の各々と通信可能となる。情報端末9は、専用のアプリケーションソフトをインストールし、このアプリケーションソフトを起動することにより、情報端末9として機能する。以下では、このアプリケーションソフトを、一例として「遠隔管理支援アプリ」と呼ぶ。管理人は、遠隔管理支援アプリがインストールされている情報端末9を用いて、管理業務に係るインターホンシステム10の特定動作を、遠隔から行うことができる。例えば、住人の不在時における来訪者の受け付け等の特定動作について、管理人は、情報端末9を用いて集合施設2の遠隔から実現できる。管理人は、例えば、居室親機12を呼び出したりする特定動作を遠隔から(集合施設2の外から)行うことで、集合施設2の管理室21に待機する必要がなく、集合施設2の管理人の負担の軽減を図ることができる。
情報端末9は、図6に示すように、例えばタッチパネルディスプレイを構成する表示部91を有している。情報端末9が遠隔管理支援アプリを実行することで、表示部91には実行画面D1が表示可能となる。実行画面D1は、集合施設2の管理人向けの特定動作をインターホンシステム10に実行させるための画面である。
実行画面D1は、図6に示すように、第1領域R1と、第2領域R2と、第3領域R3とを含んでいる。第1領域R1は、アプリケーションソフトのタイトル等を表示する領域であって、「遠隔管理支援アプリ」という文字列が表示されている。第2領域R2は、管理対象としての集合施設2の名称等を表示する領域であって、一例として「2丁目マンション 選択中」という文字列が表示されている。第3領域R3は、1つ以上の業務オブジェクトB31~B38を表示する領域である。業務オブジェクトB31~B38の各々は、管理対象(集合施設2)の管理人20向けのいずれかの特定動作に対応付けられている。業務オブジェクトB31~B38の各々は、人(管理人)の操作(タップ)を受け付けるためのオブジェクトであって、対応する特定動作の実行に際して操作(タップ)される。情報端末9は、これらの特定動作をインターホンシステム10に実行させるための操作信号を、遠隔制御システムに送信する。本変形例では一例として、遠隔制御システムは、認証情報出力システム1と同様に、サーバ5によって実現されることを想定するが、遠隔制御システムは、サーバ5とは別のサーバによって実現されてもよい。遠隔制御システムは、情報端末9から操作信号を受信すると、操作信号に基づいて、インターホンシステム10に特定動作を実行させるための制御信号を、ネットワークNT1を介して出力する。
ここで実行画面D1は、第1領域R1に設定ボタンB39を含んでいる。設定ボタンB39には「設定」という文字列が表示されている。実行画面D1において、設定ボタンB39が操作(タップ)されると、表示部91に表示される画面は、実行画面D1から、図7Aに示す、設定画面D901に遷移する。なお、実行画面D1は、第1領域R1にログアウトボタンB11も含み、ログアウトボタンB11が操作(タップ)されると、表示部91に表示される画面は、実行画面D1からログイン画面に遷移する。ログイン画面は、遠隔管理支援アプリの起動後に立ち上り、管理人用のユーザIDを入力するためのID入力欄、及びパスワードを入力するためのパスワード入力欄を表示する画面である。
設定画面D901は、管理人向けの各種の設定動作を実現するための画面である。設定画面D901は、設定選択領域R901を含んでいる。設定選択領域R901には、複数(図7Aの例では5つ)の設定オブジェクトB951~B955が表示されている。
ここで設定オブジェクトB953に対応する「暗証番号設定」は、共用部22の扉221を解錠するための認証情報(暗証番号)を設定するモードである。つまり、「暗証番号設定」にて設定された暗証番号が、例えば予定者M1によって、玄関装置13で入力されることで扉221が解錠される。
設定画面D901において「暗証番号設定」に対応する設定オブジェクトB953が操作(タップ)されると、表示部91に表示される画面が、図7Bに示すレコード選択画面D902に遷移する。レコード選択画面D902は、設定画面D901の設定選択領域R901に代えて、レコード選択領域R902を含んでいる。レコード選択領域R902には、複数(図7Bの例では3つ)のレコードオブジェクトB961~B963が表示されている。レコードオブジェクトB961~B963の各々は、例えば、「暗証番号1」、「暗証番号2」、「暗証番号3」のように、対応するレコードを特定する文字列(テキスト)を含んでいる。
レコード選択領域R902において複数のレコードオブジェクトB961~B963のいずれかが操作(タップ)されると、これに伴って、表示部91に表示される画面が、図7Cに示す登録画面D903に遷移する。登録画面D903は、選択されたレコードに暗証番号を設定するための画面であって、登録領域R903を含んでいる。登録領域R903は、暗証番号を入力するための番号入力欄C901、及び決定ボタンB903を表示する領域である。さらに登録領域R903には、対象日付を入力するための日付入力欄C902、開始時間を入力するための開始時間入力欄C903、及び終了時間を入力するための終了時間入力欄C904が含まれている。これにより、認証情報の有効期限、つまり、暗証番号にて共用部22の扉221を解錠できる有効期限を、対象日付の開始時間から終了時間までの間に制限することができる。すなわち、ここで設定される認証情報は、ワンタイムパスワードのように、一時的に、利用可能な暗証番号となる。
図7Dに示すように、情報端末9は、登録画面D903において、番号入力欄C901への暗証番号の入力、更に日付入力欄C902、開始時間入力欄C903及び終了時間入力欄C904への入力を受け付ける。決定ボタンB903が操作(タップ)されるまでは、登録画面D903が表示されて暗証番号等の入力受付けが継続する。決定ボタンB903が操作(タップ)されると、番号入力欄C901に入力された暗証番号が、選択中のレコード(図7Dの例では「暗証番号設定3」)に登録される。
また、登録画面D903において、暗証番号の通知先の情報(例えば、メールアドレス等)の入力欄を設け、登録された連絡先に暗証番号が通知(送信)されるようにしてもよい。また、暗証番号の通知先の情報の入力欄は、登録画面D903とは別の画面に設けられてもよい。
また登録画面D903において、有効回数の入力欄を設け、入力された数字が、有効回数に設定されてもよい。有効回数が設定された場合には、有効期限の入力は無くてもよいし、若しくは有効回数及び有効期限の両方が設定されてもよい。
情報端末9は、登録画面D903において、上述した認証情報の設定を受け付けると、認証情報出力システム1(サーバ5)に送信する。すなわち、認証情報出力システム1では、出力要請を情報端末9から受け取る。本変形例では、出力要請は、予定者M1が携帯する情報端末3に出力する認証情報を含むことになる。
認証情報出力システム1は、出力要請を受け取ると、予定者M1が携帯する情報端末3に認証情報を通知する。もし登録画面D903においてメールアドレスの指定があれば、認証情報出力システム1は、そのメールアドレス先に、認証情報を通知する。認証情報出力システム1は、通知した認証情報、有効回数情報、及び有効期限情報を記憶しておき、インターホンシステム10からの認証要求に応じて認証処理を実行する。
なお、人(管理人)が、暗証番号を決定して番号入力欄C901に入力するものに限定されない。例えば登録画面D903に「暗証番号自動設定ボタン」を設けてもよい。暗証番号自動設定ボタンがタップされると、情報端末9は、暗証番号を自動的に生成して、生成した暗証番号を登録画面D903上に表示してもよい。そして、決定ボタンB903がタップされると、情報端末9は、生成した暗証番号を含む出力要請を、認証情報出力システム1(サーバ5)に送信してもよい。
あるいは、暗証番号自動設定ボタンがタップされると(決定ボタンB903へのタップは不要でもよい)、情報端末9は、暗証番号を含まない出力要請をサーバ5に送信してもよい。そして、サーバ5は、出力要請を受け取ると、サーバ5側で暗証番号を生成して設定してもよい。
(3.4)変形例4
基本例では、認証情報出力システム1は、出力要請を管理会社のオペレーション端末T1から受け付けていた。しかし、出力要請の要請元は、管理会社のオペレーション端末T1に限定されない。例えば、出力要請は、集合施設2の利用者(例えば住人)が、専有部23の居室親機12(住宅情報盤)等に対する操作入力に基づいて発生するものでもよい。
図8は、本変形例(変形例4)の認証情報出力システム1を備える集合施設管理システム100Cの全体構成図である。本変形例では、出力要請は、各種のサービス依頼を受け付ける専有部23の居室親機12(住宅情報盤)から行われる。
ここでいう「サービス依頼」の一例を挙げると、家事代行、クリーニング、宅食、又は介護等に関するサービスの依頼である。サービスを提供する者(以下、「サービス業者」と呼ぶ)は、サービス依頼を実行した住人の施設(ここでは集合施設2の専有部23)に少なくとも1回訪問して、サービス内容に応じた業務を遂行する必要がある。言い換えると、サービス業者は、集合玄関を通って施設内に入り、更に専有部23の玄関前まで向かう必要がある。
例えば、クリーニングに関するサービスの依頼であれば、クリーニング業者(サービス業者)は、集合施設2の専有部23に訪問して、クリーニングの対象物(衣類等)を依頼者(住人)から回収する回収業務を遂行する。またクリーニング業者は、集合施設2の専有部23に訪問して、仕上がり後の品を依頼者(住人)に納品する納品業務を遂行する。また家事代行又は介護等のサービス内容によっては、サービス業者(家事代行業者又は介護業者等)は、更に専有部23の玄関を通って専有部23内に入る必要となる場合もある。
集合施設管理システム100Cが備えるサービスサーバSV1は、サービス業者が管理するサーバである。例えば、集合施設2内の利用者(住人)は、専有部23内の居室親機12(情報端末7でもよい)から、各種のサービス依頼を実行できる。表示部120は、タッチパネル式の液晶ディスプレイからなる。居室親機12は、ブラウザ機能を有している。居室親機12は、住人からの操作に応じて、サービスサーバSV1と通信して、サービス業者が提供するコンテンツ画面をブラウザ上に表示する。後述する3つの画面(G10~G12)のうちの1つ以上は、サービス業者が提供するコンテンツ画面となり得る。
居室親機12は、コンテンツ画面を、専有部23内に設置されていてネットワークNT1に接続されているルータを介して、サービスサーバSV1から直接受信する。或いは、居室親機12は、コンテンツ画面を、インターホン回線(幹線)、制御装置14、インターネット設備202、ゲートウェイ203、及び通信アダプタ等を介して、サービスサーバSV1から受信する。
住人は、例えば表示部120に表示されるメニュー画面(ホーム画面)上で、専用の「コンテンツ」表示を指示するためのオブジェクト領域(画面領域)をタップ操作すると、メニュー画面は、図9Aに示すようなサービス選択画面G10に遷移する。具体的には、居室親機12は、第1サービスの選択を受け付ける第1オブジェクト領域R11と、第2サービスの選択を受け付ける第2オブジェクト領域R12とを含むサービス選択画面G10を表示部120に表示させる。
第1オブジェクト領域R11は、例えば「宅食サービス」という文字列データを含む。つまり、図9Aの例では、第1サービスは、注文した食品又は食事を、依頼者(注文者)の自宅(専有部23)まで配達する宅食サービスである。第2オブジェクト領域R12は、例えば「クリーニングサービス」という文字列データを含む。つまり、図9Aの例では、第2サービスは、依頼者から衣類等を預かりクリーニングを行うクリーニングサービスである。言い換えると、ここでは一例として、サービス選択画面G10は、二種類のサービスのいずれか一方に関する依頼を受け付ける窓口として機能する。ただし、サービス選択画面G10が受け付けるサービスの数は、特に限定されず、一種類でもよいし、三種類以上でもよい。サービス選択画面G10は、サービスサーバSV1が提供するブラウザ画面でもよい。
例えば図9Aに示すように住人が指で第2オブジェクト領域R12をタップ操作すると、居室親機12は、内容指定画面G11(図9B参照)を表示する。すなわち、サービス選択画面G10は、内容指定画面G11に遷移する。
内容指定画面G11は、具体的なサービス内容の指定を受け付ける画面である。内容指定画面G11は、例えば「引き取り依頼」という文字列データを含む第3オブジェクト領域R13と、例えば「配達依頼」という文字列データを含む第4オブジェクト領域R14とを含む。
第3オブジェクト領域R13がタップ操作されることで、居室親機12がサービスサーバSV1と通信し、クリーニング業者に対して衣類等の引き取り依頼が受け付けられる。また第4オブジェクト領域R14がタップ操作されることで、居室親機12がサービスサーバSV1と通信し、クリーニング業者に対して仕上がり後の品の配達依頼が受け付けられる。なお、住人が指で第1オブジェクト領域R11をタップ操作すると、配達可能な食品又は食事に関する一覧が表示されて、その一覧から注文品の指定を受け付ける内容指定画面G11が表示され得る。
例えば図9Bに示すように住人が指で第3オブジェクト領域R13をタップ操作すると、居室親機12は、認証情報発行画面G12(図9C参照)を表示する。すなわち、内容指定画面G11は、認証情報発行画面G12に遷移する。
認証情報発行画面G12は、認証情報に関する出力要請の有無を指定するための窓口となる画面である。認証情報発行画面G12は、例えば「認証情報の発行を依頼しますか?」という文字列データを含む領域R10を含む。さらに認証情報発行画面G12は、例えば「はい」という文字列データを含む第5オブジェクト領域R15と、「いいえ」という文字列データを含む第6オブジェクト領域R16とを含む。第5オブジェクト領域R15がタップ操作されることで、居室親機12がサービスサーバSV1と通信し、サービスの依頼に加えて、出力要請が受け付けられる。一方、第6オブジェクト領域R16がタップ操作されることで、居室親機12がサービスサーバSV1と通信し、出力要請は受け付けられずに、サービスの依頼だけが受け付けられる。
出力要請の有無を指定する機能は、必須ではなく、認証情報発行画面G12は、省略されてもよい。例えば、第3オブジェクト領域R13又は第4オブジェクト領域R14がタップ操作されると、居室親機12は、サービスの依頼を受け付けたことをトリガーとして、自動的に出力要請も受け付けたと判断してもよい。要するに、出力要請の有無を住人に確認する処理は省略されてもよい。
本変形例の認証情報出力システム1(サーバ5)は、API(Application Programing Interface)を有している。認証情報出力システム1は、他システム(ここではサービスサーバSV1)からネットワークNT1を介してAPIが呼び出されることにより、認証情報を発行させるための機能を、他システムに提供する。つまり、認証情報出力システム1は、他システムと連携して、出力要請の受け付けに応じて認証情報の発行を行う。
サービスサーバSV1は、住人が上述の通り居室親機12に対してサービスの依頼に関する操作入力を実行すると、サービスの依頼を受け付ける。すなわち、居室親機12は、サービス内容の指定、出力要請の指定、住人(依頼者)の名前、住所(集合施設2の場所)、電話番号、及びメールアドレス情報等を含む依頼信号S10をサービスサーバSV1に送信する。
依頼信号S10が、住人(依頼者)の名前、住所、電話番号、及びメールアドレス情報等の顧客情報を含み、居室親機12から送信されることは必須ではない。例えば居室親機12やゲートウェイ203、玄関装置13を識別する識別情報と、顧客情報とが紐づけされた情報が、サーバ5又はサービスサーバSV1で管理され、識別情報を含む依頼信号S10が、居室親機12からサービスサーバSV1に送信されてもよい。
依頼信号S10は、居室親機12から、専有部23内に設置されていてネットワークNT1に接続されているルータを介して、サービスサーバSV1に送信されてもよい。或いは、依頼信号S10は、居室親機12から、インターホン回線(幹線)、制御装置14、インターネット設備202、ゲートウェイ203、及び通信アダプタ等を介して、サービスサーバSV1に送信されてもよい。
サービスサーバSV1は、依頼信号S10を受信すると、依頼内容をサービス業者のスタッフ(集合施設2に来訪予定のある者、すなわち予定者M1)に通知する。依頼内容の通知先は、予定者M1が携帯するスマートフォン又はタブレット端末等の携帯端末(所定の情報端末3)となる。しかし、所定の情報端末3は、予定者M1が携帯する携帯端末に限定されず、据置型のパーソナルコンピュータでもよい。
ここでサービスサーバSV1は、出力要請「有り」の指定を受けていれば、その旨を含む要請信号S1を認証情報出力システム1に送信する。出力要請の有無を指定する機能が省略されている場合、サービスサーバSV1は、依頼信号S10を受信すると要請信号S1を認証情報出力システム1に送信してもよい。認証情報出力システム1は、要請信号S1を受信すると、ワンタイムパスワード等を含む認証情報を自動生成する。
認証情報出力システム1は、生成した認証情報を含む通知信号S2を、サービスサーバSV1を介して(又は介さずに)、情報端末3に送信する。認証情報は、サービスサーバSV1を経由する場合、依頼内容と合わせて同時に情報端末3に送信されてもよいし、互いに異なるタイミングで情報端末3に送信されてもよい。予定者M1は、情報端末3を通じて、認証情報を取得する。
例えば、依頼内容が衣類等の引き取り依頼であれば、サービス業者のスタッフ(予定者M1)は、依頼者(住人)の集合施設2に出向く。サービス業者のスタッフは、集合施設2に到着すると、例えば玄関装置13にて、依頼先の部屋番号の入力を行い、住人の呼出を行う。そして、サービス業者のスタッフは、住人に来訪目的(引き取り)を伝えてから、玄関装置13の操作部131を操作して情報端末3を通じて得た認証情報を入力する。
玄関装置13は、入力された認証情報を含む認証要求信号S3を認証情報出力システム1に送信する。認証情報出力システム1は、認証要求信号S3を受信すると、認証処理を実行し、認証結果信号S4を玄関装置13に送信する。
玄関装置13は、受信した認証結果が「成功」を示すものであれば、例えば扉221の電気錠を解錠する。その結果、サービス業者のスタッフは、解錠された扉221から集合施設2内に入り、依頼先の専有部23(住戸)の前までたどり着くことができる。
本変形例においても、施設(集合施設2)内におけるセキュリティの低下を抑制しつつ、利便性の向上を図ることができる。
特に本変形例では、住人が居室親機12を利用してサービスの依頼することに連携して、出力要請が認証情報出力システム1に対して自動的に行われ、認証情報の発行まで行われる。したがって、サービス依頼に応じて集合施設2への来訪が必要となる者(ここではサービス業者のスタッフ)に対する利便性が向上される。
なお、上述した例では、認証処理が、認証情報出力システム1で実行されている。しかし、認証処理は、サービスサーバSV1で実行されてもよい。
また上述した例では、認証情報が、情報端末3を通じて、サービス業者のスタッフ(予定者M1)に通知されている。しかし、認証情報は、予定者M1への通知に加えて又は代わりに、居室親機12を通じて、利用者(住人)に通知されてもよい。
(3.5)変形例5
ところで、近年、住宅(戸建て住宅又は集合住宅)の全部又は一部を活用して、旅行者等に宿泊サービスを提供する、いわゆる「民泊」施設(施設)が増えつつある。この場合、予定者M1(施設に来訪予定のある者)は、一時的に民泊施設2A(図10参照)を利用するゲストG1(例えば旅行者)となり得る。ゲストG1(予定者M1)は、民泊施設2A内の部屋等を、一定の期間利用する場合、民泊施設2Aの共用玄関の扉222を通る必要がある。また民泊施設2A内の各部屋に玄関が設置されている場合には、ゲストG1(予定者M1)は、共用玄関の扉222、及び部屋の玄関の扉223を通る必要がある。
本変形例の認証情報出力システム1は、民泊施設2Aを利用するゲストG1(予定者M1)に対して認証情報を発行する。
図10は、本変形例(変形例5)の認証情報出力システム1を備える集合施設管理システム100Dの全体構成図である。本変形例では、出力要請は、民泊施設2Aへのチェックインに関する操作入力を受け付ける玄関装置13A、又はコールセンタの担当者H1が操作するオペレーション端末T2から行われる。なお、玄関装置13Aの基本的な構成は、基本例の玄関装置13と共通するため、ここでは共通する構成については適宜に説明を省略する。
図10に示すように、ネットワークNT1には、認証情報出力システム1(サーバ5)が接続される。またネットワークNT1にはコールセンタのオペレーション端末T2が接続される。さらにネットワークNT1には、予定者M1が携帯するスマートフォン又はタブレット端末等の携帯端末(情報端末3)が接続される。
オペレーション端末T2は、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。オペレーション端末T2は、上述の通り、ネットワークNT1に接続されることで、認証情報出力システム1等と通信するための通信機能を有している。またオペレーション端末T2は、ユーザインターフェイスを有している。オペレーション端末T2は、例えば据置型のパーソナルコンピュータにより実現される。
ネットワークNT1には、認証情報出力システム1、インターホンシステム10、オペレーション端末T2、及び情報端末3のいずれもが接続可能となる。すなわち、認証情報出力システム1とインターホンシステム10とは互いに通信可能である。また認証情報出力システム1とオペレーション端末T2とは互いに通信可能である。さらに、認証情報出力システム1と情報端末3とは互いに通信可能である。さらには、認証情報出力システム1が中継装置として機能することで、オペレーション端末T2と情報端末3とは、認証情報出力システム1を介して間接的に通信することも可能である。またオペレーション端末T2とインターホンシステム10とは、認証情報出力システム1を介して間接的に通信することも可能である。
コールセンタの担当者H1は、例えば、1又は複数の民泊施設2Aの事業者(家主)から管理業務を委託されている「宿泊管理業者」のスタッフである。担当者H1は、民泊施設2Aを利用するゲストG1に関するチェックイン、チェックアウト等の管理を遠隔で支援する。具体的には、担当者H1は、例えば、宿泊名簿を作成する業務、ゲストG1の本人確認(旅券の画像、本人顔写真の画像の確認等)を行う業務、チェックイン時にゲストG1へ物件(民泊施設2A)の鍵(ここでは認証情報)の受け渡す業務を遂行する。
以下、ゲストG1が、宿泊予定の民泊施設2Aにチェックインする際における認証情報出力システム1の動作について説明する。
ここでは一例としてゲストG1は、宿泊管理業者に、予め民泊施設2Aの宿泊予約を行っていたものとする。具体的には、ゲストG1は、民泊施設2Aに宿泊するための宿泊情報(宿泊者の名前、電話番号やメールアドレス等の連絡先、旅券の画像、本人顔写真の画像、及び宿泊人数等)の登録をすでに済ませているものとする。宿泊情報の一部又は全部は、ゲストG1が携帯する情報端末3、或いは、所定の公共施設又は商業施設(コンビニエンスストア等)に設置されている端末から登録可能である。宿泊情報は、宿泊管理業者によって管理される。ただし、宿泊情報の一部又は全部の登録についても、玄関装置13Aから行えてもよい。
ゲストG1は、民泊施設2Aに到着すると、玄関装置13Aに対してチェックインに関する操作入力を実行する。操作入力は、玄関装置13Aの操作部131から実行される。操作部131は、例えば、複数の押しボタン、及びタッチパネル等を有する入力インターフェイスである。上記操作入力は、例えば、宿泊予約の際に宿泊管理業者から事前に通知を受けていた予約番号(事前に部屋番号の通知を受けていれば部屋番号でもよい)の入力を含み得る。玄関装置13Aは、上記操作入力を受け付けると、オペレーション端末T2に呼出信号を送信して、コールセンタの担当者H1の呼び出しを実行する。担当者H1が呼び出しに応じることで、玄関装置13A及びオペレーション端末T2との間での通話が可能となる。
担当者H1は、玄関装置13Aの前に立つゲストG1の本人確認に関する業務を行う。担当者H1は、玄関装置13Aの撮像部130で撮像されているゲストG1の顔画像と、予め宿泊情報として取得していた本人顔写真の画像とのマッチングを目視により行い、本人なりすましを防止する。なお、宿泊情報の登録が、チェックイン時に玄関装置13Aにて行われる場合、このマッチングは省略されてもよい。撮像部130で撮像されたゲストG1の顔画像は、サーバ5、又はコールセンタ側の端末(オペレーション端末T2)に保存される。
担当者H1は、本人確認を終えると、オペレーション端末T2から鍵(認証情報)の受け渡しに関する操作を実行する。この操作がトリガーとなって、認証情報に関する出力要請が実行される。すなわち、オペレーション端末T2は、要請信号S1を認証情報出力システム1に送信する。認証情報出力システム1は、要請信号S1を受信すると、有効な所定期間が設定されたパスワード等を含む認証情報を自動生成する。ここでいう「有効な所定期間」は、ゲストG1が指定した宿泊期間に対応するように設定される。認証情報は、共用玄関の扉222用のパスワード、及びゲストG1が利用する宿泊部屋の玄関の扉223用のパスワードの少なくとも一方(ここでは両方とする)を含み得る。
要請信号S1は、オペレーション端末T2の代わりに玄関装置13Aから、認証情報出力システム1に送信されてもよい。この場合、担当者H1は、オペレーション端末T2に、本人確認が完了したことを示す操作を実行すると、オペレーション端末T2が、玄関装置13Aに確認完了信号を送信する。玄関装置13Aは、確認完了信号を受信すると、ゲストG1に鍵(認証情報)を受け取るか否かについて確認する通知を音声出力又は画面表示によって行う。玄関装置13Aは、ゲストG1から、鍵を受け取る意思を示す操作入力を受け付けると、要請信号S1を認証情報出力システム1に送信する。
認証情報出力システム1は、生成した複数のパスワードの各々と、対応する玄関の玄関装置の識別情報とが対応付けされた「対応関係情報」を管理する。特に本変形例のインターホンシステム10は、共用玄関に設置される1又は複数の玄関装置13Aと、利用可能な複数の宿泊部屋にそれぞれ設置される1又は複数の玄関装置13Bとを備えている。そのため、認証情報出力システム1は、発行したパスワードが、どの玄関装置に対応するかを紐づけて管理する。認証処理では、インターホンシステム10から受信した玄関装置の識別情報及びパスワードが、管理される対応関係情報と合致するかを確認する。
認証情報出力システム1は、生成した認証情報を、直接に情報端末3に送信してもよいし、オペレーション端末T2を介して、情報端末3に送信してもよい。ここでは一例として、認証情報出力システム1は、生成した認証情報を、玄関装置13Aを介して、情報端末3に送信する。すなわち、認証情報出力システム1は、生成した認証情報を含む通知信号S2を玄関装置13Aに送信する。
玄関装置13Aは、通知信号S2を受信すると、認証情報をそのまま自機の表示部132に表示してもよいが、ここではセキュリティを考慮して、認証情報を含む認証コードC2を表示部132に表示する。表示部132は、例えば、タッチパネル式の液晶ディスプレイからなる。認証コードC2は、QRコード(登録商標)等の二次元コードを想定するが、バーコード等の一次元コードでもよい。
ゲストG1が、例えば、携帯する携帯端末(情報端末3)の撮像部にて、表示部132に表示されている認証コードC2を読み込ませることで、情報端末3は、認証情報を取得する。認証コードC2は、URL(Uniform Resource Locator)情報を含んでいて、ゲストG1は、そのURL情報が指定するウェブサイトにアクセスして、認証情報を取得してもよい。
そして、ゲストG1は、玄関装置13Aの操作部131を操作して、取得した認証情報(共用玄関の扉222用のパスワード)を入力する。ゲストG1は、操作部131のテンキー等を操作して認証情報を手入力する。或いは、いわゆる「スマートロック」によって認証情報が入力されてもよい。例えば、携帯端末(情報端末3)と玄関装置13Aとが、例えばBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)の規格に準拠した近距離無線通信を行って認証情報が自動的に送信されてもよい。
玄関装置13Aは、自機の識別情報、及び入力された認証情報を含む認証要求信号S3を認証情報出力システム1に送信する。認証情報出力システム1は、認証要求信号S3を受信すると、認証処理を実行し、認証結果信号S4を玄関装置13Aに送信する。
玄関装置13Aは、受信した認証結果が「成功」を示すものであれば、例えば共用玄関の扉222の電気錠を解錠する。その結果、ゲストG1は、解錠された扉222から宿泊施設2A内に入り、予約部屋(専有部23)の前までたどり着くことができる。ゲストG1は、宿泊期間中において、このパスワードを利用して、共用玄関の扉222の出入りを行う。
またゲストG1は、部屋玄関に設置されている玄関装置13Bのユーザインターフェイス部224に、取得した認証情報(部屋玄関の扉223用のパスワード)を入力する。つまり、本変形例のインターホンシステム10は、玄関装置13Bを更に備える。ゲストG1は、ユーザインターフェイス部224のテンキー等を操作して認証情報を手入力する。或いは、共用玄関の扉222と同様に、携帯端末(情報端末3)とユーザインターフェイス部224とが無線通信を行って認証情報が自動的に送信されてもよい。
玄関装置13Bは、自機の識別情報、及び入力された認証情報を含む認証要求信号を認証情報出力システム1に送信する。認証情報出力システム1は、認証要求信号を受信すると、認証処理を実行し、認証結果信号を玄関装置13Bに送信する。玄関装置13Bは、受信した認証結果が「成功」を示すものであれば、例えば部屋玄関の扉223の電気錠を解錠する。その結果、ゲストG1は、解錠された扉223から宿泊部屋(専有部23)内に入ることができる。ゲストG1は、宿泊期間中において、このパスワードを利用して、部屋玄関の扉223の出入りを行う。
本変形例においても、施設(民泊施設2A)内におけるセキュリティの低下を抑制しつつ、利便性の向上を図ることができる。
また本変形例では、ゲストG1が、玄関装置13Aを通じて民泊施設2Aにチェックインすることに連携して出力要請が行われ、認証情報の発行まで行われる。したがって、ゲストG1に対する利便性が向上される。また本人確認を遠隔で行えるため、宿泊管理業者に対する利便性が向上される。
また玄関装置3Aを通じてゲストG1の本人確認が行われた状態で、玄関装置3Aから認証コードC2が表示されるため、実際に物件(民泊施設2A)に居るゲスト本人に認証情報が受け渡される可能性が高くなり、本人なりすましを抑制できる。
なお、認証情報出力システム1は、認証コードC2を、ゲストG1の携帯端末(情報端末3)に直接送信してもよい。ゲストG1は、取得した認証コードC2を携帯端末の表示部に表示させて、玄関装置13Aの撮像部130に、認証コードC2を読み込ませて、玄関装置13Aに認証要求信号S3を認証情報出力システム1に送信させて認証処理を行わせてもよい。
(3.6)その他の変形例
基本例では、認証情報出力システム1が、集合施設2の外部にあるサーバ5により実現されている。しかし、認証情報出力システム1の機能は、集合施設2内に設置されるサーバに設けられてもよい。あるいは認証情報出力システム1の機能は、例えば、管理会社のオペレーション端末T1又は監視サーバ等に設けられてもよい。
基本例では、出力要請(要請信号S1)は、所定の情報端末3に出力する認証情報を含まないものであった。つまり、認証情報は、オペレーション端末T1にて決定していなかった。しかし、出力要請は、所定の情報端末3に出力する認証情報を含んでもよい。この場合、出力要請の要請元の側(例えば管理会社側)で認証情報を指定できる。
基本例では、認証情報出力システム1が認証処理を実行していた。しかし、認証処理は、インターホンシステム10で実行されてもよい。すなわち、認証情報出力システム1の認証出力部102は、出力要請の受け付けに応じて、認証情報を、更にインターホンシステム10に出力してもよい。インターホンシステム10では、例えば制御装置14が、有効回数及び有効期限付きの認証情報を記憶する。そして、玄関装置13が、認証情報の入力を受け付けると、制御装置14に対して認証処理の要求を行う。この場合、インターホンシステム10の側で認証情報の照合が可能となる。
或いは、玄関装置13,13A,13Bが認証処理を実行してもよい。インターホンシステム10では、例えば玄関装置13が、認証情報を記憶する。認証情報出力システム1の認証出力部102は、出力要請の受け付けに応じて、玄関装置13に、認証情報を登録させる(又は登録済の内容に対する更新でもよい)。そして、玄関装置13が、操作部131にて認証情報の入力を受け付けると、認証処理を行う。この場合も、インターホンシステム10の側で認証情報の照合が可能となる。またこの場合、認証情報の内容(パスワード等)は、認証情報出力システム1が自動的に決定してもよいし、或いは玄関装置13,13A,13Bが、認証出力部102から認証情報の登録要求又は更新要求を受け付けると自動的に認証情報の内容を決定してもよい。例えば上述した変形例5において、玄関装置13A及び玄関装置13Bが自動的に認証情報の内容を決定する場合、認証情報出力システム1における対応関係情報の管理を省略できる。玄関装置13,13A,13Bが、認証情報の内容を自動的に決定する場合、その結果を認証情報出力システム1に送信して、予定者M1に通知することが好ましい。
基本例では、認証情報が、操作部131を操作して玄関装置13に入力される。しかし、認証情報出力システム1は、例えば、認証情報を記録したQRコード(登録商標)等の二次元コード又は一次元コードのコード情報の画像を情報端末3に出力してもよい。予定者M1は、情報端末3の表示部に表示されるコード情報の画像を、撮像部130にかざすことで、玄関装置13は、認証情報を読み込んでもよい。あるいは、玄関装置13と情報端末3とが無線通信を行うことで、玄関装置13は、情報端末3から認証情報を受信して、認証情報の入力を受け付けてもよい。
(4)まとめ
以上説明したように、第1の態様に係る認証情報出力システム(1)は、受付部(101)と、認証出力部(102)と、を備える。受付部(101)は、認証情報に関する出力要請を受け付ける。認証情報は、施設(例えば集合施設2)に導入されるインターホンシステム(10)の、玄関における玄関装置(13,13A,13B)に入力可能であり玄関の解錠及び開放の少なくとも一方が実行されるためのものである。認証出力部(102)は、出力要請の受け付けに応じて、玄関装置(13,13A,13B)に対して所定回数の入力及び所定期間内における入力の少なくとも一方が有効な認証情報を、所定の情報端末(3)に出力する。第1の態様によれば、施設内におけるセキュリティの低下を抑制しつつ、利便性の向上を図ることができる。
第2の態様に係る認証情報出力システム(1)に関して、第1の態様において、認証情報は、所定期間内における入力が有効である。出力要請は、少なくとも所定期間の始点を指定するための情報を含む。第2の態様によれば、施設内におけるセキュリティの低下を更に抑制できる。また出力要請の要請元の側で始点を指定できる。
第3の態様に係る認証情報出力システム(1)に関して、第1の態様又は第2の態様において、認証情報は、所定期間内における入力が有効である。出力要請は、少なくとも所定期間の終点を指定するための情報を含む。第3の態様によれば、施設内におけるセキュリティの低下を更に抑制できる。また出力要請の要請元の側で終点を指定できる。
第4の態様に係る認証情報出力システム(1)に関して、第1~第3の態様のいずれか1つにおいて、認証情報は、所定回数の入力が有効である。出力要請は、少なくとも所定回数を指定するための情報を含む。第4の態様によれば、施設内におけるセキュリティの低下を更に抑制できる。また出力要請の要請元の側で所定回数を指定できる。
第5の態様に係る認証情報出力システム(1)に関して、第1~第4の態様のいずれか1つにおいて、出力要請は、所定の情報端末(3)に出力する認証情報を含む。第5の態様によれば、出力要請の要請元の側で認証情報を指定できる。
第6の態様に係る認証情報出力システム(1)に関して、第1~第4の態様のいずれか1つにおいて、出力要請は、所定の情報端末(3)に出力する認証情報を含まない。第6の態様によれば、出力要請の要請元の側で認証情報を指定する手間が省ける。
第7の態様に係る認証情報出力システム(1)に関して、第6の態様において、受付部(101)及び認証出力部(102)は、所定の情報端末(3)と通信可能なサーバ(5)に設けられる。認証情報は、サーバ(5)で生成される。第7の態様によれば、出力要請の要請元の側で認証情報を指定する手間が省ける。
第8の態様に係る認証情報出力システム(1)に関して、第1~第7の態様のいずれか1つにおいて、出力要請は、所定の情報端末(3)の連絡先に関する情報を含む。第8の態様によれば、出力要請の要請元の側で、認証情報を通知する通知先となる情報端末(3)を容易に指定できる。
第9の態様に係る認証情報出力システム(1)に関して、第1~第8の態様のいずれか1つにおいて、受付部(101)は、更新要請を更に受け付ける。更新要請は、認証出力部(102)から出力済の認証情報に対する変更及び取消の少なくとも一方に関するものである。認証出力部(102)は、更新要請の受け付けに応じて、認証情報の変更及び取消の少なくとも一方を指示する情報を所定の情報端末(3)に出力する。第9の態様によれば、例えば、出力済の認証情報に誤りがある場合、又は施設への来訪予定が変更又はキャンセルされた場合に、容易に訂正できる。
第10の態様に係る認証情報出力システム(1)に関して、第1~第9の態様のいずれか1つにおいて、受付部(101)は、変更要請を更に受け付ける。変更要請は、認証出力部(102)から出力済の認証情報に関する所定回数の増加及び所定期間の延長の少なくとも一方に関するものである。認証出力部(102)は、変更要請の受け付けに応じて、所定回数の増加及び所定期間の延長の少なくとも一方を指示する情報を所定の情報端末(3)に出力する。第10の態様によれば、例えば、出力済の認証情報に関する有効回数、及び有効期限を容易に拡張できる。
第11の態様に係る認証情報出力システム(1)は、第1~第10の態様のいずれか1つにおいて、玄関装置(13,13A,13B)に対する認証情報の入力状況に関する情報を出力する状況出力部(103)を、更に備える。第11の態様によれば、上記情報の出力先においては、玄関装置(13,13A,13B)に対する認証情報の入力状況を知ることができる。
第12の態様に係る認証情報出力システム(1)に関して、第11の態様において、状況出力部(103)は、画像情報を出力する。画像情報は、玄関装置(13,13A,13B)の撮像部(130)が第1タイミング、第2タイミング、及び第3タイミングのうちの少なくとも1つのタイミングで撮像したものである。第1タイミングは、玄関装置(13,13A,13B)に認証情報が入力される前である。第2タイミングは、玄関装置(13,13A,13B)に認証情報が入力されている最中である。第3タイミングは、玄関装置(13,13A,13B)に認証情報が入力された後である。第12の態様によれば、画像情報の出力先においては、上記のいずれかのタイミングで撮像された画像情報に基づき、玄関装置(13,13A,13B)に対する認証情報の入力状況をより詳しく知ることができる。
第13の態様に係る認証情報出力システム(1)に関して、第11の態様又は第12の態様において、状況出力部(103)は、履歴情報を出力する。履歴情報は、玄関装置(13,13A,13B)に認証情報が入力される前における玄関装置(13,13A,13B)からの呼出先の呼出に関するものである。第13の態様によれば、履歴情報の出力先においては、例えば、呼出先の呼出を行なってから認証情報が入力されたかどうかを知ることができる。
第14の態様に係る認証情報出力システム(1)に関して、第1~第13の態様のいずれか1つにおいて、認証出力部(102)は、出力要請の受け付けに応じて、認証情報を、更にインターホンシステム(10)に出力する。第14の態様によれば、例えば、インターホンシステム(10)の側で、認証情報の照合が可能となる。
第15の態様に係る認証情報出力システム(1)に関して、第1~第14の態様のいずれか1つにおいて、出力要請は、施設の利用者が行った所定の契約の締結を示す情報に基づいて発生する。第15の態様によれば、上記所定の契約の締結に応じて施設への来訪が必要となる者に対する利便性が向上される。
第16の態様に係る処理方法は、認証情報出力システム(1)の処理方法である。処理方法は、受付ステップと、認証出力ステップと、を含む。受付ステップにて、認証情報に関する出力要請を受け付ける。認証情報は、施設(例えば集合施設2)に導入されるインターホンシステム(10)の、玄関における玄関装置(13,13A,13B)に入力可能であり玄関の解錠及び開放の少なくとも一方が実行されるためのものである。認証出力ステップにて、出力要請の受け付けに応じて、玄関装置(13,13A,13B)に対して所定回数の入力及び所定期間内における入力の少なくとも一方が有効な認証情報を、所定の情報端末(3)に出力する。第16の態様によれば、施設内におけるセキュリティの低下を抑制しつつ、利便性の向上を図ることが可能な処理方法を提供できる。
第17の態様に係るプログラムは、1以上のプロセッサに、第16の態様における処理方法を実行させるためのプログラムである。第17の態様によれば、施設内におけるセキュリティの低下を抑制しつつ、利便性の向上を図ることが可能な機能を提供できる。
第2~第15の態様に係る構成については、認証情報出力システム(1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。