JP7164422B2 - クランプ部材及び樹脂管の梱包体及び梱包方法 - Google Patents
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Description
このような電気融着継手の熱融着による連結作業では、熱融着の最中に、電気融着継手と樹脂管とが位置ずれを起こすことを防ぐために、例えば下記特許文献1に示すようなクランプ部材が用いられる。クランプ部材で電気融着継手及び樹脂管の接合部を位置決めして固定した状態で、熱融着することで傾きや位置ずれを抑えた精度の良い熱融着が行われる。
本発明によれば、樹脂管の突起部または枝管部にクランプ部材を係止させた状態で包装部材によって包装して樹脂管とクランプ部材を固定しているため、クランプ部材と樹脂管を封入した包装部材を落下させたとしても樹脂管と突起部または枝管部とのいずれかが突出していてコンクリート等の床面に衝突するため、クランプ部材は直接床面等に衝突せず、或いはクランプ部材が床面等に衝突したとしても突起部または枝管部に係止した状態で包装部材内を移動するため、クランプ部材にかかる衝撃が小さく破損を防止できる。
樹脂管及びクランプ部材を収納した包装部材を、例えば樹脂管の長手方向と径方向の少なくとも一方から絞って密着させて接着テープ等の固定部材で固定するため一体化され、落下等の際に包装部材の内部でクランプ部材が樹脂管と床面との間に挟まれて樹脂管の荷重で衝撃を受けることがなく、破損しにくい。また、樹脂管にクランプ部材を位置決めセットした後、包装部材で包み、固定部材として真空包装機で吸着して梱包しても良い。
クランプ部材は略C字状であるため樹脂管の突起部または枝管部に係止保持され、落下時にクランプ部材が樹脂管の下側で直接床面等に衝突することを防止できる。
本発明によれば、誤って梱包体を落下させた場合でも、樹脂管の本管と突起部または枝管部とのいずれかが突出していて床面に衝突するため、クランプ部材は直接床面等に衝突しにくく、クランプ部材が床面等に衝突したとしても突起部または枝管部に係止した状態で包装部材内で移動して衝撃を小さく吸収できるため破損を抑制できる。
実施形態によるクランプ部材1と樹脂管2の梱包体K1について説明する前に、樹脂管2と電気融着継手3をクランプ部材1によって位置決めして融着する構造について、図1及び図2により説明する。
図1に示すように、筒状の電気融着継手3の両側の開口端部に樹脂管2をそれぞれ嵌合すると共に、各樹脂管2と電気融着継手3の接合部にクランプ部材1がそれぞれ取り付けられている。
締付帯部10における第2係合部11Bが形成された端部には、締付帯部10の延長上で第2係合部11Bよりも径方向内側に、周方向に延びる案内部10Aが形成されている。案内部10Aは、第1係合部11Aに対して径方向内側に位置し、第1係合部11Aの周方向の移動を案内する。第1係合部11Aは、第2係合部11Bと案内部10Aとの径方向の間の空間に挿入される。
第1係合部11Aに形成された第1係合歯13Aは、径方向外側を向く外側面に形成されている。第2係合部11Bに形成された第2係合歯13Bは、径方向内側を向く内側面に形成されている。第1係合部11Aの第1係合歯13Aが形成されている部分の周方向長さは、第2係合部11Bの第2係合歯13Bが形成されている部分の周方向長さと同等となっている。
締付帯部10の内周面には、径方向の内側に突出する突起部15が形成されている。突起部15は断面視で略三角形状をなしている。突起部15は、締付帯部10の内周面の全周にわたって連続して延びているが、断続的に形成されていてもよい。クランプ部材1に突起部15を設けたことで、締付帯部10の内側から樹脂管2が抜けるのを抑制し、強固に樹脂管2を保持する。
締付帯部10における連結片12Aに対向する部分には、軸方向に向けて突出する突出片17が形成されている。突出片17は締付帯部10の周方向に間隔をあけて複数個配設されてもよい。
樹脂管2を熱融着により電気融着継手3に接続する際には、クランプ部材1における保持部12の挿通孔12C内に、電気融着継手3の給電端子6を挿通する。電気融着継手3の両側端部にそれぞれクランプ部材1を装着して樹脂管2を挿入する。締付帯部10における連結片12A及び突出片17を電気融着継手3の開口端縁に当接させた状態で、樹脂管2を電気融着継手3の開口部内に挿通させて位置決めする。
そして、給電端子6に電流を流すことで、電気融着継手3に樹脂管2が熱融着される。熱融着完了後には、クランプ部材1を電気融着継手3に付けたまま残置しておく。或いは、クランプ部材1を電気融着継手3及び樹脂管2から取り外してもよい。なお、電気融着継手3に装着する樹脂管2は2個に限らず、1個でもよい。その際、クランプ部材1も樹脂管2と同数必要になる。
この場合、ビニール袋の中でのクランプ部材1の位置が決まらないため、樹脂管2の下側に位置することがある。この状態で、施工現場等で誤ってビニール袋をコンクリート等の床面に落下させると、樹脂管2の荷重が加わるためクランプ部材1が床面に衝突した衝撃で破損する恐れがある。本発明は、このような課題を解決できるようにしたものである。以下に、その実施形態について説明する。
第一実施形態では、樹脂管2として図3に示すようなスクリュージョイント20を用いた場合について説明する。
本実施形態によるスクリュージョイント20からなる樹脂管は、図3に示すように、略円筒状をなす熱可塑性樹脂製の本管22の一方の端部に金属製の接続管21が連結されている。接続管21には例えば連結用の雄ねじが形成されている。また、樹脂製の本管22の径方向には比較的小径の管状をなすターミナル突起部22a、22bが平行に突出して配列されている。
図4に示すように、このスクリュージョイント20の一方のターミナル突起部22aにはクランプ部材1が係止されている。また、クランプ部材1を係止するターミナル突起部22a、22bの高さはクランプ部材1の締付帯部10の幅より高いことが好ましい。このクランプ部材1は略C字状であり、しかも第1係合部11Aと第2係合部11Bの係合歯13A,13B同士が係合しない非係合状態にあり、案内部10A及び第2係合部11Bと第1係合部11Aとの隙間は小さい。そのため、クランプ部材1はターミナル突起部22aに係止された状態で移動可能であるが、離脱し難い。このクランプ部材1には、製品の材質や用途等を記録したバーコード23aのラベルを取り付けた識別タグ23が連結されているが、識別タグ23は省略してもよい。
図4に示すように、スクリュージョイント20の一方のターミナル突起部22aにクランプ部材1を係止した。これによって、クランプ部材1の位置決めを行う。他方のターミナル突起部22bには識別タグ23を取り付けた。
このスクリュージョイント20及びクランプ部材1を、図5に示す透明なビニール袋24内に開口から挿入し、同梱する。次いで、ビニール袋24の開口を不図示のヒートシール機でヒートシールする。この状態で、図6及び図7に示すように、ビニール袋24を本管22の周方向に絞り込んで縮径させた状態で接着テープ26を周方向に接着する。更に、ビニール袋24を本管22の長手方向(軸方向)に折り畳んで絞り、接着テープ26を長手方向に接着する。こうして梱包体K1を包装できる。
梱包体K1の落下時に、スクリュージョイント20の本管22または接続管21の端部やターミナル突起部22a、22bで床面に衝突するため、クランプ部材1は落下時の衝撃を直接受けにくく破損しにくい。また、落下時にクランプ部材1が床面に衝突したとしても、ターミナル突起部22aに係止した状態でわずかに移動してビニール袋24に当接して衝撃が緩衝される。そのため、この場合でも、クランプ部材1は落下時の衝撃で破損しにくい。
また、接着テープ26はビニール袋24に接着されて一体であるため、施工現場でごみが増加することがない。
本第二実施形態では、樹脂管2として熱可塑性樹脂からなるチーズ28を用いたものである。図8において、本第二実施形態におけるチーズ28は、直管状の本管28aの長手方向中央から分岐して本管28aと同径または異径の枝管部28bが形成されている。本管28aの両端部にはターミナル突起部28c、28dがそれぞれ枝管部28bと同一方向(または異なる方向)に突出して略平行に形成されている。枝管部28bには例えば2本(1本でもよい)のクランプ部材1が挿入されて係止されている。また、一方のターミナル突起部28cには識別タグ23が取り付けられている。
これらチーズ28及びクランプ部材1はビニール袋24内に収納されており、ビニール袋24の開口をヒートシール機でヒートシールして、長手方向に折り畳んで絞る。更にビニール袋24を本管28aの径方向にそれぞれ絞り込んで、枝管部28bの先端で接着テープ26を接着して枝管部28bとビニール袋24を固定し、梱包体K2を形成できる。
なお、クランプ部材1は、枝管部28bに代えてターミナル突起部28c、28dに係止させてもよい。
次に本発明の実施例による梱包体K1、K2、Kについて落下試験を行った。
実施例1、2、3、4として、スクリュージョイント20(SJ)、チーズ28(T)、ソケット(S)、エルボ(L)を用いた。各実施例の本管の径はφ20mm、φ25mmの2種を用いた。各実施例1~4では、本管のターミナル突起部22a、22b、28c、28dまたは枝管部28bのいずれかにクランプ部材1を係止して、ビニール袋24に封入して長手方向及び/または径方向に絞って接着テープ26で固定した。実施例3、4のソケット(S)、エルボ(L)も同様に構成した。
比較例1、2、3、4も同様にスクリュージョイント20(SJ)、チーズ28(T)、ソケット(S)、エルボ(L)を用いたが、クランプ部材1をターミナル突起部または枝管部に係止することなく、別個にビニール袋24に封入し、絞り込みと接着テープ26による固定はしていないものとする。
比較例1、2、3、4の各梱包体は樹脂管2の種類毎に1セット5回の落下試験を3セット(N=1、2、3)行った。比較例1、2、3、4の落下試験も各セットとも1.2mの高さからコンクリートの床面に落下させた。
実施例1、2、3、4と比較例1、2、3、4の落下試験の結果は下記の表1と表2に示す結果となった。クランプ部材1に損傷を生じない場合を〇、生じた場合を×とした。
また、包装部材はビニール袋24に限定されるものではなく、その他の樹脂製の袋や紙袋や布袋等、適宜の包装材を使用できる。その際、包装材は袋状のものに限定されない。例えばシート状部材で樹脂管2とクランプ部材1を包装してもよい。
また、ビニール袋24は、接着テープ26に代えて紐等で樹脂管2とクランプ部材1を固定してもよいし、ビニール袋24を真空包装機で真空引きすることで固定してもよい。これらは固定部材に含まれる。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
2 樹脂管
3 電気融着継手
10 締付帯部
11A 第1係合部
11B 第2係合部
12 保持部
12A 連結片
13A 第1係合歯(係合歯)
13B 第2係合歯(係合歯)
14A 第1操作部(操作部)
14B 第2操作部(操作部)
15 突起部
17 突出片
20 スクリュージョイント
22、28a 本管
22a、22b、28c、28d ターミナル突起部
24 ビニール袋
26 接着テープ
28 チーズ
28b 枝管部
K1、K2 梱包体
Claims (4)
- 筒状の本管から突出する突起部または枝管部を有している樹脂管と、
樹脂製のクランプ部材と、
前記樹脂管及びクランプ部材を梱包する包装部材と、
を有しており、前記樹脂管の突起部または枝管部に前記クランプ部材を係止させた状態で前記包装部材によって包装して固定したことを特徴とするクランプ部材及び樹脂管の梱包体。 - 前記樹脂管及びクランプ部材を前記包装部材で梱包した状態で、前記包装部材を絞って接着テープ等の固定部材で固定している請求項1に記載されたクランプ部材及び樹脂管の梱包体。
- 前記クランプ部材は略C字状に形成されている請求項1または2に記載されたクランプ部材及び樹脂管の梱包体。
- 樹脂管に形成された突起部または枝管部にクランプ部材を係止させる工程と、
前記樹脂管及びクランプ部材を包装部材で梱包する工程と、
前記包装部材を絞って接着テープで接着する工程と、
を備えたことを特徴とするクランプ部材及び樹脂管の梱包方法。
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