JP2023064250A - 調光部材、および構造体 - Google Patents

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Takahiro Inoue
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Abstract

【課題】 入射光に含まれる反射光による眩しさを軽減することができ、また偏光サングラスを使用していても視界が暗くなりすぎることを抑制することができる調光部材、および構造物を提供する。【解決手段】 本開示の調光部材は、入射光が入射する側から順に、第1液晶セル、第2液晶セルが設けられ、第1液晶セルは、入射光が入射する側から順に、少なくとも第1外側配向膜、第1液晶層、および第1内側配向膜が設けられ、第2液晶セルは、入射光が入射する側から順に、少なくとも第2内側配向膜、第2液晶層、および第2外側配向膜が設けられ、第1外側配向膜および第2外側配向膜の配向方向は水平面とのなす角が15°以下の方向であり、第1液晶層の第1内側配向膜に最も近い部分における配向方向と、第2液晶層の第2内側配向膜に最も近い部分における配向方向との、調光部材の厚み方向に直交する平面視におけるなす角が80°以上100°以下である。【選択図】 図1

Description

本開示は、調光部材、および構造体に関する。
従来、例えば、窓に貼り付けて外来光の透過を制御する調光部材(調光フィルム)に関する工夫が種々提案されている。このような調光部材の1つに、液晶を利用したものがある。このような液晶を利用した調光部材は、透明電極を備えた透明フィルム材により液晶材料を挟持して液晶セルを製造し、その液晶セルを直線偏光板により挟持しており、液晶に印加する電界を変更して液晶の配向を変更することにより外来光の透過を制御する。
このような調光部材では、液晶表示パネルに適用可能な各種の駆動方式を適用することができ、VA(Vertical Alignment)方式、TN(Twisted Nematic)方式、IPS(In-Plane-Switching)方式等の駆動方式を適用することができる。
また、特許文献1には、このような調光部材において、ゲストホスト方式の液晶を利用したものが提案されている。このようなゲストホスト方式の液晶を有する液晶セルでは、液晶組成物と二色性色素組成物とがランダムに配向した状態と、いわゆるツイスト配向した状態とを電界の制御により変化させて透過光量を制御する。このようなゲストホスト方式の液晶を有する液晶セルでは、液晶セルの一方の面に直線偏光板を配置して、遮光状態の透過光量を低減することができる。
特許文献2には、ゲストホスト方式による液晶セルを積層して液晶表示パネルを作製する構成が開示されている。
調光部材では、液晶表示パネルに適用される種々の構成を適用することができると考えられるものの、調光部材を車両の窓、建築物の窓等に配置する場合において、色味及び視野角特性を重視する場合、ゲストホスト方式の液晶を適用することが望ましい。
また、調光部材は、各種の構造体に適用して、太陽光等の外部からの入射光の入射を必要とする部位に配置される場合がある。ここで、構造体とは、ビル、家屋等により代表される建築物や、自動車、列車等の車両、船舶、航空機により代表される移動体、室内等で使用されるパーテーション(仕切り板)等を光の透過を目的とした開口部を有するものをいう。
特開2013-139521号公報 特開昭63-25629号公報
このような調光部材を移動体や、建築物等の構造体に使用する場合において、内部の人間にとって、入射光に含まれる反射光が眩しいという問題や、偏光サングラスを使用していた場合に、入射光を吸収することで暗くなりすぎて視界を確保できないという問題がある。
以上から、本開示の目的は、調光部材を移動体や、建築物等の構造体に使用する場合において、内部の人間にとって、入射光に含まれる反射光による眩しさを軽減することができ、また偏光サングラスを使用していても視界が暗くなりすぎることを抑制することができる調光部材、および構造体を提供することである。
本開示の調光部材は、入射光の透過光量を調節する調光部材であって、調光部材は、入射光が入射する側から順に、少なくとも第1液晶セル、および第2液晶セルが設けられ、第1液晶セルは、入射光が入射する側から順に、少なくとも第1外側基材、第1外側透明電極、第1外側配向膜、第1液晶層、第1内側配向膜、第1内側透明電極、および第1内側基材が設けられ、第2液晶セルは、入射光が入射する側から順に、少なくとも第2内側基材、第2内側透明電極、第2内側配向膜、第2液晶層、第2外側配向膜、第2外側透明電極、および第2外側基材が設けられ、第1液晶層は第1ネマティック液晶および第1二色性色素組成物を含み、第2液晶層は第2ネマティック液晶および第2二色性色素組成物を含み、第1外側配向膜および第2外側配向膜は、水平面とのなす角が15°以下の方向に配向され、第1液晶層の第1内側配向膜に最も近い部分における第1ネマティック液晶の配向方向と、第2液晶層の第2内側配向膜に最も近い部分における第2ネマティック液晶の配向方向との、調光部材の厚み方向に直交する平面視におけるなす角が80°以上100°以下である。
上記調光部材において、第1内側配向膜と第2内側配向膜は、いずれも配向処理がされていなくてもよい。
本開示の構造体は、入射光の透過光量を調節する調光部材が設けられた構造体であって、調光部材は、入射光が入射する側から順に、少なくとも第1液晶セル、および第2液晶セルが設けられ、第1液晶セルは、入射光が入射する側から順に、少なくとも第1外側基材、第1外側透明電極、第1外側配向膜、第1液晶層、第1内側配向膜、第1内側透明電極、および第1内側基材が設けられ、第2液晶セルは、入射光が入射する側から順に、少なくとも第2内側基材、第2内側透明電極、第2内側配向膜、第2液晶層、第2外側配向膜、第2外側透明電極、および第2外側基材が設けられ、第1液晶層は第1ネマティック液晶および第1二色性色素組成物を含み、第2液晶層は第2ネマティック液晶および第2二色性色素組成物を含み、
第1外側配向膜および第2外側配向膜は、水平面とのなす角が15°以下の方向に配向され、第1液晶層の第1内側配向膜に最も近い部分における第1ネマティック液晶の配向方向と、第2液晶層の第2内側配向膜に最も近い部分における第2ネマティック液晶の配向方向との、調光部材の厚み方向に直交する平面視におけるなす角が80°以上100°以下である、構造体。
上記構造体において、第1内側配向膜と第2内側配向膜は、いずれも配向処理がされていなくてもよい。
本開示によれば、調光部材を移動体や、建築物等の構造体に使用する場合において、内部の人間にとって、入射光に含まれる反射光による眩しさを軽減することができ、また偏光サングラスを使用していても視界が暗くなりすぎることを抑制することができる調光部材、および構造体を提供することができる。
本開示の実施形態に係る調光フィルムの構成の概略を示す断面図 本開示の実施形態に係る調光フィルムが配置された車両を説明する図 本開示の実施形態に係る調光フィルムが配置された建築物を説明する図
(第1実施形態)
以下、本開示の第1実施形態について、図1を参照して説明する。なお、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状、装飾などは理解を容易にするため適宜誇張、単純化などしている。また説明に直接的に関係しない構成などについては適宜省略している。なお、以下の各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これら
は、適宜変更することができる。
また、本明細書において表面、裏面の言葉を使用しているが、表面、裏面の区別に技術的な意味は無く、フィルムの一方の面を表面としたときに、他方の面が裏面である。
〔調光フィルム(調光部材)〕
図1は、第1実施形態の調光フィルムの構成を説明する概略の断面図である。
本実施形態では、調光部材としてフィルム状の調光フィルムを適用する例で説明するが、これに限定されるものでない。
調光フィルム1は、液晶組成物への電界を変動させることにより透過する透過光量を制御する部材である。本実施形態における調光フィルム1は、ゲストホスト方式による第1液晶セル4および第2液晶セル104の2つの液晶セルが積層されたいわゆるダブルセル構造である。調光フィルム1は、構造体の外側から入射光が入射する部位に配置されるものであるが、入射光が入射する側から順に第1液晶セル4および第2液晶セル104が積層され設けられている。
〔液晶セル〕
第1液晶セル4は、入射光が入射するのとは反対側から、フィルム状の第1下側積層体5D及び第1上側積層体5Uにより第1液晶層8を挟持して構成される。第2液晶セル104は、入射光が入射するのとは反対側から、フィルム状の第2下側積層体105D及び第2上側積層体105Uにより第2液晶層108を挟持して構成される。
〔下側積層体及び上側積層体〕
第1下側積層体5Dは、入射光が入射するのとは反対側から順に、透明フィルム材による第1内側基材6に、第1内側透明電極11、第1スペーサ12、第1内側配向膜13を配置して形成される。第2下側積層体105Dは、入射光が入射するのとは反対側から順に、透明フィルム材による第2外側基材106に、第2外側透明電極111、第2スペーサ112、第2外側配向膜113を配置して形成される。
第1上側積層体5Uは、入射光が入射する側から順に、透明フィルム材による第1外側基材15に、第1外側透明電極16、第1外側配向膜17を配置して形成される。第2上側積層体105Uは、入射光が入射する側から順に、透明フィルム材による第2内側基材115に、第2内側透明電極116、第2内側配向膜117を配置して形成される。
調光フィルム1は、第1上側積層体5Uに設けられた第1外側透明電極16及び第1下側積層体5Dに設けられた第1内側透明電極11の駆動により、第1液晶層8に含まれる第1ネマティック液晶8Aへの電界を変化させること、および第2上側積層体105Uに設けられた第2内側透明電極116及び第2下側積層体105Dに設けられた第2外側透明電極111の駆動により、第2液晶層108に含まれる第2ネマティック液晶108Aへの電界を変化させること、により入射した光の透過率を個別に制御することができる。
〔基材〕
第1内側基材6、第1外側基材15、第2外側基材106、第2内側基材115(以降この4基材をまとめて「各基材6、15、106、115」ともいう)は、この種のフィルム材に適用可能な種々の透明フィルム材を適用することができる。本開示においては、各基材6、15、106、115は、ポリカーボネート(PC)フィルム、シクロオレフィンポリマー(COP)フィルムなどの低位相差の透明フィルム材であることが好ましい。この実施形態において、各基材6、15、106、115は、PCフィルムが適用されるものの、COPフィルム、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム等を適用してもよい。
〔透明電極〕
第1外側透明電極16、第1内側透明電極11、第2内側透明電極116、および第2外側透明電極111は、この種のフィルム材に適用される各種の電極材料を適用することができ、この実施形態ではITO(Indium Tin Oxide)による透明電極材により形成される。
〔スペーサ〕
第1スペーサ12は、第1液晶層8の厚みを、第2スペーサ112は、第2液晶層108の厚みを、それぞれ規定するために設けられ、各種の樹脂材料を広く適用することができる。本実施形態では、第1スペーサ12、第2スペーサ112は、フォトレジストにより作製される。第1内側透明電極11が形成された第1内側基材6の上に、第2外側透明電極111が形成された第2外側基材106の上に、各フォトレジストを塗工して露光、現像することにより作製される。
なお、第1スペーサ12は、第1上側積層体5Uに設けてもよく、第1上側積層体5U及び第1下側積層体5Dの双方に設けてもよい。第2スペーサ112は、第2上側積層体105Uに設けてもよく、第2上側積層体105U及び第2下側積層体105Dの双方に設けてもよい。また、第2スペーサ112は、第2外側配向膜113の上に設けるようにしてもよい。更に、第1スペーサ12、第2スペーサ112は、上述のフォトレジストに限定されるものでなく、例えば、ビーズスペーサを適用してもよい。ビーズスペーサは散布してもよいし、配向膜を形成する際にその材料に添加しておくことにより、配向膜とともにフィルムに塗布してもよい。
〔配向膜〕
第1外側配向膜17、第2外側配向膜113は、ポリイミド樹脂層をラビング処理して作製される。なお、第1外側配向膜17は、第1液晶層8に係る、第2外側配向膜113は、第2液晶層108に係る、各液晶材料に対して配向規制力を発現可能な各種の構成を適用することができ、いわゆる光配向膜により作製してもよい。その一方、第1内側配向膜13、第2内側配向膜117については配向処理をしていない。すなわち、第1内側配向膜13、第2内側配向膜117については、各液晶材料に対し配向規制力は発現しない。
なお、光配向膜の材料には、光配向の手法を適用可能な各種の材料を適用することができるものの、例えば、一旦配向した後には、紫外線の照射によって配向が変化しない、例えば光二量化型の材料を使用することができる。この光二量化型の材料については、「M.Schadt, K.Schmitt, V. Kozinkov and V. Chigrinov : Jpn. J. Appl.Phys., 31, 2155 (1992)」、「M. Schadt, H. Seiberle and A. Schuster : Nature, 381, 212(1996)」等に開示されている。
上述の通り、調光フィルム1には第1外側配向膜17、および第2外側配向膜113が設けられている。第1外側配向膜17、および第2外側配向膜113は、水平面とのなす角が15°以下の方向に配向される。該配向方向は10°以下であることが好ましく、5°以下であることが更に好ましく、理想的には0°である。
〔液晶層〕
第1液晶層8は、第1ネマティック液晶8A及び第1二色性色素組成物8Bによる、第2液晶層108は、第2ネマティック液晶108A及び第2二色性色素組成物108Bによる、各ゲストホスト液晶の溶液により形成され、この種の調光フィルム1に適用可能な各種の液晶層材料を広く適用することができる。また、カイラル剤が添加されていてもよい。
調光フィルム1は、第1外側透明電極16、および第1内側透明電極11への印加電圧の変更により第1液晶層8の電界が変化し、垂直配向と水平配向とで第1ネマティック液晶8Aの配向を変化させるものであり、第2内側透明電極116、および第2外側透明電極111への印加電圧の変更により第2液晶層108の電界が変化し、垂直配向と水平配向とで第2ネマティック液晶108Aの配向を変化させるものである。
第1ネマティック液晶8Aの配向の変化に連動して第1二色性色素組成物8Bの配向方向は、第1ネマティック液晶8Aの長軸方向と第1二色性色素組成物8Bの長軸方向とが一致するように変化する。同様に第2ネマティック液晶108Aの配向の変化に連動して第2二色性色素組成物108Bの配向方向は、第2ネマティック液晶108Aの長軸方向と第2二色性色素組成物108Bの長軸方向とが一致するように変化する。
第1液晶層8において、第1ネマティック液晶8Aと第1二色性色素組成物8Bは、第1液晶層8の厚み方向に直交する平面視においてねじれて配向される。また同様に、第2液晶層108において、第2ネマティック液晶108Aと第2二色性色素組成物108Bは、第2液晶層108の厚み方向に直交する平面視においてねじれて配向される。なお、第1液晶層8、および第2液晶層108の厚み方向は、調光フィルム1の厚み方向と一致し、図1におけるTiで示す方向である。
第1ネマティック液晶8Aおよび第2ネマティック液晶108Aは、調光フィルム1(第1液晶層8、第2液晶層108)の延在平面と平行に(延在平面とのなす角が0°となる様に)配向される。これは以降の実施形態おいても同様である。なお、調光フィルム1の延在平面とは、調光フィルム1の厚み方向と直交する平面であり、図1においては、調光フィルム1の厚み方向を示すTiに直交する平面である。
具体的には、理想的な一例として、第1液晶層8に含まれる第1ネマティック液晶8Aは、第1外側配向膜17に最も近い部分において水平面とのなす角が0°、第1内側配向膜13に最も近い部分において水平面とのなす角が45°となるようにねじれている。そして、第2液晶層108に含まれる第2ネマティック液晶108Aは、第2内側配向膜117に最も近い部分において水平面とのなす角が-45°、第2外側配向膜113に最も近い部分において水平面とのなす角が0°となるようにねじれている。水平面とは鉛直方向(重力方向)に直交する面である。
その結果、第1液晶層8の第1内側配向膜13に最も近い部分における第1ネマティック液晶8Aの配向方向と、第2液晶層108の第2内側配向膜117に最も近い部分における第2ネマティック液晶108Aの配向方向との、調光フィルム1の厚み方向に直交する平面視におけるなす角は90°である。
この様なネマティック液晶(8A、108A)のねじれは、液晶層(8、108)にカイラル剤を添加すること実現することができる。ねじれの角度は、液晶層(8、108)の厚さに相当するギャップに対するカイラル剤の添加量により調整することができる。
調光フィルム1は、ネマティック液晶にいわゆるポジ型の液晶組成物を適用して、第1液晶層8、第2液晶層108への無電界時、ネマティック液晶を水平方向に上記ねじり配向させ、第1液晶層8、第2液晶層108への電界印加時にネマティック液晶を垂直配向させ、これによりいわゆるノーマリーダークにより構成される。
ネマティック液晶にいわゆるネガ型の液晶組成物を適用して、いわゆるノーマリークリアにより構成してもよい。また、本開示においては、第1ネマティック液晶8A、第2ネマティック液晶108Aの双方がねじれていることは必須の要件ではなく、第1ネマティック液晶8A、第2ネマティック液晶108Aのうち少なくとも一方がねじり配向していればよい。この形態については第2実施形態で説明する。
〔シール材〕
調光フィルム1においては、第1液晶層8を囲むように、第1シール材19が配置され、この第1シール材19により第1上側積層体5U、第1下側積層体5Dが一体に保持され、液晶材料の漏出が防止される。同様に、第2液晶層108を囲むように、第2シール材119が配置され、この第2シール材119により第2上側積層体105U、第2下側積層体105Dが一体に保持され、液晶材料の漏出が防止される。
上述の調光フィルム1(調光部材)は、構造体の外側から太陽光等の入射光が入射する部位に配置され、構造体内に入射する光量を制御するために用いられる。ここで、構造体とは、自動車、列車等の車両、船舶、航空機により代表される移動体や、ビル、家屋等により代表される建築物、室内等で使用されるパーテーション(仕切り板)等の、光を透過し、調光部材が配置、適用され得る部位を有するものをいう。
本実施形態では、調光フィルム1が構造体の一例である車両(乗用車)に配置される例で説明するが、これに限定されるものでなく、建築物等のその他の構造体に適用されるようにしてもよい。
〔車両〕
図2は、第1実施形態の調光フィルムが配置された車両を説明する図である。図2は、車両を鉛直上方から見た図である。
本実施形態の車両20は、乗用車であり、搭乗者が乗車している部位に向かって入射光が入射する部位に調光フィルム1が配置される。
具体的には、車両20は、図2に示すように、車内に光を入射させる部位として、フロントウインドウ21、リアウインドウ22、サイドウインドウ23が設けられており、本実施形態では、上述の調光フィルム1が複数のサイドウインドウ23に貼り付けられている。
なお、車両20は、乗用車に代えて、トラック、バス等の車両に適用してもよい。
複数のサイドウインドウ23に配置された各調光フィルム1は、それぞれ個別に不図示の駆動用電源に接続され、個別に電圧が印加されるように構成されている。これにより車両20は、各サイドウインドウ23の透過光を個別に調整することができる。
なお、調光フィルム1は、各サイドウインドウ23の車内側より粘着剤等に貼り付けて配置される。実用上十分な耐候性等の信頼性を確保することができる場合、車外側より貼り付けて配置されるようにしてもよい。また、これらウインドウを合わせガラスにより構成して、合わせガラスを構成する中間膜の間に調光フィルム1を入れてもよい。
中間膜の材料は、一般的に、ポリビニルブチラール(PVB)、エチレン酢酸ビニル(EVA)が使用されるが、それ以外の材料であってもよい。更に透明粘着層としてOCA(Optical Clear Adhesive Film)、OCR(Optical Clear Resin)などの材料を含んでいてもよい。
〔建築物〕
次に、調光フィルム1が構造体の一例である建築物に配置される例について説明する。
図3は、調光フィルム1が配置された建築物を説明する図であり、調光フィルムが配置された建築物の断面を示す図である。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
本実施形態では、調光フィルム1は、構造体として建築物30に配置されている。具体的には、調光フィルム1は、室内に入射光が入射する部位となる建築物30の開口部である窓ガラス31に配置される。
なお、調光フィルム1は、ガラス、透明アクリル板等の透明板材を使用したドア等に配置するようにしてもよい。また、調光フィルム1は、実用上十分な耐候性等の信頼性を確保することができる場合、窓ガラス31の屋外側に貼り付けるようにしてもよく、また、合わせガラスの中間材に適用して配置するようにしてもよい。
ここで、車両20や建築物30などの構造体に到来する入射光は、直射日光だけでなく、地面や、周囲の建造物により反射した反射光が含まれており、この反射光は垂直偏光成分に比して水平偏光成分が多く含まれている。
構造体(車両20、建築物30等)に調光フィルム1が設置された状態において、第1外側配向膜17、および第2外側配向膜113は、水平面とのなす角が理想的には0°の方向に配向される。
図2においては、水平面は紙面と平行な面であり、鉛直方向は紙面に直交する方向である。図3においては、鉛直方向は図示の方向VDであり、水平面は方向VDに直交する平面である。
そして液晶層についてはカイラル剤を適切に配合することにより上述の通り、第1液晶層8に含まれる第1ネマティック液晶8Aは、第1外側配向膜17に最も近い部分において水平面とのなす角が0°、第1内側配向膜13に最も近い部分において水平面とのなす角が45°となるようにねじれている。そして、第2液晶層108に含まれる第2ネマティック液晶108Aは、第2内側配向膜117に最も近い部分において水平面とのなす角が-45°、第2外側配向膜113に最も近い部分において水平面とのなす角が0°となるようにねじれている。ここで、第1液晶層8に含まれる第1ネマティック液晶8Aを第1外側配向膜17に最も近い部分において水平面とのなす角が0°の方向に配向することは、隣接する第1外側配向膜17が水平面とのなす角が0°の方向に配向しているため容易である。また同様に、第2液晶層108に含まれる第2ネマティック液晶108Aを第2外側配向膜113に最も近い部分において水平面とのなす角が0°の方向に配向することは、隣接する第2外側配向膜113が水平面とのなす角が0°の方向に配向しているため容易である。
調光フィルム1に対し、入射光が入射する場合を考える。上述の通り、入射光には水平偏光成分を多く含む反射光が含まれており、反射光は眩しさやぎらつきの原因となる。入射光のうち水平偏光成分は、第1外側配向膜17に最も近い部分で水平面とのなす角が0°の方向に配向される第1液晶層8中の第1二色性色素組成物8Bにより、よく吸収される。ここで、第1液晶層8に含まれる第1二色性色素組成物8Bは、第1外側配向膜17に最も近い部分で水平面とのなす角が0°、第1内側配向膜13に最も近い部分で水平面とのなす角が45°となるようにねじれている。そのため入射光のうち水平偏光成分は、第1外側配向膜17に近い部分ではよく吸収されるものの、第1内側配向膜13に近づくにつれ次第に吸収され難くなる。
上記説明した通り、第1内側配向膜13、および第2内側配向膜117については配向処理されていないため、第1液晶層8を透過した光はそのままの状態で第2液晶層108に入射する。第2液晶層108に含まれる第2ネマティック液晶108Aは、第2内側配向膜117に最も近い部分において水平面とのなす角が-45°、第2外側配向膜113に最も近い部分において水平面とのなす角が0°となるようにねじれている。入射光のうち水平偏光成分は、第2内側配向膜117に近い部分においてはあまり吸収されないものの、第2外側配向膜113に近づくにつれ次第によく吸収されるようになる。第2液晶層108を透過した光は、第2外側配向膜113を透過して、構造体の内部に達する。
調光フィルム1においては、入射光に含まれる水平偏光成分は、第1液晶層8中の第1外側配向膜17に近い部分、および第2液晶層108の第2外側配向膜113に近い部分において適度に吸収されるため、構造体の内部の人にとって眩しさやぎらつきを低減することができる。
また、調光フィルム1における液晶層のうち構造体の内部に最も近い部分である第2液晶層108における第2外側配向膜113に近い部分においては、水平面とのなす角が0°に配向されている。そして、偏光サングラスは一般的に水平偏光成分(水平方向に対して0°の成分)をカットするものである。すなわち、液晶層のうち構造体の内部に最も近い部分である第2液晶層108の第2外側配向膜113に近い部分がカットする偏光成分と、偏光サングラスがカットする偏光成分とが一致している。そのため、偏光サングラスの有無による光量の差異は少なく、構造体の内部の人が偏光サングラスをかけていた場合であっても、視界が暗くなりすぎることがなく、すなわちブラックアウトを回避できるという利点がある。
さらに、ゲストホスト方式を採用し、平面視において、第1液晶層8の第1内側配向膜13に最も近い部分における第1二色性色素組成物8B(第1ネマティック液晶8A)の配向方向と、第2液晶層108の第2内側配向膜117に最も近い部分における第2二色性色素組成物108B(第2ネマティック液晶108A)の配向方向とがなす角は90°である。平面視とは、調光フィルム1の厚み方向に沿ってみた状態、すなわち、図1のTi方向から見た状態をいう。そのため、電界のON/OFFによる透過率の差を大きくすることができる。
以上の通り、第1実施形態に係る調光フィルム1は、構造体の内部の人間にとって、入射光に含まれる反射光による眩しさを軽減することができるとともに、偏光サングラスを使用していても視界が暗くなりすぎることを抑制することができる。
(第2実施形態)
次に本開示の第2実施形態に係る調光フィルム101について説明する。第2実施形態に係る調光フィルム101は、第1実施形態に係る調光フィルム1と比較して、第1液晶層8に係る液晶のねじれ方、および第2液晶層108に係る液晶のねじれ方のみが異なっている。その他の部分は、層構成、材料、各配向膜における配向処理の有無、配向の方向を含め第1実施形態に係る調光フィルム1と全く同様である。そのため、調光フィルム101の構成を説明する概略の断面図は、調光フィルム1に係る概略の断面図である図1と同様である。
調光フィルム101においては、第1液晶層8に含まれる第1ネマティック液晶8Aは、カイラル剤を適切に配合することにより、第1外側配向膜17に最も近い部分において水平面とのなす角が0°、第1内側配向膜13に最も近い部分において水平面とのなす角が90°となるようにねじれている。一方、第2液晶層108に含まれる第2ネマティック液晶108Aはねじれておらず、第2内側配向膜117に最も近い部分において水平面とのなす角が0°、第2外側配向膜113に最も近い部分においても水平面とのなす角が0°となるように配向されている。すなわち調光フィルム101においては第2液晶層108内の、第2ネマティック液晶108Aと第2二色性色素組成物108Bは、ねじれていない。
その結果、調光フィルム101においても調光フィルム1と同様に、第1液晶層8の第1内側配向膜13に最も近い部分における第1ネマティック液晶8Aの配向方向と、第2液晶層108の第2内側配向膜117に最も近い部分における第2ネマティック液晶108Aの配向方向との、調光フィルム1の厚み方向に直交する平面視におけるなす角は90°である。
調光フィルム101においても、第1外側配向膜17が水平面とのなす角が0°の方向に配向しているため、第1液晶層8に含まれる第1ネマティック液晶8Aを第1外側配向膜17に最も近い部分において水平面とのなす角が0°の方向に配向することは容易であり、第2外側配向膜113が水平面とのなす角が0°の方向に配向しているため、第2液晶層108に含まれる第2ネマティック液晶108Aを第2外側配向膜113に最も近い部分おいて水平面とのなす角が0°の方向に配向することは容易である。
調光フィルム101に入射した入射光のうち水平偏光成分は、第1外側配向膜17に最も近い部分で水平面とのなす角が0°の方向に配向される第1液晶層8中の第1二色性色素組成物8Bにより、よく吸収される。調光フィルム101における第1二色性色素組成物8Bは、第1外側配向膜17に最も近い部分で水平面とのなす角が0°、第1内側配向膜13に最も近い部分で水平面とのなす角が90°となるようにねじれている。そのため入射光のうち水平偏光成分は、第1外側配向膜17に近い部分においてよく吸収される。
第1液晶層8を透過した光はそのままの状態で第2液晶層108に入射する。第2液晶層108に含まれる第2二色性色素組成物108Bは、ねじれておらず、第2外側配向膜113の配向方向に従いその厚み方向に係るいずれの部位においても水平面とのなす角が0°となるように配向されている。そのため、入射光のうち水平偏光成分は、第2液晶層108においても吸収される。第2液晶層108を透過した光は、第2外側配向膜113を透過して、構造体の内部に達する。
調光フィルム101においても、上記の通り、入射光に含まれる水平偏光成分を適度に吸収するため、構造体の内部の人にとって眩しさやぎらつきを低減することができる。
また、第1実施形態と同様に、調光フィルム101における液晶層のうち構造体の内部に最も近い部分である第2液晶層108における第2外側配向膜113に近い部分においては、水平面とのなす角が0°に配向されている。そのため、構造体の内部の人が偏光サングラスをかけていた場合であっても、視界が暗くなりすぎることがなく、すなわちブラックアウトを回避できるという利点がある。
さらに、ゲストホスト方式を採用し、平面視において、第1液晶層8の第1内側配向膜13に最も近い部分における第1二色性色素組成物8B(第1ネマティック液晶8A)の配向方向と、第2液晶層108の第2内側配向膜117に最も近い部分における第2二色性色素組成物108B(第2ネマティック液晶108A)の配向方向とがなす角は90°である。そのため、電界のON/OFFによる透過率の差を大きくすることができる。
以上の通り、第2実施形態に係る調光フィルム101は、構造体の内部の人間にとって、入射光に含まれる反射光による眩しさを軽減することができるとともに、偏光サングラスを使用していても視界が暗くなりすぎることを抑制することができる。
(他の実施形態)
次に本開示の調光フィルムの他の形態について説明する。本開示の調光フィルムは、上記調光フィルム1、101に対し、第1液晶層8に係る液晶のねじれ方、および第2液晶層108に係る液晶のねじれ方のみが異なり、その他の部分は、層構成、材料、各配向膜における配向処理の有無、配向の方向を含め調光フィルム1、101と全く同様である。そして本開示の調光フィルムにおいては、第1液晶層8の第1内側配向膜13(第2液晶層108)に最も近い部分における第1ネマティック液晶8Aの配向方向と、第2液晶層108の第2内側配向膜117(第1液晶層8)に最も近い部分における第2ネマティック液晶108Aの配向方向との、調光フィルムの厚み方向に直交する平面視におけるなす角は90°である。
他の実施形態の一例として、第1液晶層8に含まれる第1ネマティック液晶8Aは、第1外側配向膜17に最も近い部分において水平面とのなす角が0°、第1内側配向膜13に最も近い部分において水平面とのなす角が60°となるようにねじれており、第2液晶層108に含まれる第2ネマティック液晶108Aは、第2内側配向膜117に最も近い部分において水平面とのなす角が-30°、第2外側配向膜113に最も近い部分において水平面とのなす角が0°となるようにねじれている形態を挙げることができる。
また、他の実施形態の別の一例として、第1液晶層8に含まれる第1ネマティック液晶8Aは、第1外側配向膜17に最も近い部分において水平面とのなす角が0°、第1内側配向膜13に最も近い部分において水平面とのなす角が-30°となるようにねじれており、第2液晶層108に含まれる第2ネマティック液晶108Aは、第2内側配向膜117に最も近い部分において水平面とのなす角が60°、第2外側配向膜113に最も近い部分において水平面とのなす角が0°となるようにねじれている形態を挙げることができる。
本開示におけるいずれの実施形態に係る調光フィルムにおいても、調光フィルム1、101と同様に、第1液晶層8の第1内側配向膜13に最も近い部分における第1ネマティック液晶8Aの配向方向と、第2液晶層108の第2内側配向膜117に最も近い部分における第2ネマティック液晶108Aの配向方向との、調光フィルム1の厚み方向に直交する平面視におけるなす角は90°である。
上記他の実施形態に係る調光フィルムにおいても、調光フィルム1、101で説明したものと同様の効果を得ることができる。
なお上記、調光フィルム1、101あるいは他の実施形態に係る調光フィルムにおける説明では、第1液晶層8の第1内側配向膜13(第2液晶層108)に最も近い部分と、第2液晶層108の第2内側配向膜117(第1液晶層8)に最も近い部分との、調光フィルムの厚み方向に直交する平面視におけるネマティック液晶(8Aと108A)のなす角は90°である旨説明した。しかし該90°は理想的な値であり、実際には、第1液晶層8の第1内側配向膜13(第2液晶層108)に最も近い部分と、第2液晶層108の第2内側配向膜117(第1液晶層8)に最も近い部分との、調光フィルムの厚み方向に直交する平面視におけるネマティック液晶(8Aと108A)のなす角が80°以上100°以下であれば、90°である場合とほぼ同様な作用効果を得ることができる。そのため、本開示の調光フィルムにおける第1液晶層8の第2液晶層108に最も近い部分と、第2液晶層108の第1液晶層8に最も近い部分との、調光フィルムの厚み方向に直交する平面視におけるネマティック液晶(8Aと108A)のなす角は、80°以上100°以下とすることができる。
(比較例)
比較例として、第1液晶層8、第2液晶層108ともカイラル剤を含まないため、第1液晶層8に含まれる第1ネマティック液晶8A、第2液晶層108に含まれる第2ネマティック液晶108Aがともにねじれていないこと、およびそれに伴い第1外側配向膜17、第2外側配向膜113の配向方向を変更していること、以外のその他の部分は、層構成、材料、第1内側配向膜13および第2内側配向膜117が配向処理されていないことを含め、調光フィルム1、101と同様であるゲストホスト方式の調光フィルムについて比較する。
比較例1は、第1外側配向膜17および第1液晶層8に含まれる第1ネマティック液晶8Aが水平面とのなす角が0°方向に配向し、第2液晶層108に含まれる第2ネマティック液晶108Aおよび第2外側配向膜113が水平面とのなす角が90°方向に配向している例である。
比較例1においては、第1液晶層8により入射光に含まれる水平偏光成分が十分に吸収されるため、眩しさやぎらつきを低減することができる。
比較例1においては、調光フィルムにおける液晶層のうち構造体の内部に最も近い第2液晶層108の第2外側配向膜113に近い部分において第2二色性色素組成物108Bは、水平面とのなす角が90°に配向されている。そのため、水平面とのなす角が0°の成分をカットする偏光サングラスの有無による光量の差異が大きくなる。この場合には、視界が暗くなりすぎる、すなわちブラックアウトの恐れがある。
比較例1においては、第1液晶層8の第1二色性色素組成物8B(第1ネマティック液晶8A)の配向方向と、第2液晶層108の第2二色性色素組成物108B(第2ネマティック液晶108A)の配向方向との、調光フィルムの厚み方向に直交する平面視におけるなす角は90°であるため、電界のON/OFFのおける透過率の差を大きくすることができる。
比較例2は、第1外側配向膜17および第1液晶層8に含まれる第1ネマティック液晶8Aが水平面とのなす角が90°方向に配向し、第2液晶層108に含まれる第2ネマティック液晶108Aおよび第2外側配向膜113が水平面とのなす角が0°方向に配向している例である。
比較例2においては、調光フィルムのうち入射光の入射側に近い第1液晶層8により入射光に含まれる水平偏光成分が十分に吸収することができない。そのため、構造体の内部の人にとって眩しさやぎらつきを十分に低減することができない。
また、第2実施例と同様にブラックアウトを回避可能であり、比較例1と同様に、第1液晶層8の第1二色性色素組成物8B(第1ネマティック液晶8A)の配向方向と、第2液晶層108の第2二色性色素組成物108B(第2ネマティック液晶108A)の配向方向との、調光フィルムの厚み方向に直交する平面視におけるなす角は90°であるため、電界のON/OFFのおける透過率の差を大きくすることができる。
比較例3は、第1外側配向膜17、第1液晶層8に含まれる第1ネマティック液晶8A、第2液晶層108に含まれる第2ネマティック液晶108A、第2外側配向膜113のいずれもが水平面とのなす角が0°方向に配向している例である。
比較例3においては、比較例1と同様に入射光に含まれる水平偏光成分を十分に吸収することができるため、眩しさやぎらつきを低減することができる。
また、第2実施例、比較例2と同様にブラックアウトを回避可能である。しかしながら、第1液晶層8の第1二色性色素組成物8B(第1ネマティック液晶8A)の配向方向と、第2液晶層108の第2二色性色素組成物108B(第2ネマティック液晶108A)の配向方向との、調光フィルムの厚み方向に直交する平面視におけるなす角が0°であるため、電界のON/OFFのおける透過率の差を大きくすることができない。
以上説明した、第1実施形態、第2実施形態、比較例1~比較例3に係る調光フィルムが構造体の適所に設置され、それに対して入射光が入射した場合の効果を表1にまとめて示す。
反射光の吸収については、水平偏光成分が十分に吸収するものを○、不十分なものを×とした。偏光サングラスの視界については、ブラックアウトの懸念が少ないものを○、懸念が大きいものを×とした。ON/OFFのコントラストについては、遮光時に光を十分に吸収することにより透光時とのコントラストを大きくできるものを○、遮光時における遮光性能が十分でないために透光時とのコントラストを大きくできないものを×とした。
また表1においては、第1液晶層8における第1ネマティック液晶8Aについて、第1外側配向膜17に最も近い部分において水平面とのなす角が0°、第1内側配向膜13に最も近い部分において水平面とのなす角が45°となるようにねじれている状態を「0°→45°」と示している。同様に、第2液晶層108における第2ネマティック液晶108Aについて、第2内側配向膜117に最も近い部分において水平面とのなす角が-45°、第2外側配向膜113に最も近い部分において水平面とのなす角が0°となるようにねじれている状態を「-45°→0°」と示している。
Figure 2023064250000002
表1により、本開示に係る調光フィルムは、反射光の吸収効果、偏光サングラスの視界、ON/OFFのコントラストの3つの指標のいずれもが良好であることがわかる。その反面、比較例に係る各調光フィルムは、いずれも上記3つの指標を同時に満たすことができないことが分かる。以上より、本開示に係る調光フィルムの優位性が確認された。
以上、本開示に係る調光部材、および構造体について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本開示の技術的範囲に包含される。
1、101 調光フィルム
4 第1液晶セル
104 第2液晶セル
5U 第1上側積層体
105U 第2上側積層体
5D 第1下側積層体
105D 第2下側積層体
6 第1内側基材
106 第2外側基材
15 第1外側基材
115 第2内側基材
8 第1液晶層
108 第2液晶層
11 第1内側透明電極
111 第2外側透明電極
16 第1外側透明電極
116 第2内側透明電極
12 第1スペーサ
112 第2スペーサ
13 第1内側配向膜
113 第2外側配向膜
17 第1外側配向膜
117 第2内側配向膜
19 第1シール材
119 第2シール材
20 車両
21 フロントウインドウ
22 リアウインドウ
23 サイドウインドウ
30 建築物
31 窓ガラス

Claims (4)

  1. 入射光の透過光量を調節する調光部材であって、
    前記調光部材は、前記入射光が入射する側から順に、少なくとも第1液晶セル、および第2液晶セルが設けられ、
    前記第1液晶セルは、前記入射光が入射する側から順に、少なくとも第1外側基材、第1外側透明電極、第1外側配向膜、第1液晶層、第1内側配向膜、第1内側透明電極、および第1内側基材が設けられ、前記第2液晶セルは、前記入射光が入射する側から順に、少なくとも第2内側基材、第2内側透明電極、第2内側配向膜、第2液晶層、第2外側配向膜、第2外側透明電極、および第2外側基材が設けられ、
    前記第1液晶層は第1ネマティック液晶および第1二色性色素組成物を含み、前記第2液晶層は第2ネマティック液晶および第2二色性色素組成物を含み、
    前記第1外側配向膜および前記第2外側配向膜は、水平面とのなす角が15°以下の方向に配向され、
    前記第1液晶層の前記第1内側配向膜に最も近い部分における前記第1ネマティック液晶の配向方向と、前記第2液晶層の前記第2内側配向膜に最も近い部分における前記第2ネマティック液晶の配向方向との、前記調光部材の厚み方向に直交する平面視におけるなす角が80°以上100°以下である、調光部材。
  2. 前記第1内側配向膜と前記第2内側配向膜は、いずれも配向処理がされていない、請求項1に記載の調光部材。
  3. 入射光の透過光量を調節する調光部材が設けられた構造体であって、
    前記調光部材は、前記入射光が入射する側から順に、少なくとも第1液晶セル、および第2液晶セルが設けられ、
    前記第1液晶セルは、前記入射光が入射する側から順に、少なくとも第1外側基材、第1外側透明電極、第1外側配向膜、第1液晶層、第1内側配向膜、第1内側透明電極、および第1内側基材が設けられ、前記第2液晶セルは、前記入射光が入射する側から順に、少なくとも第2内側基材、第2内側透明電極、第2内側配向膜、第2液晶層、第2外側配向膜、第2外側透明電極、および第2外側基材が設けられ、
    前記第1液晶層は第1ネマティック液晶および第1二色性色素組成物を含み、前記第2液晶層は第2ネマティック液晶および第2二色性色素組成物を含み、
    前記第1外側配向膜および前記第2外側配向膜は、水平面とのなす角が15°以下の方向に配向され、
    前記第1液晶層の前記第1内側配向膜に最も近い部分における前記第1ネマティック液晶の配向方向と、前記第2液晶層の前記第2内側配向膜に最も近い部分における前記第2ネマティック液晶の配向方向との、前記調光部材の厚み方向に直交する平面視におけるなす角が80°以上100°以下である、構造体。
  4. 前記第1内側配向膜と前記第2内側配向膜は、いずれも配向処理がされていない、請求項3に記載の構造体。
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