JP7157899B2 - 単分散ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート重合体およびその製造方法 - Google Patents

単分散ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート重合体およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、単分散ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート重合体に関する。より詳しくは、生体機能性化合物(タンパク薬剤、ポリペプチド、酵素、抗体、抗体医薬、遺伝子、オリゴ核酸等を含む核酸化合物、核酸医薬、抗がん剤、低分子薬物等のその他薬剤)の修飾剤や、高分子構造体、特に細胞足場用ハイドロゲルや反応性高分子微粒子を構成する要素として応用可能な、単分散ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート重合体に関する。
近年、ポリエチレングリコールを生体機能性化合物に結合(修飾)させた医薬品が実用化されている。これはポリエチレングリコールを修飾することで、生体機能性化合物の抗原性及び免疫原性を低減し、また見かけサイズが糸球体濾過限界より大きくなることで、腎クリアランスを回避、もしくは細胞クリアランスメカニズムを回避することにより、in vivoでの循環半減期の顕著な延長効果が見込まれるためである。
ポリエチレングリコール修飾剤としては、一般的に末端にメトキシ基を有する分子量5,000~40,000の直鎖状ポリエチレングリコールが使用されている。しかし、高分子量のポリエチレングリコール修飾剤を用いると、修飾後の薬剤の粘度が高くなるために、薬剤投与が困難になる場合があった。この問題を解決するために、ポリエチレングリコール修飾剤の代替として、高分子量分岐状のポリエチレングリコールを修飾剤として用いることや、末端にメトキシ基を有するポリエチレングリコールモノメタクリレートを重合した櫛型ポリマーを用いることが報告されている。
例えば非特許文献1では、平均分子量が460や2000の末端にメトキシ基を有するポリエチレングリコールモノメタクリレートを重合した櫛型ポリマーが開示されている。この櫛型ポリと結合したインターフェロンは、直鎖状のポリエチレングリコール修飾剤の場合と比較して低粘度を維持し、in vivoにおいて長い循環半減期を示すことが報告されている。
一方で、このようなポリエチレングリコール修飾剤と生体機能性化合物を結合させた医薬品において、生体機能性化合物に対するポリエチレングリコール修飾剤の結合個数により、修飾後の薬剤の効能、安定性、溶解性、毒性や薬剤保持時間が変化することが知られており(非特許文献2)、この結合個数を測定し、分離精製する必要がある。測定方法としては、電気泳動法、疎水性カラムクロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィーなどがあるが、近年、正確な分子量がわかる点から、マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析(MALDI-TOF MS)が注目されている(非特許文献3)。
また、非特許文献4、5には、末端にメトキシ基を有したポリエチレングリコールで修飾したリポソームやナノ粒子を同一個体に繰り返し投与すると、初回投与時に比べ、二回目以降の血中半減期が低下するABC(accelerated blood clearance)現象が起きる場合があることが報告されている。これに対する解決策のひとつとして、非特許文献6や特許文献1では、末端に水酸基を有するポリエチレングリコール修飾剤が報告されている。
末端に水酸基を有するポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートの製造方法は、一般的に2-ヒドロキシエチルメタクリレートを原料として、エチレンオキサイドを重合する。しかしこの場合、単一のエチレングリコール繰り返し数からなるポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートを得ることはできず、また両末端に(メタ)アクリロイル基を有する架橋性化合物が副生する。この架橋性化合物が数%含まれた状態で重合を行うと、架橋やゲル化が生じ、目的の直鎖状ポリマーが得られないといった問題がある。
他の製造方法としては、両末端に水酸基を有するポリエチレングリコールを原料として、酸性条件下で(メタ)アクリル酸を反応させる方法や、酸無水物、酸クロライドを反応させる方法が知られている。一般的にエチレングリコール繰り返し数が5以下の両末端に水酸基を有するポリエチレングリコールは蒸留により精製可能であるため、高純度原料を入手することで単分散ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートを合成可能である。しかし、エチレングリコール繰り返し数が6以上の場合は、重合により製造された分子量分布を有するポリエチレングリコールを原料とするため、単分散ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートは合成できない。更に、両末端に水酸基を有するポリエチレングリコールを原料とするため、前記の架橋性化合物が副生し、重合時に問題が生じる。
例えば、非特許文献7では、数平均分子量1000のポリエチレングリコールとアクリル酸無水物を反応させた例が報告されており、架橋性化合物が30%生成していることがわかる。塩化ナトリウム水溶液を用いた分液精製により、末端に水酸基を有するポリエチレングリコールモノアクリレートを得ているものの、歩留まりが低く、得られた目的物はエチレングリコール繰り返し数の異なる化合物を含んでいる。
A. godwin,Bioconjugate chem. , 2015年, 26, p452 A.P.Chapman,Advanced Drug Delivery Review,2002,54,p531 F.M.Veronese,Biomaterials,2001,22,p405 T.Ishida, H.Kiwada, et al.,J.control.Release,2007年,122,p349 W.Jiskoot, R.M.F.van Schie, etal.,Pharmaceutical Research, 2009年,26, 6, p1303 Mark G. P.Saifer, Bioconjugate chem., 2012年,23,p485 Jia-Heng Lei et al.,J Surf Deterg,2012年,15,p117
特開2012-214747号公報
以上述べたように、前記櫛型ポリマーは、モノマーとしてエチレングリコール繰り返し数の異なる化合物を含むポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートを用いて合成しているため、ポリマー主鎖の分子量分布のほかにポリマー側鎖の分子量にも分布が生じる。その結果、MALDI-TOF MSで測定した場合、m/z=44(CHCHO)ごとの分子イオンピークが多数観察され、測定結果の解析が煩雑、困難になるという欠点が挙げられる。更に、分離精製後の純度確認においても同様に解析が困難になるという欠点がある。
その結果として生体機能性化合物と前記櫛型ポリマーを結合させた医薬品において、前記櫛型ポリマーの結合個数が正確に測定できない場合、医薬品の効能、安定性、溶解性、毒性などにバラつきが生じ、品質の管理が困難になる恐れがある。
以上のことから、生体機能性化合物とポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート重合体を結合させた医薬品の純度確認の際に解析を容易にできるような櫛型ポリマーの開発が望まれていた。
本発明の課題は、生体機能性化合物とポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート重合体を結合させた医薬品および分離精製後の精製物の純度確認の際に解析を容易にできるような櫛型ポリマーを提供することである。
また、本発明は、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートを重合させて重合体を得るのに際して、副生成物を最小限に抑制できるような製法を提供することである。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析によって、複数のメインピークがポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートに由来する構成単位の分子量ごとに観測されるような単分散ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート重合体が上記課題を解決することを見出した。
更に、前記単分散ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートの製造において、適切な保護基を用い、合成工程を特定の順序で組み合わせることにより、架橋性化合物が副生することなく、またカラムクロマトグラフィー等の精製方法を用いなくとも、簡便な分液抽出のみで高純度な化合物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の[1]~[]を提供する。
[1] 下記工程[A]、工程[B]、工程[C]、工程[D]および工程[E]をこの順で行うことを特徴とする、鎖長純度が90%以上である単分散ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート重合体の製造方法。

工程[A]:式(2)で表される化合物と式(3)で表される化合物とを、数式(F1)を満たすように求核置換反応させ、式(4)で表される化合物を得る工程
工程[B]:式(4)で表される化合物を(メタ)アクリル酸無水物または(メタ)アクリル酸クロライドで(メタ)アクリル化し、式(5)で表される化合物を得る工程
工程[C]:式(5)で表される化合物を脱保護し、式(1)で表される単分散ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートを含有する混合物を得る工程
工程[D]:前記工程[C]で得られる前記混合物を精製する工程
工程[E]:前記工程[D]で得られた式(1)で表される単分散ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートを重合する工程

(M)AO-(CH CH O)a-H・・・(1)
[式(1)中、
(M)Aは(メタ)アクリロイル基、
aは6~40の整数を示す。]

HO-(CHCHO)b-H・・・(2)
[式(2)中、bは3~37の整数を示す。]

LO-(CHCHO)c-R・・・(3)
[式(3)中、
Lは脱離基を示し、
Rは酸性条件下で脱保護可能な水酸基の保護基を示し、
cは3~37の整数を示す。]

6≦b+c≦40・・・(F1)
[式(F1)中、
bは3~37の整数、
cは3~37の整数を示す。]

HO-(CHCHO)a-R・・・(4)
[式(4)中、
Rは酸性条件下で脱保護可能な水酸基の保護基を示し、
aは6~40の整数を示す。]

(M)AO-(CHCHO)a-R・・・(5)
[式(5)中、
Rは酸性条件下で脱保護可能な水酸基の保護基を示し、
aは6~40の整数を示す。]
] 前記工程[D]において、有機相としてジクロロメタンおよびクロロホルムからなる群より選ばれた一種以上の溶媒を用い、液温が0~20℃で分液洗浄して精製することを特徴とする、[]の方法。
] 下記工程[A]、工程[B]、工程[C]および工程[D]をこの順で行うことを特徴とする、鎖長純度が90%以上である単分散ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートの製造方法。
工程[A]:式(2)で表される化合物と式(3)で表される化合物とを数式(F1)を満たすように求核置換反応させ、式(4)で表される化合物を得る工程
工程[B]:式(4)で表される化合物を(メタ)アクリル酸無水物または(メタ)アクリル酸クロライドで(メタ)アクリル化し、式(5)で表される化合物を得る工程
工程[C]:式(5)で表される化合物を脱保護し、式(1)で表される単分散ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートを含有する混合物を得る工程
工程[D]:前記工程[C]で得られる前記混合物を精製する工程

(M)AO-(CH CH O)a-H・・・(1)
[式(1)中、
(M)Aは(メタ)アクリロイル基、
aは6~40の整数を示す。]

HO-(CHCHO)b-H・・・(2)
[式(2)中、bは3~37の整数を示す。]

LO-(CHCHO)c-R・・・(3)
[式(3)中、
Lは脱離基を示し、
Rは酸性条件下で脱保護可能な水酸基の保護基を示し、
cは3~37の整数を示す。]

6≦b+c≦40・・・(F1)
[式(F1)中、
bは3~37の整数、
cは3~37の整数を示す。]

HO-(CHCHO)a-R・・・(4)
[式(4)中、
Rは酸性条件下で脱保護可能な水酸基の保護基を示し、
aは6~40の整数を示す。]

(M)AO-(CHCHO)a-R・・・(5)
[式(5)中、
Rは酸性条件下で脱保護可能な水酸基の保護基を示し、
aは6~40の整数を示す。]
] 前記工程[D]において、有機相としてジクロロメタンおよびクロロホルムからなる群より選ばれた一種以上の溶媒を用い、液温が0~20℃で分液洗浄して精製することを特徴とする、[]の方法。
本発明によれば、生体機能性化合物とポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート重合体を結合させた医薬品および分離精製後の精製物の純度確認の際に解析を容易にできるような櫛型ポリマーを提供できる。
更に、本発明によれば、前記単分散ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート重合体の原料となる単分散ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、及び架橋性化合物が副生することなく且つ容易な製造方法を提供することが可能となる。
実施例2-1で測定した化合物5の逆相クロマトグラフィー測定結果である。 比較例2-3で測定した市販の末端に水酸基を有するポリエチレングリコールモノメタクリレート(Aldrich社製、409529、平均分子量500)の逆相クロマトグラフィー測定結果である。 比較例2-4で測定した市販の末端にメトキシ基を有するポリエチレングリコールモノメタクリレート(Aldrich社製、447943、平均分子量465)の逆相クロマトグラフィー測定結果である。 実施例3で測定した重合物1のゲル浸透クロマトグラフィー測定結果である。 実施例4で測定した重合物1のMALDI-TOF MS測定結果である。 比較例3-1で測定した比較重合物1のゲル浸透クロマトグラフィー測定結果である。 比較例3-2で測定した比較重合物2のゲル浸透クロマトグラフィー測定結果である。 比較例4で測定した比較重合物2のMALDI-TOF MS測定結果である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
本発明における単分散ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートとは、単分散ポリエチレングリコールの末端に水酸基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。また、単分散ポリエチレングリコールとは、特定のエチレングリコール繰り返し数からなる化合物の純度(以下、鎖長純度という)が90%以上の化合物である。
この単分散ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートは式(1)で表される。
(M)AO-(CHCHO)a-H・・・(1)
前記式(1)中、(M)Aは(メタ)アクリロイル基を示し、aは単分散ポリエチレングリコールの繰り返し数を表す、6~40の整数である。生体機能性化合物に結合させた医薬品として使用する場合、疎水性の生体機能性化合物の凝集を抑制するという観点から、aは8~24が好ましい。
前記式(1)で表される化合物の鎖長純度は、逆相クロマトグラフィーにより測定する。逆相クロマトグラフィーにおいては、検出器に質量分析計を用いて各ピークの同定を行った後に、同一のカラム、展開溶媒条件にて検出器を示唆屈折率計に変更して測定し、算出された各ピークの面積値より純度を求める。測定条件としては、各ピークが分離して検出されていれば特に制限はないが、検出器に質量分析計を用いた場合は、例えば下記の条件で測定を行う。
機器:Waters(株)社製Alliance2695
検出器(質量分析計):Waters(株)社製Quattro micro タンデム型質量分析計
カラム:東ソー(株)社製 TSKgel ODS-80Ts
(粒子径5 μm、カラムサイズ 4.6mm×25cm)
展開溶媒:5mM酢酸アンモニウム メタノール/蒸留水=V1/V2
V1及びV2は、メタノールと蒸留水の体積比を表す。V1及びV2は測定する化合物の単分散ポリエチレングリコールの繰り返し数により適宜選択される。
検出器に示唆屈折率計を用いた場合は、例えば下記の条件で測定を行う。
検出器(示差屈折率計):東ソー(株)社製 RI-8020
カラム:東ソー(株)社製 TSKgel ODS-80Ts
(粒子径5 μm、カラムサイズ 4.6mm×25cm)
展開溶媒:5mM酢酸アンモニウム メタノール/蒸留水=V1/V2
V1及びV2は、メタノールと蒸留水の体積比を表し、検出器に質量分析計を用いた場合の測定条件に用いるV1及びV2と同義である。
<単分散ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートの製造方法>
本発明の単分散ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートは、下記の[工程A]、[工程B]、[工程C]、及び[工程D]を少なくともこの順で含む製造方法により製造することができる。
(工程[A])
本発明に係る工程[A]は、下記式(2)で表される化合物
HO-(CHCHO)b-H・・・(2)
と下記式(3)で表される化合物
LO-(CHCHO)c-R・・・(3)
とを下記式(F1)で表される条件
6≦b+c≦40 ・・・(F1)
を満たすように求核置換反応させ、下記式(4)で表される化合物
HO-(CHCHO)a-R・・・(4)
を得る工程である。
前記式(2)中、bは3~37の整数を示し、前記式(3)中、Lは脱離基を示し、Rは酸性条件下で脱保護可能な水酸基の保護基を示し、cは3~37の整数を示す。また、式(2)中のb及び式(3)中のcは、b+c=6~40であり、前記式(F1)で表される条件を満たす。
前記式(2)で表される化合物及び式(3)で表される化合物は、市販品を利用できる他、公知の合成方法により得ることができる。また、前記式(3)で表される化合物としては、本工程[A]により得られる前記式(4)で表される化合物に脱離基を付加した化合物を利用することができる。なお、前記式(4)で表される化合物に脱離基を付加した化合物を利用し、工程[A]を繰り返すことで、エチレングリコール繰り返し数の多い化合物を合成することが可能である。
前記式(2)で表される化合物と前記式(3)で表される化合物とを塩基存在下で求核置換反応させることにより、前記式(4)で表される化合物を含む反応生成物を得ることができる。前記式(4)中、Rは、酸性条件下で脱保護可能な水酸基の保護基であり、aは6~40の整数を示す。また、前記式(4)中のRは前記式(3)中のRに由来するものである。なお、前記反応生成物中には、下記式(6)
RO-(CHCHO)d-R・・・(6)
で表される化合物を不純物として含有する。下記式(6)中、Rは酸性条件下で脱保護可能な水酸基の保護基を示し、dは8~80の整数を示す。また、下記式(6)中のRは前記式(3)中のRに由来するものである。
前記式(3)、(4)中、Rは酸性条件下で脱保護可能な水酸基の保護基であり、後の工程[C]における脱保護時に(メタ)アクリルエステルを分解しない保護基であれば特に限定されない。保護基としては酸性条件下で脱保護できるもの、好ましくはトリチル(Trt)基、p-メトキシベンジル(PMB)基、テトラヒドロピラニル(THP)基、ビス(2-クロロエトキシ)メチル(BOM)基、α―ナフチルジフェニルメチル基、p-メトキシフェニルジフェニルメチル基、t-ブチルジメチルシリル(TBS)基、イソプロピルジメチルシリル基、トリベンジルシリル基、トリイソプロピルシリル(TIPS)基更に好ましくはトリチル(Trt)基、p-メトキシベンジル(PMB)基、t-ブチルジメチルシリル(TBS)基である。
前記式(3)中、Lは脱離基であり、前記求核置換反応によりエーテル結合を生じるものであれば特に限定されず、トシル基、メシル基、トリフルオロメタンスルホニル基、ヨウ素原子、臭素原子、塩素原子から選択される。
前記求核置換反応は、溶媒中で反応を行うことができる。前記溶媒としては、前記式(2)で表される化合物及び前記式(3)で表される化合物と反応しない溶媒であれば特に限定されず、例えば、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、クロロホルム等の非プロトン性極性溶媒、及びこれらの混合物が挙げられる。前記溶媒の使用量としては、前記式(3)で表される化合物に対して、通常、質量比で1~100倍、好ましくは2~50倍、最も好ましくは3~30倍量である。前記溶媒の使用量が前記下限未満である場合には、前記式(2)で表される化合物の両末端に前記式(3)で表される化合物が結合した、前記式(6)で表される化合物の生成量が多くなる傾向にあり、他方、前記上限を超える場合には、求核置換反応の進行が遅くなる傾向にある。
前記求核置換反応において、前記式(2)で表される化合物の使用量としては、前記式(3)で表される化合物に対して、通常、モル比で1.1~50倍、好ましくは1.5~30倍、更に好ましくは2.0~20倍である。前記式(2)で表される化合物の使用量が前記下限未満である場合には、前記式(2)で表される化合物の両末端に前記式(3)で表される化合物が結合した、前記式(6)で表される化合物の生成量が多くなる傾向にあり、他方、前記上限を超える場合には、求核置換反応の進行が遅くなる傾向にある。
前記求核置換反応に用いる塩基としては、反応が進行すれば問題ないが、例えば、金属ナトリウム、水素化ナトリウム、カリウムtert-ブトキシドが挙げられる。前記塩基の使用量としては、前記式(3)で表される化合物に対して、通常、モル比で1.1~10倍、好ましくは1.2~5倍量である。
前記求核置換反応の反応温度としては、使用する溶媒等により異なるが、通常0~100℃である。前記反応温度が前記下限未満である場合には、反応の進行が遅くなる恐れがあり、他方、前記上限を超える場合には、過剰な温度によって副反応が進行する恐れがある。また、前記求核置換反応の反応時間としては、前記反応温度等の条件により異なるが、通常0.2~48時間程度が好ましい。
工程[A]においては、このような求核置換反応により、前記式(4)で表される化合物及び前記式(6)で表される化合物を含有する反応生成物を得ることができる。前記反応生成物は、そのまま未精製で次の工程[B]に用いてもよく、シリカゲルカラムクロマトグラフィーや分液抽出処理及び吸着剤処理等によって前記式(4)で表される化合物を精製してから用いてもよいが、前記式(6)で表される化合物は、後述する工程[B]における反応において反応性がなく、また、後述する工程で精製が可能であるため、未精製で用いることができる。
(工程[B])
本発明に係る工程[B]は、前記式(4)で表される化合物を(メタ)アクリル化し、下記式(5)
(M)AO-(CHCHO)a-R・・・(5)
を得る工程である。前記式(5)中、(M)Aは(メタ)アクリロイル基を示し、Rは酸性条件化で脱保護可能な水酸基の保護基を示し、aは6~40の整数を示す。
工程[B]においては、前記工程[A]で得られた反応生成物と(メタ)アクリル酸無水物もしくは(メタ)アクリル酸クロライドのどちらか一方を塩基存在下で反応させることにより、前記式(5)で表される化合物と前記式(6)で表される化合物とを含む反応生成物を得ることができる。
工程[B]における反応は、溶媒中で反応を行うことができる。前記溶媒としては、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、クロロホルム、及びこれらの混合物が挙げられる。前記溶媒の使用量としては、前記式(4)で表される化合物に対して、通常、質量比で1~100倍、好ましくは2~50倍、最も好ましくは3~30倍量である。前記溶媒の使用量が前記下限未満である場合には、反応を制御することが発熱により困難になる恐れがあり、他方、前記上限を超える場合には、反応の進行が遅くなる傾向にある。
工程[B]に用いる塩基としては、(メタ)アクリルクロライドを(メタ)アクリル化試薬として用いた場合、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジンが挙げられる。前記塩基の使用量としては前記式(4)で表される化合物に対して、通常、モル比で1.1~10倍、好ましくは2~5倍量である。
工程[B]に用いる塩基としては、(メタ)アクリル酸無水物を(メタ)アクリル化試薬として用いた場合、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジンといった塩基のほかにジメチルアミノピリジンを塩基触媒として加えることができる。前記塩基の使用量としては前記式(4)で表される化合物に対して、通常、モル比で1.1~10倍、好ましくは2~5倍量である。また前記有機触媒の使用量としては前記式(4)で表される化合物に対して、通常モル比で0.01~1.0倍量であり、好ましくは0.05~0.5倍量である。
工程[B]の反応温度としては、使用する溶媒等により異なるが、通常-20~40℃である。前記反応温度が前記下限未満である場合には反応の進行が遅くなる恐れがあり、他方、前記上限を超える場合には、生成した前記式(5)で表される化合物が重合反応を起こす恐れがある。また、前記反応の反応時間としては、反応温度等の条件により異なるが、通常0.2~48時間程度が好ましい。
また、工程[B]においては、反応終了後に過剰な(メタ)アクリル酸無水物および(メタ)アクリル酸クロライドを除去することができる。その方法としてはアルコールを加えて、過剰な(メタ)アクリル酸無水物および(メタ)アクリル酸クロライドをクエンチし、少なくとも減圧濃縮を行うことで除去できる。前記アルコールとしては、過剰な(メタ)アクリル酸無水物および(メタ)アクリル酸クロライドと反応して生成する(メタ)アクリル酸エステルが減圧濃縮可能であれば問題ないが、例えば炭素数4以下のアルコールが挙げられ、好ましくはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールであり、最も好ましくはメタノールである。炭素数の多いアルコールを使用した場合、生成する(メタ)アクリル酸エステルを減圧濃縮するために加温する必要が生じ、これにより前記式(5)で表される化合物が重合反応を起こす恐れがある。
前記アルコールの使用量としては(メタ)アクリル酸無水物および(メタ)アクリル酸クロライドに対して、通常、重量比で0.01~2倍、好ましくは0.05~0.5倍量である。前記使用量が下限未満である場合、(メタ)アクリル酸無水物および(メタ)アクリル酸クロライドが残存し、工程[C]以降において、(メタ)アクリル酸無水物および(メタ)アクリル酸クロライドが反応した副生成物が生成する恐れがあり、他方、前記上限を超える場合には、未反応のアルコールが残存し、分液抽出処理を行う場合に、分層を妨げる恐れがある。前記アルコールを加える際の温度としては、通常30℃以下であり、好ましくは20℃以下である。前記温度が上限を超える場合、前記式(5)で表される化合物が重合反応を起こす恐れがある。
減圧濃縮における減圧度としては、50kPa以下が好ましく、40kPa以下がより好ましく、30kPa以下がさらに好ましい。減圧度が前記上記値以上であると生成する(メタ)アクリル酸エステルが留去できない、または留去に時間を要する恐れがある。
また減圧濃縮においては、突沸を防ぐ点で攪拌しながら行うことができ、更に前記式(5)で表される化合物が重合を抑制する点で、空気をバブリングしながら行うこともできる。
減圧濃縮における温度としては、通常60℃以下であり、好ましくは40℃以下である。前記温度が上限を超える場合、前記式(5)で表される化合物が重合反応を起こす恐れがある。
以上の操作により、過剰な(メタ)アクリル酸無水物および(メタ)アクリル酸クロライドが除去可能であるため、[工程C]以降の反応において、(メタ)アクリル酸無水物および(メタ)アクリル酸クロライドが反応した副生成物が生成することがなくなる。
工程[B]においては、このような反応により、前記式(5)で表される化合物と前記式(6)で表される化合物とを含む反応生成物を得ることができる。前記反応生成物は、そのまま未精製で次の[工程C]に用いてもよく、シリカゲルカラムクロマトグラフィーや分液抽出処理及び吸着剤処理等によって前記式(5)で表される化合物を精製してから用いてもよいが、本発明においては後述する工程で精製が可能なため、未精製で用いることができる。
(工程[C])
本発明に係る工程[C]は、前記式(5)で表される化合物を脱保護し、前記式(1)で表される化合物を含む混合物を得る工程である。なお、前記反応生成物中には、前記式(6)で表される化合物が脱保護された、下記式(7)
HO-(CHCHO)d-H ・・・(7)
で表される化合物を不純物として含有する。前記式(7)中、dは8~80の整数を示す。
前記酸性条件化で脱保護可能な水酸基の保護基を脱保護する方法としては、公知の方法が利用可能であり、例えば、GREENE WUTS著、Protective Groups in Organic Sysnthesisに記載されている方法が有効である。また、前記式(5)及び(6)中のRがTrt基、TBS基、PMB基である場合は、酸性条件下での変換反応により脱保護させることが可能である。前記酸性条件下での変換反応としては、例えば、1M塩酸中、60℃で反応を行う、又は、メタノール中、触媒量のp-トルエンスルホン酸・1水和物を添加することで反応を行うといった方法が挙げられる。
工程[C]においては、このような脱保護反応により、前記式(1)で表される化合物及び前記式(7)で表される化合物を含有する反応生成物を得ることができる。前記反応生成物は、そのまま未精製で次の工程[D]に用いてもよく、シリカゲルカラムクロマトグラフィーや分液抽出処理及び吸着剤処理等によって前記式(1)で表される化合物を精製してから用いてもよいが、本発明においては後述する工程で精製が可能なため、未精製で用いることができる。
(工程[D])
本発明に係る工程[D]は、前記工程[C]で得られた前記式(1)で表される化合物を含有する反応生成物を精製して前記単分散ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートを得る工程である。
前記工程[C]で不純物として生成した前記式(7)で表される化合物は、両末端がいずれも水酸基であることから、単分散ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートと比較して、含まれる化合物の極性差が大きいという特性を有する。したがって、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、分液抽出処理、吸着剤処理等の精製操作によって容易に分離除去することが可能である。特に、本発明の製造方法によれば、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製をしなくとも、簡便な分液抽出処理のみで、高純度の本発明の単分散ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートを得ることができる。
前記分液抽出処理としては、前記工程[C]で得られた反応生成物を有機溶媒に溶解させた後に、25℃以下において水溶液で分液洗浄する洗浄工程を含む方法が挙げられる。前記有機溶媒としては、トルエン、クロロホルム、ジクロロメタンが挙げられ、これらの中でも、前記式(1)で表される化合物の溶解性の観点から、クロロホルム、ジクロロメタンが好ましい。前記有機溶媒の使用量としては、前記式(1)で表される化合物と前記式(7)で表される化合物とを含む前記反応生成物に対して、通常、質量比で2~30倍、好ましくは3~20倍である。前記有機溶媒の使用量が前記下限未満である場合には、前記式(1)で表される化合物が水層に溶け込む恐れがあり、他方、前記上限を超える場合には、前記式(7)で表される化合物が有機層に溶け込む恐れがある。
前記洗浄工程において、前記水溶液としては、前記式(7)で表される化合物を溶解可能であれば特に限定されず、例えば、イオン交換水、塩化ナトリウム、塩化カリウムの水溶液等が挙げられる。前記水溶液の使用量としては、前記式(1)で表される化合物と前記式(7)で表される化合物とを含む反応生成物に対して、通常、質量比で2~30倍、好ましくは3~20倍である。前記水溶液の使用量が前記下限未満である場合には、前記式(7)で表される化合物の洗浄効率が低下し、他方、前記上限を超える場合には、前記式(1)で表される化合物が水層に溶け込む恐れがある。
前記洗浄工程において、前記有機溶媒と前記水溶液との比率としては、通常、質量比で有機溶媒/水溶液の値が、0.2~3.0であり、0.5~2.0であることが好ましい。
前記洗浄工程の温度としては、0~25℃であることが好ましく、5~20℃であることが更に好ましい。前記温度が前記上限を超える場合には、前記式(7)で表される化合物が有機層に溶解して除去することが困難になる傾向にある。また、前記分液洗浄を行う回数としては、特に限定はなく、薄層クロマトグラフィー(TLC)や質量分析(MS)測定等によって有機溶媒中に含まれる前記式(7)で表される化合物を確認しながら複数回行うことが好ましい。
工程[D]においては、このような分液抽出処理により、前記式(1)で表される化合物を高純度で含有する本発明の単分散ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートを容易に得ることができる。本発明によれば、このように簡便な精製によって、工程[A]~工程[C]で生成する不純物を除去することが可能であるため、各工程において、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等による精製が不要である。なお、得られた前記式(1)で表される化合物を含有する単分散ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートは、そのまま上記本発明の単分散ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートの重合物の製造に用いることが可能であるが、更に晶析、吸着剤処理、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等の処理により精製をして用いてもよい。
(工程[E]]
本発明にかかる工程[E]は、前記工程[D]で得られた式(1)で表される単分散ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートを重合して、単分散ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートを得る工程である。
前記式(1)で表される単分散ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートをラジカル重合することにより得られる重合物の分子量は特に限定されず、各用途において要求される性能が発揮しうるように重合条件等を調製して適宜決定できるが、通常、重量平均分子量で1000~1000000程度であり、前記重合物を生体機能性化合物に結合させた医薬品として用いる場合には、2000~40000が好ましい。
前記式(1)で表される単分散ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートは、単独、または前記式(1)で表される化合物と共重合が可能な他の単量体との混合物を重合することができる。
前記他の単量体としては用途によって適宜選択可能であり、例えば、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、N-メチルカルボキシベタイン(メタ)アクリレート、N-メチルスルホベタイン(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート等の各種(メタ)アクリル酸エステル;メチルビニルエーテル等の各種ビニルエーテル;その他、アクリルアミド、N,N‘-ジメチルアクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、アリルアルコール、アクリロニトリル、アクロレイン、酢酸ビニル、ビニルスルホン酸ナトリウム、スチレン、クロロスチレン、ビニルフェノール、ビニルシンナメート、塩化ビニル、ビニルブロミド、ブタジエン、ビニレンカーボネート、イタコン酸、イタコン酸エステル、フマル酸、フマル酸エステル、マレイン酸、マレイン酸エステル等の各種ラジカル重合性モノマーが挙げられる。前記重合物を生体機能性化合物に結合させた医薬品として用いる場合には、単独重合体が望ましい。
前記式(1)で表される化合物は、そのままバルク状態で重合に用いてよく、また溶液を加えて重合に供することもできる。また溶媒としては前記式(1)で表される化合物が溶解するものであれば特に限定されず、一般的な溶媒が使用可能である。たとえばアセトン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン(THF)などの極性非プロトン性溶媒、メタノールなどの極性プロトン溶媒、ジクロロメタン、トルエンなどの無極性溶媒などが使用可能ある。
前記式(1)で表される化合物のラジカル重合は、熱重合または光重合により行うことができる。前記熱重合は、熱重合開始剤を用いて行うことができる。熱重合開始剤としては、たとえば過酸化物系ラジカル開始剤(過酸化ベンゾイル、過硫酸アンモニウム等)または、アゾ系ラジカル開始剤(アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’-アゾビス-ジメチルバレロニトリル(ADVN)等)、2,2’-アゾビスシアノ吉草酸(ACVA)、水溶性あるいは油溶性のレドックス系ラジカル開始剤(ジメチルアニリンと過酸化ベンゾイルからなる)が使用できる。
前記光重合は、例えば、波長254nmの紫外線(UV)または加速電圧150~300kVの電子線(EB)照射等により実施することができる。この際、光重合開始剤の使用は任意であるが、反応時間の点からは使用することが好ましい。光重合開始剤としては2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-1-プロパノン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシルフェニルケトンなどが挙げられるが、溶解性等の点から2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-1-プロパノンが好ましく挙げられる。
前記式(1)で表される化合物のラジカル重合は、リビングラジカル重合法により行うことも可能であり、具体的には原子移動ラジカル重合法(ATRP法)、可逆的付加開裂連鎖移動重合法(RAFT重合法)及びニトロキシドを介した重合法(NMP法)などが利用可能である。特に生体機能性化合物の修飾用途ではポリマー主鎖への反応性官能基の導入しやすさ、金属を使用しないといった観点から可逆的付加開裂連鎖移動重合法(RAFT重合法)が好ましい。前記RAFT重合の方法としては公知の方法が利用可能であり、例えばWO99/31144、WO98/01478及び米国特許第6,153,705号に記載されている方法が有効である。
前記工程[A]~[E]により製造した本発明の単分散ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート重合体をMALDI-TOF MSにより測定した場合、メインピークが構成単位である式(1)で表される単分散ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートに由来する構成単位の分子量毎に観測される。言い換えると、隣り合うメインピーク間の間隔が、単分散ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートに由来する構成単位の分子量に対応する。
本発明において、前記MALDI-TOF MSの測定条件は、下記の条件である。
機器:AB SCIEX社製TOF/TOF5800SYSTEM
マトリックス:α-シアノ-4-ハイドロキシシナモン酸(5 mg/ml溶液、水/アセトニトリル=5/5 v/v 0.1%トリフルオロ酢酸)
サンプル濃度:0.4 mg/ml
キャリブレーション試料:BRUKER社製標準試薬(分子量1000~16000)
測定法:リニア法
ここで、前記メインピークとは、バックグラウンドピークや同位体イオンピーク、マトリックスや不純物由来のピークを除いた、モノアイソトピックイオンピークのことであり、単分散ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートに由来する構成単位の幅で観測される最も強度の高いピークのことである。
更に具体的に述べると、マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析によって得られたチャートにおいて、高さの最も高いピークの高さを100としたとき、高さが70~100のピークを「メインピーク」とする。そして、本発明では、複数のメインピークが、単分散ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートに由来する構成単位の分子量Mに対応する間隔で観測されるものとする。
これと共に、(各メインピークの分子量-M/2)から,(各メインピークの分子量+M/2)の範囲内において、そのメインピーク以外のピークの高さがいずれも60%以下であるものとする。こうした、単分散ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートに由来する構成単位の分子量Mに対応する間隔では観測されないピークは、揺らぎ、不純物、バックグラウンドに由来するピークである。
単分散ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートに由来する構成単位の分子量Mに対応する間隔で観測されるメインピークの数は、3以上が好ましく、4以上が更に好ましく、5以上が特に好ましい。また、分子量Mに対応する間隔で観測されるメインピークの数の上限は特にないが、実際の重合反応の観点からは、15以下であることが多く、10以下であってもよい。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、各合成例において、核磁気共鳴(H-NMR)測定には日本電子社製 JMTC-400を用い、質量分析(ESI-MS)測定にはWaters(株)社製Quattro micro タンデム型質量分析計を用いた。
(実施例1-1)
(合成例I-1:
式(3)中のaが4であり、Rがトリチル基であり、Lがメシル基である化合物2の合成)
Figure 0007157899000001


(式中、Trtはトリチル基を表す)
まず前記式に示したように化合物1を合成した。二口ナスフラスコにテトラエチレングリコール(417g,2.12 mol)、2,6-ジ-t-ブチル―p―ヒドロキシトルエン(417 mg, 1.89 mmol)およびトルエン(375 ml)を加えた。Dean-Stark管及び冷却管を装着し、加熱還流させて水分を共沸除去した(トルエンを45ml採取)。ナスフラスコ内を窒素パージし、トリエチルアミン(52.5g, 0.52 mol)、トリチルクロライド(120 g, 0.43mol)及びジメチルアミノピリジン(5.25 g, 0.042 mol)を加え、室温で4時間攪拌した。4時間後、薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1 by vol)を用いてトリチルクロライドの消失を確認し、1M 塩酸水溶液200 mlを加えた。混合液にトルエン20 mlを加えた後に、分液した。有機相を1M 塩酸水溶液100mlで1回、飽和重曹水100 mlで1回、飽和食塩水 100 mlで2回洗浄した。有機相に硫酸ナトリウムを加え、乾燥・ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、淡黄色透明液体化合物1を得た。
収量 164g
MS(ESI+):化合物1 454.5[MNH
Figure 0007157899000002


(式中、Msはメシル基を表す)
次に、前記式に示したように化合物2を合成した。ナスフラスコに化合物1(164
g, <0.38 mol)にトルエン 800 mlを加えた。ナスフラスコ内を窒素パージし、トリエチルアミン(62.4ml, 0.45 mol)、メシルクロライド(31.9ml, 0.41mol)を加え、室温で2時間攪拌した。2時間後、ESI-MSにより化合物1の消失を確認し、1M HClaq. 300 mlを加え、分液した。有機相を1M塩酸水溶液300 mlで1回、飽和重曹水 300 mlで2回、飽和食塩水300 mlで1回洗浄した。有機相に硫酸ナトリウムを加え、乾燥・ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、淡黄色透明液体化合物2を得た。
収量 189g
MS(ESI+):化合物2 532.2[MNH
(工程[A])
(合成例I-2:
式(4)中のaが8であり、Rがトリチル基である化合物3の合成)
Figure 0007157899000003

つぎに前記式に示したように化合物3を合成した。二口ナスフラスコに水素化ナトリウム(20.8g)を入れ、窒素置換した。脱水ヘキサン(50 ml×2回)で2回洗浄し、アセトニトリル 500 mlを加えて0度に冷却した。トルエン 50 mlで3回共沸脱水したテトラエチレングリコール(579g, 2.94 mol)にアセトニトリル 100 mlを混合し、滴下ロートに加えて30分かけて滴下した。滴下終了後、トルエン50 mlで3回共沸脱水した化合物2(189 g, <0.37 mol)にアセトニトリル 100 mlを混合し、同じ滴下ロートに加えて5分かけて滴下した。滴下終了後、反応混合液を80℃に昇温し、4時間撹拌した。4時間後、H-NMRスペクトル(CDCl)により化合物2が消失をしたこと確認し、室温へと放冷した。反応混合液を減圧濃縮し、残渣にトルエン200mlを加えた。このトルエン溶液を飽和塩化アンモニウム水溶液 200 mlで2回、飽和食塩水 200mlで3回洗浄した。有機相に硫酸ナトリウムを加え、乾燥・ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、淡黄色透明液体化合物3を得た。
収量 212g
MS(ESI+):化合物3 630.8[MNH
(工程[B])
(合成例I-3:
式(5)中のaが8であり、Rがトリチル基である化合物4の合成)
Figure 0007157899000004

つぎに前記式に示したように化合物4を合成した。二口ナスフラスコにトルエン(20ml)で3回共沸脱水した化合物3(34.7g, 56.6 mmol)、トリエチルアミン(31.3 ml, 226 mmol)、メタクリル酸無水物(17.4g, 113 mmol)を加え、トルエン (375 ml)に溶解させた。0℃まで冷却後、ジメチルアミノピリジン(2.77g, 22.7 mmol)をいれ、0℃で2時間攪拌した。2時間後、ESI-MSを用いて化合物3の消失を確認した。反応混合液にメタノール(1ml)を加え、室温で1時間攪拌し過剰なメタクリル酸無水物を消費させた。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液(10ml)を加え減圧濃縮した。得られた残渣にトルエン(100 ml)を加えた。有機相を飽和塩化アンモニウム水溶液(100 ml)で2回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100 ml)で2回、飽和食塩水 (100 ml)で2回洗浄した。有機相に硫酸ナトリウムを加え、乾燥・ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、淡黄色液体化合物4を得た。
収量 32.0g
MS(ESI+):化合物4 698.4[MNH
(工程[C]、[D])
(合成例I-4:
式(1)中のaが8である化合物5の合成)

Figure 0007157899000005

つぎに前記式に示したように化合物5を合成した。ナスフラスコに化合物4(32.0 g, 47.0 mmol)、トルエンスルホン酸一水和物 (4.48g, 23.6mmol)およびメタノール(120ml)、ヘキサン(100 ml)を加えた。1時間に1回ずつヘキサン(100 ml)を抜き取り、新たにヘキサン(100ml)を加えることを繰り返し、室温で4時間攪拌後、ESI-MSを用いて化合物4の消失を確認した。混合液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30 ml)を加え反応を停止し、溶媒を減圧留去した。ジクロロメタン (150 ml)を加え有機相を20℃でイオン交換水100 mlで3回、飽和食塩水 150 mlで1回洗浄した。有機相に硫酸ナトリウムを加え、乾燥・ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、淡黄色透明液体化合物5を得た。化合物2を基準としたモル収率は53.9%であった。
収量 14.2g
MS(ESI+):化合物4 456.3[MNH
H-NMR(CDOD、400MHz):
7.28(s,1H), 6.13(s,1H),5.57(t,2H)
3.64(m,30H), 2.62(b,1H)
(実施例1-2)
(工程[A])
(合成例II-1:
式(5)中のaが12であり、RがPMB基である化合物7の合成)

Figure 0007157899000006


(式中、PMBはp-メトキシベンジル基を表す)
つぎに前記式に示したように化合物7を合成した。二口ナスフラスコに水素化ナトリウム(11.4g)を入れ、窒素置換した。脱水ヘキサン(50 ml×2回)で2回洗浄し、アセトニトリル 500 mlを加えて0度に冷却した。トルエン 50 mlで3回共沸脱水したオクタエチレングリコール(1087g, 2.94 mol)にアセトニトリル 100 mlを混合し、滴下ロートに加えて30分かけて滴下した。滴下終了後、トルエン50 mlで3回共沸脱水した化合物6(290 g,<0.37 mol)にアセトニトリル 100 mlを混合し、同じ滴下ロートに加えて5分かけて滴下した。滴下終了後、反応混合液を80℃に昇温し、4時間撹拌した。4時間後、H-NMRスペクトル(CDCl)により化合物6が消失をしたこと確認し、室温へと放冷した。反応混合液を減圧濃縮し、残渣にトルエン200mlを加えた。このトルエン溶液を飽和塩化アンモニウム水溶液 200 mlで2回、飽和食塩水 200mlで3回洗浄した。有機相に硫酸ナトリウムを加え、乾燥・ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、淡黄色透明液体化合物7を得た。
収量 220g
(工程[B])
(合成例II-2:
式(5)中のaが12であり、RがPMB基である化合物8の合成)

Figure 0007157899000007

つぎに前記式に示したように化合物8を合成した。二口ナスフラスコにトルエン(50ml)で3回共沸脱水した化合物7(36.0g 56.6 mmol)、トリエチルアミン(31.3 ml, 226 mmol)、メタクリル酸クロライド(11.8g, 113 mmol)を加え、トルエン (375 ml)に溶解させた。0℃で2時間攪拌後、ESI-MSを用いて化合物7の消失を確認した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液(10 ml)を加え減圧濃縮した。得られた残渣にトルエン(100 ml)を加えた。有機相を飽和塩化アンモニウム水溶液(100 ml)で2回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100 ml)で2回、飽和食塩水 (100 ml)で2回洗浄した。有機相に硫酸ナトリウムを加え、乾燥・ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、淡黄色液体化合物8を得た。
収量 33.1g
(工程[C]、[D])
(合成例II-3:
式(1)中のaが12である化合物9の合成)

Figure 0007157899000008

つぎに前記式に示したように化合物9を合成した。ナスフラスコに化合物8(33.1g, 47.0 mmol)、トルエンスルホン酸一水和物(4.48g, 23.6mmol)およびメタノール(120ml)、ヘキサン (100 ml)を加えた。1時間に1回ずつヘキサン(100 ml)を抜き取り、新たにヘキサン(100ml)を加えることを繰り返し、室温で4時間攪拌後、ESI-MSを用いて化合物8の消失を確認した。混合液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30 ml)を加え反応を停止し、溶媒を減圧留去した。クロロホルム (150 ml)を加え有機相を10℃でイオン交換水100 mlで3回、飽和食塩水 150 mlで1回洗浄した。有機相に硫酸ナトリウムを加え、乾燥・ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル、メタノール)を行うことで透明液体化合物8を得た。化合物6を基準としたモル収率は44.8%であった。
収量 16.6g
(実施例1-3)
(工程[A])
(合成例III-1:
式(5)中のaが24であり、RがTBS基である化合物10の合成)

Figure 0007157899000009


(式中、TBSはt-ブチルジメチルシリル基を表す)
つぎに前記式に示したように化合物11を合成した。二口ナスフラスコに水素化ナトリウム(11.4g)を入れ、窒素置換した。脱水ヘキサン(50 ml×2回)で2回洗浄し、アセトニトリル 500 mlを加えて0度に冷却した。トルエン 50mlで3回共沸脱水したドデカエチレングリコール(1604g, 2.94 mol)にアセトニトリル 100 mlを混合し、滴下ロートに加えて30分かけて滴下した。滴下終了後、トルエン 50 mlで3回共沸脱水した化合物10(367g, <0.37 mol)にアセトニトリル 100 mlを混合し、同じ滴下ロートに加えて5分かけて滴下した。滴下終了後、反応混合液を80℃に昇温し、4時間撹拌した。4時間後、H-NMRスペクトル(CDCl)により化合物10が消失をしたこと確認し、室温へと放冷した。反応混合液を減圧濃縮し、残渣にトルエン200mlを加えた。このトルエン溶液を飽和塩化アンモニウム水溶液 200 mlで2回、飽和食塩水 200mlで 3回洗浄した。有機相に硫酸ナトリウムを加え、乾燥・ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、淡黄色透明液体化合物11を得た。
収量 411g
(工程[B])
(合成例III-2:
式(5)中のaが24であり、RがTBS基である化合物12の合成)

Figure 0007157899000010
つぎに前記式に示したように化合物12を合成した。二口ナスフラスコにトルエン(20ml)で3回共沸脱水した化合物11(67.3g, 56.6 mmol)、トリエチルアミン(22.9 ml, 226 mmol)、メタクリル酸無水物(17.4g, 113 mmol)を加え、トルエン (375 ml)に溶解させた。0℃まで冷却後、ジメチルアミノピリジン(2.77g, 22.7 mmol)をいれ、0℃で2時間攪拌した。2時間後、ESI-MSを用いて化合物11の消失を確認した。反応混合液にメタノール(1ml)を加え、室温で1時間攪拌し過剰なメタクリル酸無水物を消費させた。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液(10ml)を加え減圧濃縮した。得られた残渣にトルエン(100 ml)を加えた。有機相を飽和塩化アンモニウム水溶液(100 ml)で2回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100 ml)で2回、飽和食塩水 (100 ml)で2回洗浄した。有機相に硫酸ナトリウムを加え、乾燥・ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、淡黄色液体化合物12を得た。
収量 59.1g
(工程[C]、[D])
(合成例III-3:
式(1)中のaが24である化合物13の合成)

Figure 0007157899000011

次に、前記式に示したように化合物13を合成した。ナスフラスコに化合物12(59.1g, 47.0mmol)、トルエンスルホン酸一水和物 (4.48g, 23.6mmol)およびメタノール(120ml)、ヘキサン(100 ml)を加えた。1時間に1回ずつヘキサン(100 ml)を抜き取り、新たにヘキサン(100ml)を加えることを繰り返し、室温で4時間攪拌後、ESI-MSを用いて化合物12の消失を確認した。混合液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30 ml)を加え反応を停止し、溶媒を減圧留去した。クロロホルム(75 ml)ジクロロメタン(75ml)を加え有機相を5℃でイオン交換水100 mlで3回、飽和食塩水150 mlで1回洗浄した。有機相に硫酸ナトリウムを加え、乾燥・ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、酢酸エチル、ヘキサンにより晶析を行うことで透明液体化合物13を得た。化合物10を基準としたモル収率は46.4%であった。
収量 32.4g
(鎖長純度の測定)
(実施例2-1)
実施例1-1で合成した化合物5の鎖長純度は、まず検出器に質量分析計を用いた逆相クロマトグラフィー測定により各ピークの同定を行い、続いて検出器に示差屈折率計を用いて、同一のカラム、展開溶媒により逆相クロマトグラフィー測定を行い、算出された各ピークの面積値よりもとめた。検出器に質量分析計を用いる場合、機器にWaters(株)社製Alliance2695を、検出器(質量分析計)にWaters(株)社製Quattro micro タンデム型質量分析計を、カラムに東ソー(株)社製 TSKgel ODS-80Ts(粒子径5 μm、カラムサイズ4.6mm×25cm)を、展開溶媒に5mM酢酸アンモニウムメタノール/蒸留水=55/45(体積比)を、それぞれ用い、流速 0.6mL/min、カラム温度 40℃、サンプル濃度 0.01mg/g、注入量 5μLの条件で測定した。
検出器に示差屈折計を用いた場合、機器に東ソー(株)社製 ビルドGPCシステム HLC-8220を、検出器(示差屈折率計)に東ソー(株)社製 RI-8020を、カラムに東ソー(株)社製 TSKgel ODS-80Ts (粒子径 5μm、カラムサイズ 4.6mm×25cm)を、展開溶媒に5mM酢酸アンモニウム メタノール/蒸留水=55/45(体積比)を、それぞれ用い、流速 0.6mL/min、カラム温度 40℃、サンプル濃度 0.2mg/mL、注入量 40μLの条件で行った。
図1は、検出器に示差屈折率計を用いた逆相クロマトグラフィー測定結果を示す。
質量分析計を用いた測定の結果、保持時間4~7分のピークは溶媒由来のピークであり11.0~11.8分に検出されたピークは式(1)中、aが7の単分散ポリエチレングリコールモノメタクリレートであり、11.8~13.3分に検出されたピークは式(1)中、aが8および9の単分散ポリエチレングリコールモノメタクリレートであった。以上のように、検出されたピークは式(1)中、aが7~9の単分散ポリエチレングリコールモノメタクリレートのみであり、示差屈折率計を用いた測定結果より式(1)中、aが8の単分散ポリエチレングリコールモノメタクリレートの鎖長純度は96.3%であった。
(実施例2-2)
実施例1-2で合成した化合物9の鎖長純度は、展開溶媒を5mM酢酸アンモニウム メタノール/蒸留水=60/40(体積比)に変更した以外は、実施例2-1と同様の方法で算出した。その結果、検出されたピークは式(1)中、aが異なる単分散ポリエチレングリコールモノメタクリレートのみであり、式(1)中、aが12の単分散ポリエチレングリコールモノメタクリレートの鎖長純度は95.4%であった。
(実施例2-3)
実施例1-3で合成した化合物13の純度は、展開溶媒を5mM酢酸アンモニウム メタノール/蒸留水=65/35(体積比)に変更し、カラム温度を45℃に変更した以外は実施例2-1と同様の方法で算出した。その結果、検出されたピークは式(1)中、aが異なる単分散ポリエチレングリコールモノメタクリレートのみであり、式(1)中、aが24の単分散ポリエチレングリコールモノメタクリレートの鎖長純度は94.6%であった。
(比較例1-1)
(比較化合物1の合成)
二口ナスフラスコにトルエン(50 ml)で3回共沸脱水した合成例I-2で得られた化合物3 (34.7g 56.6 mmol)、トルエンスルホン酸(10.7g, 56.4 mmol)、メタクリル酸(9.7g, 113 mmol)を加え、トルエン (375 ml)に溶解させた。90℃で6時間攪拌後、ESI-MSを用いて化合物3の消失を確認した。反応混合液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100 ml)で2回、飽和食塩水 (100 ml)で2回洗浄した。有機相に硫酸ナトリウムを加え、乾燥・ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣にメタノール(100 ml)を加え、ヘキサン(100 ml)で5回洗浄した。メタノール相を減圧濃縮し、淡黄色液体比較化合物1を得た。
収量 30g
(比較例1-2)
(比較化合物2の合成)
合成例I-4におけるジクロロメタン-水系の分液洗浄を行わなかったこと以外は合成例I-4と同様に反応し、比較化合物2を得た。
(比較例2-1)
比較例1-1で合成した比較化合物1の鎖長純度は、実施例2-1と同様の方法で測定した。その結果、質量分析計を用いた測定により、ポリエチレングリコールの両末端にメタクリル基が導入されている化合物や、両末端が水酸基である式(6)中、aが4~12で表される化合物が不純物として混在していることがわかった。示差屈折率計を用いた測定結果より単分散ポリエチレングリコールモノメタクリレートのみの面積値を用いて、式(1)中、aが8の単分散ポリエチレングリコールモノメタクリレートの鎖長純度を算出すると95%であったが、その他不純物の面積値も含めた純度としては70.2%であった。
(比較例2-2)
比較例1-2で合成した比較化合物2の鎖長純度は、実施例2-1と同様の方法で測定した。その結果、質量分析計を用いた測定により、両末端が水酸基である式(6)中、aが4~12で表される化合物が不純物として混在していることがわかった。示差屈折率計を用いた測定結果より単分散ポリエチレングリコールモノメタクリレートのみの面積値を用いて、式(1)中、aが8の単分散ポリエチレングリコールモノメタクリレートの鎖長純度を算出すると95%であったが、その他不純物の面積値も含めた純度としては88.3%であった。
(比較例2-3)
市販の末端に水酸基を有するポリエチレングリコールモノメタクリレート(Aldrich社製、製品番号 409529、平均分子量500)の純度を、実施例2-1と同様の方法で測定した。図2に検出器に示差屈折率計を用いた逆相クロマトグラフィー測定結果を示す。
保持時間4~7分のピークは溶媒由来のピークであり、7~11分のピークはポリエチレングリコールであり、11~35分にそれぞれポリエチレングリコール鎖長の異なるポリエチレングリコールモノメタクリレートが含まれ、25~60分までにそれぞれポリエチレングリコール鎖長の異なるポリエチレングリコールジメタクリレートが含まれていた。末端に水酸基を有するポリエチレングリコールモノメタクリレートとして分布を持つ混合物であり、且つ不純物も混在するため、鎖長純度及び純度の算出は困難であった。
(比較例2-4)
市販の末端にメトキシ基を有するポリエチレングリコールモノメタクリレート(Aldrich社製、製品番号 447943、平均分子量465)の純度を、実施例2-1と同様の方法で測定した。
図3は、検出器に示差屈折率計を用いた逆相クロマトグラフィー測定結果を示す。
質量分析計を用いた測定の結果、保持時間4~7分のピークは溶媒由来のピークであり、10~12分のピークはポリエチレングリコールメチルエーテルであり、12~35分のピークはそれぞれポリエチレングリコール繰り返し数が4~17までの末端にメトキシ基を有するポリエチレングリコールモノメタクリレートであった。末端にメトキシ基を有するポリエチレングリコールモノメタクリレートとして分布を持つ混合物であり、且つ不純物も混在するため、鎖長純度及び純度の算出は困難であった。
(実施例3)
(化合物5のRAFT重合)
つぎに実施例1-1で合成した化合物5をラジカル重合し、重合物1を合成した。ナスフラスコに化合物5(1.44 g,3.13 mmol)、4-シアノペンタン酸ジチオベンゾエート(37.2 mg,0.133 mmol)、4-4‘アゾビス(4-シアノ吉草酸)(37.3 mg,0.133 mmol)をDMF(10 ml)に溶解させた。15分窒素バブリング後、70℃まで昇温し重合を開始させた。4時間後の反応溶液をアセトン/ヘキサン混合溶媒(1/4 v/v)90 mlで再沈殿し重合物1を得た。
得られた重合物1の数平均分子量および分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)は、検出器に示差屈折率計を用いたゲル浸透クロマトグラフィー測定によりもとめた。機器に東ソー(株)社製 ビルドGPCシステム HLC-8220を、検出器(示差屈折率計)に東ソー(株)社製 RI-8020を、カラムにAgilent社製 Mixed-D(粒子径 5μm、カラムサイズ 4.6mm×25cm)を二本連結し、展開溶媒に11.5mM 臭化リチウム含有ジメチルホルムアミドを用い、流速 0.6mL/min、カラム温度 40℃、サンプル濃度 0.2mg/mL、注入量 70μLの条件で行った。スタンダートとしてメタクリル酸メチルを用いた。
図4はゲル浸透クロマトグラフィー測定結果を示す。
ゲル浸透クロマトグラフィー測定の結果、重合物1の数平均分子量は12400、分子量分布は1.09であった。
(実施例4)
(MALDI-TOF MS測定)
実施例3で合成した重合物1の分子量を、マトリックス支援レーザー脱離イオン化法(MALDI-TOF MS)で測定した。MALDI-TOF MS測定はAB SCIEX社製TOF/TOF5800SYSTEMを用い、マトリックスとしてα-シアノ-4-ハイドロキシシナモン酸(5 mg/ml溶液、水/アセトニトリル=5/5 v/v 0.1%トリフルオロ酢酸)を用い、サンプルはマトリックスと1/2(v/v)で混合し、最終濃度0.4 mg/mlの溶液を調製し、そのうち1μlをプレートにロードした。キャリブレーションをBRUKER社製標準試薬(分子量1000~16000))で行い、測定はリニア法で行った。
測定の結果、図5に示すように、メインピークは、モノマー(化合物5)に由来する構成単位の分子量(438)ごとに検出された。
このことから、生体機能性化合物に結合させた医薬品として使用する場合、医薬品に対する重合物1の結合個数の解析が容易となる。
(比較例3-1)
(市販の末端に水酸基を有するポリエチレングリコールモノメタクリレートのRAFT重合)
市販の末端に水酸基を有するポリエチレングリコールモノメタクリレート(Aldrich社製、製品場号 409529、平均分子量500)をラジカル重合し、比較重合物1を合成した。ナスフラスコにポリエチレングリコールモノメタクリレート(2.16 g,4.65 mmol)、4-シアノペンタン酸ジチオベンゾエート(55.9 mg,0.020 mmol)、4-4‘アゾビス(4-シアノ吉草酸)(28.0 mg,0.010 mmol)をDMF(15 ml)に溶解させた。15分窒素バブリング後、70℃まで昇温し重合を開始させた。4時間後の反応溶液をアセトン/ヘキサン混合溶媒(1/4 v/v)90 mlで再沈殿し比較重合物1を得た。
得られた比較重合物1の数平均分子量を、実施例3と同様の方法で測定した。図6にゲル浸透クロマトグラフィー測定結果を示す。ゲル浸透クロマトグラフィー測定の結果、比較重合物1はモノマー中に不純物として含まれる両末端にメタクリル基を持つポリエチレングリコールジメタクリレートにより重合体の一部が架橋し、複数のピークが確認され、数平均分子量および分子量分布を算出が困難であった。
(比較例3-2)
(市販の末端にメトキシ基を有するポリエチレングリコールモノメタクリレートのRAFT重合)
市販の末端にメトキシ基を有するポリエチレングリコールモノメタクリレート(Aldrich社製、447943-100ML、平均分子量 465)をラジカル重合した比較重合物2を合成した。ナスフラスコにポリエチレングリコールモノメタクリレート(2.16 g,4.65 mmol)、4-シアノペンタン酸ジチオベンゾエート(55.9 mg,0.020 mmol)、4-4‘アゾビス(4-シアノ吉草酸)(28.0 mg,0.010 mmol)をDMF(15 ml)に溶解させた。15分窒素バブリング後、70℃まで昇温し重合を開始させた。4時間後の反応溶液をアセトン/ヘキサン混合溶媒(1/4 v/v)90 mlで再沈殿し比較重合物2を得た。
得られた比較重合物2の数平均分子量を、実施例3と同様の方法で測定した。図7にゲル浸透クロマトグラフィー測定結果を示す。ゲル浸透クロマトグラフィー測定の結果、比較重合物2の数平均分子量は9000、分子量分布は1.11であった。
(比較例4)
(比較重合物2のMALDI-TOF MS測定)
比較例3-2で合成した比較重合物2の分子量を実施例4と同様の方法でMALDI-TOF MS測定を行った。測定の結果、図8に示すようにピークは多数観察された。これは分子イオンピークがm/z=44(CHCHO)のエチレングリコール繰り返し数ごとに分離されて検出されたためであり、観察されエチレングリコール単位である、m/z=44(CHCHO)ごとに観察されたためであり、生体機能性化合物に結合させた医薬品として使用する場合、医薬品に対する比較重合物2の結合個数の解析が煩雑となる。
以上説明したように、本発明によれば、末端に水酸基を有し、且つ単一のエチレングリコール繰り返し数からなる化合物を主成分として、特に高純度で含有する単分散ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートを提供することが可能となる。このように、本発明の単分散ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートは、エチレングリコール繰り返し数の異なる化合物が少ないため、これに起因する解析時の煩雑さを低減可能である。また、架橋性化合物を含んでいないことから、ラジカル重合時に架橋やゲル化が起こることなく、目的の直鎖状ポリマーを獲ることが可能である。
さらに、本発明の単分散ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートの製造方法は、適切な保護基を用い、合成工程を特定の順序で組み合わせることにより、架橋性化合物が副生することなく、またカラムクロマトグラフィー等の精製方法を用いず、分液抽出のみで上記の高純度な単分散ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートを製造可能であることから、工業化に特に適した製造方法である。

Claims (4)

  1. 下記工程[A]、工程[B]、工程[C]、工程[D]および工程[E]をこの順で行うことを特徴とする、鎖長純度が90%以上である単分散ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート重合体の製造方法。

    工程[A]:式(2)で表される化合物と式(3)で表される化合物とを、数式(F1)を満たすように求核置換反応させ、式(4)で表される化合物を得る工程
    工程[B]:式(4)で表される化合物を(メタ)アクリル酸無水物または(メタ)アクリル酸クロライドで(メタ)アクリル化し、式(5)で表される化合物を得る工程
    工程[C]:式(5)で表される化合物を脱保護し、式(1)で表される単分散ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートを含有する混合物を得る工程
    工程[D]:前記工程[C]で得られる前記混合物を精製する工程
    工程[E]:前記工程[D]で得られた式(1)で表される単分散ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートを重合する工程

    (M)AO-(CHCHO)a-H・・・(1)
    [式(1)中、
    (M)Aは(メタ)アクリロイル基、
    aは6~40の整数を示す。]

    HO-(CHCHO)b-H・・・(2)
    [式(2)中、bは3~37の整数を示す。]

    LO-(CHCHO)c-R・・・(3)
    [式(3)中、
    Lは脱離基を示し、
    Rは酸性条件下で脱保護可能な水酸基の保護基を示し、
    cは3~37の整数を示す。]

    6≦b+c≦40・・・(F1)
    [式(F1)中、
    bは3~37の整数、
    cは3~37の整数を示す。]

    HO-(CHCHO)a-R・・・(4)
    [式(4)中、
    Rは酸性条件下で脱保護可能な水酸基の保護基を示し、
    aは6~40の整数を示す。]

    (M)AO-(CHCHO)a-R・・・(5)
    [式(5)中、
    Rは酸性条件下で脱保護可能な水酸基の保護基を示し、
    aは6~40の整数を示す。]
  2. 前記工程[D]において、有機相としてジクロロメタンおよびクロロホルムからなる群より選ばれた一種以上の溶媒を用い、液温が0~20℃で分液洗浄して精製することを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 下記工程[A]、工程[B]、工程[C]および工程[D]をこの順で行うことを特徴とする、鎖長純度が90%以上である単分散ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートの製造方法。

    工程[A]:式(2)で表される化合物と式(3)で表される化合物とを数式(F1)を満たすように求核置換反応させ、式(4)で表される化合物を得る工程
    工程[B]:式(4)で表される化合物を(メタ)アクリル酸無水物または(メタ)アクリル酸クロライドで(メタ)アクリル化し、式(5)で表される化合物を得る工程
    工程[C]:式(5)で表される化合物を脱保護し、式(1)で表される単分散ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートを含有する混合物を得る工程
    工程[D]:前記工程[C]で得られる前記混合物を精製する工程

    (M)AO-(CH CH O)a-H・・・(1)
    [式(1)中、
    (M)Aは(メタ)アクリロイル基、
    aは6~40の整数を示す。]

    HO-(CHCHO)b-H・・・(2)
    [式(2)中、bは3~37の整数を示す。]

    LO-(CHCHO)c-R・・・(3)
    [式(3)中、
    Lは脱離基を示し、
    Rは酸性条件下で脱保護可能な水酸基の保護基を示し、
    cは3~37の整数を示す。]

    6≦b+c≦40・・・(F1)
    [式(F1)中、
    bは3~37の整数、
    cは3~37の整数を示す。]

    HO-(CHCHO)a-R・・・(4)
    [式(4)中、
    Rは酸性条件下で脱保護可能な水酸基の保護基を示し、
    aは6~40の整数を示す。]

    (M)AO-(CHCHO)a-R・・・(5)
    [式(5)中、
    Rは酸性条件下で脱保護可能な水酸基の保護基を示し、
    aは6~40の整数を示す。]
  4. 前記工程[D]において、有機相としてジクロロメタンおよびクロロホルムからなる群より選ばれた一種以上の溶媒を用い、液温が0~20℃で分液洗浄して精製することを特徴とする、請求項3記載の方法。
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