JP7162993B2 - オゾンガス利用システム - Google Patents

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Description

この発明は、オゾンガス発生処理装置より発生されるオゾンガスを利用するオゾン利用処理を行うアプリケーション装置を含む小規模化や高効率化を図ったオゾンガス利用システムと環境負荷の低減を図ったオゾンガスを利用するオゾン利用処理を行うアプリケーション装置に関する。
従来のオゾン発生技術として放電を利用し、高効率で高濃度のオゾンガスを発生させるオゾン発生技術がある。このような放電を利用したオゾン発生技術において、原料ガスと放電面材料とを組合せた技術を開示した文献として例えば特許文献1が挙げられ、放電面材料技術を開示した文献として例えば、特許文献2~特許文献6が挙げられる。
特許文献1においては、濃度200[g/m]以上の高濃度オゾンを発生できるオゾン発生器としては、供給する原料ガスとして酸素ガスに窒素ガスを0.1%~数%添加したものを用いている。そして、微量添加した窒素ガスが、放電によって窒素酸化物ガスになることにより、この微量な窒素酸化物ガスが、触媒作用をして多量の酸素分子を解離させ、高濃度の酸素原子を生成させる能力を有する。その結果、この窒素酸化物を介して生成された高濃度の酸素原子と酸素分子との三体衝突反応で、高濃度のオゾンを発生させることができる。
従来、市販されている製品としてのオゾン発生装置の大半は、特許文献1に示された、酸素ガスに窒素ガスを0.1%以上(1000ppm~数%(数万ppm)添加した原料ガスでオゾンを発生させる技術と、原料ガス以外の放電面と酸素との化学反応作用でオゾンガスを発生させる技術との2つの技術に分類される。従来のオゾン発生装置においては、主に前者の微量の窒素ガスを添加した原料ガスで、オゾンを発生させる技術が採用されており、放電によって、生成した電子の酸素分子衝突による酸素原子解離量よりも、窒素ガスの触媒作用で生成された酸素原子量(窒素酸化物ガスを生成することで、窒素酸化物ガスの放電光触媒反応と窒素酸化物ガスの化学反応とによる触媒作用で酸素原子を生成する作用)が非常に多く、この大半を占める酸素原子量を利用して高濃度のオゾンガスを発生させている。
したがって、市販されているオゾン発生装置の大半の装置は、原料ガスに窒素ガスを含めることが必須であるため、オゾン発生させると、それに伴い窒素添加量の数%~数十%程度に相当する数十ppm~数百ppm程度の二酸化窒素と一酸化窒素等のNOxが生成する装置となり、従来の大半のオゾン発生装置では、環境負荷を高くするNOxの除去対策が不十分であった。
また、特許文献2~特許文献6で開示された技術においては、放電面に光触媒物質を塗布することで、原料ガスに窒素ガスを含有させずに多くの酸素原子量を生成させることで、オゾンを生成させる装置および技術(窒素レスオゾン発生装置および窒素レスオゾン発生技術)が示されており、原料ガスにほとんど窒素ガスを含有させずに、高効率にオゾンガスを発生できるため、発生した高濃度オゾンガスには、二酸化窒素と一酸化窒素等のNOxがほとんどない環境負荷の小さいオゾン発生装置が実現できる特徴を有する。
特許第3642572号公報 特許第4953814号公報 特許第5069800号公報 特許第4825314号公報 特許第4932037号公報 特許第5121944号公報
オゾン発生技術を利用したオゾン発生装置は、最近、段々と普及しつつあるが、オゾン発生装置の電気容量やオゾン発生容量や装置容積が大きいものであるため、電気供給源の確保、原料ガスの確保、及び装置の設置場所確保などのさまざまな困難な点あり、まだ、オゾンガスを利用してオゾン利用処理を実行する多くのアプリケーション装置には使われていない。
また、多くの市販されている従来オゾン発生装置は、酸素ガスに1%(10000ppm)程度の窒素を含んだ原料ガスからオゾンガスを発生する、大型の放電式オゾン発生装置を用いている。したがって、従来のオゾン発生装置は、オゾン発生時に放電によって、窒素添加量の数%~数十%程度に相当する数十ppm~数百ppm程度の二酸化窒素と一酸化窒素等のNOxが生成してしまう。このため、従来のオゾン発生装置から生成されるオゾンガスを利用することは、NOxガスを含んだオゾンガスを利用することになるため、環境負荷を高くするNOxの除去対策が十分なされていないことになる。
電気容量及びオゾン発生容量が大きいオゾン発生装置は、オゾン処理容量の非常に大規模な処理場をターゲットとしたオゾンガス利用システムに適した装置である。このような比較的規模が大きいオゾン発生装置は、装置容積が非常に大きく、原料ガス設備が非常に大きくなり、オゾン利用処理を実行するアプリケーション装置の規模も大規模化することになる。また、オゾン発生装置の電気容量が大きいため、オゾン発生装置用の電気供給源の確保が難しくなる。したがって、比較的規模が大きいオゾン発生装置では、僻地や離島において使いやすい小規模なオゾンガスを利用したアプリケーション装置を含むオゾンガス利用システムを作り上げることができなかった。
また、大型客船の水やコンテナ船、原油タンカー等の船舶のバラスト水に対して、2004年度国際海事機関(IMO)が「バラスト水管理条約」が発効され、2017年までに就航している船を含めた全ての国際航海船舶に使用する水やバラスト水中の生物数を一定数以下に水処理(殺滅・除菌)する装置の搭載を義務づけられるため、オゾンガスを利用した小規模な水処理装置の需要が高くなっている。しかしながら、大型客船の水やコンテナ船、原油タンカーのバラスト水の水処理等において、小型のオゾン発生装置を採用した水処理装置を十分に実現できなかった。
さらに、オゾンガスを利用する従来のアプリケーション装置は、酸素ガスに1%(10000ppm)程度の窒素を含んだ大型の放電式のオゾン発生装置より発生されるオゾンガスを用いている。すなわち、従来のアプリケーション装置は、オゾン発生時に放電によって、窒素添加量の数%~数十%程度に相当する数十ppm~数百ppm程度の二酸化窒素と一酸化窒素等のNOxが生成され、NOxガスが含まれたオゾンガスを利用しているため、環境負荷の高いNOxの除去対策が不十分であるという問題点があった。
近年、工場事業活動や自動車から排出される環境負荷物質として、地球温暖化の原因とされる温室効果ガス(GHG)をはじめ、硫黄酸化物(SOx)、ばいじん、揮発性有機化合物(VOC)および窒素酸化物(NOx)の排出量削減することが重要になりつつあり、オゾン発生装置においても、オゾンガスに含まれるNOx量の低減させた装置にすることが望まれている。
本発明では、上記のような問題点を解決し、システム構成の小型化が実現される目的、より望ましくはオゾンガスに含まれるNOx量の低減化(環境改善目的)を図った、オゾンガス利用システムを提供する目的とからなる2つの目的(発明)を主とする。
この発明にかかるオゾンガス利用システムは、酸素ガスを含む原料ガスを供給する原料ガス供給装置と、前記原料ガスからオゾンガスを生成するオゾン発生装置と、前記オゾンガスを利用して、オゾン処理前物質からオゾン処理後物質を得るオゾン利用処理を実行するアプリケーション装置とを備え、前記オゾン発生装置は、供給高周波電圧を生成するインバータ電源と、前記供給高周波電圧を昇圧して昇圧高周波電圧を得る共振型トランス部と、前記共振型トランス部より受ける前記昇圧高周波電圧を動作電圧として受け、前記原料ガスから、200g/m以上のオゾン濃度の前記オゾンガスを生成するオゾン発生器とを含み、前記共振型トランス部は、前記オゾン発生器の負荷容量と負荷共振型高周波昇圧トランス自身の励磁インダクタンスとを共振させるように設けられた負荷共振型高周波昇圧トランスであり、前記アプリケーション装置は、0.2MPa以上の圧力環境下で、200g/m以上のオゾン濃度の前記オゾンガスを受け、前記インバータ電源は、10kHz以上の高周波な前記供給高周波電圧を生成し、前記共振型トランス部は、前記供給高周波電圧を昇圧して前記昇圧高周波電圧を得るトランス本体を備え、前記トランス本体は一対のトランスコア、トランスモールドコイル及びトランスギャップスペーサを含み、前記トランスギャップスペーサは前記一対のトランスコア間に介挿され、前記共振型トランス部は、前記トランス本体との間に冷却空間を確保し、かつ、前記トランス本体の磁束漏れが外部に影響を与えないように、前記トランスギャップスペーサの上方及び下方に設けて前記トランス本体を覆うアルミ製のカバー部材をさらに備える
この発明におけるオゾンガス利用システムにおいて、アプリケーション装置は、200g/m以上の比較的高いオゾン濃度でオゾンガスを受けるため、オゾンガス供給量自体を小さくして装置構成のコンパクト化を図ることができる。
さらに、アプリケーション装置は、0.2MPa以上の圧力環境下で、オゾン発生装置からオゾンガスを受けるため、オゾン利用処理における処理能力の向上を図ることができる。
この発明の目的、特徴、局面、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
この発明による実施の形態であるオゾンガス利用システムの構成を示す説明図である。 実施の形態のオゾンガス利用システムの効果を示すグラフである。 図1で示したオゾン発生装置の内部構成を示す説明図である。 図3で示した負荷共振型高周波昇圧トランスの内部構造の詳細を示す説明図(その1)である。 図3で示した負荷共振型高周波昇圧トランスの内部構造の詳細を示す説明図(その2)である。 図1で示したアプリケーション装置におけるオゾンガス処理リアクターの詳細構成を示す説明図である。 図1で示した原料ガス精製装置の詳細を示す説明図である。 図1で示した電源供給装置を再生エネルギー発電装置とした構成例を示す説明図である。 オゾンガス利用システムの第1の変形例の構成を示すブロック図である。 オゾンガス利用システムの第2の変形例の構成を示すブロック図である。 オゾン発生器の電極構成とオゾン濃度検出器との試験構成を模式的に示す説明図(その1)である。 オゾン発生器の電極構成とオゾン濃度検出器との試験構成を模式的に示す説明図(その2)である。 放電面材料を不動体絶縁体膜で構成した試験用オゾン発生器I(図11)におけるオゾン濃度生成立上特性を示すグラフである。 放電面材料を光触媒絶縁膜で構成した試験用オゾン発生器II(図12)に高純度酸素ガスのオゾン濃度生成立上特性等を示すグラフである。
<実施の形態>
(基本構成)
図1はこの発明による実施の形態であるオゾンガス利用システムの構成を示す説明図である。図2は実施の形態1のオゾンガス利用システムの効果を示すグラフであり、具体的には、オゾン発生装置100とアプリケーション装置200との間における注入するオゾン濃度とオゾンの水浄化能力との関係を示すグラフである。図3は実施の形態1のオゾンガス利用システムで用いられるオゾン発生装置100の内部構成を示す説明図である。図4及び図5は、図3で示した負荷共振型高周波昇圧トランス13の内部構造の詳細を示す説明図であり、図5においてトランスモールドコイル132の構造を示し、図4においてトランスモールドコイル132を除く構造を示している。
図1に示すオゾン発生装置100は、後述で説明したオゾン発生器内の放電面材質を特定の光触媒材質にすることで、NOxガスを含まない高濃度オゾンガスを発生させることができる窒素レスオゾン発生装置となる。すなわち、窒素レスオゾン発生装置は、窒素を添加しない酸素ガスまたは、99.99[%]以上の高純度な酸素ガスを原料ガスとして用いても、高濃度のオゾンガスを取り出すことができる小規模なオゾン発生装置である。
図1に示すように、実施の形態1のオゾンガス利用システムは、オゾン発生装置100、アプリケーション装置200、原料ガス精製装置300、電源供給装置400、排オゾン分解装置500及びオゾン装置指示・状態表示部16を主要構成部として含んでいる。
アプリケーション装置200はオゾン発生装置100より生成されるオゾンガス62を利用してオゾン利用処理を行う。オゾン利用処理は、オゾンガスを利用して、オゾン処理前物質91からオゾン処理後物質92を得る処理である。
原料ガス精製装置300は、純度99.99[%]以上の酸素ガスを原料ガスとしてオゾン発生装置100に供給する原料供給系の装置である。
電源供給装置400は、オゾン発生装置100の動作電源となる供給電源70をオゾン発生装置100に供給する。
排オゾン分解装置500は、アプリケーション装置200のオゾン利用処理に利用された後に排出される排オゾンガス63を受け、排オゾンガス63を分解処理して処理済みガス64を得る装置である。
図1に示すように、オゾン発生装置100は、オゾン発生器11、インバータ電源装置120及び負荷共振型高周波昇圧トランス13を主要構成部として含んでいる。インバータ電源装置120は、オゾン発生器11に高周波電圧の電気制御をする装置であって、メイン電源構成としてのコンバータ/インバータ部12と、コンバータ/インバータ部12が供給する高周波電圧71(供給高周波電圧)を制御する制御回路部14とを含んで構成される。
インバータ電源装置120のコンバータ/インバータ部12より生成される高周波電圧71は、負荷共振型高周波昇圧トランス13にて昇圧され昇圧高周波電圧72としてオゾン発生器11に付与される。したがって、オゾン発生器11は昇圧高周波電圧72を動作電圧としてオゾンガス発生処理を行い、原料ガスである高純度酸素ガス61からオゾンガス62を発生することができる。なお、オゾン装置指示・状態表示部16は、制御回路部14の制御内容の指示、制御状態の表示、監視を行う。
アプリケーション装置200は、オゾンガス処理リアクター21、オゾン濃度検出器81、センサ82及びオゾン処理物質・蓄積部22を主要構成部として含んでいる。
オゾンガス処理リアクター21はオゾン発生装置100よりオゾンガス62を受け、オゾンガス62を用いて、オゾン処理前物質91である処理水に対しオゾンによる水浄化処理を行いオゾン処理後物質92(オゾン処理水)を得る。このように、オゾンガス処理リアクター21はオゾン利用処理として水浄化処理を実行している。
オゾン処理後物質92はオゾン処理物質・蓄積部22に一時的に蓄積され、活性炭処理水93として最終的に出力される。オゾン濃度検出器81はオゾンガス62の濃度を検出し、センサ82はオゾン処理後物質92の処理状態を検知する。
図2の結果を得る際、オゾン処理前物質91である処理水へのオゾン注入率を3mg/L一定条件で、オゾンガス処理リアクター21が有する処理タンク内での処理水とオゾンとが接触する時間であるオゾン接触時間(オゾン滞留時間)を10min確保できる処理タンク体積に設定している。図2は、上記設定下で、従来のオゾン発生装置及び実施の形態1のオゾン発生装置100からそれぞれ注入されるオゾン濃度(特性c1000、特性c2000)とそれに伴うオゾンによる水の浄化能力(特性w1000、特性w2000)との比較結果を示している。
図2において、横軸をオゾン発生装置から供給されるオゾンガスの注入流量(L/min)をとり、縦軸にオゾンガス処理リアクター21が有する処理タンクを用いて行うオゾンガスによる水の処理能力(m/日)と、注入オゾン濃度(g/m)とを示している。
注入オゾン濃度特性c1000は、従来のオゾン発生装置におけるオゾンガス流量に対する注入オゾン濃度特性を示しており、注入オゾン濃度特性c2000は、本実施の形態のオゾン発生装置100におけるオゾンガス流量に対する注入オゾン濃度特性を示している。
また、水浄化能力特性w1000は、従来のオゾン発生装置より供給されるオゾンガス(オゾンガス流量)に対する従来のアプリケーション装置の水の浄化能力特性を示しており、水浄化能力特性w2000は、窒素レスオゾン発生装置100より供給されるオゾンガス(オゾンガス流量)に対するアプリケーション装置200の水の浄化能力特性を示している。
このように、図2は、アプリケーション装置に供給したオゾン発生器からのオゾン化ガス注入ガス流量に対する水の浄化能力の特性を示したグラフである。
図2において、注入オゾン濃度特性c1000は、従来のオゾン発生装置でのオゾン注入濃度を示し、従来のオゾン発生装置においては、オゾン濃度は通常、注入オゾンガス流量に応じて濃度180g/mから120g/mに下がる特性を示している。
これに対し、本実施の形態のオゾン発生装置100は、注入オゾンガス流量に対して、低流量ではオゾン濃度が約400g/mに近い値から大流量域(ガス流量約65SLM(Standard Liter /Min)))で200g/m程度のオゾン注入濃度を供給することが可能となる。オゾンガス処理リアクター21を従来機と同様の設計条件で比較すると、水の浄化能力特性は水浄化能力特性w1000に比べ、水浄化能力特性w2000まで向上させることができる。
つまり、オゾンガスを用いた水の浄化能力を一定条件で比較すると、本実施の形態のオゾン発生装置100では、オゾンガス流量が小さくなるとともに、オゾン発生器11が必要とする電力量も小さくすることができる。さらに、オゾンガス処理リアクター21に滞留させるオゾン時間を一定値(例えば10min)に固定する処理タンク容積を設計すると、オゾンガス注入流量が小さくなることに応じて処理タンク容積も小さくすることが可能になる。
図2では、一例として、水の浄化能力を3000m/日と設定しており、従来のオゾン発生器においては、PA点の48L/minのオゾンガス流量が必要である。これに対し、本実施の形態のオゾン発生装置100(オゾン発生器11)を用いると、オゾン発生効率が従来のオゾン発生器に比べ高い能力を有するため、PB点の21L/minとなり、従来に比べ約44%のオゾンガス流量で十分となり、その分、オゾン発生器11に投入する電力も小さくすることができる。さらに、前述したように、アプリケーション装置200のオゾンガス処理リアクター21における処理タンク容積は浄化能力を一定であれば、オゾンガス注入流量が下がれば、それだけ、小さい処理タンク容積にすることできる。
このように、オゾン発生装置100は、注入オゾン濃度特性c2000を従来のオゾン発生装置の注入オゾン濃度特性c1000より高めることができる分、オゾン発生装置100用の電力の省電力化、アプリケーション装置200におけるオゾンガス処理リアクター21の処理タンク容積の小型化を図ることができる。
(オゾン発生器11)
図3~図5において、オゾン発生装置100の小型化を図ったオゾン発生器11におけるインバータ電源装置120と負荷共振型高周波昇圧トランス13との詳細構成を示している。
オゾン発生器11は、オゾン生成メカニズムに適した放電面材料が使用されることで、窒素ガスを含まない酸素ガスを原料ガスとしても、高濃度なオゾンガスを生成できる窒素レスオゾン発生器としている。また、誘電体バリア放電が生じる放電空間は、高電界放電を実現させるために0.4mm以下のギャップ長で短ギャップ化を実施するとともに、図4では、図示はしていないが、放電面を冷却するための水冷却機能を装着することで、オゾン生成量を大幅にアップが図れ、高効率でオゾンが発生できる高濃度オゾン発生器となっている。したがって、このオゾン発生器11は、従来型のオゾン発生器(円筒型オゾン発生器)に比べ、上述したように、短ギャップ放電を実現させ、セルの水冷構造を工夫した平板セルの多段積層構造にしたオゾン発生器にすることで、発生器の容積が、約1/3程度で、取出すオゾン濃度を約2倍から3倍にして、発生器に供給する原料ガス量と注入する放電電力量を1/2から1/3に小さくした小型オゾン発生器となっている。
また、インバータ電源装置120は、従来のオゾン発生器用電源の動作周波数数kHz程度に比べ、約5倍の高周波化(十数kHz以上、少なくとも10kHz以上)することで、オゾン発生器11に印加する電圧を低く抑えるとともに、インバータ電源装置120の出力部に設けた負荷共振型高周波昇圧トランス13のトランスコア131の磁束密度を下げることにより、トランスコア131の断面積を小さくすることができ、従来型オゾン発生器のトランスよりも小さい構成で負荷共振型高周波昇圧トランス13を実現することができる。
負荷共振型高周波昇圧トランス13の構成は、図4及び図5に示すようになっている。負荷共振型高周波昇圧トランス13において、高周波電圧71(供給高周波電圧)を昇圧して高周波昇圧電圧(高周波高電圧)72を得るべく、トランスコア131は、高周波渦電流損を減らすことのできるアモルファス磁性体もしくはフェライトコア磁性体材料で、トランスの磁性体構成(磁性コア)となっている。
図4に示すように、磁性コアは、断面形状がE型の一対のトランスコア131が間にトランスギャップスペーサ133を介挿することにより磁路長が形成される。一方、図5に示すように、トランスモールドコイル132は、1次コイルとなる1次巻線(v1)の上に2次コイルとなる2次巻線を重ね巻きし、さらに一体化したモールド樹脂で固めてコイル間の空間を絶縁樹脂で覆うことにより、各コイル間の高周波電圧による高周波放電を起こさないように絶縁対策がなされて一体化した高周波用のトランスモールドコイルとして構成されている。このモールドした1つの高周波用のトランスモールドコイル132を、図4の一対のトランスコア131で形成された磁路長内部に装着することで、高周波昇圧用のトランス本体が形成される。すなわち、トランス本体は、トランスコア131、トランスモールドコイル132及びトランスギャップスペーサ133の組み合わせ構造により構成される。
さらに、このトランス本体において、コンバータ/インバータ部12で制御した高周波動作周波数fにおいて、オゾン発生器11の負荷容量C0と高周波昇圧用のトランス本体自身の持つ励磁インダクタンスLbとが共振する状態にすることで、トランス本体で負荷の力率を改善させる機能も付加している。このように、負荷共振型高周波昇圧トランス13を多機能化したトランスにすることにより、共振用リアクトルを別途設けること無く非常に小さな構成の負荷共振型高周波昇圧トランス13nのみで共振化機能と高周波高電圧化機能を実現している。
この多機能を有した負荷共振型高周波昇圧トランス13は、負荷と共振させるため従来の市販されている一般的な昇圧トランス機能のみの励磁インダクタンスよりも、小さい励磁インダクタンスLbに調整するために、一対のトランスコア131間にトランスギャップスペーサ133が介挿される。そして、一対のトランス抑え板134は、トランスコア131及びトランスモールドコイル132を図4中左右方向の両側から支え固定するために設けられ、一対のトランス抑え板134間がボルトで固定されることにより、トランスコア131及びトランスモールドコイル132は一対のトランス抑え板134,134の内部で安定性良く固定される。
さらに、トランス本体が発熱したロスを風冷するためのトランス冷却空洞136スペースが図4の上下方向両側に設けられ、トランス本体の周辺に冷却用の風69を流すことで、トランス本体の発熱を冷却している。オゾン発生装置100の金属ケースを構成するユニット面(図示せず)に設けられたスリットから風69を吸い込み、トランス冷却空洞136に風69を流し、ファン137で排気してトランス本体(トランスコア131、トランスモールドコイル132及びトランスギャップスペーサ133)自身を風冷による冷却を行っている。
そして、この負荷共振型高周波昇圧トランス13はトランスギャップスペーサ133が設けられているため、トランスギャップスペーサ133によって形成されるスペース部分で磁束の1部が空間に漏れる漏れ磁束がある。この漏れ磁束がオゾン発生装置100のケースに鎖交することによってケース100内に渦電流が流れケース発熱を生じる、このケース発熱を防止するために、トランス冷却空洞136を確保しつつトランスコア131周りの図中上下方向において金属製の導電体・磁気シールドカバー135で覆う構成にしている。
次に、図1を参照して、オゾン発生装置100とアプリケーション装置200とを有するオゾンガス利用システムの動作を説明する。オゾン発生装置100は通常、原料ガス供給源として市販の酸素ガスボンベが用いられる。しかしながら、僻地や離島におけるオゾンガスを利用した処理装置(アプリケーション装置)や大型客船の上下水の水処理やコンテナ船、原油タンカーのバラスト水処理としてオゾンガスを利用する際、市販の酸素ガスボンベの交換は難しい。
このため、ここの一実施例では、オゾン発生装置100として、窒素レスオゾン発生装置にて説明しているため、原料ガス供給源となる原料ガス精製装置300は、後に詳述するように、コンパクトな酸素供給源(酸素製造装置)と酸素ガスから窒素を取り除く酸素精製器とを組み合わせた構成を採用している。
コンパクトな酸素供給源としては、例えば、空気中から酸素ガスを濃縮する酸素PSA(Pressure Swing Adsorption)方式や海水や川の水から酸素ガスを分解して取出す小規模な酸素生成器が考えられる。酸素源における窒素量等を取り除き高純度化する酸素精製器としては、触媒式の小型の常温吸着式生成装置が考えられる。そして、オゾン発生装置100はオゾンガスの吐出圧力を0.2MPa以上とし、0.2MPa以上の圧力環境下でオゾン濃度を200g/m以上の高濃度のオゾンを発生している。
原料ガス精製装置300として、酸素供給源(酸素製造装置)と酸素ガスに窒素量を取り除く酸素精製器を組み合わせた構造を示したが、酸素供給源(酸素製造装置)のみであっても、オゾン発生装置100は所要のオゾンガスを発生することは可能である。
また、オゾン発生装置100の電源供給装置400としては、通常は、商用交流電源を用いる。しかし、僻地や離島におけるオゾンガスを利用した処理装置(アプリケーション装置)や大型客船の上下水の水処理やコンテナ船、原油タンカーのバラスト水処理としてオゾンガスを利用する場合を考慮する必要がある。
この場合、電源供給装置400としては、数百W以上を発電する小規模電源装置の太陽光、風力、地熱、水力、波力、バイオ発電による小規模な再生可能なエネルギー源(再生エネルギー発電)からの電気供給を利用する構成が考えられる。電源供給装置400を再生可能なエネルギー源を用いて構成すれば、僻地や離島や船等のいたる場所においても、オゾンガスを利用した小規模な水処理等を行うアプリケーション装置200が容易に稼働でき、有効な利用ができるようになる。また、オゾン発生装置100は、環境負荷であるNOxガスの排出も低減できる小規模なオゾンガス利用システムを実現できる。また、電源供給装置400として再生エネルギー発電を利用することで、エネルギーの地産、地消面で有効利用でき、汚染水処理、赤潮処理、殺菌処理等をオゾン利用処理としてアプリケーション装置に実行させることにより、各地域に適した環境改善システムとして、実施の形態1のオゾンガス利用システムを利用できる。
オゾン発生装置100の小型化については、放電面のオゾン生成に対して良好な材料を選定するとともに、オゾン発生器11内においては、放電空間のギャップ長を0.2mm以下の短ギャップにすることで、オゾン生成量(生成効率)をアップさせ、水冷による冷却機能(図示せず)を有した電極を薄く形成し、電極、誘電体で形成した薄型放電セルを多段に積層構造にすることで、非常にコンパクト化した装置構成の窒素レスとなるオゾン発生を実現している。
また、図3に示した負荷共振型高周波昇圧トランス13は、電源供給装置400からの電気供給をインバータ電源装置120のコンバータ/インバータ部12で、数十kHzまで高周波化した高周波電圧71を発生させ、負荷共振型高周波昇圧トランス13で昇圧した高周波高電圧な昇圧高周波電圧72をオゾン発生器11に印加している。
数十kHz程度の高周波な昇圧高周波電圧72を印加することで、オゾン発生器11に所定放電電力Wdを投入できるためのインバータ電源装置120から出力する必要な高周波電圧71の電圧値Vdを低くするとともに、負荷共振型高周波昇圧トランス13に供給する電圧をより高周波数fにすることで、周波数に比例してトランスコア131内の磁束密度を小さくでき、トランスコア131の断面積を小さくできることからトランス本体自身の容積をコンパクトにすることができる。
また、オゾン発生器11の負荷は短ギャップ放電空間にしたオゾン発生器セルで構成されるため、負荷インピーダンスは容量負荷が大半を占めることで、負荷力率が非常に低い(約数十%以下)負荷となる。このため、投入する有効電力に対して負荷容量(kVA)が大きくなることで、負荷容量に応じてトランス本体自身を大型化する必要がある。この負荷容量に応じたトランス本体の大型化を防止するため、オゾン発生器11の負荷容量C0と負荷共振型高周波昇圧トランス13自身の持つ励磁インダクタンスLbとにおいて共振させる機能を有する多機能型に負荷共振型高周波昇圧トランス13を構成している。
負荷共振型高周波昇圧トランス13を多機能型にすることにより、トランス本体で、負荷の無効電力を回収でき、トランス本体自身は、ほとんど有効電力分のみの電力伝達機能を有するように製作できることから、この多機能型の負荷共振型高周波昇圧トランス13は、非常にコンパクト化した構造となる。
なお、負荷力率が非常に低い(約数十%以下)ために生じる投入電力に対してオゾン発生器11の負荷容量(kVA)が大きくなる対策としては、従来は、トランスの負荷側に共振用リアクトルを設け、この共振用リアクトルとオゾン発生器11の負荷容量C0とで共振させる方式が採用されたが、共振用リアクトル自体が大きくなることやトランス以外に共振リアクトルを設ける分、2つの変成器を要する必要があった。
しかし、本実施の形態のオゾン発生装置100においては、負荷共振型高周波昇圧トランス13を上記に示したように、多機能型で構成したため、負荷側の変成器の機能と共振機能を負荷共振型高周波昇圧トランス13のみで、オゾン電源機能を果たすことで、非常に小さい構造の負荷共振型高周波昇圧トランス13を構成でき、結果として小型のオゾン発生器11が実現できる。
コンパクト化した負荷共振型高周波昇圧トランス13は、新たに解決すべき問題点を有している。すなわち、数十kHzの高周波動作周波数において、負荷容量C0との共振をさせるトランス自身の励磁インダクタンスLbにするためにはトランスコア131の磁束形成路にトランスギャップスペーサ133が設ける必要があるため、トランスギャップスペーサ133によって形成されるスペース部分で磁束の一部が空間に漏れる問題点があった。
この漏れ磁束がオゾン発生装置100のケースと鎖交すると、ケース100内で渦電流発熱(渦電流損)が生じる。そのため、この渦電流発熱を少なく抑えるために、設置した負荷共振型高周波昇圧トランス13の周りの空間を約40mm以上間隔に開けると、漏れ磁束がケースと鎖交する磁束が弱められる。しかし、トランス13の周りの空間を約40mm以上の間隔を有したオゾン発生装置100のケースにしなければならず、オゾン発生装置100自身のケースが大きくなる問題点がある。
この問題点を解消するため、負荷共振型高周波昇圧トランス13は、トランスコア131周りを抵抗率の非常に低いアルミ材もしくは銅材等の金属製の導電体・磁気シールドカバー135で覆う構成にしている。このため、導電体・磁気シールドカバー135の存在により、トランスギャップスペーサ133からの漏れ磁束は、導電体・磁気シールドカバー135と鎖交して導電体・磁気シールドカバー135内で生じる渦電流損は、非常に小さく抑えられ、導電体・磁気シールドカバー135より外部への漏れ磁束は弱められる。このように、導電体・磁気シールドカバー135を設けることにより、漏れ磁束による発熱や磁気シールドが行えるため、オゾン発生装置100(オゾン発生器11)自身も小型化できるにしている。
次に、図4及び図5を参照して、多機能を有し、小型化を実現する負荷共振型高周波昇圧トランス13の内部構成を説明する。
負荷共振型高周波昇圧トランス13は、インバータ電源装置120からトランスモールドコイル132の1次コイルのv1-v2間に高周波電圧71が供給され、2次コイルのHV-LV間にオゾン発生器11の負荷に応じて高電圧に昇圧された動作周波数fの昇圧高周波電圧72が出力される構造となっている。
このため、負荷共振型高周波昇圧トランス13は、図4及び図5で示すように、2つのE型磁性体のトランスコア131とトランスギャップスペーサ133とトランスの1次コイルと2次コイルを重ね巻して一体化した高周波用のトランスモールドコイル132とをトランス本体としている。
具体的には、一対のトランスコア131,131間おいて、上端部131t,131t間、中心端131c、131c間、下端部131b,131b間それぞれにトランスギャップスペーサ133を挟んで密着させ、中心端131cを中心として、中心端131c、上部端131t間及び中心端131c、下部端131b間のコイル形成空間に1次コイル及び2次コイルを巻回することにより、トランスコア131、トランスモールドコイル132及びトランスギャップスペーサ133からなるトランス本体が構成される。すなわち、トランスモールドコイル132が一対のE型のトランスコア131の内部に嵌め込まされることにより、トランス本体が形成される。
そして、図4の左右方向の両側から、一対のトランスコア131の側面を押さえるように、一対のトランス抑え板134を設け、一対のトランス抑え板134,134間を図示しないボルトで固定する。その結果、一対のトランス抑え板134,134間にトランス本体(トランスコア131、トランスモールドコイル132及びトランスギャップスペーサ133)が固定される。
さらに、図4の上下方向の両側から、トランス本体との間にトランス冷却空洞136を確保しつつ、トランス本体からの漏れ磁束による渦電流発熱現象を防止する導電体・磁気シールドカバー135がトランス抑え板134に固定される。
負荷共振型高周波昇圧トランス13は、高周波動作周波数fにおいてオゾン発生器11の負荷容量C0とトランス本体の持つ励磁インダクタンスLbと間で共振させるようにして、負荷の低力率の力率改善ができるようにしている。このため、負荷容量C0に対応させたトランス本体自身の励磁インダクタンスLbを共振インダクタンス値に合わせるため、トランスギャップスペーサ133が設けられており、そのスペーサ厚みは1mm~5mmぐらいの範囲で、負荷容量C0との間で励磁インダクタンスLbが共振インダクタンス値になるように調整されている。
このため、このトランス本体を形成するトランスギャップスペーサ133の周りでは、トランスコア131の閉ループの磁束の一部が漏れる、磁束漏れ現象が生じる。この磁束漏れによる渦電流発熱現象のため、トランス本体から40mm以内に窒素レスオゾン発生装置100の収容ケースを構成する金属性のユニット面が存在すれば、この漏れ磁束によってユニット面内で生じる渦電流によるジュール発熱によって収容ケース自身が加熱されることになる。
このようなオゾン発生装置100の収容ケースにおけるユニット面の発熱を防止するための対策として、トランス本体を形成するトランスギャップスペーサ133の周辺において、導電性を有する金属性の導電体・磁気シールドカバー135を図中上下に設けている。
このように、導電体・磁気シールドカバー135がトランスモールドコイル132の周辺に設けられるため、トランスコア131のトランスギャップスペーサ133の形成部分から漏れる漏れ磁束は、導電体・磁気シールドカバー135で鎖交される。したがって、導電体・磁気シールドカバー135内で渦電流は流れるが、アルミや銅のような非常に導電率の高い材料で導電体・磁気シールドカバー135を構成することにより、この渦電流によるジュール発熱は非常に小さくなり、導電体・磁気シールドカバー135自身の発熱も極端に低下させることができる。さらに、オゾン発生装置100の収容ケースを構成する金属性のユニット面をトランス本体から数mm程度近づけても、導電体・磁気シールドカバー135の存在により、当該ユニット面が発熱しなくなる。
つまり、トランス本体から漏れる磁束を導電体・磁気シールドカバー135内で渦電流として流させることにより、導電体・磁気シールドカバー135を通過して漏れる磁束密度を極端に弱めることができる。その結果、導電体・磁気シールドカバー135は、間接的に漏れ磁束現象による発熱防止だけでなく、ある程度の磁気シールド効果も発揮することができる。
さらに、負荷共振型高周波昇圧トランス13自身は、負荷側へ伝達する電力の数%程度が、トランスモールドコイル132の銅損、トランスコア131の鉄損として発熱するため、トランス本体自身を冷却せずに放置するとトランス本体の熱容量によって高温になる。このため、トランス本体の周りは、風を所定風量で流し、トランス本体自身の数%の発熱量を風冷で冷却する必要が生じる。そのため、導電体・磁気シールドカバー135とトランス本体との間にトランス冷却空洞136を設け、冷却用の風69をトランス冷却空洞136に流すことにより、適切なトランス本体の風冷を可能にしている。
図4で示す構造では、導電体・磁気シールドカバー135にトランス冷却空洞136を確保するための切欠き部分を設ける構成にしたが、導電体・磁気シールドカバー135ではなく、トランス抑え板134面に切欠き等を設けトランス冷却空洞136に相当する空間を設けた冷却構造を設けても良い。また、本実施の形態では負荷共振型高周波昇圧トランス13自身を風冷で冷却するタイプで小型の多機能型の負荷共振型高周波昇圧トランス13を示したが、トランス抑え板134の面等を水冷もしくは冷媒を流して冷却をしてもほぼ同等の小型の負荷共振型高周波昇圧トランス13を実現でき、結果としてコンパクトなオゾン発生器11が実現できる。
また、図4及び図5で示す負荷共振型高周波昇圧トランス13では、1次コイルと2次コイルを重ね巻したトランスモールドコイル132とE型のトランスコア131内部にトランスモールドコイル132を内蔵する外鉄心(コア)タイプのトランス本体を示したが、1次コイルのモールドコイルと2次コイルのモールドコイルを分け、U型コアの両コアにそれぞれ1次コイルのモールドコイル、2次コイルのモールドコイルを分離して設置した内鉄心(コア)タイプのトランスで形成しても同様の効果がある。
外鉄心タイプのトランス本体と内鉄心タイプのトランス本体とを比較すると、外鉄心タイプのトランス本体の方が、トランス本体を構成するトランスモールドコイル132が1つであることにより、小型化したトランス本体を得ることができ、かつ、トランスコア131の発熱を上述した風冷で容易に冷却できるメリットがあり、望ましい。
このように、本実施の形態のオゾン発生装置100において、インバータ電源装置120は、少なくとも10kHz以上の高周波電圧71を生成し、共振型トランス部である負荷共振型高周波昇圧トランス13は、高周波電圧71から昇圧高周波電圧72を得るトランス本体(トランスコア131、トランスモールドコイル132及びトランスギャップスペーサ133)を有している。
高周波電圧71及び昇圧高周波電圧72を高周波に設定することにより、インバータ電源装置120及び負荷共振型高周波昇圧トランス13をそれぞれの小型化を図ることができるため、オゾン発生装置100内のオゾン発生器11における装置構成をコンパクト化することができる。
さらに、負荷共振型高周波昇圧トランス13では、スペース部分を大きくするため、通常のトランスに比べ、漏れ磁束が大きくなる。
そこで、トランス本体との間に冷却空間であるトランス冷却空洞136を確保し、かつ、負荷共振型高周波昇圧トランス13の外部でトランス本体の上記磁束漏れによる渦電流発熱現象がないように、トランス本体を覆う金属製のカバー部材である導電体・磁気シールドカバー135を設け、トランスからの漏れ磁束を抑制するシールドした。
このように、負荷共振型高周波昇圧トランス13は導電体・磁気シールドカバー135を有しているため、小型化を図っても、渦電流発熱を含む磁束漏れ現象の外部への影響を効果的に抑制することができる。
加えて、トランス冷却空洞136を確保して導電体・磁気シールドカバー135を設け、トランス冷却空洞136に風69を流すことにより、トランス本体自体の発熱をも効果的に冷却除去することができる。
一般に良く採用されているオゾン発生器は原料ガスとして乾燥空気源や高純度酸素でない一般酸素ガス源や酸素ガスに微量の窒素ガスを添加させたものが使用され、誘電体バリア放電もしくは沿面放電等を利用する円筒型のオゾン発生器である。このため、原料ガスが乾燥空気源においては、窒素が75%(750000ppm)も含まれ、酸素ガスを原料ガスにするオゾン発生器に比べ、オゾン発生量は、約1/4以下の能力しかない。原料ガスとして乾燥空気源を用いた円筒型のオゾンガス発生器では、窒素ガスが多く含まれるため、出力するオゾン濃度も低く、通常数十g/m程度で、所望のオゾン発生量を得るためには、オゾン発生器が大きくなるだけでなく、オゾン発生器に供給する電力量や原料ガス量も大きくなる傾向にあり、オゾンガスを利用してオゾン利用処理を実行するアプリケーション装置の装置構成も大きかった。
また、原料ガスを高純度酸素でない一般酸素ガス源とした場合、酸素ガスに微量の窒素ガス通常、0.1%(1000ppm)~1%(10000ppm)の窒素ガスが原料ガスに含まれている。
我々の試験で測定した結果、酸素ガスに1%の窒素ガスが含まれる原料ガスを受け、誘電体バリア放電によって数十PPM~数百PPMのNOxガスが生成され、この微量のNOxガスと誘電体バリア放電との化学反応の結果、高濃度のオゾンが生成していると言える。つまり、言い換えると、酸素ガスに1%の窒素ガスが含んだ原料ガスを用いたオゾン発生器で、高濃度のオゾンを発生させる場合、放電の電界強度によって、例えば、150g/m(70000PPM)の高濃度オゾンガスに数十PPM~数百PPMのNOxガスも発生することがわかった。そのことで、酸素ガスに1%の窒素ガスを用いた原料ガスから高濃度なオゾンガスを発生させる場合、必然的に環境負荷が高くなると言われているNOxガスも数十PPM~数百PPMのNOx濃度が含まれたオゾンガスが出力されることになる。
このようなオゾンガスを利用するアプリケーション装置は、有効にオゾン利用処理が実行でき、処理効果は十分にある反面、オゾン発生装置から数百PPMのNOx濃度のガスも発生されおり、この副産物であるNOxガスは環境負荷の高い物質に適用されており、分解処理もむずかしく、オゾン処理後物質に混入したり、排オゾンとして大気に排出されたりすることになる。また、生成した数十PPM~数百PPMのNOx濃度のガスは、水分と結合反応して、硝酸(HNO)になる。この硝酸(HNO)は、金属の腐食を促進ことになり、アプリケーション装置の寿命を短くさせたり、オゾン利用処理が水洗浄処理の場合、処理した水の衛生上の問題が高くしたりする可能性も想定できる。
NOx発生を抑制した環境負荷の小さい窒素レスのオゾン発生の実現については、原料ガスとしては窒素ガスを含まない高純度酸素ガスを採用することが第1前提である。
通常の一般的に使用されていますオゾン発生装置は約1%程度(10000PPM程度)以上の窒素ガスが含まれることを前提としており、窒素ガスが含まない酸素ガスでは、高濃度のオゾンガスを発生させることができなかった。このため、NOxを発生させることなく所定量のオゾン発生量を確保するオゾン発生器ではなかった。
したがって、本実施の形態で用いるオゾン発生装置100では、オゾン発生器内の放電面材料を特定の光触媒材料にすることで、窒素ガスを含まない原料ガスからオゾンガスを発生することができ、特に高濃度のオゾンガスが発生することができるため、環境負荷の小さいオゾンガスを利用したオゾンガス利用システムを実現される上で必要不可欠となる。
さらに、通常使用されている、オゾン利用処理として水浄化処理を実行するアプリケーション装置に供給するオゾンガスは、供給圧力が0.15MPa未満で、オゾン濃度が数十g/mから180g/m未満であるため、アプリケーション装置を小さく作ることが困難であった(図2参照)。
(アプリケーション装置200)
図6は、図1で示したアプリケーション装置200におけるオゾンガス処理リアクター21の詳細構成を示す説明図である。オゾンガス処理リアクター21はオゾン利用処理としてオゾンガスを用いて水洗浄処理を実行する。
オゾン処理前物質91である処理水はオゾンガス処理リアクター21の下部から注入され、処理水に対して水洗浄処理が実行された後、上部から水洗浄処理されたオゾン処理水がオゾン処理後物質92として排出される。
オゾンガス処理リアクター21の底部分にオゾンガスを一定圧力P1にしたオゾン空間が設けられ、そのオゾン空間にオゾン発生装置100で生成したオゾンガスが供給される。オゾンガス処理リアクター21の底部分に微細な穴が開いた散気管となっており、供給されたオゾンガスはこの散気管からオゾンガス処理リアクター21内の水部分に無数の気泡として、オゾンガスが供給され、気泡内のオゾンガスと処理水との接触で、水浄化処理(オゾン酸化化学処理及びオゾン殺菌処理を含む処理)が実行されることにより、オゾン処理前物質91である処理水を浄化してオゾン処理後物質92を得ている。
通常、処理水とオゾンガスとの接触時間Tmin(分)は、周りの水と気泡に含まれているオゾンとの酸化反応が促進され、その反応は実用的におおよそ10min程度で充分であり、そのため、オゾンガス処理リアクター21による水浄化処理の処理能力は、処理水に供給するオゾン注入量(mg/L)、オゾンガス流量Q及びオゾンガス処理リアクター21の体積Vcmによって決定される。
従来の水浄化処理用のオゾン発生器においては、オゾンガス処理リアクター21に供給する供給圧力が0.15MPa未満で、図2の注入オゾン濃度特性c1000で示すように、オゾン濃度が120g/m~180g/m未満であったが、本実施の形態のオゾン発生装置100では、オゾン発生器11を用いているため、オゾン濃度は200g/m~400g/m(注入オゾン濃度特性c2000参照)の高濃度オゾンガスをオゾンガス処理リアクター21に供給することができる。
したがって、所定量のオゾンガスを供給するのに、オゾンガス流量Qを大幅に小さく(例えば、図2のPA点からPB点にする)ことができるメリットが生じる。このため、オゾンガス流量Qが小さくなれば、オゾン滞在時間10分を一定にすると、オゾンガス処理リアクター21(内の処理タンク用)の形成高さを従来構成より低くできるとともに、断面積も小さくすることができるため、処理タンク容積を小さくしてオゾンガス処理リアクター21をよりコンパクトにすることや、水浄化処理能力の向上が図れるというメリットがある。
また、供給するオゾンガス圧力P1を高くできれば、オゾンガス処理リアクター21の排圧P2をバルブ631で高くすれば、処理水内の気泡を小さくすることができ、オゾンガスと処理水との接触反応をより高める効果が生じ、オゾンガス処理リアクター21の処理能力の向上が図れ、図2で示した水浄化能力特性w2000よりさらに性能アップさせる効果が期待できる。したがって、オゾンガス圧力P1を0.2MPa以上にした圧力環境下に設定することが望ましい。
このように、本実施の形態のオゾンガス利用システムを構成するアプリケーション装置200は、200g/m以上の比較的高いオゾン濃度でオゾンガスを受けるため、オゾンガス供給量自体を小さくして装置構成のコンパクト化を図ることができる。
さらに、アプリケーション装置200は、0.2MPa以上のオゾンガス圧力P1の環境下で、オゾン発生装置100からオゾンガスを受けるため、オゾン利用処理である水浄化処理における水浄化能力の向上を図ることができる。
(原料ガス精製装置300)
図7は、オゾン発生装置100と組合せて使用する原料ガス精製装置300の詳細を示す説明図である。通常は原料ガスの供給源として市販の酸素ボンベを用いるが、利用分野を任意とするオゾンガス利用システムにするためには、大気中の空気もしくは水から酸素ガスを作り出し、そのガスの水分や窒素ガスを取り除く構成にすることが望ましい。
図7に示すように、原料ガス供給装置である原料ガス精製装置300は、大気の空気を圧縮して酸素ガスを濃縮する酸素PSA装置32と酸素PSA装置32から得た濃縮した酸素ガスを高純度酸素ガスに変換する高純度ガス精製器33(酸素精製器)との組み合わせ構成を示している。酸素PSA装置32及び高純度ガス精製器33はそれぞれ可能な範囲で容量の小さいものを採用することが望ましい。
酸素PSA装置32は空気中から酸素ガスを取り出す酸素抽出装置として機能し、高純度ガス精製器33は、酸素PSA装置32で取り出した酸素ガスからさらに、酸素ガス以外の微量の不純物を取り除く、高純度酸素ガスを生成する酸素ガス精製機として機能する。
ここでは、酸素抽出装置として、大気からの酸素PSA装置32を示したが、酸素PSA装置32に代えて水から電気分解や触媒作用を利用して酸素ガスを抽出する酸素ガス製造装置を用いても良い。すなわち、酸素ガス製造装置は水から酸素ガスを取り出す酸素抽出装置として機能する。
このように、本実施の形態のオゾンガス利用システムで用いる原料ガス供給装置である原料ガス精製装置300は、酸素PSA装置32及び高純度ガス精製器33の組み合わせにより構成されるため、利用分野に関係無く用いることができる。
小型のオゾン発生装置100で、小流量の原料ガスで効率良くオゾン(高濃度オゾン)ガスが発生できれば、そのオゾンガスを利用するアプリケーション装置の小型化が図れ、小流量の原料ガスである酸素ガスを発生させ、その酸素ガスを精製する原料ガス精製装置300の装置構成も小さくでき、オゾンガス利用システム全体の小型化を図ることができる。
本実施の形態のオゾンガス利用システムは、環境負荷の小さいNOxレスオゾンガスを利用するため、原料ガス精製装置300に窒素除去装置である高純度ガス精製器33を設け、小型化されたオゾン発生器11を用いたもので説明したが、原料ガス精製装置300としては、酸素PSA装置32のみとし、小型のオゾン発生器11と組み合わせも良い。
(高濃度オゾンガス発生のメカニズムの解明)
昔から放電中の電子である程度のオゾン濃度が得られることは明らかであったが、100g/m(46700ppm)を超えるような高濃度なオゾンガスが生成できるメカニズムは、先行技術文献で様々な技術が開示されてきているが、正しいメカニズム追究がなされているとは言えない。
そこで、我々の試験では、放電による高濃度のオゾンガスが発生できるメカニズムを解明するため、原料ガス種、放電面状態および放電面材質等の試験条件を可変させた場合において図11及び図12の電極と放電面材料構成(試験用オゾン発生器I、II)での電極に印加させる電圧[インバータ出力(INV.出力)]に対応して生成されるオゾン濃度の立上応答性について、図13及び図14で測定し、明らかにした。その結果として、特許文献1~特許文献7の開示内容の正確性を再検証した。なお、詳細については、図13、図14の測定結果の説明として後述する。
図11及び図12は、高濃度なオゾンガスが生成できるメカニズムを解明するためのオゾン発生器の電極と放電面材料構成とオゾン濃度検出器とによる試験構成を模式的に示す説明図である。
図11は、発生器内の放電面材料を放電光等によって化学変化がない不動体絶縁体膜2104aで構成したオゾン発生器の試験構成を示し、図12は、放電光等によって光吸収して、材料表面が活性化状態になる光触媒絶縁膜2104bで構成したオゾン発生器の試験構成を示している。
図11及び図12で示すTd(s)は、オゾン発生器からオゾン濃度検出器81までのガス配管体積と試験時のガス流量Qで求まるオゾン濃度検出遅れ時間を示している。出力信号(高電圧交流電圧)SAから検出した高電圧の立上り特性を図13、図14の出力信号(高電圧交流電圧)特性Aで示す。このため、出力信号(高電圧交流電圧)に対応した濃度立上応答Bを考察する場合には、オゾン濃度検出器81で測定した濃度立上応答特性B(t)からオゾン濃度検出遅れ時間Td(s)を差し引いた濃度立上応答特性B(t-Td)がオゾン発生器自身のオゾン濃度立上応答特性を示していることになる。つまり、図11、図12で示す放電面材料構成での放電面状態のオゾン発生器自身のオゾン濃度立上応答特性B(t-Td)とガス種と放電面材質の違いによるオゾン発生器自身のオゾン濃度立上応答特性B(t-Td)とを図13のB1、B2、B3及び図14のB10、B20、B30で示している。
図11及び図12のオゾン発生器に供給する条件を以下のように設定した場合の特性が図13及び図14の特性である。原料ガスとして、それぞれガス流量1L/minを流し、オゾン発生器に注入する放電の出力500Wを投入して、注入する出力信号SAの立上り応答性Aとオゾン濃度検出遅れ時間Td(s)を加味したオゾン濃度立上り特性B(t-Td)を対数時間軸でグラフ化している。ちなみに、ガス流量1L/minに流した場合のオゾン発生器からオゾン濃度検出器81で濃度検出のオゾン濃度検出遅れ時間Td(s)は、4.16(s)であった。
図13は、放電面材料を不動体絶縁体膜2104aで構成したオゾン発生器(図11)におけるオゾン濃度生成立上特性のB1、B2、B3を示すグラフである。
図14は、放電面材料を不動体絶縁体膜2104aで構成したオゾン発生器(図11)においてガス種を変更した場合のオゾン濃度生成立上特性のB10、B20と、放電面材料を光触媒絶縁膜2104bで構成したオゾン発生器(図12)におけるオゾン濃度生成立上特性のB30を示すグラフである。
試験用オゾン発生器Iは、図11に示すように、高電位側(H.V)の電極が高圧電極2101及び放電面が誘電体2103により構成され、低電位側(L.V)の電極が低圧電極2102及び放電面が不動体絶縁体膜2104aにより構成されている。そして、互いに対向する放電面の誘電体2103,不動体絶縁体膜2104a間が放電空間2105となる。
一方、試験用オゾン発生器IIは、図12に示すように、高電位側(H.V)の電極が高圧電極2101及び放電面が誘電体2103により構成され、低電位側(L.V)の電極が低圧電極2102及び放電面が光触媒絶縁膜2104bにより構成されている。そして、互いに対向する放電面の誘電体2103,光触媒絶縁膜2104b間が放電空間2105となる。
試験用オゾン発生器I、IIの構成を示す図11及び図12それぞれにおいて、高電圧交流電源1200は、高圧電極2101,低圧電極2102間に交流電圧を付与している。したがって、高電圧交流電源1200から高圧電極2101と低圧電極1202との間に交流電圧が誘電体2103を介して印加させることにより、放電空間2105に誘電体バリア放電が形成される。これに伴い、放電空間2105に原料ガス610を供給することで高濃度なオゾンガス62が生成され、外部に出力される。
オゾン発生器から配管で所定長さ経た配置にオゾン濃度検出器81が設けられており、このオゾン濃度検出器81で、オゾン発生器内で生成された高濃度のオゾンガス62の濃度が検出され、オゾン濃度信号SBとして検出され高濃度のオゾンガスの立上応答性Bが検出できる。また、オゾンを生成するための交流電圧をSAから出力信号(高電圧交流電圧)は出力信号Aとして検出される。この出力信号Aおよびオゾン濃度信号SBはサンプル時間をミリ秒オーダで測定できるメモリハイコーダに取り込み、出力信号Aに対する生成されたオゾン濃度信号SBの濃度立上特性Bを厳密に計測している。
したがって、出力信号SAから検出された出力信号(高電圧交流電圧)のステップ応答信号Aに対応して、生成されるオゾン濃度信号SBで濃度立上応答特性Bを解析すれば、オゾン生成に起因する要素が明確になり、濃度の生成シミュレーション結果と実測結果との考察をすることで、高濃度オゾンの生成できるメカニズムが解明できる。
<高純度酸素ガスでの放電面の状態とオゾン発生関係を見る試験結果>
図13、図14における特性Aは出力信号SAから検出した電源からの印加電圧の立上特性(%)を示している。
図13の特性B1は、試験用オゾン発生器I(図11)において、初期放電面で、高純度酸素ガス(酸素+0%窒素ガス)の原料ガスを試験用オゾン発生器Iに流し、立上特性Aの電圧を印加した場合のオゾン濃度立上特性を示す(初期放電面とは、製作時の放電面であって、一度も放電させていないバージンの放電面を示す。)。
図13の特性B2は、試験用オゾン発生器I(図11)において、酸素に微量の窒素ガスを添加した(酸素+500ppm窒素ガス)ガスで放電させた後の放電面で、高純度酸素ガス(酸素+0%窒素ガス)の原料ガスを試験用オゾン発生器Iに流し、立上特性Aの電圧を印加した場合のオゾン濃度立上特性を示す。
図13の特性B3は、試験用オゾン発生器I(図11)において、高純度酸素ガス(酸素+0%窒素ガス)ガスで数時間放電させた後の放電面で、再度、高純度酸素ガス(酸素+0%窒素ガス)の原料ガスを試験用オゾン発生器Iに流し、立上特性Aの電圧を印加した場合のオゾン濃度立上特性を示す。
上述したように、放電面を不動体絶縁体膜2104aにした試験用オゾン発生器Iで、原料ガスを高純度酸素ガスとして、発生器に電圧を印加させ、放電させた場合においては、初期の放電面状態によって、放電の約1000秒(約16.6分)程度の期間においては、100g/m~210g/m程度のオゾン濃度が出る場合があるが、放電を長時間運転すると、特性B1、B2は、濃度が低下し、特性B3の飽和濃度値12g/mに漸近する特性を示す。すなわち、特性B1、B2の放電初期時の100g/m~210g/m程度のオゾン発生する現象は、放電面に吸着したガスが放電によって放出されて、原料ガスの高純度ガスに微量の放電面に吸着したガスが混入することで、オゾンが生成していることを示しており、約1000秒以上の放電を継続すると放電面から放出する酸素以外の吸着ガスの放出が無くなり、飽和濃度値12g/mになることが実験で確かめられた。つまり、特性B3で示された飽和濃度値12g/mが放電面を不動体絶縁体膜2104aにした場合のオゾン発生能力であると言える。この濃度値12g/mのオゾン発生は、放電面に寄与しない効果でオゾンが生成していることになり、このオゾン濃度12g/m(オゾン濃度立上特性領域1000a)が誘電体バリア放電による生成した電子と酸素ガスとの衝突で生成できる限界オゾン濃度と云える。
<500ppmの窒素ガスの添加とオゾン発生関係を見る試験結果>
特性B10は放電面材料を不動体絶縁体膜2104aで構成した試験用オゾン発生器I(図11)において、高純度酸素ガス(酸素+0%窒素ガス)ガスで数時間放電させた後の放電面で、再度、酸素に微量の窒素ガスを添加した(酸素+500ppm窒素ガス)ガスの原料ガスを試験用オゾン発生器Iに流し、立上特性Aの電圧を印加した場合のオゾン濃度立上特性を示す。
<18.4ppmの二酸化窒素ガスの添加とオゾン発生関係を見る試験結果>
特性B20は放電面材料を不動体絶縁体膜2104aで構成した試験用オゾン発生器I(図11)において、高純度酸素ガス(酸素+0%窒素ガス)ガスで数時間放電させた後の放電面で、再度、酸素に微量の二酸化窒素ガスを添加した(酸素+18.4ppm窒素ガス)ガスの原料ガスを試験用オゾン発生器Iに流し、立上特性Aの電圧を印加した場合のオゾン濃度立上特性を示す。
<放電面材料(光触媒)とオゾン発生関係を見る試験結果>
特性B30は放電面材料を光触媒絶縁膜2104bで構成した試験用オゾン発生器II(図12)において、高純度酸素ガス(酸素+0%窒素ガス)ガスで数時間放電させた後の放電面で、再度、高純度酸素ガス(酸素+0%窒素ガス)ガスの原料ガスを試験用オゾン発生器Iに流し、立上特性Aの電圧を印加した場合のオゾン濃度立上特性を示す。
特性S0(二点鎖線)は、誘電体バリア放電で発生した電子と酸素ガス分子との衝突のみで高濃度オゾンが生成できると仮定した場合のオゾン濃度立上特性の想定特性を示す。
また、図13、図14で示した1点鎖線枠で示した特性(オゾン濃度立上特性領域1000a)が、試験用オゾン発生器I、IIで実測試験をした結果から想定される電子によるオゾン濃度立上特性を示す領域であって、上述した特性S0(二点鎖線)を示さないことが明らかになった。
放電式のオゾン発生器は、原料ガス種、放電面材料等によって生成する濃度(オゾン発生量)が異なると言われており、高濃度なオゾンガスが生成できるメカニズムを検証するには、どのような起因でオゾンガスが生成されているかを見極める必要がある。そのためには、原料ガス種、放電面材料の違いによるオゾン発生器に印加する出力の立上応答に対する生成するオゾン濃度の立上り応答性を詳細に試験で検証することで起因要素がほぼ断定できると判断した。その上で、先行技術の特許文献1~特許文献6での特性データおよび記載された解析事実を再検証することでより明確になる。
そこで、我々は、図11及び図12で示す放電面構造の試験用オゾン発生器I、IIにおいて、原料ガス流量1L/minの条件と供給する電力500Wの条件を固定した条件で、下記の点を可変させて、オゾン発生器から生成されるオゾンガスのオゾン濃度の立上応答性について調べた。
(1)放電面の材料を誘電体2103と不動体絶縁体膜2104aにした放電面構成(図11)を有する試験用オゾン発生器Iと用いた試験。
オゾン濃度立上特性B1:確認試験として、放電面状態とオゾン生成を見るため、放電をさせずに、製作した後洗浄、乾燥のみ行った直後の初期放電面において高純度酸素(酸素+0%Nガス)でのオゾン濃度立上特性を測定した。
オゾン濃度立上特性B2:確認試験として、酸素+500ppmNガスにおいて、一旦、高濃度のオゾンを発生させた放電後の放電面状態において高純度酸素(酸素+0%Nガス)でのオゾン濃度立上特性を測定した。
オゾン濃度立上特性B3:確認試験として、高純度酸素ガスによる放電で放電面を十分にクリーンにした放電面状態において高純度酸素(酸素+0%Nガス)でのオゾン濃度立上特性を測定した。
その結果、図13で示すようなオゾン濃度立上特性B1~B3が得られた。
(2)放電面の材料を誘電体2103と不動体絶縁体膜2104aにした放電面構成(図12)を有するオゾン発生器を用いた、ガス種の効果を見る試験。
ガス種の効果としては、特に原料ガスとして酸素ガスに窒素ガスを添加したものを採用し、通常の高濃度オゾンを得るための試験用オゾン発生器Iにおいては、原料ガスとして酸素ガスに1%~2%の窒素を添加した原料ガスを用いるのが普通であるが、窒素の効果を見るには1%~2%の窒素添加は多すぎ、オゾン発生量の安定性はあるが、オゾン発生における窒素効果を鮮明にすることはできなかった。このため、オゾンガス発生における窒素効果をより鮮明に量的評価のできるに原料ガスとして酸素ガスに500ppmNガスの微量の窒素を添加した(酸素+500ppmN)ガスを採用した。また、窒素ガスが放電中に微量のNOxガスが生成されることからNOxガスの代表ガスとして二酸化窒素(NO)ガスを極微量加えたガス(酸素+18.4ppmNO)も採用した。
オゾン濃度立上特性B10:確認試験として、高純度酸素ガス(酸素+0%窒素ガス)ガスで数時間放電させた後の放電面で、再度、酸素+500ppmNガスを用いた原料ガスでのオゾンオゾン濃度立上特性を測定した。
オゾン濃度立上特性B20:確認試験として、高純度酸素ガス(酸素+0%窒素ガス)ガスで数時間放電させた後の放電面で、再度、酸素+18.4ppmNOを用いた原料ガスでのオゾン濃度立上特性を測定した。
オゾン濃度立上特性B30:確認試験として、放電面の材料を誘電体2103と光触媒絶縁膜2104bとした放電面構成(図12)の試験用オゾン発生器IIを用いて、高純度酸素ガス(酸素+0%窒素ガス)ガスで数時間放電させた後の放電面で、再度、高純度酸素(酸素+0%Nガス)を用いた原料ガスでのオゾン濃度立上特性を測定した。
その結果、図14で示すようなオゾン濃度立上特性B10~B30が得られた。
図13で示すオゾン濃度立上特性B1から、出力信号Aを印加(放電開始)してから約1秒から濃度が立上り、放電開始から約10秒を経て最大濃度100g/m(52000ppm)に達した後、約100秒(16.7分)で徐々に濃度が低下して、最終濃度値は12g/m(5600ppm)のオゾン濃度しか得られないことが確認される。
この結果から、出力信号Aを投入して約10秒という非常に遅い応答で濃度が上がり、かつ、約1000秒で生成したオゾン濃度が下がり切る特性が得られるため、オゾンガスの生成は放電面に付着(吸着)したガスが起因していると想定される。
つまり、約1秒から約1000秒(16.7分)で生成したオゾンガスは、放電面が初期放電面であることに起因しており、放電することで、初期放電面に付着(吸着)した大気成分である水分や窒素ガスが、放電の電子やイオン衝突でたたき出され、そのたたき出された微量のガスと酸素ガスとの放電が起因して酸素解離してオゾンガスが生成されたものと判断される。
次に、図13で示すオゾン濃度立上特性B2から、出力信号Aを印加(放電開始)してから約1秒から濃度が立上り、放電開始から約3秒間は12g/m(5600ppm)の発生濃度を維持し、約30秒から50秒で最大濃度210g/m(103500ppm)に達した後、約1000秒(16.7分)で徐々に濃度が低下して、最終濃度値は12g/m(5600ppm)付近のオゾン濃度しか得られないことが確認される。
この結果から、出力信号Aを投入して約30秒という非常に遅い応答で濃度が上がり、かつ、約1000秒で生成したオゾン濃度が下がり切る特性が得られるため、オゾンガスの生成は放電面に付着(吸着)したガスが起因していると想定される。つまり、約30秒から約1000秒(16.7分)で生成したオゾンガスは、放電面が前の放電工程で、窒素ガスを含むガスで放電させていることから、放電時に生成した窒素化合物ガスが放電で放電面に打ち込まれており、この打ち込まれた窒素化合物ガスが起因して、放電することで、放電面に打ち込まれた窒素化合物ガスが、放電の電子やイオン衝突でたたき出され、そのたたき出された微量の窒素化合物ガスと酸素ガスとの放電が起因して酸素解離してオゾンが生成されたものと判断される。
さらに、図13で示すオゾン濃度立上特性B3では、出力信号Aを印加(放電開始)してから約1秒で12g/m(5600ppm)の濃度になるがそれ以上の濃度を得ることができないことが確認される。
この結果から、初期放電面に大気ガスや窒素化合物ガスが付着(吸着)していないクリーンな不動体絶縁膜のオゾン発生器であれば、12g/m(5600ppm)のオゾン濃度しか得られないことが明らかになった。さらに、この12g/m(5600ppm)の濃度の応答性を見ると、出力電圧に対して約1秒の応答性でオゾンが生成されており、放電中の電子によるオゾン生成の応答性は、理論的に放電によって約10-5(s)で酸素原子に解離され、解離した酸素原子と酸素ガスの三体衝突でオゾンが生成されるオゾン生成応答時間が約1(s)程度であると言われていることから、放電の電子によってオゾンガスが生成できるオゾン濃度は12g/m(5600ppm)であることはこの試験で明らかになった事実である。
図14で示す酸素+500ppmNガスを用いた原料ガスとしたオゾン濃度立上特性B10から、出力信号Aを印加(放電開始)してから約1秒から濃度が立上り、放電開始から約40秒間は12g/m(5600ppm)の発生濃度を維持し、その約40秒後から徐々に濃度が立上り、放電開始から約3000秒(50分)の非常に遅い応答性で、約100g/m(52000ppm)近辺の濃度で飽和する特性が確認される。
この結果から、出力信号Aを投入して非常に遅い応答性で約100g/m(52000ppm)の高濃度が得られていることから察して、放電の出力と窒素ガス自身が高濃度オゾン生成に寄与しているのでなく、窒素を含んだ放電によって生成した窒素酸化物ガスを生成することによって、約100g/m(52000ppm)の高濃度が得られていることがオゾン濃度立上特性B10から判断される。
ちなみに、図14で示すオゾン濃度立上特性B10は、酸素ガスに500ppmNガスの微量の窒素を添加した(酸素+500ppmN)ガスであったが、図14には示していないが、酸素ガスに添加する微量の窒素量を徐々に増やせば、高濃度が得られる応答時間が短くなるとともに、約1%の微量の窒素を添加した(酸素+1%N)ガスで最大オゾン濃度も279g/m(130000ppm)までアップすることが確認されている。つまり、高濃度オゾン生成に寄与する窒素酸化物ガスが窒素添加量を1%までアップさせることで、放電によって生成する窒素酸化物ガスも増加して、結果として生成されるオゾン濃度もアップしたと判断される。
次に、図14で示す酸素+18.4ppmNOを用いた原料ガスとしたオゾン濃度立上特性B20から、出力信号SAを印加(放電開始)してから約1秒から濃度が立上り、放電開始から約2秒間は12g/m(5600ppm)の発生濃度を維持し、約2秒から30秒で濃度312g/m(145500ppm)に達した後、濃度350g/m(163000ppm)程度の高濃度のオゾンが生成できることを確認した。
この結果から、オゾン濃度立上特性B20は原料ガスが酸素ガスに添加する二酸化窒素量(18.4ppmNO)が窒素添加量(500ppmN)より非常に少ないため、オゾン濃度立上り応答性が早く、かつ高濃度のオゾンが生成できることや窒素を含んだ放電によってNOxガスが生成することを考慮すれば、高濃度のオゾン発生に起因ガスとしては窒素ガスよりも、二酸化窒素(NO)が大きいことが判る。また、この推測は、特許文献1~特許文献6で開示された技術内容とも良く一致した事実である。
さらに、図14で示す光触媒絶縁膜2104bとした放電面構成(図12)の試験用オゾン発生器IIで、かつ高純度酸素(酸素+0%Nガス)を用いた原料ガスとしたオゾン濃度立上特性B30から、出力信号Aを印加(放電開始)してから約1秒で濃度が立上り約12秒で最大濃度350g/m(163000ppm)の高濃度オゾンが生成できることを確認した。
この結果から、オゾン濃度立上特性B30は原料ガスがオゾン濃度立上特性B10,B20のような窒素や二酸化窒素を含まない高純度酸素ガスであっても、放電面の材料を誘電体2103と光触媒絶縁膜2104bとした放電面構成(図12)の試験用オゾン発生器IIにすれば、比較的応答性が早く高濃度なオゾンガスが生成されていることが証明された。
また、図14の二点鎖線で示す特性S0は、もし、放電で発生した電子によって、供給した酸素ガスを解離して350g/m(163000ppm)の高濃度なオゾンガスを生成すると仮定した場合の濃度立上特性である。この場合は、放電の電子衝突による酸素原子の解離であるからその酸素原子が生成される応答時間は、出力に対し約10-5(s)で、解離した酸素原子と酸素ガスの三体衝突でオゾンが生成されるオゾン生成応答時間が約1(s)であることから即座に350g/m(163000ppm)超える濃度まで達する。また、電子のみで高濃度オゾンが発生するのであれば、放電によるガス温度上昇よりも早い応答でオゾンガスが生成されることから濃度の立上り部では、ガス温度による発生したオゾンの分解する必要がなく、その結果、濃度の立上り部では、濃度が高くなる特性S0のようにオゾン濃度のオーバーシュートした立上りになり約3(s)の当たりで所定濃度に収束される特性になると仮定される。
以上のような、電子で高濃度が得られた場合を仮定した特性S0は、オゾン濃度立上特性B10~B30の試験結果では全く見られない結果になった。ただ、約1秒の早い応答でオゾンが生成していると思われるオゾン濃度は、12g/m(5600ppm)の特性であった。
上述した結果から判断すると、電子でオゾンガスの生成に寄与するオゾン濃度は12g/m(5600ppm)程度であることが確かめられ、オゾン濃度200g/mを超えるような高濃度オゾンが生成されていないことが分かった。理論的にも言えないことがこれらの試験で証明された。高濃度オゾンが生成される要因は、少なくとも放電中に含まれる二酸化窒素(NO)もしくは、放電面の光触媒材料が寄与していることが実験で証明された。
従来の放電面材料としてステンレス材料面にすると、放電面に不動体面が形成され高濃度オゾンが取出せると言われてきたが、今回の結果を以下で検証すると、放電面がCrやFe等を構成材料とした光触媒絶縁膜2104bを形成することで、オゾン生成能力がアップし、高濃度なオゾンガスが得られていることも明らかになった。
また、放電形態もグロー放電のような連続放電でなく、誘電体を介し、かつ、短ギャップ放電空間での誘電体バリア放電を実現している。誘電体バリア放電は高電界放電で、この放電が無数の間欠放電形態を有することから放電期間中に原料ガスの二酸化窒素もしくは放電面材料(光触媒絶縁膜2104b)の効果によって、酸素解離が効率よく促進され、解離された酸素原子が、この間欠放電形態の休止期間で、効率良くオゾンガスを生成する役目を果たすと考えられる。その結果、オゾン発生器11は、誘電体バリア放電により、200g/m(93333ppm)を超える高濃度のオゾンガスを発生することができるものと判断される。
上記考察の下、本実施の形態のオゾン発生装置100を有するオゾンガス利用システムが可能となった。
以上のように、今回の濃度立上応答性の確認試験をすることで、高濃度のオゾンが生成される要因である要素が見つかることにより、より高濃度なオゾンガスを得るためのガス種や放電面材料の追求に役立ち、より小型な装置構成のオゾン発生装置100(オゾン発生器11)が実現でき、オゾンガスを利用するアプリケーション装置への市場が広まる結果となる。
このように、図12で示すような電極構造を採用することで、オゾン発生器11は、原料ガス精製装置300から窒素ガスの含有量が0.1%未満の窒素(添加)レスの酸素ガスを原料ガスとして受けても、200g/mを超える高濃度のオゾンガスを、オゾンガスに含まれるNOxの量を数ppm未満に抑えて発生することができる。
上記の再検証した上で、小型化と原料ガスの窒素レス化を図ったオゾン発生器11の放電面に特定の酸化金属物質、すなわち、光触媒絶縁膜2104bを塗布することで、オゾン生成能力がアップして、高濃度のオゾンが取り出せるオゾン発生器11を有するオゾン発生装置100を実現させている。
このように、本実施の形態のオゾンガス利用システムは、オゾン発生装置100の小型化技術や小容量タイプにすること、及び、高純度酸素源として自然環境に存在する水や大気から酸素ガスを取出し、さらに、高純度の酸素に精製する装置を原料ガス精製装置300としている。
さらに、電源供給装置400として、数百W以上を発電する小規模電源装置を構成すべく、太陽光、風力、地熱、水力、波力、バイオ発電による小規模な再生可能なエネルギー発電の一部の電気供給源として、さまざまな地域や場所で、地球環境にやさしいオゾンを利用したオゾンガス利用システムが利用できるようにした。
(電源供給装置400)
図8は、オゾン発生装置100と組合せて使用するための一構成例としての電源供給装置400を再生エネルギー発電装置とした構成例を示す説明図である。
図8に示すように、電源供給装置400は、再生エネルギー発電セル部40aと発電電気制御部40bとから構成され、再生エネルギー発電セル部40aは太陽電池モジュールアレイ41を有し、発電電気制御部40bは電気保護BOX42、蓄電器43、集電盤44及びパワー変換器45を含んで構成される。
このように、再生エネルギー発電セル部40aは、再生エネルギーとして太陽電池モジュールアレイ41を有している。発電電気制御部40bは再生エネルギー発電セル部40aで発生した電気の集積、蓄積および発電した電気を直流源から商用交流源に制御している。
1つの太陽電池モジュールアレイ41から発電した電気は一旦、発電電気制御部40b内の電気保護BOX42を経由して集電盤44に集められる。電気保護BOX42は、再生エネルギー発電セル部40aと発電電気制御部40bの蓄電器43との間に設けられる。電気保護BOX42は、再生エネルギー発電セル部40aへの雷発生時等、再生エネルギー発電セル部40aの発熱・短絡、過電圧時等の防止対策と逆流防止用のダイオード装着などのトラブルに対する安全遮断を行っている。さらに、再生エネルギー発電セル部40aからの電気発電量、セル温度等のセンサ信号と電気量を調整指令する信号も電気保護BOX42を介して発電電気制御部40b側に伝達される。太陽電池モジュールアレイ41で発電され電気保護BOX42を介して得られる電気は、集電盤44にて集められ、一旦蓄電器43で蓄積された後、パワー変換器45で直流源を交流の供給電源70に変換して、発電した電気を供給電源70として常に安定して外部に供給するようにしている。
このように、再生エネルギー発電源である太陽電池モジュールアレイ41を採用した電源供給装置400は、電気を発生して外部に送電するだけでなく、発電した地域で有効に利用できる所謂「地産地消」が求められる。そこで、各地域や僻地や離島もしくは隔離された大型船内で、再生エネルギー発電の一部の電気を利用して窒素レスオゾンガスを発生させ、さまざまな環境対策用として大気汚染、殺菌、上下水処理、赤潮対策として、環境負荷の小さいオゾンガスの利用ができれば、望ましい地域環境改善が図れる効果が期待できる。
このように、電源供給装置400は、再生可能エネルギー源である太陽電池モジュールアレイ41を搭載した再生エネルギー発電セル部40を利用して、オゾン発生装置100の動作電源となる供給電源70を供給している。
このため、本実施の形態のオゾンガス利用システムは、僻地や離島や船等の通常の電源利用が困難な場所においても、オゾン利用処理をアプリケーション処理装置にて実行することができる。
(第1の変形例)
ここでは、人の飲料水の上水浄化、汚水等の下水浄化、プール水の水浄化と殺菌、水族館の有機物処理及び殺菌処理のための小型の水環境改善処理等、様々な水浄化処理を実現するためのオゾンガス利用システムの第1の変形例について説明する。
図9は、オゾンガス利用システムの第1の変形例の構成を示すブロック図である。図9において、凝集沈殿槽20bからの処理水をオゾン処理前物質91としている。以下、図9を参照して、図1~図8で示した実施の形態の基本構成と同様な構成部の説明を適宜省略しつつ第1の変形例について説明する。
図9に示すように、薬品混和槽20aにおいて中和剤薬品90aにより処理源水90に対する薬品処理がなされ、その後、凝集沈殿槽20bで、浮遊物等の濾過をした処理水がオゾン処理前物質91としてアプリケーション装置200のオゾンガス処理リアクター21に注入される。
オゾンガス処理リアクター21の下部には、オゾンガスを供給するオゾン空間が設けられ、オゾン空間には微細な穴(エジェクター)が設けられており、この穴からオゾンガス処理リアクター21の処理タンク内の処理水に対し、オゾンガス気泡としてオゾンガスを送り込み、処理水(オゾン処理前物質91)とオゾンガス気泡との接触面からオゾンガスを浸透させることにより、処理水に含まれている有機物の酸化分解や殺菌等の、オゾンガスによる水浄化処理を実行している。
そして、水浄化処理された後のオゾン処理水がオゾン処理後物質92として活性炭吸着処理槽23に出力される。オゾン処理後物質92には、細かな分解物質やマンガンなどの重金属酸化金属物質が含まれ、活性炭吸着処理槽23を経て活性炭処理水93となり、砂ろ過槽24を経て完全濾過した砂ろ過処理水94として、一旦、オゾン処理物質・蓄積部22に貯蔵され、必要に応じて完全処理水95として配水され利用される。
したがって、本実施の形態のオゾンガス利用システムは、処理物蓄積部としてオゾン処理物質・蓄積部22を有しているため、必要の際にオゾン処理後物質92を利用できる。
以上のように、水浄化処理に利用されるオゾンガス量は、処理源水90によって異なり、通常の処理水(上水)では2~5mg/L、汚れた排水(下水)では5~10mg/L程度のオゾン(ガスの)注入でオゾン水による水浄化処理が行える。例えば、5mg/Lのオゾン注入であれば、オゾン発生量30g/hのオゾンガスで十分であり、オゾンガスによる水浄化処理量は200m/日で行え、オゾン発生器11の電気容量としては、1kVAで十分であり、従来のオゾン発生器に比べ、1/2~1/3程度の小電気容量のもので、水浄化処理を行うオゾンガス利用システムが構成できる。
また、原料ガスとなる酸素は3~10L/min程度の供給があれば十分であり、比較的小さな酸素PSA装置32と高純度ガス精製器33で、窒素ガスや水分量を除去できれば、非常に小さな装置構成の原料ガス精製装置300で済ますことができる。
さらに、電源供給装置400も、数kVA程度の小容量で、十分に水浄化処理を行うオゾンガス利用システムが構成できるため、再生エネルギー源を用いて電源供給装置400を利用すれば、僻地や離島において、非常にコンパクトで、環境負荷を低減させた水浄化処理を行うオゾンガス利用システムが実現できる。
上述したように、オゾンガス利用システムの第1の変形例は、アプリケーション装置200が実行するオゾン利用処理として、オゾン処理前物質91である処理水に対する水浄化処理を実行している。
このため、第1の変形例は、従来のオゾン発生装置に比べ、1/2~1/3程度の小電気容量のオゾン発生装置100を用いて水浄化処理を行うことができる。
(第2の変形例)
以下、大型客船の水処理やコンテナ船、原油タンカーのバラスト水の水浄化処理用の環境装置となるオゾンガス利用システムを第2の変形例として説明する。
大型客船の水処理やコンテナ船、原油タンカーのバラスト水に関し、各港での船舶で利用する水に混入する水生生物が世界地域の港にばら撒かれ、その地域の環境や生体系の破壊や健康や経済活動に被害を及ぼす状況になってきている。このため、国際海事機関(IMO;International Maritime Organization)において「船舶バラスト水及び沈殿物の制御および管理のための国際条約」が2004年から採択され、2009年から起工される5000m未満のバラストタンクを持つ新造船については、バラスト水の水浄化処理設備の義務付けされ、5000m以上の新造船については、2012年からバラスト水の水浄化処理設備が義務付けられるようになった。また大型客船についても、同等の水浄化処理設備が求められている。
図10は、オゾン発生装置100を用いたオゾンガス利用システムの第2の変形例の構成を示す説明図である。第2の変形例はコンテナ船、原油タンカー等の船舶5内にオゾンガス利用システムを構築している。以下、図10を参照して、図1~図8で示した実施の形態の基本構成と同様な構成部の説明を適宜省略しつつ第2の変形例について説明する。
図10において、海水が処理源水90としてバラスト水取入口25から操作バルブ27aを介して供給され、さらに、バラスト水用ポンプ28で薬品混和槽20aを介して操作バルブ27dからオゾン処理物質・蓄積部であるバラストタンク22Bに注入される。
しかる後、バラストタンク22Bに注入されたバラスト水を再度、操作バルブ27bからバラスト水用ポンプ28に取り込む。その後、操作バルブ27bを閉状態、操作バルブ27cを開状態にして、薬品混和槽20aから凝集沈殿槽(フィルタ)20bを通して、オゾン処理前物質(処理水)91として操作バルブ27eからオゾンガス処理リアクター21に注入される。そして、オゾン処理前物質91に対し水浄化処理を施して得られるオゾン処理後物質92がオゾンガス処理リアクター21の上部から操作バルブ27fを介してバラストタンク22Bに戻される。このように、オゾンガス利用システムの第2の変形例では、バラストタンク22Bに蓄積されるバラスト水を循環させながら水浄化処理を行っている。
オゾンガス処理リアクター21の下部には、オゾンガスを供給するオゾンガス供給空間が設けられ、オゾンガス供給空間には微細な穴(エジェクター)が設けられており、この穴から、オゾンガス処理リアクター21の処理タンク内の処理水に対し、オゾンガス気泡としてオゾンガスを送り込み、処理水とオゾンガス気泡の接触面からオゾンガスを浸透させることにより、処理水に含まれている有機物の酸化分解や殺菌等の処理を施してオゾンガスによる水浄化処理を行っている。
比較的小さな構成の酸素PSA装置32と高純度ガス精製器33とにより、窒素ガスや水分量を除去した高純度酸素ガス61が原料ガスとしてオゾン発生装置100に供給される。
オゾン発生装置100の放電面を特定の光触媒としたオゾン発生器にすることで、高純度酸素ガス61から、NOxガスをほとんど含まないオゾンガス62を発生させることが出来、このオゾンガス62がオゾンガス処理リアクター21の下部のオゾン空間に供給されることでオゾンガスを用いた水浄化処理が可能となる。なお、バラスト水排水口26はバラストタンク22Bに蓄積されたバラスト水を船舶5の外部に配水するための排水口である。
以上のように、コンテナ船、原油タンカー等の船舶5においてバラストタンク22Bに蓄積されるバラスト水のオゾン水浄化処理として、第2の変形例のオゾンガス利用システムを実現している。
このように、オゾン発生装置100の放電面を特定の光触媒としたオゾン発生器を有する第2の変形例のオゾンガス利用システムは、オゾン発生器に供給する原料ガスは、窒素ガスを含まない高純度酸素ガスを用いたNOxガスをほとんど含まないオゾンガス62を採用して、バラストタンク22Bに蓄積されるバラスト水のオゾン水浄化処理を実行することにより、環境負荷の小さいオゾン水浄化処理が実現するとともに、船舶5内に搭載可能なレベルにシステム構成を小型化することができる。
また、第2の変形例では、コンテナ船、原油タンカー等の船舶5におけるバラスト水の水浄化処理を示したが、大型客船内の上水や下水のオゾン処理においても、オゾン発生装置100の放電面を特定の光触媒としたオゾン発生器採用してオゾンガス利用システムを構築することにより、NOxガスをほとんど含まないオゾンガス62で、環境負荷の小さいオゾン水浄化処理を実現できる効果を奏する。
さらに、各港に、第2の変形例のオゾンガス利用システムを搭載した専用の水処理船を配備して、コンテナ船、原油タンカーのバラスト水のオゾン水浄化処理を専用の水処理船によって実行させるようにすれば、より短時間で処理した水をコンテナ船、原油タンカーに供給できることも可能になる。
上述したように、オゾンガス利用システムの第2の変形例は、アプリケーション装置200が実行するオゾン利用処理として、オゾン処理前物質91である処理水に対するオゾン水浄化処理を実行し、そのシステムを船舶5内に構築している。
このため、第2の変形例は、従来のオゾン発生装置に比べ、1/2~1/3程度の小電気容量のオゾン発生装置100を用いて船舶5内でオゾン水浄化処理を行うことができる。
さらに、第2の変形例は、オゾン処理後物質92を蓄積する処理物蓄積部としてバラストタンク22Bを有しているため、必要の際にオゾン処理後物質92を利用できる。
加えて、第2の変形例では、バラストタンク22B内のバラスト水を循環させながら、繰り返しオゾンガス処理リアクター21にて水浄化処理を実行させることができるため、バラスト水を安定性良く一定の浄化レベルに保つことができる。
(第3の変形例)
高純度酸素ガスを精製する原料ガス精製装置300に加え、再生エネルギー発電装置である電源供給装置400と放電面を特定の光触媒としたオゾン発生器を採用したオゾン発生装置100とをさらに組合せて、NOxレスオゾンガスを利用した水浄化処理を実行するオゾンガス利用システムを実現することにより、小規模な海水の殺菌や赤潮処理や大気ガスの殺菌が非常に小さな規模で実現できる。このオゾンガス利用システムは、環境負荷の小さいNOxレスのオゾンガスを利用しているため、各地域で利用でき、環境改善に役立つ効果は大きい。
このように、オゾンガス利用システムの第3の変形例は、海水あるいは大気ガスをオゾン処理前物質91とした殺菌処理を、アプリケーション装置200のオゾン利用処理として実行させることにより、海水の殺菌や大気ガスの殺菌を、比較的コンパクトなオゾン発生装置100を用いて実現することができる。
(その他)
水浄化処理等をオゾン利用処理として実行する従来のアプリケーション装置は、装置規模が大きいため、オゾンガスを発生させる装置の電気供給量やオゾンガスを発生させるための電源が非常に大きい。しかも、従来のオゾン発生器は、原料ガスとして、空気源もしくは、酸素に1%(10000ppm)の窒素ガスを含んだものを放電によってオゾンガスを発生させていたため、NOxも生成され、発生したオゾンガスに有害なNOx含まれていた。
このため、環境負荷であるNOxガスを低減させ、しかも、電気供給量やオゾンガスを発生させるための供給電源規模が小さい設備とし、小電力で、NOxガス等の有害な不純物ガスを低減させたオゾンガスを有効に発生させ、そのオゾンガスを利用した小規模な水浄化処理を行うアプリケーション装置を有するオゾンガス利用システムを実現することができなかった。
そこで、本実施の形態のオゾンガス利用システムは、オゾン発生技術として、原料ガスとして、窒素ガスの含有量を0.1%未満にした窒素レスの酸素ガスを原料ガスとして高濃度なオゾンガスを発生させる窒素レスオゾン発生技術を採用した放電面を特定の光触媒としたオゾン発生器を採用したオゾン発生装置100で、オゾン発生器用の電源技術としてインバータ技術を利用した高周波オゾン電源を採用することにより、小型なオゾン発生器としたオゾン発生装置100を用いて構築している。
さらに、本実施の形態のオゾンガス利用システムの電源供給装置400は、太陽光、風力、地熱、水力、波力、バイオ発電による小規模な電力供給源を利用し、かつ、放電面を特定の光触媒としたオゾン発生器を採用したオゾン発生装置100にすることで、環境負荷であるNOxガスを低減させたオゾンガスを利用した小規模なシステム(環境装置)が実現できる。その結果、本実施の形態のオゾンガス利用システムは、僻地や離島や隔離された大型客船やタンカー船等においても、さまざまな環境を改善できるオゾンを利用した小規模な環境処理が行える。
本実施の形態のオゾンガス利用システムは構成要素であるオゾン発生装置100として以下の工夫を施している。オゾン発生器11用の昇圧高周波電圧72の周波数を10kHz以上に高周波化する。さらに、負荷共振型高周波昇圧トランス13において、コアを冷却するトランス冷却空洞136を介してトランスコア131の周りをアルミ板等の導電体・磁気シールドカバー135で囲い、トランス本体の漏れ磁束による発熱防止して共振周波数附近の固定周波数で所定電力を投入できるようにしている。
また、オゾンガスを利用した水浄化処理を含むオゾン利用処理として実行する従来のアプリケーション装置の規模が大きかったものを、オゾン発生装置100を小型化するに伴い小規模な装置仕様に見直し、原料ガス供給源も小規模な原料ガス精製装置300とし、電気供給源は再生エネルギー電源を利用した小規模容量の電源供給装置400としている。
このように、本実施の形態のオゾンガス利用システムは、オゾン発生技術及び電源技術として、小型化技術と窒素レスオゾン発生技術とを採用したオゾン発生器と、さらに、太陽光、風力、地熱、水力、波力、バイオ発電による小規模な電力供給源を利用する電源供給装置400を採用と、負荷共振型高周波昇圧トランス13を搭載した高周波インバータ電源することにより、NOxガスを少なくした環境負荷の小さいオゾンガス利用システムを構築することができる。
その結果、本実施の形態のオゾンガス利用システムは、第1の変形例のように僻地や離島における水浄化処理や、第2の変形例のようにタンカー船などのバラスト水の水浄化処理を行うシステムとして利用することができるため、小規模な地域環境の環境改善処理装置として有望である。
さらに、小型化されたオゾン発生装置とオゾン利用処理を行う小規模なアプリケーション装置200を有するオゾンガス利用システムを実現することで災害時にも容易に使える効果もある。
この発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
11 オゾン発生器
12 コンバータ/インバータ部
13 負荷共振型高周波昇圧トランス
21 オゾンガス処理リアクター
22 オゾン処理物質・蓄積部
22B バラストタンク
32 酸素PSA装置
33 高純度ガス精製器
40a 再生エネルギー発電セル部
41 太陽電池モジュールアレイ
100 オゾン発生装置
131 トランスコア
132 トランスモールドコイル
133 トランスギャップスペーサ
134 トランス抑え板
135 導電体・磁気シールドカバー
200 アプリケーション装置
300 原料ガス精製装置
400 電源供給装置
500 排オゾン分解装置

Claims (14)

  1. 酸素ガスを含む原料ガスを供給する原料ガス供給装置(300)と、
    前記原料ガスからオゾンガスを生成するオゾン発生装置(100)と、
    前記オゾンガスを利用して、オゾン処理前物質(91)からオゾン処理後物質(92)を得るオゾン利用処理を実行するアプリケーション装置(200)とを備え、
    前記オゾン発生装置は、
    供給高周波電圧を生成するインバータ電源(120)と、
    前記供給高周波電圧を昇圧して昇圧高周波電圧を得る共振型トランス部(13)と、
    前記共振型トランス部より受ける前記昇圧高周波電圧を動作電圧として受け、前記原料ガスから、200g/m以上のオゾン濃度の前記オゾンガスを生成するオゾン発生器(11)とを含み、
    前記共振型トランス部は、前記オゾン発生器の負荷容量と負荷共振型高周波昇圧トランス自身の励磁インダクタンスとを共振させるように設けられた負荷共振型高周波昇圧トランスであり、
    前記アプリケーション装置は、
    0.2MPa以上の圧力環境下で、200g/m以上のオゾン濃度の前記オゾンガスを受け
    前記インバータ電源は、10kHz以上の高周波な前記供給高周波電圧を生成し、
    前記共振型トランス部は、
    前記供給高周波電圧を昇圧して前記昇圧高周波電圧を得るトランス本体(131~133)を備え、
    前記トランス本体は一対のトランスコア、トランスモールドコイル及びトランスギャップスペーサを含み、前記トランスギャップスペーサは前記一対のトランスコア間に介挿され、
    前記共振型トランス部は、
    前記トランス本体との間に冷却空間を確保し、かつ、前記トランス本体の磁束漏れが外部に影響を与えないように、前記トランスギャップスペーサの上方及び下方に設けて前記トランス本体を覆うアルミ製のカバー部材(135)をさらに備える、
    オゾンガス利用システム。
  2. 請求項1記載のオゾンガス利用システムであって、
    前記オゾン発生装置用の動作電源を供給する電源供給装置(400)をさらに備え、
    前記電源供給装置は、
    再生可能エネルギー源を利用して前記動作電源を供給する、
    オゾンガス利用システム。
  3. 請求項1記載のオゾンガス利用システムであって、
    前記原料ガス供給装置は、
    空気中あるいは水から酸素ガスを取り出す酸素抽出装置(32)を含む、
    オゾンガス利用システム。
  4. 請求項1記載のオゾンガス利用システムであって、
    前記アプリケーション装置が実行する前記オゾン利用処理は、
    前記オゾン処理前物質である水に対する水浄化処理を含む、
    オゾンガス利用システム。
  5. 請求項記載のオゾンガス利用システムであって、
    前記オゾン処理前物質は、船舶(5)で利用される水を含む、
    オゾンガス利用システム。
  6. 請求項1記載のオゾンガス利用システムであって、
    前記アプリケーション装置は、
    前記オゾン処理後物質を蓄積する処理物蓄積部(22)を有することを特徴とする、
    オゾンガス利用システム。
  7. 請求項1記載のオゾンガス利用システムであって、
    前記アプリケーション装置が実行する前記オゾン利用処理は、
    海水あるいは大気ガスを前記オゾン処理前物質とした殺菌処理を含む、
    オゾンガス利用システム。
  8. 酸素ガスを含む原料ガスを供給する原料ガス供給装置(300)と、
    前記原料ガスからオゾンガスを生成するオゾン発生装置(100)と、
    前記オゾンガスを利用して、オゾン処理前物質(91)からオゾン処理後物質(92)を得るオゾン利用処理を実行するアプリケーション装置(200)とを備え、
    前記オゾン発生装置は、
    供給高周波電圧を生成するインバータ電源(120)と、
    前記供給高周波電圧を昇圧して昇圧高周波電圧を得る共振型トランス部(13)と、
    前記共振型トランス部より受ける前記昇圧高周波電圧を動作電圧として受け、前記原料ガスから、200g/m以上のオゾン濃度の前記オゾンガスを生成するオゾン発生器(11)とを含み、
    前記共振型トランス部は、前記オゾン発生器の負荷容量と負荷共振型高周波昇圧トランス自身の励磁インダクタンスとを共振させるように設けられた負荷共振型高周波昇圧トランスであり、
    前記原料ガス供給装置は、窒素ガスの含有量が0.1%未満の酸素ガスを前記原料ガスとして供給し、前記オゾン発生器は光触媒材料を放電面とし、
    前記アプリケーション装置は、
    0.2MPa以上の圧力環境下で、200g/m以上のオゾン濃度の前記オゾンガスを受け
    前記インバータ電源は、10kHz以上の高周波な前記供給高周波電圧を生成し、
    前記共振型トランス部は、
    前記供給高周波電圧を昇圧して前記昇圧高周波電圧を得るトランス本体(131~133)を備え、
    前記トランス本体は一対のトランスコア、トランスモールドコイル及びトランスギャップスペーサを含み、前記トランスギャップスペーサは前記一対のトランスコア間に介挿され、
    前記共振型トランス部は、
    前記トランス本体との間に冷却空間を確保し、かつ、前記トランス本体の磁束漏れが外部に影響を与えないように、前記トランスギャップスペーサの上方及び下方に設けて前記トランス本体を覆うアルミ製のカバー部材(135)をさらに備える、
    オゾンガス利用システム。
  9. 請求項記載のオゾンガス利用システムであって、
    前記オゾン発生装置用の動作電源を供給する電源供給装置(400)をさらに備え、
    前記電源供給装置は、
    再生可能エネルギー源を利用して前記動作電源を供給する、
    オゾンガス利用システム。
  10. 請求項記載のオゾンガス利用システムであって、
    前記原料ガス供給装置は、
    空気中あるいは水から酸素ガスを取り出す酸素抽出装置(32)と、
    前記酸素抽出装置から得た酸素ガスから高純度な酸素ガスを前記原料ガスとして生成する酸素ガス精製機(33)とを含む、
    オゾンガス利用システム。
  11. 請求項記載のオゾンガス利用システムであって、
    前記アプリケーション装置が実行する前記オゾン利用処理は、
    前記オゾン処理前物質である水に対する水浄化処理を含む、
    オゾンガス利用システム。
  12. 請求項11記載のオゾンガス利用システムであって、
    前記オゾン処理前物質は、船舶(5)で利用される水を含む、
    オゾンガス利用システム。
  13. 請求項記載のオゾンガス利用システムであって、
    前記アプリケーション装置は、
    前記オゾン処理後物質を蓄積する処理物蓄積部(22)を有することを特徴とする、
    オゾンガス利用システム。
  14. 請求項記載のオゾンガス利用システムであって、
    前記アプリケーション装置が実行する前記オゾン利用処理は、
    海水あるいは大気ガスを前記オゾン処理前物質とした殺菌処理を含む、
    オゾンガス利用システム。
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