JP7159510B1 - 樹脂複合体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

セルロース繊維および樹脂を含む樹脂複合体の製造方法であって、(A)パルプと、尿素と、水とを、パルプ固形分濃度が10~50質量%となるように混合し混合物を得て、前記パルプを前記尿素及び前記水からなる尿素水に浸漬する工程と、(B)前記工程(A)で得た浸漬後の前記混合物に相溶化樹脂を添加、混合し、乾燥することにより樹脂混合物を得る工程と、(C)一軸または多軸混練機を用いて、前記工程(B)で得た前記樹脂混合物を混練することによりマスターバッチを得る工程と、(D)一軸または多軸混練機を用いて、前記工程(C)で得た前記マスターバッチを、希釈用樹脂とともに混練することにより樹脂複合体を得る工程を含み、前記樹脂複合体に含まれる前記セルロース繊維は、平均繊維幅が1μm以下の割合が50体積%以上である。

Description

本発明は、微細化したセルロース繊維を含有する樹脂複合体の製造方法に関するものである。
植物繊維を細かく解すことで得られる微細繊維状セルロースは、ミクロフィブリルセルロース及びセルロースナノファイバーを包含するものであり、約1nm~数10μm程度の繊維径の微細繊維である。微細繊維状セルロースは、軽量で、且つ、高い強度および高い弾性率を有し、低い線熱膨張係数を有することから、樹脂組成物の補強材料として好適に使用されている。
微細繊維状セルロースは、通常、水に分散している状態で得られるものであり、樹脂等と均等に混合させることが困難であった。そのため、樹脂との親和性・混和性を向上させるために、セルロース原料を化学変性する試みがなされてきた。
例えば、特許文献1では、セルロース原料と尿素とを加熱処理することにより、セルロースのヒドロキシ基の一部をカルバメート基で置換したセルロース原料を得て、これを機械的処理により微細化し、微細繊維状セルロースを得ている。この方法で得られた微細繊維状セルロースは、従来の微細繊維状セルロースと比較して親水性が低く、極性の低い樹脂等との親和性が高いため、樹脂に均一性高く分散し、高い強度を有する複合体を与える。
しかし、高い強度を有するだけでなく、他の特性とのバランスに優れる樹脂成形体を得ることが可能な樹脂複合体の製造方法が求められていた。
特開2019-1876号公報
本発明の目的は、高い引張強度を有し、引張伸びとのバランスに優れる樹脂成形体を得ることが可能な樹脂複合体の製造方法を提供することである。
本発明は、以下を提供する。
(1) セルロース繊維および樹脂を含む樹脂複合体の製造方法であって、(A)パルプと、尿素と、水とを、パルプ固形分濃度が10~50質量%となるように混合し混合物を得て、前記パルプを前記尿素及び前記水からなる尿素水に浸漬する工程と、(B)前記工程(A)で得た浸漬後の前記混合物に相溶化樹脂を添加、混合し、乾燥することにより樹脂混合物を得る工程と、(C)一軸または多軸混練機を用いて、前記工程(B)で得た前記樹脂混合物を混練することによりマスターバッチを得る工程と、(D)一軸または多軸混練機を用いて、前記工程(C)で得た前記マスターバッチを、希釈用樹脂とともに混練することにより樹脂複合体を得る工程を含み、前記樹脂複合体に含まれる前記セルロース繊維は、平均繊維幅が1μm以下の割合が50体積%以上である、樹脂複合体の製造方法。
(2) 前記工程(A)における前記パルプを前記尿素水に浸漬する浸漬時間が10分~72時間である、(1)記載の樹脂複合体の製造方法。
(3) 前記工程(B)が、前記樹脂混合物の固形分濃度が50質量%以上となるまで乾燥することを特徴とする、(1)または(2)記載の樹脂複合体の製造方法。
(4) 前記工程(B)の乾燥は、一軸または多軸混練機を用いて行うことを特徴とする(1)~(3)の何れかに記載の樹脂複合体の製造方法。
(5) 前記工程(B)と前記工程(C)とを同一の一軸または多軸混練機を用いて連続的に行うことを特徴とする(4)記載の樹脂複合体の製造方法。
本発明によれば、高い引張強度を有し、引張伸びとのバランスに優れる樹脂成形体を得ることが可能な樹脂複合体の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の樹脂複合体の製造方法について説明する。本発明において「~」は端値を含む。すなわち「X~Y」はその両端の値XおよびYを含む。
本発明のセルロース繊維および樹脂を含む樹脂複合体の製造方法は、(A)パルプと、尿素と、水とを、パルプ固形分濃度が10~50質量%となるように混合し混合物を得て、前記パルプを前記尿素及び前記水からなる尿素水に浸漬する工程と、(B)前記工程(A)で得た浸漬後の前記混合物に相溶化樹脂を添加、混合し、乾燥することにより樹脂混合物を得る工程と、(C)一軸または多軸混練機を用いて、前記工程(B)で得た前記樹脂混合物を混練することによりマスターバッチを得る工程と、(D)一軸または多軸混練機を用いて、前記工程(C)で得た前記マスターバッチを、希釈用樹脂とともに混練することにより樹脂複合体を得る工程を含み、前記樹脂複合体に含まれる前記セルロース繊維は、平均繊維幅が1μm以下の割合が50体積%以上である。
(セルロース繊維)
本発明において、セルロース繊維とは、繊維状のセルロースであり、繊維状のセルロース誘導体をさらに含んでもよい。本発明の製造方法で得られる樹脂複合体に含まれるセルロース繊維は、平均繊維幅が1μm以下の割合が、十分な強度の向上効果と伸びのバランスが得られるという観点から50体積%以上であり、55体積%以上が好ましく、60体積%以上がより好ましく、65体積%以上がさらに好ましい。ここで、樹脂複合体に含まれるセルロース繊維の平均繊維幅は、X線コンピューティッドトモグラフィ(以下、X-CTと略することとがある。)により、測定することができる。
本発明の製造方法で得られる樹脂複合体に含まれるセルロース繊維の含有量は、十分な補強効果を得るという観点から樹脂複合体の全体に対して、0.5~30質量%が好ましく、1.0~25質量%がより好ましく、3.0~20質量%がさらに好ましい。
(樹脂)
本発明に用いる樹脂としては、溶融温度が250℃以下の、以下の一般的な熱可塑性樹脂を挙げることができる。
一般的な熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエステル、ポリ乳酸、乳酸とエステルとの共重合樹脂、ポリグリコール酸、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリフェニレンオキシド、ポリウレタン、ポリアセタール、ビニルエーテル樹脂、ポリスルホン系樹脂、セルロース系樹脂(トリアセチル化セルロース、ジアセチル化セルロースなど)等を使用することができる。
ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン(以下「PP」とも記す)、エチレン-プロピレン共重合体、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、ポリブタジエンなどを使用することが可能である。
またポリアミド樹脂(PA)は、尿素の作用を受けていないセルロースの水酸基やアセチル基との相互作用も期待され、好適に使用することができる。PAとしては、ポリアミド6(ナイロン6、PA6)、ポリアミド11(ナイロン11、PA11)、ポリアミド12(ナイロン12、PA12)、ポリアミド66(ナイロン66、PA66)、ポリアミド46(ナイロン46、PA46)、ポリアミド610(ナイロン610、PA610)、ポリアミド612(ナイロン612、PA612))等の脂肪族PA、フェニレンジアミン等の芳香族ジアミンと塩化テレフタロイルや塩化イソフタロイル等の芳香族ジカルボン酸又はその誘導体からなる芳香族PA等を挙げることができる。セルロース繊維、セルロースナノファイバーとの親和性が高い観点から、脂肪族PAを用いることが好ましく、PA6、PA11、PA12を用いることがより好ましく、PA6を用いることが特に好ましい。また、ポリアミド樹脂は、1種類を単独で使用してもよく、2種以上のポリアミド樹脂を混合して使用してもよい。
上記で例示した樹脂は、ホモポリマーとしての使用の他に、各種公知の機能を有する樹脂を半量以下含むコポリマーとしたブロック共重合体として使用することも可能である。
(工程(A):パルプを尿素水に浸漬する工程)
本発明の工程(A)では、パルプと、尿素と、水とを、パルプ固形分濃度が10~50質量%、好ましくは12~44質量%、より好ましくは12~40質量%、さらに好ましくは15~35質量%となるように混合し混合物を得て、パルプを尿素及び水からなる尿素水に浸漬し、尿素水浸漬パルプを得る。本願においてパルプ固形分濃度とは、パルプと水の質量から以下の式で算出される。
パルプ固形分濃度(%)=パルプ固形分の質量/(水の質量+パルプ固形分の質量)×100
パルプ固形分濃度が高すぎると尿素のパルプへの浸漬にムラが生じやすくなり、低すぎると添加する尿素が多量に必要となるなど経済性で劣り、またその後の脱水時に微細繊維が系外に離脱しやすくなるなどの品質低下を起こしやすくなる。
(パルプ)
本発明においては、セルロース原料としてパルプを用いるものであり、尿素がセルロースと均一に浸透し接触することが、最終的な強化樹脂として強度向上に繋がる観点から、尿素水に浸漬する前に、パルプに対して機械的処理を行うことが好ましい。
(セルロース原料)
本発明において、セルロース原料とは、セルロースを主体とした様々な形態の材料をいい、リグノセルロース(NUKP)を含むものであり、パルプ(晒又は未晒木材パルプ、晒又は未晒非木材パルプ、精製リンター、ジュート、マニラ麻、ケナフ等の草本由来のパルプなど)、酢酸菌等の微生物によって生産されるセルロース等の天然セルロース、セルロースを銅アンモニア溶液、モルホリン誘導体等の何らかの溶媒に溶解した後に再沈殿された再生セルロース、及び上記セルロース原料に加水分解、アルカリ加水分解、酵素分解、爆砕処理、振動ボールミル等の機械的処理等をすることによってセルロースを解重合した微細セルロース、アセチル化変性に影響を及ぼさない程度の各種セルロース誘導体などが例示される。
なお、リグノセルロースは、植物の細胞壁を構成する、複合炭水化物ポリマーであり、主に多糖類のセルロース、ヘミセルロースと、芳香族高分子であるリグニンから構成されている。リグニンの含有量は、原材料となるパルプ等に対して、脱リグニン、又は漂白を行うことにより、調整することができる。
本発明において機械的処理とは、一般には水に代表される分散媒中の繊維を混合しさらに微細化またはフィブリル化することをいい、叩解、解繊、分散等を含む。微細化は繊維長、繊維径等が小さくなることいい、フィブリル化は繊維の毛羽立ちが多くなることをいう。機械的処理に用いる装置は限定されないが、例えば、高速回転式、コロイドミル式、高圧式、ロールミル式、超音波式などのタイプの装置が挙げられ、高圧または超高圧ホモジナイザー、リファイナー、ビーター、PFIミル、ニーダー、ディスパーザー、高速離解機、トップファイナーなど回転軸を中心として、含水するパルプを金属または刃物とパルプ繊維を作用させるもの、あるいはパルプ繊維同士の摩擦によるものを使用することができる。本発明においては、繊維のフィブリル化を効率的に進めることができるため、機械的処理はリファイナーやニーダーを用いた叩解であることが好ましく、高濃度処理が可能なディスクリファイナーやコニカルリファイナーを用いた叩解処理であることがさらに好ましい。
機械的処理は上記パルプと分散媒を含む混合物を用いて実施されるが、その際のパルプ固形分濃度は1質量%以上であってもよいが、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、18質量%以上であるとさらに好ましい。(当該濃度での機械的処理を「高濃度機械的処理」ともいう。)分散媒は限定されず、有機溶媒や水を用いることができるが、好ましくは水である。パルプ固形分濃度とは、機械的処理に供される前記水とパルプの混合物におけるパルプ固形分の濃度である。固形分濃度が10質量%以上と高い条件にてパルプに対して叩解等の機械的処理を行うことで、処理効率の向上、ハンドリング性の向上などのメリットが得られる。ハンドリング性としては、例えば、高濃度機械的処理を行った後に希釈処理せずに高濃度のまま輸送することができる点や、高濃度機械的処理を経たパルプ分散液の粘度が高くなくポンプでの輸送効率が良好であること、さらには当該分散液の保存容器内への張り付きなどが少ない等の点が挙げられる。さらに、高濃度機械的処理の後に乾燥工程を実施する場合、揮発する分散媒量が少なく乾燥効率が良好である点も挙げられる。さらに本発明のパルプにおいて化学変性を施したパルプを高濃度機械的処理すると分散液の粘度が上昇しにくいため好ましい。
機械的処理時のパルプ固形分濃度が50質量%を超えると、処理に伴い装置内で乾燥が進み、材料の焦げ付きが発生しやすくなるため、50質量%以下の条件で処理することが好ましく、40質量%以下の条件がさらに好ましい。
なお、本発明で用いるパルプは、未変性の状態で使用してもよいが、アセチル化、酸化、エーテル化、エステル化等の化学変性がされていても良い。
(アセチル化変性)
本発明に用いることができるアセチル化変性されたパルプ(単に、「アセチル化パルプ」ということがある。)は、セルロース原料のセルロース表面に存在する水酸基の水素原子がアセチル基(CH-CO-)で置換されているものである。アセチル基で置換されることにより疎水性が高まり、乾燥時の凝集が減少するため作業性が高まり、混練後の樹脂中で分散や解繊しやすくなる。また反応性の高い水酸基がアセチル基で置換されるためセルロースの熱分解が抑制され、混練時の耐熱性が向上する。アセチル化パルプのアセチル基置換度(DS)は、作業性およびセルロース繊維の結晶性維持の観点から、好ましくは0.4~1.3、より好ましくは0.6~1.1となるように調整する。
(アセチル化反応)
アセチル化反応は、セルロース原料を膨潤させることのできる無水非プロトン性極性溶媒、例えばN-メチルピロリドン(NMP)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)中に原料を懸濁し、無水酢酸、アセチルクロリド等のハロゲン化アセチル等を使用して、塩基の存在下で行うと短時間で反応を行うことが可能となる。このアセチル化反応で用いる塩基としては、ピリジン、N,N-ジメチルアニリン、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等が好ましく、炭酸カリウムがより好ましい。また、無水酢酸などのアセチル化試薬を過剰に使用することで無水非プロトン性極性溶媒や塩基を使用しない条件で反応を行うことも可能である。
アセチル化反応は、例えば、室温~100℃で撹拌しながら行うことが好ましい。反応処理後はアセチル化試薬の除去のため減圧乾燥を行ってもよい。また目標のアセチル基置換度に到達していない場合、アセチル化反応とそれに続く減圧乾燥を任意の回数繰り返し行ってもよい。
(洗浄)
アセチル化反応により得られたアセチル化パルプは、アセチル化処理後に水置換などの洗浄処理を行うことが好ましい。
(脱水)
洗浄処理においては必要に応じて脱水を行ってもよい。脱水法としてはスクリュープレスを用いた加圧脱水法、揮発などによる減圧脱水法などで実施も可能だが、効率の点から遠心脱水法が好ましい。脱水は、溶媒中のパルプ固形分が10~60%程度になるまで行うことが好ましい。
(乾燥)
本発明に用いることができるアセチル化パルプは、上記脱水工程の後、乾燥処理が施される。乾燥処理は、例えば、マイクロ波乾燥機、送風乾燥機や真空乾燥機を用いて行うことができるが、ドラム乾燥機、パドルドライヤー、ナウターミキサー、攪拌羽根のついた回分乾燥機など、攪拌しながら乾燥することができる乾燥機が好ましい。乾燥は、アセチル化パルプの含水率が1~40%程度になるまで行うことが好ましく、1~10%まで乾燥するがより好ましく、1~5%まで乾燥することがさらに好ましい。乾燥を施したパルプを使用することで、後述する混練工程において水によるパルプへの加水分解の影響を小さくすることが可能となる。
(酸化変性)
酸化は公知のとおりに実施できる。酸化処理により、予備解繊時のパルプ高濃度化の際のハンドリングが良好となる。例えばN-オキシル化合物と、臭化物、ヨウ化物およびこれらの混合物からなる群より選択される物質との存在下で、酸化剤を用いて水中で原料パルプを酸化する方法が挙げられる。この方法によれば、セルロース表面のグルコピラノース環のC6位の一級水酸基が選択的に酸化され、アルデヒド基、カルボキシル基、およびカルボキシレート基からなる群より選ばれる基が生じる。あるいは、オゾン酸化方法が挙げられる。この酸化反応によればセルロースを構成するグルコピラノース環の少なくとも2位および6位の水酸基が酸化されると共に、セルロース鎖の分解が起こる。
カルボキシル基量の測定方法の一例を以下に説明する。酸化セルロースの0.5質量%スラリー(水分散液)60mLを調製し、0.1M塩酸水溶液を加えてpH2.5とした後、0.05Nの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHが11になるまで電気伝導度を測定する。電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量(a)から、下式を用いて算出することができる。
カルボキシル基量〔mmol/g酸化セルロース〕=a〔mL〕×0.05/酸化セルロース質量〔g〕
このようにして測定した酸化セルロース中のカルボキシル基の量は、絶乾質量に対して、好ましくは0.1mmol/g以上、より好ましくは0.3mmol/g以上、さらに好ましくは0.5mmol/g以上、よりさらに好ましくは0.8mmol/g以上である。当該量の上限は、好ましくは3.0mmol/g以下、より好ましくは2.5mmol/g以下、さらに好ましくは2.0mmol/g以下である。従って、当該量は0.1~3.0mmol/gが好ましく、0.3~2.5mmol/gがより好ましく、0.5~2.5mmol/gがさらに好ましく、0.8~2.0mmol/gがよりさらに好ましい。
(エーテル化及びエステル化)
エーテル化及びエステル化としては、カルボキシメチル化や、リン酸エステル化、亜リン酸エステル、硫酸エステル化等、公知の方法で変性を行うことができる。
(カルボキシメチル化変性)
カルボキシメチル化は公知のとおりに実施できる。カルボキシメチル化処理により、予備解繊時のパルプ高濃度化の際のハンドリングが良好となる。カルボキシメチル化セルロースのグルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度の測定は例えば、次の方法による。すなわち、1)カルボキシメチル化セルロース(絶乾)約2.0gを精秤して、300mL容共栓付き三角フラスコに入れる。2)硝酸メタノール(メタノール1000mLに特級濃硝酸100mLを加えた液)100mLを加え、3時間振とうして、カルボキシメチルセルロース塩(カルボキシメチル化セルロース)を水素型カルボキシメチル化セルロースにする。3)水素型カルボキシメチル化セルロース(絶乾)を1.5g以上2.0g以下程度精秤し、300mL容共栓付き三角フラスコに入れる。4)80%メタノール15mLで水素型カルボキシメチル化セルロースを湿潤し、0.1NのNaOHを100mL加え、室温で3時間振とうする。5)指示薬として、フェノールフタレインを用いて、0.1NのHSOで過剰のNaOHを逆滴定する。6)カルボキシメチル置換度(DS)を、次式によって算出する:
A=[(100×F’-(0.1NのHSO)(mL)×F)×0.1]/(水素型カルボキシメチル化セルロースの絶乾質量(g))
DS=0.162×A/(1-0.058×A)
A:水素型カルボキシメチル化セルロースの1gの中和に要する1NのNaOH量(mL)
F:0.1NのHSOのファクター
F’:0.1NのNaOHのファクター
カルボキシメチル化セルロース中の無水グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度は、0.01以上が好ましく、0.05以上がより好ましく、0.10以上がさらに好ましい。当該置換度の上限は、0.50以下が好ましく、0.40以下がより好ましく、0.35以下がさらに好ましい。従って、カルボキシメチル基置換度は、0.01~0.50が好ましく、0.05~0.40がより好ましく、0.10~0.35がさらに好ましい。
パルプ、尿素、及び水を含む混合物を調製する方法としては、特に限定されないが、含水パルプに粉末尿素を添加してもよいし、乾燥パルプに水と粉末尿素を添加してもよいし、乾燥パルプに尿素水を添加してもよい。また水は加温した状態で使用してもよい。
ここで、パルプを尿素水に浸漬する浸漬時間としては、パルプへの浸透の観点から10分~72時間が好ましく、30分~48時間がより好ましく、60分~24時間が更に好ましい。
パルプを尿素水に浸漬することで、尿素がセルロースと均一に浸透し接触することが、最終的な強化樹脂として強度向上に繋がる。
尿素の配合量は、尿素の配合量が多すぎるために繊維が凝集し、強度が低下することを抑制する観点から、セルロース繊維に含まれるセルロースとヘミセルロースを合わせたセルロース繊維分の量(以後これを「セルロース量」と呼ぶことがある)100質量%に対して10~100質量%が好ましく、15~80質量%がより好ましく、20~70質量%がさらに好ましい。
(工程(B):相溶化樹脂を添加、混合、および乾燥する工程)
本発明の工程(B)では、工程(A)で得た浸漬後の混合物に相溶化樹脂を添加、混合し、乾燥することにより、樹脂混合物を得る。
(相溶化樹脂)
相溶化樹脂とは、セルロース繊維と希釈用樹脂との均一混合や密着性を高める目的で用いられるものである。本発明に用いる相溶化樹脂としては、マレイン酸、コハク酸、グルタル酸などの酸無水物を形成することが可能な低分子量のジカルボン酸を、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン鎖上に有する高分子樹脂を挙げることができ、中でもマレイン酸を付加させた無水マレイン酸変性ポリプロピレン(MAPP)や無水マレイン酸変性ポリエチレン(MAPE)を主成分とする樹脂を、それぞれ希釈用樹脂と共に用いることが好ましい。
本発明においては、後述する「マスターバッチ用樹脂」として、相溶化樹脂を用いる。
相溶化樹脂としての特徴を決める要素には、ジカルボン酸の付加量と母材となるポリオレフィン樹脂の重量平均分子量がある。ジカルボン酸の付加量が多いポリオレフィン樹脂はセルロースのような親水性高分子との相溶性を高めるが、付加の過程で樹脂としての分子量が小さくなってしまい成形物の強度が低下する。最適なバランスとしてジカルボン酸の付加量は、20~100mgKOH/gであり、さらに好ましくは45~65mgKOH/gである。付加量が少ない場合、樹脂中でセルロースの水酸基や変性セルロースに含まれる水酸基や変性官能基との相互作用をする点が少なくなる。また付加量が多い場合、樹脂中のカルボキシル基同士の水素結合などによる自己凝集や、過大な付加反応による母材となるオレフィン樹脂の分子量の減少により強化樹脂としての強度が未達となる。ポリオレフィン樹脂の分子量としては35,000~250,000が好ましく、50,000~100,000がさらに好ましい。分子量がこの範囲から小さい場合は樹脂として強度が低下し、この範囲から大きい場合は溶融時の粘度上昇が大きく、混練時の作業性が低下するとともに成形不良の原因となる。
上記の特徴を有する相溶化樹脂の添加量は、セルロース繊維に含まれるセルロースとヘミセルロースを合わせたセルロース繊維分の量(以後これを「セルロース量」と呼ぶことがある)に対し10~70質量%が好ましく、20~50質量%がさらに好ましい。添加量が70質量%を超えると尿素由来のイソシアン酸のセルロース繊維への導入阻害や、相溶化剤と尿素の複合体形成が促進されると考えられる。
また相溶化樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合樹脂として用いてもよい。また1種または2種以上のポリマーとポリオレフィンとのグラフト体として使用の場合、グラフト体を構成するポリオレフィン樹脂は特に限定されないが、グラフト体を製造しやすいという観点で、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等を使用することができる。
本発明においては、得られる樹脂複合体の強度が向上する観点から、尿素を助剤として添加する。尿素は温度が135℃を超える状態でアンモニアとイソシアン酸に分解されるが、尿素をセルロース繊維と同時に混練することにより、混練によって新たにセルロース繊維内部から現れた未変性水酸基と発生したイソシアン酸とが反応しウレタン結合の生成を促すと考えられ、尿素処理を行わないセルロース繊維と比較して疎水性が高まることが推測される。さらに酸無水物を有する相溶化樹脂と同時に溶融混練することで、セルロース繊維の表面に尿素処理によって新たに導入されたアミノ基と相溶化樹脂が有するカルボン酸との相互作用を促し、より強固にセルロース繊維と相溶化樹脂との複合体を形成することが可能となっていると考えられる。
工程(B)において、工程(A)で得たパルプ、尿素、及び水を含む混合物に相溶化樹脂を添加、混合し、乾燥する装置としては、乾燥機としては、マイクロ波乾燥機、送風乾燥機や真空乾燥機を用いて行うことができるが、ヘンシェルミキサーやスーパーミキサーといった回転軸が垂直に立ち撹拌翼で分散させながら乾燥が可能なミキサー、レーディゲミキサーなどの回転軸が水平の撹拌翼で分散させながら乾燥が可能なミキサー、一軸または多軸混練機、ドラム乾燥機、パドルドライヤー、ナウターミキサー、回分式乾燥機等の撹拌と乾燥を同時に実施できるミキサーを挙げることができ、作業効率に優れるという観点から、ヘンシェルミキサーやレーディゲミキサーを用いることが好ましい。なお、当該装置としては、後述する工程(C)でマスターバッチの製造に用いることが可能な一軸または多軸混練機を用いることも可能であり、同一の一軸または多軸混練機を用いて、工程(B)と工程(C)とを連続的に行うことができるため、作業性の観点から好ましい。
工程(B)では、混練時の短繊維化防止の観点から、パルプ、尿素、相溶化樹脂、及び水を含む樹脂混合物のパルプ固形分濃度が、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上となるまで乾燥する。固形分濃度の上限は、絶乾(100質量%)以下であり、99.5質量%以下であることが好ましく、99質量%以下であることがより好ましい。
(工程(C):マスターバッチを製造する工程)
本発明の工程(C)では、工程(B)で得た、パルプ、尿素、相溶化樹脂、及び水を含む樹脂混合物を、一軸または多軸混練機を用いて混練することにより、マスターバッチを製造する。また、工程(C)において前記樹脂混合物を混練する際に、工程(B)で用いた相溶化樹脂とは異なる樹脂を、パルプ量を超えない範囲で添加して、混練してもよい。
(混練機)
本発明の工程(C)では、一軸または多軸混練機を用いる。パルプと相溶化樹脂とを溶融混練可能であることに加え、パルプのナノ化を促す強い混練力を有する観点から、二軸混練機、四軸混練機等の多軸混練機を、スクリューを構成するパーツにニーディングやローターなどを複数含む構成であることが望ましい。
溶融混練の設定温度は使用する樹脂の溶融温度に合わせて調整することができる。溶融混練時の加熱設定温度は、熱可塑性樹脂供給業者が推奨する、最低加工温度±10℃程度が好ましい。混合温度をこの温度範囲に設定することにより、パルプおよび相溶化樹脂を均一に混合することができる。
(工程(D):樹脂複合体を製造する工程)
本発明の工程(D)では、工程(C)で得たマスターバッチを、一軸または多軸混練機を用いて希釈用樹脂とともに混練することにより、樹脂複合体を得る。
(希釈用樹脂)
本発明で用いる希釈用樹脂としては、上記した溶融温度が250℃以下の、一般的な熱可塑性樹脂を使用することができる。希釈用樹脂は、1種類を単独で使用してもよく、2種以上の樹脂を混合して使用してもよい。
希釈用樹脂を加えて溶融混練する際には、マスターバッチと希釈用樹脂とを室温下で加熱せずに混合してから溶融混練しても、加熱しながら混合して溶融混練しても良い。
希釈用樹脂を加えて溶融混練する場合における混練機としては、上記の工程(C)で用いる混練機と同様のものを使用することができる。また、溶融混練温度は、工程(C)で使用する相溶化樹脂に合わせて調整することができる。溶融混練時の加熱設定温度は、熱可塑性樹脂供給業者が推奨する最低加工温度±10℃程度が好ましい。温度をこの温度範囲に設定することにより、パルプと樹脂を均一に混合することができる。
(樹脂複合体)
本発明の製造方法により製造される樹脂複合体に含まれるパルプ由来のセルロース繊維は、平均繊維幅が1μm以下の割合が50体積%以上であり、55体積%以上が好ましく、60体積%以上がより好ましく、65体積%以上がさらに好ましい。
本発明の製造方法により製造される樹脂複合体は、更に、例えば、界面活性剤;でんぷん類、アルギン酸等の多糖類;ゼラチン、ニカワ、カゼイン等の天然たんぱく質;タンニン、ゼオライト、セラミックス、金属粉末等の無機化合物;着色剤;可塑剤;香料;顔料;流動調整剤;レベリング剤;導電剤;帯電防止剤;紫外線吸収剤;紫外線分散剤;消臭剤、酸化防止剤等の添加剤を配合してもよい。任意の添加剤の含有割合としては、本発明の効果が損なわれない範囲で適宜含有されてもよい。
本発明によれば、高い引張強度を有し、引張伸びとのバランスに優れる樹脂複合体を得ることが可能な樹脂複合体の製造方法を提供することができる。
(用途)
本発明の樹脂複合体を用いて、成形材料及び成形体(成型材料及び成型体)を製造することができる。成形体の形状としては、フィルム状、シート状、板状、ペレット状、粉末状、立体構造など各種形状等の各種形状の成形体が挙げられる。成形方法として、金型成形、射出成形、押出成形、中空成形、発泡成形等を用いることができる。
成形体(成型体)は、セルロース繊維を含むマトリックス成形物(成型物)が使用される繊維強化プラスチック分野に加え、熱可塑性及び機械強度(引張り強度等)が要求される分野にも使用できる。
自動車、電車、船舶、飛行機等の輸送機器の内装材、外装材、構造材等;パソコン、テレビ、電話、時計等の電化製品等の筺体、構造材、内部部品等;携帯電話等の移動通信機器等の筺体、構造材、内部部品等;携帯音楽再生機器、映像再生機器、印刷機器、複写機器、スポーツ用品等の筺体、構造材、内部部品等;建築材;文具等の事務機器等、容器、コンテナー等として有効に使用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
(引張強度、及び引張伸びの測定)
実施例および比較例で得られた樹脂成形体150gを小型成形機(Xplore Instruments社製「MC15」)に投入し、加熱筒(シリンダー)の温度を200℃とし、金型温度は40℃の条件で、ダンベル型試験片(タイプA12、JIS K 7139)を成形した。得られた試験片について、精密万能試験機(島津製作所(株)製「オートグラフAG-Xplus」)を用いて、試験速度1mm/分、初期標線間距離は30mmで、引張強度(降伏点強度)及び引張伸び(破断までのひずみ、伸び)を測定した。測定値のうち希釈用樹脂であるPPの引張強度値を100としたときの各サンプルの測定値の比率を補強率とし、その結果を表1に示す。パルプ由来のセルロース繊維を使用し希釈用樹脂としてPPを用いる場合は、引張強度は110以上であると強度に優れていることを示す。引張伸びの値が大きいほど、伸びに優れていることを示す。
(パルプの繊維長分布の測定)
叩解処理を行ったパルプの繊維長分布は、Lorentzen & Wettre社製ファイバーテスターを用いて測定した。本発明において繊維長とは、ISO16065に基づく数平均繊維長の事を示す。具体的には、パルプ乾燥質量0.1gを300mLの水で撹拌・離解し、ファイバーテスターにて測定した。
(アセチル基置換度(DS)の測定方法)
(逆滴定方法によるDSの測定)
アセチル化セルロースパルプの試料を乾燥し、0.5g(A)を正確に秤量した。そこにエタノール75mL、0.5NのNaOH 50mL(0.025mol)(B)を加え、3~4時間撹拌した。これを濾過、水洗、乾燥し、濾紙上の試料のFT-IR測定を行い、エステル結合のカルボニルに基づく吸収ピークが消失していること、つまりエステル結合が加水分解されていることを確認した。
濾液を下記の逆滴定に用いた。
濾液には加水分解の結果生じた酢酸ナトリウム塩及び過剰に加えられたNaOHが存在する。このNaOHの中和滴定を1NのHClを用いて行った(指示薬にはフェノールフタレインを使用)。
・0.025mol(B)-(中和に使用したHClのモル数)
=セルロースなどの水酸基にエステル結合していたアセチル基のモル数(C)
・(セルロース繰り返しユニット分子量162
×セルロース繰り返しユニットのモル数(未知(D))
+(アセチル基の分子量43×(C))
=秤量した試料0.5g(A)
上記式より、セルロースの繰り返しユニットのモル数(D)を算出した。
DSは、下記式により算出した。
・DS=(C)/(D)
(樹脂複合体中のセルロース繊維の平均繊維幅)
樹脂複合体中のセルロース繊維について、平均繊維幅が1μm以下の割合は、X線コンピューティッドトモグラフィ(以下X-CTと略する)(SKYSCAN1272(ブルカー社製):分解能0.5μm)により求めた。本装置は具体的には、作製したセルロース繊維を10%含有する樹脂複合体内部を1cm角で切り出し、これを上述の1ボクセル0.5μmの条件で測定した。これを3次元に再構成の後、200×200μm以上の平面を選択し、形状から繊維部と非繊維部を分離したのち、この画像を2値化し2ボクセル以下の繊維およびノイズを除去した。この平面画像をZ軸方向に対し200μmの範囲で10平面以上を使用して、繊維部(未解繊繊維量)の平均を求めた。上記操作により画像中に表示されている繊維は繊維幅が1μmより大きい繊維を意味する。この平均した未解繊繊維量の値を用いて以下の式で、平均繊維幅が1μm以下のセルロースの割合を求めた。
Figure 0007159510000001
なお、上記式において、実施例ではセルロース繊維を10%含有しているため、セルロース量は10%、セルロース密度は1.5g/cmとした。
本発明における解繊性の評価は、上記式によって測定した平均繊維幅が1μm以下のセルロース繊維の割合が、50%以上を「優」、50%未満を「劣」として評価した。結果を表1に示す。
(マスターバッチ及び樹脂複合体の製造に使用した材料)
(a)叩解パルプ
(b)尿素:(粉末状:和光純薬工業製)
(c)相溶化樹脂(マスターバッチ用樹脂)
・無水マレイン酸変性ポリプロピレン(MAPP):(東洋紡(株)製 トーヨータックPMA-H1000P:ジカルボン酸の付加量 57mgKOH/g)
(d)希釈用樹脂
・ ポリプロピレン(PP):(日本ポリプロ(株)製PP MA04A)
(製造例1)
(叩解パルプの製造)
固形分濃度20質量%の針葉樹未漂白クラフトパルプ(NUKP)を濾水度(CSF)が150mLになるまでシングルディスクリファイナー(熊谷理機工業社製、プレートの刃幅:4mm、溝幅:5mm)を用い、クリアランス:0.25mmの条件で3回叩解処理を行った。作製したパルプについて繊維長0.1mm以上0.5mm未満の割合が56%、繊維長1.5mm以上2.0mm未満の割合が5%であった。叩解処理後の含水パルプの重量は、叩解時の発熱によって固形分濃度が上昇し、16kg、固形分濃度は25質量%であった。
(製造例2)
(アセチル化叩解パルプの製造)
上記で得られた叩解パルプ、すなわち叩解処理を行った含水針葉樹未漂白クラフトパルプ(NUKP)16.0kg(固形分4.0kg)を、撹拌機(日本コークス工業(株)製「FM150L」)に投入した後、撹拌を開始し、50℃で減圧脱水した。次いで、無水酢酸4.0kgを加え、80℃で2時間反応させた。反応後、パルプを十分に水洗・脱水・減圧乾燥をしてパルプ固形分濃度が98質量%のアセチル化叩解パルプを得た。アセチル化叩解パルプのアセチル基置換度(DS)は0.5であった。
(実施例1)
(工程(A):パルプを尿素水に浸漬する工程)
粉末状の尿素をセルロース量に対して50%となるよう製造例1で得られた固形分濃度25質量%の叩解パルプ(絶対乾燥物として4kg、このうちセルロースとヘミセルロースを合わせたセルロース量は3.6kg、すなわち添加尿素量は乾燥重量として1.8kg)に添加し、18時間浸漬させた。
(工程(B):相溶化樹脂を添加、混合、および乾燥する工程)
この工程(A)を経た尿素水浸漬パルプに対して、相溶化樹脂(MAPP:0.9kg)を加え、撹拌機(ヘンシェルミキサー:日本コークス工業(株)製「FM150L」)にて混合した。この全量(18.7kg)を、ヘンシェルミキサーの撹拌熱を利用して、15分×6回の処理で、パルプ、尿素、相溶化樹脂及び水を含む樹脂混合物の固形分濃度が90質量%となるまで乾燥させた。
(工程(C):マスターバッチを製造する工程)
上記乾燥後の樹脂混合物750gを二軸混練機((株)テクノベル製「MFU15TW-45HG-NH」)に付属するフィーダーを用いて二軸混練機に投入、加熱温度下で混練し、マスターバッチを製造した。混練は以下の条件で実施した。混練条件:スクリュー径:15mm、L/D:45、混練温度:180℃、処理速度:300g/時、スクリュー回転数:200rpm。マスターバッチについては、全量を90℃の温水10L中で20分×3回撹拌し、洗浄処理を施した。洗浄後、温度105℃の送風乾燥機にて18時間の乾燥処理を行った。
(工程(D):樹脂複合体を製造する工程)
工程(C)で得たマスターバッチ30gと希釈用樹脂(PP)131gとを混合し、前記二軸混練機にて加熱温度下で混練した。次いで溶融混練物を、ペレタイザーを用いてペレット化し、セルロース分10%を含むペレット状の樹脂複合体(成形体)を得た。
(実施例2)
実施例1と同様に工程(A)を行い、その後の工程(B)において、ヘンシェルミキサーに代えて上記工程(C)で使用する二軸混練機を通すことで乾燥処理を行った。混練機の温度は110℃、スクリュー回転数を300rpmとし、混練後に、パルプ、尿素、相溶化樹脂及び水を含む樹脂混合物の固形分濃度が80質量%となるまで乾燥させたこと以外は実施例1と同様に樹脂複合体を得た。
(実施例3)
(工程(A):パルプを尿素水に浸漬する工程)
粉末状の尿素をセルロース量に対して50%となるよう製造例2で得られたアセチル化叩解パルプ(絶対乾燥物として4kg、このうちセルロースとヘミセルロースを合わせたセルロース量は3.1kg、すなわち添加尿素量は乾燥重量として1.55kg)に添加し、これに水21kg添加してパルプを18時間浸漬した。
次に、工程(B)ではヘンシェルミキサーによる乾燥処理を15分×5回として、パルプ、尿素、相溶化樹脂及び水を含む樹脂混合物の固形分濃度が80質量%となるまで乾燥したこと以外は、工程(B)および工程(C)を実施例1と同様に実施し、マスターバッチを得た。工程(D)において、工程(C)で得たマスターバッチ30gと希釈用樹脂(PP)158gとを混合し、前記二軸混練機にて実施例1と同様に混練し、セルロース分10%の樹脂複合体(成形体)を得た。
(実施例4)
実施例1と同様に工程(A)を行い、その後の工程(B)において、ヘンシェルミキサーによる乾燥処理を15分×4回として、パルプ、尿素、相溶化樹脂及び水を含む樹脂混合物の固形分濃度が60質量%となるまで乾燥したこと以外は、工程(B)、工程(C)および工程(D)を実施例1と同様に実施し、樹脂複合体(成形体)を得た。
(実施例5)
工程(A)の浸漬する時間を1時間としたこと、及び工程(B)において、ヘンシェルミキサーによる乾燥処理を15分×3回として、パルプ、尿素、相溶化樹脂及び水を含む樹脂混合物の固形分濃度が50質量%となるまで乾燥したこと以外は、工程(A)、工程(B)、工程(C)および工程(D)を実施例1と同様に実施し、樹脂複合体(成形体)を得た。
(実施例6)
(工程(A):パルプを尿素水に浸漬する工程)
製造例1で得られた固形分濃度25質量%の叩解パルプをヘンシェルミキサーで撹拌しながら乾燥させて、固形分濃度43.3質量%の叩解パルプを得た。粉末状の尿素をセルロース量に対して50%となるように、この固形分濃度43.3質量%の叩解パルプに添加し、18時間浸漬させた。
次に、工程(B)、工程(C)および工程(D)を実施例2と同様に実施し、樹脂複合体(成形体)を得た。
(比較例1)
製造例2で得られたアセチル化叩解パルプを乾燥重量で4kg準備し、工程(A)の尿素の添加を行わずに水を21kg添加してパルプを18時間浸漬したこと、及び、工程(C)の混練処理後の洗浄を行わなかったこと以外は工程(B)、工程(C)および工程(D)を実施例3と同様に実施し、樹脂複合体(成形体)を得た。
(比較例2)
粉末状の尿素をセルロース量に対して50%となるよう、製造例2で得られたアセチル化叩解パルプ(絶対乾燥物として4kg、このうちセルロースとヘミセルロースを合わせたセルロース量は3.1kg、すなわち添加尿素量は乾燥重量として1.55kg)に添加した。次いで、相溶化樹脂0.9kgを添加して、上記の撹拌機にて1分間処理し、混合した。得られた混合物を用いたこと以外は、工程(C)および工程(D)を実施例3と同様に実施し、樹脂複合体(成形体)を得た。
Figure 0007159510000002
表1に示すように、本発明の(A)パルプと、尿素と、水とを、パルプ固形分濃度が10~50質量%となるように混合し混合物を得て、前記パルプを前記尿素及び前記水からなる尿素水に浸漬する工程と、(B)前記工程(A)で得た浸漬後の前記混合物に相溶化樹脂を添加、混合し、乾燥することにより樹脂混合物を得る工程と、(C)一軸または多軸混練機を用いて、前記工程(B)で得た前記樹脂混合物を混練することによりマスターバッチを得る工程と、(D)一軸または多軸混練機を用いて、前記工程(C)で得た前記マスターバッチを、希釈用樹脂とともに混練することにより樹脂複合体を得る工程を含む製造方法によれば、得られる樹脂複合体に含まれる前記セルロース繊維は、平均繊維幅が1μm以下の割合が50体積%以上であり、この製造方法により製造される樹脂複合体は、高い引張強度を有し、引張伸びとのバランスに優れる。

Claims (6)

  1. セルロース繊維および樹脂を含む樹脂複合体の製造方法であって、
    (A)含水パルプに、尿素を添加してパルプ固形分濃度が10~50質量%の尿素水浸漬パルプを得る工程と、
    (B)前記工程(A)で得た前記尿素水浸漬パルプに相溶化樹脂を添加、混合し、乾燥することにより樹脂混合物を得る工程と、
    (C)一軸または多軸混練機を用いて、前記工程(B)で得た前記樹脂混合物を混練することによりマスターバッチを得る工程と、
    (D)一軸または多軸混練機を用いて、前記工程(C)で得た前記マスターバッチを、希釈用樹脂とともに混練することにより樹脂複合体を得る工程を含み、
    前記樹脂複合体に含まれる前記セルロース繊維は、平均繊維幅が1μm以下の割合が50体積%以上である、樹脂複合体の製造方法。
  2. セルロース繊維および樹脂を含む樹脂複合体の製造方法であって、
    (A)パルプに、尿素と、水とを添加してパルプ固形分濃度が10~50質量%の尿素水浸漬パルプを得る工程と、
    (B)前記工程(A)で得た前記尿素水浸漬パルプに相溶化樹脂を添加、混合し、乾燥することにより樹脂混合物を得る工程と、
    (C)一軸または多軸混練機を用いて、前記工程(B)で得た前記樹脂混合物を混練することによりマスターバッチを得る工程と、
    (D)一軸または多軸混練機を用いて、前記工程(C)で得た前記マスターバッチを、希釈用樹脂とともに混練することにより樹脂複合体を得る工程を含み、
    前記樹脂複合体に含まれる前記セルロース繊維は、平均繊維幅が1μm以下の割合が50体積%以上である、樹脂複合体の製造方法。
  3. 前記工程(A)における前記尿素水浸漬パルプを得るための浸漬時間が10分~72時間である、請求項1または2記載の樹脂複合体の製造方法。
  4. 前記工程(B)が、前記樹脂混合物の固形分濃度が50質量%以上となるまで乾燥することを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の樹脂複合体の製造方法。
  5. 前記工程(B)の乾燥は、一軸または多軸混練機を用いて行うことを特徴とする請求項1~の何れか一項に記載の樹脂複合体の製造方法。
  6. 前記工程(B)と前記工程(C)とを同一の一軸または多軸混練機を用いて連続的に行うことを特徴とする請求項記載の樹脂複合体の製造方法。
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