JP2017116855A - 光コネクタフェルール、光コネクタ、及び光結合構造 - Google Patents

光コネクタフェルール、光コネクタ、及び光結合構造 Download PDF

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祥 矢加部
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貴子 細川
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Abstract

【課題】フェルール端面の清掃が容易であり、複数本の光ファイバを同時に接続する場合であっても接続に大きな力を必要とせず、調芯作業が容易な光コネクタフェルール、光コネクタ、及び光結合構造を提供する。【解決手段】フェルール2A,2Bは、光ファイバ保持孔13と、当接面14と、当接面14の裏側に位置する端面11aと、一対のガイド孔と、フェルール2A,2Bの端面11a間の間隔を規定する構造とを有する。当接面14、端面11a、及び当接面14と端面11aとの間のいずれにもレンズ構造は含まれていない。端面11aの領域11aaの法線は、光ファイバ保持孔13の中心軸線に対して方向A3に傾いている。端面11aにおいて、一対のガイド孔の中心を結ぶ直線に対して光ファイバ保持孔13の中心軸線は方向A3にずれている。【選択図】図4

Description

本発明は、光コネクタフェルール、光コネクタ、及び光結合構造に関するものである。
特許文献1には、多芯光ファイバ同士を接続する光コネクタに用いられるフェルールが開示されている。このフェルールは、複数本の光ファイバ心線を保持するための複数の孔と、複数本の光ファイバ心線の先端部と当接して該先端部の位置決めを行う内面と、端面において内面の前方に設けられた凹部と、凹部に一体形成されたレンズとを備える。
米国特許出願公開第2012/0093462号明細書
光ファイバ同士のコネクタ接続の方式として、一般的にPC(Physical Contact)方式が知られている。図11(a)及び図11(b)は、PC方式のフェルールの構造の一例を示す側断面図である。図11(a)は接続前の状態を示し、図11(b)は接続している状態を示す。このフェルール100は、円柱状の外観を有しており、光ファイバ心線120を保持するための孔102を中心軸線上に有する。光ファイバ心線120は、孔102に挿通され、フェルール100の先端面104において先端部が外部に僅かに突出する。このPC方式では、光ファイバ心線120の先端部を、接続相手側コネクタの同先端部と物理的に接触させて押圧することにより(図11(b))、光ファイバ心線120同士を効率的に光結合させる。このような方式は、主に単心光ファイバ同士を接続する際に用いられる。
しかしながら、このような方式には次の問題がある。すなわち、フェルール端面に異物が付着した状態で接続してしまうと、押圧力によってフェルール端面に異物が密着してしまう。密着した異物を取り除くためには接触式のクリーナを使用する必要があり、また、異物の密着を防ぐためには頻繁に清掃を行う必要がある。また、複数本の光ファイバを同時に接続する場合、1本毎に所定の押圧力が要求されるので、光ファイバの本数が多くなるほど接続に大きな力が必要となる。
上記の問題に対し、例えば特許文献1に記載されたように、互いに接続される光ファイバの先端面の間に間隔を設け、該間隔部分にレンズを配置したものがある。図12は、そのようなフェルールの構造の一例を模式的に示す側断面図である。このフェルール200は、光ファイバ心線120を保持するための孔202と、光ファイバ心線120の先端部と当接して該先端部の位置決めを行う内面204と、端面205において内面204の前方に設けられたレンズ208とを備える。しかしながら、このような構造では、光ファイバ心線120に加えてレンズ208の位置も正確に調芯される必要がある。従って、調芯作業を要する部品点数が増し、各部品に許容される位置誤差(トレランス)が厳しくなるので、調芯工程が複雑化・長時間化してしまう。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、フェルール端面の清掃が容易であり、複数本の光ファイバを同時に接続する場合であっても接続に大きな力を必要とせず、調芯作業が容易な光コネクタフェルール、光コネクタ、及び光結合構造を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明の一実施形態に係る光コネクタフェルールは、光ファイバが挿入される光ファイバ保持孔と、光ファイバの先端面が当接される当接面と、当接面の裏側に位置し相手側光コネクタフェルールと対向する端面と、光ファイバ保持孔の中心軸線と交差する第1の方向に並んで端面に形成され、ガイドピンがそれぞれ挿入される一対のガイド孔と、端面と相手側光コネクタフェルールとの間隔を規定する構造と、を有し、当接面、端面、及び当接面と端面との間のいずれにもレンズ構造が含まれておらず、端面のうち少なくとも光ファイバ保持孔の中心軸線と交わる領域の法線が、光ファイバ保持孔の中心軸線に対して該中心軸線及び第1の方向と交差する第2の方向に傾いており、端面において、一対のガイド孔の中心を結ぶ直線に対して光ファイバ保持孔の中心軸線が第2の方向にずれている。
本発明によれば、フェルール端面の清掃が容易であり、複数本の光ファイバを同時に接続する場合であっても接続に大きな力を必要とせず、調芯作業が容易な光コネクタフェルール、光コネクタ、及び光結合構造を提供できる。
図1は、一実施形態に係る光結合構造の構成を示す斜視図である。 図2は、一実施形態に係る光結合構造の構成を示す側面図である。 図3は、フェルールの外観を示す斜視図である。 図4は、図1のIV−IV線に沿った側断面図である。 図5は、図2のV−V線に沿った平面断面図である。 図6は、光ファイバの先端面付近を拡大して示す断面図である。 図7は、フェルールの端面を示す正面図である。 図8は、フェルールの端面間隔を規定するための構造の一例を示す側断面図である。 図9は、フェルールの端面間隔を規定するための別の構造例を示す側断面図である。 図10は、フェルールの端面間隔を規定するための更に別の構造例を示す側断面図である。 図11(a)及び図11(b)は、PC方式のフェルールの構造の一例を示す側断面図である。 図12は、フェルールの構造の一例を模式的に示す側断面図である。
[本願発明の実施形態の説明]
最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明の一実施形態に係る光コネクタフェルールは、光ファイバが挿入される光ファイバ保持孔と、光ファイバの先端面が当接される当接面と、当接面の裏側に位置して相手側光コネクタフェルールと対向する端面と、光ファイバ保持孔の中心軸線と交差する第1の方向に並んで端面に形成され、ガイドピンがそれぞれ挿入される一対のガイド孔と、端面と相手側光コネクタフェルールとの間隔を規定する構造とを有する。当接面、端面、及び当接面と端面との間のいずれにもレンズ構造は含まれていない。端面のうち少なくとも光ファイバ保持孔の中心軸線と交わる領域の法線は、光ファイバ保持孔の中心軸線に対して該中心軸線及び第1の方向と交差する第2の方向に傾いている。端面において、一対のガイド孔の中心を結ぶ直線に対して光ファイバ保持孔の中心軸線は第2の方向にずれている。
また、本発明の一実施形態に係る光結合構造は、互いに接続される第1及び第2の光コネクタフェルールを備える。第1及び第2の光コネクタフェルールは、光ファイバが挿入される光ファイバ保持孔と、光ファイバの先端面が当接される当接面と、当接面の裏側に位置する端面と、をそれぞれ有する。第1の光コネクタフェルールの端面と第2の光コネクタフェルールの端面とは互いに対向している。当接面、端面、及び当接面と端面との間のいずれにもレンズ構造は含まれていない。第1の光コネクタフェルールにおいて、端面のうち少なくとも光ファイバ保持孔の中心軸線と交わる領域の法線は、光ファイバ保持孔の中心軸線に対して該中心軸線と交差する第2の方向に傾いている。第2の光コネクタフェルールにおいて、端面のうち少なくとも光ファイバ保持孔の中心軸線と交わる領域は、第1の光コネクタフェルールの領域と略平行である。第1の光コネクタフェルールの光ファイバ保持孔の中心軸線と、第2の光コネクタフェルールの光ファイバ保持孔の中心軸線とは第2の方向に互いにずれている。第1の光コネクタフェルールの端面と第2の光コネクタフェルールの端面との間隔を規定する構造を更に備える。
上記の光コネクタフェルールは、端面と相手側光コネクタフェルールとの間隔を規定する構造を備える。同様に、上記の光結合構造は、第1の光コネクタフェルールの端面と第2の光コネクタフェルールの端面との間隔を規定する構造を備える。これにより、端面と相手側光コネクタフェルールとの間(または、第1及び第2の光コネクタフェルールの端面の間)に所定の間隔を容易に設けることができる。従って、非接触の光結合構造を実現し、端面の清掃を容易に(或いは清掃不要に)することができる。また、PC方式と異なり、接続に大きな力を必要とせずに、複数本の光ファイバを同時に接続することができる。
また、上記の光コネクタフェルールでは、端面のうち少なくとも光ファイバ保持孔の中心軸線と交わる領域の法線が、光ファイバ保持孔の中心軸線(すなわち光ファイバの光軸)に対して第2の方向に傾いており、且つ、端面において、一対のガイド孔の中心を結ぶ直線に対して光ファイバ保持孔の中心軸線が第2の方向にずれている。同様に、上記の光結合構造では、第1の光コネクタフェルールにおいて、端面のうち少なくとも光ファイバ保持孔の中心軸線と交わる領域の法線が、光ファイバ保持孔の中心軸線に対して第2の方向に傾いており、第2の光コネクタフェルールにおいて、端面のうち少なくとも光ファイバ保持孔の中心軸線と交わる領域が、第1の光コネクタフェルールの上記領域と略平行であり、第1及び第2の光コネクタフェルールの各光ファイバ保持孔の中心軸線同士が第2の方向に互いにずれている。これらにより、端面における反射戻り光を低減できるとともに、端面における光路の屈折を考慮して光結合を好適に実現できる。
また、当接面、端面、及び当接面と端面との間のいずれにもレンズ構造が含まれていないので、光路上に存在する光学要素の数を少なくできる。これにより、光接続損失を抑えることができるとともに、調芯工程を容易化し、製造工程を少なくしてコストを低く抑えることができる。
上記の光コネクタフェルールにおいて、当接面と端面との間に位置し少なくとも光ファイバ保持孔の中心軸線を含む部分は、波長800nm以上1600nm以下の光に対して60%以上95%以下の透過率を有してもよい。
上記の光コネクタフェルールは、光ファイバ保持孔を複数有してもよい。上記の光コネクタフェルールによれば、そのような場合であっても、大きな力を必要とせずに相手側光コネクタフェルールとの接続を行うことができる。
上記の光コネクタフェルールにおいて、上記構造は端面に形成された凸部であってもよい。これにより、端面と相手側光コネクタフェルールとの間隔を規定する構造を好適に実現できる。また、端面と一体に成形することが可能なので、他の様々な構造と比較して容易に形成することができる。
本発明の一実施形態に係る光コネクタは、上記いずれかの光コネクタフェルールと、光ファイバ保持孔に挿入され、先端面に近づくに従ってモードフィールド径が徐々に大きくなり、先端面においてモードフィールド径が最大となる光ファイバと、を備える。このような光ファイバは通常の光ファイバと比較して小さな開口数を有する。従って、出射光の拡がりを抑え、レンズを介さなくても光ファイバ同士の光結合効率を高めることができる。
[本願発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係る光コネクタフェルール、光コネクタ、及び光結合構造の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1及び図2は、本発明の一実施形態に係る光結合構造1Aの構成をそれぞれ示す斜視図及び側面図である。図1及び図2に示されるように、本実施形態の光結合構造1Aは、所定の接続方向A1(前後方向)に沿って互いに接続される第1及び第2の光コネクタフェルール(以下、単にフェルールという)2A及び2Bを備える。フェルール2A及び2Bは、互いに同一の形状(略直方体状)を有し、例えば樹脂によって構成される。フェルール2A及び2Bは、一方に対して他方が上下反転した状態で互いに対向している。図3は、一つのフェルール2A(または2B)の外観を示す斜視図である。なお、以下に説明する各図においては、接続方向A1と交差する第1の方向(左右方向)A2、並びに接続方向A1及び方向A2の双方と交差する第2の方向(上下方向)A3が必要に応じて示されている。
図1〜図3に示されるように、フェルール2A,2Bは、接続方向A1の一端側に設けられた端面11aを有する。フェルール2Aの端面11aと、フェルール2Bの端面11aとは、フェルール2A及び2Bが互いに接続された状態において、所定の間隔をあけて互いに対向する。所定の間隔の幅は、例えば50μm以上100μm以下であり、一例では60μmである。本実施形態では、端面11aの一部の平坦な領域11aa(図3参照)の法線が、接続方向A1に対して方向A3に僅かに傾いている。また、領域11aaは、当該端面11aにおける他の平坦な領域11abに対して方向A3に沿って並んでいる。領域11abは、接続方向A1に対して垂直に延びている。
図3に示されるように、端面11aには、方向A2に沿って並ぶ一対のガイド孔11g,11hが形成されている。これらのガイド孔11g,11hそれぞれには、一対のガイドピンがそれぞれ挿入される。また、フェルール2A,2Bは、接続方向A1の他端側に設けられた後端面11bと、接続方向A1に沿って延びる一対の側面11c,11dと、底面11e及び上面11fとを更に有する。後端面11bには、複数本の光ファイバをまとめて受け入れる導入孔12(図1参照)が形成されている。
図4は、図1のIV−IV線に沿った側断面図である。また、図5は、図2のV−V線に沿った平面断面図である。なお、図4及び図5には、フェルール2A,2Bに挿入される複数本(図には8本を例示)の光ファイバ10が併せて示されている。これらの光ファイバ10及びフェルール2A(若しくは2B)によって、本実施形態の光コネクタが構成される。複数本の光ファイバ10は、接続方向A1に沿って各々延びており、方向A2に沿って並んで配置されている。各光ファイバ10は、光ファイバ心線10aと光ファイバ心線10aを覆う樹脂被覆10bとを有し、接続方向A1における途中から先端面10cに亘って樹脂被覆10bが除去されることにより光ファイバ心線10aが露出している。光ファイバ10は、例えばシングルモードファイバである。
図4及び図5に示されるように、フェルール2A,2Bは、光ファイバ10がそれぞれ挿入される複数の光ファイバ保持孔13と、光ファイバ10の先端面10cが当接される平坦な当接面14とを有する。当接面14は、上面11fに形成された凹部17の一側面によって構成されている。前述した端面11aは、当接面14の裏側に位置する。当接面14は、光ファイバ保持孔13の中心軸線に対して略垂直に延びている。複数の光ファイバ保持孔13は、導入孔12から凹部17に亘って貫通するようにそれぞれ形成されている。これらの光ファイバ保持孔13の中心軸線は、接続方向A1に沿って延びている。従って、前述した第1の方向A2及び第2の方向A3は、光ファイバ保持孔13の中心軸線と交差する方向でもある。これらの光ファイバ保持孔13それぞれには、複数本の光ファイバ心線10aそれぞれが挿入されて保持される。各光ファイバ心線10aの先端面10cは、当接面14と当接することにより、接続方向A1において位置決めされる。
一方のフェルールにおいて光ファイバ心線10aの先端面10cから出射した光は、拡がりながら該フェルールの端面11aを通過し、他方のフェルールの端面11aを通過して、光ファイバ心線10aの先端面10cに入射する。本実施形態では、当接面14、端面11a、及び当接面14と端面11aとの間のいずれにもレンズ構造(光を集光若しくは平行化するための構造)が含まれていない。従って、各光ファイバ心線10aの先端面10cは、当接面14と端面11aとの間の部分の構成材料(例えば樹脂)のみを介して、端面11aと光結合される。これにより、フレネル損失を低減することができる。光路上に位置する構成材料、すなわち当接面14と端面11aとの間に位置し少なくとも光ファイバ保持孔13の中心軸線を含む部分の材料は、波長800nm以上1600nm以下の光に対して60%以上95%以下の透過率を有することが好ましい。
前述したように、フェルール2A,2Bには、方向A2に沿って並ぶ一対のガイド孔11g,11hが形成されている。これらのガイド孔11g,11hそれぞれには、一対のガイドピン21a,21b(図5参照)がそれぞれ挿入される。一対のガイドピン21a,21bは、フェルール2Aとフェルール2Bとの相対位置を固定する。
ここで、図6は、光ファイバ10の先端面10c付近を拡大して示す断面図である。図6に示されるように、端面11aのうち少なくとも光ファイバ保持孔13の中心軸線C1と交わる領域(本実施形態では領域11aa)の法線ベクトルV1は、光ファイバ保持孔13の中心軸線C1に対して方向A3に傾いている。この傾き角は、例えば8°以下である。そして、フェルール2A,2Bの各領域11aaは、フェルール2A,2Bが互いに対向する状態において互いに逆向きに同じ角度だけ傾いており、互いに略平行となっている。更に、フェルール2Aの光ファイバ保持孔13の中心軸線C1と、フェルール2Bの光ファイバ保持孔13の中心軸線C1とは、方向A3に互いにずれている。このずれ量ΔHは、端面11aの傾斜角および両端面11a間の距離によって決定され、例えば5μmである。
フェルール2A,2Bのこのような構造によれば、図4に示されたように、一方のフェルール2A(または2B)の光ファイバ心線10aの先端面10cから出射される光L1は、領域11aaにおいて方向A3へ屈折し、他方のフェルール2B(または2A)の領域11aaに入射する。この光L1は、他方のフェルール2B(または2A)の領域11aaにおいて再び屈折し、他方のフェルール2B(または2A)の光ファイバ心線10aの先端面10cに入射する。
また、図6に示されるように、光ファイバ10は、コア10d及びクラッド10eを有しており、先端面10cに近づくに従ってコア10dのモードフィールド径(MFD)が徐々に大きくなり、先端面10cにおいてMFDが最大となる。先端面10cにおけるMFDは、例えば20μmである。このような光ファイバ10は、通常の光ファイバと比較して小さな開口数を有する。従って、出射光の拡がりを抑え、レンズを介さなくても光ファイバ同士の光結合効率を高めることができる。なお、このような光ファイバ10は、例えばTECファイバ(Thermally-diffused Expanded Core Fiber)によって好適に実現される。
図7は、フェルール2A,2Bの端面11aを示す正面図である。図7に示されるように、端面11aにおいて、光ファイバ保持孔13の中心軸線C1は、一対のガイド孔11g,11hの中心を結ぶ直線E1に対し、方向A3において僅かにずれている。言い換えれば、フェルール2A,2Bの中心に対して光ファイバ10の中心軸線が底面11e側に僅かにずれている。従って、光路L1が屈折しても、フェルール2A及び2Bが互いに上下反転して接続されることにより、それぞれの光ファイバ10の光軸同士が互いに上下方向にずれるので、これらの光ファイバ10同士が好適に光結合される。
ここで、フェルール2Aの端面11aとフェルール2Bの端面11aとの所定の間隔を規定するための構造について詳細に説明する。図8は、そのような構造の一例を示す側断面図である。同図に示されるフェルール2A及び2Bは、端面11aに形成され、接続方向A1の前方に向けて突出した凸部11iを有する。凸部11iは、端面11aにおいて部分的に形成され、相手側のフェルールの端面11aに当接することにより、両端面11a間の所定の間隔を規定する。このような凸部11iによって、端面11a同士の間隔を規定する構造を好適に実現できる。また、端面11aと一体に成形することが可能なので、例えば以下に説明するような他の様々な構造と比較して、容易に形成することができ、部品点数も増えない。
図9は、別の構造例を示す側断面図である。同図に示される光結合構造1Aは、スペーサ22を備えている。スペーサ22は、端面11a上に設けられて、フェルール2Aの端面11aとフェルール2Bの端面11aとの間隔を規定する。具体的には、スペーサ22は開口22aを有する板状を呈しており、一方の面がフェルール2Aの端面11aに当接し、他方の面がフェルール2Bの端面11aに当接する。開口22aは、フェルール2Aが保持する複数本の光ファイバ10の先端面10cそれぞれと、フェルール2Bが保持する複数本の光ファイバ10の先端面10cそれぞれとの間に延びる複数本の光路L1を通過させる。スペーサ22の構成材料は例えばステンレス(SUS)等の金属である。
図10は、更に別の構造例を示す側断面図である。同図に示されるフェルール2A及び2Bでは、後端面11bにおいてガイド孔11g及び11hが塞がれている。そして、接続方向A1におけるガイド孔11g及び11hの深さは、ガイドピン21a,21bの長さの半分よりも僅かに短い。これにより、ガイドピン21a,21bの端部をガイド孔11g及び11hの閉塞部に当接させて、フェルール2A,2Bの両端面11aの間隔を規定することができる。
以上に説明した、本実施形態の光結合構造1A及びフェルール2A,2Bによって得られる効果について説明する。本実施形態のフェルール2A,2B若しくは光結合構造1Aは、フェルール2Aの端面11aとフェルール2Bの端面11aとの間隔を規定する構造を備える(例えば図8〜図10を参照)。これにより、フェルール2A,2Bの端面11aの間に所定の間隔を容易に設けることができる。従って、非接触の光結合構造を実現し、端面11aの清掃を容易に(或いは清掃不要に)することができる。また、PC方式と異なり、接続に大きな力を必要とせずに、複数本の光ファイバ10を同時に接続することができる。
また、フェルール2A,2Bでは、端面11aのうち少なくとも光ファイバ保持孔13の中心軸線C1と交わる領域11aaの法線ベクトルV1が、光ファイバ保持孔13の中心軸線C1(すなわち光ファイバ10の光軸)に対して方向A3に傾いており、且つ、端面11aにおいて、一対のガイド孔11g,11hの中心を結ぶ直線E1に対して光ファイバ保持孔13の中心軸線C1が同方向にずれている。言い換えると、一方のフェルール2Aにおいて、端面11aのうち少なくとも光ファイバ保持孔13の中心軸線C1と交わる領域11aaの法線ベクトルV1が、光ファイバ保持孔13の中心軸線C1に対して方向A3に傾いており、他方のフェルール2Bにおいて、端面11aのうち少なくとも光ファイバ保持孔13の中心軸線C1と交わる領域11aaが、一方のフェルール2Aの領域11aaと略平行である。そして、フェルール2Aの光ファイバ保持孔13の中心軸線C1と、フェルール2Bの光ファイバ保持孔13の中心軸線C1とが方向A3に互いにずれている。これらにより、端面11aにおける反射戻り光を低減できるとともに、端面11aにおける光路の屈折を考慮して光結合を好適に実現できる。
また、当接面14、端面11a、及び当接面14と端面11aとの間のいずれにもレンズ構造が含まれていないので、光路上に存在する光学要素の数を少なくできる。これにより、光接続損失を抑えることができるとともに、調芯工程を容易化し、製造工程を少なくしてコストを低く抑えることができる。
また、本実施形態では、光ファイバ10の先端面10cを当接面14に当接させ、フェルール2A,2Bの端面11aを介して光の入出射を行っている。仮に、光ファイバ10の先端面10cが端面11aにおいて露出している場合、反射戻り光を低減するために先端面10cを斜めに研磨する必要が生じる。しかし、先端面10cに近づくに従ってMFDが徐々に大きくなる光ファイバ10の場合、先端面10cを研磨すると先端面10cにおけるMFDが不明となり、光結合効率が低下するおそれがある。これに対し、本実施形態の構成によれば、そのような構造の光ファイバ10であっても、光結合効率を維持しながら反射戻り光を効果的に低減することができる。
また、本実施形態のように、フェルール2A,2Bは、光ファイバ保持孔13を複数有してもよい。本実施形態のフェルール2A,2Bによれば、そのような場合であっても、大きな力を必要とせずに相手側フェルールとの接続を行うことができる。
本発明によるフェルール、光コネクタ、及び光結合構造は、上述した実施形態に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態ではフェルール2A,2Bの端面11a間の隙間は空気で満たされているが、屈折率が一定の媒質であれば空気に限られない。また、上記実施形態では多芯フェルールに本発明を適用しているが、単芯フェルールにも適用可能である。
1A…光結合構造、2A,2B…フェルール、10…光ファイバ、10a…光ファイバ心線、10b…樹脂被覆、10c…先端面、10d…コア、10e…クラッド、11a…端面、11b…後端面、11c,11d…側面、11e…底面、11f…上面、11g,11h…ガイド孔、11i…凸部、12…導入孔、13…光ファイバ保持孔、14…当接面、21a,21b…ガイドピン、22…スペーサ、A1…接続方向、C1…中心軸線、E1…直線、L1…光、V1…法線ベクトル。

Claims (6)

  1. 光ファイバが挿入される光ファイバ保持孔と、
    前記光ファイバの先端面が当接される当接面と、
    前記当接面の裏側に位置して相手側光コネクタフェルールと対向する端面と、
    前記光ファイバ保持孔の中心軸線と交差する第1の方向に並んで前記端面に形成され、ガイドピンがそれぞれ挿入される一対のガイド孔と、
    前記端面と前記相手側光コネクタフェルールとの間隔を規定する構造と、を有し、
    前記当接面、前記端面、及び前記当接面と前記端面との間のいずれにもレンズ構造が含まれておらず、
    前記端面のうち少なくとも前記光ファイバ保持孔の中心軸線と交わる領域の法線が、前記光ファイバ保持孔の中心軸線に対して該中心軸線及び前記第1の方向と交差する第2の方向に傾いており、
    前記端面において、前記一対のガイド孔の中心を結ぶ直線に対して前記光ファイバ保持孔の中心軸線が前記第2の方向にずれている、光コネクタフェルール。
  2. 前記当接面と前記端面との間に位置し少なくとも前記光ファイバ保持孔の中心軸線を含む部分が、波長800nm以上1600nm以下の光に対して60%以上95%以下の透過率を有する、請求項1に記載の光コネクタフェルール。
  3. 前記光ファイバ保持孔を複数有する、請求項1または2に記載の光コネクタフェルール。
  4. 前記構造は前記端面に形成された凸部である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光コネクタフェルール。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の光コネクタフェルールと、
    前記光ファイバ保持孔に挿入され、前記先端面に近づくに従ってモードフィールド径が徐々に大きくなり、前記先端面においてモードフィールド径が最大となる光ファイバと、
    を備える光コネクタ。
  6. 互いに接続される第1及び第2の光コネクタフェルールを備え、
    前記第1及び第2の光コネクタフェルールは、
    光ファイバが挿入される光ファイバ保持孔と、
    前記光ファイバの先端面が当接される当接面と、
    前記当接面の裏側に位置する端面と、をそれぞれ有し、
    前記第1の光コネクタフェルールの前記端面と前記第2の光コネクタフェルールの前記端面とが互いに対向し、
    前記当接面、前記端面、及び前記当接面と前記端面との間のいずれにもレンズ構造が含まれておらず、
    前記第1の光コネクタフェルールにおいて、前記端面のうち少なくとも前記光ファイバ保持孔の中心軸線と交わる領域の法線が、前記光ファイバ保持孔の中心軸線に対して該中心軸線と交差する第2の方向に傾いており、
    前記第2の光コネクタフェルールにおいて、前記端面のうち少なくとも前記光ファイバ保持孔の中心軸線と交わる領域が、前記第1の光コネクタフェルールの前記領域と略平行であり、
    前記第1の光コネクタフェルールの前記光ファイバ保持孔の中心軸線と、前記第2の光コネクタフェルールの前記光ファイバ保持孔の中心軸線とが前記第2の方向に互いにずれており、
    前記第1の光コネクタフェルールの前記端面と前記第2の光コネクタフェルールの前記端面との間隔を規定する構造を更に備える、光結合構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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