JP7155503B2 - 調光部材、構造物、調光部材の配置方法 - Google Patents
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Description
調光部材では、液晶表示パネルに適用される種々の構成を適用することができると考えられるものの、調光部材を車両の窓、建築物の窓等に配置する場合において、色味及び視野角特性を重視する場合、ゲストホスト方式の液晶を適用することが望ましい。
また、調光部材は、各種の構造体に適用して、太陽光等の外光の入射を必要とする部位に配置される場合がある。ここで、構造体とは、ビル、家屋等により代表される建築物や、自動車、列車等の車両、船舶、航空機により代表される移動体、室内等で使用されるパーテーション(仕切り板)等を光の透過を目的とした開口部を有するものをいう。
本発明は、調光部材を使用する場合に、従来に比してより効果的に透光状態における透過光量を増やすことを目的とする。
当該調光部材の前記外光が入射する側に配置される偏光部材を備え、
前記偏光部材の吸収軸の方向が、前記構造体の鉛直方向に対して18度以下の方向であること、
を特徴とする調光部材。
前記偏光部材は、液晶組成物及び二色性色素組成物を有する液晶層であり、
前記液晶層は、その吸収軸の方向が前記構造体の鉛直方向に対して18度以下の方向であること、
を特徴とする調光部材。
前記偏光部材の前記外光が入射する側とは反対側に直線偏光板を備え、
前記直線偏光板の吸収軸の方向が、前記構造体の水平方向に対して10度以下の方向であること、
を特徴とする調光部材。
前記調光部材は、
当該調光部材の前記外光が入射する側に配置される偏光部材を備え、
前記偏光部材の吸収軸の方向が、当該構造体の鉛直方向に対して18度以下の方向により配置されること、
を特徴とする構造体。
前記偏光部材は、液晶組成物及び二色性色素組成物を有する液晶層であり、
前記液晶層の吸収軸の方向が、前記構造体の鉛直方向に対して18度以下の方向であること、
を特徴とする構造体。
前記液晶層の前記外光の入射側とは逆側に偏光子を備え、
前記偏光子は、第2液晶組成物、第2二色性色素組成物を有する第2液晶層を備えること、
を特徴とする構造体。
前記調光部材の遮光状態において、
少なくとも前記液晶層の前記外光の入射側における前記二色性色素組成物の長軸方向は、鉛直方向に対して18度以下の方向であること、
を特徴とする構造体。
前記偏光部材の前記外光が入射する側とは反対側に直線偏光板を備え、
前記直線偏光板の吸収軸の方向が、前記構造体の水平方向に対して10度以下の方向であること、
を特徴とする構造体。
前記調光部材は、
当該調光部材の前記外光が入射する側に配置される偏光部材を備え、
前記偏光部材の吸収軸の方向が、当該構造体の鉛直方向に対して18度以下の方向により配置されること、
を特徴とする調光部材の配置方法。
〔調光フィルム〕
図1は、第1実施形態の調光フィルムの構成を説明する断面図である。
本実施形態では、調光部材としてフィルム状の調光フィルムを適用する例で説明するが、これに限定されるものでない。
調光フィルム1は、液晶組成物への電界を変動させることにより透過する透過光量を制御する部材であり、本実施形態では、ゲストホスト方式による液晶セル4(偏光部材)により形成される。
液晶セル4は、フィルム状の下側積層体5D及び上側積層体5Uにより液晶層8を挟持して構成される。
下側積層体5Dは、透明フィルム材による基材6に、透明電極11、スペーサ12、配向層13を配置して形成される。
上側積層体5Uは、透明フィルム材による基材15に、透明電極16、配向層17を配置して形成される。調光フィルム1は、この上側積層体5U及び下側積層体5Dに設けられた透明電極11、16の駆動により、液晶層8に設けられたゲストホスト液晶組成物8Aへの電界を変化させて、入射した光の透過率を制御することができる。
基材6、15は、この種のフィルム材に適用可能な種々の透明フィルム材を適用することができる。この実施形態において、基材6、15は、ポリカーボネートフィルムが適用されるものの、COP(シクロオレフィンポリマー)フィルム、TACフィルム等を適用してもよい。
透明電極11、16は、この種のフィルム材に適用される各種の電極材料を適用することができ、この実施形態ではITO(Indium Tin Oxide)による透明電極材により形成される。
スペーサ12は、液晶層8の厚みを規定するために設けられ、各種の樹脂材料を広く適用することができる。本実施形態では、スペーサ12は、フォトレジストにより作製され、透明電極11が形成された基材6の上に、フォトレジストを塗工して露光、現像することにより作製される。
なお、スペーサ12は、上側積層体5Uに設けてもよく、上側積層体5U及び下側積層体5Dの双方に設けてもよい。また、スペーサ12は、配向層13の上に設けるようにしてもよい。更に、スペーサ12は、上述のフォトレジストに限定されるものでなく、例えば、ビーズスペーサを適用してもよい。
配向層13、17は、ポリイミド樹脂層をラビング処理して作製される。なお、配向層13、17は、液晶層8に係る液晶材料に対して配向規制力を発現可能な各種の構成を適用することができ、いわゆる光配向層により作製してもよい。
なお、光配向層の材料には、光配向の手法を適用可能な各種の材料を適用することができるものの、例えば、一旦配向した後には、紫外線の照射によって配向が変化しない、例えば光二量化型の材料を使用することができる。この光二量化型の材料については、「M.Schadt, K.Schmitt, V. Kozinkov and V. Chigrinov : Jpn. J. Appl.Phys., 31, 2155 (1992)」、「M. Schadt, H. Seiberle and A. Schuster : Nature, 381, 212(1996)」等に開示されている。
液晶層8は、棒状に形成されたゲストホスト液晶組成物8A及び二色性色素組成物8Bによるゲストホスト液晶の溶液により形成され、この種の調光フィルム1に適用可能な各種の液晶層材料を広く適用することができる。
なお、調光フィルム1は、ゲストホスト液晶組成物にいわゆるネガ型の液晶組成物を適用して、液晶層8への無電界時、ゲストホスト液晶組成物を水平配向させ、液晶層8の電界印加時にゲストホスト液晶組成物を垂直配向させ、これによりいわゆるノーマリーブラックにより構成されるようにしてもよい。
また、これらの水平配向時において液晶組成物を旋回させてもよく、これらによりVA方式、TN方式等、種々の駆動方式を広く適用することができる。
ここで、VA(Vertical Alignment)方式とは、無電界時、液晶層8の液晶分子は垂直配向し、これにより調光フィルム10は、入射光を遮光して遮光状態となる。また、TN(Twisted Nematic)方式とは、電界の印加により、液晶分子の配向を垂直方向(厚み方向)と水平ねじれ方向とで変化させ、光の旋光性を利用して透過光量を制御する方式である。
調光フィルム1は、液晶層8を囲むように、シール材19が配置され、このシール材19により上側積層体5U、下側積層体5Dが一体に保持され、液晶材料の漏出が防止される。
本実施形態では、調光フィルム1が構造体の一例である車両(乗用車)に配置される例で説明するが、これに限定されるものでなく、建築物等のその他の構造体に適用されるようにしてもよい。
図2は、第1実施形態の調光フィルムが配置された車両を説明する図である。図2は、車両を鉛直上方から見た図である。
本実施形態の車両20は、乗用車であり、搭乗者が乗車している部位に向かって外光が入射する部位に調光フィルム1が配置される。
具体的には、車両20は、図2に示すように、車内に光を入射させる部位として、フロントウインドウ21、リアウインドウ22、サイドウインドウ23が設けられており、本実施形態では、上述の調光フィルム1が複数のサイドウインドウ23に貼り付けられている。
なお、車両20は、乗用車に代えて、トラック、バス等の車両に適用してもよい。
ここで、液晶層8の吸収軸の方向とは、液晶層8の二色性色素が基材の平面に対して水平方向に並んだ状態(遮光状態)において、液晶層8の厚み方向に直交する面内における外光の入射側に位置する二色性色素組成物8Bの長軸方向をいう。より具体的には、液晶層8の吸収軸の方向とは、液晶層8の二色性色素が基材の平面に対して水平方向に並んだ状態(遮光状態)において液晶層8に直線偏光板を重ねた場合に、最も透過率が低くなる状態における直線偏光板の透過軸の方向と一致する方向をいう。
ここで、図3は、調光フィルム1の一方向から直線偏光による計測光を入射し、調光フィルムの透光状態における透過率の変化を計測した計測結果である。この計測では、計測光を水平偏光とし、調光フィルム1を徐々に計測光に平行な軸周りに傾けて透過率を計測した。図3に示す横軸は、調光フィルム1の入射面側における二色性色素組成物8Bの長軸方向の垂直(鉛直)方向に対する傾きを示すものである。
また、図3の符号bに示すように、入射面側において、二色性色素組成物8Bの長軸方向が偏光面である場合に、最も透過率が低くなり、二色性色素組成物8Bの長軸方向が、水平方向(垂直方向に対して90度)である場合に、透過率が最も低くなることが分かる。
また、図3の符号aに示すように、入射面側において、この水平方向と直交する方向が偏光面である場合に、最も透過率が高くなり、この直交する方向(鉛直方向)が、透過率が最も高くなることが分かる。
そのため、本実施形態のように、液晶層8の吸収軸の方向が、車両20の鉛直方向に対して18度以下の方向に配置すれば、18度より大きな角度に液晶層8の吸収軸の方向を配置する場合に比して、透光状態における透過光量を増やすことができる。また、好ましくは、液晶層8の吸収軸の方向を、車両20の鉛直方向に対して10度以下の方向に配置すれば、透光状態における透過光量をより増やすことができる。より好ましくは、液晶層8の吸収軸の方向を、車両20の鉛直方向に完全に一致するように配置すれば、透光状態における透過光量を更に効率よく増やすことができる。
ここで、液晶層8の吸収軸の方向を、車両の鉛直方向に対して18度以下とすれば調光フィルムの透過率の変化をほぼ一定にする(透過率の変化率(鉛直方向における透過率に対する透過率の変化率)が10%以下にする)ことができるが(図3中の0~18度の範囲)、車両の鉛直方向に対して18度よりも大きくした場合、調光フィルムの透過率が低くなりすぎてしまうので望ましくない。また、液晶層8の吸収軸の方向を、車両の鉛直方向に対して10度以下とすれば調光フィルムの透過率の変化を更に一定に近づける(透過率の変化率(鉛直方向における透過率に対する透過率の変化率)が2%以下にする)ことができる。
これにより、本実施形態では、ゲストホスト方式による調光フィルムを使用する場合に、従来に比してより効果的に車内に外光を入射することができる。
なお、液晶層8の吸収軸の方向は、鉛直方向に対して10度以下の方向であればより好ましく、この場合、液晶層8の外光の入射側では、遮光状態における二色性色素組成物8Bの長軸方向を鉛直方向に対して10度以下の方向にする必要がある。
また、調光フィルム1は、複数のサイドウインドウ23に対して、図2中の矢印Bに示すように、液晶層8の吸収軸方向が車両20の上下方向(鉛直方向)であるようにして配置される。
なお、調光フィルム1は、サイドウインドウ23の何れか一か所又は複数個所に選択的に配置してもよく、また、フロントウインドウや、リアウインドウ、サンルーフ、サンバイザー等に配置するようにしてもよい。また、調光フィルム1は、上述のように、十分な視野角特性を確保しているので、乗用車のフロントウインドウやリアウインドウのように鉛直方向に対して傾斜したウインドウに対して貼付してもよい。
次に、第2実施形態について説明する。
図4は、第2実施形態の調光フィルムが配置された建築物を説明する図である。図4は、調光フィルムが配置された建築物の断面を示す図である。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
本実施形態では、調光フィルム1は、構造体として建築物30に配置されている。具体的には、調光フィルム1は、室内に外光が入射する部位となる建築物30の開口部である窓ガラス31に配置される。
なお、調光フィルム1は、ガラス、透明アクリル板等の透明板材を使用したドア等に配置するようにしてもよい。また、調光フィルム1は、実用上十分な耐候性等の信頼性を確保することができる場合、窓ガラス31の屋外側に貼り付けるようにしてもよく、また、合わせガラスの中間材に適用して配置するようにしてもよい。
そのため、調光フィルム1は、遮光状態において、少なくとも液晶層8の外光が入射する側(建築物30の外側)では、二色性色素組成物8Bの長軸方向が、建築物30の鉛直方向に対して18度以下の方向に、より好ましくは、10度以下の方向に、更に好ましくは、建築物30の鉛直方向に一致するようして配置される。
図5は第3実施形態の調光フィルムの構成を説明する断面図である。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
この実施形態では、調光フィルム1に代えて、この調光フィルム41が、移動体や建築物等の構造体に適用される点を除いて、第1実施形態又は第2実施形態と同一に構成される。
偏光子42は、液晶セル4と同一に構成され、遮光状態において、ゲストホスト液晶組成物48Aが一方向に水平配向するように駆動され、また透光状態において、ゲストホスト液晶組成物48Aが垂直配向するように駆動される。
ここで、偏光子42は、ゲストホスト液晶組成物48Aが一方向に水平配向した場合に、偏光子としての光学的機能を発揮することになる。
これにより、調光フィルム41では、遮光状態と透光状態とで、十分な光量の差を確保することができる。
〔調光フィルム〕
図6は、第4実施形態の調光フィルムの構成を説明する断面図である。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
調光フィルム101は、液晶組成物への電界を変動させることにより透過する透過光量を制御する部材であり、本実施形態では、図6に示すように、直線偏光板102、103により液晶セル104を挟持して構成される。
直線偏光板102、103は、ポリビニルアルコール(PVA)にヨウ素等を含浸させた後、延伸して直線偏光板としての光学的機能を果たす光学機能層が形成され、TAC(トリアセチルセルロース)等の透明フィルム材による基材により光学機能層を挟持して作製される。直線偏光板102、103は、クロスニコル配置により、アクリル系透明粘着樹脂等による接着剤層により液晶セル104に配置される。なお、直線偏光板102、103は、クロスニコル配置に代えてパラレルニコル配置により配置してもよい。
液晶セル104は、フィルム状の下側積層体105D及び上側積層体105Uにより液晶層108を挟持して構成される。
下側積層体105Dは、基材106に、透明電極111、スペーサ112及び配向層113を配置して形成される。
上側積層体105Uは、基材115に、透明電極116及び配向層117を配置して形成される。調光フィルム101は、この上側積層体105U及び下側積層体105Dに設けられた透明電極111、116の駆動により、液晶層108に設けられた液晶組成物への電界を変化させて、入射した光の透過率を変化させることができる。
基材106、115は、種々の透明フィルム材を適用することができるが、光学異方性の小さなフィルム材を適用することが望ましい。本実施形態において、基材106、115は、厚み100μmのポリカーボネートフィルムが適用されるが、種々の厚みのフィルム材を適用することができ、さらにはCOP(シクロオレフィンポリマー)フィルム等を適用してもよい。
透明電極111、116は、この種のフィルム材に適用される各種の電極材料を適用することができ、本実施形態ではITO(Indium Tin Oxide)による透明電極材により形成される。
スペーサ112は、液晶層108の厚みを規定するために設けられ、各種の樹脂材料を広く適用することができる。本実施形態では、スペーサ112は、フォトレジストにより作製され、基材106上に作製された透明電極111上に、フォトレジストを塗工して露光、現像することにより作製される。
なお、スペーサ112は、上側積層体105Uに設けてもよく、上側積層体105U及び下側積層体105Dの双方に設けてもよい。また、スペーサ112は、配向層113の上に設けるようにしてもよい。更に、スペーサ112は、上述のフォトレジストに限定されるものでなく、例えば、ビーズスペーサを適用してもよい。
配向層113、117は、光配向層により形成される。光配向層に適用可能な光配向材料は、光配向の手法を適用可能な各種の材料を広く適用することができるが、本実施形態では、例えば光二量化型の材料を使用する。光二量化型の材料については、「M.Schadt、 K.Schmitt、 V. Kozinkov and V. Chigrinov : Jpn. J. Appl.Phys.、 31、 2155 (1992)」、「M. Schadt、 H. Seiberle and A. Schuster : Nature、 381、 212(1996)」等に開示されている。
なお、配向層113、117は、光配向層に代えて、例えば、ポリイミド樹脂層をラビング処理により作製したり、微細なライン状凹凸形状を賦型処理して作製したりしてもよい。
液晶層108は、この種の調光フィルム101に適用可能な各種の液晶層材料を広く適用することができる。具体的に、液晶層108には、例えば、メルク社製MLC2166等の液晶材料を適用することができる。本実施形態の液晶層108は、上述の第1実施形態の液晶層8と相違して、ゲストホスト方式でない、すなわち二色性色素組成物を含有していない液晶層である。
液晶セル104は、液晶層108を囲むように、シール材119が設けられている。液晶セル104は、このシール材119により上側積層体105U、下側積層体105Dが一体に保持され、液晶材料の漏出が防止される。
シール材119は、例えば、エポキシ樹脂、紫外線硬化性樹脂等を適用することができる。
ここで、TN方式は、電界の印加により、液晶分子の配向を垂直方向と水平ねじれ方向とで変化させ、光の旋光性を利用して透過光量を制御する方式である。
また、IPS方式は、一方の基材に電極をまとめて作成し、この電極による電界により配向させた液晶分子を基板に対して横(水平)方向に回転させることにより透過光量を制御する方式である。
また液晶セル104は、光配向層のパターンニング等によりいわゆるマルチドメイン方式により液晶材料を駆動してもよく、さらにはシングルドメインにより駆動してもよい。
図7は、第4実施形態の調光フィルムが配置された車両を説明する図である。図7は、車両を鉛直上方から見た図である。
本実施形態の車両120は、乗用車であり、搭乗者が乗車している部位に向かって外光が入射する部位に調光フィルム101が配置される。
具体的には、車両120は、図7に示すように、車内に光を入射させる部位として、フロントウインドウ121、リアウインドウ122、サイドウインドウ123が設けられており、各ウインドウに調光フィルム101が貼り付けられて配置される。
なお、車両120は、乗用車に代えて、トラックや、バス等の車両に適用してもよい。
なお、実用上十分な耐候性等の信頼性を確保することができる場合、車外側から貼り付けて配置されるようにしてもよい。また、これらウインドウを合わせガラスにより構成して、合わせガラスの中間材として調光フィルムを適用してもよい。
調光フィルム101は、車両120のフロントウインドウ121、リアウインドウ122においては、図7中の矢印Aに示すように、車外側(外光の入射側)の直線偏光板102の吸収軸方向が鉛直方向になるようにして配置され、また、矢印Bに示すように、車内側(外光の入射側とは反対側)の直線偏光板103の吸収軸方向が車幅方向(水平方向)になるようにして配置される。
また、調光フィルム101は、サイドウインドウ123においては、図7中の矢印Cに示すように、車外側の直線偏光板102の吸収軸方向が車両120の鉛直方向になるようにして配置され、また、矢印Dに示すように、車内側の直線偏光板103の吸収軸方向が車両120の前後方向(水平方向)になるようにして配置される。
なお、調光フィルム101は、フロントウインドウ121、リアウインドウ122、サイドウインドウ123の何れか一か所又は複数個所に選択的に配置されるようにしてもよく、また、サンルーフや、サンバイザー等に配置されるようにしてもよい。
そのため、上述のように、車両120の各ウインドウに調光フィルム101の直線偏光板102の吸収軸の方向を鉛直方向に対して18度以下に配置することによって、調光フィルム101の透光状態において、車両120の外部から入射する光のうち、特に地面や、構造物に反射した反射光に多く含まれる水平偏光成分の光が、調光フィルム101の外光の入射側に配置される直線偏光板102により吸収されてしまうのを低減することができ、車内への透過光量を効果的に増やすことができる。
そのため、車外から入射する外光を、調光フィルム101を介して水平偏光により出射した場合、調光フィルム101からの出射光が偏光サングラスにより遮光されてしまい、調光フィルムが透光状態であるにも関わらず、偏光サングラスの装着している搭乗者は、車外を視認できなくなり、また、著しく車内が暗く感じてしまう場合がある。
より好ましくは、調光フィルム101の車内側の直線偏光板の吸収軸の方向を、車両120の水平方向に一致させることにより、偏光サングラスにより遮光されてしまう光量を更に低減することができる。
仮に、調光フィルム101の車内側の直線偏光板103の吸収軸の方向が、車両120の水平方向に対して10度よりも大きい場合、調光フィルム101を介して車内に入射する光に水平偏光成分が増えてしまい、偏光サングラスにより遮光されてしまう光量が増加してしまい、偏光サングラスを通して車外が視認し難くなるので好ましくない。
図8は、第5実施形態の調光フィルムの構成を説明する図である。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
本実施形態の調光フィルム201は、液晶セル204(偏光部材)の一方の面にのみ直線偏光板203が設けられている点で、上述の第1実施形態の調光フィルム1と相違する。
すなわち、本実施形態の調光フィルム201の液晶セル204は、二色性色素208Bをゲストホスト型液晶分子208A内に混合し、ゲストホスト型液晶分子208Aの移動に伴い、二色性色素208Bを移動させることで、光の透遮光を制御するゲストホスト方式である。
本実施形態では、この直線偏光板203が、車両などの移動体や、建築物等の構造体の内側(外光の入射側とは反対側)に位置し、また、液晶セル204が外光の入射側に位置するようにして、調光フィルム201が、構造体の外光が入射する部位に配置される。
また、調光フィルム201の直線偏光板203は、その吸収軸の方向が、構造体の水平方向に対して10度以下の方向となるように配置されている。
また、調光フィルム201の直線偏光板203によって、透光状態において調光フィルム101を介して車内に入射する光をほぼ垂直偏光により出射することができる。これにより、調光フィルム201の透光状態において、偏光サングラスを装着していても、構造体内に居る者が、調光フィルム201を通じて構造体の外側の景色等を視認することができるとともに、構造体内が暗く感じてしまうのを極力抑制することができる。
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態の構成を種々に変更することができる。
102 直線偏光板
103、203 直線偏光板
4、104、204 液晶セル
5U、105U、205U 上側積層体
5D、105D、205D 下側積層体
6、15、106、115、206、215 基材
8、108、208 液晶層
11、16、111、116、211、216 透明電極
12、112、212 スペーサ
13、17、113、117、213、217 配向層
19、119、219 シール材
20、120 車両
21、121 フロントウインドウ
22、122 リアウインドウ
23、123 サイドウインドウ
30 建築物
31 窓ガラス
42 偏光子
Claims (7)
- 構造体の外側から外光が入射する部位に配置され、入射した前記外光の遮光及び透過を調節する調光部材であって、
当該調光部材の構成要素の中で最初に前記外光が入射する位置に配置される偏光部材を備え、
前記偏光部材の吸収軸の方向が、前記構造体の鉛直方向に対して18度以下の方向であり、
前記偏光部材の前記外光が入射する側とは反対側に直線偏光板を備え、
前記直線偏光板の吸収軸の方向が、前記構造体の水平方向に対して10度以下の方向であること、
を特徴とする調光部材。 - 前記偏光部材は、液晶組成物及び二色性色素組成物を有する液晶層であり、
前記液晶層は、その吸収軸の方向が前記構造体の鉛直方向に対して18度以下の方向であること、
を特徴とする請求項1に記載の調光部材。 - 外側から外光が入射する部位に、入射した前記外光の遮光及び透過を調節する調光部材が設けられた構造体であって、
前記調光部材は、前記調光部材の構成要素の中で最初に前記外光が入射する位置に配置される偏光部材を備え、
前記偏光部材の吸収軸の方向が、当該構造体の鉛直方向に対して18度以下の方向により配置され、
前記偏光部材は、液晶組成物及び二色性色素組成物を有する液晶層であり、
前記液晶層の吸収軸の方向が、前記構造体の鉛直方向に対して18度以下の方向であり、
前記液晶層の前記外光の入射側とは逆側に偏光子を備え、
前記偏光子は、第2液晶組成物、第2二色性色素組成物を有する第2液晶層を備えること、
を特徴とする構造体。 - 前記調光部材の遮光状態において、
少なくとも前記液晶層の前記外光の入射側における前記二色性色素組成物の長軸方向は、鉛直方向に対して18度以下の方向であること、
を特徴とする請求項3に記載の構造体。 - 外側から外光が入射する部位に、入射した前記外光の遮光及び透過を調節する調光部材が設けられた構造体であって、
前記調光部材は、前記調光部材の構成要素の中で最初に前記外光が入射する位置に配置される偏光部材を備え、
前記偏光部材の吸収軸の方向が、当該構造体の鉛直方向に対して18度以下の方向により配置され、
前記偏光部材の前記外光が入射する側とは反対側に直線偏光板を備え、
前記直線偏光板の吸収軸の方向が、前記構造体の水平方向に対して10度以下の方向であること、
を特徴とする構造体。 - 前記偏光部材は、液晶組成物及び二色性色素組成物を有する液晶層であり、
前記液晶層の吸収軸の方向が、前記構造体の鉛直方向に対して18度以下の方向であること、
を特徴とする請求項5に記載の構造体。 - 構造体の外側から外光が入射する部位に、入射した前記外光の遮光及び透過を調節する調光部材を配置する調光部材の配置方法であって、
前記調光部材は、前記調光部材の構成要素の中で最初に前記外光が入射する位置に配置される偏光部材を備え、
前記偏光部材の吸収軸の方向が、当該構造体の鉛直方向に対して18度以下の方向により配置され、
前記偏光部材の前記外光が入射する側とは反対側に直線偏光板を備え、
前記直線偏光板の吸収軸の方向が、前記構造体の水平方向に対して10度以下の方向であること、
を特徴とする調光部材の配置方法。
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