JP7162846B2 - 小型圃園管理機 - Google Patents
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Description
このため耕土が予め耕耘されているなど条件が良い場合には、耕土の再掘り返し等も円滑にできるものの、耕土が固く締っていたり、玉石等が混じっているような状態では、耕耘等は円滑にできない。
即ちこのような小型圃園管理機では耕土が固い場合には、耕耘ロータが耕土の中に入らず、反対に機体が跳ね上げられてしまい一向に耕耘作用を行えない状態となってしまっている。もちろんいわゆる本格的な耕耘機であればこのような耕耘不能な状態は、生じないが、いわゆる家庭菜園規模の趣味の域では、このような本格的な耕耘機の導入は考慮し得ない。
この先行特許出願に係る技術思想は、耕耘時に効果的に耕耘ロータを作動させるべく、耕耘機本体ユニットと、操作ハンドルとの間に、弾発ユニットを付加したものである。
ところで本発明者は、この先行技術思想を基礎としながらも、それに留まることなく、鋭意研究を継続している。その結果、当該先行技術にあっては、悪条件の圃場であっても、深掘りの作用に関しては満足できる一方、それに続く前進しながらの耕耘作業への移行に円滑さを欠く挙動を呈することを見出した。
両者は対となった常設ピンと抜差ピンとにより、固定された定常使用状態を維持すると共に、抜差ピンを外すことにより、ハンドルバー本体を本体ユニット後方に倒して格納状態を得るようにしたことを特徴として成るものである。
このハンドル設定片は、抜差ピンにおいて回動自在に取り付けられ、その自由端を前傾させて定常状態とすると共に、後傾させて下方に向け、後傾したハンドルブラケットの抜差ピン孔とハンドル設定片の自由端の格納ピン孔とを合致させて、ピン接続することにより、ハンドルバー本体の格納状態を維持するようにしたことを特徴として成るものである。
これにより、圃場の深掘りと、前進とを程よく調和させ、円滑な耕耘を達成し、併せ弾発ユニットの作用により操作ハンドルを握る作業者には過度な振動が伝わらず、良好な作業環境が得られる。
まず本発明の小型圃園管理機Tについて述べると、このものは図1に示すように、主として圃園の耕土を耕耘する耕耘機として用いられるが、圃園での栽培収穫作業等にも用いられることから、その名称を小型圃園管理機Tとしたものである。具体的には、根菜類の掘り起こし収穫作業、栽培管理のための施肥混合作業等が挙げられる。
この小型圃園管理機Tは、駆動原動機1と、ミッション機構2とを具えて成る駆動ユニットDと、この駆動ユニットDにより回転駆動される耕耘ロータ3とを含んで本体ユニットBが構成され、この本体ユニットBに対しては、操作ハンドル5が後方に伸びるように設けられ、更に耕耘ロータ3の後方には、下方に伸びる抵抗棒4が設けられ、これを基本的な構成とする。
なお本実施例では、駆動原動機1の上面周囲から前面にかけての部位に、安全を考慮したエンジンカウル12を設ける。
また駆動原動機1としては、必ずも内燃機関に限られず、電動モータ等も適用できる。電動モータの場合、この駆動エネルギーソースとしては、一般にはバッテリーが適するが、作業場所等の条件が良ければ電源コードを引いて商業電源から給電したり、圃場近傍に設置した発電機から給電をする手法がとり得る。
ここでフレームFについて説明する。図4に示すようにフレームFは、駆動原動機1自体とミッション機構2のケーシングとを強度メンバーとして、それに付加されるサブフレーム状のものであって、まず一例として駆動原動機1下面から前方に伸びる前部サポート21を具え、これと一体にその前方にガード支持部22を延長形成している。
このガード支持部22には、小型圃園管理機Tの持ち運び等の便や、前倒させた場合のスタンド様作用(図9参照)をさせるため握り枠23を水平に形成する。なお側面視で握り枠23からは駆動原動機1に向けて支持ブレース22Aを形成している。
そしてクロスロッド61の保持姿勢を確保するために、その上方部位にトルク止め孔28Aを具える。なおこの後部サポート24の後端における左右二枚に分かれた部位を連結し、強度確保をするためにブレースボルト29を設ける。
なおこの実施例では、回転軸31の最外端に耕耘された耕土Sの横方向への拡散規制やマルチングシートの押さえ等に用いるガイドディスク34を具える。
そして、これら駆動原動機1とミッション機構2とを具えた駆動ユニットDと、耕耘ロータ3との全体を本体ユニットBとするものである。
なおこの抵抗棒4における菊座セレーション42は、前記後部サポート24に形成される菊座セレーション27Bと係合して、一定の設定角度を得る。
このような設定のためのクランプ機構は、前記クランプピン45とネジ嵌めされるクランプナット46とにより、構成されるものであり、クランプナット46には一例として工具なしでの操作を可能とするクランプノブ46Aが具えられる。
まず操作ハンドル5は、本体ユニットBに対しては固定取り付けされず、後述する加重アシスト機構6におけるクロスロッド61の上端をハンドルピボットとして回動自在に、いわば浮動状態に取り付けられている。操作ハンドル5は全体として格納に備えたハンドル折畳機構50を構成するために、ハンドルバー本体51と、ハンドルブラケット52とを具える。まずハンドルバー本体51は一例として双角状のものであり、常法に従い、クラッチ操作やスロットル操作のための操作レバー51L、握り緩衝のためのハンドルグリップ51G、更にハンドルバー本体51の剛性向上のためのハンドルブレース51Bを具える。
このハンドルバー本体51は、その基部をハンドルブラケット52により保持されるものであるが、ハンドルブラケット52自体、ハンドル折畳機構50を構成するために、ピボットブラケット53と、可倒ブラケット54との二部材を具える。
一方、これと可倒自在に接続される可倒ブラケット54は、側面視三又状乃至は横V字状とも表現できるような形状の板状部材を左右一対組み合わせたものであり、後方にハンドルクランプキャップ54Cを具え、前方側に二又状に張り出すように接続部54Jを設ける。この接続部54Jには、前記ピボットブラケット53に対応して常設ピン孔h1、抜差ピン孔h2を具える。
まず既に一部述べたように前記フレームFにおける後部サポート24の後端から前傾状態で上方に伸びるようにクロスロッド61が設けられる。このクロスロッド61は、必要な剛性を具えた左右一対のロッドメンバーを具えた接続リンク要素と表現できる部材であり、その基端であるクロスロッド下部ピボット62は、その中心の共用軸受孔27の部位で実質的に構成される。
なおクロスロッド61は更にクロスロッド下部ピボット62よりやや上方の部位にトルク止めピン孔61Bを設ける。このトルク止めピン孔61Bは、前述のフレームFにおけるトルク止め孔28Aと合致させてここにトルク止めピン61Pが挿入され、クロスロッド61の幾分かの傾倒を許容しながら前傾姿勢を維持するように構成されている。
この弾発ユニット65は、弾発ユニット下部ピボット66が図5A、図6(a)、図7(a)に示すように、前記フレームFにおける後部サポート24に形成された弾発ユニット受孔26に合致させた状態で、ここに下部ピボットピン66Pを挿通させて両者を組み合わせる。
一方、弾発ユニット65の上端部である弾発ユニット上部ピボット67は、操作ハンドル5におけるハンドルブラケット52の常設ピン孔h1に合致させてここに常設ピンP1を挿入することにより、操作ハンドル5に接続される。
そして弾発ユニット下部ピボット66は、クロスロッド下部ピボット62より前方にあり、一方、弾発ユニット上部ピボット67は、ハンドルピボット孔53hより後方であることから、クロスロッド61と弾発ユニット65とが、側面視X状に配設される。
もちろんこのような配設形態が得られる範囲で弾発ユニット65の上下の弾発ユニット上部ピボット67、弾発ユニット下部ピボット66は、この位置に限定されるものではない。
(1)始発状態
定常作業たる耕耘作業ができる状態を始発状態とするものであって、図1~3に示すように操作ハンドル5が後部上方に伸びるように設定され、また作業者の経験等に基づき、望ましい角度に抵抗棒4が設定された状態である。
即ち操作ハンドル5に関しては、ハンドルブラケット52を構成するピボットブラケット53と、可倒ブラケット54とが、抜差ピンP2を両者の抜差ピン孔h2を合致させた状態で差し込まれ、両者の固定関係を維持している。
一方、抵抗棒4に関しては、クランプノブ46Aを締め込むことにより、抵抗棒4における菊座セレーション42と、後部サポート24における菊座セレーション27Bとが、噛み合った状態で締め込まれ、抵抗棒4が一定角度に設定される。
そして駆動源たる駆動ユニットDの一例であるエンジン等を起動する。
このような始発状態から、クラッチレバー等の操作により、小型圃園管理機Tを圃場内に進入させ、耕耘作業を開始する。通常は操作レバー51Lの一つであるクラッチレバーを握り、駆動ユニットDの動力を耕耘ロータ3に伝達すると共に、必要な出力を得るべく操作レバー51Lの一つであるスロットルレバーを操作してエンジン回転を適切なものとする。
そして作業者は、操作ハンドル5を前方に押しながら、下方にも押し付けるように作業を行う。
ここで本発明の加重アシスト機構6による耕耘作用について説明する。小型圃園管理機Tの耕耘作用は、その自重や作業者の操作スキル等で種々異なり、また必ずしも作動原理が解明されたものではないが、主としてクロスロッド61と弾発ユニット65との作用により、円滑な耕耘が可能となっている。
即ち図8A、図8Bは耕耘ロータ3が充分に耕土に作用する状態を示すものであるが、象徴的に示したベクトルの図に基づいて説明する。
まず小型圃園管理機Tは抵抗棒4が耕土中に潜っていることから、ここを見かけ上の支点R1とする。このとき作業者Mが操作ハンドル5を押し付けている力の下方へのベクトルをV1とし、一方、本体ユニットBの重量を主とする小型圃園管理機Tの重量をWとする。
これを弾発ユニット下部ピボット66で観察すると、ベクトルV2からの力のベクトルV3は、鉛直成分ベクトルV3Aと、水平成分ベクトルV3Bとの和であり、また前記ベクトルV2+スプリング反力Vs との和となる。
これを耕耘ロータ3の回転軸31の位置に平行移動してみると、ここにおけるベクトルV3と平行のベクトルV4は、更に小型圃園管理機Tの重量Wが加わったものとなる。即ちベクトルV4は、鉛直成分ベクトルV4Aと、水平成分ベクトルV4Bとに分けられるが、鉛直成分ベクトルV4Aは前記鉛直成分ベクトルV3Aに小型圃園管理機Tの重量Wを加えた値となり、これが耕耘時の耕耘ロータ3の地面への押付け力となる。一方、水平成分ベクトルV4Bで表される力は、前方への推力となる。
更に本発明では、弾発ユニット65によるベクトルV3は、その前進方向成分としての分力をベクトルV3Bで示すように具えており、これが装置を前進させる作用となっている。勿論作業者M自身が通常は小型圃園管理機Tを前進するように操作していることから、この操作も前進に寄与していることは云うまでもない。
前述のような作業を終了後、図9、図10に示すように車輌による運搬や倉庫でのコンパクトな収納に備え、操作ハンドル5を下方に折り畳むことができる。
この操作は図6に示すように、ハンドルブラケット52における抜差ピンP2を抜くことによって行う。抜差ピンP2を適宜のβクリップピン等を抜いて抜差しできるようにして抜き取ると、ピボットブラケット53と可倒ブラケット54とは、常設ピンP1の位置のみで回動自在に接続されている状態となる。これにより、ハンドルバー本体51は可倒ブラケット54を伴った状態で後方、下方に折り畳むように格納される。そしてその後、この格納状態を維持できるようにハンドル設定片55を起こすようにして後方下方に回動させ、その自由端側の格納ピン孔57と、ハンドルバー本体51側の可倒ブラケット54の抜差ピン孔h2とを合致させ、抜差ピンP2を貫通させてハンドル設定片55の自由端と可倒ブラケット54との固定を図る。
因みにこのような格納状態が得られることから、例えば家庭菜園レベルでのユーザーが日常使用する乗用車等を利用して小型圃園管理機Tを搬送することが可能である。
なお格納状態とした際に移動の便を図るため、抵抗棒4の先端に、別途用意する補助輪7を取り付けることができる。
本発明は以上述べた構成を基本態様とするが、当然ながら各部材、例えばクロスロッド61、弾発ユニット65、後部サポート24等の組付位置を調整自在としたり、弾発ユニット65の弾発力を調整自在とする等の構成を採ることができる。
S 耕土
M 作業者
D 駆動ユニット
B 本体ユニット
F フレーム
Fg グリップ
h1 常設ピン孔
h2 抜差ピン孔
P1 常設ピン
P2 抜差ピン
1 駆動原動機
11 燃料タンク
12 エンジンカウル
2 ミッション機構
21 前部サポート
22 ガード支持部
22A 支持ブレース
23 握り枠
24 後部サポート
25 ケーブルガイド
26 弾発ユニット受孔
27 共用軸受孔
27A スリーブ状リング
27B 菊座セレーション
28A トルク止め孔
29 ブレースボルト
3 耕耘ロータ
31 回転軸
32 ロータブレード
33 ロータガード
34 ガイドディスク
4 抵抗棒
40 本体部
41 上部固定部
42 菊座セレーション
44 クランプ受け孔
45 クランプピン
46 クランプナット
46A クランプノブ
5 操作ハンドル
50 ハンドル折畳機構
51 ハンドルバー本体
51L 操作レバー(クラッチ スロットル)
51B ハンドルブレース
51G ハンドルグリップ
52 ハンドルブラケット
53 ピボットブラケット
53h ハンドルピボット孔(ハンドルピボットを構成する)
53J 接続部
54 可倒ブラケット
54C ハンドルクランプキャップ
54J 接続部
55 ハンドル設定片
56 設定片ピボット孔
57 格納ピン孔
58 スリーブ
6 加重アシスト機構
61 クロスロッド
61B トルク止めピン孔
61P トルク止めピン
62 クロスロッド下部ピボット
64 クロスロッド上部ピボット(ハンドルピボットを構成する)
64A ピン孔
64B ピボットピン
65 弾発ユニット
66 弾発ユニット下部ピボット
66P 下部ピボットピン
67 弾発ユニット上部ピボット
7 補助輪
Claims (5)
- 駆動原動機と、ミッション機構とを具えた駆動ユニットと、この駆動ユニットにより回転駆動される耕耘ロータとを含んで本体ユニットが構成されると共に、
この本体ユニットに対しては、後方に伸びるように操作ハンドルが設けられると共に、後方下方に伸びる抵抗棒が設けられている小型圃園管理機であって、
前記操作ハンドルの操作力は、加重アシスト機構を介して、耕耘作用として伝達されるものであり、
この加重アシスト機構は、前記本体ユニット後方に伸びる後部サポートの後方から、前傾状態に上方に伸びるクロスロッドと、これと交差的に設けられる弾発ユニットとを具え、
前記操作ハンドルは、その前側のハンドルピボットをクロスロッド上部に設け、
一方、前記弾発ユニットは、その上部ピボットをハンドルピボット後方における操作ハンドルに設けると共に、下部ピボットをクロスロッド下部ピボットより前方に設けて弾発ユニットを後傾状態に配設した構成であることを特徴とする小型圃園管理機。
- 前記弾発ユニットは、バネの初期荷重を調整自在としたことを特徴とする請求項1記載の小型圃園管理機。
- 前記抵抗棒は、その設定角度を変更自在としたことを特徴とする請求項1または2記載の小型圃園管理機。
- 前記操作ハンドルは、ハンドル折畳機構を具え、このハンドル折畳機構は、ハンドル基部のハンドルブラケットがハンドルを直接支持する可倒ブラケットと、クロスロッドに接続されるピボットブラケットとにより構成されるものであり、
両者は対となった常設ピンと抜差ピンとにより、固定された定常使用状態を維持すると共に、抜差ピンを外すことにより、ハンドルバー本体を本体ユニット後方に倒して格納状態を得るようにしたことを特徴とする請求項1、2または3記載の小型圃園管理機。
- 前記ハンドル折畳機構は、ハンドルバー本体を定常状態と格納状態とに維持するためのハンドル設定片を設けるものであり、
このハンドル設定片は、抜差ピンにおいて回動自在に取り付けられ、その自由端を前傾させて定常状態とすると共に、後傾させて下方に向け、後傾したハンドルブラケットの抜差ピン孔とハンドル設定片の自由端の格納ピン孔とを合致させて、ピン接続することにより、ハンドルバー本体の格納状態を維持するようにしたことを特徴とする請求項4記載の小型圃園管理機。
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