JP7157452B2 - フランジ締結部用防食部材 - Google Patents

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Description

本発明は、フランジ締結部用防食部材に関する。
現在、船舶、火力原子力発電所、石油精製プラント等において、海水を冷却水として用いる施設の配管には、海水による浮力による損耗を防止するためにステンレス鋼やチタン合金などが用いられているが、他の機器との接続部分であるフランジとその表面に配置されるガスケットとの間の隙間で激しい腐食が進行することが知られている。
この腐食は、「隙間腐食」と呼ばれ、フランジの表面各部の酸素濃度の差異や、ガスケットとの間に塩化物イオンが介在することによって生じる電位差が主な発生原因であるが、陰極防食(以下、電気防食という)を施すことによって防止できることは古くから知られている(例えば、特許文献1)。
特許文献1には、鉄、鉄合金、亜鉛、亜鉛合金、アルミニウム、アルミニウム合金等をガスケット材として使用する技術が開示されている。また、従来のステンレス製のガスケット材の内側に、上記金属のいずれかを内挿する技術が開示されている。
特開平04-198493号公報
フランジに生じる電気腐食の対策として、上記特許文献1のように配管のフランジとガスケットとの間に犠牲陽極を付与することは有効であるが、鉄、鉄合金を犠牲陽極として用いた場合は、陽極電位、発生電流、溶解生成物の発生量等に問題がある。また、亜鉛合金、アルミニウム合金、マグネシウム合金等の電気腐食用陽極をガスケットして用いている事例はない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、配管同士を接続するフランジ締結部に生じる隙間腐食を防ぐことが可能な、フランジ締結部用防食部材を提供することを課題とする。
本発明の一態様におけるフランジ締結部用防食部材は、第1配管と第2配管とを接続するフランジ締結部に配置されるフランジ締結部用防食部材であって、円板板状の金属陽極部と、前記金属陽極部の内周端部の少なくとも一部を被覆する絶縁部と、を有する。
本発明の一態様におけるフランジ締結部用防食部材において、前記金属陽極部は、高純度亜鉛からなるガスケットである構成としてもよい。
本発明の一態様におけるフランジ締結部用防食部材において、前記金属陽極部は、円環板状のガスケットと、前記ガスケットの厚さ方向両側の板面にそれぞれ設けられる陽極層とを有し、前記陽極層の内周端部が前記絶縁部によって被覆されている構成としてもよい。
本発明の一態様におけるフランジ締結部用防食部材において、前記陽極層は、導電性粘着剤を介して前記ガスケットの前記板面に接着された高純度亜鉛箔を有する構成としてもよい。
本発明の一態様におけるフランジ締結部用防食部材において、前記陽極層は、前記ガスケットの前記板面に形成された塗布膜からなり、前記塗布膜は、高純度亜鉛粉末とバインダーとを含む構成としてもよい。
本発明の一態様におけるフランジ締結部用防食部材において、前記金属陽極部は、導電性粘着剤を介して前記第1配管の第1フランジ面および前記第2配管の第2フランジ面に貼り合わされる高純度亜鉛箔を有する構成としてもよい。
本発明の一態様におけるフランジ締結部用防食部材は、第1配管と第2配管とを接続するフランジ締結部に配置されるフランジ締結部用防食部材であって、円環板状のガスケットと、前記ガスケットの厚さ方向両側の板面にそれぞれ設けられる一対のセグメント型陽極と、を有する金属陽極部を備え、前記セグメント型陽極は、前記ガスケットの周方向に並ぶ複数の円弧状の高純度亜鉛箔片からなり、第1の前記セグメント型陽極における第1の前記高純度亜鉛箔片どうしの第1繋ぎ目と、第2の前記セグメント型陽極における第2の前記高純度亜鉛箔片どうしの第2繋ぎ目とが、互いに周方向にずれた位置において、これら一対の前記セグメント型陽極が重ね合わされている構成としてもよい。
本発明の一態様におけるフランジ締結部用防食部材において、前記金属陽極部は、少なくとも、前記第1繋ぎ目あるいは前記第2繋ぎ目を覆う可撓性陽極層を有し、前記可撓性陽極層は、高純度亜鉛粉末とバインダーとを含む塗布膜からなる構成としてもよい。
本発明によれば、配管同士を接続するフランジ締結部に生じる隙間腐食を防ぐことが可能な、フランジ締結部用防食部材を提供することを課題とする。
図1は、本発明に係る一実施形態のフランジ締結部用防食部材100を用いたステンレス鋼配管1,2どうしの接続構造を示す平面図である。 図2は、第1実施形態におけるフランジ締結部用防食部材100の概略構成を示す正面図である。 図3は、第2実施形態におけるフランジ締結部用防食部材200の概略構成を示す断面図である。 図4は、第3実施形態のフランジ締結部用防食部材300の概略構成を示す断面図である。 図5は、第4実施形態のフランジ締結部用防食部材400の構成を示す断面図である。 図6は、第5実施形態のフランジ締結部用防食部材500の概略構成を示す断面図である。 図7は、第5実施形態の高純度亜鉛箔52の概略構成を示す斜視図である。 図8は、第5実施形態の変形例であるフランジ締結部用防食部材501の概略構成を示す図である。
以下、好適な実施形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明に係る一実施形態のフランジ締結部用防食部材100を用いたステンレス鋼配管1,2どうしの接続構造を示す平面図である。図2は、第1実施形態におけるフランジ締結部用防食部材100の概略構成を示す正面図である。
図1に示すように、フランジ締結部用防食部材100は、ステンレス鋼配管(第1配管)1とステンレス鋼配管(第2配管)2とを接続するフランジ締結部3に配置されるものであり、互いに突き合わされた第1ステンレス鋼配管1の第1フランジ面1aと、第2ステンレス鋼配管2の第2フランジ面2aとの間に配置される。
フランジ締結部用防食部材100は、例えば、ステンレス鋼配管1,2の各フランジ1A,2Aの平面形状に対応しており、それぞれのフランジ面1a,2aを全体的に被覆可能な大きさを有している。具体的に、フランジ締結部用防食部材100は、ステンレス鋼配管1,2の各流路1B,2Bに連通する開口100Aを中央に有した円環形状をなし、締結に用いられるボルト4が挿入されるボルト孔100Bが周方向に等間隔で複数形成されている。
本実施形態のフランジ締結部用防食部材100は、ガスケットタイプの金属陽極部10と、その内周端部10cの全体を被覆する絶縁部11とにより構成されている。
金属陽極部10は、厚さ2~3mmの高純度亜鉛板をガスケット型に打ち抜いて形成したものである。
絶縁部11の材質としては、例えば樹脂、セラミックスなどが挙げられ、配管内を流れる流体の種類、温度等に応じて適宜選択される。絶縁部11は、金属陽極部10の内周端部10cに絶縁材料を塗布あるいは吹き付けることによって形成してもよいし、別途用意しておいたリング状絶縁部材を金属陽極部10の内側にはめ込むまたは接着してもよい。
このようなフランジ締結部用防食部材100は、締結するステンレス鋼配管1,2のフランジ面1a,2aの間に配置される。ステンレス鋼配管1,2は、フランジ締結部用防食部材100側の各ボルト孔100Bと各ステンレス鋼配管1,2側の各ボルト孔15に通される複数のボルト4によって締結される。
本実施形態のフランジ締結部用防食部材100は、金属陽極部10の内周端部10cが絶縁部11によって被覆されているので、金属陽極部10と配管内部を流動する流体とはほぼ接触しない。したがって、金属陽極部10と配管内部を流動する流体とが電気的に接続されるのを防ぐことができ、金属陽極部10の内周端部10cから腐食が進行するのを抑制することができる。これにより、図1に示すようなフランジ締結部3に配置されるフランジ締結部用防食部材100を長寿命化することができ、フランジ締結部3における隙間防食を実現することができる。
また、本実施形態では、厚さ2~3mmの高純度亜鉛板からなるガスケットを金属陽極部10として用いているため、従来用いられるCuガスケットなどの代わりに用いるだけで容易に高い封止性を得ることができる。
<第2実施形態>
図3は、第2実施形態におけるフランジ締結部用防食部材200の概略構成を示す断面図である。
図3に示すように、本実施形態におけるフランジ締結部用防食部材200は、図1に示したステンレス鋼配管1,2のフランジ面1a,2aに対応した形状をなし、金属陽極部20とその内周端部20cの少なくとも一部を被覆する絶縁部24と、を備えている。
金属陽極部20は、円環板状のガスケット21と、ガスケット21の表裏の板面21a,21bにそれぞれ設けられた一対の陽極層22,22とを有している。
ガスケット21は、厚さ2~3mmの樹脂材により構成されている。ガスケット21は軟鋼、純鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、チタン、特殊合金などの板材で構成されたものでもよい。
陽極層22は、導電性粘着剤13と、導電性粘着剤13を介してガスケット21の板面21aに貼り付けられる高純度亜鉛箔22Aとを有する。具体的に高純度亜鉛箔22Aは、厚さ0.1~0.2mmの高純度亜鉛(Zn≧99.995%以上)の箔材から形成されており、210mm未満の直径を有する。
導電性粘着剤13は、耐水性に優れたアクリル系の粘着剤に、微細な亜鉛粒子を分散させた導電性粘着剤からなり、陽極層22およびガスケット21のうち互いに対向するいずれか一方の面に塗布されている。粘着剤に分散される導電粒子の種類は、亜鉛に限られない。
絶縁部24は、金属陽極部20の内周端部のうち、ガスケット21の内周端部を除く領域を覆っている。具体的に絶縁部24は、ガスケット21の両側に導電性粘着剤13を介してそれぞれ配置された各陽極層22の内周端部22cと、ガスケット21と各陽極層22との間に介在している導電性粘着剤13の内周端部13cと、を一体的に覆ってこれらを被覆している。また、ガスケット21が樹脂製である場合には、ガスケット21の内周端の円環状の部分を板面から厚さ方向に突出させることにより、絶縁部24とガスケット21とが一体化された構成のガスケットとしてもよい。
このようにして本実施形態のフランジ締結部用防食部材200が構成されている。
本実施形態のフランジ締結部用防食部材200では、陽極層22および導電性粘着剤13の内周端部22c,13cが絶縁部24によって保護されているため、ガスケット21の両側に設けられた一対の陽極層22がステンレス鋼配管1,2の内部を流動する流体と電気的に接続されるのを防ぐことができ、陽極層22の内周端部22cから腐食が進行するのを抑制できる。これにより、フランジ締結部3に配置されるフランジ締結部用防食部材200を長寿命化することができるので、フランジ締結部3における隙間防食を実現することができる。
また、絶縁部24によって、陽極層22と導電性粘着剤13とにおける各内周端部12c、13cの境界部分が被覆されるため、金属陽極部20に対する導電性粘着剤13の密着性を長期的に維持することが可能である。
また、ガスケット21の両側に一対の陽極層22,22を設けた構成のため、各陽極層22の厚さが薄くても配管接続部における封止性を確保することができる。このため、腐食を防ぐとともに、箔状の陽極層22だけよりもガスケットとしての封止性を確保することができる。
また、陽極層22よりも厚さのあるガスケット21を用いることで、搬送時や設置前において、亜鉛箔からなる陽極層22の撓みや折り曲げなどを抑制できて取り扱いが容易になる。
<第3実施形態>
図4は、第3実施形態のフランジ締結部用防食部材300の概略構成を示す断面図である。
図4に示すように、本実施形態のフランジ締結部用防食部材300は、金属陽極部30と、その内周端部30cの少なくとも一部を覆う絶縁部32と、を備えて構成されている。
金属陽極部30は、円板板状のガスケット21と、ガスケット21の表裏の板面21a、21bに形成された塗布層からなる一対の可撓性陽極(陽極層)31,31と、を有して構成されている。
絶縁部32は、各可撓性陽極31の内周端部31c,31cをそれぞれ覆ってこれらを被覆している。
このような構成のフランジ締結部用防食部材300を製造する場合には、まず、高純度亜鉛微粉末と、高純度鱗片状粉末とを合成ゴム系のバインダーと調合してペースト状にし、これを十分に混錬してから、フランジ型に加工されたガスケット21の表裏の板面21a,21bのそれぞれに塗布する。本実施形態では、ガスケット21の表裏の板面21a,21bのうち、内周端部側の領域を除いて材料をそれぞれ塗布し、各板面21a,21bの内周側の部分をそれぞれ露出させておく。これにより、後の工程において、材料を塗布しなかった露出部分に絶縁部24を形成することができる。
その後、各塗布層を乾燥させることによって溶剤が蒸発して硬化し、厚さ0.2mm程度の可撓性陽極31がガスケット21の表裏にそれぞれ形成される。
続けて、ガスケット21の板面21a,21bのうち、可撓性陽極31を形成する際に露出させておいた部分に絶縁部32をそれぞれ形成する。各板面21a,21bの露出部分に対して、樹脂材料を塗布あるいは吹き付けることによって、各板面21a,21bに形成された可撓性陽極31の内周端部31cに絶縁部32をそれぞれ形成する。
あるいは別途用意しておいたリング状絶縁部材を金属陽極部30の内側にはめ込んでもよい。このようにして本実施形態のフランジ締結部用防食部材300を製造する。
上述したように、ガスケット21の板面21a,21bに高純度亜鉛ペーストをそれぞれ直接塗布することで可撓性陽極31,31を形成することから、高純度亜鉛ペーストがガスケット21の表裏の板面21a,21bの仕上げ程度に追従して馴染み、ガスケット21に対する塗布材の密着性が向上する。そのため、ガスケット21の表面精度に関わらず可撓性陽極31を容易に形成することができるとともに、フランジ締結部3におけるシール機能を阻害することもない。
さらに、塗布膜のため、ガスケット21の寸法や形状の影響を受けることなく、その両板面に可撓性陽極31,31を形成することが可能であり、外形寸法の大きいガスケットに対しても適用することができる。
本実施形態のフランジ締結部用防食部材300においても、上記実施形態と同様に、金属陽極部30の内周端部30cに設けた絶縁部32によって、金属陽極部30と配管内部を流動する流体とが電気的に接続されるのを防ぐことができ、各可撓性陽極31の内周端部31cから腐食が進行するのを抑制できる。これにより、フランジ締結部3に配置されるフランジ締結部用防食部材300を長寿命化することができ、フランジ締結部3における隙間防食を実現することができる。
<第4実施形態>
図5は、第4実施形態のフランジ締結部用防食部材400の構成を示す断面図である。
本実施形態のフランジ締結部用防食部材400は、図5に示すように、円環板状の金属陽極部40と、金属陽極部40の内周端部40cの少なくとも一部を被覆する絶縁部41とを備えたシールタイプの防食部材である。フランジ締結部用防食部材400は、締結する一対のステンレス鋼配管1,2のフランジ面1a,2aにそれぞれ貼り付けて用いられる。
各フランジ締結部用防食部材400における金属陽極部40は、円環板状の高純度亜鉛箔12と、その表裏一方の板面12aに塗布された導電性粘着剤13とによってそれぞれ構成されている。
金属陽極部40の内周端部40cには絶縁部41が設けられている。本実施形態において絶縁部11は、高純度亜鉛箔12の内周端部12cおよび導電性粘着剤13の内周端部13cに対してこれらを一度に覆うように、樹脂材料を塗布あるいは吹き付けることで、金属陽極部40の内周端部40cを被覆している。
なお、上記以外の方法以外で絶縁部41を設けてもよく、例えば、樹脂製のリング状絶縁部材を予め形成しておき、このリング状絶縁部材を金属陽極部40の内周端部40c側に取り付けることで、金属陽極部40の内周端部40cを覆った構成としてもよい。さらに、上記リング状絶縁部材は、ガスケット21と一体の部材であってもよい。
上述した本実施形態におけるフランジ締結部用防食部材400を製造する際には、まず、厚さ0.1~0.2mmの高純度亜鉛板材(Zn≧99.995%以上)を圧延して箔材にし、当該箔材を、例えばステンレス鋼配管1のフランジ面1aに対応した形状に打ち抜くことによって高純度亜鉛箔12を形成する。その後、この高純度亜鉛箔12の少なくとも一面側に耐水性に優れたアクリル系の導電性粘着剤13を塗布することで金属陽極部10を形成する。
次に、金属陽極部40の内周端部40cに、例えば任意の絶縁材料を塗布することによって絶縁部11を形成し、本実施形態のフランジ締結部用防食部材400を製造する。その後、ステンレス鋼配管1,2のフランジ面1a,2aに貼り付ける前までは、導電性粘着剤13の粘着面13a上に不図示の剥離紙を貼り付けておくことが好ましい。
本実施形態のフランジ締結部用防食部材400をステンレス鋼配管1,2のフランジ締結部3に設置する際には、被設置面であるステンレス鋼配管1,2の各フランジ面1a,2aをそれぞれ予め清掃しておき、各フランジ締結部用防食部材400に貼り付けられた剥離紙を剥離して、導電性粘着剤13の粘着面13aをそれぞれ露出させる。
その後、図1に示すように、フランジ締結部用防食部材400側の各ボルト孔100Bを、ステンレス鋼配管1,2側の各ボルト孔15の位置に合わせた状態で、導電性粘着剤13側をステンレス鋼配管1,2のフランジ面1a,2aに貼り合わせた後、適宜押圧することによって、フランジ面1a,2aのそれぞれにフランジ締結部用防食部材400を取り付けることが可能である。
その後、フランジ締結部用防食部材400が貼り付けられたステンレス鋼配管1のフランジ1Aに対して、同じくフランジ締結部用防食部材100が貼り付けられたステンレス鋼配管2を対向配置するとともに、これら各フランジ1A,2Aとの間に既存のガスケット21を介在させた状態で、ステンレス鋼配管1,2どうしを複数のボルト4により締結することで接続する。
本実施形態のフランジ締結部用防食部材400は、金属陽極部40の内周端部40cの全体が絶縁部11によって被覆されていることにより、金属陽極部40とステンレス鋼配管1,2の内部を流動する流体とが電気的に接続されるのを防ぐことができ、金属陽極部40の内周端部40cから腐食が進行するのを抑制することができる。これにより、各ステンレス鋼配管1,2の各フランジ面1a,2aに設けられた各フランジ締結部用防食部材400を長寿命化することができるので、フランジ締結部3における隙間防食を実現することができる。
また、本実施形態のフランジ締結部用防食部材400は、接続する各ステンレス鋼配管1,2のフランジ面1a,2aに対してそれぞれ貼り合わせるだけで設けることができるので、フランジ面1a,2aに対する各フランジ締結部用防食部材400の溶接作業や、ボルトを用いてフランジ1A,2Aにそれぞれ締結するなどの作業が不要となり、時間や場所に関わらず、誰にでも簡単かつ確実に、締結するステンレス鋼配管1,2のフランジ面1a,2aに対してそれぞれフランジ締結部用防食部材400を取り付けることが可能である。
また、貼り付け作業だけで設置できるので、作業者の技量や経験の多寡による技量格差を生じることなく、フランジ締結部用防食部材400を簡単かつ確実にフランジ締結部3に設置することができる。
また、導電性粘着剤13がフランジ面1a,2aの凹凸や曲率を吸収するため、高純度亜鉛箔12との間に空隙を生じさせることなく、各フランジ面1a,2aにフランジ締結部用防食部材400をそれぞれ貼り付けることができる。フランジ面1aに対するフランジ締結部用防食部材400の密着性が向上することで、フランジ1Aとフランジ締結部用防食部材400との間に海水が侵入するのが阻止され、通電に伴う高純度亜鉛箔12の溶解、消耗を防ぐことができる。
このように、本実施形態のフランジ締結部用防食部材400によれば、フランジ締結部3における封止性を向上させながら各フランジ1A,2Aとの電気的な接続を確実にし、フランジ面1a,2aの腐食を防ぐことができる。
本実施形態のフランジ締結部用防食部材400は、当該フランジ締結部用防食部材400よりも厚い既存のガスケット21とともに使用されることが好ましい。これにより、フランジ締結部3における封止性を十分に確保しつつ、フランジ締結部3の腐食を防ぐことができる。
<第5実施形態>
図6は、第5実施形態のフランジ締結部用防食部材500の概略構成を示す断面図である。図7は、第5実施形態の高純度亜鉛箔52の概略構成を示す斜視図である。なお、図7においては、一対のセグメント型陽極52A,52Bを貼り合わせている導電性粘着剤55の図示は省略している。
図6に示す本実施形態のフランジ締結部用防食部材500は、ステンレス鋼配管1,2のフランジ1A,2Aの外形が、例えば、210mm以上と大きい場合に好適に用いることができる。
図6および図7に示すように、フランジ締結部用防食部材500は、円板板状の金属陽極部50を有する。
金属陽極部50は、円環板状のガスケット21と、ガスケット21の両側の板面21aにそれぞれ設けられる一対の陽極層51,51と、を備えている。
陽極層51は、導電性粘着剤13と、導電性粘着剤13を介してガスケット21の板面21aに接着される高純度亜鉛箔52と、により構成されている。
図6および図7に示すように、高純度亜鉛箔52は、導電性粘着剤55を介して積層された2つのセグメント型陽極52A、52Bによって構成されている。図7に示すように、第1のセグメント型陽極52Aは、ガスケット21の周方向に沿って並ぶ複数の円弧状の第1の高純度亜鉛箔片52Aaが、円環状に組み合わされて構成された電極である。同様に、第2のセグメント型陽極52Bも、複数の円弧状の第2の高純度亜鉛箔片52Bbが円環状に組み合わされて構成されている。
セグメント型陽極52A,52Bは、互いの繋ぎ目52Ac,52Bcが周方向で重ならない位置で貼り合わされている。つまり、第1のセグメント型陽極52Aにおける第1繋ぎ目52Acと、第2のセグメント型陽極52Bにおける第2繋ぎ目52Bcとが周方向にずれた位置で重ね合わせることで、封止性が向上し、水漏れが防止された構成となっている。
図7では、各セグメント型陽極52A,52Bが、それぞれ4つの高純度亜鉛箔片52Aa,52Bbによって構成された例を図示しているが、組み合わせる高純度亜鉛箔片52Aa,52Bbの数は4つに限らない。各セグメント型陽極52A,52Bを構成する高純度亜鉛箔片52Aa,52Bbの数が互いに等しくてもよいし、異なっていてもよい。高純度亜鉛箔片52Aa,52Bbの数に関わらず、各セグメント型陽極52A,42Bにおける繋ぎ目52Ac,52Bcの位置が周方向でずれていることが封止性を高める上で重要となる。
可撓性陽極53は、図6に示すように、高純度亜鉛箔52の一面52aであって、ガスケット21とは厚さ方向で反対側の一面52aを覆って所定の厚さで形成されている。塗布層からなる可撓性陽極53によって、セグメント型陽極52Aを構成している高純度亜鉛箔片52Aa(図7)どうしの繋ぎ目52Ac(図7)における凹凸等が吸収されるので、フランジ面に接する金属陽極部50の表面を平坦化することができる。
本実施形態のフランジ締結部用防食部材500によれば、複数の高純度亜鉛箔片52Aa,52Bbを組み合わせてセグメント型陽極52A,52Bを構成することで、フランジの直径が210mm以上のサイズの大きい配管に対応することができる。
本実施形態では、第1のセグメント型陽極52Aと第2のセグメント型陽極52Bとを、それぞれの高純度亜鉛箔片52Aa,52Bbどうしの繋ぎ目52Ac,52Bcを周方向にずらした状態で貼り合わせているため、各セグメント型陽極52A,52Bどうしで互いの繋ぎ目52Ac,52Bcを補強することができる。これにより、繋ぎ目部分からの水漏れを防ぐことができる。
また、本実施形態のフランジ締結部用防食部材500においても、上記実施形態と同様に、金属陽極部50の内周端部50cが絶縁部54によって被覆されているので、金属陽極部50と配管内部を流動する流体とが電気的に接続されるのを防ぐことができ、金属陽極部50の内周端部50cから腐食が進行するのを抑制できる。これにより、フランジ締結部3に配置されるフランジ締結部用防食部材500を長寿命化することができる。
また、本実施形態では、セグメント型陽極52Aの一面52aに可撓性陽極53を設けた構成となっているが、これに限られず、例えば、一面52aの全体ではなく、可撓性陽極53をセグメント型陽極52Aの各繋ぎ目52Acを少なくとも覆うようにして設けてもよい。これにより、繋ぎ目52Acにおける封止性を一層高めることができる。
図8は、第5実施形態の変形例であるフランジ締結部用防食部材501の概略構成を示す図である。図8に示すフランジ締結部用防食部材501のように、可撓性陽極53を設けない構成としてもよい。
また、上述した実施形態と同様に本実施形態でも、金属陽極部50の内側にその内周端部50cを被覆する絶縁部を設けた構成としてもよい。例えば、図6に示すように、ガスケット21の内周端部21cと、ガスケット21の両板面に設けられた各導電性粘着剤13の内周端部13c,13cと、各導電性粘着剤13を介して貼り合わされた一対の陽極層51の各内周端部51c,51cと、を一体的に覆って、金属陽極部50の内周端部50cの全体が絶縁部によって覆われていてもよい。
以上、本発明を好適な実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
1…ステンレス鋼配管(第1配管)、1a…第1フランジ面、2…ステンレス鋼配管(第2配管)、2a…第2フランジ面、3…フランジ締結部、10,20,30,40,50…金属陽極部、10c,20c,30c,40c,50c…内周端部、11,24,32,41…絶縁部、12,22A,52…高純度亜鉛箔、12a,21a…板面、13,23,55…導電性粘着剤、21…ガスケット、22,51…陽極層、31…可撓性陽極層(陽極層)、53…可撓性陽極層、52A…セグメント型陽極、52Aa…高純度亜鉛箔片、52Ac…第1繋ぎ目、52Bc…第2繋ぎ目、100,200,300,400,500…フランジ締結部用防食部材

Claims (8)

  1. 第1配管と第2配管とを接続するフランジ締結部に配置されるフランジ締結部用防食部材であって、
    同一部材からなる円板板状の金属陽極部と、
    前記金属陽極部の内周端部の全体を被覆する絶縁部と、を有する、フランジ締結部用防食部材。
  2. 前記金属陽極部は、高純度亜鉛からなるガスケットである、
    請求項1に記載のフランジ締結部用防食部材。
  3. 前記金属陽極部は、円環板状のガスケットと、前記ガスケットの厚さ方向両側の板面にそれぞれ設けられる陽極層とを有し、
    前記陽極層の内周端部が前記絶縁部によって被覆されている、
    請求項1に記載のフランジ締結部用防食部材。
  4. 前記陽極層は、導電性粘着剤を介して前記ガスケットの前記板面に接着された高純度亜鉛箔を有する、
    請求項3に記載のフランジ締結部用防食部材。
  5. 前記陽極層は、前記ガスケットの前記板面に形成された塗布膜からなり、
    前記塗布膜は、高純度亜鉛粉末とバインダーとを含む、
    請求項3に記載のフランジ締結部用防食部材。
  6. 前記金属陽極部は、導電性粘着剤を介して前記第1配管の第1フランジ面および前記第2配管の第2フランジ面に貼り合わされる高純度亜鉛箔を有する、
    請求項1に記載のフランジ締結部用防食部材。
  7. 第1配管と第2配管とを接続するフランジ締結部に配置されるフランジ締結部用防食部材であって、
    円環板状のガスケットと、前記ガスケットの厚さ方向両側の板面にそれぞれ設けられる一対のセグメント型陽極と、を有する金属陽極部と、
    前記金属陽極部の内周端部の全体を被覆する絶縁部と、を備え、
    前記セグメント型陽極は、前記ガスケットの周方向に並ぶ複数の円弧状の高純度亜鉛箔片からなり、
    第1の前記セグメント型陽極における第1の前記高純度亜鉛箔片どうしの第1繋ぎ目と、
    第2の前記セグメント型陽極における第2の前記高純度亜鉛箔片どうしの第2繋ぎ目とが、互いに周方向にずれた位置において、これら一対の前記セグメント型陽極が重ね合わされている、
    フランジ締結部用防食部材。
  8. 前記金属陽極部は、少なくとも、前記第1繋ぎ目あるいは前記第2繋ぎ目を覆う可撓性陽極層を有し、
    前記可撓性陽極層は、高純度亜鉛粉末とバインダーとを含む塗布膜からなる、
    請求項7に記載のフランジ締結部用防食部材。
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