JP7160723B2 - 荷役車両 - Google Patents

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Description

本発明は、荷役車両に関し、特にその荷箱の傾動動作を規制する傾動ストッパに関する。
従来、荷役車両の一種である塵芥収集車では、その塵芥収容箱の後方開口部に、塵芥投入箱が回動可能に設けられ、後方開口部を開いた状態で、塵芥収容箱をダンプ(傾動)させて内部の塵芥を排出することが知られている。塵芥投入箱の内部に塵芥積込装置が内蔵されていることもあって塵芥投入箱が非常に重いので、メンテナンス作業で傾動させた状態を維持させる場合には、所定の限界角度よりも塵芥収容箱が傾動しないようにする必要がある。
そこで、例えば、特許文献1の塵芥収集車のように、一端部にローラが軸支され他端部に突起が突出して設けられた突っ張り部材を設けることが知られている。この一端部は、車台上に設けられた案内部材と係合してその移動が案内され、他端部は、荷箱下面から突出する一対のブラケットに形成された長孔と係合している。この突っ張り部材を作業者の手で持ち上げて他端部を係止部材の切欠に落とし込ませることで、荷箱の上昇が防止される。
一方、特許文献2のように、折り畳み式の揺動ストッパを設け、この揺動ストッパの垂直部上端と固定ストッパの下端との間に間隙を設けたダンプカーが知られている。このダンプカーでは、空気圧シリンダによって揺動ストッパを回動させることができるようにしている。
特開昭55-47927号公報 特開昭52-105421号公報
しかしながら、特許文献1のものでは、作業者が手動で突っ張り棒を突っ張り位置まで大きく回動させなければならず、面倒である上に、突っ張り棒の長さが長く、部品の多い車台側に収納位置を確保し辛い。
また、特許文献2のものでは、上記隙間分だけ荷箱が降下して固定ストッパと揺動ストッパとが当接した後に、それ以上は荷箱が降下しないようになるが、限界角度になるとすぐに荷箱を回動させないようにしたいというニーズがある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、コンパクトな構成で荷箱を限界角度で確実に保持することにある。
上記の目的を達成するために、第1の発明では、
車台に設けられるサブフレームと、
上記サブフレームに傾動シリンダを介して傾動可能に搭載される荷箱と、
上記サブフレームにおける上記傾動シリンダの近傍に設けられ、上記荷箱が所定の限界角度において該荷箱の傾動動作を規制する折り畳み可能な傾動ストッパと、
上記傾動シリンダの伸縮を制御する制御部と、
上記制御部に電気的に接続されるストッパ検出センサと、
を備えており、
上記傾動ストッパは、下端が上記サブフレームに回動可能に連結されると共に、上端が上記荷箱の底部に回動可能に連結され、中間部で折り畳み状態にすることが可能に構成されており、上記荷箱の上記限界角度において真っ直ぐに伸ばした伸張状態にして固定すると、上記ストッパ検出センサが作動して、上記制御部が上記傾動シリンダの作動を規制するように構成されている。
上記の構成によると、傾動ストッパは、中間部で折り畳み状態にすることが可能であるので、荷箱を傾動しないときは、コンパクトに収容される。そして、荷箱の限界角度で真っ直ぐに延ばした伸張状態にしてその状態を固定すると、ストッパ検出センサの働きにより制御部が直ちに荷箱の傾動動作を規制できる。これにより、荷箱の傾動動作の機械的な規制を傾動ストッパにより行う一方、制御的な規制を制御部により行うという2種類の規制を同時に行うことができるので、メンテナンス作業時に荷箱を限界角度で確実に保持することができる。
第2の発明では、第1の発明において、
上記傾動ストッパは、
下端が上記サブフレームに回動可能に連結される第1フレームと、
上端が上記荷箱の底部にスライド移動可能に且つ回動可能に連結され、下端が上記第1フレームの上端にスライド移動可能に且つ回動可能に連結される第2フレームと、
上記第2フレームの上端に設けられた被検出部とを備え、
上記荷箱が上記限界角度となったときの上記傾動ストッパの折り曲げ待機状態から、上記第1フレームと上記第2フレームとを互いに相対移動させながら真っ直ぐに変位させて固定したときに、上記ストッパ検出センサが上記被検出部を検出して上記制御部が上記傾動シリンダの作動を規制するように構成されている。
上記の構成によると、傾動ストッパは、限界角度において第1フレームと第2フレームとが互いに相対移動することで真っ直ぐな伸張状態にされ、さらに、伸張状態の第1フレームと第2フレームとが相互に固定される固定状態に切り換えられた位置で被検出部がストッパ検出センサに検出されるので、傾動ストッパを固定状態にするとすぐに制御部が荷箱の傾動動作を規制できる。また、第1フレームの両端部は、サブフレームと第2フレームとに連結され、第2フレームの両端部は荷箱と第1フレームに連結されていることにより、第1フレームと第2フレームとの連結部のなす角を、荷箱の傾動角が大きくなるに従って大きくすることができる。これにより、荷箱の限界角度において第1フレームと第2フレームが自然に折れ曲がった状態を指す折り曲げ待機状態では、第1フレームと第2フレームとの連結部のなす角を折り畳み状態から充分大きくすることができるので、折り曲げ待機状態から伸張状態に手動で持っていく動きが小さくて済み、作業性に優れる。また、傾動ストッパは、手動で折り曲げ待機状態から伸張状態に持っていかなければ荷箱の限界角度で自然に伸張状態になることがない。これにより、意図せずに傾動ストッパが伸張状態からさらに固定状態になった上で、作業者が荷箱の傾動操作をしてしまうことにより、傾動ストッパや荷箱に、意図しない損傷が生じることがない。その結果、必要なときだけ確実に荷箱の傾動動作を規制することができる。
第3の発明では、第2の発明において、
上記第2フレームには、取っ手部が一体に設けられており、該取っ手部を引くことで、上記傾動ストッパが上記折り曲げ待機状態から上記伸張状態になるように構成されており、
上記荷箱の傾動角度が0°となる上記傾動ストッパの折り畳み状態で、側面視において上記取っ手部の少なくとも一部が上記第1フレームと重なるように該取っ手部が配置されている。
上記の構成によると、取っ手部を引いて傾動ストッパを折り曲げ待機状態から伸張状態に変更できるので、その操作をしないときには通常通り、荷箱を起伏でき、その操作をするときには、容易に荷箱の傾動動作を停止できる。また、傾動角度0°の折り畳み状態のときに取っ手部が第1フレームと側面視で重なるような位置に取っ手部を設けているので、荷箱の傾動角度が0°のときの傾動ストッパの収容スペースが小さくなる。
第4の発明では、第3の発明において、
上記第2フレームの下端には、上記第1フレームの上端に設けた中間ピンが挿通される第1長孔が形成され、
上記第2フレームの上端には、上記荷箱の底部に設けた箱側ピンが挿通される第2長孔が形成されており、
上記第2フレームには、上記中間ピンを第1長孔の下端側に移動させ、上記箱側ピンを上記第2長孔の下端側に移動させて真っ直ぐに延ばしたあと、上記中間ピンを第1長孔の上端側に移動させ、上記箱側ピンを上記第2長孔の上端側に移動させた固定状態で上記第1フレームに係合して上記傾動ストッパが折れ曲がらないようにする係合部が設けられている。
上記の構成によると、第1長孔及び第2長孔を利用して傾動ストッパが折り畳み状態から伸張状態に移行した後、第2フレームを押し下げることで、第2フレームの係合部が第1フレームに係合して傾動ストッパが確実に固定状態で保持される。
第5の発明では、第3又は第4の発明において、
上記傾動シリンダの下端は、上記サブフレームに設けたクロスメンバに回動可能に支持され、
上記第1フレームの下端も上記クロスメンバに回動可能に支持されており、
上記サブフレームには、折り畳み状態の上記傾動ストッパにおける上記第1フレームの上端部を支持するクッション部材が設けられている。
上記の構成によると、第1フレームが折り畳み状態でクッション部材に確実に支えられて安定するので、走行時等に振動しにくくなる。また、クッション部材によって第1フレームの上端(第2フレームとの連結部分)がサブフレームの位置より下方に回動することを規制することができるので、傾動ストッパの収納スペースが小さくなる。
以上説明したように、本発明によれば、荷箱が所定の限界角度において荷箱の傾動動作規制する折り畳み可能な傾動ストッパを設け、荷箱が限界角度で傾動ストッパの第1フレームと第2フレームが固定状態に切り換えられたことを検出するストッパ検出センサを設け、このストッパ検出センサの検出に基づいて制御部が傾動シリンダの作動を規制するように構成したので、コンパクトな構成で荷箱を限界角度で確実に保持することができる。
塵芥収容箱の傾動角度が0°のときの本発明の実施形態に係る塵芥収集車の傾動ストッパ及びその周辺を拡大して示す側面図である。 塵芥収容箱の傾動角度が限界角度のときの本発明の実施形態に係る塵芥収集車の傾動ストッパ及びその周辺を一部拡大して示す側面図である。 本発明の実施形態に係る塵芥収集車を示す側面図である。 図1AのIII方向から見た矢視図である。 本発明の実施形態に係る塵芥収集車の油圧回路図である。 本発明の実施形態に係る塵芥収集車の制御回路図である。 塵芥投入箱が開いた状態で傾動前の塵芥収容箱を示す側面図である。 塵芥投入箱が開いた状態で少し塵芥収容箱が傾動したときの傾動ストッパの状態を示す側面図である。 塵芥投入箱が開いた状態でさらに塵芥収容箱が傾動したときの傾動ストッパの状態を示す側面図である。 塵芥収容箱が限界角度まで傾動したときの折り曲げ待機状態の傾動ストッパを示す側面図である。 塵芥収容箱の限界角度において固定状態にした傾動ストッパを示す側面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図2は本発明の実施形態の荷役車両としての塵芥収集車1を示し、塵芥収集車1の車台2上に荷箱としての塵芥収容箱3が搭載されている。この塵芥収容箱3の後方開口部4には、その上方で投入箱支持ピン5により軸支された塵芥投入箱6が設けられている。塵芥投入箱6の後部には塵芥投入口7が開口され、その内部には塵芥積込装置が装備されている。塵芥積込装置は、塵芥投入箱6内に塵芥投入口7を通じて投入された塵芥を圧縮して塵芥収容箱3内に積込むためのものである。
塵芥積込装置は、摺動板及び圧縮板を備えた圧縮式のものでもよいが、本実施形態では、回転式となっている。詳しくは図示しないが、塵芥積込装置は、中間部が塵芥投入箱6の側壁に支持されて一端側を前後方向に揺動させる押込板と、この押込板の他端にロッドの先端が回転自在に支持されて押込板を作動させる押込シリンダ15と、基端を支点に回転可能な回転板と、この回転板に減速機を介して連結され、回転板を回転させる油圧モータ16とを備えている(いずれも図4にのみ示す)。このように構成した回転板の回転動作と押込板の揺動動作との協働によって塵芥投入箱6に投入された塵芥を圧縮して塵芥収容箱3に積込むようになっている。
塵芥収容箱3は、車台2上のサブフレーム10に設けた傾動装置としての傾動シリンダ8を伸縮させることにより、サブフレーム10後方の傾動軸10aを中心に傾動可能(ダンプ可能)に構成されている。また、塵芥投入箱6は、塵芥収容箱3と塵芥投入箱6との間に設けられた回動シリンダ9により、投入箱支持ピン5を中心に回動自在に構成されている。
図4に示すように、塵芥収集車1は、車台2のエンジン40に駆動される動力取出装置(PTO)41を備えている。この動力取出装置41の動力により、回動シリンダ9を含む各種の油圧機器30が駆動されるようになっている。油圧機器30は、上記動力取出装置41に駆動される油圧ポンプ51と、作動油を貯留する油圧タンク62とを備え、油圧タンク62内の作動油を油圧ポンプ51で吸い上げて供給側の油圧配管61aに流通させてコントロールバルブ63に供給するように構成されている。そして、コントロールバルブ63を通過した作動油は、回収側の油圧配管61bを流通し、リターンフィルタ64で濾過された後、再び油圧タンク62に回収されるようになっている。回動シリンダ9、傾動シリンダ8等は、油圧配管61cを介してコントロールバルブ63に接続されている。
コントロールバルブ63は、図5に示すように、制御部としてのPLC50によって制御されるように構成されている。このコントロールバルブ63は、図5に示す複数の電磁弁SOL-C~H等を備え、電磁弁の開閉ポートをPLC50によって切り替えることにより、油圧ポンプ51から吐出された作動油を所望のシリンダに対して供給するようになっている。これにより、ダンプスイッチ80等の各種スイッチの操作に合わせ、回動シリンダ9、傾動シリンダ8等の伸縮動作の切り替えが制御され、又は運転が停止されるようになっている。
そして、図1Bに示すように、傾動シリンダ8の下端は、サブフレーム10に左右に延びるように設けたクロスメンバ10bの左右中間部に設けた傾動シリンダ取付用ブラケット10cに回動可能に支持されている。このクロスメンバ10bは、塵芥収容箱3及び塵芥投入箱6の重量の重い部材を支えるので、他の部材に比べて比較的剛性の高いものとなっている。傾動シリンダ8の上端は、塵芥収容箱3の底部3aに回動可能に連結されている。
このクロスメンバ10bの後面に設けられたストッパ取付用ブラケット10dには、塵芥収容箱3が所定の限界角度αよりも大きく傾動しないようにする折り畳み可能な傾動ストッパ20が回動可能に連結されている。限界角度αは、例えば45°とする。
この傾動ストッパ20は、下端がストッパ取付用ブラケット10dに回動可能に連結される第1フレーム21と、上端が塵芥収容箱3の底部3aにスライド移動可能に且つ回動可能に連結され、下端が第1フレーム21の上端にスライド移動可能に且つ回動可能に連結される第2フレーム22とを備えている。
第1フレーム21は、例えば角パイプ状であり、その下端がストッパ取付用ブラケット10dに設けた第1下側ピン21aに回動可能に連結されている。
図3に示すように、第2フレーム22は、例えば、上記第1フレーム21の幅よりも大きな間隔をあけて配設された第1板状部材22aと第2板状部材22eが係合部としての連結板22bで連結された形状を有する。第1板状部材22aは第2板状部材22eよりも車幅方向内側に配設されている。また、第1板状部材22aの長手方向に対する幅は、第2板状部材22eの長手方向に対する幅よりもわずかに大きく形成されている。図1Bに示すように、第2フレーム22の下端には、第1フレーム21の上端に設けた中間ピン23が挿通される第1長孔22cが形成されている。一方、第2フレーム22の上端には、塵芥収容箱3の底部3aに設けた箱側ピン24が挿通される第2長孔22dが形成されている。この第1長孔22c及び第2長孔22dは、第2フレーム22の長手方向に延びて形成されている。また、第1長孔22cは、第2長孔22dよりも長くなっている。箱側ピン24は、塵芥収容箱3の底部3aに設けた横桁3bの取付ブラケットに支持されている。
図1Bに示すように、第2フレーム22の第1板状部材22aには、取っ手部25が一体に設けられている。この取っ手部25は、傾動ストッパ20が折り曲げ待機状態のときに車両前方へ引き上げることで伸張状態になるように構成されている。伸張状態では、中間ピン23が第1長孔22cの下端側に移動され、上箱側ピン24が第2長孔22dの下端側に移動されて、第1フレーム21と第2フレーム22とが真っ直ぐに延びた状態になっている。この伸張状態から、取っ手部25を第1フレーム21の方へ押し下げることにより、第2フレーム22は、中間ピン23が第1長孔22cの上端側に移動されると共に、上箱側ピン24が第2長孔22dの上端端側に移動されて、固定状態になるようになっている。この固定状態では、第2フレーム22の連結板22bの下端部内面側と、第1フレーム21の上端部外面側とが係合されるようになっている。
一方、取っ手部25は、塵芥収容箱3の傾動角度が0°となる傾動ストッパ20の折り畳み状態で、側面視において取っ手部25の少なくとも一部が第1フレーム21と重なるように配置されている。
塵芥収容箱3の底部3aにおける第2フレーム22の上端近傍には、塵芥収容箱3が限界角度αになったのを検出し、傾動シリンダ8の作動を規制するストッパ検出センサ26が設けられている。ストッパ検出センサ26は、PLC50と電気的に接続されている。ストッパ検出センサ26は、例えば近接センサよりなるが、機械式のリミットスイッチでもよい。一方、第2フレーム22における第1板状部材22aの上端には、舌状の被検出部27が突出して設けられている。塵芥収容箱3が限界角度αになり、さらに傾動ストッパ20を固定状態にしたときに、第2フレーム22の被検出部27をストッパ検出センサ26の検出部26aが検出するように構成されている。
また、図1Aに示すように、サブフレーム10には、折り畳み状態の第1フレーム21の上端部を支持するクッション部材28が設けられている。クッション部材28は、例えば、円錐台状のゴムクッションよりなるが、その形状等は特に限定されない。
次に、本実施形態に係る塵芥収集車1の作動について説明する。
図2に実線で示す走行時、塵芥積込時には、塵芥投入箱6は塵芥収容箱3に対して閉じた状態にされ、塵芥収容箱3は、サブフレーム10上で傾動角度が0°の状態にある。このとき、傾動ストッパ20は第1フレーム21の上に第2フレーム22が重なる折り畳み状態でサブフレーム10内に収容され、第1フレーム21の上端部がクッション部材28に支持されている。両端に長孔22c,22dを有する第2フレーム22を含む傾動ストッパ20が折り畳み状態でクッション部材28に確実に支えられて安定するので、走行時等に振動しにくい。
そして、塵芥収容箱3内の塵芥を排出するには、まず、回動シリンダ9を伸張させ、図6Aにて塵芥投入箱6を上方へ回動させる。この状態では、図1Aに示すように、傾動シリンダ8は縮小状態にあって、傾動ストッパ20も動いていない。
次いで、作業者がダンプスイッチ80(図5参照)を上げ操作してPLC50を介して傾動シリンダ8を駆動すると、塵芥収容箱3の傾動が開始される。それに伴って、折り畳まれていた傾動ストッパ20も連動して動き出す。
次いで、図6B及び図6Cに示すように、傾動シリンダ8の伸長に伴って傾動ストッパ20も起き上がってくる。このとき、中間ピン23は、第1長孔22c内を第1長孔22cの下端側へ移動し、箱側ピン24は、第2長孔22d内を第2長孔22dの上端側へ移動する。そして、塵芥収容箱3の傾動角度が増大するにつれて、第1フレーム21と第2フレーム22とのなす角は増大していく。
そして、図6Dに示すように、塵芥収容箱3の角度が限界角度αになる。傾動シリンダ8の制御の上では、この限界角度αが最大起立角度となってこれ以上は傾動しない。このとき、傾動ストッパ20は、折れ曲がったままの折り曲げ待機状態となる。この折り曲げ待機状態では、第2長孔22dよりも第1長孔22cの方が長いので、第1フレーム21の上端と第2フレーム22の下端に重力で加わる回転モーメントにより、意図せずに第1フレーム21と第2フレーム22が真っ直ぐになるのを防ぐことができる。
次に、排出作業後などで塵芥収容箱3の角度が限界角度αの状態からダンプスイッチ80を下げ操作すると、PLC50により傾動シリンダ8が収縮動作されて傾動角度が小さくなるように塵芥収容箱3が傾動する。この傾動を開始するとき、傾動ストッパ20は、折り曲げ待機状態のままなので、塵芥収容箱3の傾動を阻害しない。
一方、塵芥収容箱3の下でメンテナンス作業しなければならない場合などには、図1Bに二点鎖線で順次示すように、作業者は、折り曲げ待機状態の傾動ストッパ20の取っ手部25を手で持ち、取っ手部25を車両前方へ徐々に引き上げる。すると、中間ピン23は第1長孔22cの下端側にあり、箱側ピン24は第2長孔22dの下端側にあって傾動ストッパ20が真っ直ぐな伸張状態となる。このとき、第2フレーム22の被検出部27は、ストッパ検出センサ26の検出部26aの真正面にないので検出されない。
次いで、作業者は取っ手部25を手で持って第2フレーム22を第1フレーム21側に押し下げると、中間ピン23は第1長孔22cの上端側に移動し、箱側ピン24は第2長孔22dの上端側に移動する。このとき、図1Bに矢視図を拡大して示すように、係合部としての連結板22bの下端部内面側と第1フレーム21の上端部外面側とが当接するようにして第1フレーム21に第2フレーム22が係合し、固定状態となる。この固定状態となったときに、第2フレーム22の被検出部27がストッパ検出センサ26の検出部26aの真正面に来て検出される。
すなわち、図5に示すストッパ検出センサ26オンとなり、そのオン信号がPLC50に入力される。PLC50は、ストッパ検出センサ26からのオン信号をトリガにして、コントロールバルブ63に停止信号を送って傾動シリンダ8の伸縮動作を停止させる。このストッパ検出センサ26からのオン信号がPLC50に入力されている間は、PLC50は、作業者がダンプスイッチ80を操作してもその操作を受け付けないようになっている。これにより、一人の作業者が傾動された状態の塵芥収容箱3の下に入ってメンテナンス作業をしている場合に、誤って別の作業者がダンプスイッチ80を下げ操作したとしても、塵芥収容箱3は下げ方向に動かず、安全である。また、塵芥収容箱3の上昇傾動中や、塵芥収容箱3が限界角度αまで傾動されて傾動ストッパ20が固定状態にされているときに、油圧が抜けるトラブルが発生した場合、後方に倒れようとする塵芥収容箱3を傾動ストッパ20が引っ張るので、傾動シリンダ8の損傷や車両転倒等を防ぐことができる。
一方、塵芥のメンテナンス作業等が完了して塵芥収容箱3を降下させるときには、図1Bに二点鎖線で示すように、作業者は取っ手部25を手で持って第2フレーム22を第1フレーム21と反対側に引き上げると、固定状態が解除されて伸張状態になる。具体的には、第2フレーム22を引き上げると、中間ピン23は第1長孔22cの下端側に移動し、箱側ピン24は第2長孔22dの下端側に移動する。これにより、連結板22bの下端部内面側と第1フレーム21の上端部外面側との係合が解除される。
次に、作業者は、伸張状態の傾動ストッパ20について取っ手部25を手で持って第2フレーム22を車両後方に押し下げる。これにより、傾動ストッパ20は、伸張状態から折り曲げ待機状態になる。
このとき、折れ曲がり部に近い第2長孔22dが第1長孔22cよりも長いので、取っ手部25を押したときに傾動ストッパ20が折れ曲がりやすい。そして、被検出部27がストッパ検出センサ26の検出領域から外れるので、傾動シリンダ8の操作が可能となる。
次いで、作業者は、ダンプスイッチ80を下げ操作する。すると、PLC50により傾動シリンダ8が縮小動作され、塵芥収容箱3の傾動角度が小さくなっていき、最終的には傾動角度が0°となる。これにより、傾動ストッパ20は折り畳み状態になる。
このように、本実施形態では、第1長孔22c及び第2長孔22dによって滑らかに傾動ストッパ20が折り畳み状態と伸張状態の間で回動する。
また、傾動ストッパ20は、限界角度αにおいて、取っ手部25が引っ張られて第1フレーム21と第2フレーム22とが互いに相対移動することで真っ直ぐな伸張状態にされ、さらに伸張状態の第1フレーム21と第2フレーム22とが相互に固定される固定状態に切り換えられた位置で被検出部27がストッパ検出センサ26に検出されるので、傾動ストッパ20を固定状態にするとすぐに荷箱の傾動動作を規制できる。
以上説明したように、本実施形態の塵芥収集車1によれば、コンパクトな構成で塵芥収容箱3を限界角度αで確実に保持することができる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
例えば、上記実施形態では、荷役車両は、塵芥収集車としたが、ダンプカーなどの傾動可能な荷箱を有するものであればよい。
また、上記実施形態では、第2フレーム22において、第2板状部材22eよりも車幅方向内側に配設された第1板状部材22aに取っ手部25を設けたが、本発明はこれに限らず、第1板状部材よりも車幅方向外側に配設された第2板状部材に取っ手部を設けてもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
1 塵芥収集車(荷役車両)
2 車台
3 塵芥収容箱(荷箱)
3a 底部
3b 横桁
4 後方開口部
5 投入箱支持ピン
6 塵芥投入箱
7 塵芥投入口
8 傾動シリンダ
9 回動シリンダ
10 サブフレーム
10a 傾動軸
10b クロスメンバ
10c 傾動シリンダ取付用ブラケット
10d ストッパ取付用ブラケット
15 押込シリンダ
16 油圧モータ
20 傾動ストッパ
21 第1フレーム
21a 第1下側ピン
22 第2フレーム
22a 板状部材
22b 連結板(係合部)
22c 第1長孔
22d 第2長孔
23 中間ピン
24 箱側ピン
25 取っ手部
26 ストッパ検出センサ
26a 検出部
27 被検出部
28 クッション部材
30 油圧機器
40 エンジン
41 動力取出装置
50 PLC
51 油圧ポンプ
61a 油圧配管
61b 油圧配管
61c 油圧配管
62 油圧タンク
63 コントロールバルブ
64 リターンフィルタ
80 ダンプスイッチ

Claims (5)

  1. 車台に設けられるサブフレームと、
    上記サブフレームに傾動シリンダを介して傾動可能に搭載される荷箱と、
    上記サブフレームにおける上記傾動シリンダの近傍に設けられ、上記荷箱が所定の限界角度において該荷箱の傾動動作を規制する折り畳み可能な傾動ストッパと、
    上記傾動シリンダの伸縮を制御する制御部と、
    上記制御部に電気的に接続されるストッパ検出センサと、
    を備えており、
    上記傾動ストッパは、下端が上記サブフレームに回動可能に連結されると共に、上端が上記荷箱の底部に回動可能に連結され、中間部で折り畳み状態にすることが可能に構成されており、上記荷箱の上記限界角度において真っ直ぐに伸ばした伸張状態にして固定すると、上記ストッパ検出センサが作動して、上記制御部が上記傾動シリンダの作動を規制するように構成されている
    ことを特徴とする荷役車両。
  2. 請求項1に記載の荷役車両において、
    上記傾動ストッパは、
    下端が上記サブフレームに回動可能に連結される第1フレームと、
    上端が上記荷箱の底部にスライド移動可能に且つ回動可能に連結され、下端が上記第1フレームの上端にスライド移動可能に且つ回動可能に連結される第2フレームと、
    上記第2フレームの上端に設けられた被検出部とを備え、
    上記荷箱が上記限界角度となったときの上記傾動ストッパの折り曲げ待機状態から、上記第1フレームと上記第2フレームとを互いに相対移動させながら真っ直ぐに変位させて固定したときに、上記ストッパ検出センサが上記被検出部を検出して上記制御部が上記傾動シリンダの作動を規制するように構成されている
    ことを特徴とする荷役車両。
  3. 請求項2に記載の荷役車両において、
    上記第2フレームには、取っ手部が一体に設けられており、該取っ手部を引くことで、上記傾動ストッパが上記折り曲げ待機状態から上記伸張状態になるように構成されており、
    上記荷箱の傾動角度が0°となる上記傾動ストッパの折り畳み状態で、側面視において上記取っ手部の少なくとも一部が上記第1フレームと重なるように該取っ手部が配置されている
    ことを特徴とする荷役車両。
  4. 請求項3に記載の荷役車両において、
    上記第2フレームの下端には、上記第1フレームの上端に設けた中間ピンが挿通される第1長孔が形成され、
    上記第2フレームの上端には、上記荷箱の底部に設けた箱側ピンが挿通される第2長孔が形成されており、
    上記第2フレームには、上記中間ピンを第1長孔の下端側に移動させ、上記箱側ピンを上記第2長孔の下端側に移動させて真っ直ぐに延ばしたあと、上記中間ピンを第1長孔の上端側に移動させ、上記箱側ピンを上記第2長孔の上端側に移動させた固定状態で上記第1フレームに係合して上記傾動ストッパが折れ曲がらないようにする係合部が設けられている
    ことを特徴とする荷役車両。
  5. 請求項3又は4に記載の荷役車両において、
    上記傾動シリンダの下端は、上記サブフレームに設けたクロスメンバに回動可能に支持され、
    上記第1フレームの下端も上記クロスメンバに回動可能に支持されており、
    上記サブフレームには、折り畳み状態の上記傾動ストッパにおける上記第1フレームの上端部を支持するクッション部材が設けられている
    ことを特徴とする荷役車両。
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