JP7161223B2 - 連結具 - Google Patents

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Description

本発明は、木造建築などにおいて、複数本の部材を一体化するために用いる連結具に関する。
近年は集成材の製造技術が向上したため、大断面の部材を無理なく入手できるようになり、木造建築の大規模化も以前と比べて容易に実現できるようになった。このような大断面の部材を据え付ける場合、旧来の木造建築で用いられている技術をそのまま導入することは難しく、新たに開発された金物類を用いることが多い。これらの金物類は、安全上重要な役割を担うため、複数本のボルトやピンなどを介して部材と強固に一体化させるほか、現地での施工を円滑に実施できるよう、様々な配慮がなされている。
大断面の部材の据え付けに関し、本願発明と関連のある技術の具体例として、後記の特許文献が挙げられ、そのうち特許文献1では、木材同士を一直線に連結するために用いる接合金具が開示されている。この接合金具は、丸棒状の第一接合部材と、金属板をコの字状に折り曲げた第二接合部材と、で構成され、両接合部材をボルトで一体化する。そして第一接合部材は、一方の木材(主木材)に形成した長穴に差し込み、また第二接合部材は、他方の木材(副木材)に形成した係合溝に差し込む。さらに、各木材から第一接合部材や第二接合部材に向けてボルトや係止ピンを差し込むことで、接合金具を介して両木材が連結される。
次の特許文献2では、施工が容易であるほか、体裁や強度にも優れた柱と梁の接合構造が開示されている。この接合構造では、柱と梁との境界に当て金を配置しており、さらに当て金は、柱に固着させる物と、梁に固着させる物の計二枚が重なる形態であり、この重なった当て金同士をボルトで一体化している。そしてこの文献の図2などでは、柱の側面を挟み込むように梁の端面が接触している十字状の接合構造が開示されており、ここでは柱の両側面に当て金を配置してあり、この当て金同士をボルトとパイプで引き寄せている。
そして特許文献3では、美観などに優れた部材同士の連結構造が開示されている。この連結構造は、二部材の境界を跨ぐように中空状の連結管を配置してあり、さらに連結管を埋め込むため、両部材には直立溝を形成してあるが、直立溝は、部材の下面に到着することなく、その手前で途切れている。また直立溝の奥面には、あらかじめ埋設軸(ラグスクリューなどの金属部品)を埋め込み、連結管の内部から埋設軸に向けてボルトを差し込むことで、連結管を介して二部材を連結する。この連結構造では、直立溝によって連結管の大半を覆い隠すことができ、美観に優れている。
特開平11-148175号公報 特開2001-241107号公報 特開2015-110881号公報
前記の各特許文献のように、部材の連結に各種金物を用いる場合、部材と金物は、ピンやボルトで一体化することが多い。このピンは、部材の割れなどを考慮し、複数本とすることが多いほか、施工後の緩みを防ぐため部材に圧入することが多く、現地での打ち込みに手間が掛かるほか、何らかの寸法誤差によってピンを圧入できず、現地で穴を再加工する場合があるなど、幾つかの課題がある。またボルトについても、その本数の多さから、現地での締め付けに手間が掛かるほか、締め付けが適正に行われたか否か、後で簡単に把握することも難しいなど、やはり幾つかの課題がある。
前記の特許文献3では、施工後に金物類が完全に覆い隠され、木材の持つ自然な雰囲気を損ねることがない。ただしこの連結構造において、現地で部材同士を連結する際は、連結管の内部から部材中の埋設軸に向けてボルトを差し込み、さらに、連結管の上部開口から工具を差し込んでボルトを締め付ける必要がある。そのため、工具の移動範囲が制限され、作業を短時間で終えることが難しい。特に連結管の下部では、ボルトの締め付けなどが一段と難しくなり、作業性の面で改善の余地が残されている。
本発明はこうした実情を基に開発されたもので、木造建築などにおいて、複数本の部材を一体化するために用い、現地での作業を簡素化できるほか、作業が適正に行われたか否かを簡単に把握可能な連結具の提供を目的としている。
前記の課題を解決するための請求項1記載の発明は、主要材と側方材を一体化するための連結具であって、該側方材の端面が該主要材と対向しており、前記主要材と前記側方材との境界に配置する接続管と、該側方材に埋め込む埋設具と、該接続管を該主要材に引き寄せる結合軸と、該接続管と該結合軸を一体化する固定ピンと、からなり、前記結合軸の端部付近には、前記固定ピンを差し込むためのピン穴を設けてあり、前記接続管は、前記埋設具を介して前記側方材の端部に取り付けられ、且つ該接続管の各側面において前記主要材に接触する当接壁には、前記結合軸を差し込むための収軸穴と、前記固定ピンを差し込むための縦穴と、を設けてあり、該収軸穴と該縦穴は交差しており、前記主要材に前記結合軸を差し込み且つ該結合軸を該主要材に対して移動不能とするほか、該主要材から突出する該結合軸の端部を前記収軸穴に差し込み、さらに前記固定ピンを前記縦穴から前記ピン穴に向けて差し込むことで、該主要材と前記側方材を一体化することを特徴とする。
本発明による連結具は、主要材および側方材と称する部材同士を一体化するため、その境界部に配置されるが、側方材の端面が主要材の表面と向かい合うことを前提としており、主要材と側方材の端面同士が接触する場合はない。なお主要材や側方材は、原則として、線状や面状に展開する木材(各種集成材を含む)を想定しているが、条件が揃うならば、一部を鋼材などに置き換えることもできる。そして連結具は、接続管と埋設具と結合軸と固定ピンの四要素を中心に構成される。
接続管は、文字通り中空の金属管であり、側方材の端部に取り付ける。そして接続管の各側面のうち、いずれかの面を主要材に接触させるが、この主要材と接触させる面を有する部位を当接壁と称するものとする。必然的に当接壁は、側方材の端面と平行に揃うことになる。なお接続管は、側方材の横断面とほぼ同じ大きさとすることもできるが、これよりも小形化した上、側方材の端部に加工した切欠に収容し、その大半を側方材で覆い隠すこともできる。
埋設具は、側方材の内部に埋め込む金属部品であり、側方材と接続管を一体化する役割を担う。この埋設具については、汎用品を自在に選択可能だが、その具体例としては、ラグスクリューや異形棒鋼やシャフトやパイプなどが挙げられ、ラグスクリューの場合、その側周面から突出する凸条を側方材の内部に食い込ませ、側方材と緩みなく一体化させる。また異形棒鋼は、側方材の内部に埋め込み、接着剤で一体化させる。他、シャフトやパイプについては、側方材の内部に埋め込んだ後、これと交差するようにドリフトピンを打ち込み、側方材と一体化させる。そして施工時は、埋設具を所定の位置に埋め込み、これを覆い隠すように接続管を組み込み、接続管から埋設具に向けて固定ボルトなどを差し込み、側方材と接続管を一体化させる。なお埋設具は、一個の接続管に対して複数個用いることが多いほか、固定ボルトの差し込みや締め付けのため、接続管には、必要に応じて穴を設ける。
結合軸は、接続管を主要材に引き寄せるための金属棒であり、主要材に設けた通し穴に差し込み、且つ主要材に対して移動不能に固定する。また結合軸の全長は通し穴よりも長くしてあり、主要材から突出させた結合軸を当接壁に差し込む。そのため当接壁の側面には、結合軸を緩みなく差し込むため、収軸穴を設ける。なお収軸穴は有底でも構わないが、前記の固定ボルトの差し込みなどを考慮し、当接壁を貫くことが多い。さらに結合軸は、一個の接続管に対して一本とすることもあれば、強度を確保するため複数本とすることもある。そのほか、結合軸を主要材に対して移動不能にする方法は様々であり、結合軸の一端部(側方材の反対側)にフランジなどを設けることもあれば、結合軸の一部区間にラグスクリューと同様の部位を形成し、この部位を通し穴に埋め込むこともできる。
固定ピンは、接続管と結合軸を一体化するための金属棒であり、当接壁に設けた縦穴に差し込み、結合軸に設けたピン穴を貫く。この縦穴は、当接壁の端面から伸びており、途中で収軸穴と交差するほか、ピン穴は、結合軸の側周面を貫くように形成する。なお固定ピンは、一個の接続管に対して一本であり、仮に結合軸が複数本であれば、これらを順次貫いていく。そして固定ピンは、連結箇所の剛性を確保する上で重要な役割を担うため、固定ピンを差し込んだ際、接続管が緩みなく主要材と接触するよう、各部の寸法を調整する必要がある。
本発明による連結具を実際に使用する際は、あらかじめ側方材の端部に埋設具を埋め込み、この埋設具を介して側方材と接続管を一体化させる。また主要材については、結合軸を差し込むため、通し穴を加工しておく。そして主要材と側方材を現地に輸送した後、通し穴に結合軸を差し込み、その端部を主要材から突出させる。次に、側方材の端面を主要材と対向するように配置し、接続管の収軸穴に結合軸を差し込み、さらに接続管の縦穴に固定ピンを差し込むと、これが結合軸を貫き、最終的に主要材と側方材が一体化する。
このように本発明では、主要材から突出する結合軸を接続管の収軸穴に差し込んだ後、結合軸を貫くように固定ピンを差し込むことで、接続管を主要材に固定することができる。そのため施工時は、接続管の縦穴に固定ピンを差し込むだけで主要材と側方材の連結が完了する。接続管と結合軸はいずれも金属製で、これらに設ける収軸穴や縦穴やピン穴は高い精度で形成可能であり、施工時、縦穴とピン穴はほぼ同心で揃い、固定ピンを無理なく差し込めるため、作業を円滑に終えることができる。
請求項2記載の発明は、一本の主要材を挟み込みように二本の側方材が配置される場合を想定したもので、側方材は、主要材を挟み込むように計二本配置する形態であり、個々の側方材の端部に接続管を取り付けてあり、結合軸は、主要材の両側で外部に突出しており、結合軸の両端部を収軸穴に差し込み、結合軸によって対向する側方材が互いに引き寄せ合う状態になることを特徴とする。
このように請求項2記載の発明では、一本の主要材を挟み込みように二本の側方材が配置され、個々の側方材の端面が主要材の表面と向かい合うほか、二本の側方材は段差なく同一直線上に揃えてあり、主要材と側方材が十字状や丁字状に並ぶことになる。また接続管は、個々の側方材に取り付けるため、主要材を挟み込むように二個配置されることになる。そして結合軸は、その両端部を主要材から突出させ、個々の接続管に差し込む。したがって固定ピンを差し込むと、二個の接続管が主要材を挟み込み、必然的に結合軸は主要材に対して移動不能になり、主要材と側方材が連結される。
請求項1記載の発明のように、主要材と側方材を一体化する連結具を接続管と埋設具と結合軸と固定ピンなどで構成し、埋設具を介して側方材に接続管を取り付けるほか、主要材から突出する結合軸を接続管の収軸穴に差し込んだ後、結合軸を貫くように固定ピンを差し込んで主要材と側方材を連結することで、施工時は、主要材と側方材を所定の場所に配置した後、固定ピンを差し込むだけで両材の連結が完了し、現地での作業を簡素化できる。なお固定ピンは金属製であり、大きな荷重に耐えられるほか、これが差し込まれる接続管も金属製であり、木材のような破損を考慮する必要がない。そのため一本の側方材に対し、一本の固定ピンだけで必要な強度を確保できる。
また本発明では、施工時、木材へのピンの圧入やボルトの締め付けといった手間の掛かる作業が不要であり、現地での作業を簡素化できる。さらに接続管と結合軸はいずれも金属製であり、これらに形成する収軸穴や縦穴やピン穴も高い精度を確保しやすく、誤差の累積によって固定ピンを差し込むことができないといった事態を回避できる。加えて本発明では、固定ピンが所定の深さまで差し込まれていれば、必然的に連結作業が適正に行われたことになるが、この状態は外部から簡単に把握することができる。
本発明による連結具の形状例と使用状態例を示す斜視図で、主要材を挟み込むように二本の側方材が配置され、上方からの視線でこれらを十字状に一体化することを想定している。 図1の側方材に埋設具と埋設軸を埋め込み、さらに接続管を取り付ける過程を示す斜視図である。なおここでの主要材や側方材や接続管は、内部構造を示すため断面で描いてある。 図2の後の過程を示す斜視図で、図の上方では、主要材の右側にのみ側方材が接触しており、図の下方では、主要材の両側に側方材が接触している。 図1の主要材と側方材を連結した状態を示す斜視図である。なお図の下方には、この状態での縦断面を描いてある。 図1とは異なる構成の連結具を示す斜視図で、主要材を柱としているほか、埋設具として異形棒鋼を用いており、しかも結合軸を二本としている。 図5の主要材と側方材を連結した状態を示す斜視図である。なお図の下方には、この状態での縦断面を描いてある。 側方材が一本だけの場合に用いる連結具の構成例を示す斜視図であり、図の上方は主要材と側方材を連結する前の状態で、図の下方は連結した後の状態である。
図1は、本発明による連結具の形状例と使用状態例を示し、主要材61を挟み込むように二本の側方材71、72が配置され、上方からの視線でこれらを十字状に一体化することを想定している。この図における主要材61と側方材71、72は、いずれも木材(集成材を含む)を所定の断面寸法に削り出した棒状であり、これら全てが水平に伸びる梁として機能する。また主要材61の両側面のうち、図の左下側には側方材71が接触し、図の右上側には側方材72が接触するが、いずれの側方材71、72も横断面の寸法は同じである。そして連結具は、接続管11と埋設具41と結合軸25と固定ピン38などで構成され、そのうち接続管11は、個々の側方材71、72に取り付けるため、一組の連結具において二個使用することになる。
この図の接続管11は、二個とも同じ形状で、矩形断面の中空状である。ただしその四側面のうちの一面は、他よりも厚さを増大させており、この面を有する部位を当接壁14と称するものとする。また接続管11は、個々の側方材71、72の端部に加工した切欠75に収容するが、その際は、当接壁14を主要材61と対向するように配置する。なお切欠75の幅や奥行(側方材71、72の端面からの深さ)は、接続管11の寸法に合わせてあり、接続管11は切欠75に緩みなく嵌まり込み、当接壁14は、側方材71、72の端面と段差なく並ぶ。
接続管11の当接壁14には、水平方向に伸びる収軸穴15および大穴16と、垂直方向に伸びる縦穴18を設けてある。そのうち収軸穴15は、当接壁14の中央付近に位置しており、ここに結合軸25を差し込む。また大穴16は、収軸穴15を挟み込むように上下二箇所に配置してある。そして縦穴18は、接続管11の上面から伸びており、途中で大穴16(上方のもの)と交差し、その先で収軸穴15と交差するが、その先で終端となっている。そのほか接続管11の四側面において、当接壁14の反対側には、収軸穴15および大穴16と同心で小穴19を設けてある。小穴19は、上下三箇所のいずれも同径である。
埋設具41は、側方材71、72に接続管11を取り付けるため、側方材71、72の内部に埋め込む金属部品であり、この図では汎用のラグスクリューを用いている。埋設具41の側周面には、螺旋状に伸びる凸条46が突出しているほか、埋設具41の一端面には、工具を掛けるため、六角形の頭部45を設けてあり、その中心にはメネジ47を設けてある。そして埋設具41は、個々の側方材71、72の切欠75の奥面に加工した下穴76に埋め込むが、その際、凸条46が下穴76の内周面に食い込み、埋設具41は側方材71、72と強固に一体化する。なお下穴76は、いずれも上下三箇所に加工してあるが、そのうちの上下二箇所に限り、埋設具41を埋め込む。
図1では、埋設具41のほか、埋設軸43も用いている。埋設軸43は単純な円柱状で、側方材71、72と接続管11との間で垂直荷重の伝達を担うものだが、その一端側には、埋設具41と同様、頭部45とメネジ47を設けてある。そして埋設軸43は、切欠75奥面の上下三箇所の下穴76のうち、中央の一箇所にだけ埋め込む。なお埋設軸43は、荷重条件に応じて用いるもので、埋設具41だけで強度を確保できるならば不要である。
接続管11は、固定ボルト49を介して埋設具41および埋設軸43に取り付ける。そして接続管11の小穴19は、固定ボルト49の軸部を差し込むためのもので、埋設具41や埋設軸43に応じて配置してあり、さらに小穴19は、反対側の大穴16や収軸穴15と同心である。したがって固定ボルト49は、大穴16や収軸穴15から接続管11の内部に差し込み、その軸部を小穴19から外部に突出させ、埋設具41や埋設軸43のメネジ47に螺合させる。その後、固定ボルト49を締め付けると、接続管11が切欠75の奥面に密着し、接続管11が側方材71、72に固定される。なお大穴16は、固定ボルト49の差し込み以外の機能はない。対して収軸穴15は、結合軸25の差し込みが最大の役割である。このように本発明では、大穴16や収軸穴15を利用して固定ボルト49の差し込みや締め付けを行うため、これらの作業を無理なく素早く行うことができる。
結合軸25は、主要材61を挟み込むように配置される二個の接続管11を引き寄せ、主要材61に密着させる役割を担い、主要材61の両側面を貫くように差し込む。そのため主要材61には、結合軸25を緩みなく差し込み可能な通し穴65を加工してある。また接続管11の収軸穴15は、結合軸25を緩みなく差し込み可能な内径で、しかも当接壁14を貫いており、結合軸25は、接続管11の内部空間にも到達可能である。そして接続管11と結合軸25を一体化するため、接続管11の上方から固定ピン38を差し込む。したがって結合軸25の両端部には、固定ピン38を差し込むため、ピン穴28を設けてある。
固定ピン38を差し込むための縦穴18は、当接壁14の上面から伸びており、収軸穴15と交差している。また固定ピン38は円断面の金属棒だが、その下部は、差し込み時を考慮して先細りとしてある。対して固定ピン38の上部には、オネジ39を形成してある。これにナットを螺合させることで、差し込みの際、工具による衝撃を受け止めるヘッドとして機能するほか、施工後に何らかの事情で固定ピン38を引き抜く際は、上向き荷重の伝達点として機能する。
実際の施工時は、まず側方材71、72に切欠75と下穴76を加工し、下穴76に埋設具41と埋設軸43を埋め込む。なお埋設具41は、その頭部45を利用して回転させながら埋め込むが、埋設軸43は、単に圧入するだけでよい。次に、切欠75に接続管11を差し込み、大穴16や収軸穴15から固定ボルト49を差し込み、側方材71、72と接続管11を一体化させる。併せて、主要材61の通し穴65に結合軸25を差し込み、その両端部を主要材61から突出させる。そして、主要材61から突出する結合軸25を接続管11の収軸穴15に差し込んで位置調整を行った後、縦穴18に固定ピン38を差し込み、これが結合軸25を貫くと、主要材61と側方材71、72が連結される。
図1において、左側の側方材71と右側の側方材72は、主要材61を挟み込むように対称形で配置される。そのほか結合軸25の側周面には、ピン穴28の入り口と交差する案内溝27を設けてある。案内溝27は、施工時に結合軸25の回転を防ぎ、ピン穴28と縦穴18を同心に揃えるために設けてあり、固定ピン38の先端を案内溝27に到達させることで、結合軸25の回転を防ぐことができる。
図2は、図1の側方材71、72に埋設具41と埋設軸43を埋め込み、さらに接続管11を取り付ける過程を示している。なおこの図での主要材61や側方材71、72や接続管11は、内部構造を示すため断面で描いてある。側方材71、72の下穴76は、上下に三箇所が並んでいるが、その上下二箇所には埋設具41を埋め込んである。また中央の下穴76には埋設軸43を埋め込んであるが、埋設軸43は単に垂直荷重の伝達を担うもので、側方材71、72と一体化することはない。そして埋設具41と埋設軸43を埋め込んだ後、切欠75に接続管11を差し込み、次に大穴16や収軸穴15から固定ボルト49を差し込み、その軸部を埋設具41や埋設軸43に螺合させることで、接続管11が側方材71、72に固定される。
この図のように、側方材71、72に接続管11を取り付けるまでの作業は、現地に輸送する前の製材段階で行うことができ、現地での作業を削減することができる。また主要材61の通し穴65には、あらかじめ結合軸25を差し込んでおくが、施工時の作業性などを考慮し、図のように、結合軸25の一端面を主要材61の側面と段差なく並べることがある。そのほか切欠75に接続管11を差し込むと、その当接壁14は、側方材71、72の端面と段差なく並び、この面が主要材61の側面に接触する。
図3は、図2の後の過程を示し、図の上方では、主要材61の右側にのみ側方材72が接触しており、図の下方では、主要材61の両側に側方材71、72が接触している。図2の後、主要材61から突出している結合軸25を収軸穴15に差し込むと、図の右側の側方材72が主要材61で支持された状態になる。その後、図の左側の側方材71についても、主要材61に接触させるが、その際、結合軸25の端部は、主要材61の側面(図の左下側の側面)から突出させていない。そのため、図の左側の側方材71を主要材61に接近させていく際、その移動方向に制約が少なくなる。このような施工方法は、側方材71の他端側に何らかの部材が既に配置されている場合などに有効である。
そして主要材61の両側面に側方材71、72を接触させた後、接続管11の内部空間を利用して結合軸25を図の左側に押し出し、図の下方に示すように、接続管11の縦穴18と結合軸25のピン穴28を同心に揃える。次に、それぞれの縦穴18に固定ピン38を差し込むと、主要材61と側方材71、72の連結が完了する。したがって一本の側方材71、72は、一本の固定ピン38を介して連結されることになるが、固定ピン38の太さなどを調整することで、必要な強度を確保することができる。
図4は、図1の主要材61と側方材71、72を連結した状態を示す。なお図の下方には、この状態での縦断面を描いてある。図3の後、固定ピン38を所定の位置まで差し込むと、結合軸25を介して左右の接続管11が互いに引き寄せ合い、主要材61は左右の側方材71、72で挟み込まれた状態になる。このように連結を終えると、切欠75の上部で接続管11が露出しているが、それ以外の場所では接続管11などの金属部品が覆い隠されており、美観に優れている。さらに、切欠75の上部に塞ぎ板78を嵌め込むことで、接続管11の全体が覆い隠される。
本発明では、現地で固定ピン38を差し込むだけで主要材61と側方材71、72の連結が完了するが、固定ピン38は、主要材61や側方材71、72に差し込む訳ではなく、接続管11に設けた縦穴18に差し込む。縦穴18は工作機械で形成するため、その寸法精度を高めることが容易であり、各種木材に加工した穴にピンやボルトを差し込む場合と比べ、寸法誤差が抑制され、差し込み作業を円滑に行うことができる。また、固定ピン38が差し込まれる接続管11も金属部品であり、強度を向上しやすく、一個の接続管11に対し、固定ピン38を一本とすることができ、現地での作業時間を短縮することができる。さらに、固定ピン38の差し込み状態を確認することで、作業が適正に行われたか否かを簡単に把握することができる。
図5は、図1とは異なる構成の連結具を示し、主要材62を柱としているほか、埋設具42として異形棒鋼を用いており、しかも結合軸25を二本としている。したがってこの図の接続管12は、二本の結合軸25に対応し、上下二箇所に収軸穴15を設けてある。また接続管12において、当接壁14の反対側には、固定ボルト49の軸部を差し込むため、収軸穴15と同心で小穴19を設けてあり、固定ボルト49は、収軸穴15から小穴19に向けて差し込む。なお固定ピン38を差し込むための縦穴18は、上下の収軸穴15と交差しているが、その先で終端となっている。
この図の埋設具42は、側周面にリブ48が形成された異形棒鋼を所定の長さに切り出し、その一端面の中心にメネジ47を設けた構成で、側方材71、72の下穴76に埋め込み、接着剤79で一体化させる。このように埋設具42は、側方材71、72と接続管12を一体化する役割を担うならば、その具体的な構成は自在である。また結合軸25は、作業性を考慮すると一本だけにすべきだが、主要材62と側方材71、72とのねじれ防止など、強度上必要であれば、この図のように複数本とすることができる。なおこの図での結合軸25は、図1の物に対し、案内溝27を省略してある。そのほか主要材62と側方材71、72の具体的な用途は、柱や梁など自在に選択可能である。
図6は、図5の主要材62と側方材71、72を連結した状態を示す。なお図の下方には、この状態での縦断面を描いてある。このように、対向する側方材71、72が結合軸25によって互いに引き寄せ合い、主要材62の上端部を挟み込んでおり、横向きの視線でこれらが丁字状に一体化している。また図の下方の縦断面に描くように、埋設具42は、接着剤79によって側方材71、72と一体化しているほか、主要材62を挟み込んで対向する二個の接続管12は、二本の結合軸25で一体化されており、必然的に個々の固定ピン38は、二本の結合軸25を貫いている。
図7は、側方材72が一本だけの場合に用いる連結具の構成例を示しており、図の上方は主要材61と側方材72を連結する前の状態で、図の下方は連結した後の状態である。これまでの各図では、主要材(61または62)を挟み込むように二本の側方材71、72が配置されていたが、本発明ではこの図のように、側方材72を一本だけにすることもできる。ただしその結果、結合軸26に設けるピン穴28は両端部ではなく、一端部(図の右側)だけになり、このピン穴28とは反対側(図の左側)の端面に円盤状のフランジ34を取り付け、結合軸26の移動を防いでいる。フランジ34は、通し穴65よりも大径であり、止めボルト35で結合軸26に取り付ける。そのため結合軸26の端面中心には、メネジ29を設けてある。なお結合軸26の移動を防ぐ方法は、この図に限らず自在に選択可能であり、結合軸26とフランジ34を一体成形することもできるほか、結合軸26の一部区間にラグスクリューと同様の部位を形成し、主要材61と一体化させることもできる。
この図において、側方材72に組み込む各種部品は、図1などと同じ物を想定している。そして施工時には、あらかじめ側方材72の端部に接続管11を取り付けておくほか、結合軸26の端面にフランジ34を取り付け、結合軸26を主要材61の通し穴65に差し込む。次に現地では、主要材61から突出する結合軸26を接続管11の収軸穴15に差し込み、さらに側方材72の端面を主要材61の側面に接触させ、最後に固定ピン38を差し込むと、図の下方のように、主要材61と側方材72が丁字状に連結される。この際、結合軸26はフランジ34によって移動が規制され、結合軸26を介して側方材72が主要材61に引き寄せられる。
11 接続管(収軸穴が一箇所)
12 接続管(収軸穴が二箇所)
14 当接壁
15 収軸穴
16 大穴
18 縦穴
19 小穴
25 結合軸(ピン穴が両端部の二箇所)
26 結合軸(ピン穴が一端部のみ)
27 案内溝
28 ピン穴
29 メネジ
34 フランジ
35 止めボルト
38 固定ピン
39 オネジ
41 埋設具(ラグスクリュー)
42 埋設具(異形棒鋼)
43 埋設軸
45 頭部
46 凸条
47 メネジ
48 リブ
49 固定ボルト
61 主要材(梁)
62 主要材(柱)
65 通し穴
71 側方材(主要材の左側に配置)
72 側方材(主要材の右側に配置)
75 切欠
76 下穴
78 塞ぎ板
79 接着剤

Claims (2)

  1. 主要材(61、62)と側方材(71、72)を一体化するための連結具であって、該側方材(71、72)の端面が該主要材(61、62)と対向しており、
    前記主要材(61、62)と前記側方材(71、72)との境界に配置する接続管(11、12)と、該側方材(71、72)に埋め込む埋設具(41、42)と、該接続管(11、12)を該主要材(61、62)に引き寄せる結合軸(25、26)と、該接続管(11、12)と該結合軸(25、26)を一体化する固定ピン(38)と、からなり、
    前記結合軸(25、26)の端部付近には、前記固定ピン(38)を差し込むためのピン穴(28)を設けてあり、
    前記接続管(11、12)は、前記埋設具(41、42)を介して前記側方材(71、72)の端部に取り付けられ、且つ該接続管(11、12)の各側面において前記主要材(61、62)に接触する当接壁(14)には、前記結合軸(25、26)を差し込むための収軸穴(15)と、前記固定ピン(38)を差し込むための縦穴(18)と、を設けてあり、該収軸穴(15)と該縦穴(18)は交差しており、
    前記主要材(61、62)に前記結合軸(25、26)を差し込み且つ該結合軸(25、26)を該主要材(61、62)に対して移動不能とするほか、該主要材(61、62)から突出する該結合軸(25、26)の端部を前記収軸穴(15)に差し込み、さらに前記固定ピン(38)を前記縦穴(18)から前記ピン穴(28)に向けて差し込むことで、該主要材(61、62)と前記側方材(71、72)を一体化することを特徴とする連結具。
  2. 前記側方材(71、72)は、前記主要材(61、62)を挟み込むように計二本配置する形態であり、個々の該側方材(71、72)の端部に前記接続管(11、12)を取り付けてあり、
    前記結合軸(25)は、前記主要材(61、62)の両側で外部に突出しており、該結合軸(25)の両端部を前記収軸穴(15)に差し込み、該結合軸(25)によって対向する前記側方材(71、72)が互いに引き寄せ合う状態になることを特徴とする請求項1記載の連結具。
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