JP7159791B2 - 光コネクタ用フェルール及び光コネクタ用フェルール加工方法 - Google Patents
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Description
一般に、図7(a)左側に示す一対のガイド穴2と光ファイバ挿入孔3が開口した端面210を備えた光コネクタ用フェルール200どうしを付き合わせて、光ファイバどうしをPC接続する際には、反射戻り光を低減するため、図7(a)右側に示すように、端面210を研磨して傾斜端面212を形成し、残りの端面部分を垂直端面211として残す。
そして、光コネクタ用フェルール200どうしを付き合わせて、光ファイバどうしをPC接続した場合、図7(b)に示すように、端面210のうち、傾斜端面212どうしが対向する領域が接合端面206となる。図7(b)では、接合端面206の領域を便宜的に太線で示す。
図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る光コネクタ用フェルールとしてのMTフェルールを説明する。
図1(a)に、本実施形態のMTフェルールの端面をガイド穴の軸線方向からみた正面図を模式的に示し、図1(b)に、図1(a)に示したMTフェルールのI-I線に沿った断面図を模式的に示す。
なお、他の各実施形態におけるMTフェルールも、原則的に「JIS C5982」規格に則った寸法形状を有している。
なお、MTフェルール100は、一対のガイド穴2にガイドピンが挿入されていないメス型であってもよいし、一対のガイド穴2にガイドピンが挿入されたオス型であってもよい。
なお、光ファイバ挿入孔3の数は4本に限定されず、例えば、12本又は16本のような複数本であってもよい。また、光ファイバ挿入孔3の配列は、1列に限定されず、例えば、2列又は4列のような複数列であってもよい。
傾斜端面12は、反射戻り光を防止するため、垂直端面11に対して、θ=8°傾斜している。即ち、傾斜端面12の法線hは、一対のガイド穴2を含む平面と直交する方向へ、一対のガイド穴2の軸線Aに対してθ=8°傾斜している。
そして、図1(a)に示すように、傾斜端面12には、光ファイバ挿入孔3が配列して開口している。
その結果、図1(a)に示す傾斜端面12のうち、中心線分Cを中心線として延在する、中心線分Cと中心線分Cに直近の境界稜線である第1境界稜線13との間隔L1の2倍の幅(2×L1)の帯状領域4だけが、相手側のMTフェルール100と接合するPC接続時に相手側のMTフェルールと当接し、又は、わずかな隙間を隔てて互いに実質的に平行に対向する接合端面となり得る。
なお、後退領域5は、外側の領域41のうちの一部分だけであってもよいし、全部であってもよい。また、後退領域5の形状は特に限定されず、例えば、切り欠き形状であってもよいし、MTフェルール100の両側端縁を面取りした形状であってもよい。
図2を参照して、本発明の第2実施形態に係る光コネクタ用フェルールとしてのMTフェルールを説明する。
図2(a)は、本実施形態のMTフェルールの側面図であり、図2(b)は、図2(a)に示したMTフェルールの端面をガイド穴の軸線方向から見た正面図であり、図2(c)は、PC接合した光コネクタ用フェルールの側面図である。
図2(a)に示すように、本実施形態のMTフェルール100aも、端面1aに、一対のガイド穴2の軸線Aと直交する垂直端面11aと、この垂直端面11aに対して傾斜した傾斜端面12aとを有する。
より具体的には、図2(b)に示すように、第1境界稜線13aの延長線が、一対のガイド穴2の開口を横断している。なお、第1境界稜線13が一対のガイド穴2に接していてもよい。
特に、本実施形態では、第1境界稜線13aを一対のガイド穴よりも外側へ延長した稜線部分を含む領域が研削されて、後退領域5aが形成されている。
その結果、帯状領域4aのうち、一対のガイド穴2間の領域のみが接合端面6aとなる。
なお、後退領域5aは、図2(b)に示すような切り欠き形状であってもよいし、MTフェルール100aの両側端縁を面取りした形状であってもよい。
これにより、光コネクタどうしを接続する際に、MTフェルール100aの接合端面6aにおける埃の挟込みの一層の低減を図ることができる。
図3を参照して、本発明の第3実施形態に係る光コネクタ用フェルールとしてのMTフェルールを説明する。
図3(a)は、本実施形態のMTフェルールの側面図であり、図3(b)は、図3(a)に示したMTフェルールの端面をガイド穴の軸線方向から見た正面図であり、図3(c)は、PC接合したMTフェルールの側面図である。
図3(a)に示すように、本実施形態のMTフェルール100bも、端面1bに、一対のガイド穴2の軸線Aと直交する垂直端面11bと、この垂直端面11bに対して傾斜した傾斜端面12bとを有する。
そして、図3(a)に示すように、傾斜端面12bには、光ファイバ挿入孔3が配列して開口している。
なお、第1境界稜線13bは、一対のガイド穴2の開口20に接していてもよい。
特に、本実施形態では、第2境界稜線14を一対のガイド穴2よりも外側へ延長した稜線部分を含む領域が研削されて、後退領域5bが形成されている。
その結果、帯状領域4bのうち、一対のガイド穴2間の領域のみが接合端面6bとなる。
これにより、光コネクタどうしを接続する際に、MTフェルール100bの接合端面6bにおける埃の挟込みの一層の低減を図ることができる。
図4を参照して、本発明の第4実施形態に係る光コネクタ用フェルール加工方法を説明する。図4(a)~図4(c)は、本実施形態に係る光コネクタ用フェルール加工方法の工程図ある。
図4(a)に示すように、本実施形態では、加工対象のMTフェルール300の当初の端面10全体が、一対のガイド穴2の軸線A(図2参照)と直交する垂直端面となっている。
まず、垂直端面となっている当初の端面10を研削して、光ファイバ挿入孔3が開口し、一対のガイド穴2の軸線Aに対して傾斜した傾斜端面12aを形成する(図2(a)参照)。
本実施形態では、図4(b)に示すように、傾斜端面形成工程において、垂直端面11aと傾斜端面12aとの境界に、一対のガイド穴2の開口中心を結ぶ中心線分Cと平行な第1境界稜線13aが形成される。傾斜端面12aの上側は、直近の境界稜線である第1境界稜線13aによって画成される。
次に、一対のガイド穴2の軸線A方向から見て、中心線分Cを中心線として延在する、中心線分Cと中心線分Cに直近の第1境界稜線13aとの間隔の2倍の幅を有する帯状領域4aのうち、一対のガイド穴2よりも中心線分Cの延在方向外側の領域の少なくとも一部分を研削して、傾斜端面12が成す平面Pよりも後退した後退領域5aを形成する(図2(b)及び図2(c)参照)。
このようにして、第2実施形態において説明したMTフェルール100aが形成される。
図5を参照して、本発明の第5実施形態に係る光コネクタ用フェルール加工方法を説明する。図5(a)~図5(d)は、本実施形態に係る光コネクタ用フェルール加工方法の工程図ある。
図5(a)に示すように、本実施形態では、加工対象のMTフェルール300の当初の端面10全体が、一対のガイド穴2の軸線Aと直交する垂直端面となっている。
まず、垂直端面となっている当初の端面10を研削して、光ファイバ挿入孔3が開口し、一対のガイド穴2の軸線Aに対して傾斜した傾斜端面12bを形成する(図3(a)参照)。
図5(b)に示すように、本実施形態では、傾斜端面形成工程において、垂直な端面10の研削残存部分である垂直端面11bと傾斜端面12bとの境界に、一対のガイド穴2の開口中心を結ぶ中心線分Cと平行な第1境界稜線13bが形成される。この第1境界稜線13bによって、傾斜端面12bの上側が画成される。
次に、端面10のうちの傾斜端面12の、中心線分Cを挟んで第1境界稜線13bの反対側に、傾斜端面12bの成す平面Pよりも後退した後退部7を形成する(図3(a)及び図3(b)参照)。
図5(c)に示すように、本実施形態では、後退部形成工程において、傾斜端面12bと後退部7との境界に、直近の境界稜線として、中心線分Cと平行な第2境界稜線14が形成される。
次に、一対のガイド穴2の軸線A方向から見て、中心線分Cを中心線として延在する、中心線分Cと中心線分Cに直近の第2境界稜線14との間隔の2倍の幅を有する帯状領域4bのうち、一対のガイド穴2よりも中心線分Cの延在方向外側の領域41の少なくとも一部分を研削して、傾斜端面12が成す平面Pよりも後退した後退領域5bを形成する(図3(a)及び図3(b)参照)。
このようにして、第3実施形態において説明したMTフェルール100bが形成される。
図6を参照して、本発明の第6実施形態に係る光コネクタ用フェルール加工方法を説明する。図6(a)~図6(c)は、本実施形態に係る光コネクタ用フェルール加工方法の工程図ある。
図6(a)に示すように、本実施形態では、加工対象のMTフェルール300は、当初の端面10全体が、一対のガイド穴2の軸線Aと直交する垂直端面となっている。
まず、図6(b)に示すように、MTフェルール300の端面10のうち、一対のガイド穴2よりも、一対のガイド穴2の開口中心を結ぶ中心線分Cの延在方向外側の領域の少なくとも一部分を研削して、研削部8を形成する。本実施形態では、同図に示すように、MTフェルール300の両側端縁を面取りして、研削部8を形成する。
次に、図6(c)に示すように、垂直端面10を研削して、一対のガイド穴2の軸線Aに対して傾斜し、かつ、中心線分Cを挟んだ両側のうちの図面上側が、中心線分Cと平行な第1境界稜線13cによって画成された傾斜端面12cを形成する。垂直端面10のうち、研削されなかった部分が垂直端面11cとして残存する。
なお、研削部8の形状は、面取り形状に限定されず、例えば、MTフェルール100cの両側端縁が、両側端縁に沿って延在する切り欠き形状となっていてもよい。
また、上述した第1~第3実施形態では、光ファイバ挿入孔2に光ファイバを挿入していない形態を示したが、本発明では、光ファイバ挿入孔に光ファイバが挿入され固定されていてもよい。
また、上述した第4~第6実施形態では、光ファイバ挿入孔に光ファイバを挿入していない状態で、光ファイバ用フェルールの端面を研削した例を説明したが、本発明では、光ファイバ挿入孔に光ファイバを挿入して固定した状態で、光ファイバ用フェルールの端面を研削してもよい。
また、光ファイバ挿入孔に挿入される光ファイバは、光ファイバの先端にロッド状の屈折率分布(Gradient Index,GRIN)レンズを同軸に融着したレンズ付き光ファイバであることが好ましい。
2 ガイド穴
3 光ファイバ挿入孔
4,4a,4b 帯状領域
5,5a,5b 後退領域
6,6a,6b 接合端面
7 後退部
8 研削部
11,11a,11b 垂直端面
12,12a,12b 傾斜端面
13,13a,13b 第1境界稜線
41 外側の領域
100,100a,100b,200,300 MTフェルール
A ガイド穴の軸線
C 中心線分
Claims (5)
- 相手側の光コネクタ用フェルールと対向する端面を備え、前記端面に一対のガイド穴が開口し、前記端面の前記一対のガイド穴の開口の間に光ファイバ挿入孔が配列して開口した光コネクタ用フェルールであって、
前記端面は、
前記一対のガイド穴の軸線と直交する垂直端面と、
前記一対のガイド穴及び前記光ファイバ挿入孔が開口し、かつ前記一対のガイド穴の軸線に対して傾斜した傾斜端面と、
前記傾斜端面を挟んで前記垂直端面の反対側に設けられた、前記傾斜端面の成す平面よりも後退した後退部と
を有し、
前記傾斜端面は、前記一対のガイド穴の開口中心を結ぶ中心線分を挟んだ両側の境界稜線によって画成され、
前記境界稜線の一方は、前記垂直端面と前記傾斜端面との境界を成す第1境界稜線であり、
前記境界稜線の他方は、前記傾斜端面と前記後退部との境界を成して前記中心線分と平行である第2境界稜線であり、
前記第2境界稜線と前記中心線分との距離は、前記第1境界稜線と前記中心線分との距離よりも短く、
前記一対のガイド穴の軸線方向から見て、前記中心線分を中心線として延在する、前記中心線分と前記第2境界稜線との間隔の2倍の幅を有する帯状領域のうち、前記一対のガイド穴よりも前記中心線分の延在方向外側の領域の少なくとも一部分に、前記傾斜端面が成す平面よりも後退した後退領域を有する
ことを特徴とする、光コネクタ用フェルール。 - 前記垂直端面の、前記第1境界稜線と反対側の端縁から前記第1境界稜線までの距離が、0.8mmより長く、かつ、前記端縁から前記光ファイバ挿入孔の開口までの距離よりも短い
ことを特徴とする、請求項1記載の光コネクタ用フェルール。 - 前記第1境界稜線が前記一対のガイド穴に接し、又は、前記第1境界稜線の延長線が前記一対のガイド穴を横断している
ことを特徴とする、請求項1又は2記載の光コネクタ用フェルール。 - 前記第2境界稜線が前記一対のガイド穴に接し、又は、前記第2境界稜線の延長線が前記一対のガイド穴を横断している
ことを特徴とする、請求項1乃至3の何れかに記載の光コネクタ用フェルール。 - 請求項1に記載の光コネクタ用フェルールを製造するための光コネクタ用フェルール加工方法であって、
加工前の段階において、光コネクタ用フェルールは、前記一対のガイド穴の軸線と直交する垂直な端面を有し、
前記光コネクタ用フェルールの前記垂直端面を残して前記一対のガイド穴の軸線に対して傾斜した角度で前記垂直な端面を研削して、前記光コネクタ用フェルールの前記第1境界稜線と前記光コネクタ用フェルールの前記傾斜端面を含む傾斜した端面とを形成する傾斜端面形成工程と、
前記光コネクタ用フェルールの前記傾斜端面を残して前記傾斜した端面を研削して、前記第2境界稜線と前記後退部とを形成する後退部形成工程と、
研削して前記後退領域を形成する後退領域形成工程と
を有することを特徴とする、光コネクタ用フェルール加工方法。
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