(第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態に係る収納ボックス1について図面を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る収納ボックス1を備えるキッチンキャビネット100の一例を示す斜視図である。図2は、本実施形態に係る収納ボックス1がキッチンキャビネット100の引き出し102の前板103に取り付けられた状態を示す斜視図である。図1及び図2には、後述する第二実施形態に係る収納ボックス1Aも併せて図示している。
本発明に係る収納ボックス1は、台所や洗面所で使用されるキャビネットの収納部に取り付けて使用される。本実施形態では、キッチンキャビネット(キャビネット)100に収納ボックス1を設ける例を示す。キッチンキャビネット100は、支持体となるキャビネット本体101と、キャビネット本体101上に設けられた天板104及びシンク105と、キャビネット本体101の側面に設けられた抽斗(収納部)102とを備える。キッチンキャビネット100には、この他、不図示の水栓や加熱器具が適宜設けられる。
以下の説明において、キッチンキャビネット100を使用する使用者がシンク105と向き合ったときの左右方向を幅方向と称する。キッチンキャビネット100が設置される床面Fに直交する方向を上下方向と適宜称する。また、上記幅方向及び上下方向と直交する方向を奥行方向と称し、使用者側を手前側、反対側を奥側と称する。
キャビネット本体101には、複数のレールを備える公知のレールユニット107が取り付けられている。抽斗102は、レールユニット107を介してキャビネット本体101の側方に出し入れ可能に設けられ、上側から物品を収納可能に構成されている。抽斗102には前板(板材)103が設けられている。
シンク105の下方に設けられた抽斗102内には、前板103の裏面側に、収納ボックス1が取り付けられている。図2に示すように、前板103の裏面には、二本のレール部材(上被係止部、下被係止部)6,7が上下に平行に並んで固定されている。収納ボックス1は、二本のレール部材6,7を介して前板103に着脱可能に取り付けられる。収納ボックス1の取付構造は後述する。
収納ボックス1は、上方に開口し、長尺な各種調理器具等の物品を収納可能な略直方体形状の箱体である。収納ボックス1は、収納部本体2と、底部材3と、取出部5とを備える。
図3は、本実施形態の収納部本体2を示す平面図である。図2及び図3に示すように、収納部本体2は平面視で幅方向に長い形状を有し、幅方向に沿って配置される二つの長辺側面231,232と、長辺側面231,232の端部から交差する方向に延びる二つの短辺側面24,24とを備える。二つの長辺側面231,232のうち、手前側に配置される長辺側面231が抽斗102の前板103と対向するように配置される。
収納部本体2は、上方及び下方に開口した矩形の筒状部材である。図2に示すように、収納部本体2の上部は、手前側の長辺側面231から奥側の長辺側面232に向かって下降するように傾斜した開口部21を有する。手前側の長辺側面231は、奥側の長辺側面232の下端よりも下端位置が低くなるように設けられている(図7参照)。収納部本体2の下部の開口部28には、収納部本体2の4つの側面231,232,24,24の下端部からそれぞれ曲折して開口部28側に延びる開口縁部26が形成されている。2つの長辺側面231,232との境界部近傍の開口縁部26には、上下方向に貫通する係止孔(凹部)27が合計4か所形成されている。
図7は、本実施形態の収納部本体2を示す縦断面図である。図7に示すように、収納部本体2の奥行方向の寸法は、上部の内寸L2uが下部の内寸L2dより大きくなるように長辺側面231,232が僅かに傾斜している。
収納部本体2の短辺側面24,24の各内面22には、上下方向に延びて、内側に突出するガイド部25,25が形成されている。ガイド部25,25は、上下方向に長尺な細い棒状の突起である。各短辺側面24,24のガイド部25,25は、収納部本体2の上部の内寸L2uの中央部(水平方向中央部)M2よりも奥側にオフセットされた位置に形成されている。具体的には、ガイド部25の奥行方向の位置は、奥側の長辺側面232の内面とガイド部25との間の長さL2bが手前側の長辺側面232の内面とガイド部25との間の長さL2fより短くなる位置に設けられている。
図4は、本実施形態の底部材3及び取出部5を示す斜視図である。図5は、本実施形態の底部材3及び取出部5を示す正面図である。図6は、本実施形態に係る収納ボックス1の取付構造を示す縦断面図である。図8は、本実施形態の底部材3及び取出部5を示す側面図である。
図6に示すように、収納部本体2の手前側の長辺側面231の上端部には、外側(手前側)に突出し、下方に延びる上係止部8が形成されている。本実施形態では、上係止部8は、収納部本体2の幅方向に離間して3か所形成されている。
図6に示すように、収納部本体2の手前側の長辺側面231の下端部には、外側(手前側)に突出する下支持部90が形成されている。本実施形態では、下支持部90は、収納部本体2の幅方向の中央部に1か所形成されているが、複数個所に分散配置する構成であってもよい。
底部材3は、収納部本体2と別体で形成され、収納部本体2に着脱可能に取り付けられる部材である。図4から図6に示すように、底部材3は、収納部本体2の底面を構成する底面部4を有する。底面部4は、幅方向に長い板状に形成されており、収納部本体2の下部の開口部28に配置されて収納部本体2の底面を構成する。
図5は、底部材3及び取出部5を手前側から見た図である。手前側の底面部4は、幅方向両側より中央部の高さが低い位置に配置されており段差が形成されている。図4及び図5に示すように、底面部4の奥行方向の両縁端部には、下方に突出する突起部(突部)31が合計4か所形成されている。
底部材3の上面側には、間仕切壁5が上面から上方に向かって立設されている。間仕切壁5は底部材3と一体に形成されており、取出部5の機能を兼ねる。間仕切壁5は、底部材3を収納部本体2に着脱する際の把手として機能する。つまり、使用者が間仕切壁5を把持して上方に引き上げると底部材3も引き上げられるように間仕切壁5が把手として機能する。
間仕切壁5は、底部材3と一体に形成され、幅方向に沿って配置された主壁52と、主壁52に直交して奥行方向に延設される2つの補助壁53とを備える。図8に示すように、主壁52は、底部材3の上部の奥行方向の寸法L5uの中央部M5よりも奥側にオフセットされた位置に形成されている。本実施形態では、底部材3の奥側端部と主壁52との間の長さL5bが底部材3の手前側端部と主壁52との間の長さL5fより短くなる位置に主壁52が配置されている。
主壁52の幅方向の両端部には、幅方向外側に開口し、上下方向に延びるガイド溝(被ガイド部)51,51が形成されている。ガイド溝51,51は、下端部側の開口幅L511と、上端部側の開口幅L512との寸法が異なる。具体的には、下端部側の開口幅L511が上端部側の開口幅L512より大きくなるように、ガイド溝51,51の内面が傾斜して形成されている。上端部側の開口幅L512は、ガイド部25が挿入可能な程度にガイド部25より僅かに広い寸法を有する。図4に示すように、主壁52の下部には、主壁52の厚さ方向に貫通し、幅方向に延びる長孔56が形成されている。
各補助壁53は、縦スリット54と、保持板57と、下端爪55とを備える。縦スリット54は主壁52を挿入可能な開口寸法で上下方向に延びて形成されている。保持板57は、縦スリット54に沿って幅方向に延設された一対の平板部である。下端爪55は、保持板57の下端の縦スリット54の内面に奥行方向に向かって突出して形成されている。
図8に示すように、底部材3の底面部4の奥行方向の寸法L4は、間仕切壁5の上部の奥行方向の寸法L5uより僅かに小さい。底面部4の奥行方向の寸法L4は、収納部本体2の下部の内寸L2dに略等しい。
間仕切壁5では、補助壁53の縦スリット54に主壁52が挿入され、下端爪55,55が長孔56に挿入されて係止されており、主壁52と補助壁53,53とは係合した状態で保持される。そのため、補助壁53が主壁52に係合した状態では、使用者が補助壁53を把持して上方に引き上げる場合も主壁52及び底部材3が引き上げられ、補助壁53も取出部5として機能する。補助壁53を僅かに撓ませて下端爪55,55の長孔56への係止を解除すると、補助壁53,53を主壁52から外すことができる。そのため、底部材3及び取出部5の清掃時には、主壁52と補助壁53,53とを分解して清掃できる。
次に、抽斗102の前板103に対する収納ボックス1の取付構造について図6及び図9を参照して説明する。図9は、本実施形態に係る収納ボックス1の取付構造を示す分解斜視図である。
上述の通り、抽斗102の前板103の裏面には、上レール部材6及び下レール部材7の二本のレール部材が上下に平行に並んで固定されている。図6に示すように、上レール部材6は、固定部61と上フック62とを備える。固定部61は、平板形状であり前板103に固定されている。上フック62は、固定部61から奥側に突出して上方に延びて形成されている。上レール部材6は、固定部61と上フック62とが幅方向に沿って延びる長尺部材である。
下レール部材7は、固定部71と下フック72とを備える。固定部71は、平板形状であり前板103に固定されている。下フック72は、固定部71から奥側に突出して下方に延びて形成されている。下レール部材7は、固定部71と下フック72とが幅方向に沿って延びる長尺部材である。
上レール部材6の上フック62と下レール部材7の下フック72とは、互いに離反する方向に曲折した外フック部を構成する。
収納部本体2は、上レール部材6の上方から上レール部材6側に近付けて、上フック62に上係止部8を引っ掛ける。図6に示すように、収納部本体2の上係止部8が上レール部材6の上フック62に係止され、下支持部90を下レール部材7の下フック72の上部に載置し、下支持部90を固定部71の奥側の面に当接させる。この構成により、収納部本体2は、上レール部材6で上部が係止され、収納部本体2の下部が下レール部材7で支持される。また、下支持部90を下レール部材7の固定部71の奥側の面に当接させているため、収納部本体2の下部の奥行方向へのがたつきを抑えて安定的に係止される。このようにして、収納部本体2は、上レール部材6及び下レール部材7を介して前板103に着脱可能に取り付けられる。
図6に示すように、底部材3及び間仕切壁(取出部)5は、収納部本体2の収納スペースS1内に配置されている。底部材3の底面部4が収納部本体2の下部の開口縁部26に当接して支持され、開口部28を塞ぐように底部材3が収納部本体2に配置され、底面部4の各突起部31が収納部本体2の下部の係止孔27に挿通されて係止される。また、図8に示すガイド溝51内に、図7に示す収納部本体2のガイド部25が挿入されることにより、間仕切壁5が収納部本体2に係止される。この結果、底部材3及び間仕切壁5が収納部本体2に係止される。また、底部材3及び間仕切壁5が収納部本体2内でがたつくことを防ぎ、底部材3及び間仕切壁5が安定した状態で係止される。
底部材3及び間仕切壁5の着脱方法を説明する。使用者は、取出部として機能する間仕切壁5を把持しながら、前板103に係止されている収納部本体2の上方から底部材3を近付け、上部の開口部21に底部材3を挿入する。このとき、底部材3の底面部4の奥行方向の寸法L4(図8参照)は、収納部本体2の上部の内寸L2u(図7参照)より小さい。そのため、底部材3を円滑に収納部本体2内に挿入できる。また、収納部本体2の下部の内寸L2dと底部材3の奥行方向の寸法L4が近似しているため、底部材3が収納部本体2の下部の開口部28に配置されると、底部材3が収納部本体2の下部に安定的に配置される。
また、底部材3を収納部本体2内に挿入する際、間仕切壁5の主壁52の幅方向両端部のガイド溝51をガイド部25の位置に位置合わせし、ガイド溝51の下端部内にガイド部25の上端部が挿入されるように配置する。ガイド部25とガイド溝51とは、それぞれ奥行方向の位置が中央部M2,M5よりもオフセットされた位置であって、底部材3設置時に互いに対向する位置に形成されている。そのため、底部材3を収納部本体2内に挿入する際、挿入する向きを間違えるとガイド部25とガイド溝51との位置がずれて、底部材3の縁部がガイド部25に接触して挿入できない。この結果、底部材3の収納部本体2内への挿入時に、誤って取り付けることを防止できる。
さらに、ガイド溝51は、下端部側の開口幅L511が上端部側の開口幅L512より大きくなるように、ガイド溝51,51の内面が傾斜して形成されている。そのため、底部材3を収納部本体2内に挿入する際、ガイド部25をガイド溝51内に挿入しやすい。加えて、ガイド溝51の上端部側の開口幅L512は、ガイド部25が挿入可能な程度にガイド部25より僅かに広い寸法を有するため、底部材3が収納部本体2の下部の開口部28に配置されるとガイド部25の上部がガイド溝51の上端部とが係止され、主壁52が収納部本体2内でがたつくことがなく保持される。
底部材3が収納部本体2の下部の開口部28に配置されると底面部4の各突起部31が収納部本体2の下部の係止孔27に挿通され、底部材3及び間仕切壁5は、収納部本体2に着脱可能に係止される。
収納ボックス1を清掃する場合等、底部材3を収納部本体2から取り外すときは、使用者が取出部である間仕切壁5を把持して上方に引き上げると、各突起部31が各係止孔27から外れ、簡単に底部材3を収納部本体2から取り外すことができる。この場合も、ガイド溝51の下端部側の開口幅L511が広く形成されているため、円滑に取り外すことができる。同様に、底部材3の底面部4の寸法より収納部本体2の上部の開口寸法の方が大きいため、円滑に取り外すことができる。
このように、収納部本体2と底部材3とを別部材で構成し、底部材3を収納部本体2から容易に取り外すことができる。また、収納部本体2が抽斗102の前板103に取り付けられた状態で、底部材3を取り外すことができる。この結果、底面部4を容易に清掃できる。特に、長尺な物品を収納する従来の収納ボックスの場合、収納スペース内の深さが深いため、底部に手が届き難く清掃し難いが、本発明に係る収納ボックス1は、底部材3を容易に取り外して清掃できる。
本実施形態に係る収納ボックス1によれば、収納部本体2の底面を構成する底面部4を有する底部材3が収納部本体2と別体で形成され、底部材3が収納部本体2に着脱可能に取り付けられるため、収納ボックス1の底面部4が取り外し可能となる。その結果、分解または組み立てが容易な収納ボックス1を提供できる。また、底部材3に一部が固定され、上方に延出して設けられる取出部5を備えるため、使用者は底部材3より上方に延出する取出部5を把持することで、底部材3を収納部本体2に容易に着脱できる。
本実施形態に係る収納ボックス1によれば、底部材3から上方に延出して設けられる取出部5が平板状に形成されて収納スペースS1の間仕切壁5を兼ねるため、底部材3を収納部本体2に取り付けた使用時には、取出部5を収納スペースS1の間仕切壁5として機能させることができる。また、把手として機能する取出部を間仕切壁とは別に設ける場合に比べて収納スペースS1を有効活用することができる。また、収納ボックス1をシンプルな外観とすることができる。
本実施形態に係る収納ボックス1によれば、収納部本体2の内面22に上下方向に延びるガイド部25を取出部5のガイド溝51に挿入することにより、取出部5を収納部本体2に円滑に着脱できる。また、底部材3を収納部本体2に取り付ける際に、ガイド溝51内でガイド部25を相対的にスライドさせることにより、底部材3の収納部本体2に対する位置を容易に位置決めできる。
本実施形態に係る収納ボックス1によれば、ガイド部25及びガイド溝51は、それぞれ奥行方向(水平方向)の位置が中央部M2,M5よりもオフセットされた位置であって、底部材3が収納部本体2に取り付けられた時に互いに対向する位置に形成されているため、底部材3を収納部本体2内に対して誤って取り付けることを防止できる。
本実施形態に係る収納ボックス1によれば、底部材3と収納部本体2とが突起部31と係止孔27とを介して係止されるため、着脱可能な底部材3が収納部本体2に取り付けられた状態が安定して保たれ、底部材3が外れることを防止できる。
本実施形態に係るキッチンキャビネット100によれば、抽斗102の前板103に取り付けられた収納ボックス1の収納部本体2から、間仕切壁5を用いて底部材3を取り外すことができる。したがって、収納ボックス1の分解または組み立てが容易であり、清掃が容易となるキッチンキャビネット100を提供できる。
本実施形態では、間仕切壁5が取出部の機能を兼ねる例を示したが、取出部の構成はこれに限定されない。取出部は、底部材3に一部が固定され、底部材3を収納部本体2から容易に取り出し可能な把手として機能すればよく、他の機能と兼ねる構成は必須ではない。例えば、図10に示す変形例のように、底部材3の底面部4の端部から上方に向かって伸びる棒状の取出部5Bを設ける構成であってもよい。この場合、取出部5Bには、収納部本体2の側壁と対向する面に第一実施形態と同様にガイド溝51を形成し、収納部本体2に設けられた突状のガイド部25と係止される構成を備えると、底部材3を収納部本体2に安定的に配置できる。なお、ガイド溝51とガイド部25とを介して収納部本体2と取出部とを係止させる構成は必須ではない。
取出部は、間仕切壁5に限らず、他の部位の機能を兼ね備える例であってもよい。例えば、収納部本体2の奥側の長辺側面232や短辺側面24等、収納部本体2の一部を底部材3と一体に形成し、取出部として機能するように構成してもよい。例えば、一方の短辺側面24を底部材3と一体に形成した略L字型の部材とし、収納部本体2の上端部の開口縁部に短辺側面24の上部を係止させる構成としてもよい。また、収納部本体2の奥側の長辺側面232と底部材3とを一体に形成した略L字型の部材とし、奥側の長辺側面232を取出部として機能させる場合、底部材3及び長辺側面232を奥側に取り出す対応も考えられる。但し、抽斗102の奥側には他の物品が収納されている場合が多いため、底部材3及び取出部は上方に引き出す構成であると、使用時の利便性が高い。
本実施形態では、間仕切壁5が、主壁52と2つの補助壁53とからなる例を示したが、間仕切壁5の構成はこれに限定されず、底部材3から収納部本体2の上部付近まで立設されて、収納スペースS1内を適宜間仕切可能な構成であればよい。したがって、間仕切壁5は、補助壁を設けず主壁52のみを備える構成や、1枚の補助壁あるいは3枚以上の補助壁を備える構成や、主壁52が奥行方向に延びて立設され、長辺側面231,232にガイド部が形成される構成であってもよい。
本実施形態では、突起部31を底部材3に備え、係止孔27を収納部本体2に備える例を示したが、底部材と収納部本体とのいずれか一方に突起部を設け、他方に係止孔(凹部)を設ける構成であればよい。したがって、収納部本体2の開口縁部26に突起部を設け、底部材3の底面部4に係止孔を設ける構成であってもよい。
本実施形態では、主壁(取出部)52にガイド溝51を設け、収納部本体2の内面22にガイド部25を設ける例を示したが、収納部本体2の内面22にガイド溝を設け、取出部の端部を挿入する構成であってもよい。
本実施形態では、ガイド部25及びガイド溝51が、奥行方向の中央部M2,M5よりも奥側の長辺側面232寄りにオフセットされた位置に配置される例を示したが、手前側の長辺側面231寄りにオフセットされた位置に配置しても同様の効果が得られる。
本実施形態では、上係止部8を上レール部材6の上フック62に係止し、且つ、下支持部90を下レール部材7の下フック72の上部に載置し、下支持部90を固定部71の奥側の面に当接させて収納部本体2の下部を支持する例を示した。しかし、収納部本体2の前板103に対する係止構造はこれに限定されず、収納部本体2が前板103に着脱可能に固定される構造であればよい。例えば、下レール部材7を備えず、上係止部8を上レール部材6の上フック62に係止し、且つ、下支持部90を前板103の裏面に直接当接させる構成であってもよい。
本実施形態では、収納部としての抽斗102の前板103に収納ボックス1を設ける例を示したが、収納部は、これに限定されず収納棚の前扉に収納ボックス1を設けてもよい。
(第二実施形態)
本発明に係る収納ボックスの第二実施形態について図1及び図11から図14を用いて説明する。なお、以下の説明において、上記の第一実施形態と同様の構成には第一実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図11は、本実施形態の収納部本体2Aを示す斜視図である。図12は、本実施形態の底部材3A及び取出部5Aを示す斜視図である。図13は、本実施形態に係る収納ボックス1Aの取付構造を示す分解斜視図である。図14は、本実施形態に係る収納ボックス1Aの取付構造を示す縦断面図である。
図1に示すように、本発明に係る収納ボックス1Aは、第一実施形態における間仕切壁5に代えて、包丁200を収納する包丁収容部5Aを備える。また、図14に示すように、包丁収容部5Aの奥側の収納スペースS1Aには、俎板201を収納するための俎板収容部400が設けられている。
図11に示すように、収納部本体2Aは、第一実施形態と同様に平面視で幅方向に長い形状を有し、幅方向に配置される二つの長辺側面231A,232Aと、長辺側面231A,232Aの端部から交差する方向に延びる二つの短辺側面24A,24Aとを備える。二つの長辺側面231A,232Aのうち、手前側に配置される長辺側面231Aが抽斗102の前板103と対向するように配置される。
収納部本体2Aは、上方及び下方に開口した矩形の筒状部材である。収納部本体2Aの上部は、手前側の長辺側面231Aから奥側の長辺側面232Aに向かって下降するように傾斜した開口部21Aを有する。手前側の長辺側面231Aは、奥側の長辺側面232Aの下端よりも下端位置が低くなるように設けられている。収納部本体2Aの下部の開口部28Aには、収納部本体2Aの4つの側面231A,232A,24A,24Aの下端部に開口縁部26Aが形成されている。2つの長辺側面231A,232Aとの境界部近傍の開口縁部26Aには、上下方向に貫通する係止孔(凹部)27Aが形成されている。
奥側の長辺側面232Aは、奥行方向に開口する2つの開口窓29,29を備える。
収納部本体2Aの手前側の長辺側面231A及び短辺側面24A,24Aの各内面22Aの一部には、補助支持部30が設けられている。補助支持部30は、後述する包丁収容部5Aが当接可能に形成された平板状の厚板部である。長辺側面231Aに位置する補助支持部30の上端部には、上下方向に延びる係止溝301,301が形成されている。係止溝301,301は、幅方向に離間して2か所設けられている。
短辺側面24A,24Aの上部の手前側には幅方向に貫通する係合孔241,241が形成されている。
図14に示すように、収納部本体2Aの手前側の長辺側面231Aの下端部には、外側(手前側)に突出し、上方に延びる下係止部9が形成されている。本実施形態では、下係止部9は、収納部本体2Aの幅方向に離間して複数個所形成されている。幅方向において、下係止部9は上係止部8の幅方向の位置と異なる位置に設けられている。
図12は、本実施形態の底部材3A及び取出部5Aを示す斜視図である。本実施形態では、包丁収容部5Aが取出部の機能を兼ねる例である。図12に示すように、包丁収容部5Aの下部が底部材3Aの底面部4Aに一体に形成されている。包丁収容部5Aは、底部材3Aの奥行方向の中間部よりも手前側に設けられている。
底部材3Aは、手前側と奥側とで底面部4Aの形状が異なる。手前側の底面部4Aは、包丁収容部5Aの下方に位置し、幅方向両側より中央部の高さが低い位置に配置されており段差が形成されている。図12に示すように、底面部4Aの手前側の端部には、下方に突出する突起部31Aが合計3か所形成されている。
図12及び図14に示すように、奥側の底面部4Aは、平板状に形成されており水平方向に対して傾斜する傾斜面41Aが形成されている。傾斜面41Aは、手前側から奥側に向かって下降するように傾斜している。傾斜面41Aには、奥行方向に延びる複数のリブ42Aが形成されている。底面部4Aの奥側の端部には、下方に突出する突起部31Aが合計3か所形成されている(図13参照)。
包丁収容部5Aは、底部材3Aの奥行方向中央部の手前側の上方に立設されている。包丁収容部5Aは、立体形状を有し、包丁収容部本体500と、パン切用ナイフ収納部502と、長物収納部510とを備える。包丁収容部本体500は、複数の包丁の収納部である。パン切用ナイフ収納部502は、パン切用ナイフ等、長尺な包丁を挿入する収納部である。長物収納部510は、上方に開口し、長尺な物品を収納可能な収納部である。
包丁収容部本体500は、包丁収容部5Aの手前側の領域の上部に、包丁収容部5Aの幅方向の略全域にわたって設けられている。包丁収容部本体500の奥側に隣接し、幅方向の一方にパン切用ナイフ収納部502が設けられている。包丁収容部5Aの奥側の領域にはパン切用ナイフ収納部502及び長物収納部510が幅方向に隣接して設けられている。
包丁収容部本体500は、幅方向に長い略直方体形状を有している。包丁収容部本体500は、包丁収容部本体500の上面に設けられる上面板509に上下方向に貫通して開口する複数の包丁挿入口501が形成されている。各包丁挿入口501の縁部上方には、包丁200の柄を支持する柄支持部505が設けられている。各包丁挿入口501の下方には包丁200の刃が収納可能な収納スペースが形成されている。
包丁収容部本体500には包丁ロック機構を備える。包丁ロック機構は、一枚のロック板503と、スライダ504とを備える。ロック板503は、包丁収容部本体500の上面板509の下方に近接配置され、上面板509に沿ってスライド可能に設けられている。スライダ504は、ロック板503の幅方向端部において、上方に向かって突出して形成されている。ロック板503は、上面板509の面積よりも小さく、各包丁挿入口501に対応する位置に、包丁挿入口50の位置及び形状に対応して上下方向に貫通する貫通孔5031が複数形成されている。
包丁収容部本体500の上面板509には、複数の包丁挿入口501の他に開口部5011を備える。開口部5011の下方からスライダ504が挿入され、スライダ504が上方に突出して配置される。スライダ504を開口部5011に沿って幅方向にスライドさせるとロック板503が上面板509に対して幅方向に移動する。ロック板503のスライド移動に伴って、包丁挿入口501の開口幅が全開状態と部分開放状態とに変化する。スライダ504を開口部5011の一方の端部側に配置すると、ロック板503が移動して包丁挿入口501が全開状態となり、包丁200が挿入可能となる。スライダ504を開口部5011の他方の端部側に配置すると、包丁挿入口501が部分開放状態となる。全開状態で包丁200を挿入した後にスライダ504をスライド移動させると、包丁挿入口501では、柄のみが露出し、包丁200の刃はロック板503の下方に位置して覆われる。この状態で包丁200に上方へ引き上げる力が加わっても、刃がロック板503に当接して上方に引き上げられず、包丁200が収納状態で保持される。
このように、包丁収容部5Aに包丁ロック機構を備えると、例えば、子供が抽斗102を開けて包丁収容部5Aに収納されている包丁200の柄を触っても、包丁200が包丁挿入口501から引き出されることを防ぐことができる。
包丁収容部本体500の幅方向両側の側面壁508には、U字型のスリット5081が形成され、スリット5081で囲まれた部分は外力が付与されると撓む弾性片5082となる。弾性片5082の上端部には、係合ボタン507が設けられている。係合ボタン507は、側面壁508から幅方向外側に突出している。
パン切用ナイフ収納部502は、上面に包丁収容部本体500と同様に包丁挿入口501及び柄支持部505aが設けられている。包丁挿入口501の下方は周囲が壁部で囲まれた収納スペースが形成されている。パン切用ナイフ収納部502は、その他の料理用の包丁200よりも長尺な包丁を水平方向に対して傾斜させて収納する。図13及び図14に示すように、パン切用ナイフ収納部502の柄支持部505aは、奥行方向から見ると略三角形状の平板である。柄支持部505aの傾斜部にパン切用ナイフ等、長尺な包丁の柄を当接させて、包丁が斜めに挿入された状態を保持するように構成されている。
長物収納部510は、パン切用ナイフ収納部502と連設され、上面に開口が形成されて、上下方向に長い収納スペースS510が形成されている。
収納ボックス1Aの取付構造について図13及び図14を参照して説明する。第一実施形態と同様に、抽斗102の前板103の裏面に上レール部材6及び下レール部材7が固定されている。
収納部本体2Aは、上レール部材6の上方から上レール部材6に係止されている。図14に示すように、収納部本体2Aの上係止部8が上レール部材6の上フック62に係止され、下係止部9の係止爪92が下レール部材7の下フック72に係止されている。この構成により、収納部本体2は、上レール部材6で上部が係止され、収納部本体2の下部が下レール部材7で係止される。収納部本体2は、上レール部材6及び下レール部材7を介して前板103に着脱可能に取り付けられる。
底部材3A及び包丁収容部(取出部)5Aは、収納部本体2Aの収納スペースS1A内に配置されている。底部材3Aの底面部4Aが収納部本体2Aの下部の開口部28Aを塞ぐように、底部材3Aが収納部本体2A内に配置され、底面部4Aの各突起部31Aが収納部本体2Aの下部の係止孔27Aに挿通されて係止される。また、補助支持部30の係止溝301内に、図12に示す包丁収容部本体500の手前側の側壁の下端部506が挿入されることにより、包丁収容部5Aが収納部本体2Aに係止される。この結果、底部材3A及び包丁収容部5Aが収納部本体2A内でがたつくことを防ぎ、底部材3及び包丁収容部5Aが安定した状態で係止される。
さらに、弾性片5082が撓み包丁収容部5Aの各係合ボタン507が収納部本体2Aの各短辺側面24Aの上部に形成された各係合孔241に係合し、包丁収容部5Aが収納部本体2Aに係止される。したがって、係合ボタン507により、包丁収容部5Aの収納部本体2Aに対する上方への移動が規制される。この構成により、包丁200が包丁ロック機構によりロックされている状態で、包丁200が上方に引っ張られた場合など、包丁200が包丁収容部5Aに下方から接触しても、包丁収容部5Aが上方に移動することを防いで、包丁収容部5Aが収納部本体2A内に保持される。
図14に示すように、収納部本体2Aの奥側の長辺側面232Aと、底部材3Aの傾斜面41Aと、包丁収容部5Aとで囲まれたスペースが俎板収容部400となる。俎板収容部400は、幅方向に細長いスペースであり、底部3Aが傾斜面41Aで構成されている。そのため、俎板収容部400に平板形状の俎板201を挿入すると、収納部本体2Aの奥側の長辺側面232と傾斜面41Aとの境界部分の最も高さが低い位置に俎板201の端部が誘導され、俎板201が傾斜して収納された状態が保持される。この結果、抽斗102が奥行方向に出し入れされても、俎板201が傾斜した状態が保持されやすい。したがって、抽斗102の移動時も俎板201が俎板収容部400内で移動することを防ぐことができる。
例えば、特開2010-233847号公報に開示のキャビネットのように、抽斗102の前板103が、抽斗102の下端部を軸として手前側に回動する構成の場合でも、本実施形態の俎板収容部400であれば、俎板201が俎板収容部400で移動することを防ぎ、抽斗102の出し入れ時の静音性を高めることができる。
なお、俎板収容部400内で俎板201のような平板形状の物品を安定した状態で保持する目的において、傾斜面41Aは、奥側から手前側に向かって下降するように傾斜する構成であってもよい。
次に、底部材3A及び包丁収容部5Aの着脱方法を説明する。使用者は、取出部として機能する包丁収容部5Aを把持しながら、前板103に係止されている収納部本体2Aの上方から近付け、上部の開口部21に底部材3を挿入する。このとき、底部材3Aの底面部4Aの奥行方向の寸法L4(図8参照)は、収納部本体2の上部の内寸L2u(図7参照)より小さい。そのため、底部材3を円滑に収納部本体2内に挿入できる。また、収納部本体2の下部の内寸L2dと底部材3の奥行方向の寸法L4が近似しているため、底部材3Aが収納部本体2Aの下部の開口部28Aに配置されると、底部材3Aが収納部本体2Aの下部に安定的に配置される。
次に、収納ボックス1Aを清掃する場合等、底部材3Aを収納部本体2Aから取り外す。このとき、使用者は、幅方向両側の係合ボタン507を押し込んで係合孔241と係合ボタン507との係合を解除しながら、取出部である包丁収容部5Aを把持して上方に引き上げると、各突起部31Aが各係止孔27Aから外れ、簡単に底部材3Aを収納部本体2Aから取り外すことができる。この場合も、第一実施形態と同様に、底部材3Aの底面部4Aの寸法より収納部本体2Aの上部の開口寸法の方が大きいため、円滑に取り外すことができる。
このように、収納部本体2Aと底部材3Aとを別部材で構成し、底部材3Aを収納部本体2Aから容易に取り外すことができる。また、収納部本体2Aが抽斗102の前板103に取り付けられた状態で、底部材3Aを取り外すことができる。この結果、底面部4Aを容易に清掃できる。特に、長尺な物品を収納するために収納スペースS1内の深さが深い場合も、本発明に係る収納ボックス1は、底部材3を容易に取り外して清掃できる。
本実施形態に係る収納ボックス1Aによれば、第一実施形態と同様に、収納部本体2Aの底面を構成する底面部4Aを有する底部材3Aが収納部本体2Aと別体で形成され、底部材3Aが収納部本体2Aに着脱可能に取り付けられるため、収納ボックス1Aの底面部4Aが取り外し可能となる。その結果、分解または組み立てが容易な収納ボックス1Aを提供できる。また、底部材3Aに一部が固定され、上方に延出して設けられる取出部5Aを備えるため、使用者は底部材3Aより上方に延出する取出部5Aを把持することで、底部材3Aを収納部本体2Aに容易に着脱できる。
本実施形態に係る収納ボックス1Aによれば、包丁収容部5Aが、底部材3Aから上方に延出して設けられる取出部としての機能を兼ねるため、清潔に保つことが望まれる包丁収容部5Aを収納部本体2Aから容易に取り出すことができ、容易に清掃できる。また、把手として機能する取出部を包丁収容部とは別に設ける場合に比べて収納部本体2Aの収納スペースを有効活用することができる。
本実施形態に係る収納ボックス1Aによれば、収納部本体2Aの長辺側面と鋭角または鈍角を成す傾斜面41Aが底部に設けられるため、例えば、俎板等の平板状の物品を起立状態で収容する場合に、平板状の物品の下端部が傾斜面41Aに沿って底面部4Aの下部に誘導される。その結果、平板状の物品が傾斜面41Aにより傾斜した状態が保持され、収納ボックス1A内で安定して収容される。
本実施形態では、包丁収容部5Aにパン切用ナイフ収納部502及び長物収納部510を備える例を示したが、包丁収容部5Aの構成はこれに限定されない。
本実施形態では、包丁収容部5Aに包丁ロック機構を備える例を示したが、包丁ロック機構は必須の構成ではない。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
また、上述の実施形態及び各変形例において示した構成要素は適宜に組み合わせて構成することが可能である。